【発明の詳細な説明】
1−アルキル−4−(2−クロロ−3−アルコキシ−4−アルキルスルホニルベ
ンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾール及び関連化合物の製造法
本発明は除草性の1−アルキル−4−(2−クロロ−3−アルコキシ−4−ア
ルキルスルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾール化合物及びこれらの
除草性化合物の製造における有用な中間体であるある種の1−ハロ−2−クロロ
−3−アルコキシ−4−アルキルスルホニルベンゼン化合物の製造法に関する。
複数の1−アルキル−4−(2−クロロ−3−アルコキシ−4−アルキルスル
ホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾール化合物が米国特許RE−34,
779において開示され、優れた除草性を有することが報告された。これらの化
合物は1−アルキル−5−ヒドロキシ−ピラゾール化合物と2−クロロ−3−ア
ルコキシ−4−アルキルスルホニル安息香酸化合物の反応により製造された。出
発材料として用いられる2−クロロ−3−アルコキシ−4−アルキルスルホニル
安息香酸化合物の製造は、2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−アルキルスルホニ
ル安息香酸化合物のアルキル化により行われた。この方法のために必要な2−ク
ロロ−3−ヒドロキシ−4−アルキルスルホニル安息香酸化合物は、2,3−ジ
クロロ−4−アルキルスルホニル安息香酸化合物の加水分解により得ることがで
きる。この反応及びアルキル化法は米国特許第4,898,973号に開示され
た。この経路による1−アルキル−4−(2−
クロロ−3−アルコキシ−4−アルキルスルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキ
シピラゾール化合物の製造は多くの反応段階を必要とし、大量の利用できない副
生成物及び廃棄物を生む。もっと直接的で経済的な製造法が非常に望ましい。
今回、1−アルキル−4−(2,3−ジクロロ−4−アルキルスルホニルベン
ゾイル)−5−ヒドロキシピラゾール化合物とアルカリ金属アルコキシド化合物
の反応により1−アルキル−4−(2−クロロ−3−アルコキシ−4−アルキル
スルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾール化合物を製造することがで
きることが見いだされた。反応は驚くほど選択的に及び驚くほど高収率で起こる
。同除草性化合物の製造における中間体として用いることができるある種の1−
ハロ−2−クロロ−3−アルコキシ−4−アルキルスルホニルベンゼン化合物を
同様の方法で1−ハロ−2,3−ジクロロ−4−アルキルスルホニルベンゼン化
合物から、同様の驚くべき選択的方法及び驚くべき高収率で製造できることも見
いだされた。
本発明の主たる方法は式I:
[式中、
XはCl、Br、CO2H又は式II:
の1−アルキル−5−ヒドロキシ−ピラゾール−4−カルボニル部分を示し、
Rは場合によりC1−C4アルコキシもしくはC1−C4アルキルチオ基で又は1
個の酸素もしくは硫黄原子と2〜5個の炭素原子から成る3〜6員脂環式部分で
置換されていることができるC1−C4アルキル基を示すか、あるいは1個の酸素
もしくは硫黄原子及び2〜5個の炭素原子から成る3〜6員脂環式部分を示し;
R”はH又はC1−C4アルキルを示し;
R’及びR'”はそれぞれ独立してC1−C4アルキルを示す]
の3−アルコキシベンゼン化合物の製造を包含し、その方法は液体媒体中で、場
合により相間移動触媒の存在下に、20℃〜110℃の温度で式III:
[式中、X及びR'”は上記で定義した通りである]
の3−クロロベンゼン化合物を式IV:
RO-M+
[式中、
Rは上記で定義した通りであり、
M+はリチウム、ナトリウム又はカリウムカチオンを示す]
のアルカリ金属アルコキシド化合物と結合させることを含む。
多くの場合に好ましくはXが式IIの1−アルキル−5−ヒドロキシピラゾー
ル−4−カルボニル部分を示す式Iの化合物が3−クロロベンゼン化合物出発材
料として用いられる。2−メトキシエタノールのナトリウム及びカリウム塩は多
くの場合に好ましい式IVのアルカリ金属アルコキシド化合物である。該方法は
化合物4−(2−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチルスルホニ
ルベンゾィル)−1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール又はそれに簡単に変換
可能な中間体の製造のために最もしばしば用いられる。
除草剤の製造において価値のある中間体であるXがクロロ又はブロモを示す式
I及びIIIの化合物は、本発明の他の実施態様である。
本発明はさらに、Xがクロロを示す式I及びIIIの化合物をXがヒドロキシ
カルボニル、アルコキシカルボニル又は式IIの1−アルキル−5−ヒドロキシ
ピラゾール−4−カルボニル部分を示す式I及びIIIの化合物に変換するため
の方法を包含し、その方法はパラジウムII塩:トリヒドロカルビルホスフィン
錯体触媒、例えば酢酸パラジウムと1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ブ
タンの間の錯体の存在下における一酸化炭素とのそれらの反応を含む。
本発明の主たる方法は、式III:
[式中、Xはクロロ、ブロモ、CO2H又は式II:の1−アルキル−5−ヒドロキシピラゾール−4−カルボニル部分を示す]
の2,3−ジクロロ−4−アルキルスルホニルベンゼン化合物の3−位における
クロロ置換基をアルコキシドイオン試薬を用いる選択的求核的置換によりアルコ
キシ置換基に変換する方法として特徴付けることができる。3−位のクロロ置換
基(アルキルスルホニル置換基に対してオルト位のクロロ置換基)は2−位のク
ロロ置換基(アルキルスルホニル置換基に対してメタ位のクロロ置換基)及び存
在する場合は1−位のクロロもしくはブロモ置換基(アルキルスルホニル置換基
に対してパラ位のクロロもしくはブロモ置換基)より優先的に反応する。得られ
る生成物は式IA:
の除草性1−アルキル−4−(2−クロロ−3−アルコキシ−4−アルキルスル
ホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾール化合物又は式IB:
の化合物であり、式中、Xはクロロ、ブロモ又はCO2Hを示し、R、R'、R”
及びR'”は式Iの化合物に関して上記で定義した通りである。式IBの化合物
は中でも式IAの除草性化合物の製造における中間体として有用である。
本発明の方法は一般に式III:[式中、R'”及びXは式Iの化合物に関して定義した通りである]
の3−クロロベンゼン化合物を式IV:
RO-M+
[式中R及びM+は前記で定義した通りである]
のアルカリ金属アルコキシド化合物と適した反応条件下で結合させることにより
行われる。
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は直鎖状、分枝鎖状及び環状ア
ルキル部分を含む。本発明の脂環式部分置換基(R)は炭素原子を介して結合し
、置換環状アルキル基とみなされる。
式I、IA、IB及びIVにおけるRは、場合によりC1−C4アルコキシもし
くはC1−C4アルキルチオ基で又は1個の酸素もしくは硫黄原子及び2〜5個の
炭素原子から成る3〜6員脂環式部分で置換されていることができるC1−C4ア
