JP2000509020A - コレステロールおよび他の脂質の取り込みを阻害する両親媒性分子 - Google Patents

コレステロールおよび他の脂質の取り込みを阻害する両親媒性分子

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Abstract

(57)【要約】 コレステロールの生合成はスタチンのような好適な阻害剤で阻害することができる。しかしながら、体内のコレステロールは内生の合成と同様、食餌からの取り込みによっても獲得されるので、家族性あるいは食餌誘因性の高コレステロール血症および、より一般的には高脂血症は、コレステロール生合成阻害剤だけでは十分に取り組むことができない。脂質もまた腸から取り込まれる。この問題は、コレステロールおよび他の脂質の腸からの取り込みを阻害するために、両親媒性部分を含有する1もしくはそれ以上の分子を提供することにより取り組まれる。アテローム性動脈硬化症と同様に、肥満もまたこの方法により治療もしくは予防してもよい。両親媒性部分を含有する好適な分子の例として、天然型もしくは変異型のアポタンパク質および他のタンパク質、そして、少なくとも約15のアミノ酸からなる両親媒性α−ヘリックスを含有するペプチドがある。

Description

【発明の詳細な説明】 コレステロールおよび他の脂質の取り込みを阻害する両親媒性分子 本発明は、ある種の分子の医学への使用、特に、腸からのコレステロールおよ び他の食餌性脂質の取り込み阻害剤としての使用に関する。従って本発明は、高 コレステロール血症を含む高脂血症、および、肥満の管理に適用される。 コレステロールは対称的な二面を有する分子である。一方では、その正確な機 能はまだ解明されていないが、細胞の原形質膜の必須構成要素である。他方では 、過剰に存在して血液中のコレステロール濃度が高い場合、動脈壁に沈着してア テローム性動脈硬化症の脂肪沈積が起こり、ついには心筋梗塞および脳卒中を引 き起こす。西洋の工業国では、アテローム性動脈硬化症による死亡数が、他のい かなる病気による死亡数よりも高い。 動物細胞のコレステロールの約3分の2は細胞内でのデノボ合成により供給さ れ、残り3分の1は食餌に由来するもので、腸の上皮細胞によって取り込まれる 。コレステロールは水および血液のような水溶性媒体に不溶であるため、安定な 形態で分散させる必要がある。この方法を乳化と呼び、生ずる安定な粒子は血清 リポタンパク質として知られる。血液中で最も重要なコレステロールの輸送媒体 は低比重リポタンパク質(LDL)粒子である(Brownら,Science 232 34-47(19 86))。細胞のコレステロール要求は、上記のような細胞のコレステロール合成 能力、あるいは、受容体介在型エンドサイトーシスとして知られる機構により、 血流から細胞内へLDL粒子を取り込む細胞のどちらかによって処理される。血 液中の高濃度のLDLと、アテローム性動脈硬化症の発現および次いで起こる心 筋梗塞および脳卒中との間には、明確な因果関係がある。LDLの二つの役割を 強調する必要がある。すなわち、一方では、LDL粒子は細胞にコレステロール を供給し、他方では、動脈壁へのコレステロールの沈着およびアテローム性動脈 硬化症の脂肪沈積の発現の原因となっている。 血液中の高濃度のLDLは、家族性高コレステロール血症(FH)と呼ばれる 遺伝的疾患か、あるいは高脂肪食のどちらかによって起こる。高コレステロール 血症におけるLDL受容体の主要な役割は、BrownおよびGoldsteinの研究に よって確立された(Brownら,Science 232 34-47(1986))。どちらの場合も、細 胞表面上のLDL受容体の数が有意に減少している:FHの場合は、受け継いだ 遺伝的欠陥によりLDL受容体が部分的にしか機能しないか、あるいは、最悪の 場合は全く機能しない;そして、高脂肪、高コレステロール食の場合は、LDL 受容体の合成が転写レベルで抑制される。遺伝的か後天的かに関わらず、どちら の場合も同様の結果、すなわちLDL受容体の不足が生ずる。結果として、血液 の循環からLDL粒子が効果的に除去されず、その血中濃度が上昇してアテロー ム性動脈硬化症が発現する。 ヘテロ接合性のFHである患者には、Merck社からZOCORTMの名で市販さ れているシンバスタチンのような、スタチンと総称される種類の薬剤による治療 が施与されてきた。この種の化合物は、コレステロール合成の律速酵素である3 −ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素を阻 害し、従って、細胞の生合成経路を阻害する。スタチンはしばしば、コレスチラ ミンのような胆汁酸塩のキレート形成剤といわれる樹脂(resin)と合わせて投 与される。後者の化合物は経口で多量に投与されるが、血液中のコレステロール 濃度を低下させる効果のあることが証明されている。しかしながら、この効果を 得るためには多量の投与が必要であり、そのような量では好ましくない副作用が 起こるため、この種の化合物は患者には不評であり、広く使用されてきてはいな い。にもかかわらず、BrownおよびGoldsteinは、スタチンおよびコレスチラミン のような樹脂を合わせて投与すれば、ヘテロ接合性FHの患者のLDL受容体の 数を正常レベルにまで増加させることができることを証明した(Brownら,Scienc e 232 34-47(1986))。 1988年、アメリカの国民コレステロール教育(National Cholesterol Edu cation)プログラムにより、血液中の総コレステロールおよびLDLコレステロ ールの濃度の分類が行われ、高コレステロール血症と分類される人々のための食 餌療法が推奨された。食餌療法に加え、血液中のコレステロールを低下させる予 防的手段も歓迎されるものである。 腸内でのコレステロールの吸収を低下もしくは阻害し、これによってコレステ ロールの血中濃度を低下させるという考えはもう古い;製薬産業によって多大な 労力がこの目的のために当てられてきたが、これまでにはわずかな成果しか上げ られていない。一例として、補助食品として使用されるサポニンが、実験動物に おいて血液中のコレステロール濃度を低下させることが証明され、高コレステロ ール血症の治療に有用である可能性があると予告された(Harwoodら,Journal of Lipid Research 34 377-395(1993))。しかしながら、サポニンの供給が困難で あるために、そのアプローチはうまく行かなかった。天然物から純粋なサポニン を大量に得ることは、事実上不可能である。サポニンの類似体もしくは代替物質 の合成品を使用する方法も、少なくとも今までのところは成功していない。 1990年、我々は腸内の上皮細胞の刷子縁膜(brush border membrane)( “BBM”)によるコレステロールの吸収は、タンパク質が介在するものである ことを報告した(Thurnhoferら,Biochemistry 29 2142-2148(1990))。これはま た、コレステロールのエステル(Compassiら,Biochemistry 34 16473-(1995)) および他の食餌性脂質(Thurnhoferら,Biochem.Biophys.Acta.1024249-262(1990 ))にもあてはまる。我々の発見は、教科書や総説に記載され広く受け入れられ ている、脂質の吸収は濃度勾配に伴う食餌性脂質の拡散を含む受動的な過程によ るものであるという見解と矛盾する。我々の発見は、腸内でのコレステロール吸 収に干渉し、そしておそらくは阻害する、新しい方法および可能性を切り開くも のである。1990年以前にこの目的のために取られた方法は、非特異的なもの として分類してもよい。例えば、コレスチラミンのようなポリマーもしくは植物 のサポニンによる治療である。これらの化合物はコレステロールおよび他の食餌 性脂質を吸収部位へ運搬する腸内において、胆汁酸塩と相互に作用し、この相互 作用により、コレステロールおよび他の脂質が脂質吸収に利用されなくなると考 えられている。この種の相互作用にこれらの試薬が大量に必要であるということ は、反応が非特異的であることを意味する。対照的に、コレステロール、もしく はより一般的には脂質の、BBMにおける吸収に触媒作用を及ぼすタンパク質に よるアプローチは、これと異なり特異的であるといってもよい。ここで目的は、 脂質の吸収、ひいては脂質の吸収の阻害に関与するタンパク質と特異的に相互作 用を持つ試薬を発見もしくは設計することである。 その存在がよく知られ、その機能は確認されたと信じられており、しかし腸内 での医学的利用は提案されていないタンパク質群が、コレステロールあるいは他 の脂質の取り込み阻害剤として機能しうることがここに見出された。そのタンパ ク質はアポタンパク質である。 また、本発明においてアポタンパク質が効果的であるらしいとする理由は、そ の構造中に両親媒性のα−ヘリックスが存在するためであり、そのため、タンパ ク質性の両親媒性α−ヘリックスに関連する特性(特にディメンション、ジオメ トリー、および極性)を共有する両親媒性部分を1あるいはそれ以上含有する他 の分子が本発明に有用であることが見出された。 従って、本発明の第一の観点により、腸からのコレステロールもしくは他の脂 質の取り込みを阻害する薬剤の調製における、両親媒性部分、特に両親媒性ヘリ ックスを1もしくはそれ以上含有する分子の使用を提供する。 