JP2000507974A - 多糖―ペプチド複合体 - Google Patents

多糖―ペプチド複合体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、繰り返し単位から構成される多糖鎖と、複数のペプチド部分とからなり、ペプチドの各部分が、システイン残基を含有し、かつ多糖鎖に沿ってランダムに、システイン残基のチオール基と、多糖のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基が関与する間接結合を介して共有結合しており、間接結合は、リンカーまたはスペーサー−リンカー部分を介して完成され、ただし、スペーサー体またスペーサー−リンカー部分が多糖のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基と結合している、多糖が有利に免疫原性である多糖類−ペプチド複合体に関する。この目的のための有用なリンカーは、例えば、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステルであってよい。かかる複合体は、典型的には「レーキ」配置を示しうる。複合体の製造方法も開示する。本発明の複合体は、とりわけ、ワクチンの分野で有用であり、該免疫原性多糖が由来する病原性微生物に対する長期の保護免疫応答を惹起する。

Description

【発明の詳細な説明】 多糖−ペプチド複合体 本発明は、多糖−ペプチド複合体(conjugate)およびその製造法に関する。 本発明の格別な具体例において、該複合体は、細菌性または真菌性多糖類を使用 しており、したがって、ワクチンとして有用である。 多糖類は、種々の技術分野で有用な高分子物質の1つの広いファミリーを構成 している。いくつかの場合では、それらを、例えば、蛋白質またはペプチドのよ うなポリペプチドと結合させることが要求される。例えば、多糖類はペプチド試 薬用のマトリックス媒体として診断または精製技術で使用されている。デキスト ランのような非免疫原性多糖類も、EP326111に記載されているように免 疫系に小ペプチドを与えるのに有用である。実際、ペプチドは、蛋白質担体に結 合させるか、アジュバントと共に投与すべきであり、最も一般的なアジュバント はアルミニウム化合物である。しかしながら、これらのアジュバントと、混合、 吸着または沈澱させた小ペプチドはアルミニウムゲルによって妨害されることが あり、そのため、免疫系に利用できない。この問題を克服するため、EP326 111は、ペプチドを非免疫原性多糖と結合(conjugate)させることができる ことを教示している。アルミニウム化合物の存在下で、このような複合体は、該 ペプチド部分に対する免疫応答を惹起することができる。 ワクチンの分野でも、例えば、ペプチドまたは蛋白質のようなポリペプチドを 免疫原性多糖類と結合させることに高い関心が寄せられており、該多糖類に対す る免疫応答が追求されている。事実、細菌の莢膜および細胞壁(真菌の細胞壁も )は、哺乳動物には通常見られないエピトープ・モチーフを有し、免疫原性を伝 達できる非常に特異的な繰り返し単位から構成される多糖類を必須として構築さ れている。したがって、例えば、莢膜多糖類のような多糖類は、髄膜炎、肺炎、 腸チフスのような細菌性疾患に対するワクチンとして既に使用されている。 しかしながら、多糖類をワクチンとして使用する場合、1つの大きな問題があ る。 多糖類が免疫原性であること、すなわち、換言すれば、多糖類は、それ自体哺乳 動物に投与すると、たとえ、不十分であっても、免疫応答を惹起することが証明 されているが、多糖類は、それらがT−細胞の助けなしにB−細胞産生を誘発で きる数少ない抗原に属する点で特異的である。したがって、多糖類はT−独立性 と呼ばれる。 T−独立性抗原によって誘発される免疫応答は多くの態様によって特徴付けら れ、とりわけ、 (i)一次応答が、T−依存性抗原に対する応答よりも弱く、早い; (ii)抗体応答が、T−依存性抗原で見られるような親和性増加を伴う高Ig G産生に成熟しない; (iii)T−独立性抗原に対応する免疫記憶は乏しく、免疫記憶はワクチン接 種原理の根底を構成する二次免疫応答のキイであるので、T−独立性抗原は、長 期の保護免疫応答を誘発するためには不十分な抗原である;および (iv)幼児は、1または2歳前は、多糖類に対して応答できない。 二次免疫応答を誘発させるためには、T−独立性抗原は、ジフテリアまたは破 傷風トキシンのような、抗原にT−依存性特性を与える担体蛋白質と共有結合さ せることが必要である。これらの複合体は、ついで、免疫応答を増強させるため に、アルミニウム化合物またはフロインドの完全もしくは不完全アジュバント( 後の2つは、もっぱらヒト以外の哺乳動物に使用される)のようなアジュバント で補足してもよい(アジュバント効果)。 「担体」なる用語は、抗原、例えば、多糖に共有結合した場合に、該抗原に対 するT−依存性応答を促進できる分子を意味する。そのような応答は、抗原−担 体複合体の、日、週または月を分けた少なくとも2回の接種(初回免疫およびブ ースター)をすることからなるワクチン接種計画により示される。最初の接種( 初回免疫)により、弱い抗体応答が示され、ブースター接種により、高レベルの 抗体応答が惹起される。このような拡大された応答は、非結合抗原によって構成 される陰性対照では見られない。 種々の結合方法が、既に当該分野において利用されている。通常関与する多糖 官 能性基は、鎖に沿って位置するアミノ、カルボキシルまたはヒドロキシ基か、末 端または鎖に沿ったアルデヒド基よい。通常関与するポリペプチド官能性基は、 末端またはアミノ酸側鎖に存在するアミノまたはカルボキシル基でよく、または チオール基であってもよい。 一般的な方法においては、多糖複合体は、結合に関与する官能性基の多糖(鎖 に沿うか、末端か)および担体の両方における位置に応じて3つの型の構造を示 しうる。これらの構造型は、記載の便宜上、「太陽(Sun)」または「耳(Ear) 」、「レーキ(Rake)」および「格子(Lattice)」型と称される。それらを図 1に示す。図1中、(A)、(B)および(C)は、各々、「太陽」(ネオ複合 糖質)、「レーキ」および「格子」型を示す。 「太陽」型においては、多糖は、もっぱら多糖鎖の末端に位置している反応性 基を介して蛋白質またはペプチドと結合している。通常、これには多糖鎖の還元 性末端に位置しているカルボキシル基が関与する。蛋白質に幾つかの多糖鎖が結 合でき、結合には、通常、例えば、リジン残基が有するアミノ基が関与する。そ のような複合体もネオ複合糖質と定義される。