ルキル基などのアルキル基を示すか、あるい
は1個の酸素もしくは硫黄原子及び2〜5個の炭素原子から成る3〜6員脂環式
部分を示す。適したR基である基にはメチル、エチル、1−メチルエチル、ブチ
ル、シクロ−プロピル、2−メトキシエチル、3−エトキシプロピル、2−メチ
ルチオ−1,1−ジメチルエチル、3−(オキサシクロペンチル)メチル、4−
オキサシクロヘキシルなどが含まれる。C1−C4アルキル基及び2−(C1−C4
アルコキシ)エチル基が多くの場合に好ましい。2−メトキシエトキシは一般に
特に好ましい基である。
式I、IA、II及びIIIにおけるR’はC1−C4アルキル基を含むアルキ
ル基を示す。そのような基にはメチル、エチル、1−メチルエチル、1,1−ジ
メチルエチル及びシクロ−プロピルが含まれる。メチル及びエチルが一般に好ま
しい。
式I、IA、II及びIIIにおけるR”は水素又はC1−C4アルキル基を含
むアルキル基を示す。そのようなアルキル基にはメチル、エチル、1−メチルエ
チル、1,1−ジメチルエチル及びシクロ−プロピルが含まれる。水素が一般に
好ましい。
式I、IA、IB及びIIIにおけるR’”はC1−C4アルキル基を含むアル
キル基を示す。そのようなアルキル基にはメチル、エチル、プロピル、1−メチ
ルエチル、1,1−ジメチルエチル及びシクロ−プロピルが含まれる。メチルが
一般に好ましい。
式I及びIIIにおけるXは、クロロもしくはブロモを含むハロゲン、ヒドロ
キシカルボニル又はR’及びR”が式Iの化合物に関して定義した通りである式
IIの部分を含むピラゾール部分を示す。式IIの部分が一般に好ましい。一般
にR’がメチル又はエチルを示し、R”が水素
を示す式IIの部分がより好ましい。
式IIIにおけるXがクロロもしくはブロモを示す場合、式IBの化合物を得
るための3−位のクロロ置換基のアルコキシドイオンとの選択的反応は、2−位
のクロロ置換基がメチル、エチル、ブロモ、メトキシ又はエトキシ置換基により
置換されている場合も起こる。これは本発明のさらなる実施態様である。
式IVにおけるM+はリチウム、ナトリウム及びカリウムを含むアルカリ金属
カチオンを示す。ナトリウム及びカリウムカチオンが一般に好ましい。いくつか
の状況ではM+がマグネシウム又はカルシウムカチオンを示す式IVの化合物を
用いることもできる。
相間移動触媒は一般に反応を加速させ、多くの場合に有利に用いられる。適し
た相間移動触媒には、クラウムエーテル類、例えば18−クラウン−6、12−
クラウン−4及びベンゾ−15−クラウン−5;テトラアルキルアンモニウム塩
、例えばテトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウム
クロリド及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド;ならびにテトラアリー
ルホスホニウム塩、例えばテトラフェニルホスホニウムブロミドが含まれる。い
くかの場合には18−クラウン−6 クラウンエーテルが好ましい。典型的に5
〜20モルパーセントの触媒が用いられる。
本発明の化学反応は、式IVのアルカリ金属アルコキシド化合物を式IIIの
3−クロロベンゼン化合物と適した反応条件下で接触させることにより行われる
ことができる。適した反応条件は20℃〜110℃、好ましくは40℃〜90℃
の温度を含む。反応を比較的低い温度で開始し、反応の進行と共に温度を上げる
のが有利なことがある。もっと高い
温度では所望の選択性が失われ、もっと低い温度では反応が遅すぎる。反応は典
型的に大気圧において行われるが、圧力はほとんど影響を有していない。良い混
合を保証するために、反応混合物は典型的に撹拌される。反応は通常0.5〜2
4時間内で完了する。
液体反応媒体を生むために溶媒又は溶媒の混合物が一般に用いられる。有用で
あることが見いだされた溶媒は、用いられるアルカリ金属アルコキシド化合物が
その中で少なくともいくらかの可溶性を有し、用いられる反応条件下で出発材料
又は生成物と認識され得るほど反応性でないものである。そのような溶媒には例
えば、それから式IVのアルカリ金属アルコキシド試薬が誘導されるアルコール
(R−OH)(エタノール、2−メトキシ−エタノール、2−エチルチオ−1−
メチルエタノールなど)、t−ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、1,2−ジメトキシエタン及びテトラエチレングリコールジメチルエーテ
ルが含まれる。双極性非プロトン性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリジノン
及びN,N−ジメチルホルムアミドも用いることができるが、副生成物の生成の
ために結果は通常あまり良くない。反応混合物は典型的に、それからアルカリ金
属アルコキシド試薬が製造されたアルコールの少なくともいくらかを含有し、唯
一の溶媒としての該アルコールの使用が多くの場合に好ましい。
多くの場合に乾燥試薬が用いられ、系から水分を排除するための手段が多くの
場合にとられる。媒体中の水が1.5パーセント未満に保たれると通常有利な結
果が得られ、それが500ppm未満に保たれると通常もっと顕著である。これ
は本発明の好ましい実施態様であるが、必要条件ではない。
製造される式Iの化合物は通常の方法により回収することができるかあるいは
反応媒体から回収せずに用いられることができる。用いられる溶媒が水溶性の場
合、塩酸などの酸を用いて混合物を酸性化し、式(I)の化合物を媒体中に不溶
性とするのに十分な水を加え、生成する沈澱を濾過又は遠心により集めるのが多
くの場合に便利である。別の場合か又は水中における溶解度が限られた溶媒が用
いられる場合、酸性化の後に蒸留により溶媒を少なくとも部分的に除去し、水を
加えて生成物を沈澱させ、水を用いて生成物を抽出して存在する塩及び残留溶媒
を除去することができる。
本発明の方法で用いられる式IVのアルカリ金属アルコキシド化合物はいずれ
かの通常の方法において得ることができる。ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド及びカリウムt−ブトキシドは購入することができる。これらの試薬
は例えばナトリムメトキシドを所望のアルカリ金属アルコキシド化合物の対応す
るアルコールに加え、メタノールを蒸留することによるか、カリウムt−ブトキ
シドを該アルコールに加え、t−ブチルアルコールを溶媒の一部として用いるこ
とによるか、リチウム、ナトリウムもしくはカリウム金属を該アルコールに加え
ることによるか、水素化リチウム、ナトリウムもしくはカリウムを該アルコール
に加えることによるかあるいはアルカリ金属水酸化物を該アルコールに加えるこ
とにより製造することができる。固体水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムある
いは濃水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム水溶液を適した溶媒中の過剰の
対応するアルコールに加え、次いで存在する水の少なくとも一部を蒸留により除
去することによる式IVのアルカリ金属アルコキシド試薬の製造は本発明の好ま
しい実施態様である。一般に
過剰のアルカリ金属アルコキシド試薬が用いられる。式IIIの3−クロロベン
ゼン化合物の1モル当たり、Xがクロロもしくはブロモを示す場合はちょうど1
モル過剰そしてXがヒドロキシカルボニル又は式IIの1−アルキル−5−ヒド
ロキシ−ピラゾール−4−カルボニル部分を示す場合はちょうど2モル過剰から