本発明の第二の観点により、高脂血症、特に高コレステロール血症および/も しくは肥満の治療もしくは予防のために腸に適用する薬剤の調製における、両親 媒性部分、特に両親媒性ヘリックスを1もしくはそれ以上含有する分子の使用を 提供する。 その、あるいはそれぞれの両親媒性部分は、少なくとも13、14、もしくは 15のアミノ酸残基(数が増えるほど好ましい)からなるタンパク質性の両親媒 性ヘリックスに関連する特性(特にディメンション、ジオメトリー、および極性 )を共有する。 従って本発明は、コレステロールもしくは他の脂質の腸からの取り込みを阻害 する方法の提供を可能にするものであり、その方法は、患者もしくは被検体への 、両親媒性部分、特に両親媒性ヘリックスを1もしくはそれ以上含有する分子の 投与を含むものである。 本発明はまた、高脂血症、特に高コレステロール血症および/もしくは肥満の 治療もしくは予防方法の提供を可能にするものであり、その方法は、患者もしく は被検体の腸に、両親媒性部分、特に両親媒性ヘリックスを1もしくはそれ以上 含有する効果的な量の分子を投与することを含むものである。 数個の両親媒性α−ヘリックスを含有する特定のタンパク質分子がアポタンパ ク質である。 上記のように、低比重リポタンパク質(LDL)は最も重要な血液中のコレス テロール輸送担体である。LDLはリポタンパク質群の一つであり、比重が上が るに従って以下のように分類される:カイロミクロン(chylomicrons)、カイロ ミクロンレムナント(chylomicron remnants)、超低比重リポタンパク質(VL DL)、中間比重リポタンパク質(intermediate-density lipoprotein,IDL )、低比重リポタンパク質、および高比重リポタンパク質(HDL)。それぞれ のリポタンパク質は独自の機能を有する;例えば、上記のように、LDLは血液 中のコレステロールの輸送において重要であり、また、HDLは細胞および血管 からコレステロールを除去するものと考えられており、それらの点では、その役 割は十分確認されている。リポタンパク質は、疎水性脂質の核心部分と、それを 取り囲む極性脂質およびアポタンパク質(アポリポタンパク質とも呼ばれ、ap oと略される)の外殻からなる粒子である。10個の主要なアポタンパク質(A −1、A−2、A−4、B−48、B−100、C−1、C−2、C−3、D、 およびE)の単離および性状決定が行われている;それらは肝臓および腸で合成 および分泌される。GoodmanおよびGilmanは“治療学における薬理学の基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)”(McCraw-Hill第8版(1992))の中で 、以下のような多様なリポタンパク質におけるアポタンパク質の分布について記 載している: 原則として、本発明においていかなるアポタンパク質を使用してもよいことは認 識されるところである。アポタンパク質AおよびC(apo Aおよびapo C)はin vitroのBBMモデルにおいて、特に効果的であることが証明された。アポタン パク質Bは、サイズが大きい点と、脱脂された型での溶解性が相対的に不十分な ため、より好ましくない。 本発明は、特にヒトの疾病の治療もしくは予防に適用されるものであるが、他 の動物(特に哺乳動物)に適用してもよい。いかなる特定の種(ヒトを含む)由 来のアポタンパク質でも、その種の動物の治療に使用するのが最も好適と考えら れるが、アポタンパク質の異種間での使用も本発明の範囲に含まれる。 天然のアポタンパク質(全ての対立遺伝子による変異体を含む)およびそれら の変異体の使用は、いずれも本発明の範囲内である。変異体には付加、欠失、お よび置換された突然変異体が含まれる;突然変異体は一般に、少なくともコレス テロール(そして、より一般的には脂質)の取り込み阻害の点からは、保存的な 突然変異であってもよく、一般に天然物の配列と有意なアミノ酸ホモロジーを示 す。有意なアミノ酸ホモロジーは、少なくとも40%、50%、60%、70% 、80%、90%、95%、もしくは99%ものホモロジーを含んでいてもよく 、最も適合するという基準では、数字が大きいほど好ましい。非干渉型のアミノ 酸配列を付加してもよく、必須ではないアミノ酸配列が欠失していてもよい。つ まり、好ましい変異体には、二次構造が天然のアポタンパク質のものと十分に複 製もしくは類似しており、腸からの脂質、特にコレステロールの取り込みを阻害 する能力のあるタンパク質が含まれる。 本発明においては、特性(ディメンション、ジオメトリー、および極性のよう な)が天然のアポタンパク質の両親媒性α−ヘリックスのものと対応する両親媒 性部分を1もしくはそれ以上含有する他の分子を、アポタンパク質の変異体とみ なしてもよい。しかしながら、好適な両親媒性部分を含有する、多様な非アポタ ンパク質分子を、それらが属する化合物の分類と比較して考慮する方がより便宜 的である。 そのような分類の中で最も融通性のあるものの一つは、両親媒性ヘリックスを 形成する、または複数の両親媒性ヘリックスを形成する天然もしくは合成のペプ チドおよびタンパク質の分類である。両親媒性ヘリックスは、本来の性質および ヘリックスを形成するアミノ酸の側鎖の立体配置により、疎水性の面(face)と 親水性の面を有する。Aに分類される両親媒性ヘリックスでは、親水性の面にあ る陽イオン残基は疎水性の面の近傍にあり、陰イオン残基は疎水性の面の遠隔に ある。Rに分類される両親媒性ヘリックスでは、親水性の立体配置が逆であり、 親水性の面の陰イオン残基が疎水性の面の近傍にあり、陽イオン残基は疎水性の 面の遠隔にある。天然のアポタンパク質はAに分類される両親媒性ヘリックスを 含有する:Apo A-1はそれらを8個有する。この理由により、Aに分類され る両親媒性ヘリックスを1もしくはそれ以上含有する化合物が好ましい。 ペプチドもしくはタンパク質の右手系のα−ヘリックスでは、1回転は3.6 個のアミノ酸からなる。回転毎の高さは5.4Åで、18個のアミノ酸からなる α−ヘリックスの長さは27Å、15個のアミノ酸からなるα−ヘリックスの長 さは22.5Åである。このα−ヘリックスのペプチド骨格は、観念上の(断面 がほぼ円形である)直径約5Å(±0.5A)の柱体の表面上に沿って延びてい る。その外側に突出するアミノ酸残基の側鎖を含めると、柱体の直径は約5から 8Åである。側鎖は、極性、帯電型、または非極性でもよいが、柱体の長軸に対 してほぼ垂直に突出している。柱体表面の約半分が電荷を有するアミノ酸残基お よび極性アミノ酸残基で、そしてもう半分が非極性残基で覆われている。上記の ように、両親媒性α−ヘリックス(場合により分類Aまたは分類R)は、柱体の 軸に平行な、対立する極性および非極性の面を有する。 本発明に有用なペプチドおよびタンパク質には、ヨーロッパ特許出願公開EP -A-0162414号および米国特許US-A-4643988号に開示されているものが含まれ るが、両者の内容は、法で認められる最大限の範囲で参照としてここに組み込ま れる。両親媒性ヘリックスを形成できる好ましいペプチドおよびタンパク質には 、以下の配列が含有される: 式中、 A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、アスパラギン酸もしくはグ ルタミン酸、またはそれらの相同体もしくは類似体であり; B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、およびB9は、それぞれ独立して、 トリプトファン、フェニルアラニン、アラニン、ロイシン、チロシン、イソロイ シン、バリン、もしくはα−ナフチルアラニン、または、それらの相同体もしく は類似体であり; C1、C2、C3、およびC4は、それぞれ独立して、リジンまたはアルギニンであ り;そして、 Dは、セリン、スレオニン、アラニン、グリシン、もしくはヒスチジン、または 、それらの相同体もしくは類似体である。 そのようなペプチドはアミノ酸残基の特異的な配列を示し、そのため理想化さ れた両親媒性ヘリックスが生ずる。負電荷を有する残基、正電荷を有する残基、 および疎水性残基の特異的な配置が、両親媒性ヘリックスの形成、ひいては意図 する機能を有するペプチドの形成に重要である。天然のアポリポタンパク質に存 在する帯電した残基の配置によって逆転した正および負の残基を有する類似体は 、脂質との会合度が低い、または会合しない。上記のペプチドの18の残基の配 列では、正電荷を有する残基(式IのC群)は4、9、13、および15の位置 にあり、負電荷を有する残基(式IのA群)は1、8、12、および16の位置 にある。疎水性残基(式IのB群)は2、3、6、7、10、11、14、17 、および18の位置にある。セリン、スレオニン、アラニン、グリシン、もしく はヒスチジン残基は、5の位置(“D”)にあるのが好ましい。例えば正電荷を 有する位置のような、特別な機能を有する位置に配置するために選択する特異的 な残基は、ペプチドの活性に過度の不都合な影響を与えない範囲で変化させても よい。例えば、負電荷を有する残基であるアスパラギン酸およびグルタミン酸は 、負電荷を有する残基が要求される配列の位置のいずれでも置換されてよい。同 様に、リジンもしくはアルギニンは正電荷を有する位置のいずれに配置されても よい。好ましい疎水性残基は、トリプトファン、フェニルアラニン、アラニン、 ロイシン、イソロイシン、バリン、およびα−ナフチルアラニンである。 好ましいペプチドでは、疎水性残基の位置の多くがα−ナフチルアラニンで占 められている。