JP2000510140A - シロアリ防御 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、２つの表面の少なくとも一方が厚紙もしくは紙プライで被覆された石膏隔壁スラブからなり、前記プライに１−フェニルピラゾール型の活性殺昆虫物質、特に１−［２，６−Ｃｌ₂−４−ＣＦ₃フエニル］−３−ＣＮ−４−［ＳＯＣＦ₃］−５−ＮＨ₂ピラゾールを含浸させたことを特徴とする複合材料に関する。本発明は穿孔虫（特にシロアリ）により生ずる損傷に対し住居を防御する昆虫防御方法を提供し、前記複合材料を隔壁および壁における内壁部の全表面積の少なくとも５０％、好ましくは９５％に固定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 シロアリ防御 本発明は石膏系の複合建築材料の分野に関し、より詳細にはプラスターボード の名称でも知られた石膏ブロックに関するものである。本発明の他の主題は、穿 孔型(perforating type)の昆虫により生ずる損傷に対し住居を防御する方法およ びこれにより防御された住居である。 石膏ブロックは、居住ビルディングの建築および備品にて広く知られかつ使用 される。本発明の意味において、石膏ブロックはその表面の少なくとも一方（好 ましくは両方）が厚紙もしくは紙のシートで覆われた石膏板からなる複合材料を 意味すると理解される。石膏ブロックは一般に、隔壁および壁の建築につき使用 される原材料（より詳細には住居内に位置する前記材料の壁部）に固定され、こ れら隔壁もしくは壁を建築する材料はコンクリート、レンガまたはその他のいず れでもよい。これらブロックの表面状態は、得られる隔壁もしくは壁の迅速な仕 上げを特にコーチングおよび／または塗料および／または壁紙の使用に関し可能 にする。 さらに、これら石膏ブロックは昆虫（特に穿孔型の昆虫、詳細にはシロアリ） により特に攻撃を受け易い。実際面において、これら昆虫（特にシロアリ）によ り住居にもたらされる損傷は極めて甚大となりうる。事実、シロアリは特に住居 の建築材料内で移動することができ、これらを餌とするという事実に基づき脆弱 にする。この損傷は、シロアリが検出されずに破壊作業をこの作業が最終的に住 居に対し修復不能な損傷をもたらすまで完逐するので一層重大となりうる。さら に上記したようにシロアリは、実質的に到達不可能であって前記シロアリの直接 的処理を実質的に不可能にするような住居の部分に移動する。 たとえば骨格もしくはパネル（特に窓枠およびドア枠）のようなビルディング の木材部分は、これら昆虫によって生ずる損傷に対し特に露呈される。 したがって、昆虫（特にシロアリ）に対し防御される入手可能な石膏ブロック を得る必要性が存在する。 本発明の他の目的は、昆虫（特にシロアリ）に対し耐性である石膏ブロックを 提供することにある。 本発明の他の目的は、シロアリが建築部品の内部に穿ったトンネルに沿って移 動しないようシロアリを防御する石膏ブロッ クを提供することにある。 本発明の他の目的は、少量の殺昆虫活化合物を含む石膏ブロックを提供するこ とにある。 本発明の他の目的は、シロアリによって生ずる損傷に対する住居の防御に関し 現存する要件を満たすことである。 本発明の他の目的は、シロアリに対し防御された住居を提供することにある。 今回、これら目的は全体的または部分的に本発明の複合材料によって達成しう ることが判明した。 