JP4290766B2 - 多糖―ペプチド複合体 - Google Patents
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Description
多糖類は、種々の技術分野で有用な高分子物質の1つの広いファミリーを構成している。いくつかの場合では、それらを、例えば、蛋白質またはペプチドのようなポリペプチドと結合させることが要求される。例えば、多糖類はペプチド試薬用のマトリックス媒体として診断または精製技術で使用されている。デキストランのような非免疫原性多糖類も、EP326111に記載されているように免疫系に小ペプチドを与えるのに有用である。実際、ペプチドは、蛋白質担体に結合させるか、アジュバントと共に投与すべきであり、最も一般的なアジュバントはアルミニウム化合物である。しかしながら、これらのアジュバントと、混合、吸着または沈澱させた小ペプチドはアルミニウムゲルによって妨害されることがあり、そのため、免疫系に利用できない。この問題を克服するため、EP326111は、ペプチドを非免疫原性多糖と結合(conjugate)させることができることを教示している。アルミニウム化合物の存在下で、このような複合体は、該ペプチド部分に対する免疫応答を惹起することができる。
ワクチンの分野でも、例えば、ペプチドまたは蛋白質のようなポリペプチドを免疫原性多糖類と結合させることに高い関心が寄せられており、該多糖類に対する免疫応答が追求されている。事実、細菌の莢膜および細胞壁(真菌の細胞壁も)は、哺乳動物には通常見られないエピトープ・モチーフを有し、免疫原性を伝達できる非常に特異的な繰り返し単位から構成される多糖類を必須として構築されている。したがって、例えば、莢膜多糖類のような多糖類は、髄膜炎、肺炎、腸チフスのような細菌性疾患に対するワクチンとして既に使用されている。
しかしながら、多糖類をワクチンとして使用する場合、1つの大きな問題がある。多糖類が免疫原性であること、すなわち、換言すれば、多糖類は、それ自体哺乳動物に投与すると、たとえ、不十分であっても、免疫応答を惹起することが証明されているが、多糖類は、それらがT−細胞の助けなしにB−細胞産生を誘発できる数少ない抗原に属する点で特異的である。したがって、多糖類はT−独立性と呼ばれる。
T−独立性抗原によって誘発される免疫応答は多くの態様によって特徴付けられ、とりわけ、
(i)一次応答が、T−依存性抗原に対する応答よりも弱く、早い;
(ii)抗体応答が、T−依存性抗原で見られるような親和性増加を伴う高IgG産生に成熟しない;
(iii)T−独立性抗原に対応する免疫記憶は乏しく、免疫記憶はワクチン接種原理の根底を構成する二次免疫応答のキイであるので、T−独立性抗原は、長期の保護免疫応答を誘発するためには不十分な抗原である;および
(iv)幼児は、1または2歳前は、多糖類に対して応答できない。
二次免疫応答を誘発させるためには、T−独立性抗原は、ジフテリアまたは破傷風トキシンのような、抗原にT−依存性特性を与える担体蛋白質と共有結合させることが必要である。これらの複合体は、ついで、免疫応答を増強させるために、アルミニウム化合物またはフロインドの完全もしくは不完全アジュバント(後の2つは、もっぱらヒト以外の哺乳動物に使用される)のようなアジュバントで補足してもよい(アジュバント効果)。
「担体」なる用語は、抗原、例えば、多糖に共有結合した場合に、該抗原に対するT−依存性応答を促進できる分子を意味する。そのような応答は、抗原−担体複合体の、日、週または月を分けた少なくとも2回の接種(初回免疫およびブースター)をすることからなるワクチン接種計画により示される。最初の接種(初回免疫)により、弱い抗体応答が示され、ブースター接種により、高レベルの抗体応答が惹起される。このような拡大された応答は、非結合抗原によって構成される陰性対照では見られない。
種々の結合方法が、既に当該分野において利用されている。通常関与する多糖官能性基は、鎖に沿って位置するアミノ、カルボキシルまたはヒドロキシ基か、末端または鎖に沿ったアルデヒド基よい。通常関与するポリペプチド官能性基は、末端またはアミノ酸側鎖に存在するアミノまたはカルボキシル基でよく、またはチオール基であってもよい。
一般的な方法においては、多糖複合体は、結合に関与する官能性基の多糖(鎖に沿うか、末端か)および担体の両方における位置に応じて3つの型の構造を示しうる。これらの構造型は、記載の便宜上、「太陽(Sun)」または「耳(Ear)」、「レーキ(Rake)」および「格子(Lattice)」型と称される。それらを図1に示す。図1中、(A)、(B)および(C)は、各々、「太陽」(ネオ複合糖質)、「レーキ」および「格子」型を示す。
