【発明の詳細な説明】
高分子染料を含むエマルジョン形態の化粧品組成物
本発明は、少なくとも一つの特異的な高分子染料を含む新規なエマルジョンに
関する。
化粧品組成物に通常用いられる染料は、水性および有機性媒体に一般的に不溶
性の無機または有機顔料またはレーキ、もしくは水性または有機性媒体に可溶性
の染料である。
メイクアップに用いられる顔料およびレーキは、その起源および化学的性質に
おいて非常に多彩である。それ故、その物理化学的性質:粒径、比表面積、密度
等が非常に異なる。これらの差異は挙動の変化に反映される:使用および分散の
容易性、耐光性、熱安定性およびパウダーの場合の機械特性は、各染料ごとに固
有である。これらの挙動の差異は、ある製剤のシェード(濃淡)が修飾される場
合に、しばしばその製剤の組成物の改変を強いる。また、単色形態の製剤の製造
も制限する。特に、理論的には特定のシェードを得ることができる顔料またはレ
ーキが相互に不適合であるために、そのシェードを得ることができない場合があ
る。
有機レーキは、にじむ傾向があまりにも強く、アイライナーまたはマスカラの
場合にコンタクトレンズを染色するという特有の結果を導くために、無機酸化物
が着色化粧品組成物に好ましく用いられる。しかしながら、これらの無機顔料は
、色が鈍く、冴えがないため、十分にしみ込んだラインを得るためには、マスカ
ラおよびアイライナー製剤中に大量に添加する必要がある。この高いパーセント
の無機粒子は、メイクアップ被膜の光沢に強く影響する。この問題はリップステ
ィックの場合にも同様である;少量の顔料を用いて光沢のある組成物が製剤化さ
れなければならない。それ故、被覆力および色のしみ込みは、多くの場合にメイ
クアップ被膜のくすんだ性質に結び付けられる。
メイクアップの分野では、現在のところ、有機レーキのみが明るく強烈な色を
得ることが可能である(無機酸化物は非常に冴えない色を有する)。しかしなが
ら、ほとんどの有機レーキは耐光性に非常に乏しく、経時的な明らかな色の減衰
を表す。この現象は、レーキが二酸化チタンのような光反応性顔料と組み合わさ
れた場合にさらに悪化する。現在、これらの光反応性顔料は、紫外線に対して保
護するためのメイクアップに広く用いられている。結果的に、有機レーキの使用
は非常に制限され、その結果、作り出すことのできるシェードが制限される。
特定の顔料、特に酸化鉄と、油および特にビタミンを含む特定の活性剤との組
み合わせは、しばしばこれらの油とこれらの活性剤を酸化する結果となる。
脂肪相がシリコーン油を含む油中水型または水中油型エマルジョンが調製され
る場合、いかなる他のタイプの顔料もエマルジョンを不安定化するために、通常
高価な被膜顔料を用いざるを得ない。
マスカラ組成物では、10%までの無機酸化物顔料が、睫毛に対する認識可能
かつ満足な着色を得るために用いられる。しかしながら、上記高濃度の顔料は、
マスカラの流動学的特性を大きく低減し、それ故、睫毛に不均一なメイクアップ
効果を与えてしまう。より少ないパーセントで、より鮮明な色彩を与える有機レ
ーキは、上述したように、容易ににじみ、それ故コンタクトレンズを着色する危
険性があることから、この適用に使用するには比較的不適切である。
さらに、メイクアップ組成物における可溶性染料の使用は、染料がしわまたは
ラインに移動して選択的に結びつくために、皮膚におけるこれらのしわまたはラ
インを目立たせる効果を有する。この効果は、メイクアップを用いて得ることが
望まれる皮膚の欠陥の減衰という効果に反する。これらの可溶性染料は、メイク
アップの除去後に、それらが強い親和性を有することによって、皮膚および爪に
跡を残すという欠点を有する。
最後に、無機顔料は満足な着色を得るために大量に用いられなければならない
が、一方、可溶性染料は、微かな量で使用されることに至る非常に高い染色力を
有する。結果的に、再生産可能な条件下で化粧品製剤にそれらを量り取ることは
、極めてデリケートな操作である。
それ故、従来技術の欠点を克服する新規な染料の必要性が存在する。
かくして、本願出願人は、特異的な分類に属する高分子染料の使用が、従来技
術の欠点をもはや有しない新規な化粧品組成物の調製を可能にするということを
、
驚くべきことに見出した。
特に、これらの組成物は皮膚に染料を放出せず、メイクアップ除去後にメイク
アップした皮膚のラインまたは跡が見えるのを避ける。それ故、皮膚、爪、唇ま
たは睫毛を一時的に着色し、メイクアップを除去した後は、皮膚、爪、唇または
睫毛は着色されていない。かくして、きれいなメイクアップ除去が得られる。こ
の組成物を、“ノンスクラッチング”であるという。
これらの組成物は、製剤を不安定にしないように十分少ない量であるが、再生
産可能な方法で容易に量り取ることが可能な十分多くの量の高分子染料を用いて
調製される。
さらに、これらの組成物は、光反応性顔料もまた含む場合には、大変広い範囲
で大変繊細な範囲のシェードを有し、必要であれば光沢効果と組み合わせた強い
強度の色彩を有し、そして適切な耐光性を有する、望ましいシェードと無関係な
不変的な製剤において調製され得る。
本発明の主題は、水、揮発性である油および/またはワックスから選択される
脂肪構成成分、および高分子色素を含むエマルジョンであり、高分子色素はスル
ホポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリアクリル酸ポリマー若し
くはそれらの混合物から選択されることを特徴とする。
「高分子染料」という用語は、本記載において、少なくとも二つの別個のモノ
マーに基づくコポリマーを指し、少なくとも一方のモノマーは有機染料モノマー
である。
上記ポリマー染料は、当業者に周知である。参考文献としては例えば、米国特
許第5,194,463号;第4,804,719号の文献が存在する。
これらの文献には、これらの染料が移動せず、発散せず、染み出ずまたは蒸発
しない性質を有することが開示されている。それらはまた、耐光性であり、強力
な染色力を有すると評価されている。しかしながら、これらの文献において染料
を使用することを企図される媒体は、熱可塑性の媒体であり、本質的にラッピン
グの製品のためのものである。本発明にかかる化粧品組成物に添加される場合の
これらのポリマーの驚くべき性質に関しての示唆は存在しない。
米国特許第5,043,376号は、クレンジングクリームを調製するために、鉱油に
す
り砕き得るポリエステル染料を記載する。しかしながら、本発明のようにエマル
ジョンにスルホポリエステル染料を添加することが、上記説明されるように、皮
膚に染料を放出せず、それ故メイクアップの除去後皮膚に跡を付けないエマルジ
ョンを得ることができることは、米国特許第5,043,376号のどこにも記載も示唆
もない。
本発明において使用され得る高分子染料は、スルホポリエステル、ポリアミド
、ポリウレタン、およびポリアクリル酸ポリマーから選択され、好ましくはスル
ホポリエステルおよびポリウレタンポリマーから選択される。これらのスルホポ
