JP2000510169A - 還元された二酸化チタンで被覆された二酸化ケイ素小板を基礎とする光輝顔料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本質的に二酸化チタンからなる被覆で二酸化ケイ素小板を被覆し、かつ引き続き、被覆された小板を還元雰囲気中で加熱することにより得られる、被覆された二酸化ケイ素小板を基礎とする光輝顔料ならびに該光輝顔料の製造及び、塗料、印刷インキ、インキ、プラスチック、ガラス、セラミック製品及び装飾的化粧品調製物の着色のための該光輝顔料の使用。

Description

【発明の詳細な説明】 還元された二酸化チタンで被覆された二酸化ケイ素小板を基礎とする光輝顔料 本発明は、本質的に二酸化チタンからなる被覆で二酸化ケイ素小板を被覆し、 かつ引き続き、被覆された小板を還元雰囲気中で加熱することにより得られる、 被覆された二酸化ケイ素小板を基礎とする光輝顔料に関する。 さらに本発明は、この光輝顔料の製造及び、塗料、印刷インキ、インキ、プラ スチック、ガラス、セラミック製品及び装飾的化粧品調製物の着色のためのその 使用に関する。光輝−もしくは効果顔料は、技術の多くの分野で、例えば自動車 塗料、装飾被覆、プラスチック着色、ペイント、印刷インキ、殊にセキュリティ ー用印刷インキならびに化粧品に使用される。 その光学的作用は、主として平坦に形成された、相互に平行して配列された、 金属製もしくは強く光を屈折させる顔料粒子における光の方向付けされた反射に 基づいている。顔料小板の組成に応じて干渉現象、反射現象及び吸収現象が、角 度に依存した色−及び明度の印象を生じさせる。 そのコピー不可能な光学的効果に基づいて上記顔料は、偽造に対して安全な有 価証券、例えば紙幣、小切 手、チェックカード、クレジットカード、印紙、切手、鉄道切符及び航空券、テ レホンカード、富くじ券、商品券、証明書ならびに身分証明カード、の製造にと ってますます重要になっている。 効果顔料によって作成されたしるし及び、例えばカラーコピーの場合の該しる しの欠如もしくは該しるしの変化（色のフロップ(Farbflop)及び光沢効果の消失 ）は、補助的手段を用いずに肉眼で確実に認識可能であり、かつオリジナルをコ ピーから容易に識別することを可能にする。 二酸化チタン被覆を有する雲母顔料は、周知のとおり著しく弱い干渉色のみを 示し、この干渉色は、暗色の背景上に適用した場合に初めて可視となる。ＴｉＯ ２−膜の還元によって色の印象は、強められるが、しかしながら、色のフロップ は、それぞれの場合の干渉色から無彩色への変化に限定される。その上、殊に青 の色調範囲内では達成すべき色濃度は、全ての使用目的に対して満足のいくもの ではない。 従って本発明の課題は、ＴｉＯ₂-被覆された雲母顔料の欠点を示さない、色に 関する及び使用技術に関する良好な性質を有する光輝顔料を提供することであっ た。 従って、冒頭に定義された光輝顔料が見いだされた。 さらに、これにより定義される、前記光輝顔料の製 造方法が見いだされた。 その上、塗料、印刷インキ、インキ、プラスチック、ガラス、セラミック製品 及び装飾的化粧品調製物の着色のための前記の光輝顔料の使用が見いだされた。 本発明による光輝顔料の場合に支持体として使用されるＳｉＯ₂−小板は、国 際公開番号ＷＯ−Ａ−９３／０８２３７に記載されているとおり、水ガラス溶液 を約１０μｍの膜厚で回転ベルト上に塗布し、水ガラス塗膜を乾燥しかつ引き続 き先ず酸で、及びその後に水で洗浄し、その際に得られたゼラチン状ＳｉＯ₂− 塗膜を剥離し、その際に生じた破片を洗浄しかつ粉砕することによって得ること ができる。 ＳｉＯ₂−小板は、通常、直径１〜２５０μｍ、有に２〜１００μｍを有し ており、かつ通常０．０５〜５μｍ、特に０．２〜２μｍの厚さである。 ＳｉＯ₂−小板は、無機着色剤の組込みによって着色されていてもよい。こ の場合には無機着色剤とは、固体としてＳｉＯ₂−マトリクス中に組み込まれる できるだけ微細にされた形の無機顔料又は、該マトリクスにドープされる有色の 金属カチオンのことである。しかしながら、有利にはＳｉＯ₂−小板は、着色さ れていない。 本発明による光輝顔料は、有利に、本発明による製造方法によれば、ＳｉＯ₂ −小板を本質的にＴｉＯ₂からなる被覆で被覆し、かつ引き続き、被覆された小 板を還元雰囲気中で加熱することにより得ることができる。 