約10モルという式IVのアルカリ金属アルコキシド試薬の量が典型的である。
Xが式IIの1−アルキル−5−ヒドロキシピラゾール−4−カルボニル部分
を示す式IIIの3−クロロベンゼン化合物及びその製造法は、例えば、米国特
許第4,744,815号及び1988年5月26日公開の日本特許出願公開昭
63−122673号公報に記載されている。
Xがヒドロキシカルボニル(CO2H)を示す式IIIの3−クロロベンゼン
化合物及びその製造は、例えば、米国特許第4,898,973号に記載されて
いる。これらの安息香酸化合物は多方面的な中間体である。
Xがクロロもしくはブロモを示す式IIIの3−クロロベンゼン化合物は当該
技術分野において報告されていない。Xがクロロを示す化合物、1,2,3−ト
リクロロ−4−アルキルスルホニルベンゼン化合物は、1,2,3−トリクロロ
ベンゼンのアルカンスルホン化により製造されることができる。アルカンスルホ
ン化は、一般に、最初にアルカンスルホン酸及びチオニルクロリドから適したア
ルカンスルホン酸無水物を製造し、次いでこれを三フッ化メタンスルホン酸の存
在下に、140℃〜200℃の温度で1,2,3−トリクロロベンゼンと接触さ
せることにより行われる。所望の生成物は通常の手段により回収されることがで
き、得られる異性副生成物はエタノールからの再結晶により除去されること
ができる。Xがブロモを示す化合物、1−ブロモ−2,3−ジクロロ−4−アル
キルスルホニルベンゼン化合物は、2,3−ジクロロアルキルチオベンゼン化合
物の臭素化及び酸化により製造することができる。臭素化は一般に氷酢酸などの
溶媒中で周囲温度において撹拌して行われる。触媒として鉄及びヨウ素を用いる
ことができる。酸化は一般に氷酢酸などの溶媒中で過酸化水素を用いて行われる
。試薬を合わせ、撹拌しながら50℃〜90℃に加熱する。所望の生成物は通常
の手段により回収することができる。関連化合物のための当該技術分野において
既知の方法に対応する方法を用いるこれらの化合物の製造の他の方法も用いるこ
とができる。
式IVのアルカリ金属アルコキシド化合物に対応するアルコールは当該技術分
野において周知である。
2−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−アルキル−スルホニル安息
香酸を含む式IB(式中、Xはヒドロキシカルボニルを示す)の2−クロロ−3
−アルコキシ−4−アルキルスルホニル安息香酸化合物及び2−(2−クロロ−
3−アルコキシ−4−アルキルスルホニルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサ
ンジオン除草剤の製造におけるその利用は米国特許第4,898,973号に開
示されている。
Xがヒドロキシカルボニルを示す式IBの安息香酸化合物は、いくつかのこれ
らの化合物及び関連化合物に関する当該技術分野において記載されている方法に
より式IAの化合物に転換することができる。例えばチオニルクロリドを用いて
安息香酸化合物をその酸クロリドに転換し、得られる安息香酸クロリド化合物を
トリエチルアミンの存在下で1−アルキル−5−ヒドロキシ−ピラゾール化合物
と縮合させ、得られるエス
テルをアセトンシアノヒドリンを加えることにより異性化させることができる。
別の場合、安息香酸化合物をジシクロヘキシルカルボジイミド及びトリエチルア
ミンの存在下で1−アルキル−5−ヒドロキシピラゾール化合物と縮合させ、得
られるエステルをアセトンシアノヒドリンを加えることにより異性化させること
ができる。適した方法は例えば米国特許第4,744,815、4,885,0
22号及びRE−34,779に記載されている。
Xがブロモを示す式IB及びIIIの化合物は、本明細書及び当該技術分野に
おいて記載されている方法により、式IAの除草性化合物に転換することができ
る。そのような化合物は加圧下で、トリエチルアミンなどの第3級アミン塩基、
炭酸カリウム、ジクロロ(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム触媒及びジ
オキサンなどの溶媒の存在下に1−アルキル−5−ヒドロキシプラゾール及び一
酸化炭素と反応し、それぞれ式IA及びIII(式中、Xは式IIの1−アルキ
ル−5−ヒドロキシピラゾール−4−カルボニル部分を示す)の化合物を与える
ことが既知である。該方法は例えば米国特許RE−34,408に開示されてい
る。別の場合、Xがブロモを示す式IB及びIIIの化合物を、第3級アミン塩
基、炭酸カリウム、ジクロロ(ビストリフェニルホスフィノ)−パラジウム触媒
、有機溶媒及び水の存在下で一酸化炭素を用いて処理することにより2−クロロ
−3−置換−4−アルキルスルホニル安息香酸化合物中間体(Xがヒドロキシカ
ルボニルを示す式IB及びIII)に転換することができる。該方法を水の代わ
りにアルコールの存在下で行って対応するエステルを得、それを容易に所望の酸
に加水分解することができる。該方法は1−アルキル−5−ヒドロキシピラゾー
ル化合物
が省略され、水又はアルコールが加えられることを除いて上記で示された方法と
本質的に同じである。
カルボニル化法はブロモ及びヨードベンゼン化合物の場合に十分に働くことが
知られているが、クロロベンゼン化合物の場合は一般にそうではない。今回、ク
ロロ化合物を式VII:
の1−アルキル−5−ヒドロキシピラゾール化合物及び一酸化炭素と、3,00
0〜50,000キロパルカルの圧力下で、無水条件下に、100℃〜120℃
の温度で、非−プロトン性溶媒、塩基、パラジウムIIハロゲン化物もしくはC1
−C8アルカノエート及び1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンから選ばれるビス(ジフェニルホ
スフィノ)アルカンケラントあるいはそれらから製造される予備生成パラジウム
IIハロゲン化物もしくはC1−C8アルカノエート塩:ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)アルカン錯体を含む触媒量の触媒ならびに場合により酸素掃去剤及び場合
により相間移動触媒の存在下で接触させ、続いて得られる反応混合物を酸性化す
ることを含む方法により、式V:
[式中、
ZはCl又はORを示し、Rは場合によりC1−C4アルコキシもしくはC1−
C4アルキルチオ基で又は1個の酸素もしくは硫黄原子及び2〜5個の炭素原子
から成る3〜6員脂環式部分で置換されていることができるC1−C4アルキル基
を示すか、あるいは1個の酸素もしくは硫黄原子及び2〜5個の炭素原子から成
る3〜6員脂環式部分を示し;
R'”はC1−C4アルキルを示す]
により示すことができるXがクロロを示す式IB及びIIIの化合物を式VI:
[式中、
R'”及びZは式Vの化合物の場合に定義した通りであり;
R’はC1−C4アルキルを示し;
R”はH又はC1−C4アルキルを示す]
により示すことができるXが式IIのピラゾールカルボニル部分を示す式IA及
びIIIの化合物に転換することができることが見いだされた。
該方法は好ましくはZがクロロ又は2-メトキシエトキシを示し、R’がメチ
ル又はエチルを示し、R”が水素を示し、R'”がメチルを示す化合物の製造に
適用される。
該方法の化学量論は、クロロ化合物の1モル当たり1モルの一酸化炭素及び1
モルの1−アルキル−5−ヒドロキシプラゾール化合物を必要
とする。しかし反応の速度を増すために、両方とも過剰の一酸化炭素及び1−ア
ルキル−5−ヒドロキシピラゾール化合物を用いるのが一般に有利である。クロ