特に好ましい具体例には、以下のような配列がある: 後者のペプチドは、Venkatachalapathiら,PROTEINS:Structure,Function,and Ge netics 15 349-359(1993)に記載されるものであり、その内容は、法で認められ る最大限の範囲でここに組み込まれる。また、これに対応する遮断されていない ペプチド、18Aも好ましい化合物である。 使用されるアミノ酸は天然に存在する型であってもよく、または、特殊な好ま しい性質を供えた合成アミノ酸を使用してもよい。例えば、合成アミノ酸である α−ナフチルアラニンは、天然に存在するいずれのアミノ酸より高度な疎水性を 示し、本発明のペプチドに特に有用である。同様に、置換されたアミノ酸である ジメチルリジンは、置換されていないリジンより高い正電荷を有し、ある種の具 体例に好ましい。従って、対象のペプチドに必要とされる、天然に存在するアミ ノ酸の有用な類似体もしくは相同体の置換も企図される。D−またはL−型のア ミノ酸は、いずれも本発明への使用に好適である。D−アミノ酸の利点となりう る点は、それらを含有するペプチドおよびタンパク質は腸内で酵素的な加水分解 を受ける傾向が低いことである。上記で予期されるように、C−またはN−末端 のアミノ酸は、干渉作用を有しないように適当に遮断、あるいは誘導体化されて いてもよい;例えば、N−末端のアミノ酸はアセチル化されていてもよく、また 、C−末端のアミノ酸はアミド化されていてもよい。好ましいペプチドAc-18 A-NH2のような、N−および/またはC−末端のこのような遮断は、脂質の存 在下でα−ヘリックスを安定化する。 上記の好ましいペプチドの機能性の両親媒性ヘリックスは18個のアミノ酸配 列からなるが、18個のアミノ酸残基のペプチドのいずれの末端への付加も、ヘ リックスの形成能に実質的な影響を与えることなく実施されてもよい。例えば、 ヘリックス末端の影響を最少限度にするために、基本的な両親媒性ペプチド鎖の それぞれの末端にトリペプチド伸長鎖を付加してもよい。複数の両親媒性ヘリッ クス領域も有用である。また、例えばプロリンで結合する二つの18残基ペプチ ドからなる37残基のペプチドも、リン脂質と円盤状の複合体を形成し、HDL 由来の天然アポタンパク質の代替として使用できる。 しかしながら、本概要では、適当なヘリックスの形成には、18残基のユニッ トが一般に重要であると考えられる。例えば配列の10番目の位置のアミノ酸が 欠失すると、極性−非極性の境界面が100°回転し、そのため、本質的にHD L由来の天然アポタンパク質と代替できないペプチドとなる。その一方で、両親 媒性ヘリックスの一部(例えばA4−B8−B9残基)が欠失していても有用かつ 機能的な分子もある。例えばAc-15A-NH2で、Ac-18A-NH2の15個のN− 末端アミノ酸を含有し、その構造は以下の通りである: Ac-15A-NH2は、刷子縁膜小胞モデルで測定したところ、Ac-18A-NH2の 85%のオレイン酸コレステロール取り込み阻害活性を示した。 上記のペプチドは、単純な、および、複雑な低分子量タンパク質を合成するた めに現在可能な、かなりの数の技術によって合成してもよい。概して言えば、こ れらの技術には連続的により大きな分子を生成する、アミノ酸の逐次付加による 段階的な合成法がある。アミノ酸は、一方のアミノ酸のカルボキシル基および他 方のアミノ酸のアミノ基間を縮合してペプチド結合を生成することにより、結合 される。この反応を制御するためには、一方のアミノ酸のアミノ基および他方の アミノ酸のカルボキシル基を遮断する必要がある。遮断基は、ラセミ化もしくは 生成したペプチド結合の加水分解によって、ポリペプチドへ不都合な影響を及ぼ すことなく、容易に除去できるものを選択すべきである。ある種のアミノ酸はチ ロシンの水酸基のような官能基が付加されている。これらの付加基は、通常、ペ プチド結合を形成するための目的の縮合に影響を及ぼすことのないよう、容易に 除去できる遮断基で遮断する必要がある。 あらゆる種類のポリペプチド合成法が存在し、またあらゆる種類の遮断試薬が 考案されてきた。これらの方法のほとんどは本発明のペプチドに適用できる。対 象となるペプチドの好ましい合成法はメリフィールド法である。この方法では、 アミノ酸をエステル結合により樹脂粒子に結合させ、伸長する鎖に保護されたア ミノ酸を逐次付加することにより、段階的にペプチドを生成させるものである。 一般的な方法はよく知られており、多くの論文に記載されている;例:Merrifiel d,R.B.,Jour.Amer.Chem.Soc.96 2986-2993,(1964)。 しかしながら、既知の方法の改良法では、固相からペプチドを遊離させるため に通常のHF−段階を使用せず、代わりに、酸のドナーとしてギ酸を使用する転 移型水素付加法を使用する。この方法によれば、リジンのε−NH2基からの保 護基の脱離、チロシンからのベンジルエステルの脱離とともに、ほぼ純粋なペプ チドが遊離される。 本発明で企図されるもう一つの可能性は、例えば当該分野で知られる方法によ る、非ペプチド結合によるアミノ酸残基の結合である。この方法により、腸内で の酵素的な加水分解が低減される可能性がある。 さらに一般的には、本発明に使用される天然のアポタンパク質は、上記のよう に、天然物(例えば血清)からの単離、または、組換えDNA技術もしくはペプ チド合成のような他の方法によって調製してもよい。アポタンパク質はタンパク 質的に等質な状態(調製品中に他のタンパク質が存在しないという意味で)に単 離されるのが好ましいが、必ずしもその必要はない;さらにそれらは、完全に等 質な状態(有意な量の他の分子が全く存在しないという意味で)に単離されても よいが、必ずしもその必要はない。in vivoでは脂質がアポタンパク質と自然に 会合するので、タンパク質的に等質な単離が、最適な戦略であるかも知れない。 実際、脂質と会合したapo A-1は脂質と会合していない分子より活性が高いため 、好ましいということが見出されている。脂質との会合は自然に起こるものでも よく、その場合アポタンパク質を天然のリポタンパク質の対部分として投与して もよい。しかしながら、非天然のリポタンパク質と部分的に会合した(または 会合していない)アポタンパク質、および、場合により会合したアポタンパク質 もまた有用である。 組換えDNA技術を、いずれの好適なホストにおけるアポタンパク質を生成す るために使用してもよい。いくつかのアポタンパク質のタンパク質およびDNA 配列がこれまで確認されてきており、以下に標本を示すが、リストは総合的なも のではない: 完全なリストは疑問符(query)“apo”を使用してNIH ENTREZ分子 生物学データベースで照会できる。存在する配列の情報により、標準的な方法で まだクローニングされていないアポタンパク質の遺伝子(cDNAまたはゲノム として)をクローニングすることが可能となる。 組換えをしたアポタンパク質、他のタンパク質、もしくはペプチドの発現は、 それが微生物(例えば大腸菌のような細菌、またはサッカロミケスセレビジア( Saccaromyces cerevisiae)のような真菌)であろうと昆虫または哺乳動物であ ろうと、いかなる好適なホストで行われてもよい。使用するホストによって、翻 訳後の修飾(例えばグルコシル化)の種類および程度は、天然物と同一であって も、相違しても、または、修飾が行われなくてもよい。いかなる機能性アポタン パク質も、それが翻訳後に天然物に忠実に修飾されるかされないかに関わらず、 本発明に有用である。 本発明の実施にあたり、1あるいはそれ以上の異なる分子を投与してもよい。 実際、ある種の天然のリポタンパク質(カイロミクロン、カイロミクロンレムナ ント、VLDL、IDL、LDL、およびHDLを含む)を投与する場合、1種 類以上の型のアポタンパク質が存在する;例えば、上記のように、apo A-1およ びapo A-2はHDLと共に投与してもよく、apo A−1、A-2、A-4、およびB- 48はカイロミクロンと共に投与してもよい。 本発明がペプチドおよびタンパク質の使用に制限されるものではないことは、 理解されるところである。本発明はむしろ、好適なディメンション、ジオメトリ ー、および極性を有する、あるいは、そのような部分を有する、いかなる分子の 使用も包含するものである。糖、脂質、もしくは他の生体物質に基づく分子のよ うに、合成した疑似ペプチドもしくは他の有機分子も有用である。 本発明に有用な分子は、いずれかの好適な経路による投与のために、しばしば 製薬学的もしくは獣医学的に使用できる担体と共に処方してもよい。そのような 製剤は本発明の第三の観点である。 非経口投与のための製剤は通常無菌である。非経口投与に適する薬剤には、酸 化防止剤、緩衝液、静菌剤、および製剤を目的の被検体の血液と等張にするため の溶質を含有する、水溶性および非水溶性の無菌注射液がある;懸濁剤および増 粘剤を含有する水溶性および非水溶性の懸濁液もまた、本発明の範囲に含まれる 。製剤は、例えば密封されたアンプルおよびバイアルのような、一回の投与量ご との容器または複数の投与量分の容器に封入してもよく、そして、凍結乾燥した 状態で保存してもよく、その場合、例えば注射には水のような、無菌の液体担体 を使用する直前に添加すればよい。即席の注射溶液および懸濁液を無菌の粉末、 顆粒、および錠剤から調製してもよい。 しかしながら、本発明に有用な分子は腸管から、特に経口で投与されるのが好 ましい。なぜなら、本発明におけるそれらの役割は、腸からの取り込みを防止す る、あるいは少なくとも阻害することだからである。 