リエステルまたはポリウレタンポリマー染料は、結晶状、半結晶状または非結晶
状の形態であり得る。
本発明にしたがって使用され得るスルホポリエステル高分子染料は、少なくと
も0.20の固有粘度を有し、
(i)少なくとも一つのスルホン酸基を備えた少なくとも一つのジカルボン酸
残基;
(ii)少なくとも一つのジオール残基;および
(iii)少なくとも一つの染料モノマー
を含む、いくつかのモノマーを重合することによって得られる。本発明にしたが
って使用され得るポリウレタンポリマーは、少なくとも0.20の固有粘度を有
し、
(i)少なくとも一つのジイソシアナート残基;
(ii)少なくとも一つのジオール残基;および
(iii)少なくとも一つの染料モノマー
を含む、いくつかのモノマーを重合することによって得られる。
スルホン酸基を備えたジカルボン酸残基は、スルホ1,4-シクロヘキサンカルボ
ン酸二価酸のような環状脂肪族二価酸、あるいは代わりにスルホフタル酸または
4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸のような芳香族二価酸から選択すること
ができる。
ジイソシアナート残基は、例えば2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレ
ンジイソシアナート、4,4'-ビフェニレンジイソシアナート、p-キシレンジイソ
シ
アナート、メチレンビス(p-フェニル)ジイソシアナート、p-フェニレンジイソ
シアナート、m-フェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート
、イソホロンジイソシアナート等のような脂肪族、脂環式、または芳香族形態で
存在し得る。
ジオール残基は、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-
プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,2
-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオー
ル、1,12-ドデカンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジ
オール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、Xが3、4または5を示すx,8-ビス
(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン;鎖中に少なくとも一つの酸
素原子を含むジオールであって、例えばジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,3-ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼ
ン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン等から選択することができる。
概して、これらのジオールは、2から18、好ましくは2から12の炭素原子
を含む。
さらに、スルホポリエステル染料は、スルホン酸基を含まないジカルボン酸残
基を含むことができ、そのような残基は、脂肪族、脂環式または芳香族のタイプ
とされ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸
、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、1,2-ドデカンジオン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等とすることがで
きる。
好ましくは、スルホポリエステルポリマーは、少なくとも約20mol%のカ
ルボニルオキシ基と約80mol%までのカルボニルアミド基を含む結合基を含
む水分散性染料ポリマーであり、上記物質は水溶性スルホナート基を含み、かつ
ポリマー主鎖と、あるいはポリマー主鎖内で反応した少なくとも一つの縮合可能
な基を最初に含む一以上の熱安定性有機化合物を含む染料を、ヒドロキシル、カ
ルボキシルまたはアミノ試薬の等価物の全体を基礎として、約0.01から約4
0mol%含む。上記等価物は、カルバルコキシ、カルバリルオキシ、N-アルキ
ルカルバミルオキシ、アシルオキシ、クロロカルボニル、カルバミルオキシ、N
(アルキル)2カルバミルオキシ、アルキルアミノ、N-フェニルカルバミルオキ
シ、シクロヘキサノイルオキシおよびカルボシクロヘキシルオキシを含む、種々
の縮合可能な誘導体を含む。
本発明の一つの非常に好ましい実施態様では、ポリマー物質が、直鎖状の分子
構造中にカルボニルオキシ結合基を含み、上記結合基の80%までがカルボニル
アミド結合基であり、上記ポリマーは、60−40重量部のフェノール/テトラ
クロロエタンを含む溶液中で、25℃かつ100mlの前記溶媒中に0.25グ
ラムの濃度で測定して、約0.1から約1の固有粘度を備え、上記ポリマーは、
ヒドロキシルおよびアミノ等価物(100mol%)に対して本質的に等モル比
の酸性等価物(100mol%)を含み、上記ポリマーは、以下の試薬(a)、
(b)、(c)、(d)および(e)、あるいは、これらのエステル生成または
エステルアミド生成誘導体の反応残基を含む:
(a)少なくとも一つの二官能性ジカルボン酸;
(b)官能基がヒドロキシル基、カルボキシル基またはアミノ基である芳香族ま
たは環式脂肪族の環に結合した少なくとも一つのカチオン性スルホナート基を含
む、200mol%に等しい酸、ヒドロキシルおよびアミノ等価物の全体を基礎
として、約4から25mol%の少なくとも一つの二官能性スルホモノマー;
(c)グリコール、またはグリコールと二つの−NRH基を含むジアミンとの混
合物から選択された少なくとも一つの二官能性試薬であって、グリコールは以下
の二つの−CH2−O1H基を含む
(1)ヒドロキシルまたはヒドロキシルおよびアミノ等価物の全体のモルパー
セントを基礎として、少なくとも10mol%が、以下の構造式:
H−(OCH2−CH2)n−OH
[nは2から約20の整数]
のポリエチレングリコールである、もしくは
(2)ヒドロキシルまたはヒドロキシルおよびアミノ等価物の全体のモルパー
セントを基礎として、約0.1から約15mol%未満が、以下の構造式:
H−(OCH2−CH2)n−OH
[nは2から約500の整数であり、前記範囲の前記ポリエチレングリコールの
モルパーセントが前記範囲のnの値に反比例する条件にある]
のポリエチレングリコールである;
(d)−C(R)2−OH基を含むヒドロキシカルボン酸、−NRH基を含むア
ミノカルボン酸、−C(R)2−OH基および−NRH基を含むアミノアルコー
ルから選択されたゼロから少なくとも一つの二官能性試薬、もしくは前記二官能
性試薬の混合物であって、試薬(C)または(d)の各々のR基がH原子または