したがって本発明は、２つの面の少なくとも一方が厚紙もしくは紙で作成され たシートにより覆われた石膏板を備える複合材料に関するものであって、シート または各シートが殺昆虫性物質として式（Ｉ）： ［式中、Ｒ₁はハロゲン原子またはＣＮもしくはメチル基であ り； Ｒ₂はＳ（Ｏ）_nＲ₃であり； Ｒ₃はアルキルもしくはハロアルキルであり； Ｒ₄は水素もしくはハロゲン原子またはＮＲ₅Ｒ₆、Ｓ（Ｏ）_mＲ₇、Ｃ（Ｏ）Ｒ₇も しくはＣ（Ｏ）Ｏ−Ｒ₇、アルキル、ハロアルキルもしくはＯＲ₈基または−Ｎ＝ Ｃ（Ｒ₉）（Ｒ₁₀）基を示し； Ｒ₅およびＲ₆は独立して水素原子またはアルキル、ハロアルキル、Ｃ（Ｏ）アル キルもしくはＳ（Ｏ）ｒＣＦ₃基を示し、またはＲ₅とＲ₆とは一緒になってたと えば酸素もしくは硫黄のような１個もしくは２個の二価の異原子により中断しう る二価のアルキレン基を形成し； Ｒ₇はアルキルもしくはハロアルキル基を示し； Ｒ₈はアルキルもしくはハロアルキル基または水素原子を示し； Ｒ₉はアルキル基または水素原子を示し； Ｒ₁₀は１個もしくは複数のハロゲン原子またはたとえばＯＨ、−Ｏ−アルキル、 −Ｓ−アルキル、シアノもしくはアルキルのような基により適宜置換されたフェ ニルもしくはヘテロアリー ル基を示し； Ｘは三価の窒素原子またはＣ−Ｒ₁₂基を示し、炭素原子の他の３個の電荷は芳香 族環の部分を形成し； Ｒ₁₁およびＲ₁₂は互いに独立して水素もしくはハロゲン原子を示し； Ｒ₁₃はハロゲン原子またはハロアルキル、ハロアルコキシ、Ｓ（Ｏ）_qＣＦ₃もし くはＳＦ₅基を示し； ｍ、ｎ、ｑおよびｒは互いに独立して０，１もしくは２に等しい整数を示し； ただしＲ₁がメチルであればＲ₃はハロアルキルであり、Ｒ₄はＮＨ₂であり、Ｒ₁₁ はＣｌであり、Ｒ₁₃はＣＦ₃であり、ＸはＮである］ の１−アリールピラゾールを含むことを特徴とする。 本明細書において、式（Ｉ）の規定におけるアルキル基は特記しない限り一般 に１〜６個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖を持った基であると明らかに 理解される。Ｒ₅およびＲ₆を示す二価アルキレン基により、およびＲ₅およびＲ₆ が結合した窒素原子により形成される環は一般に５員、６員もしくは７員の環で ある。 好適種類の式（Ｉ）の化合物はＲ₁がＣＮであり、および／またはＲ₃がハロア ルキルであり、および／またはＲ₄がＮＨ₂であり、および／またはＲ₁₁およびＲ₁₂ が互いに独立してハロゲン原子であり、および／またはＲ₁₃がハロアルキルで あるような化合物で構成される。 本発明にて特に極めて好適である式（Ｉ）の化合物は１−［２，６−Ｃｌ₂− ４−ＣＦ₃フエニル］−３−ＣＮ−４−［ＳＯＣＦ₃］−５−ＮＨ₂ピラゾール（ 以下、化合物Ａとして知られる）である。 本発明の好適代案によれば、石膏板はその両面が厚紙もしくは紙のシートで覆 われ、これらシートの少なくとも一方（好ましくは両方）が殺昆虫活性物質を含 む。 石膏板は一般に０．５〜５ｃｍ、好ましくは０．６〜２ｃｍの厚さを有し、そ の面の一方（または両方）を覆うべく使用される厚紙もしくは紙は一般に５０〜 ５００ｇ／ｍ²、好ましくは１５０〜２５０ｇ／ｍ²の相対密度を有する。 厚紙もしくは紙のシートの厚さは一般に０．１〜１０ｍｍ、好ましくは０．２ 〜５ｍｍである。 本発明による石膏ブロックは、厚紙（もしくは紙）シートの 厚さにのみ存在する量の式（Ｉ）の化合物を含むが、有利には全体として特にシ ロアリにより生じた穿孔の個数および寸法に関しシロアリに対し向上した防御を 与える。この向上した防御は特に、前記ブロックを攻撃するシロアリの集団の７ ０％以上、好ましくは９５％以上を破滅することから生ずる。 本発明による石膏ブロックにおける式（Ｉ）の化合物の量は、昆虫（特にシロ アリ）による穿孔に対し有効な量である。 これら有効量は一般に０．