「太陽」型においては、多糖は、もっぱら多糖鎖の末端に位置している反応性基を介して蛋白質またはペプチドと結合している。通常、これには多糖鎖の還元性末端に位置しているカルボキシル基が関与する。蛋白質に幾つかの多糖鎖が結合でき、結合には、通常、例えば、リジン残基が有するアミノ基が関与する。そのような複合体もネオ複合糖質と定義される。例えば、この型の複合体は、Alonso de Velasco et al., Infect. Immun.(1995)63:961;Paradiso et al., Vaccine Research(1993)2(4):239;およびJenningsの米国特許第4,356,170号で完成されている。
「レーキ」型においては、ペプチドは、多糖鎖に沿って結合している。この型の例は、Lett et al., Infect. Immun.(1995)62:785、さらに適切には、Lett et al., Infect. Immun.(1995)63:2645およびKoenen-Waisman et al., J. Immunol.(1995):5977に記載されている。結合は、ペプチド鎖の内部または末端アミノ基の1つのリジン残基が関与する。
「格子」型においては、蛋白質および多糖が架橋している。これは、ペプチドよりも蛋白質を使用すること(通常、蛋白質に沿ってアミノまたは酸基が位置する)および多糖鎖に沿って位置する反応性基が関与することにより可能となる。この型の複合体は、Andersonの米国特許第4,673,574号に記載されている。J. Exp. Med.(1980)152:361も「格子」型を導く結合方法を記載している。これは、CNBrを使用し、リンカーとしてアジピン酸ジヒドラジド(ADH)を使用する。全て多糖鎖に沿って存在するヒドロキシ基および蛋白質の側鎖アミノ酸が関与する。
これらの構造の各々が種々の結合方法で完成できる。結合は、Andersonの米国特許第4,673,574号、Jenningsの米国特許第4,356,170号、Lett et al.またはKoenen-Waisman et al.に記載の直接結合でよい。また、結合は、Schneerson et al.によって説明さていれるようなリンカー分子を使用する間接結合でもよい。リンカーに加えて、Alonso de Valsesco et al.またはParadiso et al.(肺炎球菌多糖について)に記載されるようなスペーサーも使用できる。多糖、蛋白質、リンカーおよび所望によりスペーサーに存在する種々の官能性基が関与できる。
上記で引用した幾つかの先行文献には、以下のとおり、さらに詳細に記載されている。
Alonso de Velasco et al.において、担体は、どちらかの末端に1つのシステイン残基を含む約20アミノ酸残基のペプチドである。ストレプトコッカス・ニウモニア(Streptococcus penumoniae)17F多糖を、まず、NaCNBH3の存在下、ジアミノプロパンで還元アミノ化して還元末端を誘導体化する。この誘導体化した多糖を、リンカーとしてN−スクシンイミジルブロモ酢酸でブロモアセチル化し、こうして活性化された多糖を、ペプチドのN−またはC−末端の1つのシステイン残基のチオール基と結合させる。
Lett et al.(1994)では、エス・ミュータンス(S. mutans)またはサッカロミセス・セレビシア(Saccaromyce cerevisiae)多糖をまず、過ヨウ素酸塩で酸化して多糖鎖に沿ってアルデヒド基を形成させる。ついで、この酸化多糖を、NaCNBH3の存在下、還元アミノ化によりペプチドと直接結合させる。
Paradiso et al.においては、2つの多糖類を使用する。肺炎球菌多糖およびヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)のポリリビトールリン酸(PRP)である。肺炎球菌の酸性加水分解により、アルドース基が多糖鎖の末端に形成される。ついで、ピリジンボランの存在下、ジアミノメタンで還元アミノ化し、鎖端にアミノ基を付加する。この誘導体化された多糖を、アジピン酸のスクシンイミジルジエステルで活性化し、蛋白質またはペプチドのアミノ酸基と結合させる。PRPについては、これをまず、過ヨウ素酸塩を用いる酸化開裂に付し、両端にアルデヒド基を形成させる。ついで、酸化PRPを蛋白質およびペプチドのアミノ基と結合させる。両方の場合とも、「太陽」構造が形成される。