例えば、この型の複合体は、Alon so de Velasco et al.,Infect.Immun.(1995)63:961;Paradiso et al.,Vaccine R esearch(1993)2(4):239;およびJenningsの米国特許第4,356,170号で完成 されている。 「レーキ」型においては、ペプチドは、多糖鎖に沿って結合している。この型 の例は、Lett et al.,Infect.Immun.(1995)62:785、さらに適切には、Lett et al.,Infect.Immun.(1995)63:2645およびKoenen-Waisman et al.,J.Immunol.(199 5):5977に記載されている。結合は、ペプチド鎖の内部または末端アミノ基の1 つのリジン残基が関与する。 「格子」型においては、蛋白質および多糖が架橋している。これは、ペプチド よりも蛋白質を使用すること(通常、蛋白質に沿ってアミノまたは酸基が位置す る)および多糖鎖に沿って位置する反応性基が関与することにより可能となる。 この型の複合体は、Andersonの米国特許第4,673,574号に記載されている 。J.Exp.Med.(1980)152:361も「格子」型を導く結合方法を記載している。これ は、CNBrを使用し、リンカーとしてアジピン酸ジヒドラジド(ADH)を使 用する。全て多糖鎖 に沿って存在するヒドロキシ基および蛋白質の側鎖アミノ酸が関与する。 これらの構造の各々が種々の結合方法で完成できる。結合は、Andersonの米国 特許第4,673,574号、Jenningsの米国特許第4,356,170号、Lettet al.またはKoenen-Waisman et al.に記載の直接結合でよい。また、結合は、Schn eerson et al.によって説明さていれるようなリンカー分子を使用する間接結合 でもよい。リンカーに加えて、Alonso de Valsesco et al.またはParadiso et a l.(肺炎球菌多糖について)に記載されるようなスペーサーも使用できる。多 糖、蛋白質、リンカーおよび所望によりスペーサーに存在する種々の官能性基が 関与できる。 上記で引用した幾つかの先行文献には、以下のとおり、さらに詳細に記載され ている。 Alonso de Velasco et al.において、担体は、どちらかの末端に1つのシステ イン残基を含む約20アミノ酸残基のペプチドである。ストレプトコッカス・ニ ウモニア(Streptococcus penumoniae)17F多糖を、まず、NaCNBH3の存 在下、ジアミノプロパンで還元アミノ化して還元末端を誘導体化する。この誘導 体化した多糖を、リンカーとしてN−スクシンイミジルブロモ酢酸でブロモアセ チル化し、こうして活性化された多糖を、ペプチドのN−またはC−末端の1つ のシステイン残基のチオール基と結合させる。 Lett et al.(1994)では、エス・ミュータンス(S.mutans)またはサ ッカロミセス・セレビシア(Saccaromyce cerevisiae)多糖をまず、過ヨウ素酸 塩で酸化して多糖鎖に沿ってアルデヒド基を形成させる。ついで、この酸化多糖 を、NaCNBH3の存在下、還元アミノ化によりペプチドと直接結合させる。 Paradiso et al.においては、2つの多糖類を使用する。肺炎球菌多糖および ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)のポリリビトールリ ン酸(PRP)である。肺炎球菌の酸性加水分解により、アルドース基が多糖鎖 の末端に形成される。ついで、ピリジンボランの存在下、ジアミノメタンで還元 アミノ化し、鎖端にアミノ基を付加する。この誘導体化された多糖を、アジピン 酸のスクシンイミジルジエステルで活性化し、蛋白質またはペプチドのアミノ酸 基と結合させる。PRPについては、これをまず、過ヨウ素酸塩を用いる酸化開 裂に付し、両端 にアルデヒド基を形成させる。ついで、酸化PRPを蛋白質およびペプチドのア ミノ基と結合させる。両方の場合とも、「太陽」構造が形成される。 Koenen-Waisman et al.では、Vi多糖およびペプチド(どちらもシステイン残 基を含有していない)または蛋白質を(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エ チルカルボジイミド塩酸塩(EDAC)の存在下に直接一緒に結合させている。 この結合には、多糖のカルボキシル基と、蛋白質またはペプチドのアミノ基が関 与している。その結果、蛋白質を使用する場合、「格子」構造が形成される。ペ プチドを使用する場合、構造は、アミノ基を有するアミノ酸の数に依存する。構 造は、単純な「格子」構造か、「レーキ」構造である。 容易に理解できるように、結合に関与する官能性基が全て多糖に沿って存在す る場合、担体が蛋白質(蛋白質の幾つかのアミノ基またはカルボキシル基が結合 に利用される)であれば、これは架橋複合体を導く。もし、ポリペプチド担体が 1つの結合部位を含むのであれば(これは、十分に小さい場合、しばしば起こる )、その複合体は、「レーキ」構造を示す(もし、結合を密閉系で、ポリペプチ ドの1つの官能性基のみが反応するような難しい制御をすれば、これは、ポリペ プチドがいくつかの結合部位を有する場合にも起こる)。結合方法が、天然のポ リペプチド(またはそのフラグメント)のカルボキシル基またはアミノ基を使用 する場合、カルボキシル基またはアミノ基はポリペプチド上に頻繁に存在するの で、「レーキ」構造を得るためには後者は非常に少ない。 この度、システイン残基のチオール基を使用して、「レーキ」構造を簡単に製 造できる結合方法を見出した。システイン残基は、リジンやアスパラギン酸より も頻度が少ないので、この方法は大きなペプチドの結合に適している。 生物学的に製造され、または合成された場合、ペプチドは容易に精製でき、し たがって、より純粋で明確であるから、担体として、ペプチドは蛋白質よりも幾 つかの有利な点を有している。有害な性質(毒性)を有しうる拒体蛋白質と異な り、ペプチドは担体の性質のみを発揮するようにこれらの蛋白質から誘導するこ とができる。 しかしながら、当該分野に公知の多糖−ペプチド複合体は、対応するそれらの 多 糖−蛋白質複合体よりも免疫原性が少なく、明らかにアジュバントの使用が必要 である。驚くべきことに、この新規方法で作った多糖−ペプチド複合体は、良好 な免疫原性を有している。この点についての1つの理由は、ペプチド部分が十分 なサイズを有していることである。 