JP3375734B2 - 多段式飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

多段式飛行時間型質量分析装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飛行時間型質量分析装
置に関し、特に複数の扇形静電分析器をイオンの飛行経
路に配置した多段式飛行時間型質量分析装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】飛行時間型質量分析装置は、近年レーザ
ーを用いたパルスイオン化法の発達などにより物質の構
造解析に広く利用されるようになってきた。飛行時間を
利用した質量分析法の大きな特色は次の2点である。 1)測定可能な質量範囲に原理的な限界がなく、質量の
小さなものから大きなものまで次々と測定できる。 2)イオン源で作られたイオンがすべて測定に利用され
るので、感度が高い。
【0003】一方、質量分析にあたりイオンを分裂さ
せ、分裂前のイオン(親イオン)と分裂後のイオン(娘
イオン)の質量を測定するタンデム質量分析法は、磁場
型質量分析装置や四重極質量分析装置を用いて有効に利
用されており、飛行時間型質量分析装置でタンデム質量
分析を行う装置も、特公平3−32018号に提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
3−32018号に提案された装置では、親イオンの質
量はイオンの飛行時間で決め、娘イオンの質量は娘イオ
ンのエネルギーから決めているので、イオンの生成、分
裂の際のエネルギーの広がりにより、親イオンと娘イオ
ンの質量分解能と決定精度に限界があるという問題点が
ある。
【0005】本発明は、上述した点を改善し、親イオ
ン、娘イオン共に質量分解能と決定精度を向上させるこ
とができ、更に2回以上のイオンの分裂が可能な多段式
飛行時間型質量分析装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の多段式飛行時間型質量分析装置は、パルス
イオン源とイオン検出器の間のイオンの飛行経路にイオ
ンを分裂させる手段を複数設けると共に、イオン源と最
初の分裂手段との間、分裂手段と分裂手段との間及び最
後の分裂手段とイオン検出器との間のイオン飛行経路
に、イオン源と分裂点まで、分裂点から次の分裂点まで
の間及び分裂点からイオン検出器までの間のいずれにつ
いても、質量が同じイオンの飛行時間についての収束条
件が成立するようにそれぞれ少なくとも1つの扇形静電
分析器を配置したことを特徴としている。
【0007】
【0008】
【作用】本発明においては、パルスイオン源と最初の
裂点の間、分裂点と分裂点の間及び最後の分裂点とイオ
ン検出器との間にそれぞれ時間収束が成立するように扇
形静電分析器を配置したため、親イオンのエネルギーに
広がりがあっても、同じ質量の親イオンは同時に分裂点
に到達し、また、娘イオンの運動エネルギーが分裂の影
響で広がったとしても、同一の飛行時間で分裂点に到達
し、さらに、孫イオンについても同様に同一の飛行時間
イオン検出器に到達するため、質量分解能と質量決定
精度が高い。以下、図面に基づいて本発明の一実施例を
詳説する。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示すイオン光学
図である。図においてパルスイオン源1から発生したイ
オンは、2つの同心円筒型静電分析器C1,C2を順次
通過し、イオン検出器2へ到達する。3は静電分析器C
1,C2の間のイオン通路に配置される衝突室である。
4はイオン源の動作を制御するイオン源電源、5は静電
分析器C1の分析エネルギー(電場強度)を設定する電
場電源、6は静電分析器C2の分析エネルギー(電場強
度)を設定する電場電源、7はイオン検出器2から検出
信号を取り出す検出回路、8はイオン源電源4へパルス
動作のトリガー信号を送り、電場電源5,6を制御し、
更に検出回路7から得られる検出信号の取り込みを制御
する制御回路であり、取り込まれた検出信号を記憶する
メモリ9及び表示装置10を備えている。
【0010】衝突室3は、内部に適当な圧力のガスを存
