JP2000512843A - 安定性が2個のハイブリッドされた核酸分子の塩基組成に僅かしか依存しないハイブリッド複合体の形成方法 - Google Patents

安定性が2個のハイブリッドされた核酸分子の塩基組成に僅かしか依存しないハイブリッド複合体の形成方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、特定ハイブリッド複合体を形成し得る条件下、第一核酸分子と第二核酸分子を接触させることから成る安定性がハイブリッドされた2個の核酸分子の塩基組成に僅かしか依存しないハイブリッド複合体の形成方法において、第一及び/又は第二核酸分子の配列成分となる4種の塩基の中でも、少なくとも1種の塩基が修飾塩基であって、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有し、複合体の成分となる2種の塩基対の中でも、少なくとも1種が修飾塩基を含むことと、全ての該複合体の成分となる塩基対の安定性が等しいことを特徴とするハイブリッド複合体の形成方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 安定性が2個のハイブリッドされた核酸分子の塩基組成に僅かしか依存しないハ イブリッド複合体の形成方法 本発明は安定性がハイブリッドされた2個の核酸分子の塩基組成に、僅か にしか依存しないハイブリッド複合体の形成方法に関する。さらに、この形成法 の核酸配列分析用の使用にも関する。尚、本発明の目的は安定性がハイブリッド された2個の核酸分子の塩基組成に僅かしか依存しない2個の相補性、又は実質的 に相補性核酸から成るハイブリッド複合体にある。 A-T(又はA-U)及びG-Cの対形成法則によって、核酸は相補配列間に特定 のハイブリッド複合体を形成する特性を有する。長年から知られているこのハイ ブリッドの特性により、核酸又はオリゴヌクレオチドの断片(フラグメント)を 使って、相補核配列の存在を確認することが出来る。ゲル上での分離後のDNAフ ラグメント分析(E.Southern,J.mol.Biol.,1975,98,503-517)は、現在 、基礎研究の分野でも医学的分析の分野でも広く普及している(Caskey,Scienc e,1987,242,229-237;Arnheim et al.,Ann Rev.Biochem.,1992,61,131-1 56)。 このプローブとのハイブリッド形成特性に基づいて、幾多の核酸分析方法 が開発され、殊に未知のDNAやRNAの配列決定、病理学に関する配列の検出、配列 内の点変異の探索において著しいものがある(S.Ikata and Al.,Nuclei.Acids Res.,1987,15,797-811;J.A.Matthews,L.J.Krieka,Analytical Bioche mistry,1988,169,1-25)。 近年、固体支持上に固定された一連のオリゴヌクレオチドとのハ イブリッド形成に基づいて、新たなDNA断片の分析法、及び塩基配列決定方法を 提案された(E.Southern,欧州特許番号0 373 203;K.R.Khrapkoら,FEBS Le tters,1989,256,118-122;R.Dramanacら,Genomics,1989,4,114-128;R .Dramanacら,DNA and Cell Biology,1990,9,527-534;K.R.Khrapkoら,J .DNA Sequencing Mapp.,1991,1,375-388;R.Dramanacら,Science,1993, 260,1649-1652;R.J.Lipshutz,J.Biomol.Struct.Dyn.,1993,11,637-6 53;U.Maskos,E.southern,Nucleic Acids Res.,1993,21,4663-4669;A.C .Peaseら,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,1994,22,1365-1367;E.M.South ern,Nucleic Acids Res.,1994,22,1368-1373)。この新たな技術は、膜、又 はグラス面に固定された長さが同じで配列が様々であるオリゴヌクレオチドと、 標識化DNAの対形成によって成るハイブリッドの発する情報を探知した後、アル ゴリズム操作によってDNA断片の配列を再現する。上記の方法によって形成され たハイブリッド複合体の分析は、不適性塩基対を含まないハイブリッドは少なく とも1個の不適性塩基対を含むハイブリッドより、高い安定性を有することに基 づいている。完全ハイブリッドと、不適性塩基対を含むハイブリッドとの区別は 、例えば、形成温度を高くすると、不適性塩基対を含む複合体が不適性塩基対を 含まない複合体より先に解離するので、可能である。 しかし、従来の技術における、天然オリゴヌクレオチドを使用すると共に 、多数のプローブオリゴヌクレオチドを使用することには、固定化オリゴヌクレ オチドの塩基組成によるハイブリッドの安定性が異なるという基本的な問題があ った。ここで、三重水素結合を有するG-C塩基対は、A-T対又はA-U対等の二重水 素結合を有する塩基対より安定している。従って、A-T対の多い配列から成る完 全ハイブリッドの安定性は、長さが同じであるがG-C対が多い配列から成る不適 性塩基対を含む不完全 ハイブリッドの安定性とほぼ同じ、もしくは低くなる可能性がある。これによっ て、ハイブリッドの洗浄、及び形成温度条件次第では、偽陰性、又は偽陽性にな る。 従って、dA、dG、dC、T又はdUを含む天然オリゴヌクレオチドの使用、は この新しい核酸配列分析技術の発達にとって主な障害となる。しかも、完全ハイ ブリッドと不完全ハイブリッドの区別がつかない可能性があるので、多数のオリ ゴヌクレオチドを順次、一定の温度及び培地条件で確認することが必要になる。 この欠点を解決する為、従来の技術では、塩化テトラメチルアンモニウム を使用し、塩基組成によるハイブリッドの安定性の違いを減衰するハイブリッド 形成法が提案された(W.B.Melchoir,P.H.von Hippel,Proc.Natl.Acad.S ci.,USA,1973,70,298-302;U.Maakos,E.M.Southern,Nucleic AcidsRes. ,1993,21,4663-4669)。しかし、この方法による結果は、他の核酸配列を使用 した際、否定されたものであった(P.V.Riccelli,A.S.Benight,Nucleic Ac ids Res.,1993,21,3785-3788)。 また、ポリアクリルアミドゲルに固定されたオリゴヌクレオチドの塩基組 成に対応して、密度を変える方法も提案された(K.R.Khrapkoら,J.DNA Seque ncing Mapp.,1991,1,375-388)。しかし、多数の固定化オリゴヌクレオチドを 使用する場合は、この方法は複雑になる。 5-CldU及び2-NH2dA等の修飾塩基を使用することも考えられたが、ハイブ リッドの安定性が非常に変化することが確かめられた(J.D.Heisel,H.Lehrac h,FEBS Lett.,1990,274,103-106)。他に、デオキシリボヌクレオシド及びリ ボヌクレオシドから成るオリゴマーの使用によって、GとCの多い配列のハイブリ ッドを不安定化させるアプローチも記述されている(Joerg D.Hoheisel,Nuclei c Acids Research,1996, vol.24.No.3)が、交代数が高くなる場合は、このオリゴヌクレオチドから成 るハイブリッドの量が急に低減する。尚、このハイブリッドは広範囲の温度帯で 熱解離するので、完全ハイブリッドと、不適性塩基対を含むハイブリッドとの区 別が不確かになる。 本発明の目的は、安定性が塩基組成に僅かしか依存しないハイブリッド複 合体の形成方法を提供することにある。第一及び/又は第二核酸分子の配列成分 となる4種の塩基の中でも、少なくとも1種の塩基が修飾塩基であって、置換した 天然塩基と等しい対形成特性を有し、複合体の成分となる2種の塩基対の中でも 、少なくとも1種が修飾塩基を含むことと、全てのこの複合体の成分となる塩基 対の安定性が等しいであることを特徴とする特定ハイブリッド複合体を形成し得 る条件下、第一核酸分子と第二核酸分子を接触させる方法により、この目的を達 成する。 以降、デオキシリボ核酸の成分となる4類の塩基を文字で表わすために使 用する命名法は次の通りである。 デオキシシチジンは、C又はdCによって区別せずに示し、対応する修飾塩 基を指摘する為に「*」を追加する。 デオキシグアノシンは、G又はdGによって区別せずに示し、対応する修飾 塩基を指摘する為に「*」を追加しする。 チミジン及びデオキシウリジンはそれぞれTとdUによって区別せずに示し 、対応する修飾塩基を指摘する為に「*」を追加しする。 デオキシアデノシンは、A又はdAによって区別せずに示し、対応する修飾 塩基を指摘する為に「*」を追加する。 塩基組成の違いによるハイブリッドの安定性の差を減少する為に、本発明 は、デオキシシチジン(dC)、デオキシグアノシン(dG)、チミジン(T)、及びデオ キシアデノシン(dA)の中から選択した少なくとも1個の天 然オリゴヌクレオチドを、修飾されたが対形成法則を守るオリゴヌクレオチドで 置換することを提案し、各々dC*、dG*、dU及びdA*と指名し、ただし ‐塩基対C*-G及び/又はG*-Cの安定性がA-T対と等しい、及び/又は、 ‐塩基対A*-T及び/又はA-T*の安定性がA-T対より高く、天然G-C対と等し い、さらに又は、 ‐塩基対C*-G及び/又はG*-Cの安定性がA*-T対及び/又はA-T*対と等しい 、この実施形態の場合、C*-G対及び/又はG*-C対の安定性は天然G-C対より低下 し、A*-T対及び/又はA-T*対の安定性は天然A-T対より向上し、 となるハイブリッド複合体を形成できる核酸配列である。 