したがって、本発明は、 (i)少なくとも6つのアミノ酸残基からなり、そのうちの少なくとも1つが システイン残基であるペプチド部分、 (ii)少なくとも4つの繰り返し単位からなる多糖鎖、および (iii)該システイン残基のチオール基と結合し、かつ(a)該多糖鎖の天然 のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基、または(b)該多糖鎖の天然のN −アシル基の加水分解で生じたアミノ基、または(c)該多糖鎖の天然のアミノ 、ヒドロキシまたはカルボキシル基に結合するスペーサー部分から由来する該多 糖鎖に誘導された官能性基と結合したリンカー部分からなることを特徴とする、 多糖が有利に免疫原性である多糖−ペプチド複合体に関する。 天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基は該繰り返し単位に見出され 、したがって、全て多糖鎖に沿って存在するので、本発明の複合体は典型的には っ上記した「レーキ」構造を示す。したがって、本発明の複合体について以下の 別の同等な定義を与えることもできる。 換言すると、本発明の複合体は、繰り返し単位から構成される多糖鎖と、複数 のペプチド部分とからなり、ペプチドの各部分が、システイン残基を含有し、か つ多糖鎖に沿ってランダムに、システイン残基のチオール基と、多糖のアミノ、 ヒドロキシまたはカルボキシル基が関与する間接結合を介して共有結合しており 、間接結合は、リンカーまたはスペーサー−リンカー部分を介して完成され、た だし、スペーサー体またスペーサー−リンカー部分が多糖のアミノ、ヒドロキシ またはカルボキシル基と結合している。 「ペプチド」なる用語は、少なくとも6個、有利には200個以下のアミノ酸 残基を有するアミノ酸鎖を意味する。ペプチドは、有利には、少なくとも10個 、好ましくは少なくとも約15個、さらに好ましくは少なくとも約20個のアミ ノ酸残基 を含有する。有利には、最大約150個、好ましくは最大100個または最大約 50個のアミノ酸残基を含む。好ましいペプチド鎖は、約50〜150個のアミ ノ酸残基を含有する。 本発明で使用するには、ペプチドは1個または数個のシステイン残基を含有し てよい。システイン残基は、リンカーとペプチドの結合を提供する。結合にシス テイン残基を使用することは、通常ペプチドのシステイン残基の量が低いので結 合の選択性が増強される。システイン残基はペプチドの端部またはペプチド鎖の 中のいずれかに存在できるが、ただし、この部位での結合がペプチドの構造およ び性質によって妨げられてはならない。システインの量と関係なく、1つのシス テイン残基がN−またはC−末端に位置することが好ましい。 より好ましくは、ペプチドは2つのシステイン残基を含み、その各々が1端に 位置するか、どちらかの端に1つのシステイン残基が存在し、この後者が最も好 ましい。 ペプチドの全アミノ酸配列は天然のままでもよく、また、より大きいポリペプ チドの一部でもよい。ペプチドは、そのN−またはC−末端あるいは両方がさら なるシステイン残基によって延長されている天然の配列によって構成されていて もよい。 ワクチン複合体での担体として使用するために、ペプチドは、有利には少なく とも1つのT−依存性エピトープを含有し、したがって、例えば、哺乳動物に複 合体を投与すると、T−依存性抗原となる多糖に対する長期の保護免疫応答の発 達を可能にする。 本発明で用いるには、ペプチドは化学的に合成しても、また、組替え手段によ って製造してもよい。いずれの方法も、常法に従って行うことができる。 本発明の複合体は、1つのペプチドを含んでもよく、この場合、多糖鎖に沿っ て存在するペプチド部分は全て相互に同じである。また、複合体は、例えば、異 なるエピトープを有する数個のペプチドを含んでいてもよい。しかし、少ない数 のペプチドが好ましく、好ましくは6個以下、さらに好ましくは2または3個で ある。第1のペプチドがT−依存性エピトープを有し、一方、第2のペプチドが B−エピトープを有していてもよい。 本発明の複合体において使用する多糖類は、いずれの種類のものでもよい。本 発明の一具体例において、複合体はワクチン用に製造され、したがって、適当な 多糖類には、莢膜多糖類、O−特異性側鎖のようなグラム陰性細菌の細胞壁リポ 多糖類(LPSまたはLOS)から誘導される多糖類および真菌細胞壁多糖類が 包含される。例えば、多糖類は、シウドモナス・アエルギノーサ(P.aeruginosa) のようなシウドモナス属(Pseudomonas)、スタフィロコッカス属(Staphy1ococci )、ストレプトコッカス属(Streptococci)、特にストレプトコッカス・ニウモ ニア(S.pneumoniae)、クレブシエラ属(Klebsiella)、例えば、クレブシエラ ・ニウモニア(Klebsiella pneumoniea)、サルモネラ属(Salmonellae)、例え ば、サルモネラ・チフィ(S.typhi)およびサルモネラ・パラチフィ(S.paraty phi)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli) K1、K100、0157:H7、ナイセリア属(Neisseriae)、例えば、ナイセリ ア・メニンギティディス(N.meningitidis)、シゲラ属(Shigella)、例えば、 シゲラ・ディセンテリア(S.dysenteriae)、シゲラ・ソムネイ(S.somnei) およびシゲラ・フレクセネリ(S.flexneri)、ヘモフィルス属(Haemophilus) 、例えば、ヘモフィルス・インフルエンザ(H.influenzae)・タイプbを包含 する細菌およびカンジダ属(Candida)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス (Cryptococcus heoformans)およびハンセヌラ属(Hansenula)のような真菌か ら誘導できる。 多糖類は繰り返し単位から構成される。本発明の複合体で使用するには、多糖 類は少なくとも4つ、好ましくは3,000までの繰り返し単位を含む。特に、 ワクチン成分として使用するには、多糖類は、好ましくは、4〜1,000、さ らに好ましくは7〜700、最も好ましくは50〜200の繰り返し単位から構 成される。 繰り返し単位は、所定の多糖類の特徴であり、その組成および分子量は多糖類 によって大きく変化する。