在させ、静電分析器C1を通過して入射した親イオンを
ガス分子との衝突により分裂させるものである。分裂に
より生成された娘イオンは、衝突室3を出射した後静電
分析器C2を介してイオン検出器2へ向かう。
【0011】静電分析器C1,C2は、イオン源を同時
に出射した同じ質量のイオンが同時に衝突室へ入射(所
謂時間収束)し、更に衝突室から同時に出射した同じ質
量のイオンも同時にイオン検出器2へ到達するように各
種条件が選ばれている。
【0012】ここで、扇形電場の時間収束作用について
説明する。イオン源においてイオンに付与する加速エネ
ルギーをUとした場合、質量mのイオンの速度vは運動
エネルギーの式より v=(2U/m)1/2 …(1) である。そのイオンが距離Lを飛行するのに要する時間
Tは、イオンの速度に逆比例し、 T=L/v=L(m/2U)1/2 …(2) となる。
【0013】したがって、パルスイオン源で同じ加速エ
ネルギーを付与され同時にイオン源を出発したイオン
は、距離L離れた位置へ、質量が小さく速度が大きいイ
オンが先に質量が大きく速度が遅いイオンほど遅れて、
(2)式に従う所要時間で順次到達する。そこに配置し
たイオン検出器からは、入射したイオンを順次検出した
時系列質量スペクトル信号が得られる。この所要時間T
から、(2)式に基づき、イオンの質量mを求めること
ができる。
【0014】理想的な飛行時間型質量分析装置では、同
じ質量のイオンは同時にイオン検出器に到達するため、
スペクトル信号の各ピークのピーク幅は無限小である。
しかしながら、実際の装置ではピークに広がりが発生す
ることは避けられない。飛行時間型質量分析装置では、
この飛行時間の広がりΔtが装置の質量分解能を決める
ため重要である。このΔtは、イオン光学の一次の近似
で次のように表わすことができる。 Δt=TX o +Tααo +Tδδo …(3) ここで、xo はイオン源のスリット幅、αo は入射イオ
ンの入射角、δo はイオンのエネルギーの広がりであ
り、TX ,Tα,Tδは装置によって定まる定数であ
る。ここで、扇形静電分析器を用いてTX =Tα=Tδ
=0となるように装置を設計すれば、Δtはゼロにな
り、分解能の高い装置が実現できる。これが扇形電場に
よる時間集束作用である。
【0015】上記静電分析器C1は、イオン源1から出
射したイオンについて衝突室3の位置で時間集束が成り
立つように位置,回転角度などが選定され、静電分析器
C2についても、衝突室から出射したイオンについてイ
オン検出器2の位置で時間集束が成り立つように位置,
回転角度などが選定されている。
【0016】次に、飛行時間型質量分析装置におけるタ
ンデム質量分析の原理について説明する。いま、親イオ
ンの質量をm1 、速度をv1 とし、衝突室での分裂によ
り生成する娘イオンの質量をm2 とすると、娘イオンの
運動エネルギーU2 と速度V2 は次の式で与えられる。
【0017】 U2 =(m2 /m1 )U−ΔU …(4) v2 =v1 −Δv …(5) ここで、Uは親イオンの加速エネルギー、ΔUとΔvは
分裂過程での運動エネルギーと速度分布の広がりであ
る。
【0018】イオン源から検出器間での飛行時間は、イ
オンの分裂時にΔvがある場合でも、静電分析器の時間
集束作用により、速度がv1 の場合と同じ飛行時間であ
るので T=L/v1 =L(m1 /2U)1/2
(6) となる。
【0019】この(6)式を用いることにより、分裂前
の親イオンの質量m1 を飛行時間から決定することがで
きる。
【0020】一方、娘イオンのエネルギーは、静電分析
器C2の強度を変えて測定することができる。ここで、
ΔUは飛行時間から補正できるので、ΔU=0の場合を
考えれば良い。その場合、(4)式より、m2 は m2 =(U2 /U)m1 …(7) で与えられる。(6),(7)式より、分析エネルギー
2 に設定された扇形分析器C2 を通過したエネルギー
2 を持つ娘イオンの質量m2 とその親イオンの質量m
1 を求めることができる。
【0021】以下、具体的な測定手順について図2に示
すタイミング図を用いて詳細に説明する。図2aはパル
スイオン源1の動作タイミングを示し、適宜な測定繰り