1ないし4の炭素原子を含むアルキル基である;並びに、
(e)ポリマー鎖と、あるいはポリマー鎖内で反応する少なくとも一つの酸、ヒ
ドロキシル、またはアミノ基を含む、200mol%に等しい酸、ヒドロキシお
よびアミノ等価物の全体を基礎として、約0.0mol%から約15mol%の
染料。
水分散性スルホポリエステルは、
(a)75mol%から84mol%のイソフタル酸と、25mol%から16
mol%の5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩を含む酸性モノマー、
(b)45から60mol%のジエチレングリコールと、55から40mol%
の1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはエチレングリコールもしくはこれ
らの混合物とを含むグリコールモノマー、
(c)0.5から10mol%の染料モノマー
を有利に含む。
特に、本発明にしたがって使用され得るポリウレタン高分子染料は、米国特許
US-A-5,194,463号に記載されたものであり、以下の式(I)に相当する:この場合、RはC2−C10アルキレン、C3−C8シクロアルキレン、アリーレン
、(C1−C4)アルキレン−アリーレン−(C1−C4)アルキレン、(C1−C4
)アルキレンシクロ(C3−C8)アルキレン(C1−C4)アルキレンおよび(C1
−C4)アルキレン-1,2,3,4,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2,6-ジイル(C1
−C4)アルキレン基から選択される二価基であり、R1は(a)上記ジオールの
ヒド
ロキシル基がアルキレン単位によって染料化合物の残りの部分に結合している染
料有機ジオールの1から100mol%、および(b)式HO−R2−OHの有
機ジオールの0から99mol%を含む二価有機基であり、ここでR2はC2−C18
アルキレン、C3−C8シクロアルキレン、(C1−C4)アルキレンアリーレン
(C1−C4)アルキレン、(C1−C4)アルキレンシクロ(C3−C8)アルキレ
ン(C1−C4)アルキレン、(C1−C4)アルキレン-1,2,3,4,5,6,7-オクタヒ
ドロナフタレン-2,6-ジイル(C1−C4)アルキレン、(C2−C4)アルキレン-
0-(C2−C4)アルキレン、(C2−C4)アルキレン-S-(C2−C4)アルキレ
ン、(C2−C4)アルキレン-0-(C2−C4)アルキレン-0-(C2−C4)アルキ
レン基から選択される二価基であり、nは2以上である。
R1は好ましくは、染料ジオールの5から50mol%を含み、nは2から1
00の範囲である。
ポリウレタンポリマーに対して、染料ジオールモノマーは、様々なクラスの発
色団から選択される。これらの発色団のクラスは、アントラキノン、メチン、ビ
ス−メチン、アゾメチン、アリーリデン、3H-ジベンゾ[7,i-j]-イソキノリン、
フタロイルフェノキサジン、フタロイルアクリドン、アントラピリミジン、アン
トラピラゾール、フタロシアニン、キノフタロン、インドフェノール、ペリノン
、ニトロアリールアミン、ベンゾジフラン、2H-1-ベンゾピラン-2-オン、キノフ
タロン、トリフェノジオキサジン、フルオリジン、ベンズアントロン、インジゴ
、チオインジゴ、キサンテン、アクリジン、アジン、オキサジン等から選択され
得る。これらの染料モノマーは、少なくとも二つのヒドロキシル基を有していな
ければならない。
参考文献として、米国特許第5,194,463号に染料モノマーの例が見出される。
本発明にかかる有機染料モノマーは、高分子染料の調製のために用いられる少
なくとも一つの他のモノマーと反応することができる少なくとも二つの置換基を
含んでいなければならず、上記ポリマーを調製する温度および条件下で安定でな
ければならない。
これらの二つの予備的な条件を除いて、染料モノマーの化学的性質は、本発明
の実施のために重要ではない。これらのモノマーは、例えば、アントラキノン、
メチン、ビス-メチン、アザ-メチン、アリーリデン、3H-ジベンゾ[7,i-j]イソキ
ノリン、2,5-ジアリールアミノテレフタル酸およびそのエステル、フタロイルフ
ェノチアジン、フタロイルフェノキサジン、フタロイルアクリドン、アントラピ
リミジン、アントラピラゾール、フタロシアニン、キノフタロン、インドフェノ
ール、ペリノン、ニトロアリールアミン、ベンゾジフラン、2H-1-ベンゾピラン-
2-オン、キノフタロン、ペリレン、キナクリドン、トリフェノジオキサジン、フ
ルオリジン、4-アミノ-1,8-ナフタリミド、チオキサントロン、ベンズアントロ
ン、インダントロン、インジゴ、チオインジゴ、キサンテン、アクリジン、アジ
ン、オキサジン等から選択することができる。高分子染料の調製に用いられ得る
染料モノマーの例を見出すために、米国特許第4,267,306号;米国特許第4,359,5
70号;米国特許第4,403,092号;米国特許第4,617,373号;米国特許第4,080,355
号;米国特許第4,740,581号;米国特許第4,116,923号;米国特許第4,745,173号
;米国特許第4,804,719号;米国特許第5,194,463号;米国特許第5,804,719号;
国際公開第92/07913号を参照することができる。
他のモノマーと反応することができる染料モノマーが有する置換基は、例えば
、
− ヒドロキシル基、
− カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アルキルアミノ基:すなわち、[式中、Rは、アルキル基およびアリール基から選択される基を示す。Rは、好
ましくは、C1−C8アルキル基およびフェニル基から選択される。さらに好まし
くは、Rは、メチル、エチルおよびフェニル基から選択される。]
から選択することができる。
高分子染料は、通常は、少なくとも5重量%の染料モノマー、多くても55重
量%以下のこのモノマーを含む。
コポリマーの全重量に対する染料モノマーの重量パーセントは、好ましくは1
0から40%の範囲である。
高分子染料の調製については、米国特許第5,194,463号;米国特許第4,804,719
号の書類に記載された方法を参照することができる。
本発明で用いられ得る高分子染料は、粗製形態または分散パウダーの形態、水
性媒体中の溶液の形態、水性媒体中の分散物の形態、または油性媒体中の分散物
の形態で存在し得る。
水不溶性高分子染料の水性媒体中の分散物は、米国特許第5,032,670号;米国
特許第4,999,418号;米国特許第5,106,942号;米国特許第5,030,708号;米国特
許第5,102,980号;米国特許第5,043,376号;来国特許第5,194,463号の書類に記
載されているような周知の方法で、水および粗製の高分子染料から調製すること
ができる。
例えば、パウダーまたは顆粒形態の高分子染料、および少なくとも一つのイオ