例えば、大部分の莢膜多糖類の繰り返し単位は、ヒド ロキシおよびカルボキシル基からなるが、それらのいくつかはアミノ基を含むが (例、ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型1)、他のものは含まない(例 、ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型14);そのいくかはN−アセチル を含むが(例、ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型14)、他のものはそ うではない(例、 ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型6B)。また、一例として、ストレプ トコッカス・ニウモニア・タイプ3および4の莢膜多糖類の分子量は、各々、3 60および847である。かくして、多糖組成に関係なく、繰り返し単位の量と 、多糖類の分子量との間には、世界的に適応できる一般的な対応はない。しかし 、本発明で使用する多糖は、好ましくは、平均分子量10,000〜500,00 0を有することを独立して示すことができる。多糖は一様でないサイズの分子の 集団で構成されるので、多糖の分子量は常に平均値で表される。 多糖類は、常法に従って、化学的に合成しても、もし存在するのであれば、天 然源から精製してもよい。例えば、細菌または真菌多糖類の場合、微生物から抽 出し、要すれば、毒性部分を除去する処理をすることができる。特に有用な方法 は、Gotshlich et al.,J.Exp.Med.(1969)129:1349に記載されている。 多糖類は、合成または精製して使用できる。それらはまた、使用前に解重合す ることもできる。事実、天然の莢膜多糖類は通常、分子量が500,000を超 える。例えば、平均10,000〜20,000の低分子量の莢膜多糖類を使用す ることが好ましい場合、精製された多糖類を破砕(fragmentation)に付しても よい。この目的のため、公知の方法が利用でき、例えば、WO93/7178は 還元酸化による破砕法を記載している。 結合に関与する多糖のヒドロキシ、カルボキシルまたはアミノ基は天然の官能 性基とすることができる。また、それらは、特異的な処理により人工的に導入さ れていてもよい。アミノ基は、天然のN−アシル基、例えば、N−アセチル基の 制御された酸性または塩基性加水分解で形成されていてもよい。 ヒドロキシ、カルボキシル、アミノ基等を包含する官能性基(好ましくは、ア ミノ基)は、天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシルに結合したスペーサ ー部分を誘導する際に導入してもよく、この目的のためには後2者の基が好まし い。典型的には、スペーサーは、その一端で多糖の天然のヒドロキシ、カルボキ シルまたはアミノ基と反応で基、他端がリンカーと反応できる二官能性分子であ る。かくして、スペーサーは、限定するものではないが、ヒドロキシ、カルボキ シルおよびアミノ基を包含する官能性基を与える。スペーサーによって導入され る他の有用な官 能性基は、以下に詳細に説明するチオール基であってもよい。 以上で記載した以外の官能性基も、特異的処理により導入できる。例えば、隣 接するヒドロキシ基を持つ2つの炭素原子間の炭素−炭素結合を開裂する過ヨウ 素酸処理により、アルデヒド基を、全て多糖鎖に沿って導入できる。過ヨウ素酸 処理は、好ましくは、鎖がそのような開裂に影響されない多糖、例えば、ストレ プトコッカス・ミュータンスからの多糖に行う。 アルデヒド基を複合体形成の目的で全て鎖に沿って導入する場合、用いるリン カーはアミノ基を提供する。 スペーサーおよびリンカーとして使用する化合物を、以下にさらに説明する。 しかし、ここで説明することは、リンカーが、例えば、免疫系に与えたときに、 ペプチドと多糖部分が相互に妨害しないように適当な長さを有する二官能性分子 であるということである。リンカー部分は、有利には、ペプチドのシステインと 、ジスルフィド架橋またはチオエーテル結合を介して結合し、多糖のヒドロキシ 基とエーテルまたはエステル結合を介して、アミノ基とアミドまたはカルバメー ト結合を介して、カルボキシル基とエステル、アミドまたはカルバメート結合を 介して、またはアルデヒド基と還元イミン結合を介して結合する。 本発明の複合体によって惹起される免疫応答の性質および強度は、ペプチド: 多糖の割合に大きく影響されうる。多糖に存在するB−エピトープと、ペプチド が担持するT−依存性エピトープが免疫系に利用され、正しく提供されることが 必須である。かくして、両方のタイプのエピトープが、十分に、かつ、例えば、 多糖エピトープのペプチド部分による立体障害を避けられるようなバランスの取 れた量で存在すべきである。免疫応答を最適化するため、ペプチド1モルにつき 、1〜50モルの繰り返し単位の割合が適当である。好ましくは、この割合は、 ペプチド1モルにつき、3〜30モルの繰り返し単位であり、さらに好ましくは 、この割合は、ペプチド1モルにつき、5〜20モルの繰り返し単位である。 本発明の複合体は、当該免疫原性多糖が由来する病原性微生物に対する長期免 疫保護を惹起するワクチンの分野で特に有用である。 したがって、本発明はまた、治療的または予防的有効量の本発明の複合体と、 医 薬上許容される希釈剤または担体とからなる医薬組成物も提供する。かかる組成 物は常法により製造される。また、組成物は、例えば、アルミニウム化合物のよ うなアジュバントのごとき他の成分を含有することもできる。適当なアルミニウ ム化合物には、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムが包含される。好まし い具体例においては、本発明の複合体の免疫原性を増強するためのアジュバント の使用は必要ない。本発明の組成物は、ワクチン分野で使用される通常の投与経 路によって投与できる。投与経路の選択は、アジュバントの使用のような多くの パラメーターに依存する。 本発明のさらなる態様は、少なくとも6つのアミノ酸残基を有し、そのうちの 少なくとも1つがシステイン残基であるペプチドを、少なくとも4つの繰り返し 単位からなる多糖鎖、とりわけ、免疫原性と結合させる方法であって、該システ イン残基のチオール基を介してリンカーとカップリングさせ、また、多糖鎖を、 (a)該多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基、または(b )該多糖鎖の天然のN−アシル基の加水分解で生じたアミノ基、または(c)該 多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基に結合するスペーサー 部分から由来する該多糖鎖に誘導された官能性基を介して該リンカーとカップリ ングさせることを特徴とする方法に関する。 好ましくは、リンカーをまず、多糖または誘導体化された多糖と反応させて、 活性化多糖、すなわち、ペプチドとカップリングする官能性基を与えるリンカー を持つ多糖を得る。