Koenen-Waisman et al.では、Vi多糖およびペプチド(どちらもシステイン残基を含有していない)または蛋白質を(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDAC)の存在下に直接一緒に結合させている。この結合には、多糖のカルボキシル基と、蛋白質またはペプチドのアミノ基が関与している。その結果、蛋白質を使用する場合、「格子」構造が形成される。ペプチドを使用する場合、構造は、アミノ基を有するアミノ酸の数に依存する。構造は、単純な「格子」構造か、「レーキ」構造である。
容易に理解できるように、結合に関与する官能性基が全て多糖に沿って存在する場合、担体が蛋白質(蛋白質の幾つかのアミノ基またはカルボキシル基が結合に利用される)であれば、これは架橋複合体を導く。もし、ポリペプチド担体が1つの結合部位を含むのであれば(これは、十分に小さい場合、しばしば起こる)、その複合体は、「レーキ」構造を示す(もし、結合を密閉系で、ポリペプチドの1つの官能性基のみが反応するような難しい制御をすれば、これは、ポリペプチドがいくつかの結合部位を有する場合にも起こる)。結合方法が、天然のポリペプチド(またはそのフラグメント)のカルボキシル基またはアミノ基を使用する場合、カルボキシル基またはアミノ基はポリペプチド上に頻繁に存在するので、「レーキ」構造を得るためには後者は非常に少ない。
この度、システイン残基のチオール基を使用して、「レーキ」構造を簡単に製造できる結合方法を見出した。システイン残基は、リジンやアスパラギン酸よりも頻度が少ないので、この方法は大きなペプチドの結合に適している。
生物学的に製造され、または合成された場合、ペプチドは容易に精製でき、したがって、より純粋で明確であるから、担体として、ペプチドは蛋白質よりも幾つかの有利な点を有している。有害な性質(毒性)を有しうる担体蛋白質と異なり、ペプチドは担体の性質のみを発揮するようにこれらの蛋白質から誘導することができる。
しかしながら、当該分野に公知の多糖−ペプチド複合体は、対応するそれらの多糖−蛋白質複合体よりも免疫原性が少なく、明らかにアジュバントの使用が必要である。驚くべきことに、この新規方法で作った多糖−ペプチド複合体は、良好な免疫原性を有している。この点についての1つの理由は、ペプチド部分が十分なサイズを有していることである。
したがって、本発明は、
(i)少なくとも6つのアミノ酸残基からなり、そのうちの少なくとも1つがシステイン残基であるペプチド部分、
(ii)少なくとも4つの繰り返し単位からなる多糖鎖、および
(iii)該システイン残基のチオール基と結合し、かつ(a)該多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基、または(b)該多糖鎖の天然のN−アシル基の加水分解で生じたアミノ基、または(c)該多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基に結合するスペーサー部分から由来する該多糖鎖に誘導された官能性基と結合したリンカー部分からなることを特徴とする、多糖が有利に免疫原性である多糖−ペプチド複合体に関する。
天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基は該繰り返し単位に見出され、したがって、全て多糖鎖に沿って存在するので、本発明の複合体は典型的にはっ上記した「レーキ」構造を示す。したがって、本発明の複合体について以下の別の同等な定義を与えることもできる。
換言すると、本発明の複合体は、繰り返し単位から構成される多糖鎖と、複数のペプチド部分とからなり、ペプチドの各部分が、システイン残基を含有し、かつ多糖鎖に沿ってランダムに、システイン残基のチオール基と、多糖のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基が関与する間接結合を介して共有結合しており、間接結合は、リンカーまたはスペーサー−リンカー部分を介して完成され、ただし、スペーサー体またスペーサー−リンカー部分が多糖のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基と結合している。
「ペプチド」なる用語は、少なくとも6個、有利には200個以下のアミノ酸残基を有するアミノ酸鎖を意味する。ペプチドは、有利には、少なくとも10個、好ましくは少なくとも約15個、さらに好ましくは少なくとも約20個のアミノ酸残基を含有する。有利には、最大約150個、好ましくは最大100個または最大約50個のアミノ酸残基を含む。好ましいペプチド鎖は、約50〜150個のアミノ酸残基を含有する。