経口および他の腸溶性の製剤は無菌である必要がなく、一回の投与量または複 数回分の投与量の形態であってもよい。経口製剤の剤形は、粉末、顆粒、錠剤、 カプセル(例えば硬質もしくは軟質のゼラチンカプセル)、もしくはトローチ剤 のような固体、または、シロップもしくはエリキシルのような液体であってもよ い。増量剤および/または担体も同様に存在してもよく、医薬製剤の分野に精通 する者は、必要もしくは好ましいと思われる、付加的な、もしくは代替の賦形剤 を提供することができる;香味料がその一例である。経口投与のための製剤はい ずれも、胃もしくはそれと隣接する小腸部分におけるアポタンパク質の消化を防 止もしくは緩和することによって小腸への到達を助勢するために、腸溶耐性を有 するように処方してもよい。錠剤もしくはカプセルは、例えば従来法により、腸 溶性の物質でコーティングしてもよい。液体製剤は、トリグリセリド媒体鎖のよ うな好適な試薬を含有させる、もしくは共に投与することにより、効果的に腸溶 耐性をもたせてもよい。 経口製剤以外の腸溶性製剤には直腸製剤があり、それは坐薬の形態であっても よい。坐薬は一般にココア脂のような坐薬基剤を含有している。ここでもまた、 医薬製剤の分野に精通する者によって、活性成分を含有する製剤を慣例に従って 調製してもよい。 予防もしくは治療において投与されるアポタンパク質もしくは他の活性分子の 量は、医師によって管理される。日常的な臨床試験により最適量が決定される。 本発明で必要なのは、有効な投与量のみである。しかしながら、指標のために記 載するなら、in vitroの実験では、腸内の局部濃度が1から5μMとなるのに十 分な量のアポタンパク質(アポタンパク質A-1として測定)を投与すればよいこ とが示唆された;これ基準にすると、1から10μMのapo A-1を投与してもよ く、最適なのはおそらく2から5μMの範囲内である。他の活性分子を、上記の 範囲内、または、有効かつ十分許容できるように決定した他の投与量で投与して もよい。 本発明は、家族性の、または食餌により誘発された、いずれの原因による高コ レステロール血症もしくは他の高脂血症の予防もしくは治療にも有用である。ど ちらも経口投与が好適と考えられる。従って本発明は、経口投与(または他の腸 管投与)が可能な、アテローム性動脈硬化症の治療法もしくは予防法を提供する 。 コレステロールの供給は、内生コレステロールの生合成および外生コレステロ ールの腸からの取り込み間のバランスに依存しているので、コレステロール生合 成阻害剤と共に投与するのが好ましい。コレステロール生合成阻害剤を本発明に 有用なアポタンパク質もしくは他の分子と共に処方してもよいが、それは必須の ことではない:別々に、もしくは逐次投与してもよく、上記の方法を含む好適な 方法のいずれかを使用して独立して処方してもよい。本発明の第四の観点により 、高コレステロール血症もしくは他の高脂血症の予防もしくは治療、および/ま たは、肥満の予防もしくは治療における、同時投与、個別投与、もしくは逐次投 与のための、上記に定義した両親媒性部分を有する分子およびコレステロール生 合成阻害剤を含有する生産物を提供する。 コレステロール生合成阻害剤は、HMG−CoA還元酵素阻害剤であってもよ い。スタチンはそのような化合物の例である。特に興味深いHMG−CoA還元 酵素阻害剤には、天然の発酵生成物であるコンパクチンおよびメビノリン(ロバ スタチンとして知られる)、ジヒドロコンパクチン、ジヒドロメビノリン、エプ タスタチン、米国特許US-A-4293496号に開示されている半合成のメビノリン 類似体、および、米国特許US-A.4444784号、4661483号、4668699号、および4 771071号に開示されている化合物(シンバスタチンを含む)、さらに、国際特許 公開WO9100280号およびWO9115482号に開示されている化合物があ る。一種あるいはそれ以上のコレステロール生合成阻害剤を使用してもよい。 必要により、コレスチラミンのような胆汁酸マスキング剤が含有されるか、ま たは少なくとも付加的に投与されてもよい。しかしながら、本発明の利点の一つ はそれらの使用を行わない、もしくは少なくとも低減することであるので、その ような試薬はしばしば含有しない。 本発明のそれぞれの観点の好ましい特性は、必要な変更を加えることにより、 他の観点にも当てはまる。 本明細書中に引用される全ての特許および論文は、法で認められる最大限の範 囲でここに組み込まれる。 本発明について、以下の実施例で図示する。実施例中、種々の略号を使用する が、それらの意味は以下の通りである: apoA−1 アポタンパク質A−1(またはA−I) apoA−2 アポタンパク質A−2(またはA−II) BBM 刷子縁膜 BBMV 刷子縁膜小胞 DMPC ジミリストイルホスファチジルコリン EDTA エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 FH 家族性高コレステロール血症 HDL 高比重リポタンパク質 LDL 低比重リポタンパク質 PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動 PC ホスファチジルコリン rpm 一分間の回転数 SDS ドデシル硫酸ナトリウム SUV 小型単層小胞(small unilamellar vesicles) TCA トリクロロ酢酸 Tris トリスヒドロキシメチルアミノメタン また、実施例は付随する図と関連しているが、その中で: 図−1に、一部精製したステロール取り込み阻害タンパク質のPBE94によ る等電点クロマトグラフィーを示す。条件は実施例1に記載する。活性ピークは 画分28に溶出した。タンパク質濃度はPierce社 BCA*タンパク質アッセイ 試薬で測定した。四角はタンパク質の量、菱形は阻害活性を示す。 図−2に、実施例1に記載するPBE94カラムから溶出した画分のSDS1 5%PAGEを示す。電気泳動はMini-Protean II Dual Slab Cellで、使用説明 書に従って実施した。ゲルは銀で染色した。標準タンパク質の電気泳動の移動度 を、その分子量(kDa)と共に、ゲルの両側に付した。Ap:PBE94カラ ムに適用した、一部精製したステロール取り込み阻害タンパク質。FT:未吸着 画分。11−42:PBE94カラムから溶出した画分。それぞれのレーンの4 5から66kに存在する二重のバンドは銀染色により生じたものである。 図−3の柱状グラフは、実施例3に記載する条件下での、ウサギのBBMV( 受容体)による、1mol%の標識したコレステロールを含有する卵PCのSU V(ドナー)からのコレステロールの取り込みに対する、異なる型のアポタンパ ク質A−1の効果を示すものである。バーは阻害剤が存在しない場合のコレステ ロールの取り込みに対するコレステロール取り込みの阻害率(%)を示す。上部 の黒い部分は3つの異なる測定値の標準偏差を表す。apoA−I:ヒトのアポ タンパク質A−1。apoA−1/DMPC:DMPC二重層に再び取り込んだ ヒトのアポタンパク質A−1(2.5mg DMPC/mg apoA−1)。 fr.28−PBE94:PBE94の等電点カラムクロマトグラフィーの画分 28に溶出した精製された阻害剤。HDL3:ヒトの高比重リポタンパク質(密 度d=1.125−1.21g/ml)。 図−4Aに、阻害剤のタンパク質量に対する、ウサギのBBMV(受容体)に よる、1mol%のオレイン酸コレステロールおよび痕跡量の[3H]−コレス テリルオレイルエーテルを含有した卵PCのSUV(ドナー)からのオレイン酸 コレステロールの取り込みの服量反応を示す。菱形:ヒトアポタンパク質A−1 による阻害。四角:fr.28−PBE94による阻害。エラーバーは3つの独 立した測定値の標準偏差を示す。 図−4Bに、図−4Aと同様に、ヒトのapoA−1、ヒトのapoA−2、 およびヒツジのHDLの濃度と阻害効果の相関を示した。 図−5に、正常なヒトの十二指腸から調製したBBMVによる、阻害剤非存在 下(●)および60μMのAc−18A−NH2の存在下(■)でのコレステロ ールの取り込みを示した。1mol%の[14C]コレステロールおよび0.25 mg脂質/mlのBBMVを含有する0.01mg脂質/mlのリン脂質小胞を インキュベートし、コレステロールの取り込みを実施例7に記載する方法で測定 した。Ac−18A−NH2をドナーおよび受容体の小胞の懸濁液に添加した。 データの点は3つの測定値の平均値±標準偏差を表す。破線はコンピューター処 理による一次指数平滑(single-exponential computer fits)を表す。 図−6に、正常(●)およびリポタンパク質欠損症(○)のBBMVによるタ ンパク質介在型のコレステロールの取り込みに対するAc−18A−NH2の濃 度の影響を示した。リン脂質小胞からの[14C]コレステロールの取り込みを、 天然およびプロテイナーゼK処理BBMVを使用し、種々の濃度のAc−18A −NH2の存在下で測定した。天然およびプロテイナーゼK処理BBMVによる コレステロールの取り込みの相違を、タンパク質介在型のコレステロールの取り 込みとみなす。実験条件は実施例7に記載した;インキュベートは20分間行っ た。正常なBBMVのデータの点は3つの測定値の平均値±標準偏差で表し、破 線はRodbardら,Methods Enzmol.37 3-22(1975)に従って実験データに適合させた 曲線を表す。