第二の工程において、この活性化多糖をペプチドと反応させ 、リンカーの官能性基、すなわち、R1と、ペプチドのシステイン残基のチオー ル基とを反応させる。 換言すると、システイン残基を含有するペプチドを、少なくとも4つの繰り返 し単位を有する多糖、とりわけ、免疫原性多糖と結合する方法が提供され、該方 法は、 (i)チオール基と反応できる二官能性リンカーで多糖を活性化し、複数のリ ンカーが多糖鎖に沿って共有結合でランダムに導入された活性化多糖を得、つい で (ii)工程(i)で得られた活性化多糖を、ペプチドと反応させてペプチド体 が、それらのシステイン残基を介してリンカー部分と共有結合した複合体を得る か、 (iii)ペプチドをチオール基と反応できる二官能性リンカーで活性化し、つ いで (iv)(iii)で得られた活性化ペプチドを多糖と反応させて、複数の活性化 ペプチド体が共有結合により多糖鎖に沿ってランダムに導入された複合体を得る ことからなる。 好ましい方法は、工程(i)および(ii)に従うものである。 本発明の有利な方法は、工程(ii)において、ペプチド1モル当たり、繰り返 し単位1〜50モル、好ましくは、ペプチド1モル当たり、繰り返し単位3〜3 0モル、さらに好ましくは、ペプチド1モル当たり、繰り返し単位5〜20モル を含む複合体を製造するのに十分な量の多糖上のリンカー部分導入が行える条件 下で、多糖を二官能性リンカーと反応させることからなる。同様に、別法は、工 程(iv)において上記した特徴を有する複合体を製造するのに十分な量の多糖上 の活性化ペプチドの導入が行える条件下で、多糖と活性化ペプチドを反応させる ことからなる。 有利なリンカーは、式(I)R1−A−R2で示されるもので、式中、R1は チオール基と反応できる官能性基、Aは、芳香族鎖または、好ましくは、例えば 、置換されているか、されていない炭素鎖のような脂肪族鎖、R2は、多糖の官 能性基と反応できる官能性基を意味する。 鎖Aは、短すぎても(立体障害を避けるため)、長すぎても(免疫原性部分の 妨害を避けるため)いけない。すなわち、鎖Aは、1〜12、好ましくは3〜8 の炭素数からなり、さらに好ましくは、C2−C8アルキレン、フェニレン、C7 −C12アラルキレン、C2−C8アルキル、フェニル、C7−C12アラルキル、C6 アルカニルオキシおよびベンジルカルボニルオキシから選択され、アルキル、フ ェニル、アルキレンおよびフェニレンは置換されていても、されていなくてもよ い。 R1は、好ましくはチオール基、α,β−不飽和カルボニルまたはイミジル基 、アシルハロゲンまたはアルキルハライド、ここにハロゲン原子はBr、Clまた はIである。より好ましい具体例では、R1はα,β−不飽和カルボニルまたは イミジル基、特に、マレイイミジル基である。 R2は、多糖との結合を提供するリンカーの官能基である。すなわち、R2は 、 とりわけ、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシまたはアルデヒド基と反応できる 基である。好ましくは、R2は、アミノ、カルバモイル、アミノカルバモイル、 カルボキシル、ヒドロキシ、スクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスクシンイ ミジル)およびスルホスクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスルホスクシンイ ミジル)から選択される。リンカーをアミノ基と反応させる場合、R2は、好ま しくは、カルボキシル、スクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスクシンイミジ ル)およびスルホスクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジ ル)である。リンカーを、ヒドロキシ、カルボキシルまたはアルデヒド基と反応 させる場合、R2は、好ましくは、アミノ基またはアミノ基を有する化学基、例 えば、R2はヒドラジド基、すなわち、NH2−NH−CO−である。 リンカーとして有用な化合物には、スクシンイミジル−4−(N−マレイイミ ドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、N−スクシンイミジル−4 −(4−マレイイミジルフェニル)ブチレート、N−スクシンイミジル−4−マ レイイミドブチレート、N−スクシンイミジル−3−マレイイミドベンゾエート が包含される。 上記したごとく、多糖は、結合前にスペーサーで誘導体化することができる。 すなわち、多糖は、まず、式(II)R3−B−R4のスペーサーと反応させるこ とができる。式中、R3は、アミノ、カルボキシルまたはヒドロキシと反応でき る官能基、Bは芳香族または脂肪族鎖、R4は、さらなる結合工程において使用 するリンカーのR2と反応できる官能基を意味する。 鎖Bは炭素鎖、好ましくは、カルボニル、C1−C12アルキルまたはアルキレ ンあるいはジカルボニルである。 好ましくは、R3およびR4は、独立して、アミノ基またはアミノ基を有する 化学基、例えば、ヒドラジド基、すなわち、NH2−NH−CO−である。 本発明のスペーサーとして有用な化合物には、システアミン、システイン、ヂ アミン、例えば、ジアミノヘキサン、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ウレ ア、セミカルバジドおよびシスタミンが包含される。 スペーサーとしてシステアミンまたはシステインを使用する場合、チオール基 を 多糖に導入する。この場合、組み合わせて使用する有用なリンカーには、例えば 、ビスマレイイミドヘキサンのようなビスマレイイミジル化合物が包含される。 本明細書に記載の適当なペプチド:多糖比を示す複合体を得るために、反応条 件、例えば、誘導体化および/または活性化工程に関与する試薬の濃度をテスト し、調整することは当業者が適宜行える範囲のものである。さらなるガイダンス を以下に示す。 多糖のアミノ基が反応する場合、反応は、好ましくは、カルボジイミド化合物 、例えば、(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 (EDAC)の存在下、pH4〜7で行われる。ただし、反応に関与するリンカ ーまたはスペーサーの官能基はカルボキシルである。 多糖のカルボキシル基が反応する場合、反応は、好ましくは、上記のようなカ ルボジイミド化合物の存在下で行われる。ただし、反応に関与するリンカーまた はスペーサーの官能基は、アミノ基である。 