本発明で使用するには、ペプチドは1個または数個のシステイン残基を含有してよい。システイン残基は、リンカーとペプチドの結合を提供する。結合にシステイン残基を使用することは、通常ペプチドのシステイン残基の量が低いので結合の選択性が増強される。システイン残基はペプチドの端部またはペプチド鎖の中のいずれかに存在できるが、ただし、この部位での結合がペプチドの構造および性質によって妨げられてはならない。システインの量と関係なく、1つのシステイン残基がN−またはC−末端に位置することが好ましい。
より好ましくは、ペプチドは2つのシステイン残基を含み、その各々が1端に位置するか、どちらかの端に1つのシステイン残基が存在し、この後者が最も好ましい。
ペプチドの全アミノ酸配列は天然のままでもよく、また、より大きいポリペプチドの一部でもよい。ペプチドは、そのN−またはC−末端あるいは両方がさらなるシステイン残基によって延長されている天然の配列によって構成されていてもよい。
ワクチン複合体での担体として使用するために、ペプチドは、有利には少なくとも1つのT−依存性エピトープを含有し、したがって、例えば、哺乳動物に複合体を投与すると、T−依存性抗原となる多糖に対する長期の保護免疫応答の発達を可能にする。
本発明で用いるには、ペプチドは化学的に合成しても、また、組替え手段によって製造してもよい。いずれの方法も、常法に従って行うことができる。
本発明の複合体は、1つのペプチドを含んでもよく、この場合、多糖鎖に沿って存在するペプチド部分は全て相互に同じである。また、複合体は、例えば、異なるエピトープを有する数個のペプチドを含んでいてもよい。しかし、少ない数のペプチドが好ましく、好ましくは6個以下、さらに好ましくは2または3個である。第1のペプチドがT−依存性エピトープを有し、一方、第2のペプチドがB−エピトープを有していてもよい。
本発明の複合体において使用する多糖類は、いずれの種類のものでもよい。本発明の一具体例において、複合体はワクチン用に製造され、したがって、適当な多糖類には、莢膜多糖類、O−特異性側鎖のようなグラム陰性細菌の細胞壁リポ多糖類(LPSまたはLOS)から誘導される多糖類および真菌細胞壁多糖類が包含される。例えば、多糖類は、シウドモナス・アエルギノーサ(P. aeruginosa)のようなシウドモナス属(Pseudomonas)、スタフィロコッカス属(Staphylococci)、ストレプトコッカス属(Streptococci)、特にストレプトコッカス・ニウモニア(S. pneumoniae)、クレブシエラ属(Klebsiella)、例えば、クレブシエラ・ニウモニア(Klebsiella pneumoniea)、サルモネラ属(Salmonellae)、例えば、サルモネラ・チフィ(S. typhi)およびサルモネラ・パラチフィ(S. paratyphi)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)
K1、K100、0157:H7、ナイセリア属(Neisseriae)、例えば、ナイセリア・メニンギティディス(N. meningitidis)、シゲラ属(Shigella)、例えば、シゲラ・ディセンテリア(S. dysenteriae)、シゲラ・ソムネイ(S. somnei)およびシゲラ・フレクセネリ(S. flexneri)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、例えば、ヘモフィルス・インフルエンザ(H. influenzae)・タイプbを包含する細菌およびカンジダ属(Candida)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus heoformans)およびハンセヌラ属(Hansenula)のような真菌から誘導できる。
多糖類は繰り返し単位から構成される。本発明の複合体で使用するには、多糖類は少なくとも4つ、好ましくは3,000までの繰り返し単位を含む。特に、ワクチン成分として使用するには、多糖類は、好ましくは、4〜1,000、さらに好ましくは7〜700、最も好ましくは50〜200の繰り返し単位から構成される。