ＳｉＯ₂−小板の被覆は、蒸発されたチタン化合物を水蒸気の存在下に気相分 解すること（化学蒸着、ＣＶＤ）によって行なうことができる。このことに、例 えばチタンテトラアルコラート、有利にチタンテトラプロパノラート、及びテト ラハロゲン化チタン、特に四塩化チタンは、適当である（ドイツ国特許出願公開 第４１４０９００号明細書、欧州特許出願公開第１０６２３５号明細書）。 気相被覆は、有利に、例えば欧州特許出願公開第１０６２３５号明細書に記載 されている、加熱可能な流動床反応器中で実施され、この中でＳｉＯ₂−粒子は 、先ず流動ガス（窒素ガス）とともに流動化され、かつそれぞれの場合にチタン 化合物の分解に必要な温度通常１００〜４００℃、特に２００〜３００℃で加熱 される。この場合には、前に接続された蒸発器容器中で流動ガスの一部の使用下 に蒸発されたチタン化合物ならびに分解に必要な水蒸気は、別々のノズルを介し て導入される。 しかし、ＴｉＯ₂−被膜は、湿式化学的にチタン化合物、例えば四塩化チタン 、の加水分解によって施与することができ、この際、国際公開番号ＷＯ−Ａ−９ ３／０８２３７に記載されているとおり、先ず適当なスズ（ＩＶ）化合物、例え ば四塩化スズ、の加水分解 によって薄い二酸化スズ被膜を析出することが推奨される。 湿式被覆の場合には有利に、ＳｉＯ₂−小板を強い撹拌下に水中で懸濁し、得 られた懸濁液を約７０〜９０℃に加熱し、ｐＨ値約１〜２に調節し、先ず酸性の 四塩化スズ溶液を、さらにその後に四塩化チタン溶液を、ｐＨ値を一定に維持す るために塩基、例えば苛性ソーダ液、を同時に添加しながら滴加することによっ て処理が行なわれる。被覆されたＳｉＯ₂−小板は、引き続き、濾別され、水で 洗浄され、かつ乾燥されかつ約８００℃でか焼される。 別の無色の金属酸化物、例えば二酸化スズを約５重量％まで含有していてもよ いＴｉＯ₂−被覆の厚さは、本質的に色調を決定し、かつ所望の干渉色に応じて 通常１０〜３００ｎｍ、有利に２０〜２００ｎｍである（幾何学的膜厚）。 銀色の干渉色を示す薄いＴｉＯ₂−被覆を有するＳｉＯ₂−支持体小板（幾何学 的膜厚１０〜６０ｎｍ、特に２０〜４０ｎｍ）の場合には、還元後に得られた光 輝顔料の色は、還元されたチタン種（低級チタン酸化物、例えばＴｉ₃Ｏ₅、Ｔｉ₂ Ｏ₃ないしＴｉＯ、）の吸収色によって予め与えられる。従って、上記顔料も、 幾何学的ＴｉＯ２−膜厚約１２０〜１３０ｎｍを有する、青く反射する支持体小 板の還元によって得られる光輝顔料も、濃い青色に着色されている。 それぞれの場合の干渉色が強められている、色の違う有彩色の光輝顔料は、約 ４０〜１６０ｎｍ、特に６０〜１４０ｎｍの厚さのＴｉＯ₂−被覆で被覆された ＳｉＯ₂−小板の不完全な還元によって得られる。 この部分的に還元されかかった(anreduzierten)ＴｉＯ₂−被覆中には、上記の 還元された化学種の他に変化されていない二酸化チタンが存在する。還元された チタン化合物の含量は、それぞれなお含有されているＴｉＯ₂に対して、特に０ ．１〜５０重量％、殊に０．１〜１０重量％である。 還元の程度が増大するとともに、この支持体材料の場合も同様に光輝顔料のマ ストーンカラーは、チタンの還元生成物の吸収色に向ってシフトする。 ＴｉＯ₂−被覆された支持体小板の還元は、有利に還元作用を有するガスの 存在下に該小板を加熱することによって行われる。 この場合には還元ガスとしてアンモニアガス、水素及び液体炭化水素ならびに アンモニアガスと水素もしくは液体炭化水素との混合物は、好適であり、これら ガスは、有利に不活性ガス、例えば窒素との混合物の形で使用される（先行して 公開されたものではないドイツ国特許出願公開第号明細書ならびに同１９５１１ ６９７号明細書及び、該ドイツ国特許出願公開明細書他に引用された欧州特許出 願公開第３２２０７１号明細書参照）。 有利な還元ガスは、アンモニアガス及び、アンモニアガスと液体炭化水素との 混合物であり、このガスは、有利に窒素で希釈される。アンモニアガスが単独で 使用される場合にはガス全体の窒素含量は、９０体積％までが推奨され、かつガ ス混合物の使用の場合には１０〜６０体積％が推奨される。 ガス混合物には、とりわけ、飽和Ｃ₁〜Ｃ₈−、特にＣ₁〜Ｃ₄−炭化水素、殊に メタン、エタン及びプロパンは、適当である。この場合にはアンモニア：炭化水 素（Ｃ₁〜Ｃ₃−アルカン）の体積比４：１〜１：４、特に３：２〜２：３、は有 利である。 