ロ化合物の1モル当たり最高で3モルの1−アルキル−5−ヒドロキシピラゾー
ル化合物が一般に用いられ、経費が考慮される場合は1.1〜2モルが多くの場
合に最適である。該方法において得られる反応混合物を単に濾過し、追加のクロ
ロ化合物を加え、一酸化炭素を用いて再加圧することにより過剰の1−アルキル
−5−ヒドロキシピラゾール化合物を生成物に転換することができる。
該方法は少なくともいくらかの気圧を必要とするので、方法はオートクレーブ
又は圧力容器で行われ、該圧力は主に一酸化炭素試薬により供給される。3,0
00〜50,000キロパスカルの一酸化炭素圧力が適しており、5,000〜
15,000キロパスカルの一酸化炭素圧力が典型的に好ましい。該方法に必要
な温度は重要であり、非常に狭い範囲内にあり;100℃未満では反応が遅すぎ
、120℃より高温では選択性が低い。
適した溶媒にはジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン
及びアセトニトリルが含まれる。クロロ化合物の初期濃度を約10パーセント未
満に保つのに十分な溶媒を用いるのが一般に有利である。適した塩基にはトリア
ルキルアミン、例えばトリエチルアミン及びトリブチルアミン、酢酸ナトリウム
もしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム及びカリウムt−ブトキシ
ドが含まれる。酢酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリ
ウム及びトリエチルアミンが多くの場合に好ましい。クロロ化合物の1モル当た
り典型的に2〜3モルの塩基が用いられる。
別々に又はトリヒドロカルビルホスフィンケラントとの錯体として用いられる
パラジウムII塩はいずれのハロゲン化物又はC1−C8アルカノエートであるこ
ともできる。塩化物又は酢酸塩が一般に好ましい。パラジウムII塩は、一般に
、存在するクロロ化合物の2〜10モルパーセントの量で用いられる。1,3−
ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン又は1,4−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンであるトリヒドロカルビルホスフィンケラントは典型的に、用いら
れるパラジウムII塩と等モル量からその約2倍モル量で用いられる。該方法に
必要なパラジウム触媒を得る他の方法は当該技術分野において既知であり、本明
細書に記載の製造法に対する同等代替法として用いることができる。
反応から酸素を排除することは重要であり、これは一般に反応容器を一酸化炭
素を用いてパージし、加圧することにより容易に行われる。酸素掃去化合物、す
なわち酸素と容易に反応する化合物、例えばヒドロキノンを反応混合物に加える
ことにより、少なくとも微量の酸素を処理することができる。最高で2パーセン
トの量の酸素掃去剤が典型的に用いられる。相間移動触媒は一般に反応を加速さ
せ、多くの場合に有利に用いられる。適した相間移動触媒には、クラウンエーテ
ル、例えば18−クラウン−6、12−クラウン−4及びベンゾ−15−クラウ
ン−5;テトラアルキルアンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウムブロ
ミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド及びベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロリド;ならびにテトラアリールホスホニウム塩、例えばテトラフェニ
ルホスホニウムブロミドが含まれる。テトラブチルアンモニウムブロミドが好ま
しいことがある。3〜15モルパーセントの触媒(クロロ化合物に基づいて)が
典型的に用いられる。
式VIの生成物化合物のピラゾール環上のヒドロキシ置換基は酸性であり、該
方法の主反応の完了時にはその塩の形態にある。所望の酸の形態はいずれかの標
準的方法で、例えば塩酸又は硫酸を例とする無機酸の添加により主反応で製造さ
れる反応混合物を酸性化することにより得ることができる。得られる式VIの化
合物の塩のすべてをその酸の形態に転換するのに十分な酸が一般に加えられる。
さらに、クロロ化合物を一酸化炭素と、3,000〜50,000キロパルカ
ルの圧力下で、100℃〜150℃の温度において、水又は低級アルキルアルコ
ール、塩基、触媒量のパラジウムIIハロゲン化物もしくはC1−C8アルカノエ
ート、トリフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び1,4−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタンから選ばれるトリヒドロカルビルホスフィンケラントあるいはそれ
らから製造される予備生成パラジウムIIハロゲン化物もしくはC1−C8アルカ
ノエート塩:トリヒドロカルビルホスフィン錯体ならびに場合により相間移動触
媒の存在下で接触させ、R"”が水素を示す場合は続いて得られる反応混合物を
酸性化することを含む方法により、式V:
[式中、
ZはCl又はORを示し、Rは場合によりC1−C4アルコキシもしくはC1−
C4アルキルチオ基で又は1個の酸素もしくは硫黄原子及び2〜5個の炭素原子
から成る3〜6員脂環式部分で置換されていることがで
きるC1−C4アルキル基を示すか、あるいは1個の酸素もしくは硫黄原子及び2
〜5個の炭素原子から成る3〜6員脂環式部分を示し;
R'”はC1−C4アルキルを示す]
のクロロ化合物を式VIII:
[式中、
R””はH又は低級アルキルを示し;
R'”及びZは式Vの化合物の場合に定義した通りである]
により示すことができるXがヒドロキシカルボニル又はアルコキシカルボニルを
示す式IB及びIIIの化合物に転換することができることが見いだされた。
該方法は多くの場合、好ましくはZがクロロ又は2−メトキシエトキシを示し
、R'”がメチルを示し、R"”が水素を示す化合物の製造に適用される。
該方法の化学量論は、クロロ化合物の1モル当たり1モルの一酸化炭素を必要
とする。しかし反応の速度を増すために、過剰の一酸化炭素を用いるのが一般に
有利である。
該方法は少なくともいくらかの気圧を必要とするので、方法はオートクレーブ
又は圧力容器で行われ、該圧力は主に一酸化炭素試薬により供給される。3,0
00〜50,000キロパスカルの一酸化炭素圧力が適しており、5,000〜
15,000キロパスカルの一酸化炭素圧力が典型的に好ましい。該方法が行わ
れる温度は重要であり;100℃未
満では反応が遅すぎ、150℃より高温では選択性が低い。
適した溶媒にはジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン
、アセトニトリル及びt−ブチルアルコールが含まれる。所望の生成物がR"”
が水素を示す式VIIIの化合物である場合、これらの溶媒は典型的に水と一緒
に用いられる。R"”が低級アルキル基を示す式VIIIの化合物が望まれてい
る場合、該方法に含まれる低級アルコール(R"”OH)を溶媒として、単独で
又は上記で名前を挙げた溶媒の1つと一緒に用いるのが一般に好ましい。前記の
低級アルキル中には炭素数が1〜6のアルキル基がある。適した塩基は一般に求
核性の低い塩基であり、トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン及びトリ
ブチルアミン、酢酸ナトリウムもしくはカリウム及び炭酸ナトリウムもしくはカ