返し周期で繰り返しパルス的にイオン(親イオン)を生
成し、静電分析器C1へ向けて一定加速エネルギーUを
与えて射出する。静電分析器C1の分析エネルギーは、
図2bに示されているようにUに固定され、時間集束作
用が与えられているため、エネルギーUが付与されたイ
オンは、小さな質量のイオンから順に、時間ずれが少な
い状態で衝突室3へ順次入射する。そして、衝突室3内
のガス分子との衝突により分裂して生成した娘イオン
は、衝突せずに分裂しなかった親イオンと共に衝突室3
を射出して静電分析器C2へ向かう。
【0022】この静電分析器C2の分析エネルギーは、
図2cに示されるように測定の繰り返し毎に初期値Uか
ら0(零)まで微小ステップで段階的に減少するように
制御回路8により制御される。従って、初期値Uの測定
時には、衝突室で分裂しなかった親イオンのみが静電分
析器C2を通過し、イオン検出器2へ到達して図2dに
おいてD1 で示される検出信号(時系列質量スペクトル
信号)が得られる。この検出信号は、イオン源1のパル
ス動作のトリガー信号からの経過時間(飛行時間)とイ
オン強度の関数として制御回路8によって取り込まれ、
メモリ9にその時の分析エネルギー値と対応付けられて
記憶される。
【0023】以後、静電分析器C2の分析エネルギーが
段階的に減少されつつ測定が繰り返され、その時の分析
エネルギーに等しいエネルギーを持つ娘イオンが存在す
る時のみ、その娘イオンが静電分析器C2を通過してイ
オン検出器2へ到達して検出される。図2dのD3 は、
そのような娘イオンが存在した時の検出信号を示し、D
2 ,D4 ,D5 は、その時の分析エネルギーに等しいエ
ネルギーを持つ娘イオンが存在しなかった時の検出信号
を示している。
【0024】このようにして、測定は静電分析器C2の
分析エネルギー=0まで例えばN回繰り返し続けられて
終了する。測定終了までに得られたN個の検出信号は、
制御回路8に付属するメモリ9にN段階の分析エネルギ
ー値と対応付けて記憶格納されている。
【0025】図3は、メモリ9に記憶格納された一連の
検出信号を、縦軸に娘イオンのエネルギー、横軸に飛行
時間、イオン強度を例えば輝度で表示装置10上に表示
した2次元質量スペクトルの一例を示している。飛行時
間に基づいて親イオンの質量を(6)式を用いて計算
し、飛行時間と対比させて横軸に表示している。
【0026】タンデム質量分析の分析手法としては、
(A)特定の親イオンから派生するすべての娘イオンの
分析、(B)特定質量の娘イオンを派生するすべての親
イオンの分析、(C)一定の質量の中性物質を失うすべ
ての分裂過程の分析、の3種類が考えられる。
【0027】これらの分析は、図3に示された一連の測
定で得られた2次元質量スペクトルに基づいて以下のよ
うに行うことができる。 (A)特定の親イオンから派生するすべての娘イオンの
分析 特定の親イオンが分裂する際、娘イオンの飛行時間は、
その質量にかかわらず(6)式により与えられる一定の
値をとる。したがって、質量1000の親イオンから派
生する娘イオンは、図3において横軸の親イオン質量=
1000から垂直に引いた直線(a)の上に出現する。
例えば、表示装置10上にこの直線を縦カーソルとして
表示し、この縦カーソルを親イオン(例えば質量100
0)の位置に合わせた時、この縦カーソル上の一連の信
号強度データを読み出し、スペクトルとして図3におけ
るSd のように表示すれば、質量1000の親イオンか
ら派生したすべての娘イオンを表わす娘イオンスペクト
ルを表示することができる。また、他の出力装置で紙な
どに出力しても良い。
【0028】図4は、水銀セシウムのクラスターイオン
Hg8Cs から分裂して派生した娘イオンのスペクトル
である。なお、娘イオンの質量は、親イオンの質量とエ
ネルギー値から(7)式を用いて計算される。 (B)特定質量の娘イオンを派生するすべての親イオン
の分析 静電分析器C2の分析エネルギーを変化させた時、親イ
オンの質量は(7)式から m1 =(U/U2 )m2 …(8) で与えられる。その時に着目するべき飛行時間Tは、
(8)式を(6)式に代入することにより T=L(m2 /2U2 1/2 …(9) で与えられる。