繰り返し単位は、所定の多糖類の特徴であり、その組成および分子量は多糖類によって大きく変化する。例えば、大部分の莢膜多糖類の繰り返し単位は、ヒドロキシおよびカルボキシル基からなるが、それらのいくつかはアミノ基を含むが(例、ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型1)、他のものは含まない(例、ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型14);そのいくかはN−アセチルを含むが(例、ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型14)、他のものはそうではない(例、ストレプトコッカス・ニウモニアエ血清型6B)。また、一例として、ストレプトコッカス・ニウモニア・タイプ3および4の莢膜多糖類の分子量は、各々、360および847である。かくして、多糖組成に関係なく、繰り返し単位の量と、多糖類の分子量との間には、世界的に適応できる一般的な対応はない。しかし、本発明で使用する多糖は、好ましくは、平均分子量10,000〜500,000を有することを独立して示すことができる。多糖は一様でないサイズの分子の集団で構成されるので、多糖の分子量は常に平均値で表される。
多糖類は、常法に従って、化学的に合成しても、もし存在するのであれば、天然源から精製してもよい。例えば、細菌または真菌多糖類の場合、微生物から抽出し、要すれば、毒性部分を除去する処理をすることができる。特に有用な方法は、Gotshlich et al., J. Exp. Med.(1969)129:1349に記載されている。
多糖類は、合成または精製して使用できる。それらはまた、使用前に解重合することもできる。事実、天然の莢膜多糖類は通常、分子量が500,000を超える。例えば、平均10,000〜20,000の低分子量の莢膜多糖類を使用することが好ましい場合、精製された多糖類を破砕(fragmentation)に付してもよい。この目的のため、公知の方法が利用でき、例えば、WO93/7178は還元酸化による破砕法を記載している。
結合に関与する多糖のヒドロキシ、カルボキシルまたはアミノ基は天然の官能性基とすることができる。また、それらは、特異的な処理により人工的に導入されていてもよい。アミノ基は、天然のN−アシル基、例えば、N−アセチル基の制御された酸性または塩基性加水分解で形成されていてもよい。
ヒドロキシ、カルボキシル、アミノ基等を包含する官能性基(好ましくは、アミノ基)は、天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシルに結合したスペーサー部分を誘導する際に導入してもよく、この目的のためには後2者の基が好ましい。典型的には、スペーサーは、その一端で多糖の天然のヒドロキシ、カルボキシルまたはアミノ基と反応で基、他端がリンカーと反応できる二官能性分子である。かくして、スペーサーは、限定するものではないが、ヒドロキシ、カルボキシルおよびアミノ基を包含する官能性基を与える。スペーサーによって導入される他の有用な官能性基は、以下に詳細に説明するチオール基であってもよい。
以上で記載した以外の官能性基も、特異的処理により導入できる。例えば、隣接するヒドロキシ基を持つ2つの炭素原子間の炭素−炭素結合を開裂する過ヨウ素酸処理により、アルデヒド基を、全て多糖鎖に沿って導入できる。過ヨウ素酸処理は、好ましくは、鎖がそのような開裂に影響されない多糖、例えば、ストレプトコッカス・ミュータンスからの多糖に行う。
アルデヒド基を複合体形成の目的で全て鎖に沿って導入する場合、用いるリンカーはアミノ基を提供する。
スペーサーおよびリンカーとして使用する化合物を、以下にさらに説明する。しかし、ここで説明することは、リンカーが、例えば、免疫系に与えたときに、ペプチドと多糖部分が相互に妨害しないように適当な長さを有する二官能性分子であるということである。リンカー部分は、有利には、ペプチドのシステインと、ジスルフィド架橋またはチオエーテル結合を介して結合し、多糖のヒドロキシ基とエーテルまたはエステル結合を介して、アミノ基とアミドまたはカルバメート結合を介して、カルボキシル基とエステル、アミドまたはカルバメート結合を介して、またはアルデヒド基と還元イミン結合を介して結合する。
本発明の複合体によって惹起される免疫応答の性質および強度は、ペプチド:多糖の割合に大きく影響されうる。多糖に存在するB−エピトープと、ペプチドが担持するT−依存性エピトープが免疫系に利用され、正しく提供されることが必須である。かくして、両方のタイプのエピトープが、十分に、かつ、例えば、多糖エピトープのペプチド部分による立体障害を避けられるようなバランスの取れた量で存在すべきである。免疫応答を最適化するため、ペプチド1モルにつき、1〜50モルの繰り返し単位の割合が適当である。好ましくは、この割合は、ペプチド1モルにつき、3〜30モルの繰り返し単位であり、さらに好ましくは、この割合は、ペプチド1モルにつき、5〜20モルの繰り返し単位である。
本発明の複合体は、当該免疫原性多糖が由来する病原性微生物に対する長期免疫保護を惹起するワクチンの分野で特に有用である。