ン性界面活性剤、好ましくはアニオン性または両性界面活性剤を用いて開始する
ことが可能である。アニオン性および両性界面活性剤は、好ましくは、C12−C24
脂肪酸のアルカリ塩、ダイズホスファチド、リン脂質およびリゾリン脂質から
選択することができる。これらのイオン性界面活性剤は、高分子染料の重量に対
して、好ましくは0.5から30重量%、さらに好ましくは1から10重量%の
量で添加される。また、これらの分散物は、親水性−親油性バランス(すなわち
HLBバランス)が10以上であり、300より大きい範囲、好ましくは100
0から15,000の範囲の分子量を備えたポリオキシエチレン化誘導体から有
利に選択される少なくとも一つの非イオン性界面活性剤を好ましくは含む。
例えば、高分子染料の水性分散物は、以下の工程:
(i)水を用いる水中油型エマルジョンの調製、並びに、少なくとも一つのイオ
ン性界面活性剤および任意に上記記載の非イオン性界面活性剤の存在下で溶解さ
れる、揮発性有機溶媒における高分子染料の溶液の調製;
(ii)揮発性有機溶媒の蒸発
によって調製することができる。
この方法を実施するために用いることのできる揮発性有機溶媒は、水と混合す
ることができず、ポリマーを溶解し得るものである。その沸点は、好ましくは1
00℃未満である。例えば、n-ヘキサン、シクロヘキサンまたはシクロペンタン
のような炭化水素を主成分とする溶媒;塩化メチレンまたはクロロホルムのよう
な塩素化された溶媒;酢酸エチルのようなカルボン酸のアルキルエステル;ジイ
ソプロピルエーテルのようなジアルキルエーテルから選択することかできる。上
記溶媒の他にも、アセトンまたは低分子量アルカノールのような水と混和する極
性揮発性溶媒を含む溶媒の混合物が、この方法を実施するために好ましく用いら
れる。
このような方法に関するさらなる情報については、米国特許第5,043,376号お
よび第5,104,913号を参照することができる。
上記水性分散物中の水は、別の媒体、特に脂肪分散物を導く油及びワックスの
ような有機媒体に分散することができる高分子染料組成物のパウダーを得るため
に、例えばスプレーまたは凍結乾燥によって蒸発させることができる。
当業者に周知の方法を用いて、油中水型、水中油型、ワックス中水型、水中ワ
ックス型エマルジョン、または三重エマルジョンは、水、油および/またはワッ
クス、並びに上記記載の少なくとも一つの高分子染料を用いて調製される。開示
されているように、この高分子染料は、水溶液、水性分散物または油性分産物の
形態で、若しくは天然の状態、分散可能パウダーの形態または粗製パウダーの形
態で添加することができる。それは、エマルジョンの形成の前に、または既に形
成されたエマルジョンにおいて、エマルジョンの相の一つの中に添加され得る。
本発明にかかる組成物に用いられる高分子染料は、0.1から20重量%の範
囲の量で添加することができる。
上記高分子染料は、非常に多様な色彩にわたって、同一の一般的な化学構造お
よび同一の物理化学的特性を備えるという利点を有する。かくして、赤色顔料は
、黄色顔料と同じ挙動を示す。この挙動の一様性により、単色の形態でのメイク
アップ組成物の製造が可能となる。単色を澄合してシェードを作る場合に、種々
の色の間に不適合の問題は生じない。
これらの染料は、無機酸化物より優れ、かつ、有機レーキに近い染色力を備え
ており、鮮明かつ強烈な色彩のマスカラを与えるに4から5%で十分である。か
くして、流動学上の問題は大いに減衰される。さらに、これらの着色ポリマーは
染料を放出しない。かくして、皮膚あるいはコンタクトレンズのラインまたは跡
の外観に関する問題は存在しない。
本発明にかかるエマルジョンに用いられる上記高分子染料は、二酸化チタンま
たは二酸化亜鉛の存在下であっても、有機レーキに非常に近い染色力を備え、非
常に優れた耐光性を備える。かくして、それらは、あらゆるメイクアップ製剤中
で有機レーキの代わりに用いることができる。その優れた耐光性により、それら
を含む化粧品組成物を透明な容器に入れることもできる。かくして、使用者は、
購入しようとする製品の色彩をより正確に選択することができる。さらに、それ
らは、油および/または活性剤と干渉しない。
鮮明かつ強烈な色彩の上記高分子染料は、化粧品製剤を着色するのに十分な少
量で、十分に高度の被覆を与えるという特有の性質を有する。かくして、被膜の
光沢は顕著に改良される。良好な被覆を与えると同時に、しみ込み、光沢のある
メイクアップが得られる。
シリコーン油を主成分とするエマルジョンは、高分子顔料の添加によって不安
定化されない。
本発明にかかるエマルジョンは、少なくとも一つの水相、一つの脂肪相、およ
び本発明にかかる一つの高分子染料を含む。それらはまた、少なくとも一つの乳
化剤を好ましくは含む。この乳化剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性ま
たは両性界面活性剤から選択される界面活性剤である。高分子染料の水性分散物
の調製のために、上記記載の界面活性剤に加えて、本発明で用い得る界面活性剤
の例として、例えば:シリコーンを主成分とする乳化剤、および脂肋アルコール
、グリセロールエステル、ソルビタンエステル、メチルグリコシドエステルおよ
びショ糖エステルのような脂質乳化剤が挙げられる。
脂肪相は、揮発性である少なくとも一つの油、および/またはワックスを含む
。
本発明にしたがって、ワックスは、動物性、植物性、鉱物性または合成ワック
スとされ得る。動物性ワックスの中では、特にミツロウおよび鯨ロウが挙げられ
る。植物性ワックスの中では、特にカルナウバワックス、カンデリラワックス、
オーリキュリーワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、および木
ロウが挙げられる。鉱物性ワックスの中では、特にパラフィンワックス、ラノリ
ン、マイクロクリスタリンワックス、リグナイトワックスおよびオゾケライトが
挙げられる。合成ワックスの中では、特にポリエチレンワックス、およびフィッ
シャー−トロプシュ合成によって得られるワックスが挙げられる。これらのワッ
クスの全てが、当業者に周知である。
本発明で用いられ得る油の中では、ミンク油、海ガメ油、ダイズ油、グレープ
シード油、ゴマ油、コーン油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、アボカド油、オリ
ーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、落花生油、液体パラフィン、スクアランおよびワ
セリンのような炭化水素油;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロ
ピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、イソノナン酸イソノニル、パ
ルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オ
クチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、コハク酸2-ジエチルヘキシル
、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸2-オクチルドデシル、トリイソステアリン酸
グリセリル等のようなエステル;ポリメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシ
ロキサン、脂肪酸を用いて修飾されたポリシロキサン、脂肪アルコールを用いて
修飾されたポリシロキサン、ポリオキシアルキレンを用いて修飾されたポリシロ
キサン、フルオロシリコーン等のようなシリコーン油;ペルフルオロ油及び/ま
たはオルガノフルオリン油;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸のような高級脂
肪酸、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールのような高級脂
肋アルコール等が挙げられる。
脂肪相は揮発性油もまた含み、該油は皮膚と接触した際蒸発するが、それらは
化粧品組成物が皮膚に適用された際広がることを助けるために、化粧品組成物に
おける該油の存在は有用である。ここで揮発性油として言及されている上記拡散
剤は、一般的に、少なくとも0.5ミリバール(すなわち0.5×102Pa)
に等しい25℃での飽和蒸気圧を有する油である。
それらが存在する場合、揮発性油は一般的に、最終組成物の10重量%未満、
および脂肪結合剤の20重量%未満を表す。本発明において用いられ得る揮発性
油の中では、例えばヘキサメチルジシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサ
ン、シクロテトラメチルシロキサンのようなシリコーン油、Galden(Montefluos
)
の名の下で販売されているようなフッ化油、またはIsopar(E,G,LまたはH)の名の
下で販売されているようなイソパラフィン油が挙げられる。
本発明にかかる組成物はまた、化粧品において通常用いられる成分を含み、そ
れらの中では、香料、親水性または親油性のゲル化剤、親水性または親油性の活
性剤、防腐剤、抗酸化剤、溶媒、香料、染料及びフィラーのような、化粧品およ
び皮膚科学の分野で一般的な添加剤が挙げられる。これら様々な添加剤の量は、
例えば組成物の全重量の0.01%から20%といった考慮される分野で通常用
いられる量である。その性質に依存して、これらの添加剤は、脂肪相、水相、お
よび/または脂質小球内に添加され得る。
本発明で用いられ得る溶媒として、低級アルコール、特にエタノールおよびイ
ソプロパノール、並びにプロピレングリコールが挙げられる。
親水性ゲル化剤として、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリル
酸/アルキルアクリル酸コポリマーのようなアクリルコポリマー、ポリアクリル
アミド、ヒドロキシプロピルセルロースのようなポリサッカリド、天然ゴム(キ
サンタン)および粘土が言及され、親油性ゲル化剤として、ベントーンのような
修飾粘土、ステアリン酸アルミニウムのような脂肪酸の金属塩、疎水性シリカ、
ポリエチレンおよびエチルセルロースが挙げられる。
用いられ得る親水性活性剤は、タンパク質またはタンパク質加水分解産物、ア
ミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖および糖誘導体、水可溶性ビタミ
ン、デンプンおよび細菌または植物抽出物、特にアロエベラの抽出物である。
用いられ得る親油性活性剤は、トコフェノール(ビタミンE)およびその誘導
体、必須脂肪酸、セラミドおよび精油である。
特に本発明にかかる組成物内に、特に皮膚の不快さを妨げるおよび/または処
理するために企図される活性剤を添加することが可能である。これらの活性剤の
中では、例えば:
−ビタミンDおよびその誘導体、エストラジオールのようなエストロゲン、コウ
ジ酸またはヒドロキノンのような皮膚の分化および/または増殖および/または
色素沈着を修正するための試薬;
−α−トコフェノールまたはそのエステル、スーパーオキシドジスムターゼ、特
定の金属キレート化試薬またはアスコルビン酸及びそのエステルのような抗遊離
基試薬が挙げられる。
本発明で用い得るフィラーとしては、特にタルク、シリカ、マイカおよび窒化
ホウ素が言及され、有機フィラーの例としては、ナイロンパウダー、シリコーン
パウダーおよびポリメチレンメタクリラートパウダーが挙げられる。
これらの組成物は、透明な色合いのクリーム、ファンデーション、リップステ
ィック、アイライナー、マスカラ、唇のためのケア製品、粉白粉またはアイシャ
ドウを特に構成する。
本発明にかかるエマルジョンは、好ましくはメイクアップエマルジョンである
。
また、本発明の主題は、皮膚、睫毛、爪または唇に着色被膜を形成するための
エマルジョンにおいて、上記記載の高分子染料を使用することである。
また、本発明の主題は、メイクアップ除去後に皮膚、瞳毛、爪または唇を着色
しないエマルジョンにおいて、上記記載の高分子染料を使用することである。
最後に、本発明の主題は、爪、睫毛、皮膚または唇に上記記載のエマルジョン
を適用することを特徴とする、目、睫毛、爪または唇をメイクアップする方法で
ある。
実施例
実施例1:マスカラ組成物
A相:
ステアリン酸 6%
ステアリン酸グリセリル 3.7%
ワックスの混合物 16.7%
防腐剤 0.07%
C1相:
ヒドロキシエチルセルロース 0.2%
水 38.7%
防腐剤 0.2%
C2相:
トリエタノールアミン 3%
D相:
青色高分子染料(★) 10%
E相:
エトキシジグリコール 0.2%
防腐剤 0.03%
アカシア 5.8%
水 全体を100%とする量
(★)21.6%の活性物質を含む水溶液として、米国特許第4,804,719号の実
施例4に従って調製された10%の青色染料モノマーを含むスルホポリエステル
染料。
方法:
C1を加熱条件下(約80℃)で攪拌しながら調製し、12時間放置しておく
。E相を温度上昇を避けながら調製する。Aを120℃に熱し、それからMoritz
ミキサーにそれを通過させることによってホモゲナイズする。C1+C2+Dおよ
びEを80℃に熱し、Aを用いて乳化する。該混合物を固体になるまでMoritzミ
キサーを用いてホモゲナイズする。この混合物をゆっくり攪拌しながら冷却する
。
実施例2:マスカラ組成物
A相:
ステアリン酸 6%
ステアリン酸グリセリル 3.7%
ワックスの混合物 16.7%
防腐剤 0.07%
B相:
青色高分子染料(★) 4%
群青およびシリカ 0.9%
二酸化チタン 0.5%
C相:
ヒドロキシエチルセルロース 0.2%
水 38.7%
防腐剤 0.2%
D相:
トリエタノールアミン 3%
E相:
エトキシジグリコール 0.2%
防腐剤 0.03%
アカシア 5.8%
水 全体を100%とする量
(★)米国特許第5,194,463号の実施例2に従って調製された30%の青色染料
モノマーを含むポリウレタンパウダー。
方法:
Cを加熱条件下(約80℃)で攪拌しながら調製し、12時間放置しておく。
E相を温度上昇を避けながら調製する。Aを120℃に熱し、それからMoritzミ
キサーにそれを通過させることによってホモゲナイズする。BをAに加え、攪拌
を10分継続する。C+DおよびEを80℃に熱し、A+Bを用いて乳化する。
該混合物を固体になるまでMoritzミキサーを用いてホモゲナイズする。この混合
物をゆっくり攪拌しながら冷却する。
実施例3(比較例):マスカラ組成物
A相:
ステアリン酸 6%
ステアリン酸グリセリル 3.7%
ワックスの混合物 16.7%
防腐剤 0.07%
B相:
ウルトラマリンブルー 6.1%
群青およびシリカ 0.9%
二酸化チタン 0.5%
C相:
ヒドロキシエチルセルロース 0.2%
水 38.7%
防腐剤 0.2%
D相:
トリエタノールアミン 3%
E相:
エトキシジグリコール 0.2%
防腐剤 0.03%
アカシア 5.8%
水 全体を100%とする量
方法:実施例2と同様の方法を実施する。
実施例1および2のマスカラは、鮮やかで強烈な色合いを有する。流動学的問
題は、それらの調製物の間では観察されなかった。それらはよく広がり、コンタ
クトレンズに跡を付けない。実施例1および2のマスカラは、耐光性である。同
時に、良好な被膜を与え、十分にしみ込み、光沢のあるメイクアップが得られ、
睫毛は十分に被膜される。
実施例4:紫色マスカラ組成物
A相:
ステアリン酸トリエタノールアミン 10%
ワックスの混合物 19%
B相:
青色高分子染料(★) 3%
赤色高分子染料(★) 1.5%
C相:
アラビアゴム 2%
パンテノール 1%
防腐剤 0.3%
水 全体を100%とする量
D相:
ヒドロキシエチルセルロース 1%
水 40%
E相:
34%活性物質(Sancure 2600)を含む
水性分散物としての被膜形成剤 19%
(★)21.6%の活性物質を含む水溶液として、米国特許第4,804,719号の実
施例4に従って調製された10%の青色染料モノマーを含むスルホポリエステル
染
料。
(★★)29%の活性物質を含む水溶液として、10%の赤色染料モノマーを含
む米国特許第4,804,719号の実施例1に従って調製されたスルホポリエステル染
料。
方法:加熱条件下(80℃)で攪拌しながらDを調製する。12時間放置してお
く。Aをホモゲナイズし、120℃に熱する。C+Dを80℃に熱し、Bを加え
る。Aおよび(B+C+D)を乳化する。Eを加える。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年2月17日(1999.2.17)
【補正内容】
請求の範囲
1. 高分子染料が、スルホポリエステル、ポリウレタン及びポリアクリル酸ポ
リマー、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、水、適宜に揮
発性油および/またはワックスから選択される脂肪構成成分および高分子染料を
含むエマルジョン。
2. 高分子染料が、
(i)少なくとも一つのスルホン酸基を備えた少なくとも一つのジカルボン酸
残基;
(ii)少なくとも一つのジオール残基;および
(iii)少なくとも一つの染料モノマー
を含むいくつかのモノマーを重合することによって得られることを特徴とする、
請求項1記載のエマルジョン。
3. 高分子染料が、少なくとも約20mol%のカルボニルオキシ基と、約8
0mol%までのカルボニルアミド基とを含む結合基を含む水分散性染料ポリマ
ーであって、当該ポリマーは、水溶性スルホナート基を含み、かつ、ボリマー主
鎖と、あるいはポリマー主鎖内で反応した少なくとも一つの縮合可能な基を最初
に含む一以上の熱安定性有機化合物を含む染料を、ヒドロキシル、カルボキシル
またはアミノ試薬の等価物の全体を基礎として約0.01から約40mol%含
むことを特徴とする請求項1または2に記載のエマルジョン。
4. 高分子染料が、
(a)75mol%から84mol%のイソフタル酸と、25mol%から16
mol%の5-スルホイソフタル酸のナトリウム塩を含む酸性モノマー、
(b)45から60mol%のジエチレングリコールと、55から40mol%
の1,4-シクロヘキサンジメタノールまたはエチレングリコールもしくはこれらの
混合物とを含むグリコールモノマー、
(c)0.5から10mol%の染料モノマー
を含むことを特徴とする、請求項3に記載のエマルジョン。
5. 高分子染料がポリウレタンであり、
(i)少なくとも一つのジイソシアナート残基;
(ii)少なくとも一つのジオール残基;および
(iii)少なくとも一つの染料モノマー
を含むいくつかのモノマーを重合することによって得られることを特徴とする、
請求項1記載のエマルジョン。
6. 高分子染料が、5重量%から55重量%の少なくとも一つの染料モノマー
を含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のエマルジョ
ン。
7. 高分子染料が、10重量%から40重量%の少なくとも一つの染料モノマ
ーを含むことを特徴とする、請求項6記載のエマルジョン。
8. 染料モノマーが、アントラキノン、メチン、ビス-メチン、アザ-メチン、
アリーリデン、3H-ジベンゾ[7,i-j]イソキノリン、2,5-ジアリールアミノテレフ
タル酸およびそのエステル、フタロイルフェノチアジン、フタロイルフェノキサ
ジン、フタロイルアクリドン、アントラピリミジン、アントラビラゾール、フタ
ロシアニン、キノフタロン、インドフェノール、ペリノン、ニトロアリールアミ
ン、ベンゾジフラン、2H-1-ベンゾピラン-2-オン、キノフタロン、ペリレン、キ
ナクリドン、トリフェノジオキサジン、フルオリジン、4-アミノ-1,8-ナフタリ
ミド、チオキサントロン、ベンズアントロン、インダントロン、インジゴ、チオ
インジゴ、キサンテン、アクリジン、アジン、およびオキサジンから選択される
ことを特徴とする、請求項2ないし7のいずれか一項に記載のエマルジョン。
9. 0.1から20%の高分子染料を含むことを特徴とする、請求項1ないし
8のいずれか一項に記載のエマルジョン。
10. 二酸化チタンと二酸化亜鉛から選択される少なくとも一つの化合物をも
含むことを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のエマルジョン
。
11. 少なくとも一つのシリコーン油を含むことを特徴とする請求項1ないし
10のいずれか一項に記載のエマルジョン。
12. ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリ
キュリーワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、および木ロウ、
パラフィンワックス、ラノリン、マイクロクリスタリンワックス、リグナイトワ
ックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、およびフィッシャー−トロプシ
ュ合成によって得られるワックスから選択される少なくとも一つのワックスを含
むことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のエマルジョン
。
13. ミンク油、海ガメ油、ダイズ油、グレープシード油、ゴマ油、コーン油
、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、アボカド油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油
、落花生油、液体パラフィン、スクアランおよびワセリンのような炭化水素油;
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、
ラウリン酸ヘキシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル
、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸
2-オクチルドデシル、コハク酸ドデシル、トリイソステアリン酸2-ジエチルヘキ
シル、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸グリセリル2-オクチル、トリイソステア
リン酸グリセリル等のようなエステル;ポリメチルシロキサン、ポリメチルフェ
ニルシロキサン、脂肪酸を用いて修飾されたポリシロキサン、脂肪アルコールを
用いて修飾されたポリシロキサン、ポリオキシアルキレンを用いて修飾されたポ
リシロキサン、フルオロシリコーン等のようなシリコーン油;ペルフルオロ油お
よび/またはオルガノフルオリン油;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸のよう
な高
級脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールのような高
級脂肪アルコールから選択される少なくとも一つの油を含むことを特徴とする、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載のエマルジョン。
14. ヘキサメチルジシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロ
テトラメチルシロキサンのようなシリコーン油、揮発性フッ化油、およびイソパ
ラフィン油から選択される少なくとも一つの揮発性油を含むことを特徴とする、
請求項1ないし13のいずれか一項に記載のエマルジョン。
15. 少なくとも一つの乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1ないし14
のいずれか一項に記載のエマルジョン。
16. 乳化剤が、C12−C24脂肪酸のアルカリ塩、ダイズホスファチド、リン
脂質、リゾリン脂質、シリコーンを主成分とする乳化剤、脂肪アルコール、グリ
セロールエステル、ソルビタンエステル、メチルグリコシドエステル、およびシ
ョ糖エステルから選択されることを特徴とする、請求項15に記載のエマルジョ
ン。
17. 透明な色合いのクリーム、ファンデーション、リップスティック、アイ
ライナー、マスカラ、唇のケア製品、粉白粉、アイシャドウまたは白粉の形態で
存在することを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか一項に記載のエマル
ション。
18. 皮膚、睫毛、爪または唇に着色した被膜を形成するためのエマルジョン
における、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の高分子染料の使用。
19. メイクアップ除去後に、皮膚、睫毛、爪または唇に色を残さないエマル
ジョンにおける、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の高分子染料の使用。
20. 請求項1ないし17のいずれか一項に記載のエマルジョンを、爪、睫毛
、皮膚または唇に適用することを特徴とする、目、睫毛、爪または唇をメイクア
ップする方法。
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月16日(1999.6.16)
【補正内容】
特許請求の範囲
1. 高分子染料が、スルホポリエステル、ポリウレタン及びポリアクリル酸ポ
リマー、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、水、適宜に揮
発性油および/またはワックスから選択される脂肪構成成分および高分子染料を
含むエマルジョン。
2. 高分子染料が、
(i)少なくとも一つのスルホン酸基を備えた少なくとも一つのジカルボン酸
残基;
(ii)少なくとも一つのジオール残基;および
(iii)少なくとも一つの染料モノマー
を含むいくつかのモノマーを重合することによって得られることを特徴とする、
請求項1記載のエマルジョン。
3. 高分子染料が、少なくとも約20mol%のカルボニルオキシ基と、約8
0mol%までのカルボニルアミド基とを含む結合基を含む水分散性染料ポリマ
ーであって、当該ポリマーは、水溶性スルホナート基を含み、かつ、ポリマー主
鎖と、あるいはポリマー主鎖内で反応した少なくとも一つの縮合可能な基を最初
に含む一以上の熱安定性有機化合物を含む染料を、ヒドロキシル、カルボキシル
またはアミノ試薬の等価物の全体を基礎として約0.01から約40mol%含
むことを特徴とする請求項1または2に記載のエマルジョン。
4. 高分子染料が、
(a)75mol%から84mol%のイソフタル酸と、25mol%から16
mol%の5-スルホイソフタル酸のナトリウム塩を含む酸性モノマー、
(b)45から60mol%のジエチレングリコールと、55から40mol%
の1,4-シクロヘキサンジメタノールまたはエチレングリコールもしくはこれらの
混合物とを含むグリコールモノマー、
(c)0.5から10mol%の染料モノマー
を含むことを特徴とする、請求項3に記載のエマルジョン。
5. 高分子染料がポリウレタンであり、
(i)少なくとも一つのジイソシアナート残基;
(ii)少なくとも一つのジオール残基;および
(iii)少なくとも一つの染料モノマー
を含むいくつかのモノマーを重合することによって得られることを特徴とする、
請求項1記載のエマルジョン。
6. 高分子染料が、5重量%から55重量%の少なくとも一つの染料モノマー
を含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のエマルジョ