多糖の繰り返し単位:カルボジイミドのモル比は、有利には、0.1〜2、好ま しくは0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.6の範囲である。容易に理解でき るごとく、この比を調整することにより、繰り返し単位当たりのペプチドの量を 調節できる。 多糖のアミノ基がスクシンイミジルまたはスルホスクシンイミジルと反応する 場合、反応は、有利には、pH6〜9、好ましくは約7.5で行われる。スクシ ンイミジル基はアミノ基とだけ反応する。適当な実験条件を使用する場合(例え ば、過剰のリンカー)、ほとんど即座、すなわち、約5分以内に反応する。反応 に使用する多糖がアミノ基を有する天然多糖であれば、スクシンイミジル基の置 換量を調節する唯一の可能性は、反応溶媒の希釈を高めるか、またはリンカーの 量を低減するような不利な実験条件を使用する(さもないと、反応が即座に起こ り、全てのアミノ基が置換される)。これにより、ペプチドの繰り返し単位に対 する割合を調整することが可能となる。多糖上にアミノ基を誘導するために加水 分解または誘導体化を使用する場合、この割合は、多糖上でのアミノ基の出現を 調節することにより、容易に調節できる。 多糖のヒドロキシ基を反応させる場合、反応は好ましくは、シアン化合物の存 在下、この化合物が臭化シアンであれば、pH8〜12で、この化合物が1−シ アノ−4−ジメチルアミノピリジニウム・テトラフルオロアセテートであれば、 pH6〜10、好ましくは、6〜8で行われる。多糖繰り返し単位:シアノ化合 物のモル比は、有利には、0.1〜3、好ましくは0.1〜2の範囲である。 多糖鎖に沿って存在するアルデヒド基が反応する場合、反応は好ましくは、シ アノボロヒドリド、例えば、NaCNBH3の存在下、pH6.5〜8で行われる 。 本発明の方法を実施することにより、多糖とペプチド部分が、リンカーまたは リンカーとスペーサーとの組み合わせを介して結合し、リンカーまたはリンカー /スペーサー部分が最適な長さを有し、多糖−ペプチド結合が安定である複合体 が得られる。さらに、多糖の繰り返し単位に対するペプチドの比が免疫目的に最 適な複合体が得られる。 以下、本発明をさらに説明する。 実施例1 以下の配列を有する合成105マー・ペプチドの調製 このペプチドは、自動ペプチド合成器(モデル431A、Applied Biosystems )で、FastMoc試薬を用いて合成した。固相は、C−末端アミド・キャップ・ペ プチドを生ずるRink樹脂(0.13mM TentaGel S RAM Spezial,0.15mM g-1,Rapp Polymere,Tuebingen,Germany)であった。合成には、O−t−ブチ ル− (アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニンおよびチロシンカルボキ シルまたはヒドロキシ基について)、トリチル−(ヒスチジン、アスパラギンお よびグルタミンアミノまたはイミノ基について)、t−ブチルオキシカルボニル −(リジンアミノ基について)またはPMC(ペンタメチルクロマン−6−スル ホニル)(アルギニンイミノ基について)側鎖保護と共に、Fmoc(9−フル オレニルメチルオキシカルボニル)保護アミノ酸を使用した。 活性化およびカップリングは、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル) −3,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU) /ジイソプロピルエチルアミンの存在下に行った。1−2、4、10−13、1 7、27、32、49、59、66、75−78、84−85、88、96−9 7および104−105サイクルにおいて、ダブルカップリングを行い、遊離の アミノ基を無水酢酸でアシル化してブロックした。最後のサイクルの後、ペプチ ドをピペリジンで脱保護し、最終生成物を無水酢酸でN−末端アセチル化した。 側鎖の脱保護および樹脂担体からの開裂は、2.1%(v/v)1,2−エタン ジオール、4.2%(v/v)チオアニソール、4.2%(v/v)水、6.2%( v/v)フェノールおよび83%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)を使用し て室温にて3時間行った。樹脂を濾去し、溶液が無色になるまでトリエチルシラ ンを滴下した。ついで、この溶液を室温で3時間インキュベートした。t−ブチ ルメチルエーテルで沈澱させ、ついで遠心分離し、凍結乾燥して粗ペプチド(3 60mg)を回収した。粗ペプチド(130mg)を、50mMジチオスレイト ールを含有する50mMエチルモルホリン(40ml、pH8.3)に溶解し、 室温で一夜インキュベートした。10%TFAでpHを3.5に調整し、アセト ニトリルの25〜45%(v/v)グラジエント、0.1%TFA(10ml 分-1)、グラジエント0.33%分-1を用いる逆相HPLC(Pep-S,C2/C8,100 Å pore size,12μm 22.5mm×25cmm,Pharmacia)でペプチドを精製した。ペプ チドは、約25%アセトニトリルにおいて1つのピークとして溶出し、さらに使 用する前に、このピーク(73mg)を凍結乾燥した。HPLCによる分析およ びマス・スペクトル分析は、最終生成物の65%以上が所望の配列に相当したこ とを 示した。N−末端配列は、N−末端アセチル化前に取り出した試料のN−末端エ ドマン・シーケンシングによって確認した。 実施例2 ナイセリア・メニンギティディス血清型C多糖−ペプチド複合体 ナイセリア・メニンギティディス血清型Cからの莢膜多糖(以下、多糖Cと称 する)の乾燥粉末を、Gotschlich et al,J.Exp.Med.(1969)129:1349に記載 される抽出法により得た。多糖C100mgを0.2M NaClに溶解し、最終 濃度11.1mg/mlとした(溶液A)。並行して、0.2M NaCl中、0. 2Mアジピン酸ヒドラジド(ADH)の溶液を調製した(溶液B)。0.2M NaCl中、エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC)の0.5 M溶液も調製した(溶液C)。9mlの溶液A、10mlの溶液Bおよび1ml の溶液Cを混合し、5mg/mlの多糖C、0.125MのADHおよび0.02 5MのEDACを含有する調製物を得た。0.1M HClを添加してpHを6. 5に調整し、このpHを45分間の全反応期間中維持した。温度は約20℃であ った。 反応を、40μlの0.1N NaOHにより停止させた。pHは7.1に上昇し た。