したがって、本発明はまた、治療的または予防的有効量の本発明の複合体と、医薬上許容される希釈剤または担体とからなる医薬組成物も提供する。かかる組成物は常法により製造される。また、組成物は、例えば、アルミニウム化合物のようなアジュバントのごとき他の成分を含有することもできる。適当なアルミニウム化合物には、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムが包含される。好ましい具体例においては、本発明の複合体の免疫原性を増強するためのアジュバントの使用は必要ない。本発明の組成物は、ワクチン分野で使用される通常の投与経路によって投与できる。投与経路の選択は、アジュバントの使用のような多くのパラメーターに依存する。
本発明のさらなる態様は、少なくとも6つのアミノ酸残基を有し、そのうちの少なくとも1つがシステイン残基であるペプチドを、少なくとも4つの繰り返し単位からなる多糖鎖、とりわけ、免疫原性と結合させる方法であって、該システイン残基のチオール基を介してリンカーとカップリングさせ、また、多糖鎖を、(a)該多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基、または(b)該多糖鎖の天然のN−アシル基の加水分解で生じたアミノ基、または(c)該多糖鎖の天然のアミノ、ヒドロキシまたはカルボキシル基に結合するスペーサー部分から由来する該多糖鎖に誘導された官能性基を介して該リンカーとカップリングさせることを特徴とする方法に関する。
好ましくは、リンカーをまず、多糖または誘導体化された多糖と反応させて、活性化多糖、すなわち、ペプチドとカップリングする官能性基を与えるリンカーを持つ多糖を得る。第二の工程において、この活性化多糖をペプチドと反応させ、リンカーの官能性基、すなわち、R1と、ペプチドのシステイン残基のチオール基とを反応させる。
換言すると、システイン残基を含有するペプチドを、少なくとも4つの繰り返し単位を有する多糖、とりわけ、免疫原性多糖と結合する方法が提供され、該方法は、
(i)チオール基と反応できる二官能性リンカーで多糖を活性化し、複数のリンカーが多糖鎖に沿って共有結合でランダムに導入された活性化多糖を得、ついで
(ii)工程(i)で得られた活性化多糖を、ペプチドと反応させてペプチド体が、それらのシステイン残基を介してリンカー部分と共有結合した複合体を得るか、
(iii)ペプチドをチオール基と反応できる二官能性リンカーで活性化し、ついで
(iv)(iii)で得られた活性化ペプチドを多糖と反応させて、複数の活性化ペプチド体が共有結合により多糖鎖に沿ってランダムに導入された複合体を得ることからなる。
好ましい方法は、工程(i)および(ii)に従うものである。
本発明の有利な方法は、工程(ii)において、ペプチド1モル当たり、繰り返し単位1〜50モル、好ましくは、ペプチド1モル当たり、繰り返し単位3〜30モル、さらに好ましくは、ペプチド1モル当たり、繰り返し単位5〜20モルを含む複合体を製造するのに十分な量の多糖上のリンカー部分導入が行える条件下で、多糖を二官能性リンカーと反応させることからなる。同様に、別法は、工程(iv)において上記した特徴を有する複合体を製造するのに十分な量の多糖上の活性化ペプチドの導入が行える条件下で、多糖と活性化ペプチドを反応させることからなる。
有利なリンカーは、式(I)R1−A−R2で示されるもので、式中、R1はチオール基と反応できる官能性基、Aは、芳香族鎖または、好ましくは、例えば、置換されているか、されていない炭素鎖のような脂肪族鎖、R2は、多糖の官能性基と反応できる官能性基を意味する。
鎖Aは、短すぎても(立体障害を避けるため)、長すぎても(免疫原性部分の妨害を避けるため)いけない。すなわち、鎖Aは、1〜12、好ましくは3〜8の炭素数からなり、さらに好ましくは、C2−C8アルキレン、フェニレン、C7−C12アラルキレン、C2−C8アルキル、フェニル、C7−C12アラルキル、C6アルカニルオキシおよびベンジルカルボニルオキシから選択され、アルキル、フェニル、アルキレンおよびフェニレンは置換されていても、されていなくてもよい。
R1は、好ましくはチオール基、α,β−不飽和カルボニルまたはイミジル基、アシルハロゲンまたはアルキルハライド、ここにハロゲン原子はBr、ClまたはIである。より好ましい具体例では、R1はα,β−不飽和カルボニルまたはイミジル基、特に、マレイイミジル基である。