実施例 (Nutfield、イギリス)、マウスモノクローナル抗ヒトアポリポタンパク質A− 1抗体(非複合型)、およびBCATMタンパク質アッセイ試薬はPierce社(Lausann e、スイス)、コレステロール(純度≧99%)およびタウロコール酸ナトリウム (純度≧97%)はFluka社(Buchs、スイス)、オレイン酸コレステロール(純 度≧98%)、オレイン酸(純度=99%)、およびヤギ抗マウス免疫グロブリ ンG(アルカリホスファターゼ複合体)はSigma社(Buchs、スイス)、使用した 全ての放射性薬品はAmersham社(Bucks、イギリス)、ポリプロピレン 低領域分子量スタンダード、および30%アクリルアミド/ビス溶液はBioRad L aboratories社(Glattbrugg、スイス)よりそれぞれ購入した。他の全ての薬品 は入手可能な最高品質のものを使用した。水は常に2回蒸留した。凍結したヒツ ジの血清はバーゼル免疫研究所(Basle、スイス)より入手し、使用前に−80 ℃で保存した。ヒトのアポタンパク質A−1およびA−2、そしてヒトのHDL3 はペンシルバニア医科大学(Philadelphia,PA、米国)のDr.M.C.Phillips 氏より享受した。実施例1:コレステロール取り込み阻害剤の単離 ステロールの取り込み活性の阻害は、ドナーとして1mol%の[3H]−コ レステロールを含有する卵PCのSUV、受容体としてウサギのBBMVを使用 して、交換反応で測定した。ウサギのBBMVはHauserら,Biochimica et Bioph ysica Acta 602 567-577(1980)に従って調製した。痕跡量のコレステロールおよ びコレステリルオレイルエーテルを個々に含有した卵PCのSUVは、前述のよ うに(Thurnhoferら,Biochimica et Biophysica Acta 1024 249-262(1990))、 トリス/NaCl(50mMトリス(pH=7.4)、150mM NaCl、 0.2% NaN3)に分散させた脂質のチップソニケーション(tip-sonicatio n)により調製した。トリス/NaClに分散したドナーおよび受容体を、Beckm an社AIRFUGETMにより100000gで、4℃において2分間、遠心分離 した。受容体の分散液から得られたペレットを、最終濃度が1.7mgタンパク 質/mlとなるよう、トリス/NaClおよび同じ緩衝液に溶解した種々の量の 阻害活性物質に再び懸濁した。この懸濁液を、ドナー分散液の上清(上部80%) の一定画分と混合し、この時点を0分とした。混合液中のドナーの最終濃度は0 .2mg総脂質/mlであった。混合液を25℃で20分間インキュベートし、 2倍量のトリス/NaClでサンプルを希釈して交換反応を停止させ、4℃にお いて2分間、100,000gのエアフュージで遠心分離してドナーと 受容体を分離した。ドナー小胞を含有する上清およびBBMV(受容体)を含有 するペレットの放射活性を、Beckman社LS 7500シンチレーションカウンターを 用いて測定した。結果は、阻害活性物質の非存在下での受容体によるステロール の取り込みに対する、阻害活性物質の存在下での取り込みの百分率として表した 。 阻害活性物質はヒツジの血清から単離した。血清を硫酸デキストランを用いて 以下のように分画した:100mlの血清を解凍し、0.15M NaClに溶 解した10%デキストラン硫酸ナトリウム0.5ml、および1M MnCl2 5mlと室温で混合した。特に記載のない限り、全ての操作は室温で行った。直 ちに沈澱が開始し、サンプルを6000rpmで10分間遠心分離して完了し、 上清S1およびペレットP1を得た。S1を回収して、6mlの10%硫酸デキ ストラン溶液および15mlの1M MnCl2と混合した。混合液を2時間イ ンキュベートし、20000gで30分間遠心分離した。上清(S2)をデカン トした。ペレット(P2)を洗浄するために、0.1%硫酸デキストランおよび 0.1M MnCl2を含有する50mlのトリス/NaClに再び懸濁し、上 記のように遠心分離した。上清(S3)を廃棄し、ペレット(P3)を、1%N aClを含有する2%クエン酸ナトリウム10mlに分散させ、撹拌しながら1 M NaOHを滴下してpHを8に調整した。混濁した分散液を6000rpm で10分間遠心分離してMnOを除去した。上清(S4)を回収した。P1を2 mlの10% NaHCO3に再び溶解した。MSEスウィング式遠心分離器を 使用し、500gで2分間遠心分離して、生成したMnCO3を除去した。上清 (S5)を回収し、100mlの50mMトリス(pH7.4)および2.5m lの2M MgCl2を添加して沈澱を生成し、6000rpmで10分間遠心 分離した。ペレット(P6)を2mlの5%NaClに再び懸濁し、上記のよう に、2回あるいはそれ以上、再沈澱させた。最終ペレット(P7)を1.5ml の10%クエン酸ナトリウムに懸濁し、1%NaClを含有するトリス(pH7 .4)に透析してMg2+を除去した。S2、S4、および透析したP7を1%B aCl2、1%NaClに透析し、6000rpmで10分間遠心分離して沈澱 した硫酸デキストランのバリウム塩を除去し、さらにトリス/NaClに透析 した。タンパク質濃度および阻害活性を測定し、結果の概要を表−1に示す。 表−1の注釈; ヒツジ血清の硫酸デキストラン分画:ヒツジの血清を、本実施例に記載したよう に、硫酸デキストランで逐次分画した。タンパク質濃度はPierce社のBCATMタ ンパク質アッセイ試薬で測定した。阻害活性は、受容体によるステロールの、阻 害剤非存在下での取り込みに対する阻害剤存在下での取り込みの百分率と定義し 、任意単位(au)で表示した。括弧内の数値は、同量のヒツジ血清に対する百 分率である。 阻害活性のほとんどを含有するS4を、疎水相互作用クロマトグラフィーによ りさらに精製した。カラム(内径=2.8cm)に40mlのPhenyl Sepharose 6 Fast Flowを充填し、2M NaClを含有する50mMトリス(pH7.4 )で平衡化した。クロマトグラフィーは流速4ml/minで実施した。十分量 の固形NaClをS4(600mgタンパク質)に添加し、濃度を2M NaC lとした。同緩衝液で未吸着タンパク質を溶出した。NaCl濃度を0.15M まで低下させながら逐次カラムを洗浄し(画分1)、水(画分2)、および15 %エタノール(画分3)で溶出した。タンパク質濃度および阻害活性を測定し、 結果の概要を表−2に示した。表−2の注釈; S4の疎水相互作用クロマトグラフィー:ヒツジ血清の硫酸デキストラン分画に より得てステロール取り込み阻害活性を高めた画分S4を、本実施例に記載した 、Phenyl Sepharose 6 Fast Flowを使用した疎水相互作用クロマトグラフィーで さらに精製した。タンパク質濃度をPierce社のBCATMタンパク質アッセイ試薬 で測定した。阻害活性は、アクセプターによるステロールの、阻害剤非存在下で の取り込みに対する阻害剤存在下での取り込みの百分率と定義し、任意単位(a u)で表示した。括弧内の数値は、同量の画分S4に対する百分率である。 画分2は最終的に、等電点クロマトグラフィーにより精製した。カラム(内径 =1cm)に20mlのPBE94を充填し、25mM イミダゾール−HCl (pH7.3)で平衡化した。クロマトグラフィーは流速0.5ml/minで 実施した。画分2(34mgタンパク質)を適用し、280nmでの吸収がベー スラインに到達するまでカラムを洗浄した(画分PBE−FT)。POLYBU FFER 74を水で1:8まで希釈するリニアpHグラジエントによりタンパク 質を溶出し、HClを用いてpH=4.0に平衡化した。8mlの画分を回収し た。画分 のタンパク質および阻害活性を測定する前に、2.0mlのSEPHADEX G-50を充填しトリス/NaClで平衡化したポリプロピレンECONO-COL UMNに0.5mlの画分を適用して、POLYBUFFER74を除去した。タ ンパク質および阻害活性の回収率はそれぞれ100%および82%であった(図 −1)。画分をSDS−PAGEで分析し、図−2に示した。実施例2:精製した阻害剤のアポタンパク質A−1としての性状決定 実施例1に記載したPBE94カラムから得た画分28(fr.28−PBE 94)の物理的性質を表−3に示す。 表−3の注釈; 精製した阻害剤(fr.28−PBE94)の物理的性質:fr.28−PBE 94の等電点はPBE94カラムからの溶出物のpHとして測定し、分子量はS DS−PAGEまたは質量分析法(MS)により測定した。Chapman,Academic Pre ss,Inc.San Diego,New York,Boston,London,Sydney,Tokyo,Toronto 70-143(1986 )によるヒトおよびウサギのapoA−1の値を比較のため併記する。 ヒツジのapoA−1の性状決定はこれまで報告されていないので、ヒトおよ びウサギのapoA−1の物理的性質を比較のため報告する(Chapman,Academic Press,Inc.San Diego,New York,Boston,London,Sydney,Tokyo,Toronto 70-143( 1986))。fr.28−PBE94のN−末端アミノ酸分析を 実施した。fr.28−PBE94の最初の29のアミノ酸は、ラットのapo A−1と79.3%、ウサギのapoA−1と69.0%、ウシのapoA−1 と86.2%、そしてヒトのapoA−1と65.0%の同一性を示した。