従って、本発明の方法には多数の実施形態があり、特に下記の4つの形態 を挙げられる。 本発明の方法の第一実施形態は、第一及び第二核酸分子の配列成分となる 同じ種類の塩基が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であ ることを特徴とする。この実施例では、少なくとも1個の第一及び第二核酸分子 の成分となる同種類の塩基(A、G、C又はT)は、置換した天然塩基と等しい対形成 特性を有する塩基である。従って下記の可能性が考えられ、 ‐第一及び第二核酸分子の配列成分となる4種の塩基の中でも1種だけが、 置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体の成 分となる塩基対の2種(A-T..G-C)の中でも1種だけが修飾塩基を含むこと、そし て ‐第一及び第二核酸分子の配列成分となる4種の塩基の中でも2種が、置換 した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体の成分と なる塩基対の2種類とも修飾塩基を含むこと、になる。 本発明の方法の第二実施形態は、第一核酸分子のみ、又は第二核酸分子の みでは、配列成分となる4種の塩基の中でも少なくとも2種が、置換した天然塩基 と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体の成分となる2種の塩 基対の中でも少なくとも1種が修飾塩基を含むことを特徴としている。 本発明の方法は、適宜に核酸配列の分析、特に配列決定及び変異の検出に 使用できる。この様な方法は、上記の方法によって、分析対象の配列である、又 はその配列を含む第一核酸分子と、配列決定又は点変異の検出に有用な核酸プロ ーブである第二核酸分子、から成るハイブリッド複合体を形成すること、次にこ のハイブリッド複合体をあらゆる適宜の方法で分析することから成る。 本発明の一つの核酸分析方法は、場合により前もって標識された分析対象 の核酸と、少なくとも一種のプローブ核酸の適当な量とを接触させ、次に特に不 適性塩基対の存在を確認する為に、あらゆる適宜の方法により、得られたハイブ リッド複合体を分析することを特徴とする。 本発明に関する分析法の中でも、特に、発光定量法、蛍光定量法、比色定 量法、及び放射測定法が挙げられる。 好ましくは、上記の核酸プローブは4個〜30個のヌクレオシドを含むオリ ゴヌクレオチドである。 本発明の核酸配列分析方法の第一実施形態は下記の工程から成り、 ‐分析対象の配列の全部又は一部を、化学的又は生物学的複製過程によっ て第一核酸分子を調製し、上記過程では、置換された天然塩基と等しい対形成特 性を有する1個の修飾塩基で上記配列の成分となる4種の塩基の中から1種を置換 するように1個の修飾ヌクレオシドを使用し、 ‐上記第一核酸分子と、配列決定又は点変異の検出に有用な核酸プローブ である第二核酸分子とを接触して、第一及び第二核酸分子の配列成分になる4種 の塩基の中でも1種が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基 になるように、ハイブリッド複合体を形成することにより、複合体の成分となる 2種類の塩基対の中でも1種は修飾塩基を含ませ、 ‐ハイブリッド複合体をあらゆる適宜の方法で分析する。 本発明の核酸配列分析方法の第二実施形態は下記の工程から成り、 ‐分析対象の配列の全部又は一部を、化学的又は生物学的の複製過程によ って第一核酸分子を調製し、上記過程では、置換された天然塩基と等しい対形成 特性を有する修飾塩基で、上記配列の成分となる4種の塩基の中から2種を置換す るように2個の修飾ヌクレオシドを使用し、 ‐上記第一核酸分子と、配列決定又は点変異の検出に有用な核酸プローブ である第二核酸分子とを接触して、第一及び第二核酸分子の配列成分になる4種 の塩基の中でも2種が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基 になるように、ハイブリッド複合体を形成することにより、複合体の成分となる 2種類の塩基対とも修飾塩基を含ませ、 ‐ハイブリッド複合体をあらゆる適宜の方法で分析する。 本発明の核酸配列分析の特殊な実施形態は、核酸プローブは少な くとも1個の修飾ヌクレオシドを使用する化学的又は生物学的過程によって調製 して、プローブの配列が置換された天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩 基を少なくとも1個含むことを特徴とする。 この実施形態では、成分となる4種の塩基のなかでも2種が、置換した天然 塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基である核酸プローブを特に目的とする 。従って、次の組み合わせが考えられ、 ‐dC及びdGのヌクレオシドは、各々dC*及びdG*のヌクレオシドで置換され 、 ‐dA及びTのヌクレオシドは、各々dA*及びdU*のヌクレオシドで置換され 、 ‐dC及びTのヌクレオシドは、各々上記規定されたdC*及びdU*のヌクレオ シドで置換され、この場合には、第一核酸分子を上記述の第二核酸配列分析の実 施形態によって調製し、 ‐dG及びTのヌクレオシドは、各々dG*及びdU*のヌクレオシドで置換され 、この場合には、第一核酸分子を上記の第二核酸配列分析の実施形態によって調 製し、 ‐dA及びdGのヌクレオシドは、各々dA*及びdG*のヌクレオシドで置換され 、この場合には、第一核酸分子を上記の第二核酸配列分析の実施形態によって調 製し、 ‐dA及びdCのヌクレオシドは、各々dA*及びdC*のヌクレオシドで置換され 、この場合には、第一核酸分子を上記の第二核酸配列分析の実施形態によって調 製する。 上記の修飾の組合わせの中でも、下記の特性を有するオリゴデオキシヌク レオチドを得られる組合せが特に好ましい。 ‐全てのdC及びdGヌクレオシドが、各々dC*及びdG*ヌクレオシドで置換さ れる。この修飾オリゴデオキシヌクレオチドから成る核酸プロ ーブは、無修飾相補核酸配列とのハイブリッド複合体の形成に有用である。ここ に、このオリゴデオキシヌクレオチドの二重修飾により、全てのG*-C及びC*-G塩 基対の安定性が、無修飾のA-T及びA-U塩基対と等しいハイブリッド複合体を形成 できる。 ‐全てのdA及びTヌクレオシドが、各々dA*及びdU*ヌクレオシドで置換さ れる。この修飾オリゴデオキシヌクレオチドから成る核酸プローブは、無修飾相 補核酸配列とのハイブリッド複合体形成に有用である。ここに、このオリゴデオ キシヌクレオチドの二重修飾により、全てA*-T及びA-U*塩基対の安定性が、無修 飾のG-C塩基対と等しいハイブリッド複合体を形成できる。 安定性が塩基組成に僅かしか依存しないハイブリッド複合体を形成する為 に、他の各塩基対の片方のヌクレオシドのみが修飾されている二重修飾された核 酸プローブは、各塩基対に同じヌクレオシドが、修飾塩基で置換された相補核酸 配列とのハイブリッド複合体形成に有用である。 この場合には、一種の塩基対に1個のみのヌクレオチドが修飾される場合 と同様に、ハイブリッド複合体の安定性が塩基組成に僅かしか依存しない為に、 ハイブリッド複合体の当該塩基対の2個のヌクレオシドのどちらかを修飾される ように、相補核酸を予め修飾工程によって、対象の塩基対で同じヌクレオシドを 置換することが望ましい。 この核酸の事前の修飾工程は、核酸プローブの成分となるオリゴデオキシ ヌクレオチドが下記のヌクレオシドのみから成る場合に行い、 ‐dC*、dG*、dU*又はdA*の4種の修飾されたヌクレオシドの内1個のみ、又 は、 ‐上記4種の修飾されたヌクレオシドの中でも2個、しかしこれら は同じ塩基対に含まれていないものである、例えば ‐dC*及びdU*又はdA*、 ‐dG*及びdU*又はdA*、 ‐dU*及びdC*又はdG*、 ‐dA*及びdC*又はdG*。 この事前の修飾工程での対象核酸内の天然ヌクレオシド置換は、当業者で あれば周知のあらゆる方法で行なってもよく、例えば単一、又は複数の修飾ヌク レオシドを使用する酵素重合反応等が挙げられる。 上記の分析方法の好ましい実施形態として、核酸プローブを支持体に固定 して行うが、支持体の例として、合成ポリマー又はセルロースの膜又は糸、又は ガラス表面等を挙げられる。この場合は、核酸プローブの成分となるオリゴヌク レオチドは直接支持体上に合成できる。 上記の核酸配列分析方法で使用される核酸プローブは、さらに、5'及び/ 又は3'末端の少なくとも片方に置換されることができ、特に下記の置換基が考え られ、 ‐ハイブリッドの安定性を向上す為にアクリジン誘導体等の挿入剤、 ‐ストレプトアビジン誘導体と複合体を形成する為にビオチン、 ‐抱合体を調製する為、又は個体支持体に固定させる為に官能基、例えば -(CH2)n-COOH,-(CH2)n-NH2,-(CH2)n-SH,-(CH2)n-CHOH-CH2OH,-(CH2)nO-PO32 ,-(CH2)n-PO2-S等、 ただし、nは1〜20の数字である。 