リウムが含まれる。クロロ化合物の1モル当たり典型的に2〜3モルの塩基が用
いられる。
別々に又はトリヒドロカルビルホスフィンケラントとの錯体として加えられる
パラジウムII塩はいずれのハロゲン化物又はC1−C8アルカノエートであるこ
ともできる。塩化物又は酢酸塩が一般に好ましい。パラジウムII塩は一般に、
存在するクロロ化合物の2〜10モルパーセントの量で用いられる。1,3−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)プロパン又は1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ
)ブタンがトリヒドロカルビルホスフィンケラントとして用いられる場合、ケラ
ントはパラジウムII塩と等モル量からその約2倍モル量で用いられる。1個の
みのリン原子を有するトリヒドロカルビルホスフィンケラントが用いられる場合
、2倍の量が必要である。該方法に必要なパラジウム触媒を得る他の方法は当該
技術分野において既知であり、本明細書に記載の製造法に対する
同等代替法として用いることができる。
酸素は一般に反応器から排除され、反応容器を一酸化炭素を用いてパージし、
加圧することにより除去される。相間移動触媒は一般に反応を加速させ、有利に
用いられることがある。適した相間移動触媒には、クラウンエーテル、例えば1
8−クラウン−6、12−クラウン−4及びベンゾ−15−クラウン−5;テト
ラアルキルアンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウムブロミド、メチル
トリオクチルアンモニウムクロリド及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリ
ド;ならびにテトラアリールホスホニウム塩、例えばテトラフェニルホスホニウ
ムブロミドが含まれる。テトラブチルアンモニウムブロミドが好ましいことがあ
る。3〜15モルパーセントの触媒(クロロ化合物に基づいて)が典型的に用い
られる。
得られる反応混合物はいずれかの標準的方法で、例えば塩酸又は硫酸を例とす
る無機酸を加えることにより中和することができる。製造される式VIIIの置
換安息香酸の塩のすべてを所望の置換安息香酸に転換するのに十分な酸が典型的
に加えられる。
本発明を例示するために示す以下の実施例は、請求の範囲への制限とみなされ
るべきではない。
実施例
1.1−ブロモ−2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニル−ベンゼンの製造
2,3−ジクロロベンゼンチオールのメチル化により得られる2,3−ジクロ
ロメチルチオベンゼンの10g(グラム)、52mmol(ミリモル)の試料を
100mL(ミリリットル)の氷酢酸に溶解し、16.
4g(103ミリモル)の臭素を撹拌しながら20分かけて滴下した。得られる
混合物をさらに4時間撹拌し、その後過剰の臭素のほとんどを減圧下における蒸
留により除去し、オレンジ色が残らなくなるまでメタ−重亜硫酸ナトリウムを加
えることにより残りを除去した。次いで水を加え、生成する沈澱を濾過により回
収し、水で洗浄し、乾燥した。得られる13.3g(理論値の95パーセント)
の低融点の固体は1−ブロモ−2,3−ジクロロ−4−メチルチオベンゼンであ
った。構造をその1H NMRスペクトル(CDCl3):7.50(d,1H,
J=8.7Hz),6.90(d,1H,8.7Hz),2.48s,3H)に
より確認した。
得られる13.3g(48.9ミリモル)の1−ブロモ−2,3−ジクロロ−
4−メチルチオベンゼンを50mLの氷酢酸中に入れ、13.9g(120ミモ
ル)の30パーセント過酸化水素を撹拌しながら加えた。得られる溶液を80℃
で3時間加熱した。次いで水を加え、生成する沈澱を濾過により回収し、水で洗
浄し、乾燥して14.0g(理論値の94パーセント)の標題化合物を得た。こ
れの一部をエタノールから再結晶させて173.5〜175℃で融解する白色の
固体を得た。構造をその1H NMRスペクトル(CDCl3):7.95(d,
1H,J=8.4Hz),7.79(d,1H,8.4Hz),3.29(s,
3H)及びその13C NMRスペクトル(CDCl3):139.2,136.
5,132.4,132.2,130.4,129.0,42.7により確認し
た。
2.1,2,3−トリクロロ−4−メチルスルホニルベンゼンの製造
133g(1.38モル)のメタンスルホン酸及び67g(0.56
モル)のチオニルクロリドの混合物を撹拌しながら1時間、加熱還流させた。メ
タンスルホン酸無水物を生成する反応が進行すると共に温度を50℃から160
℃に上げた。得られる混合物を50℃未満に冷却し、次いで50.0g(0.2
8モル)の1,2,3−トリクロロベンゼン及び4.2g(0.028モル)の
トリフルオロメタンスルホン酸を加えた。この混合物を撹拌しながら140℃で
18時間及び160℃で2時間加熱し、反応させた。得られる混合物は冷却する
と固化した。それを600mLのジクロロメタン中に取り上げ、得られる溶液を
2x100mLの水、100mLの1M重炭酸ナトリウム水溶液及び100mL
の水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮し、
58.5gの標題化合物とその異性体の9:1混合物を得た。これをエタノール
から再結晶させて46g(理論値の63パーセント)の標題化合物を159〜1
60℃で融解する白色の固体として得た。構造をその1H NMRスペクトル(
CDCl3):8.02(d,1H,J=8.6Hz),7.60(d,1H,8
.7Hz),3.28(s,3H)及びその13C NMRスペクトル(CDCl3
):140.1,138.5,134.6,132.8,126.7,42.6
により確認した。
3.1−エチル−4−(2,3−ジクロロ−4−メチル−スルホニルベンゾイル )−5−ヒドロキシピラゾールの製造
10mLのトルエン中の1.3g(4.8ミリモル)の2,3−ジクロロ−4
−メチル−スルホニル安息香酸のスラリにチオニルクロリド(3.5g、6.7
ミリモル)を撹拌しながら加え、約45分を要して均一な溶液が得られるまで混
合物を加熱還流させた。混合物の揮発性成分を
減圧下における蒸発により除去し、残留酸クロリドを10mLのジクロロメタン
中に取り上げた。この溶液を6.2mLの1N水酸化ナトリウム水溶液中に溶解
された5.4g(4.8ミリモル)の1−エチル−5−ヒドロキシピラゾールの
溶液と合わせ、周囲温度で撹拌しながら5mLの水で希釈した。1時間後、1M
重炭酸ナトリウム水溶液を加えることによりpHを8に調整した。存在する相を
分離し、水相を3mLのジクロロメタンで抽出した。有機相及び抽出物を合わせ
、5mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸
発により濃縮した。残留物を15mLの無水ジオキサン中に取り上げ、730m
g(5.3ミリモル)の固体炭酸カリウムを加えた。混合物を撹拌しながら90
℃で2時間加熱し、次いでさらに100mgの炭酸カリウム及び2〜3滴のアセ
トンシアノヒドリンを加えた。加熱及び撹拌をさらに30分間続け、次いで混合
物を冷却し、15mLの水中に注いだ。相を分離し、水相を2x5mLのジクロ
ロメタンで抽出した。次いで水相を6N塩酸水溶液を用いて酸性化し、生成する
固体を2x5mLのジクロロメタンで抽出した。有機相及び抽出物のすべてを合
わせ、5mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下におけ