R2は、多糖との結合を提供するリンカーの官能基である。すなわち、R2は、とりわけ、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシまたはアルデヒド基と反応できる基である。好ましくは、R2は、アミノ、カルバモイル、アミノカルバモイル、カルボキシル、ヒドロキシ、スクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスクシンイミジル)およびスルホスクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル)から選択される。リンカーをアミノ基と反応させる場合、R2は、好ましくは、カルボキシル、スクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスクシンイミジル)およびスルホスクシンイミジル(例、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル)である。リンカーを、ヒドロキシ、カルボキシルまたはアルデヒド基と反応させる場合、R2は、好ましくは、アミノ基またはアミノ基を有する化学基、例えば、R2はヒドラジド基、すなわち、NH2−NH−CO−である。
リンカーとして有用な化合物には、スクシンイミジル−4−(N−マレイイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、N−スクシンイミジル−4−(4−マレイイミジルフェニル)ブチレート、N−スクシンイミジル−4−マレイイミドブチレート、N−スクシンイミジル−3−マレイイミドベンゾエートが包含される。
上記したごとく、多糖は、結合前にスペーサーで誘導体化することができる。すなわち、多糖は、まず、式(II)R3−B−R4のスペーサーと反応させることができる。式中、R3は、アミノ、カルボキシルまたはヒドロキシと反応できる官能基、Bは芳香族または脂肪族鎖、R4は、さらなる結合工程において使用するリンカーのR2と反応できる官能基を意味する。
鎖Bは炭素鎖、好ましくは、カルボニル、C1−C12アルキルまたはアルキレンあるいはジカルボニルである。
好ましくは、R3およびR4は、独立して、アミノ基またはアミノ基を有する化学基、例えば、ヒドラジド基、すなわち、NH2−NH−CO−である。
本発明のスペーサーとして有用な化合物には、システアミン、システイン、ヂアミン、例えば、ジアミノヘキサン、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ウレア、セミカルバジドおよびシスタミンが包含される。
スペーサーとしてシステアミンまたはシステインを使用する場合、チオール基を多糖に導入する。この場合、組み合わせて使用する有用なリンカーには、例えば、ビスマレイイミドヘキサンのようなビスマレイイミジル化合物が包含される。
本明細書に記載の適当なペプチド:多糖比を示す複合体を得るために、反応条件、例えば、誘導体化および/または活性化工程に関与する試薬の濃度をテストし、調整することは当業者が適宜行える範囲のものである。さらなるガイダンスを以下に示す。
多糖のアミノ基が反応する場合、反応は、好ましくは、カルボジイミド化合物、例えば、(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDAC)の存在下、pH4〜7で行われる。ただし、反応に関与するリンカーまたはスペーサーの官能基はカルボキシルである。
多糖のカルボキシル基が反応する場合、反応は、好ましくは、上記のようなカルボジイミド化合物の存在下で行われる。ただし、反応に関与するリンカーまたはスペーサーの官能基は、アミノ基である。
多糖の繰り返し単位:カルボジイミドのモル比は、有利には、0.1〜2、好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.6の範囲である。容易に理解できるごとく、この比を調整することにより、繰り返し単位当たりのペプチドの量を調節できる。
多糖のアミノ基がスクシンイミジルまたはスルホスクシンイミジルと反応する場合、反応は、有利には、pH6〜9、好ましくは約7.5で行われる。スクシンイミジル基はアミノ基とだけ反応する。適当な実験条件を使用する場合(例えば、過剰のリンカー)、ほとんど即座、すなわち、約5分以内に反応する。反応に使用する多糖がアミノ基を有する天然多糖であれば、スクシンイミジル基の置換量を調節する唯一の可能性は、反応溶媒の希釈を高めるか、またはリンカーの量を低減するような不利な実験条件を使用する(さもないと、反応が即座に起こり、全てのアミノ基が置換される)。これにより、ペプチドの繰り返し単位に対する割合を調整することが可能となる。多糖上にアミノ基を誘導するために加水分解または誘導体化を使用する場合、この割合は、多糖上でのアミノ基の出現を調節することにより、容易に調節できる。