この置換されたオリゴデオキシヌクレオチドの調製として、(Nguyen,T. Thuong,U.Asseline,Oligonucleotides and analogues: a practical approach,F.Eckstein編者,I.R.L.Press,Oxford,1991,283 -306;U.Asselineら,Tetrahedron,1992,48,1233-1254)の文献で記述された 方法によってできる。 本発明に関するdC、dG、T及びdAのヌクレオシドの化学修飾は下記に説明 する。 第一及び/又は第二核酸分子の成分と成れる第一種の塩基は下記式で示す 修飾デオキシシチジン、 式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アリル基又はプロパルギ ル基、R1は水素原子又は-OH基、Xは窒素原子又は-CH-基を表し、当該修飾デオキ シシチジンは、置換した天然シチジンと等しい対形成特性を有する。 上記式(I)の修飾デオキシシチジンの例として下記の化合物、N-4-メチル -2'-デオキシシチジン(d4MeC)、N-4-エチル-2'-デオキシシチジン(d4EtC)、N-4- プロピル-2'-デオキシシチジン(d4ProC)、N-4-アリル-2'-デオキシシチジン(d4A llyl C)、N-4-プロパルギル-2'-デオキシシチジン(d4PropargylC)、1-β-D-アラ ビノフラノジル-シトジン(dArcc)、6-アザデオキシシチジン(d6NC)が挙げられる 。 全てのC*-G塩基対は、無修飾のA-T塩基対と等しい安定性を有する ハイブリッド複合体を形成する為に、dCの代りにdC*を有する核酸は、天然デオ キシシチドのdCを修飾ヌクレオシドdC*で置換された相補核酸配列とのハイブリ ッド複合体の形成にて有用である。天然デオキシシチジンの上記規定されたdC* での置換は、当業者であれば周知のあらゆる方法で行なってもよく、例えばdC* のヌクレオシドを使用する酵素重合反応が挙げられる。 上記の第一及び/又は第二核酸分子の成分と成れる第二種の塩基は下記の 式で示す修飾デオキシグアノシン、 式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アリル基又はプロパルギ ル基、R1は水素原子又は-OH基、R2は水素原子又は臭素原子、Xは窒素原子又は-C H-基を表し、当該修飾デオキシグアノシンは、置換した天然デオキシグアノシン と等しい対形成特性を有する。 上記式(II)の修飾デオキシグアノシンの例として下記の化合物、N-2-メチ ルデオキシグアノシン(d2MeG)、N-2-プロピルデオキシグアノシン(d2ProG)、N-2 -イソプロピルデオキシグアノシン(d2IsoProG)、N-2-エチルデオキシグアノシン (d2EtG)、7-デアザデオキシグアノシン(d7CG)、8-ブロモ-デオキシグアノシン(d8Br G)が挙げられる。 全てのG*-C塩基対は、無修飾のA-T塩基対と等しい安定性を有する ハイブリッド複合体を形成する為に、dGの代りにdG*を有する核酸は、天然デオ キシグアノシンのdGを修飾ヌクレオシドdG*で置換された相補核酸配列とのハイ ブリッド複合体の形成にて有用である。対象核酸配列内の天然デオキシグアノシ ンの上記に規定されたdG*での置換は、当業者であれば周知のあらゆる方法で行 なってもよく、例えばdG*のヌクレオシドを使用する酵素重合反応が挙げられる 。 第一及び/又は第二核酸分子の成分と成れる第三種の塩基は下記式の示す 修飾デオキシウリジン、 式中、R1は水素原子あるいは-OH基、Rは-C≡CH、又は-C≡C-CH3式の基を 表し、当該修飾デオキシウリジンは、置換した天然チミジンと等しい対形成特性 を有する。 上記式(III)の修飾デオキウリジンの例として下記の化合物、5-エチニル デオキシウリジン(d5EthynylU)、5-イソプロピニルデオキシウリジン(d5Propyny l U)が挙げられる。 全てのU*-A塩基対は、無修飾のG-C塩基対と等しいの安定性を有するハイ ブリッド複合体を形成する為に、Tの代りにdU*を有する核酸は、Tの天然チミジ ンをdU*の修飾ヌクレオシドで置換された相補核酸配列とのハイブリッド複合体 の形成にて有用である。対象核酸配列内の天然チ ミジンの上記に規定されたdU*での置換は、当業者であれば周知のあらゆる方法 で行なってもよく、例えばdU*のヌクレオシドを使用する酵素重合反応が挙げら れる。 第一及び/又は第二核酸分子の成分と成れる第四種の塩基は下記式の示す 修飾デオキシアデノシン、 式中、R1は水素原子又は-OH基、Rは水素原子又はNH2基、Xは窒素原子C-Br 基、C-Cl基、C-C≡CH基、又はC-C≡C-CH3基から選択するものを表し、当該修飾 デオキシグアデノシンは、置換した天然アデノシンと等しい対形成特性を有する 。 上記式(IV)の修飾デオキシアデノシンの例として下記の化合物、アミノ-2 -デオキシアデノシン(d2NH2A)、7-デアザ-7-ブロモデオキシアデノシン、7-デア ザ-7-プロピニル-デオキシアデノシン、アミノ-2-7-デアザ-7-ブロモデオキシ アデノシン、アミノ-2-7-デアザ-7-プロピニル-デオキシアデノシンが挙げられ る。 全てのA-U*又はA*-T塩基対は、無修飾のG-C塩基対と等しいの安定性を有 するハイブリッド複合体を形成する為に、dAの代りにdA*を有する核酸は、dAの 天然デオキシアデノシンをdA*の修飾ヌクレオシドで置換された相補核酸配列と のハイブリッド複合体の形成にて有用である。対象 核酸配列内の天然デオキシアデノシンの上記に規定されたdA*での置換は、当業 者であれば周知のあらゆる方法で行なってもよく、例えばdA*のヌクレオシドを 使用する酵素重合反応が挙げられる。 好ましくは、本発明の方法では第一及び第二核酸分子はデオキシリボ核酸 である。 本発明の特に有用なハイブリッド複合体の形成方法及び核酸の配列分析方 法の実施形態によれば、特定ハイブリッド複合体を形成できる条件下、第一核酸 分子と第二核酸分子との接触は、塩化テトラメチルアンモニウムの存在下又はト リメチルアルキルアンモニウムのハロゲン化物等の機能的に等しいものの存在下 で行う。この条件下では、修飾塩基を含める又は含めない塩基対の安定化を調整 できる。 本発明はさらに、安定性が2個のハイブリッドされた核酸分子の塩基組成 に僅かしか依存しない、2個の相補的又は実質的に相補的な核酸分子間に形成す るハイブリッド複合体に関するものであり、全ての当該複合体の成分となる塩基 対の安定性が等しくなるように、当該複合体の成分となる塩基対種の少なくとも 1種は置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基を少なくとも1個含 むことを特徴とする。 本発明の方法の第一実施形態は、第一及び第二核酸分子の配列成分となる同じ種 類の塩基が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であること を特徴とする。この実施例では、少くとも1個の第一及び第二核酸分子の成分と なる同種類の塩基(A、G、C又はT)は、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有 す塩基。従って下記の可能性が考えら れ、 第一の好ましい実施形態によれば、本発明のハイブリッド複合体は、第一 及び第二核酸分子の配列成分となる同じ種類の塩基が、置換した天然塩基と等し い対形成特性を有する修飾塩基であることを特徴とする。本発明に関するこの実 施形態では、下記の場合が考えられ、 ‐複合体は第一及び第二核酸分子の配列成分となる4種の塩基の中でも1種 が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体 の成分となる塩基対の2種類の中でも1種が修飾塩基を含むことを特徴とし、 ‐複合体は第一及び第二核酸分子の配列成分となる4種の塩基の中でも2種 が置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体の 成分となる塩基対の二種類とも修飾塩基を含むことを特徴とする。 第二の好ましい実施形態によれば、本発明のハイブリッド複合体は、第一 核酸分子のみ、又は第二核酸分子のみの配列成分となる4種の塩基の中でも少な くとも2種が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるの で、複合体の成分となる二種類の塩基対の中でも1種が修飾塩基を含むことを特 徴としている。 好ましくは、本発明のハイブリッド複合体を形成する第一又は第二核酸分 子はオリゴヌクレオチドのプローブである。 特に、本発明の複合体に関する第一及び/又は第二核酸分子の成分となるd C、dG、T及びdAのヌクレオシドの化学修飾は、修飾デオキシシチジン、修飾デオ キシグアノシン、修飾デオキシウリジン、修飾デオキシ アデノシンの以上記述されたものである。 本発明の他の有利点や特徴は下記の実施例によって理解を及ぼすものであ り、これらは修飾ヌクレオシドの製造、該修飾ヌクレオシドの修飾核酸の製造で の使用、及び該修飾核酸を塩基組成に僅かしか依存しないハイブリッド複合体の 形成での使用に関するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。 