アンモニア／炭化水素−ガス混合物の還元によって、そのＴｉＯ₂−被覆が付 加的に炭化水素を含有しておりかつ、特に還元が温度＜８００℃で行われた場合 に優れた耐久性（耐湿性、耐候性ひいては耐光性）を示す還元された光輝顔料が 得られる。 炭素含量が増大するとともに、ますます暗色の、最終的には黒色の光輝顔料が 形成される。従って有色の光輝顔料の製造のためには、それぞれ顔料の重量に対 して約０．２〜１０重量％、有利に０．２〜５重量％の低い炭素含量が好適であ る。この炭素含量は、還元条件の制御によって、例えば還元ガスの全体積の炭化 水素ガスの含有率５０体積％未満によって、低級アルカンの使用によって、短い 反応時間（約１〜２時間）によって、及び高められた還元温度（約７５０〜９０ ０℃）によって、目的に合わせて調節することができる。 通常、還元温度は、５００〜１０００℃)特に６００〜９００℃)殊に７００〜 ８５０℃である。 還元は、本発明によれば、連続的に、例えば、雲母顔料が供給されかつ不活性 ガスとの混合物の形の還元ガスが導入される加熱された、不活性化された回転管 型炉中で実施することもできるし、不連続的に、例えば、加熱された、不活性化 されたガス供給−及び排出管又は上記の流動床反応器が備えられた回転ドラム中 で実施することもでき、この際、有利に雲母顔料が還元ガスで全側面で洗われる ことが配慮され、このことは、回転管型炉又は回転ドラム中で、有利にトリップ ストリップ(Stolperleisten)によって可能となる。 通常１〜１０時間、特に２〜７時間かかる還元の終了後に光輝顔料は、有利に 不活性ガス雰囲気下に冷却される。必要に応じて、例えばビーターナイフが装備 されたミキサー中での、解凝集工程が後続されてもよい。 本発明による光輝顔料は、有利な使用特性（殊にアンモニア／炭化水素−混合 物で還元された顔料の高い耐久性）及び特に良好な良好な色特性（類似して被覆 された雲母顔料に比して顕著に強化された干渉色）を示す。 本発明による光輝顔料は、多くの目的に、例えばプ ラスチック、ガラス、セラミック製品及び装飾的化粧品調製物及び特に塗料、殊 に自動車塗料、インキ及び印刷インキ、殊にセキュリティー用印刷インキの着色 に好適である。印刷での使用の場合には、工業的に常用される全ての印刷方法、 例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、金粉印刷、フレキソ印刷及びオフセット 印刷、が適当である。 上記の使用目的に対して本発明による顔料は、有利に、透明の及び不透明の白 色−、有色−及び黒色顔料ならびに金属酸化物被覆された雲母−及び金属顔料ベ ースの常用の透明の、有色の、及び黒色の光輝顔料、小板状の酸化鉄、グラファ イト、硫化モリブデン及び小板状の有機顔料との混合物の形で使用することもで きる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０８Ｌ 101/00 Ｃ０８Ｌ 101/00 Ｃ０９Ｃ 3/06 Ｃ０９Ｃ 3/06 Ｃ０９Ｄ 7/12 Ｃ０９Ｄ 7/12 Ｚ 11/00 11/00

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 本質的に二酸化チタンからなる被覆で二酸化ケイ素小板を被覆し、かつ引 き続き、被覆された小板を還元雰囲気中で加熱することにより得られる、被覆さ れた二酸化ケイ素小板を基礎とする光輝顔料。 ２． 二酸化チタン被膜を水蒸気の存在下での揮発性チタン化合物の気相分解に よってか又は湿式化学的にチタン化合物の加水分解によって二酸化ケイ素小板上 に施与する、請求項１記載の光輝顔料。 ３． 二酸化チタンで被覆された二酸化ケイ素小板をアンモニアガス、水素、揮 発性炭化水素、アンモニアガスと水素の混合物又はアンモニアガスと揮発性炭化 水素の混合物の存在下に加熱する、請求項１又は２記載の光輝顔料。 ４． 二酸化チタンで被覆された二酸化ケイ素小板を５００〜１０００℃に加熱 する、請求項１から３までのいずれか１項に記載の光輝顔料。 ５． 請求項１記載の処理工程による、光輝顔料の製造方法。 ６．塗料、印刷インキ、インキ、プラスチック、ガラス、セラミック製品及び装 飾的化粧品調製物の着色のための、請求項１から４までのいずれか１項に記載の 光輝顔料の使用。