ウェ スタンブロッド法により、fr.28−PBE94をマウスモノクローナル抗ヒ トapoA−1抗体と交差反応させた。fr.28−PBE94は、タンパク質 mgあたり0.26mgの総コレステロール(遊離型およびエステル化型)を含 有し、密度d=1.21g/mlのNaBr溶液での遠心分離に対して浮遊して いた。これは高比重リポタンパク質の浮遊密度である。fr.28−PBE94 をNicholsらの方法(Nicholsら,Biochimica et Biophysica Acta 446 226-239(1 976))に従ってグアニジンHCl処理した後、fr.28−PBE94を脱脂し たところ、ヒトのapoA−1と同様の性質を示した。阻害活性がタンパク質に よるものであることを証明するために、fr.28−PBE94およびヒトのa poA−1(コントロールとして)を、10%トリクロロ酢酸で沈澱させるか、 または5分間の煮沸および5分間の冷却を4回繰り返した。変性したタンパク質 を遠心分離により除去し、上清に残存するタンパク質および阻害活性を測定した (表−4)。 表−4の注釈; 阻害活性物質の変性:阻害活性物質を、本実施例に記載した、10%TCA処理 または4サイクルの煮沸/冷却処理により変性させた。遠心分離により変性タン パク質を除去した後の上清に残存するタンパク質およびステロール取り込みの阻 害活性の百分率をここに示す。実施例3:ウサギBBMVによるコレステロールの取り込みに対するapoA− 1およびapoA−2の影響 ドナーであるSUVからのウサギのBBMVによるステロール(遊離またはエ ステル化されたコレステロール)の取り込みを、実施例1に記載したように、そ れぞれ20μgの、ヒトapoA−1、DMPCの二重層に取り込まれたヒトa poA−1(2.5mg DMPC/mg apoA−1)、fr.28−PB E94、およびヒトHDL3の存在下で測定した:図−3に、(a)ヒトapo A−1;(b)Brouillette & Anantharamaiah Biochim.Biophys.Acta 1256 103 -109(1995)に従って再構成したヒトapoA−1およびDMPCのリポタンパク 質複合体(1:2.5=重量比);(c)実施例1記載の方法に従って精製した ヒツジapoA−1;および(d)密度範囲d=1.125−1.21g/ml のヒトHDL3の存在下でのコレステロール取り込みの阻害を柱状グラフで示す 。コレステロールの吸収は、ドナーとして1mol%の標識したコレステロール を含有する卵PCのSUV、受容体としてウサギの小腸のBBMVを使用し、阻 害剤の非存在下および存在下で、25℃で測定した。50mMトリス緩衝液(p H7.4)、0.15M NaCl、0.2% NaN3に分散したドナーおよ び受容体を混合して、最終濃度をそれぞれ0.05mg総脂質/mlおよび1. 7mgタンパク質/mlとした。これら全てのサンプル中のapoA−1の量は 20μgタンパク質/mlに保持した。apoA−1存在下での阻害を、阻害剤 非存在下で測定したコレステロール取り込みの%で示した。それぞれのバー上部 の黒色部分は3つの測定値の標準偏差を表す。 図−4Aに、種々の量のfr.28−PBE94(四角)およびヒトapoA −1(菱形)の存在下でのステロール取り込み阻害を示す。ドナーとして1mo l%のオレイン酸コレステロールおよび痕跡量の[1,2−32(N)]−コレ ステリルオレイルエーテル(37Ci/mmol、Amersham社、イギリス) を含有する卵のホスファチジルコリンの小型単層小胞を実施例1に記載した方法 で調製し、受容体としてBBMVをウサギの小腸から調製した(実施例1参照) 。ドナーおよび受容体は共にトリス/NaCl緩衝液(0.05MトリスHCl (pH7.4)、0.15M NaCl、0.02% NaN3)に分散させ、ド ナーおよび受容体の最終濃度がそれぞれ0.05mg/ml総脂質および1.7 mgタンパク質/mlとなるように、同じ緩衝液で調製したヒトapoA−1も しくはヒツジHDLの溶液を混合し(総容量:0.1ml)、その時点を0分と した。ドナーおよび受容体の懸濁液を阻害剤存在下、25℃で20分間インキュ ベートした後、2倍量のトリス/NaCl緩衝液で希釈して反応を停止した。4 ℃で2分間、115,000gでエアフュージ(airfuge)遠心分離をしてドナ ーおよび受容体を分離し、ドナー小胞を含有する上清およびBBMVを含有する ペレットの放射活性を、BECKMANTM LS 7500シンチレーションカウンタ ーで測定した。脱脂(Scanu & Edelstein,Anal.Biochem.44 576-588(1971))お よびQ-SepharoseTMのイオン交換カラムクロマトグラフィー(Weisweiler,Clin. Chim.Acta.169 249-254(1987))により、ヒトのHDLから純粋なapoA−1 およびapoA−2を調製した。PHASTTM電気泳動システム(Pharmacia社 )を使用し、8−25%のグラジエントゲルのSDS−PAGEで、apoA− 1およびapoA−2の純度を確認した。どちらのタンパク質も、過負荷したゲ ルでシングルバンドを生じた。使用に先立ち、3MグアニジンHClでタンパク 質を可溶化し、トリス/NaCl緩衝液に透析した。 図−4Bに、種々の濃度のヒトapoA−1、ヒトapoA−2、ヒツジHD L、およびヒトLDLと阻害効果の相関を示す。実験条件は図−4Aに記載した 通りである。阻害剤非存在下で測定したBBMVのコレステロール吸収活性を1 00%とし、阻害剤存在下で測定した活性の減量を%として示した。Rodbard & Frazierの方法(Method Enzymol.37 3-22(1975))により、実験で得た点から実 線を得た。ヒツジHDL(◆)、ヒトapoA−1(■)、ヒトapoA−2( △)、ヒツジLDL(▲)。 IC50は、50%の阻害が観測された阻害剤濃度である。IC50値は図−4B に示すグラフのカーブから得られるが、それらを以下の表−5に示す: 実施例4:ウサギBBMVのapoA−1とのプレインキュベーションの効果 ステロール吸収の阻害が単にapoA−1(脂質を含有しないもの、または、 fr.28−PBE94の型で一部脱脂されたもの)のドナーとの相互作用だけ によるものではないことを証明するために、1.7mgタンパク質/mlのウサ ギBBMVを0.46μMのヒトapoA−1もしくは0.59μMのfr.2 8−PBE94と共に5分間インキュベートした。分散液をBeckman社のエアフ ュージで100000g、2分間、4℃で遠心分離し、上清を除去し、ウサギB BMVおよび結合した阻害剤タンパク質を含有するペレットを、等量のトリス/ NaClに再び懸濁した。ドナーのSUVを添加し、コレステロールの取り込み を実施例2に記載した方法で測定した。0.46μMのヒトapoA−1もしく は0.59μMのfr.28−PBE94の存在下での取り込み阻害をコントロ ールとして測定した。取り込み測定に先だって阻害剤タンパク質で処理したウサ ギBBMVは、コントロールサンプルで測定した阻害活性の30±4%を保持し ていた。実施例5:ドナーとして混合胆汁酸塩ミセルを使用したステロール取り込みの阻 害 胆汁酸塩ミセルは小腸における最も重要な脂質担体であるため、ドナーとして 混合胆汁酸塩ミセルを使用してステロールの取り込み阻害を測定するのは好適で ある。50mMのタウロコール酸、6mMのオレイン酸、および20μMの標識 したコレステロールを含有するドナーミセルを以下のように調製した:脂質をこ れらの濃度でクロロホルム:メタノール(2:1)に混合し、有機溶媒をロータ リーエバポレーターで除去した。精製した脂質の薄膜を高真空下で少なくとも1 時間乾燥した。乾燥した薄膜を適当な量のトリス/NaClに分散し、所望のミ セル濃度とした。実施例2記載の方法により調製した受容体であるウサギBBM Vを、1.56μMのヒトapoA−1もしくは1.98μMのfr.28−P BE94のどちらかと混合した。ドナーである混合ミセルを受容体/阻害剤分散 液に添加して最終濃度を5mMのタウロコール酸、0.6mMのオレイン酸、お よび2μMの標識したコレステロールとし、混合液を25℃で10分間インキュ ベートした。混合液をBeckman社のエアフュージで100000Og、2分間、 4℃で遠心分離して反応を停止した。ペレットおよび上清の放射活性を測定し、 実施例2に記載した方法により結果を評価した。apoA−1とのインキュベー ションは、ドナーとしてSUVを使用し、同濃度の阻害剤で測定した阻害活性の 12%であり、fr.28−PBE94とのインキュベーションは、ドナーとし てSUVを使用し、同濃度の阻害剤で測定した阻害活性の23%であった。実施例6:刷子縁膜におけるオレイン酸コレステロールの取り込みに対する種々 の天然型および変異型アポタンパク質のIC50 天然型(ヒト)アポタンパク質apoA−I、apoA−II、apoA−III 、apoA−IV、apoC−I、apoC−II、apoC−III1、apoC−II I2、およびapoE、そして、変異型アポタンパク質Ac−18A−NH2のI C50値を測定した。Ac−18A−NH2は: Ac−Asp−Trp−Leu−Lys−Ala−Phe−Tyr−Asp− Lys−Val−Ala−Glu−Lys−Leu−Lys−Glu− A1 a−Phe−NH2 であり、Venkatachalapathiら,PROTEINS:Structure,Function,and gene tics 15 349-259(1993)に開示されている。 