I 修飾ヌクレオシドの製造 1)概観 修飾ヌクレオシドの3'ホスホラミダイトは市販入手でき、例として、 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-1-β-D-アラビノフラノジル-シトシン(Glen Research) 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-5-プロピニル-2'-デオキシウリジン(Glen Research) 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-7-デアザ-2'-デオキシグアノシン(Glen Research) 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-8-ブロモ-2'-デオキシグアノシン(Glen Research)が挙げら れる。 文献(N.D.Sinhaら,Nucleic Acids Res.,1984,12,4539-4557; J.Nielsenら,Nucleic Acids Res.,1986,14,7391-7403)に記述されている方 法によって、他の修飾ヌクレオシドから他の修飾ヌクレオシドのホスホラミダイ トを研究室で調製できる。 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-N-4-アルキル-2'-デオキシシチジンは市販(Aldrich)の2'-デ オキシウリジンから得られる。その方法は、2'-デオキシウリジンの5'及び3'水 酸基を各々塩化ジメトキシトリチルと塩化tert-ブチルジメチルシリルの作用に よって保護する。2'-デオキシウリジンからN-4-アルキル-2'-デオキシシチジン への変換は、まず保護された2'-デオキシウリジンのC4位をトリアゾールの存在 下でオキシ塩化リンでの処理によって活性化して、その後、対応する一級アミン で処理して得る。フッ化テトラブチルアンモニウムの作用による3'水酸基の脱保 護後、3'位のホスフィチル化は、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミドク ロロホスファイトを使用して得る。 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-6-アザ-2'-デオキシシチジンの合成は、例えば市販(Sigma) の6-アザ-ウリジンの2'位の脱酸素化後、6-アザ-2'-デオキシシチジンへの変換 によって得られる。6-アザ-ウリジンの5'及び3'水酸基の選択的保護は、塩化テ トライソプロピルジシロキサンの作用によって得る。塩化フェノキシチオカルボ ニルによる2'水酸基を活性化した後、脱酸素化はα,αアゾイソブチロニトリト の存在下、トリブチルスズにより得られる(M.J.Robins and J.S.Wilson,Am .Chem.Soc.,1981,103,939-933)。6-アザ-デオキシウリジンの6-アザ-デオ キシシチジンへの変換は、まず6-アザ-デオキシウリジンのC4位をトリアゾール の存在下でオキシ塩化リンでの処理によって活性化して、その後、気相アンモニ アでの処理によって得られる(M.Perbostand and Y.S.Sanghvi,J.Chem.Soc .Perkin.Trans.,1,1994,2051-2052)。その後、環外アミノ基をベンゾイル 化によって保護する。5'及び3'水酸基の脱保護後、5'水酸基はトリチル化によっ て保護し、3'位のホスフィチル化は2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミド クロロホスファイトを使用して得る。 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-N-2-アルキル-2'-デオキシグアノシンは8工程から成る方法 で得た(T.Steinbrecher,C.Wameling,F.Oesh and A.Seider,Angew.Chem .Int.Engl.,1993,32,404-406)。まず、6位のカルボニルをミツノブ反応に よってp-ニトロフェニルエタノールを用いて保護する。亜硝酸ナトリウムでの処 理による2位の脱アミノ化は、ヒドロキシル化された化合物を得る。引き続いて 、5'及び3'水酸基は各々ジメトキシトリチル基とアセチル基によって保護される 。その後、2位の水酸基はトリフロロメタンスルホン酸のエステルに変換される 。これをアミン(メチルアミン、エチルアミン等)での処理によって、対応するN- 2-アルキル-2'-デオキシグアノシンの化合物を得る。3'位の水酸基の脱保護後、 これを2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミドクロロホスファイトでホスフ ィチル化することによって、目的のホスホラミダイトを得る。 2)実験例 実施例1 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-N-4-エチル-2'-デオキシシチジンの製造 a)5'-O- ジメトキシトリチル-2'-デオキシウリジンの製造 予め無水ピリジンとの共蒸発(3回)により乾燥させて、無水ピリジン80ml に溶解された2'デオキシウリジン5g(0.0219モル)に0℃で、塩化ジメトキシトリ チルを8.2g(0.024モル)加えた。反応の進度を薄層クロマトグラフィで確認した 。 室温で2時間反応させた後、混合液を薄層クロマトグラフィーしたところ、反応 は終了したと示した。過剰の塩化ジメトキシトリチルをメタノール2mlを加えて 除去した。混合液を減圧濃縮し、ジクロロメタンを加え、重曹5%の溶液で(2回) 洗浄してから水洗浄した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮された。残分 はヘキサンで沈殿によって精製させる。白い沈澱物を得る。この化合物をろ過に て回収して、乾燥器で乾燥させる。 収率=77%(9g)。薄層クロマトグラフィー、メルク社シリカゲル60F254。Rf =0.40[溶離液:CH2Cl2/MeOH(95:5,v/v)]=システムA。Rf=0.77[溶離液:CH2Cl 2/MeoH(90:10,v/v)]=システムB。 b)5'-O- ジメトキシトリチル-3'-O-(tert-ブチルジメチルシルシル)-2'- デオキシウリジンの製造 5'-O-ジメトキシトリチル-2'-デオキシウリジン9g(0.016モル)及びイミダ ゾール3.26g(0.048モル)を無水ピリジンとの共蒸発(3回)により乾燥させて、無 水ピリジン100mlに溶解する。tert-ブチルジメチルクロロシランを3.13g(0.02モ ル)加えた。反応の進度は薄層クロマトグラフィーによって確認した。室温で12 時間反応させた後、混合にジクロロメタンを加えた。機相は重曹5%の溶液で(2回 )洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。反応溶液は濃縮され、ヘキサンで 冷沈殿した。得られ た沈殿物はポンプにより減圧ろ過させ、乾燥器で乾燥させた。 収率=71%(7.7g)。薄層クロマトグラフィー、メルク社シリカゲル60F254。 Rf=0.57システムA、Rf=0.86システムB。 c)5'-O- ジメトキシトリチル-3'-O-(tert-ブチルジメチルシルシル)-N-4- エチル-2'-デオキシシチジンの製造 予め無水アセトニトリルと3回の同蒸発により乾燥させて、アセトニトリ ル50mlで溶解されたトリアゾール3.1g(0.047モル)に、0℃でPOCl3を0.98ml(0.01 モル)及びトリエチルアミン7.3ml(0.052モル)を加えた。反応混合液は℃で30分 間撹拌する。次に、予め無水アセトニトリルと同蒸発により乾燥させてアセトニ トリル10mlに溶解した5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(tert-ブチルジメチルシ ルシル)-2'-デオキシウリジン2g(0.0031モル)を反応液に加える。引き続いて、4 時間をかけて磁気撹拌しながら、反応混合液の温度を室温まで上昇させる。 得られた粗トリアゾール誘導体(Rf=0.55=システムA、Rf=0.91=システムB) にエチルアミン溶液9.6ml(アセトニトリル中16M、0.15モル)を加えた。反応は薄 層クロマトグラフィーによって確認され、2時間後、原料の化合物が完全に消失 したと確かめられた。次に反応液を減圧濃縮され、ジクロロメタンを加え、水で 洗浄した。硫酸ナトリウム上乾燥させた後、溶媒を留去し、シリカゲルコラム、 [溶離液:CH2Cl2/MeOH/Et3N(98:1:1,v/v)〜(97:2:1)]のシステムにて分離 精製し、目的生成物1.7gを単離させた。 収率=81%。薄層クロマトグラフィー、メルク社シリカゲル60F254、Rf=0.2 6システムA。Rf=0.70システムB。 d)5'-O- ジメトキシトリチル-N-4-エチル-2'-デオキシシチジンの製造 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(tert-ブチルジメチルシルシル)-N-4-エ チル-2'-デオキシシチジン1.7g(0.0025モル)を室温でフッ化テトラブチルアンモ ニウム1Mのテトラヒドロフラン溶液5mlで処理した。薄層クロマトグラフィーに よって確認する反応は2時間後に終了した。反応液を減圧濃縮され、ジクロロメ タンを加え、重曹の溶液で洗浄した後、減圧濃縮した。残分はシリカゲルコラム にて[溶離液:CH2Cl2/MeOH(98:2、v/v)〜(95:5、v/v)]のシステムで精製された 。 収率=78%(1.1g)。薄層クロマトグラフィー、メルク社シリカゲル60F254、 Rf=0.55システムB。 