００１〜１０ｇ／ｍ²、好ましくは０．０１〜２ｇ ／ｍ²である。少量の活性化合物によりシロアリに対し向上した防御を得る可能 性は特に有利である。 式（Ｉ）の化合物は、国際特許出願ＷＯ ８７／３７８１号、９３／６０８９ 号もしくは９４／２１６０６号またはヨーロッパ特許出願第２９５，１１７号に 記載された方法または化学合成の専門家である当業者の知識内である他の任意の 方法の１つに従って作成することができる。 本発明による複合材料は、２種の次の方法の少なくとも１つにより作成するこ とができる： （ａ）状況に応じ液状石膏を１枚の厚紙シート上に、或いはローラ上を連続的 に前進すると共に石膏ブロックの厚さに実質 的に等しい間隔で分離された２枚の水平厚紙（もしくは紙）シートの間に注ぎ込 む。これらシートの少なくとも一方（好ましくは両方）には予め式（Ｉ）の活性 物質を含む組成物を含浸しておく。製造は公知方法に従い乾燥期間を含めて持続 する。 含浸につき使用される組成物は一般にたとえばプロピレングリコールのような 溶剤における式（Ｉ）の化合物の溶液、または代案として公知方法で作成された 水乳化性濃厚物である。 この含浸は、たとえば厚紙を製造すべく使用される紙パルプに組成物を混入す ることにより或いは代案として厚紙シートを乾燥状態にて前記組成物が混入され ている液体のタンクに移動させて行うことができる。 （ｂ）石膏ブロックはそれ自体公知の技術により製造される。 式（Ｉ）の活性物質を含む組成物は、前記ブロックの外表面または両外表面を覆 う紙もしくは厚紙の土に噴霧して施される。 本発明の他の主題は穿孔型の昆虫により生ずる損傷に対し住居を防御する方法 であって、本発明による複合材料を隔壁および壁における内壁部の全表面積の少 なくとも５０％、好ましくは９５％に固定することを特徴とする。穿孔型の昆虫 （特にシロアリ）に対する本発明による複合材料の効果に基づき、これ ら昆虫の攻撃に対し完全な住居が一層良好に防御され、特に住居の状況とは無関 係にこれら攻撃に特に露呈される木材部分が防御される。 この種の損傷をもたらしうる穿孔型の昆虫のうち、シロアリが最も恐ろしい。 本発明の最後の主題は穿孔型の昆虫に対し向上した防御を与える住居であって 、隔壁および壁における内壁部の全表面積の少なくとも５０％、好ましくは９５ ％が本発明による複合材料により覆われたことを特徴とする。 以下、限定はしないが実施例により本発明を例示すると共に、どのように本発 明を実施しうるかを示す。 実施例 ３０ｃｍ²の表面積と０．８ｃｍの厚さとを有する石膏ブロックを使用すると 共に、その両面を１９５ｇ／ｍ²の相対密度と０．２ｍｍの厚さとを有する厚紙 で覆つた。 プロピレングリコールにおける化合物Ａの溶液をこのブロックの両面に、石膏 ブロックが０．０５ｇ／ｍ²の化合物Ａを含有するような量にて噴霧した。 ５ｃｍの直径を有する２つの垂直円筒室を、このように処理 された石膏ブロックを用いて分離した。上側室は、ダンプコンポストに入れた１ ６０匹のシロアリを含んだ。下側室は、濡れた砂に入れた木材片を含んだ。２１ 日間の後、１００％に等しい死滅率が観察された。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ２つの面の少なくとも一方が厚紙もしくは紙で作成されたシートにより覆 われた石膏板を備える複合材料において、シートまたは各シートが殺昆虫活性物 質として式（Ｉ）： ［式中、Ｒ₁はハロゲン原子またはＣＮもしくはメチル基であり； Ｒ₂はＳ（Ｏ）_nＲ₃であり； Ｒ₃はアルキルもしくはハロアルキルであり； Ｒ₄は水素もしくはハロゲン原子またはＮＲ₅Ｒ₆、Ｓ（Ｏ）_mＲ₇、Ｃ（Ｏ）Ｒ₇も