ン。
7. 高分子染料が、10重量%から40重量%の少なくとも一つの染料モノマ
ーを含むことを特徴とする、請求項6記載のエマルジョン。
8. 染料モノマーが、アントラキノン、メチン、ビス-メチン、アザ-メチン、
アリーリデン、3H-ジベンゾ[7,i-j]イソキノリン、2,5-ジアリールアミノテレフ
タル酸およびそのエステル、フタロイルフェノチアジン、フタロイルフェノキサ
ジン、フタロイルアクリドン、アントラピリミジン、アントラピラゾール、フタ
ロシアニン、キノフタロン、インドフェノール、ペリノン、ニトロアリールアミ
ン、ベンゾジフラン、2H-1-ベンゾピラン-2-オン、キノフタロン、ペリレン、キ
ナクリドン、トリフェノジオキサジン、フルオリジン、4-アミノ-1,8-ナフタリ
ミド、チオキサントロン、ベンズアントロン、インダントロン、インジゴ、チオ
インジゴ、キサンテン、アクリジン、アジン、およびオキサジンから選択される
ことを特徴とする、請求項2ないし7のいずれか一項に記載のエマルジョン。
9. 0.1から20%の高分子染料を含むことを特徴とする、請求項1ないし
8のいずれか一項に記載のエマルジョン。
10. 二酸化チタンと二酸化亜鉛から選択される少なくとも一つの化合物をも
含むことを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のエマルジョン
。
11. 少なくとも一つのシリコーン油を含むことを特徴とする請求項1ないし
10のいずれか一項に記載のエマルジョン。
12. ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリ
キュリーワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、および木ロウ、
パラフィンワックス、ラノリン、マイクロクリスタリンワックス、リグナイトワ
ックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、およびフィッシャー−トロプシ
ュ合成によって得られるワックスから選択される少なくとも一つのワックスを含
むことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のエマルジョン
。
13. ミンク油、海ガメ油、ダイズ油、グレープシード油、ゴマ油、コーン油
、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、アボカド油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油
、落花生油、液体パラフィン、スクアランおよびワセリンのような炭化水素油;
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、
ラウリン酸ヘキシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル
、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸
2-オクチルドデシル、コハク酸ドデシル、トリイソステアリン酸2-ジエチルヘキ
シル、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸グリセリル2-オクチル、トリイソステア
リン酸グリセリル等のようなエステル;ポリメチルシロキサン、ポリメチルフェ
ニルシロキサン、脂肪酸を用いて修飾されたポリシロキサン、脂肪アルコールを
用いて修飾されたポリシロキサン、ポリオキシアルキレンを用いて修飾されたポ
リシロキサン、フルオロシリコーン等のようなシリコーン油;ペルフルオロ油お
よび/またはオルガノフルオリン油;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸のよう
な高
級脂肪酸、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールのような高
級脂肪アルコールから選択される少なくとも一つの油を含むことを特徴とする、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載のエマルジョン。
14. ヘキサメチルジシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロ
テトラメチルシロキサンのようなシリコーン油、揮発性フッ化油、およびイソパ
ラフィン油から選択される少なくとも一つの揮発性油を含むことを特徴とする、
請求項1ないし13のいずれか一項に記載のエマルジョン。
15. 少なくとも一つの乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1ないし14
のいずれか一項に記載のエマルジョン。
16. 乳化剤が、C12−C24脂肪酸のアルカリ塩、ダイズホスファチド、リン
脂質、リゾリン脂質、シリコーンを主成分とする乳化剤、脂肪アルコール、グリ
セロールエステル、ソルビタンエステル、メチルグリコシドエステル、およびシ
ョ糖エステルから選択されることを特徴とする、請求項15に記載のエマルジョ
ン。
17. 透明な色合いのクリーム、ファンデーション、リップスティック、アイ
ライナー、マスカラ、唇のケア製品、粉白粉、アイシャドウまたは白粉の形態で
存在することを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか一項に記載のエマル
ジョン。
18. 皮膚、睫毛、爪または唇に着色した被膜を形成するための、水、揮発性
である油および/またはワックスから選択される脂肪構成成分を含むエマルジョ
ンにおける、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の高分子染料の使用。
19. メイクアップ除去後に、皮膚、睫毛、爪または唇に色を残さない、水、
揮発性である油および/またはワックスから選択される脂肪構成成分を含むエマ
ルジョンにおける、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の高分子染料の使用
。
20. 請求項1ないし17のいずれか一項に記載のエマルジョンを、爪、睫毛
、皮膚または唇に適用することを特徴とする、目、睫毛、爪または唇をメイクア
ップする方法。
21. コンタクトレンズ上に跡を付けないおよび/またはラインを形成しない
、水、揮発性である油および/またはワックスから選択される脂肪構成成分を含
むエマルジョンにおける、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の高分子染料
の使用。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 7/043 A61K 7/043