84.5μlの緩衝液(0.05Mトリス(pH7.4)、0.15M Na Cl)に溶解した適当な量の阻害剤を、エッペンドルフチューブ内で、同様の緩 衝液に分散した5μlの分散液および10.5μlの受容体分散液(すなわち刷 子縁膜小胞(BBMV))と混合し、この時点を0分とした。ドナー小胞の最終 濃度は0.1mg総脂質/ml、受容体の最終濃度は2mgタンパク質/mlで あった。調製した混合液を25℃で20分間インキュベートし、エアフュージチ ューブに入れた氷冷緩衝液120μlにインキュベートした混合液60μlを添 加し、反応を停止させた。希釈した分散液を直ちに100000gのエアフュー ジで、4℃で2分間遠心分離し、BBMVからドナー小胞を分離した。二画分の 60μlのドナー(=上清)をBeckman社LS 7500液体シンチレーションカウン ターでカウントし、ドナーに残存する放射活性を測定した。ドナー小胞の調製 適当な量の脂質をCHCl3/CH3OH(2:1(v/v))に溶解し、溶液 をロータリーエバポレーターで乾燥し、さらに残渣を真空で乾燥して、1mol %のオレイン酸コレステロールおよび痕跡量の3H−コレステロールオレイルエ ーテルを含有する小型単層卵ホスファチジルコリン(PC)小胞を調製した。乾 燥した脂質の皮膜に適当量の緩衝液を添加し、手で撹拌して分散した。脂質分散 液をBrunnerら,J.Biol.Chem.253 7538-7546(1978)に記載されるようにチップソ ニケーション処理をした。得られた緩衝液に分散したドナーを100000gの エアフュージで4℃で2分間遠心分離した。遠心分離後のドナー分散液の上部8 0%だけを脂質取り込みの実験に使用した。BBMV分散液の調製 Hauserらの方法(Biochim.Biophys.Acta 602 567-577(1980))に従って、凍結 したウサギの小腸からBBMVを調製した。IC50値を測定する取り込み実験へ の使用に先立ち、BBMVを洗浄してBBMから遊離した遊離型タンパク質を除 去した。このために、エアフュージチューブ内でBBMV分散液を緩衝液で1: 1に希釈し、100000gのエアフュージで、4℃で2分間遠心分離した。上 清を注意深くデカントし、ペレットを緩衝液で再び懸濁して元のBBMV分散液 の容量とし、分散液をホモジナイズした。アポリポタンパク質溶液の調製 アポリポタンパク質を約1mg/mlとなるように3MグアニジンHClに溶 解し、8kDaを分離する透析チューブを使用して緩衝液に対して徹底的に透析 して、アポリポタンパク質の緩衝液溶液を調製した。 IC50値を以下の表−6に示す。 実施例7:Ac−18A−NH2に関する更なる実験 小胞の調製; ヒトの十二指腸の生検サンプル(それぞれ20から30mgの湿組織)を20 0μlの緩衝液(12mMトリス/NaCl(pH7.2)、300mMマンニ トール、5mM−EGTA、1mMフッ化フェニルメチルスルホニル)に懸濁し 、液体窒素で凍結して、使用まで−80℃で保存した。Mg2+沈澱によりBBM Vを調製した(Hauserら,Biochim.Biophys.Acta 602 567-577(1980)。Boothら,L ancet 1 1066-1069(1985)に詳細に記載されている)。BBMVのプロテ イナーゼK処理は、ThurnhoferおよびHauserの方法(Biochim.Biophys.Acta 102 4249-262(1990))に従って実施した。タンパク質の分解処理により、BBMV のタンパク質含量および比スクラーゼ活性が〜60%まで低下した。小型単層リ ン脂質小胞はチップソニケーションによって調製した(Schulthess,Biochemistr y 33 4500-4508(1994))。 反応速度に関する実験; 反応速度に関する実験は報告されている方法に従って行った(Compassi,Bioch emistry 34 16473-16482(1995)、および、Tsoら,Am.J.Physiol.241G487-497(19 81))。 (I) 1mol%[14C]コレステロールを含有する卵PC小型単層小胞およ びBBMVを共に10mMトリス−HCl(pH7.2)、0.15M NaC l、5mM EDTAに分散し、室温でインキュベートした。設定時間後、Beck man社のエアフュージで115000g、2分間、遠心分離して、リン脂質小胞 およびBBMVを分離した。ペレットおよび上清の一定画分をBeckman社LS 75 00液体シンチレーションカウンターでカウントし、放射活性を測定した。先の研 究(ThurnhoferおよびHauser,Biochemistry 29 2142-2148(1990);Compassi,Bioc hemistry 34 16473-16482(1995);および、Schuithess,J.Lipid.Res.37 2405-24 19(1996))で詳細に検討されているように、コレステロール取り込み機構の可能 性として、卵PC小型単層小胞およびBBMVの拡散は除外した。 (II) 同様に、ドナーである1mol%[14C]コレステロールを含有する卵 PC小型単層小胞、および、受容体である卵PC/卵PA(85:15(モル比 ))の小型単層小胞を室温でインキュベートした。設定時間後、インキュベーシ ョン混合物の一定画分を、負帯電小胞を保持する、DEAEセファロースCl− CBカラムで濾過した。純粋な卵PC小胞を溶出し、その放射活性を測定した。 結果を図−5に示す。 実験データを一次指数平滑による交換反応に当てはまる以下の方程式を用いて コンピュータ一処理した:X=X+[X0−X]e−k[(a+b)/a]t(式中、 X0、X、およびXはそれぞれ時間0、t、および平衡時の、ドナーにおける 標識された脂質の画分を表す)。K1は疑似一次反応速度定数であり、aおよび bはそれぞれ受容体およびドナーの脂質プールである(McKay,Nature 142 反応速度の測定は阻害剤の存在下でも実施した;合成ペプチドまたはアポリポ タンパク質をドナーおよび受容体小胞のサプレッサーに添加した。天然およびプ ロテイナーゼK処理BBMVによるコレステロールの取り込みを種々の濃度のA c−18A−NH2の存在下で測定し、天然およびプロテイナーゼK処理BBM Vによるコレステロールの取り込みの相違をタンパク質介在型コレステロールの 取り込みであるとして図−6に示した。IC50値はMethods Enzymol.373-22(19 75)に従って測定した。 結果 ヒト十二指腸BBMVによるコレステロールの取り込みを、Ac−Asp−T rp−Leu−Lys−Ala−Phe−Tyr−Asp−Lys−Val−A la−Glu−Lys−Leu−Lys−Glu−Ala−Phe−NH2(A c−18A−NH2)の組成を持つ両親媒性ペプチドの存在下で測定した。この ぺプチドは分類Aの両親媒性α−ヘリックスを形成し、アポリポタンパク質A− 1(apoA−1)の性質との類似性を示した(Methds Enzymol.128 627-647(1 986))。H2N−末端のアセチル化およびカルボキシル末端のアミド化により、 溶液中および脂質結合時のペプチドの螺旋性が増大した(Proteins 15 349-359( 1993))。Ac−18A−NH2は、タンパク質介在型コレステロールの取り込み を効果的かつ完全に阻害した(図−3および4)。タンパク質介在型コレステロ ールの取り込みを50%低下させるのに必要なAc−18A−NH2の濃度(I C50)は23±1μMであった(図−6)。正常およびリポタンパク質欠損症の BBMVでも同様の阻害が観測された(図−6)。一方、Ac−18A−NH2 は受動的コレステロール輸送に何ら影響を示さなかった。660Mの濃度でAc −18A−NH2による阻害を受けない天然のBBMVによるコレステロールの 取り込み活性が残存していたのは(図−3の四角)、受動的なコレステロール取 り込みのためである。プロテイナーゼK−処理BBMVによるコ レステロールの取り込みは実験誤差範囲内であり、半量期が6.7±1.4hで あるという特徴があった。また、プロテイナーゼK−処理BBMVによるコレス テロールの取り込みおよびリン脂質小胞間でのコレステロール輸送に対しては、 Ac−18A−NH2による阻害効果がないことを証明した(表7)。 ペプチド Ac−Asp−Trp−Leu−Ala−Lys−Asp−Tyr −Phe−Lys−Lys−Ala−Leu−Val−Glu−Glu−Phe −Ala−Lys−NH2が不活性であることは、両親媒性α−ヘリックスが阻 害の基礎となる構造的素因である証拠である。このペプチドは、Ac−18A−N H2と同一のアミノ酸組成であるが、そのアミノ酸配列が無作為でペプチドの両 親媒性の性質が失われているという意味で、“スクランブルされたAc−18A −NH2”である。 in vitroで観測される阻害効果の生物学的関連は、Sprague-Dawlyラットの小 腸におけるコレステロール吸収が両親媒性素因によって80%以上まで阻害され うるという、in vivoの実験によって確認される。apoA−1はヒトの血清か ら十分な量が精製されるので、食餌に添加したこのタンパク質を阻害剤として使 用した。得られた実験証拠に基づき、われわれは、コレステロールの取り込みに 対する阻害効果は特定の両親媒性分子に限定されないことを主張する。両親媒性 化合物の化学的性質は第二の重要度であり、化合物のジオメトリーおよび極性が 決定的因子であると考えられる。