【0029】図3における曲線(b)は、m2 =200
及びm2 =400の場合について、(9)式の関数を図
3の座標面にプロットしたものである。この曲線上の一
連の信号強度データを読み出し、スペクトルとして表示
すれば、質量200及び400の娘イオンを派生するす
べての親イオンを表わす親イオンスペクトルを得ること
ができる。 (C)一定の質量の中性物質を失うすべての分裂過程の
分析 親イオンの質量がm1 、娘イオンの質量がm2 の場合、
失った中性物質の質量mn は、mn =m1 −m2 であ
る。(6)式より m1 =[U/(U−U2 )]mn …(10) m2 =[U2 /(U−U2 )]mn …(11) であり、着目すべき飛行時間は、(8),(10)式よ
り T=L[mn /2(U−U2 )]1/2 …(12) で与えられる。
【0030】図3における曲線(c)は、mn =200
及びmn =400の場合について、(12)式の関数を
図3の座標面にプロットしたものである。この曲線上の
一連の信号強度データを読み出し、スペクトルとして表
示すれば、質量200及び400の中性物質を失うすべ
ての親イオンを表わす所謂ニュートラルロススペクトル
を得ることができる。
【0031】なお、上記説明では、図3に示されるよう
な飛行時間スペクトルを全域にわたって測定し、メモリ
に記憶させてから分析手法(A),(B),(C)に応
じた直線または曲線上のデータを取り出すことによりス
ペクトルを求めたが、いずれかの手法だけを行う場合に
は、図2のタイミングに従って一連の測定を行いなが
ら、図3の直線(a)、曲線(b)または(c)に該当
する分析エネルギーU2及び飛行時間Tのデータのみを
取り込んで記憶するようにすれば、その他の不要なデー
タを取り込まなくて済む。
【0032】図5は、本発明の他の実施例を示す概略図
である。本実施例は、図1の実施例に加えて、第3の静
電分析器C3と第2の衝突室12を、静電分析器C2と
イオン検出器2の間に配置したことを特徴としている。
11は静電分析器C3用の電場電源であり、制御回路8
によって制御される。なお、衝突室12は、衝突室3か
ら出射し静電分析器C2を通過したイオンについて時間
集束が成り立つ位置に配置され、同様に、衝突室12か
ら出射したイオンについてイオン検出器2の位置で時間
集束が成り立つように静電分析器C3の位置,回転角度
などが選定されている。
【0033】図6は、図5の実施例の動作タイミングを
示すタイミング図である。図6aはパルスイオン源1の
動作タイミングを示す。図6bは静電分析器C1に設定
される分析エネルギーを示し、エネルギー値Uに固定さ
れている。図6cは静電分析器C2に設定される分析エ
ネルギーを示し、衝突室3で生成された娘イオンのう
ち、特定のエネルギー値U21を持つもののみ通過させる
ように、エネルギー値U21に固定されている。図6dは
静電分析器C3に設定される分析エネルギーを示し、測
定の繰り返し毎に初期値Uから0(零)まで微小ステッ
プで段階的に減少するように制御回路8により制御され
る。
【0034】これにより、衝突室3で生成された娘イオ
ンのうち、静電分析器C2を通過できた娘イオンエネル
ギーU21を持つもののみが衝突室12へ入射し、この衝
突室12で娘イオンの分裂により生成されいろいろなエ
ネルギーを持つ孫イオンが、測定の繰り返し毎に変えら
れる静電分析器C3の分析エネルギーがそれぞれの孫イ
オンのエネルギーに一致した時にイオン検出器2へ到達
し、検出される。
【0035】測定は静電分析器C3の孫イオン分析エネ
ルギー=0まで例えばN回繰り返し続けられて終了す
る。測定終了までに得られたN個の検出信号は、制御回
路8に付属するメモリ9にN段階の孫イオン分析エネル
ギー値と対応付けて記憶格納されている。
【0036】測定終了後、メモリ9に記憶格納された一
連の検出信号を、縦軸に孫イオンのエネルギー、横軸に
飛行時間、イオン強度を例えば輝度で表示装置10上に
表示すれば、図3と全く同様に孫イオンの2次元質量ス
ペクトルを表示することができる。
【0037】図7は、水銀セシウムのクラスターイオン
Hg5Cs から分裂して派生した娘イオンのうちHg4C