る蒸発により濃縮した。1.4g(理論値の80パーセント)の量の残留物をエ
タノール水溶液から再結晶させ、標題化合物を198〜200℃で融解する白色
の固体として得た。
4.1−ブロモ−2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニルベンゼンからの1− ブロモ−2−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチルスルホニルベ ンゼンの製造
A)水素化ナトリウム(87mg(ミリグラム)、3.6ミリモル)
を5mLの無水テトラヒドロフラン中でスラリ化させ、325mg(4.3ミリ
モル)の2−メトキシエタノールを撹拌しながら加えた。水素の発生が止んだら
1.1g(3.3ミリモル)の1−ブロモ−2,3−ジクロロ−4−メチルスル
ホニルベンゼンを撹拌しながら加え、25℃において2時間反応させた。ジクロ
ロメタンを加え、得られる混合物を水で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減
圧下で濃縮して1.0g(理論値の88パーセント)の標題化合物を低融点の固
体として得た。生成物をその1H NMRスペクトル(CDCl3):7.77(
d,1H,J=8.4Hz),7.61(d,1H,8.4Hz),4.41(
t,2H,J=4.2Hz),3.65(t,2H,J=4.2Hz),3.5
2(s,3H),3.29(s,3H)及びその13C NMRスペクトル(CD
Cl3):154.4,140.3,134.8,129.3,127.4,1
26.1,58.9,43.6により標題化合物であると同定した。生成物は少
量の副生成物、1−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジクロロ−4−メチル
スルホニルベンゼン及び1,3−ジ(2−メトキシエトキシ)−2−クロロ−4
−メチルスルホニルベンゼンも含有していた。少量の試料を50パーセントエタ
ノール/水からの再結晶により精製し、76.5〜77.5℃で融解する白色の
針状結晶を得た。
B)175gの1,1−ジメチルエタノール中の5.0g(66ミリモル)の
2−メトキシエタノールの溶液にナトリウム金属(1.51g、66ミリモル)
を撹拌しながら加え、水素の発生が止んだら混合物を50℃に加熱し、19.9
g(66ミリモル)の1−ブロモ−2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニルベ
ンゼンを撹拌しながら加えた。16時
間後、標題化合物を含有する混合物をさらなる合成に用いた。
5.1,2,3−トリクロロ−4−メチルスルホニルベンゼンからの1,2−ジ クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチルスルホニルベンゼンの製造
A)水素化ナトリウム(26mg、1.1ミリモル)を4mLの無水テトラヒ
ドロフラン中でスラリ化させ、99mg(1.3ミリモル)の2−メトキシエタ
ノールを撹拌しながら加えた。水素の発生が止んだら250mg(1.0ミリモ
ル)の1,2,3−トリクロロ−4−メチルスルホニルベンゼンを撹拌しながら
加え、25℃において3.5時間反応させた。ジクロロメタンを加え、得られる
混合物を水で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して300mg
(理論値の100パーセント)の標題化合物を低融点の固体として得た。生成物
をその1H NMRスペクトル(CDCl3):7.83(d,1H,J=8.4
Hz),7.43(d,1H,8.4Hz),4.40(t,2H,J=4.5
Hz),3.84(t,2H,4.2Hz),3.47(s,3H),3.28
(s,3H)及びその13C NMRスペクトル(CDCl3):154.4,1
40.3,134.8,129.3,127.4,126.1,58.9,43
.6により標題化合物であると同定した。
B)246g(3.2モル)の2−メトキシエタノールを14.7g(0.6
4モル)のナトリウム金属にゆっくり加えることにより2−メトキシエタノール
中のナトリウム2−メトキシエトキシドの溶液を調製し、次いで混合物を60℃
で撹拌しながらすべてのナトリウムが溶解するまで加熱した。得られる琥珀色の
溶液を撹拌しながら2時間かけ、5
00mLのジオキサン中の150g(0.58モル)の1,2,3−トリクロロ
−4−メチルスルホニルベンゼンのスラリに加えた。次いで混合物を撹拌しなが
ら40℃で3時間加熱した。得られる混合物を冷却し、200mLの水を加えた
。減圧下における蒸留によりジオキサンのほとんどを除去し、次いで50mLの
エタノールを加えた。2相系を加熱還流させて相を融合させ、次いで25mLの
ヘキサンを加えた。終夜撹拌しながら混合物を冷まし、その間に標題化合物が沈
澱した。沈澱を濾過により集め、水で洗浄し、乾燥して17g(理論値の85パ
ーセント)の98パーセント純度の標題化合物を粉末状のクリーム色の固体とし
て得た。少量の試料を50パーセントメタノール/水からの再結晶により精製し
、69〜69.5℃で融解する白色の針状結晶を得た。
6.1,2,3−トリクロロ−4−メチルスルホニルベンゼンからの2,3−ジ クロロ−4−メチルスルホニル安息香酸の製造
A)260mg(1.0ミリモル)の1,2,3−トリクロロ−4−メチルス
ルホニルベンゼン、168mg(2.0ミリモル)の酢酸ナトリウム、10mL
のt−ブタノール及び1mLの水の混合物を圧力反応器中で調製し、窒素をパー
ジさせることにより脱気した。これに11mg(0.05ミリモル)の酢酸パラ
ジウム及び54mg(0.20ミリモル)の1,4−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ブタンを加え、得られる混合物をドライアイス/アセトン浴を用いて凍結し
た。えんどう豆の大きさのドライアイス片を加え、反応器を密封し、一酸化炭素
を用いて100psi(6900キロパスカル)まで加圧し、混合物を周囲温度
まで温めた。圧力を約300psi(約20,700キロパスカル)まで上昇さ
せた。混合物を撹拌しながら125℃に加熱し、20時間保持
した。次いで反応器を冷まし、圧力を開放した。水酸化ナトリウム水溶液を加え
ることにより混合物のpHを10に調整し、減圧下における蒸発により揮発性物
質を除去した。残留物を7mLの水中に取り上げ、得られる溶液を2x5mLの
ジクロロメタンで抽出し、塩酸水溶液を用いて酸性化した。得られる混合物をエ
ーテルで抽出し、エーテル抽出物を5mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、減圧下における蒸発により濃縮して250mg(理論値の93パーセント
)の標題化合物を得た。
B)260mg(1.0ミリモル)の1,2,3−トリクロロ−4−メチルス
ルホニルベンゼン、86mg(1.05ミリモル)の酢酸ナトリウム及び10m
Lの無水エタノールの混合物を45mLの圧力反応器中で調製し、窒素をパージ
させることにより脱気した。これに11mg(0.05ミリモル)の酢酸パラジ
ウム及び33mg(0.08ミリモル)の1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ
)プロパンを加え、酸素を排除するように注意しながら反応器を密封した。次い
で一酸化炭素を用いて反応器を60psi(4100キロパスカル)まで加圧し
、撹拌しながら150℃において54時間加熱した。次いで反応器を冷まし、圧