脂質、タンパク質、もしくは炭水化物のような いかなる種類の生物学的化合物に属する両親媒性化合物も、刷子縁膜によるコレ ステロールの取り込みを阻害しうるので、ここに示す結果は重要な意味を内包し ている。実施例8:種々の長さの両親媒性螺旋型ペプチドの阻害効果 Ac−15A−NH2、Ac−12A−NH2、およびAc−9A−NH2の活 性(阻害効果)を測定した。これらのペプチドのアミノ酸配列は以下の通りであ る: ペプチドが一つ進む(上→下)毎に3個のアミノ酸がN−末端から除去されてい る。上記の4個のペプチドの阻害効果を120μgペプチド/mlで比較した。 BBMVによる脂質の取り込みは、以下に記載するように、それぞれ120μg ペプチド/mlの存在下で測定した。 トリス/NaCl緩衝液に分散したドナーおよび受容体粒子をBeckman社のエ アフュージで115000g、4℃で2分間、遠心分離した。アクセプターの分 散液から得たペレットをトリス/NaCl緩衝液に再び懸濁した。同じ緩衝液に 溶解した種々の量の阻害剤を受容体分散液に添加し、阻害剤含有、もしくは非含 有受容体分散液を、ドナー分散液の遠心分離で得た上清の上部80%と混合し、 この時点を0分とした。ドナーの最終濃度は0.05mg総脂質/ml、受容体 の最終濃度は5mgタンパク質/mlであった。得られた分散液を23℃でイン キュベートし、設定時間後、2倍量のトリス/NaCl緩衝液でインキュベート 混合液を希釈してステロールの取り込みを停止した。Beckman社のエアフュージ で115000g、4℃で2分間、遠心分離し、BBMVをドナーから分離した 。ドナーを含有する上清およびBBMV(受容体)を含有するペレットの放射活 性をBeckman社LS 7500シンチレーションカウンターで測定した。 結果を阻害の%として表し、概要を以下の表−8に示す: No.1および2のペプチドで有用な阻害効果が観測された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/42 A61K 47/42 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN (72)発明者 ヘルムート・ハオザー スイス国ツェーハー―8713 ウエリコン, ヘルマン―ヒルトブルンネルヴェーク 25

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.腸からのコレステロールまたは他の脂質の取り込みを阻害する薬剤の調製に おける、1あるいはそれ以上の両親媒性部分を含有する分子の使用。 2.高脂血症、特に高コレステロール血症および/もしくは肥満の治療もしくは 予防のための腸管投与型の薬剤の調製における、1あるいはそれ以上の両親媒性 部分を含有する分子の使用。 3.分子が1あるいはそれ以上の両親媒性α−ヘリックスを含有するペプチドも しくはタンパク質である、請求項1もしくは2記載の使用。 4.分子がアポタンパク質である、請求項3記載の使用。 5.アポタンパク質がアポタンパク質Aである、請求項4記載の使用。 6.アポタンパク質がアポタンパク質A−1である、請求項5記載の使用。 7.アポタンパク質がアポタンパク質A−2である、請求項5記載の使用。 8.アポタンパク質がアポタンパク質A−4である、請求項5記載の使用。 9.アポタンパク質がアポタンパク質Bである、請求項4記載の使用。 10.アポタンパク質がアポタンパク質B−48である、請求項9記載の使用。 11.アポタンパク質がアポタンパク質B−100である、請求項9記載の使用 。 12.アポタンパク質がアポタンパク質Cである、請求項4記載の使用。 13.アポタンパク質がアポタンパク質C−1である、請求項12記載の使用。 14.アポタンパク質がアポタンパク質C−2である、請求項12記載の使用。 15.アポタンパク質がアポタンパク質C−3である、請求項12記載の使用。 16.アポタンパク質がアポタンパク質Dである、請求項4記載の使用。 17.アポタンパク質がアポタンパク質Eである、請求項4記載の使用。 18.分子が天然型アポタンパク質の変異体である、請求項3記載の使用。 19.ペプチドもしくはタンパク質が1もしくはそれ以上、しかし8より少ない 両親媒性ヘリックスを含有する、請求項3記載の使用。 20.分子が1またはそれ以上の下記の配列のペプチド: A1−B1−B2−C1−D−B3−B4−A2−C2−B5−B6−A3−C3−B7−C4 −A4−B8−B9 (I) [式中: A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、アスパラギン酸もしくはグル タミン酸、またはそれらの相同体もしくは類似体であり; B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、およびB9は、それぞれ独立して、 トリプトファン、フェニルアラニン、アラニン、ロイシン、チロシン、イソロイ シン、バリン、もしくはα−ナフチルアラニン、または、それらの相同体もしく は類似体であり; C1、C2、C3、およびC4は、それぞれ独立して、リジンまたはアルギニンであ り; Dは、セリン、スレオニン、アラニン、グリシン、もしくはヒスチジン、または 、それらの相同体もしくは類似体である;そして、 A4、B8、およびB9はオプションである。] を含有する、請求項3、18、または19記載の使用。 21.分子がAc−18A−NH2もしくはAc−15A−NH2、またはそのい ずれかに相当する遮断されていない、もしくは遮断された型である、請求項20 記載の使用。 22.アポタンパク質が天然物から単離された、請求項4から17のいずれかに 記載される使用。 23.アポタンパク質がタンパク質的に等質な状態に(他のタンパク質が存在し ないという意味で)精製された、請求項22記載の使用。 24.アポタンパク質が完全に等質な状態に(有意な量の他の分子が存在しない という意味で)精製された、請求項22記載の使用。 25.ペプチドもしくはタンパク質が組換えDNA技術もしくはペプチド合成に よって調製された、請求項3から21のいずれかに記載される使用。 26.アポタンパク質がリポタンパク質の形態である、請求項4記載の使用。 27.リポタンパク質がカイロミクロンを含有する、請求項26記載の使用。 28.リポタンパク質がカイロミクロンレムナントを含有する、請求項26記載 の使用。 29.リポタンパク質がVLDLを含有する、請求項26記載の使用。 30.リポタンパク質がIDLを含有する、請求項26記載の使用。 31.リポタンパク質がLDLを含有する、請求項26記載の使用。 32.リポタンパク質がHDLを含有する、請求項26記載の使用。 33.分子が、少なくともその一部が非ペプチド結合で結合するアミノ酸残基を 含有する、請求項1または2記載の使用。 34.少なくとも一個のアミノ酸がD−アミノ酸である、請求項3記載の使用。 35.分子が合成ペプチド疑似体である、もしくはそれを含有する、請求項1ま たは2記載の使用。 36.分子が糖および/または脂質部分を含有する、請求項1または2記載の使 用。 37.1もしくはそれ以上の請求項1から36のいずれかに定義される分子、お よび、製薬学的もしくは獣医学的に使用できる担体を含有し、腸管投与に適合す る製剤。 38.単位投与量の型である、請求項37記載の製剤。 39.経口投与に適合する、請求項37または38記載の製剤。 40.固型である、請求項37、38、または39記載の製剤。 41.腸溶耐性を有するように処方された、請求項39または40記載の製剤。 42.直腸投与のために処方された、請求項37記載の製剤。 43.コレステロール生合成阻害剤を含有する、請求項37から42のいずれか に記載される製剤。 44.コレステロール生合成阻害剤が3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補 酵素A(HMG−CoA)還元酵素の阻害剤である、請求項43記載の製剤。 45.HMG−CoA還元酵素阻害剤がスタチンである、請求項44記載の製剤 。 46.スタチンがシンバスタチンである、請求項45記載の製剤。 47.高コレステロール血症もしくは他の高脂血症の予防もしくは治療、および /または、肥満の予防もしくは治療における、同時投与、個別投与、もしくは逐 次投与のための、請求項1から36のいずれかに定義した分子およびコレステロ ール生合成阻害剤を含有する生産物。 48.コレステロール生合成阻害剤が3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補 酵素A(HMG−CoA)還元酵素の阻害剤である、請求項47記載の生産物。 49.HMG−CoA還元酵素阻害剤がスタチンである、請求項48記載の生産 物。 50.スタチンがシンバスタチンである、請求項49記載の生産物。 51.1もしくはそれ以上の両親媒性部分を含有する効果的な量の分子を患者も しくは被検体に腸管投与することを含む、高脂血症もしくは高コレステロール血 症の治療もしくは予防の方法。 52.1もしくはそれ以上の両親媒性部分を含有する効果的な量の分子を患者も しくは被検体に腸管投与することを含む、肥満の治療もしくは予防の方法。 53.効果的な量のアポタンパク質を患者もしくは被検体に腸管投与することを 含む、アテローム性動脈硬化症の治療もしくは予防の方法。
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