を静電分析器C2で選択し、衝突室12へ導いて測
定した孫イオン質量スペクトルを示している。
【0038】なお、図6に示した動作例では、静電分析
器C2をある分析エネルギー値U21に固定したが、この
静電分析器C2の分析エネルギー値も図6に示した一連
の測定が終了する毎に段階的に変化させ、各段階毎に図
6の一連の測定を繰り返す事により、パルスイオン源1
で生成されたすべての親イオンから派生するすべての娘
イオンについて、孫イオンスペクトルを測定することが
できる。
【0039】本発明は、上述した実施例に限定されるこ
となく変形が可能である。静電分析器の回転角は任意に
選定できるし、静電分析器の数をさらに増やしても良
い。図8は回転角がほぼ270°の静電分析器を4つ組
み合わせた例を示す。図において破線で示した3か所で
時間収束が満たされるので、その3か所のすべてに衝突
室を配置すればさらに多数回の分裂過程を調べることが
できる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したごとく、本発明では複数個
分裂手段と扇形静電分析器を配置するようにしたた
め、親イオンと娘イオンと孫イオンの質量を高い分解能
で精度良く測定することのできる多段式飛行時間型質量
分析装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すイオン光学図であ
る。
【図2】 図1の装置の動作タイミングを示すタイミン
グ図である。
【図3】 メモリに記憶格納された一連の検出信号に基
づいて表示装置に表示された2次元質量スペクトルの一
例を示す図である。
【図4】 水銀セシウムのクラスターイオンHg8Cs
から分裂して派生した娘イオンのスペクトルを示す図で
ある。
【図5】 本発明の一実施例を示すイオン光学図であ
る。
【図6】 図5の実施例の動作タイミングを示すタイミ
ング図である。
【図7】 水銀セシウムのクラスターイオンHg5Cs
から分裂して派生した娘イオンのうちHg4Csを静電
分析器C2で選択し、衝突室12へ導いて測定した孫イ
オン質量スペクトルを示す図である。
【図8】 本発明の一実施例を示すイオン光学図であ
る。
【符号の説明】
1 パルスイオン源 2 イオン検出器 3,12 衝突室 4 イオン源電源 5,6,11 電場電源 7 検出回路 8 制御回路 9 メモリ 10 表示装置 C1,C2,C3 同心円筒型静電分析器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−13044(JP,A) 特開 昭57−44953(JP,A) 特開 昭60−101851(JP,A) 特開 昭61−23961(JP,A) 特開 平5−36374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/00 - 49/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスイオン源とイオン検出器の間のイ
    オンの飛行経路にイオンを分裂させる手段を複数設ける
    と共に、イオン源と最初の分裂手段との間、分裂手段と
    分裂手段との間及び最後の分裂手段とイオン検出器との
    間のイオン飛行経路に、イオン源と分裂点まで、分裂点
    から次の分裂点までの間及び分裂点からイオン検出器ま
    での間のいずれについても、質量が同じイオンの飛行時
    間についての収束条件が成立するようにそれぞれ少なく
    とも1つの扇形静電分析器を配置したことを特徴とする
    多段式飛行時間型質量分析装置。
  2. 【請求項2】 最後の分裂手段とイオン検出器の間に配
    置された扇形静電分析器の分析エネルギーを変えて飛行
    時間の測定を繰り返し行うための扇形静電分析器制御手
    段と、イオン検出器から得られる飛行時間に関する測定
    データを前記扇形静電分析器の分析エネルギーに対応さ
    せて記憶する記憶手段とを設けたことを特徴とする請求
    項1記載の多段式飛行時間型質量分析装置。
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