e)5'-O- ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミド ホスファイト)-N-4-エチル-2'-デオキシシチジンの製造 5'-O-ジメトキシトリチル-N-4-エチル-2'-デオキシシチジンを無水アセト ニトリルと3回連続の同蒸発により乾燥させて、一晩乾燥器内に置いた。ジクロ ロメタン(無水で、塩基性アルミナで処理した)4mlで溶解された5'-O-ジメトキシ トリチル-N-4-エチル-2'-デオキシシチジン200mg(0.35モル)に、撹拌及び不活性 雰囲気下、蒸留ジイソプロピルエチルアミン0.24ml(1.43モル)を加え、次に2-シ アノエチル-N,N-ジイソプロピルアミドクロロホスファイト0.12ml(0.53モル)を 滴下した。反応は一時間後に終了した。その後、反応混合液に酢酸エチル20mlを 加え、まず重曹10%の溶液、次に飽和食塩溶液で洗浄した。抽出後、有機相は硫 酸ナトリウムで乾燥させて濃縮された。残分はシリカゲルコラムにて[溶離液:C H2Cl2/AcOEt/Et3N(60:30:10,v/v)]のシステムで精製された。それから化合 物は-70℃でヘキサンで沈殿し高速ろ過にて回収され、乾燥器で乾燥させた。 収率=48%(130mg)。薄層クロマトグラフィー、メルク社シリカ ゲル60F254、Rf=0.35及び0.33システムA。Rf=0.68及び0.61システムC。実施例2〜5 工程(C)にてエチルアミンの代わりにメチルアミン、プロピルアミン、ア リルアミン及びプロパルギルアミンを使用した以外は、実施例1と同様に行ない 、各々5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(tert-ブチルジメチルシルシル)-N-4-メ チル-2'-デオキシシチジン(化合物2C)、5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(tert- ブチルジメチルシルシル)-N-4-プロピル-2'-デオキシシチジン(化合物3C)、5'-O -ジメトキシトリチル-3'-O-(tert-ブチルジメチルシルシル)-N-4-アリル-2'-デ オキシシチジン(化合物4C)、5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(tert-ブチルジメ チルシルシル)-N-4-プロパルギル-2'-デオキシシチジン(化合物5C)を得られ、特 性は下記の表Iに要約した。 次に、上記の化合物2C、3C、4C及び5Cを用いて実施例1の(d)と同様に行い 、対応する化合物2d、3d、4d及び5dが得られ、各化合物の特性は下記の表IIに要 約した。 最後に下式(V)のホスホラミダイト2e、3e、4e及び5e: を上記の化合物2d、3d、4d及び5dから実施例lの(e)と同様に得られる。得 た化合物の特性及びRで表わすものを下表IIIに要約した。 [溶離液:CH2Cl2/AcOEt/Et3N(45:45:10,v/v)]=システムC。実施例6 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミドホ スファイト)-6-アザ-デオキシシチジンの製造。 この化合物は6-アザ-ウリジンから6つの工程で得られた。 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-6-アザ-デオキシシチジンの合成は、例えば市販の6-アザ-ウ リジンの2'位に脱酸素化して、6-アザ-2'-デオキシシチジンに変換して得られる 。6-アザ-ウリジンの5'及び3'水酸基の選択的保護は、テトライソプロピルジシ ロキサンの作用によって得られる。塩化フェノキシチオカルボニルで2'水酸基を 活性化した後、脱酸素化はα,αアゾイソブチロニトリトの存在下にトリブチル スズにより得られる(M.J.Robins and J.S.Wilson,Am.Chem.Soc.,1981, 103,939-933)。6-アザ-デオキシウリジンの6-アザ-デオキシシチジンへの変換 は、まず 6-アザ-デオキシウリジンのC4位をトリアゾールの存在下、オキシ塩化リンの作 用により活発化した後、気相アンモニアの作用によって得られる(M.Perbostand and Y.S.Sanghvi,J.Chem.Soc.Perkin.Trans.,1,1994,2051-2052)。 その後、環外アミノ基はベンゾイル化によって保護される。5'及び3'水酸基をテ トラヒドロフラン中、フッ化テトラブチルアンモニウムでの処理によって脱保護 した後、5'水酸基はジメトキシトリチル基によって保護され、実施例1の(e)工程 と同様に、3'位のホスフィチル化は、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミ ドクロロホスファイトを用いて得られる。 薄層クロマトグラフィー、メルク社シリカゲル60F254、Rf=0.37及び0.43 システムA。実施例7〜10 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルア ミドホスファイト)-N-2-アルキル-2'-デオキシグアノシンの製造 5'-O-ジメトキシトリチル-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミドホ スファイト)-N-2-アルキル-2'-デオキシグアノシンの合成は、例えばT.Steinbre cher、C.Wameling、F.Oesh及びA.Seiderによる8工程から成る方法で得られた(An gew.Chem.Int.Engl.,1993,32,404-406)。まず、6位のカルボニルをミツノ ブ反応によってp-ニトロフェニルエタノールを用いて保護する。亜硝酸ナトリウ ムでの処理による2位の脱アミノ化は、ヒドロキシル化された化合物を得る。引 き続いて、5'及び3'水酸基は、各々ジメトキシトリチル基とアセチル基によって 保護される。その後、2位の水酸基は、トリフロロメタンスルホン酸のエステル に変換さ れる。これをアミン(メチルアミン、エチルアミン等)での処理によって対応する N-2-アルキル-2'-デオキシグアノシンの化合物を得る。3'水酸基の脱保護後、こ れを2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミドクロロホスファイトでのホスフ ィチル化によって、目的物である下記式(VI)で示すホスホラミダイトを得る。 ただし、Rはメチル(実施例7の化合物)、エチル(実施例8の化合物)、プロ ピル(実施例9の化合物)、又はイソプロピル(実施例10の化合物)を示す。 II 修飾オリゴヌクレオチドの製造 修飾オリゴヌクレオチドと呼ばれる修飾塩基を含むオリゴヌクレオチドは 、溶液中又は固体支持上にホスホトリエステル法(J.Stawinskiら、Nucleic Aci ds Res.,1977,4,356-371)、ホスホラミダイト法(S.L.Beaucage,M.H.Car uthers,Tetrahedron Lett.,1981,22,1859-1862)、又はH-ホスホナート法(P .J.Gareggら、Tetrahedron Lett.,1986,27,4055-4058)を使用する普通のオ リゴヌクレオチドの形成方法により得られる。修飾オリゴヌクレオチドは適宜に 固体支持上で製造できる。 塩基の組立は、BeaucageとCaruthersが記述したホスホラミダイト法によ って、オリゴヌクレオチド合成機でヌクレオシドにより機能されたCPG(制御細孔 グラス)支持上で行う。マイクロモル量で行われ、10当量の市販ホスホラミダイ ト、及び実施例1〜10で記述した様に調製された修飾ホスホラミダイトをサイク ル毎に使用する。1サイクルは約10分間であり、天然ヌクレオシドのホスホラミ ダイトの共役時間は1.5分である。修飾ヌクレオシドのホスホラミダイトの共役 時間は一分間ほど延長した。合成の終りに、さらに脱トリチル化を行うことによ り末端一級アルコール基を遊離させる。脱保護は50℃で、濃アンモニア水によっ て一晩で得る。酢酸エチルで抽出によって可溶性有機化合物を除去する。抽出後 、水溶液を回収して濃縮させて、生成物を高速液体クロマトグラフィーによって 精製する。 下記表IVは幾つかの合成されたオリゴヌクレオチドの保持時間(RT)を表す 。 システム(a)の場合は、オリゴマーのイオン交換分析は、Pharmacia Fine ChemicalsのFPLC装置(GP 250/P 2500)とDEAE Waters(Protein-PackTM、DEAE 8 HR 10mm x 100mm)で行なった。勾配は塩勾配(NaCl)であって:2分間でBは0%;40分 でBは0%〜30%;:流速は1ml/分。Aは25mMトリス、10%CH3CN、pH=8;Bは緩衝液A+1. 5M NaCl。 システム(b)の場合は、逆相分析はWaters990光ダイオードの検出器で設備 されたWaters625LC System装置で行い、コラムとして、Lichrospher100RP-18(5 μm)で詰めたメルク社のLichrocart(125mm x 4mm)を使用した。溶離液は酢酸ト リエチルアンモニウム(TEAA)0.1Mの水/アセトニトリル混合液で、pH=7。AはCH3C Nを5%、BはCH3CNを80%含む。CH3CN勾配は:20分でBは0%〜20%になる。溶離液の流 速は1ml/分である。 配列におけるヌクレオシドの存在及び割合は、下記の手順によって、P1エ ンドヌクレアーゼによる酵素加水分解の作用、引き続いてアルカリホスファター ゼ(AP)の作用により行う。 