反応混合物を0.5M NaCl、10mMリン酸塩、ついで水に対して透析 し、凍結乾燥した。 誘導体化された多糖CのサイズをHPLC排除カラムTSK4000(Tosoha as製)で調節した。その結果、誘導体化の間、解重合が起こらなかったことが示 された。 誘導体化の間、約3.4%の繰り返し単位がNH2基によって誘導体化された。 凍結乾燥生成物を0.02Mリン酸緩衝液(pH7)に濃度6.25mg/ml で溶解し、脱気した。窒素雰囲気下、N−(γ−マレイイミドブチリルオキシ) スクシンイミドエステル(GMBS)をジメチルスルホキシド(DMSO)に、 濃度25mg/mlで溶解し、ついで等量の誘導体化多糖Cに添加した。反応混 合物を窒素雰囲気下、室温で90分間撹拌した。活性化多糖Cをセファデックス G50排除カラムクロマトグラフィーで精製した。排除フラクションを回収し、 限外濾過(30K Amicon膜)により約7.5mg/mlに濃縮した。濃縮した 溶液を脱気した。 実施例1で得られたペプチド20mgを、窒素雰囲気下、濃度10mg/ml で水に溶解した。このペプチド溶液1.5mlを、活性化多糖Cを含有する調製 物1.2mlに、マレイイミド残基/チオール残基の比が2となるように添加し た。反応混合物を室温で撹拌しながら一夜保持した。ついで、0.010mlの メルカプトエタノールを添加して、未反応のマレイイミド残基を不活性化した。 複合体生成物を4BCLセファロースカラムで精製した。糖類(シアル酸)お よびペプチドの存在について、溶出フラクションを分析した。両方の分析で陽性 反応を示したフラクションを貯めた。 シアル酸残基の量はSvennerholm L.,Biochem.Biophys.Acta(1957)24:604に 記載された投薬量法(dosage method)で、また、ペプチドの量はLowry et al,J.B iol.Chem.(1951)193:265の方法に従って測定した。(ペプチド)/(多糖Cの 繰り返し単位)の比(モル/モル)は1:18(重量/重量比1.8:1に相当 )であることが示された。 実施例3 エス・ニウモニアエ多糖−ペプチド複合体 ストレプトコッカス・ニウモニアエ4型からの莢膜多糖(以下、ニウモ4多糖 と称する)の乾燥粉末をWO82/01995号記載の抽出法により得た。ニウ モ4多糖100mgを最終濃度11.1mg/mlで0.2M NaClに溶解した (溶液A)。並行して、0.2M NaCl中、0.25Mアジピン酸ヒドラジド( ADH)の溶液を調製した(溶液B)。0.2M NaCl中、エチルジメチルア ミノプロピルカルボジイミド(EDAC)の0.5M溶液も調製した(溶液C) 。9mlの溶液A、10mlの溶液Bおよび1mlの溶液Cを混合し、5mg/ mlのニウモ4多糖、0.125MのADHおよび0.025MのEDACを含有 する調製物を得た。1N HClを添加してpHを4.9に調整し、このpHを3 0分間の全反応期間中維持した。温度は約25℃であった。 反応を、0.28mlの1N NaOHにより停止させた。pHは7.5に上昇 した。反応混合物を0.5M NaClついで水に対して透析し、凍結乾燥した。 誘導体化されたニウモ4多糖のサイズをHPLC排除カラムTSK4000 (Tosohaas製)で調節した。誘導体化の間、解重合が起こらなかった。 誘導体化の間、約8.2%のニウモ4多糖の繰り返し単位がNH2基によって誘 導体化された。 凍結乾燥生成物を0.05M NaClに濃度2.76mg/mlで溶解し、脱気 した。窒素雰囲気下、N−(γ−マレイイミドブチリルオキシ)スクシンイミド エステル(GMBS)をジメチルスルホキシド(DMSO)に、濃度25mg/ mlで溶解した。このGMBS溶液1.75mlを、窒素雰囲気下、該多糖溶液 16mlに添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。活性 化ニウモ4多糖をセファデックスG50排除カラムクロマトグラフィーで精製し た。排除フラクションを回収し、限外濾過(30K Amicon膜)により約7mg /mlに濃縮した。濃縮した溶液を脱気した。 実施例1で得られたペプチド20mgを窒素雰囲気下、濃度4.6mg/ml で0.1M NaClおよび0.01Mリン酸緩衝液(pH7)に溶解した。一方、 このペプチド溶液2.2mlを、活性化ニウモ4多糖を含有する調製物1.25m lに、マレイイミド残基/チオール残基の比が1となるように添加した(ニウモ 4−ペプチド−1複合体)。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で撹拌しながら6 時間、ついで+4℃で一夜保持した。ついで、0.005mlのメルカプトエタ ノールを各反応混合物に添加して、未反応のマレイイミド残基を不活性化した。 複合体生成物をセファロース4BCLカラムで精製した。糖類およびペプチド の存在について、溶出フラクションを分析した。両方の分析で陽性反応を示した フラクションを貯めた。 糖の量はDubois et al,Anal.Chem.(1956)3:350に記載された投薬量法(dosag emethod)で、また、ペプチドの量はLowry et al,J.Biol.Chem.(1951)193:26 5の方法に従って測定した。(ペプチド/多糖)の繰り返し単位の比(モル/モ ル)はPn4−ペプチド−1複合体について1:30(w/w比0.4:1に相 当)であった。 実施例4 ナイセリア・メニンギティディス血清型A多糖−ペプチド複合体 ナイセリア・メニンギティディス血清型Aからの莢膜多糖(以下、多糖Aと称 する)の乾燥粉末を、Gotschlich et al,J.Exp.Med.(1969)129:1349に記載 される抽出法により得た。多糖A100mgを水に溶解し、最終濃度5mg/m lとした(溶液A)。並行して、水中、臭化シアン(CNBr)の濃度67mg /mlの溶液を調製した(溶液B)。0.5M NaHCO3中、アジピン酸ジヒ ドラジド(ADH)の濃度150mg/ml溶液も調製した(溶液C)。20m lの溶液Aおよび0.75mlの溶液Bを混合し、多糖/CNBrの重量/重量比 1の調製物を得た。0.1M NaOHを添加してpHを10.8に調整し、この pHを60分間の全反応期間中維持した。温度は約20℃であった。 0.15mlの0.1N HClでpHを8.5に下げた。。17mlの溶液Cを 添加し、ADH/多糖の重量/重量比を3.5とした。このpHを15分間維持 した。反応混合物を+4℃で撹拌下に一夜保持した。0.1mlの1N HClを 加えてpHを7に低下させた。反応混合物を0.5M NaClついで水に対して 透析し、凍結乾燥した。 