力を開放した。標題化合物のエチルエステルを含有する混合物を0.5mLの5
N水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより塩基性とし、1時間撹拌した。次
いで減圧下における蒸発により揮発性物質を除去し、残留物を5mLの水中に取
り上げた。得られる溶液を2x5mLのジクロロメタンで抽出し、6N塩酸水溶
液を用いて酸性化した。得られる混合物を10mLのエーテルで抽出し、エーテ
ル抽出物を5mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下における蒸
発により濃縮して
190mg(理論値の70パーセント)の標題化合物を得た。
7.1,2−ジクロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチルスルホニル ベンゼンからの2−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチル−スル ホニル安息香酸の製造
以下:130g(0.43モル)の1,2−ジクロロ−3−(2−メトシエト
キシ)−4−メチルスルホニルベンゼン、250gの水、250gのt−ブチル
アルコール、101.2g(0.95モル)の炭酸ナトリウム、1.15g(4
.3ミリモル)の酢酸パラジウム及び3.7g(8.6ミリモル)の1,4−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ブタンの混合物を圧力容器に入れた。容器を密封し
、一酸化炭素でパージし、一酸化炭素を用いて150psi(10,300キロ
パスカル)に加圧し、撹拌しながら125℃に16時間加熱した。混合物を部分
的に(partially)冷却し、次いでトルエンと水の温混合物に加えた。
水相を回収し、トルエンで洗浄し、6N塩酸水溶液を用いて60℃で酸性化した
。生成する油をジクロロメタン中に抽出し、抽出物を減圧下における蒸発により
濃縮した。残留物を希水酸化ナトリウム水溶液中に溶解し、得られる溶液を6N
塩酸水溶液とエタノールの80:20混合物にゆっくり加えた。生成する沈澱を
濾過により回収し、エタノールと水の混合物から再結晶させて66.5g(理論
値の22パーセント)の標題化合物を暗淡褐色の固体として得た。さらに精製さ
れた材料は白色の固体であった。
8.2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニル安息香酸からの2−クロロ−3− (2−メトキシエトキシ)−4−メチル−スルホニル安息香酸の製造
103mLの2−メトキシエタノールに17.5g(156ミリモル)のカリ
ウムt−ブトキシドを窒素下で撹拌しながら加えることにより、2−メトキシエ
タノール中のカリウム2−メトキシエトキシドの溶液を調製した。これに14.
0g(52ミリモル)の2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニル安息香酸を加
え、得られる混合物を4〜5時間加熱還流させた(124℃)。混合物の揮発性
成分のほとんどを減圧下における濃縮により除去し、残留物を水で希釈した。得
られる混合物をエーテルを用いて2回抽出し、次いで1N塩酸水溶液を加えるこ
とにより酸性化した。酸性化された混合物をジクロロメタンを用いて2回抽出し
、合わされた有機抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、
減圧下における蒸発により濃縮した。得られる暗褐色の油をエタノール、エーテ
ル及び石油エーテルの混合物から種結晶を用いる摩砕により結晶化させ、12.
7g(理論値の79パーセント)の標題化合物を得た。
9.1−ブロモ−2−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチルスル ホニルベンゼンからの1−エチル−4−(2−クロロ−3−(2−メトキシエト キシ)−4−メチルスルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾールの製造
345mg(1.0ミリモル)の1−ブロモ−2−クロロ−3−(2−メトキ
シエトキシ)−4−メチルスルホニルベンゼン、250mg(2.2ミリモル)
の1−エチル−5−ヒドロキシピラゾール、840mg(8.0ミリモル)のト
リエチルアミン、21mg(0.030ミリモル)のパラジウム−(ビストリフ
ェニルホスフィン)ジクロリド及び10mLの無水の脱気されたアセトニトリル
の混合物を、磁気撹拌棒を含
有する45mLの圧力反応器に入れた。反応器を密封し、一酸化炭素でパージし
、一酸化炭素を用いて130psi(平方インチ当たりのポンド)(9,000
キロパスカル)の圧力まで加圧した。撹拌しながら混合物を100℃で14時間
加熱し、次いでさらに35mgの触媒を加え、反応器を一酸化炭素で再加圧し、
100℃でさらに24時間反応させた。反応器を冷却し、圧力を開放した後、混
合物を減圧下における蒸発により濃縮した。残留物を10mLの水及び10mL
のジクロロメタンで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液を用いて塩基性とした。水
相を回収し、2x5mLのジクロロメタンで洗浄し、6N塩酸水溶液を用いてp
H0.5に酸性化した。次いで混合物をジクロロメタンを用いて抽出し、得られ
る溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃
縮し、100mg(理論値の25パーセント)の標題化合物を得た。
10.1,2−ジクロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチルスルホニ ルベンゼンからの1−エチル−4−(2−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ )−4−メチルスルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾールの製造
500gの無水ジオキサン中の10.0g(35ミリモル)の1,2−ジクロ
ロ−3−(2−メトキシエトキシ)−4−メチルスルホニルベンゼンの溶液を機
械的撹拌機が備えられた1LのHastalloyC圧力反応器に入れ、窒素で
パージした。次いで以下:7.48g(70ミリモル)の1−エチル−5−ヒド
ロキシピラゾール、8.16g(77ミリモルの炭酸ナトリウム、0.195g
(1.75ミリモル)の酢酸パラジウム、0.37g(1.75ミリモル)の1
,4−ビスジフェ
ニル−ホスフィノブタン、0.19g(0.35ミリモル)のヒドロキノン及び
0.56g(3.5ミリモル)のテトラブチルアンモニウムブロミドを加えた。
反応器を密封し、各回に約200psi(約13,800キロパスカル)に加圧
して一酸化炭素で3回パージし、次いで150psi(10,300キロパスカ
ル)に加圧した。混合物を撹拌しながら100〜105℃に加熱し、圧力を17
5〜200psi(12,000〜13,800キロパスカル)に調整し、約5
0時間反応を進行させた。約500mLの水を加え、減圧下における蒸発により
ジオキサンの大部分を除去した。得られる混合物を濾過して使用済み触媒を除去
し、30mLづつのトルエンを用いて2回洗浄し、温度を約60℃に保ち、撹拌
しながら200mLの10パーセント塩酸水溶液中にゆっくり注いだ。得られる
黄色溶液を冷まし、生成する沈澱を濾過により集め、水で洗浄し、乾燥して9.