オリゴヌクレオチド1ODに、CH3COO-Na+(0.03M)pH=5.33とZnSO4(0.1M)の緩 衝液50μl、及びP1ヌクレアーゼ10μlを加える。反応系は37℃の水浴に2時間置 く。次に加水分解物のpHは、トリス溶液(1M)でpH9に調整される。その後、アル カリホスファターゼ10μlを混合液に加え、2時間37℃で保温する。次に溶液を1 〜2分間沸騰させることによって、酵素は熱分解される。引き続いて、得られた 化合物を逆相によって同定及び定量するが、勾配は下記の通り、5分でBは0%;15 分でbは0%〜9%。Aは0.1M TEAA、2%CH3CN;Bは0.1M TEAA、80%CH3CN。流速は1m l/分である。 例として、オリゴヌクレオチド13番の酵素加水分解は下記式に示すように 2dC+3dG+3dA+d4EtCを得た。下記表Vは各々のヌクレオシドの保持時間(RT) を表す(C18コラムで逆相の保持時間)。 11〜16番のオリゴヌクレオチドの質量をMALDI法(マトリックス補助レーザ 脱離、Finnigan社のLasermat装置)により質量分析し、dT12を基準として、及び 混合1μlを用いて確認された。この混合は2,4,6-トリヒドロキシアセトフェノン 0.5Mのエタノール溶液10μl、ジアンモニウム-L-酒石酸塩0.5Mの水溶液5μl、及 び分析試料の水溶液1μl(10OD/ml)をターゲットに付けて、溶媒を蒸発留去する 。 前記と同様の手順により、下記表VIに示すオリゴヌクレオチドを研究所で 得られた、又は市販で入手した、天然デオキシヌクレオシドのホスホラミダイト 、及び修飾ヌクレオシドのホスホラミダイトを使用して得られた。III 分析対象DNAの製造 天然ヌクレオシド、及び修飾ヌクレオシドから成る分析対象の核酸断片( フラグメント)は、天然ヌクレオシド、及び修飾ヌクレオシドの三リン酸塩の混 合を使用し、PCR法の遺伝子増幅によって得られる。又は、この化合物は、まず 天然の一本鎖DNA断片を不斉PCR法により調製し、次に天然の一本鎖DNA断片を、 天然デオキシヌクレオシド、及び修飾ヌクレオシドの三リン酸塩、及びDNAポリ メラーゼの混合の使用により、天然ヌクレオシド、及び修飾ヌクレオシドから成 る相補配列に複製して得る。 修飾デオキシヌクレオシドの5'三リン酸塩は、天然ヌクレオシドの三リン 酸塩と同様に修飾デオキシヌクレオシドから二工程で得られる。第一工程は、リ ン酸トリアルキル中、修飾デオキシヌクレオシドとオキシ塩化リンとの反応によ る修飾デオキシヌクレオシドの5'一リン酸塩の調製(M.Yoshikawa,T.Kato and T.Takenishi,Tetrahedron Lett.,1967,5065-5068)となる。第二工程は、D. E.HoardとD.G.Ott(J.Amer.Chem.Soc.,1965,87,1785-1788)による5'-リン 酸塩のカルボニルジイミダゾールとの反応によって活性化し、引き続いて、活性 化中間体をトリブチルアンモニウムのピロリン酸塩との共役からなる。 N-4-アルキルデオキシシチジン誘導体の場合は、三リン酸はアルキルアミ ン及び重亜硫酸塩の存在下、デオキシシチジンの三リン酸塩のアミノ基転移によ って得られる(P.S.MillerとC.D.Cushman,Bioconjugate Chem.,1992,3,7 4-79)。 IV 修飾デオキシシチジン(dC*)を含む修飾オリゴヌクレオチドと天然DNA配列と のハイブリッド形成特性 ハイブリッド形成の検討は941〜260nmのセルチャンガーKONTRONUVIKON吸 収分光器で行った。 天然トリデカデオキシヌクレオチドと一連の天然及び修飾ノナヌクレオチ ド一連との半遷移温度Tmの測定は、EDTA2.10-4M及び食塩1Mを含むカコジル酸ナ トリウム10-2M、pH7の緩衝液でのオリゴヌクレオチド2.1-6Mの溶液で行なった。 温度の上昇は0℃〜60℃、0.5℃/分にした。この条件は図1〜12及び図13の一部で は同一となる。 図1及び2は天然トリデカデオキシヌクレオチドと、まず天然ノナデオキシ ヌクレオチド、そしてdC*の修飾デオキシシチジンを含むノナデオキシヌクレオ チドとの間に形成する二本鎖のTmを示す。 図1のTmの値は、天然ヌクレオチドから得る二本鎖の場合は、ハイブリッ ドの安定性が極めて塩基組成に依存することを示す。二本鎖1(Tm=46.1℃)の4位 のA-T対をG-C対で置換することにより、Tmは+5.2℃で上昇する(二本鎖2、Tm=51. 3℃);これに対して、同じA-T対をG-C*対(特にC*=N-エチル-dCの場合)で置換する ことにより、二重鎖1と等しい安定性を有するハイブリッド[C*=N-4-エチルデオ キシシチジン、二重鎖4(Tm=47.2℃)]を得られる。 このG-C4Et対のハイブリッド形成特性は二本鎖9の4位及び7位のA-T対の代 りに入れ換えた場合にも維持する(図2;二重鎖9、Tm=41.1℃;二重鎖11、Tm=41.7 ℃)。当然ながら、4位及び7位のA-T対をG-C対で置換する(図2)ことによってTmは 約10℃上昇する。 G-C*対を含む二重鎖の形成は特異的であることを示す為に、 3'AGCAGC*AGC5'の修飾九量体と、5'dTTTCGTCATCGTT3'、 5'dTTTCGTCCTCGTT3'、5'dTTTCGCTTCGTT3'のDNAとのハイブリッド形成の検討も行 った。図3、4及び5に示した結果は、不適性塩基対A-C*(図3の二 重鎖15〜20)、C-C*(図4の二重鎖22〜27)、及びT-C*(図5の二重鎖22〜27)(dC*=N- 4-メチルデオキシシチジン、N-4-エチルデオキシシチジン及び1-b-D-アラビノフ ラノシルシトシン)による不安定性は、不適性塩基対A-C(二重鎖14)、C-C(二重鎖 21)及びT-C(二重鎖28)と等しくなることを示す。 V A-T とG-C4alkyl塩基対から成る二本鎖のハイブリッド形成特性 二種類の配列について検討した。 第一種類の配列では、全て同じ鎖に存在するシトシンをN-エチルデオキシ シトシンで置換した。図に示す結果から、二重鎖35(Tm=20℃)のA-T対3個をG-C4E t 対3個での置換は、Tmが僅かしか異ならない二重鎖37(二重鎖37、Tm=27.4℃)を 得られることが分かるが、二重鎖35の同じA-T対のG-C対での置換は、当然ながら 、約21℃の温度上昇を起こす。さらに、不適性塩基対T-C4Et(二重鎖38)、又はC- C4Et(二重鎖39)、又はA-C4Et(二重鎖40)がある場合、Tmの17℃以上の温度下降を 確かめられるので、二本鎖37の形成は特異的である。 第二種類の配列では、両鎖に存在するシトシンをN-4-メチルシトシン(二 重鎖42、図7)、又はN-4-エチルシトシン(二重鎖43)で置換した。 図7に示す結果から、二重鎖41(Tm=18.7℃)のA-T対を6個ともG-C対6で置換 する場合は(二重鎖、Tm=51.3℃)、Tm値の変化が大きい(+32.6℃)と分かるが、同 様の条件下、例えばG-C4Et等のG-C*塩基対の使用では、例えば二重鎖41と僅かし か異ならない安定性を有する二重鎖43を得られる。 この結果から次のことを言える。 ‐例えばノナデオキシヌクレオチド配列が、同一個体支持上固定 された場合、二重鎖41よりも高いTmを有する、例えば二重鎖14、21及び28等の不 適性塩基対を含むハイブリッド形成をせずに、二重鎖2及び41等の特定ハイブリ ッドを形成することは不可能である。 ‐塩基対A-T及びG-CNEtから成る二重鎖を使用することにより例えば二重 鎖41及び43等の特定ハイブリッドを得られるが、例えばT-CNEtの不適性塩基対を 含む二重鎖43の誘導体である二重鎖44は、非常に安定性の低い(Tm<10℃)もので ある。 VI 塩基対A-U5propynyl又は/及びG-C4Metを含む二本鎖のハイブリッド形成特性 各々9個のA-U5propynyl対、及び9個のG-C4Met対から成る二重鎖46及び47 のハイブリッド形成特性を調べて、対応する無修飾二重鎖41及び45と比較した( 図8)。 得られた結果から、9個のA-U5propynyl塩基対を含む二重鎖46(二重鎖46、 Tm=31.2℃)は、9個のG-CN4Met塩基対を含む二重鎖47(Tm=33.3℃)と等しいTmを有 するが、長さが同じで、各々塩基対A-T及びG-Cから成る二重鎖41及び45のTmは大 幅に異なる(二重鎖41、Tm=18.7℃;二重鎖45、Tm=63.4℃)。 さらに、修飾重本鎖46及び47のTmが、天然二重鎖41及び47の間にあること も確かめられた。又、C-U5propynyl(二重鎖49)、又はG-U5propynyl(二重鎖50)、 又はT-U5propynyl(二重鎖51)の不適性対形成は重要な不安定化を起こすので、A- U5propynyl対の対形成は特異的である(二重鎖48、Tm=26.1℃)。 VII 部分的にデオキシグアノシンを修飾デオキシグアノシで置換されたオ リゴヌクレオチドのハイブリッド形成特性 図9は、dG*の修飾デオキシグアノシンを含むノナデオキシヌクレオチドと トリデカデオキシヌクレオチドから成る二本鎖のTmを表す。得られた結果は、天 然のC-G塩基対のC-G*塩基対での置換は、ハイブリッド複合体の熱安定性に対し て影響があることを示す。使用された修飾デオキシグアノシンの中でも、2位の アミノ基が置換された誘導体は、ハイブリッドの安定性を調節できる。ここに、 置換基の立体障害が上昇すると、塩基対C-G2alkylを含む二重鎖の安定性が低下 する(二重鎖55、56、57及び58)。