しくはＣ（Ｏ）Ｏ−Ｒ₇、アルキル、ハロアルキルもしくはＯＲ₈基または−Ｎ＝ Ｃ（Ｒ₉）（Ｒ₁₀）基を示し； Ｒ₅およびＲ₆は独立して水素原子またはアルキル、ハロアル キル、Ｃ（Ｏ）アルキルもしくはＳ（Ｏ）ｒＣＦ₃基を示し、またはＲ₅とＲ₆と は一緒になってたとえば酸素もしくは硫黄のような１個もしくは２個の二価の異 原子により中断しうる二価のアルキレン基を形成し； Ｒ₇はアルキルもしくはハロアルキル基を示し； Ｒ₈はアルキルもしくはハロアルキル基または水素原子を示し； Ｒ₉はアルキル基または水素原子を示し； Ｒ₁₀は１個もしくは複数のハロゲン原子またはたとえばＯＨ、−Ｏ−アルキル、 −Ｓ−アルキル、シアノもしくはアルキルのような基により適宜置換されたフェ ニルもしくはヘ」テロアリール基を示し； Ｘは三価の窒素原子またはＣ−Ｒ₁₂基を示し、炭素原子の他の３個の電荷は芳香 族環の部分を形成し； Ｒ₁₁およびＲ₁₂は互いに独立して水素もしくはハロゲン原子を示し； Ｒ₁₃はハロゲン原子またはハロアルキル、ハロアルコキシ、Ｓ（Ｏ）_qＣＦ₃もし くはＳＦ₅基を示し； ｍ、ｎ、ｑおよびｒは互いに独立して０，１もしくは２に等し い整数を示し； ただしＲ₁がメチルであればＲ₃はハロアルキルであり、Ｒ₄はＮＨ₂であり、Ｒ₁₁ はＣｌであり、Ｒ₁₃はＣＦ₃であり、ＸはＮである］ の１−アリールピラゾールを含むことを特徴とする複合材料。 ２． 石膏板がその両面にて厚紙もしくは紙のシートで覆われ、これらシートの 少なくとも一方、好ましくは両方が殺昆虫活性物質を含むことを特徴とする請求 の範囲第１項に記載の複合材料。 ３． 殺昆虫活性物質の式（Ｉ）にてＲ₁がＣＮであり、および／またはＲ₃がハ ロアルキルであり、および／またはＲ₄がＮＨ₂であり、および／またはＲ₁₁およ びＲ₁₂が互いに独立してハロゲン原子であり、および／またはＲ₁₃がハロアルキ ルであることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の複合材料。 ４． 殺昆虫活性物質が１−［２，６−Ｃｌ₂−４−ＣＦ₃フェニル］−３−ＣＮ −４−［ＳＯＣＦ₃］−５−ＮＨ₂ピラゾールであることを特徴とする請求の範囲 第１〜３項のいずれか一項に記載の複合材料。 ５． 石膏板が０．５〜５ｃｍ、好ましくは０．６〜２ｃｍの厚さを有し、厚紙 もしくは紙が５０〜５００ｇ／ｍ²、好ましくは１５０〜２５０ｇ／ｍ²の相対密 度を有することを特徴とする請求の範囲第１〜４項のいずれか一項に記載の複合 材料。 ６． 厚紙もしくは紙のシートの厚さが０．１〜１０ｍｍ、好ましくは０．２〜 ５ｍｍであることを特徴とする請求の範囲第１〜５項のいずれか一項に記載の複 合材料。 ７． 式（Ｉ）の化合物の量が昆虫、特にシロアリによる穿孔に対し有効な量で あることを特徴とする請求の範囲第１〜６項のいずれか一項に記載の複合材料。 ８． 式（Ｉ）の化合物の量が０．００１〜１０ｇ／ｍ²、好ましくは０．０１ 〜２ｇ／ｍ²であることを特徴とする請求の範囲第１〜７項のいずれか一項に記 載の複合材料。 ９． 穿孔型の昆虫により生ずる損傷に対し住居を防御する方法において、請求 の範囲第１〜８項のいずれか一項に記載の複合材料を隔壁および壁における内壁 部の全表面積の少なくとも５０％、好ましくは９５％に固定することを特徴とす る住居の防御方法。 １０． 穿孔型の昆虫がシロアリであることを特徴とする請求 の範囲第９項に記載の方法。 １１． 穿孔型の昆虫に対し向上した防御を与える住居において、隔壁および壁 における内壁部の全表面積の少なくとも５０％、好ましくは９５％が請求の範囲 第１〜８項のいずれか一項に記載の複合材料により覆われたことを特徴とする住 居。