誘導体化された多糖AのサイズをHPLC排除カラムTSK4000(Tosoha as製)で調節した。誘導体化の間、解重合が起こらなかった。 誘導体化の間、約2.5%の多糖Aの繰り返し単位がNH2基によって誘導体化 された。 実施例2の方法を使用して誘導体化された多糖Aを活性化し、実施例1で得ら れたペプチドに活性化多糖Aを結合させた。 実施例5 実施例2で得られたナイセリア・メニンギティディス血清型C複合体を用いた 免疫原性試験 多糖複合体における担体としての実施例1のペプチドの有用性は、つぎのよう にして示される。 容量0.5ml(各注射)の皮下経路およびアジュバントを使用した場合は、 腹腔内経路で以下の組成物の1つを16週令のNMRIマウスに投与した。 a)アジュバントなしで、5μgの多糖C(ペプチドなし)を第1、15および 2 9日に; b)第1日は、フロイントの完全アジュバントと共に、第15および29日は 、フロイントの不完全アジュバントと共に5μgの多糖C(ペプチドなし); c)第1日は、フロイントの完全アジュバントと共に、第15および29日は 、フロイントの不完全アジュバントと共に、多糖C5μgおよびペプチド9μg; d)アジュバントなしで、多糖C1μgおよびペプチド1.8μgを含有する 実施例2で得られらた複合体を第1、15および29日に; e)アジュバントなしで、多糖C5μgおよびペプチド9μgを含有する実施 例2の複合体を第1、15および29日に; f)第1日は、フロイントの完全アジュバントと共に、多糖C5μgおよびペ プチド9μgを含有する実施例2で得られた複合体、第15および29日は、フ ロイントの不完全アジュバントと共に実施例2で得られた複合体; g)ジフテリア抗毒素(DT)と一緒の多糖C5μgの複合体。 第15、29および43日(第1の免疫日から計算)に、血液試料を採取し、 抗多糖C抗体をELISAにより力価測定した。結果を次表にまとめる。 いずれの場合も、非複合体多糖Cに対する抗体応答は、非常に弱く、時間をか けても増加しないが、DTまたはペプチドと結合した多糖Cに対する応答は十分 である。本発明の複合体を用いると、第2の注射後、ブースター効果が得られ、 持続性の免疫応答であることを示している。多糖C−ペプチド複合体の応答は多 糖C−DT複合体で得られる応答と同等である。 実施例6 実施例3で得られたエス・アウレウス複合体を用いた免疫原性試験 ペプチド:多糖の比(w/w)0.4:1(繰り返し単位当たりのペプチドの 比率(モル/モル)1:30)の実施例3で調製した複合体を実施例5のプロト コールを用いてマウスにおいてテストした。これは、アジュバントの存在下でマ ウスにおいて免疫原性であり、第2の注射後、ブースター効果をもたらした。結 果を表2に示す。 表2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)少なくとも6つのアミノ酸残基からなり、そのうちの少なくとも1 つがシステイン残基であるペプチド部分、 (ii)少なくとも4つの繰り返し単位からなる多糖鎖、および (iii)該システイン残基のチオール基と結合し、かつ(a)該多糖鎖の天然 のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基、または(b)該多糖鎖の天然のN −アシル基の加水分解で生じたアミノ基、または(c)該多糖鎖の天然のアミノ 、ヒドロキシまたはカルボキシル基に結合するスペーサー部分から由来する該多 糖鎖に誘導された官能性基と結合したリンカー部分からなることを特徴とする、 多糖が免疫原性である多糖−ペプチド複合体。 2.ペプチドが、システイン残基を含め、6〜200アミノ酸残基を含有する 請求項1記載の複合体。 3.ペプチドが、システイン残基を含め、10〜150アミノ酸残基を含有す る請求項2記載の複合体。 4.ペプチドが、システイン残基を含め、15〜100アミノ酸残基を含有す る請求項3記載の複合体。 5.ペプチドが、システイン残基を含め、20〜50アミノ酸残基を含有する 請求項4記載の複合体。 6.システイン残基が、ペプチド部分のN−またはC−末端に位置する請求項 1〜5いずれか1つに記載の複合体。 7.ペプチドが、T−依存性エピトープを含有する請求項1〜6いずれか1つ に記載の複合体。 8.多糖が、細菌性リポ多糖類のO−特異性鎖、無毒化細菌性リポ多糖類およ び莢膜多糖類から選択される天然多糖である請求項1〜7いずれか1つに記載の 複合体。 9.多糖が、制御された酸性または塩基性加水分解によるN−アセチル基を含 む 天然多糖から由来する請求項1〜7いずれか1つに記載の複合体。 10.多糖が莢膜多糖から選択される天然物である請求項9記載の複合体。 11.多糖が4〜3000繰り返し単位からなる請求項1〜10記載の複合体 。 12.多糖が4〜1000繰り返し単位からなる請求項11記載の複合体。 13.多糖が7〜700繰り返し単位からなる請求項12記載の複合体。 14.ペプチド1モルにつき、50モルの繰り返し単位(1:50)から、ペ プチド1モルにつき、1モルの繰り返し単位(1:1)までを含有する請求項1 〜13いずれか1つに記載の複合体。 15.ペプチド1モルにつき、30モルの繰り返し単位(1:30)から、ペ プチド1モルにつき、3モルの繰り返し単位(1:3)までを含有する請求項1 4に記載の複合体。 16.ペプチド1モルにつき、20モルの繰り返し単位(1:20)から、ペ プチド1モルにつき、5モルの繰り返し単位(1:5)までを含有する請求項1 5に記載の複合体。 17.請求項1〜16いずれか1つに記載の複合体と、医薬上許容される希釈 剤または担体からなる医薬組成物。 18.アジュバントを含まない請求項17記載の組成物。 19.少なくとも6つのアミノ酸残基を有し、そのうちの少なくとも1つがシ ステイン残基であるペプチドを、該システイン残基のチオール基を介してリンカ ーとカップリングさせ、また、少なくとも4つの繰り返し単位からなる多糖鎖、 とりわけ、免疫原性多糖鎖を、(a)該多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまた はカルボキシル基、または(b)該多糖鎖の天然のN−アシル基の加水分解で生 じたアミノ基、または(c)該多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボ キシル基に結合するスペーサー部分から由来する該多糖鎖に誘導された官能性基 を介して該リンカーとカップリングさせることを特徴とする該ペプチドを該多糖 と結合させる方法。
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