更に、C-G2ipr対を含む二重鎖58は、同じ位置 にT-A対を有する二重鎖52と等しい熱安定性を有する。 尚、検討対象のC-G*塩基対の対形成は特異的である(C-Iを除く)。ここに 、A-G*(図10)、又はT-G*(図11)、又はG-G*(図12)の不適性対形成は、A-G又はT-G 又はG-Gの不適性対形成と同様に、重要な不安定化を起こす。 この実施例及び実施例IVと実施例Vから、安定性が塩基組成に僅かしか依 存しないハイブリッドを形成する為に、T、dA、dC4Et及びdG2alkylから成る修飾 オリゴヌクレオチドと天然の相補核酸配列を使用できることが分かる。 VIII 塩化テトラメチルアンモニウムの存在下、A-U5propynyl及び/又はG-Cの 塩基対を使用して二本鎖形成すること 9個の塩基対を含む、各々A-T、G-C及びA-U5propylから成る二重鎖41、45 及び46の熱安定性は、食塩1M、又は可変濃度の塩化テトラメチル アンモニウム(TMACl)を含む溶液中で、検討した。図13に示す結果から、同じ溶 液では、9個のA-T塩基対から成る二重本鎖41のTmは、9個のG-C対から成る二重鎖 45より低いことが分かる。しかし、TMACl3.5Mの存在下、9個のA-U5propyl塩基対 から成る二重鎖46(Tm=50.9℃)の熱安定性は、二重鎖45(Tm=51.8℃)と等しい。図 13において、「*」で記されたTmは、図1〜12図で記述した前記実験例と同じ実験 条件を表わすが、「**」で記されたTmは、実験条件:EDTA2・10-3M及び可変濃度 の塩化テトラメチルアンモニウム(2;3;3.5及び4.4M)を含むtris-塩酸50・10-3M の緩衝液、pH8で、オリゴヌクレオチドは2・10-6Mとなる実験条件を表わす。 又、C-U5propynyl(二重鎖49、Tm=18.8℃)、又はG-U5propynyl(二重鎖50、 Tm=25.7℃)又はT-U5propynyl(二重鎖51、Tm=25.7℃)の不適性対形成は重要な不 安定化を起こすので、TMAClの3.5M溶液において、A-U5propynyl対の対形成(二本 鎖48、Tm=42.6℃)は特異的であることが分かる。 この結果から、安定性が高く、しかも塩基組成に僅かしか依存しない二重 鎖の形成の為に、G-C及びA-U5propynylの塩基対を使用できる。 上記の実施例は本発明を限定するものではないが、本発明の修飾塩基を少 なくとも1個含むオリゴヌクレオチドは、相補核酸配列と特定ハイブリッドを形 成すること、しかも、得られるハイブリッドの安定性が、そのハイブリッドの成 分となる各鎖の塩基組成に僅かしか依存しないことを示す。尚、本発明の方法は 複数のオリゴヌクレオチドプローブを同時に、設定された培地及び温度条件下で 使用する場合、完全ハイブリッドと不適性塩基対を含むハイブリッドとの区別を 改善する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年8月8日(1998.8.8) 【補正内容】 結果は、他の核酸配列を使用した際、否定されたものであった(P.V.Riccelli, A.S.Benight,Nucleic Acids Res.,1993,21,3785-3788)。 また、ポリアクリルアミドゲルに固定されたオリゴヌクレオチドの塩基組成 に対応して、密度を変える方法も提案された(K.R.Khrapkoら,J.DNA Sequen cing Mapp.,1991,1,375-388)。しかし、多数の固定化オリゴヌクレオチドを 使用する場合は、この方法は複雑になる。 5-CldU及び2-NH2dA等の修飾塩基を使用することも考えられたが、ハイブリ ッドの安定性が非常に変化することが確かめられた(J.D.Heisel,H.Lehrach ,FEBS Lett.,1990,274,103-106)。又は、欧州特許EP-A-0 176 396号では、 プローブの少なくとも一部のアデニン基か修飾アデニン基で置換される、核酸と プローブとの複合体の形成方法が記述されている。修飾アデニン基は三つの水素 結合を生じ得るので、形成された複合体の安定性を向上させる。この様なプロー ブで得る安定性の向上により、不適性塩基対があっても、ハイブリッド形成がで きる。 又、国際特許WO-A-9 305 175号では、ピリミジン塩基の類似体を有するヌク レオチドをPCR又はハイブリッド形成の反応で使用することも提案された。 D2で記述された方法で使用する塩基はA及びGと安定性の等しい塩基対を形成 する。 他に、デオキシリボヌクレオシド及びリボヌクレオシドから成るオリゴマー の使用によって、GとCの多い配列のハイブリッドを不安定化させるアプローチも 記述されている(Joerg D.Hoheisel,Nucleic Acids Research,1996,vol.24 .No.3)が、交代数が高くなる場合は、このオリゴヌクレオチドから成るハイ ブリッドの量が急に低減する。尚、このハイブリッドは広範囲の温度帯で熱解離 するので、完全ハイブリッドと、不適性塩基対を含むハイブリッドとの区別が不 確かになる。 本発明の目的は、安定性が塩基組成に僅かしか依存しないハイブリッド複合 体の形成方法を提供することにある。第一及び/又は第二核酸分子の配列成分と なる4種の塩基の中でも、少なくとも1種の塩基が修飾塩基であっ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エンギュイエン エイチ ケー フランス、ビエンヌアンバル F―45410、 ルートドゥティジー 31 (72)発明者 デュラン モリス フランス、オルレアン F―45100、ルー ドュドクターシュバイツァー 11 (72)発明者 モリゾ ジャンクロード フランス、オルレアン F―45100、ルー グスタフフロベール 23 (72)発明者 デュプレ ダニエル フランス、アグノー F―67500、ルート ドゥビシュビラー 35 (72)発明者 ボンフィス エドヴィッグ フランス、ストラスブルグ F―67200、 プラスサンフロラン 6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.特定ハイブリッド複合体を形成し得る条件下、第一核酸分子と第二核酸分子 を接触させることから成る安定性がハイブリッドされた2個の核酸分子の塩基 組成に僅かしか依存しないハイブリッド複合体の形成方法において、第一及び /又は第二核酸分子の配列成分となる4種の塩基の中でも、少なくとも1種の 塩基が修飾塩基であって、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有し、複合 体の成分となる2種の塩基対の中でも、少なくとも1種が修飾塩基を含むこと と、全ての該複合体の成分となる塩基対の安定性が等しいことを特徴とするハ イブリッド複合体の形成方法。 2.請求項1記載のハイブリッド複合体の形成方法において、第一及び第二核酸 分子の配列成分となる同じ種類の塩基が、置換した天然塩基と等しい対形成特 性を有する修飾塩基であることを特徴とするハイブリッド複合体の形成方法。 3.請求項2記載のハイブリッド複合体の形成方法において、第一及び第二核酸 分子の配列成分となる4種の塩基の中でも1種が、置換した天然塩基と等しい 対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体の成分となる塩基対の2種の 中でも1種が修飾塩基を含むことを特徴とするハイブリッド複合体の形成方法 。 4.請求項2記載のハイブリッド複合体の形成方法において、第一及び第二核酸 分子の配列成分となる4種の塩基の中でも2種が、置換した天然塩基と等しい 対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体の成分となる塩基対の2種類 とも修飾塩基を含むことを特徴とするハイブリッド複合体の形成方法。 5.請求項1記載のハイブリッド複合体の形成方法において、第一核酸分子のみ 、 又は第二核酸分子のみでは、配列成分となる4種の塩基の中でも少なくとも2 種が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるので、複 合体の成分となる2種の塩基対の中でも少なくとも1種が修飾塩基を含むこと を特徴とするハイブリッド複合体の形成方法。 6.核酸配列分析方法において、請求項の1から5の何れかの請求項記載のハイ ブリッド複合体の形成方法によって、分析対象の配列である、又はその配列を 含む第一核酸分子と、配列決定又は点変異の検出に有用な核酸プローブである 第二核酸分子から成るハイブリッド複合体を形成することと、次にこのハイブ リッド複合体をあらゆる適宜の方法で分析することを特徴とする分析方法。 7.核酸配列分析方法において、 ‐第一核酸分子は分析対象の配列の全部又は一部を、あらゆる化学的又は 生物学的複製方法によってを製造したものであり、該方法では、置換された天 然塩基と等しい対形成特性を有する1個の修飾塩基で該配列の成分となる4種 の塩基の中から1種を置換するように1個の修飾ヌクレオシドを使用し、 ‐第二核酸分子は配列決定又は点変異の検出に有用な核酸プローブとなる ように、 請求項3)記載のハイブリッド複合体の形成方法によってハイブリッド複合 体を形成することと、ハイブリッド複合体をあらゆる適宜の方法で分析するこ とを特徴とする分析方法。 8.