0g(理論値の59パーセント)の標題化合物を得た。
11.1−エチル−4−(2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニルベンゾイル )−5−ヒドロキシピラゾールからの1−エチル−4−(2−クロロ−3−(2 −メトキシエトキシ)−4−メチルスルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピ ラゾールの製造
A)38.7g(0.10モル)の93.8パーセントの1−エチル−4−(
2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾ
ール、198.9g(2.62モル)の2−メトキシエタノール及び12.2g
(0.30モル)の98.3パーセントの水酸化ナトリウムペレットの混合物を
、水酸化ナトリウムペレットが溶解するまで撹拌し、次いで減圧下に、25〜3
0℃において蒸留して76.
5gの水と2−メトキシエタノールの混合物を除去した。それで混合物はKar
l Fischer滴定により測定される1.16パーセントの水を含有した(
水酸化物に関して非修正)。次いで混合物を撹拌しながら80℃で3.8時間加
熱した。さらに24.9gの2−メトキシエタノールを減圧下における蒸留によ
り除去した。次いで混合物を周囲温度近くまで冷まし、195.9gの水を加え
た。得られる混合物を60℃に加熱し、65.5gの6.25N塩酸水溶液を撹
拌しながらゆっくり加えることによりpH1に酸性化し、30分間反応させた。
混合物を終夜撹拌しながらゆっくり冷まし、生成する明黄色の沈澱を濾過により
回収し、50gの冷水及び次いで40.2gのエタノールで洗浄した。次いでそ
れを減圧下に、53℃において終夜乾燥し、36.2g(理論値の84.4パー
セント)の標題化合物を93.4パーセントの純度の淡黄色の固体として得た。
B)水素化ナトリウム(30mg、1.2ミリモル)を窒素雰囲気下に、撹拌
しながら5mLの無水2−メトキシエタノールに注意深く加えた。水素の発生が
止んだら、混合物は均一な溶液であった。1−エチル−4−(2,3−ジクロロ
−4−メチル−スルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾール(150m
g、0.41ミリモル)を加え、混合物を撹拌しながら70℃に加熱し、18時
間保持した。得られる混合物を冷まし、次いで10mLの水及び6N塩酸水溶液
を加えた。酸性化された混合物を2x5mLのジクロロメタンで抽出し、抽出物
を5mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸
発により濃縮した。油状の残留物をさらに0.5mmHg(0.067キロパス
カル)の圧力下で80℃において加熱して揮発性物質を除去し、
140mg(理論値の85パーセント)の油を得た。この油をエタノール水溶液
から結晶化させ、標題化合物を158〜159℃で融解する白色の固体として得
た。
C)50.0g(0.122モル)の純度が88.9%の1−エチル−4−(
2,3−ジクロロ−4−メチルスルホニルベンゾイル)−5−ヒドロキシピラゾ
ール、250gの2−メトキシエタノール及び33.1g(0.413モル)の
50パーセント水酸化ナトリウム水溶液の混合物を蒸留頭が備えられた500m
Lのフラスコ中で調製し、60mmHg(8キロパスカル)の圧力下で撹拌しな
がら80℃に加熱した。水及びいくらかの2−メトキシエタノールを10/1の
還流比における蒸留により4時間除去し、その時点に塔頂温度は80mmHg(
11キロパスカル)の圧力において55℃に達し、64.7gの蒸留物が回収さ
れていた。さらに蒸留はせずに、混合物を80℃で撹拌しながら4時間加熱し、
その時点に反応は完了した。得られる268.4gの反応混合物を高圧液相クロ
マトグラフィーにより分析し、46.4g(理論値の91.3パーセント)の標
題化合物をそのナトリウム塩として含有することが見いだされた。混合物をKa
rl Fischer滴定によっても分析し、460ppm(パーツパーミリオ
ン)の水を含有することが見いだされた。最少量の2−メトキシエタノールを用
いてさらに2回の反応を行わせ、得られる標題化合物の合わされた合計量(その
ナトリウム塩として)は143.3g(理論値の97.3パーセント)であった
。標題化合物をそのナトリウム塩の形態で32.0g含有する合わされた反応混
合物の140.5gの部分を60℃に加温し、撹拌しながら130gの水を滴下
した。次いで撹拌しながら約19mLの36パーセント
塩酸水溶液を滴下することにより、混合物を0.9の見掛けのpHに酸性化した
。酸性化された混合物を5℃に冷却し、約30分間保持した。生成する沈澱を濾
過により回収し、100gの水で洗浄し、熱ランプ下終夜乾燥し、31.2gの
純度が95.8パーセントの標題化合物を得た。回収収率は97.4パーセント
であり、プロセスにおける標題化合物の全体的収率は94.8パーセントであっ
た。
【手続補正書】特許法第184条の4第4項
【提出日】平成10年8月21日(1998.8.21)
【補正内容】
5.液体媒体が、用いられるアルカリ金属アルコキシド化合物と同じR基を有
するアルコールR−OHを含む請求の範囲第1項に記載の方法。
6.方法を40℃〜90℃の温度で行う請求の範囲第1項に記載の方法。
7.媒体が約500ppm未満の水を含有する請求の範囲第1項に記載の方法
。
8.相間移動触媒を用いる請求の範囲第1項に記載の方法。
9.式:
[式中、
XはCl又はBrを示し、
Rは場合によりC1−C4アルコキシもしくはC1−C4アルキルチオ基で又は1
個の酸素もしくは硫黄原子と2〜5個の炭素原子から成る3〜6員脂環式部分で
置換されていることができるC1−C4アルキル基を示すか、あるいは1個の酸素
もしくは硫黄原子及び2〜5個の炭素原子から成る3〜6員脂環式部分を示し;
R'”はC1−C4アルキルを示す]
の化合物。
10.RがC1−C4アルキル又は2−(C1−C4アルコキシ)エチルを示し、
R'”がメチルを示す請求の範囲第9項に記載の化合物。
13.式:[式中、
ZはCl又はORを示し、Rは場合によりC1−C4アルコキシもしくはC1−
C4アルキルチオ基で又は1個の酸素もしくは硫黄原子と2〜5個の炭素原子か
ら成る3〜6員脂環式部分で置換されていることができるC1−C4アルキル基を
示すか、あるいは1個の酸素もしくは硫黄原子及び2〜5個の炭素原子から成る
3〜6員脂環式部分を示し;
R’及びR'”はそれぞれ独立してC1−C4アルキルを示し;
R”はH又はC1−C4アルキルを示す]
の化合物を製造する方法であって、式:
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KR
,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,
MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P
T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ
,TM,TR,TT,UA,UG,UZ
(72)発明者 クルメル,カール・レオポルド
アメリカ合衆国ミシガン州48640ミドラン
ド・シヨアフロントサークル614
(72)発明者 シヨメイカー,ジエニフアー・マリー
アメリカ合衆国ミシガン州48640ミドラン
ド・サウスダンカンロード2280
(72)発明者 ゼトラー,マーク・ウエンデル
アメリカ合衆国インデイアナ州46033カー
メル・セイントチヤールズプレイス11142