核酸配列分析方法において、 ‐第一核酸分子は分析対象の配列の全部又は一部を、あらゆる化学的又は 生物学的複製方法によってを製造したものであり、該方法では、置換された天 然塩基と等しい対形成特性を有する2個の修飾塩基で、該配列の成分となる4 種の塩 基の中から2種を置換するように2個の修飾ヌクレオシドを使用し、 ‐第二核酸分子は配列決定又は点変異の検出に有用な核酸プローブとなる ように、 請求項4記載のハイブリッド複合体の形成方法によってハイブリッド複合 体を形成することと、ハイブリッド複合体をあらゆる適宜の方法で分析するこ とを特徴とする分析方法。 9.請求項の6から8の何れかの請求項記載の核酸配列分析方法において、核酸 プローブは少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを使用する化学的又は生物学的 方法によって製造し、プローブの配列が置換された天然塩基と等しい対形成特 性を有する修飾塩基を少なくとも1個含むことを特徴とする分析方法。 10.請求項9記載の核酸配列分析方法において、核酸プローブは4個〜30個 のヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドであることを特徴とする分析方法。 11.請求項の1から5の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体の形成方法 において、又は請求項の6から10の何れかの請求項記載の核酸配列分析方法 において、第一及び/又は第二核酸分子の成分と成る1種の塩基は下記式で示 す修飾デオキシシチジン、 式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アリル基又はプロパルギ ル基、R1は水素原子又は-OH基、Xは窒素原子又は-CH-基を表し、該修飾デオキ シシチジンは、置換した天然シチジンと等しい対形成特性を有することを特徴 とする形成方法又は分析方法。 12.請求項11記載の方法において、式(I)の修飾シチジンは、N-4-メチル- 2'-デオキシシチジン、N-4-エチル-2'-デオキシシチジン、N-4-プロピル-2'- デオキシシチジン、N-4-アリル-2'-デオキシシチジン、N-4-プロパルギル-2'- デオキシシチジン、1-β-D-アラビノフラノジル-シトシン及び6-アザデオキシ シチジンの中から選んだものであることを特徴とする方法。 13.請求項の1から5の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体の形成方法 において、又は請求項の6から10の何れかの請求項記載の核酸配列分析方法 において、第一及び/又は第二核酸分子の成分と成る1種の塩基は下記式で示 す修飾デオキシグアノシン、 式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アリル基又はプロパルギ ル基、R1は水素原子又は-OH基、R2は水素原子又は臭素原子、Xは窒素原子又は -CH-基を表し、該修飾グアノシンは、置換した天然デオキシグアノシンと等し い対形成特性を有することを特徴とする形成方法又は分析方法。 14.請求項13記載の方法において、式(II)の修飾グアノシンは、N-2-メチ ルデオキシグアノシン、N-2-プロピルデオキシグアノシン、N-2-イソプロピル デオキシグアノシン、N-2-エチルデオキシグアノシン、7-デアザデオキシグア ノシン及び8-ブロモ-デオキシグアノシンの中から選んだものであることを特 徴とする方法。 15.請求項の1から5の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体の形成方法 において、又は請求項の6から10の何れかの請求項記載の核酸配列分析方法 において、第一及び/又は第二核酸分子の成分と成る1種の塩基は下記式で示 す修飾デオキシウリジン、 式中、R1は水素原子あるいは-OH基、Rは-C≡CH、又は-C≡C-CH3式の基を 表し、当該修飾デオキシウリジンは、置換した天然チミジンと等しい対形成特 性を有することを特徴とする形成方法又は分析方法。 16.請求項15記載の方法において、式(III)の修飾デオキウリジンは、5- エチニルデオキシウリジン及び5-イソプロピニルデオキシウリジンの中から選 んだものであることを特徴とする方法。 17.請求項の1から5の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体の形成方法 において、又は請求項の6から10の何れかの請求項記載の核酸配列分析方法 において、第一及び/又は第二核酸分子の成分と成る1種の塩基は下記式で示 す修飾デオキシアデノシン、 式中、R1は水素原子又は-OH基、Rは水素原子又はNH2基、Xは窒素原子、C- Br基、C-C1基、C-C≡CH基、又はC-C≡C-CH3基から選択するものを表し、当該 修飾デオキシアデノシンは、置換した天然デオキシアデノシンと等しい対形成 特性を有することを特徴とする形成方法又は分析方法。 18.請求項17記載の方法において、式(III)の修飾デオキシアデノシンは、 アミノ-2-デオキシアデノシン、7-デアザ-7-ブロモデオキシアデノシン、7-デ アザ-7-プロピニル-デオキシアデノシン、アミノ-2-7-デアザ-7-ブロモデオキ シアデノシン及びアミノ-2-7-デアザ-7-プロピニル-デオキシアデノシンの中 から選んだものであることを特徴とする方法。 19.請求項の1から18の何れかの請求項記載の方法において、第一及び第二 核酸分子はデオキシリボ核酸であることを特徴とする方法。 20.請求項の6から19の何れかの請求項記載の核酸配列分析方法において、 配列決定又は点変異の検出用の分析方法。 21.請求項の1から5の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体の形成方 法において、又は請求項の6から20の何れかの請求項記載の核酸配列分析方 法において、特定ハイブリッド複合体を形成できる条件下の第一核酸分子と第 二核酸分子との接触は、塩化テトラメチルアンモニウムの存在下、又はトリメ チルアンモニウムのハロゲン化物の存在下で行うことを特徴とする形成方法又 は分析方法。 22.安定性が2個のハイブリッドされた核酸分子の塩基組成に僅かしか依存し ない、2個の相補的又は実質的に相補的な核酸分子間に形成するハイブリッド 複合体において、全ての当該複合体の成分となる塩基対の安定性が等しくなる ように、当該複合体の成分となる塩基対種の少なくとも1種は置換した天然塩 基と等しい対形成特性を有する修飾塩基を少なくとも1個含むことを特徴とす るハイブリッド複合体。 23.請求項22記載のハイブリッド複合体において、第一及び第二核酸分子の 配列成分となる同じ種類の塩基が、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有 する修飾塩基であることを特徴とするハイブリッド複合体。 24.請求項23記載のハイブリッド複合体において、第一及び第二核酸分子の 配列成分となる4種の塩基の中でも1種が、置換した天然塩基と等しい対形成 特性を有する修飾塩基であるので、複合体の成分となる塩基対の2種の中でも 1種が修飾塩基を含むことを特徴とするハイブリッド複合体。 25.請求項23記載のハイブリッド複合体において、第一及び第二核酸分子の 配列成分となる4種の塩基の中でも2種が、置換した天然塩基と等しい対形成 特性を有する修飾塩基であるので、複合体の成分となる塩基対の2種類とも修 飾塩基を含むことを特徴とするハイブリッド複合体。 26.請求項22記載のハイブリッド複合体において、第一核酸分子のみ、又は 第二核酸分子のみでは、配列成分となる4種の塩基の中でも少なくとも2種が 、置換した天然塩基と等しい対形成特性を有する修飾塩基であるので、複合体 の成分となる2種の塩基対の中でも1種が修飾塩基を含むことを特徴とするハ イブリッド複合体。 27.請求項の22から26の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体におい て、第一又は第二核酸分子はオリゴヌクレオチドプローブであることを特徴と するハイブリッド複合体。 28.請求項の22から27の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体におい て、第一及び/又は第二核酸分子の成分となる塩基種の中から1種は、請求項 の11)又は12)のどちらかで規定されたデオキシシチジンであることを特徴とす るハイブリッド複合体。 29.請求項の22から27の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体におい て、第一及び/又は第二核酸分子の成分となる塩基種の中から1種は、請求項 の13又は14のどちらかで規定されたデオキシグアノシンであることを特徴 とするハイブリッド複合体。 30.請求項の22から27の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体におい て、第一及び/又は第二核酸分子の成分となる塩基種の中から1種は、請求項 の15又は16のどちらかで規定されたデオキシウリジンであることを特徴と するハイブリッド複合体。 31.請求項の22から27の何れかの請求項記載のハイブリッド複合体におい て、第一及び/又は第二核酸分子の成分となる塩基種の中から1種は、請求項 の17又は18のどちらかで規定されたデオキシアデノシンであることを特徴 とするハイブリッド複合体。
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