多糖のヒドロキシ基を反応させる場合、反応は好ましくは、シアン化合物の存在下、この化合物が臭化シアンであれば、pH8〜12で、この化合物が1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウム・テトラフルオロアセテートであれば、pH6〜10、好ましくは、6〜8で行われる。多糖繰り返し単位:シアノ化合物のモル比は、有利には、0.1〜3、好ましくは0.1〜2の範囲である。
多糖鎖に沿って存在するアルデヒド基が反応する場合、反応は好ましくは、シアノボロヒドリド、例えば、NaCNBH3の存在下、pH6.5〜8で行われる。
本発明の方法を実施することにより、多糖とペプチド部分が、リンカーまたはリンカーとスペーサーとの組み合わせを介して結合し、リンカーまたはリンカー/スペーサー部分が最適な長さを有し、多糖−ペプチド結合が安定である複合体が得られる。さらに、多糖の繰り返し単位に対するペプチドの比が免疫目的に最適な複合体が得られる。
以下、本発明をさらに説明する。
実施例1
以下の配列を有する合成105マー・ペプチドの調製
このペプチドは、自動ペプチド合成器(モデル431A、Applied Biosystems)で、FastMoc試薬を用いて合成した。固相は、C−末端アミド・キャップ・ペプチドを生ずるRink樹脂(0.13mM TentaGel S RAM Spezial,0.15mM g-1,Rapp Polymere,Tuebingen,Germany)であった。合成には、O−t−ブチル−(アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニンおよびチロシンカルボキシルまたはヒドロキシ基について)、トリチル−(ヒスチジン、アスパラギンおよびグルタミンアミノまたはイミノ基について)、t−ブチルオキシカルボニル−(リジンアミノ基について)またはPMC(ペンタメチルクロマン−6−スルホニル)(アルギニンイミノ基について)側鎖保護と共に、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)保護アミノ酸を使用した。
活性化およびカップリングは、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−3,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)/ジイソプロピルエチルアミンの存在下に行った。1−2、4、10−13、17、27、32、49、59、66、75−78、84−85、88、96−97および104−105サイクルにおいて、ダブルカップリングを行い、遊離のアミノ基を無水酢酸でアシル化してブロックした。最後のサイクルの後、ペプチドをピペリジンで脱保護し、最終生成物を無水酢酸でN−末端アセチル化した。
側鎖の脱保護および樹脂担体からの開裂は、2.1%(v/v)1,2−エタンジオール、4.2%(v/v)チオアニソール、4.2%(v/v)水、6.2%(v/v)フェノールおよび83%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)を使用して室温にて3時間行った。樹脂を濾去し、溶液が無色になるまでトリエチルシランを滴下した。ついで、この溶液を室温で3時間インキュベートした。t−ブチルメチルエーテルで沈澱させ、ついで遠心分離し、凍結乾燥して粗ペプチド(360mg)を回収した。粗ペプチド(130mg)を、50mMジチオスレイトールを含有する50mMエチルモルホリン(40ml、pH8.3)に溶解し、室温で一夜インキュベートした。10%TFAでpHを3.5に調整し、アセトニトリルの25〜45%(v/v)グラジエント、0.1%TFA(10ml分-1)、グラジエント0.33%分-1を用いる逆相HPLC(Pep-S,C2/C8,100Å pore size,12μm 22.5mm×25cmm,Pharmacia)でペプチドを精製した。ペプチドは、約25%アセトニトリルにおいて1つのピークとして溶出し、さらに使用する前に、このピーク(73mg)を凍結乾燥した。HPLCによる分析およびマス・スペクトル分析は、最終生成物の65%以上が所望の配列に相当したことを示した。N−末端配列は、N−末端アセチル化前に取り出した試料のN−末端エドマン・シーケンシングによって確認した。
実施例2
ナイセリア・メニンギティディス血清型C多糖−ペプチド複合体
ナイセリア・メニンギティディス血清型Cからの莢膜多糖(以下、多糖Cと称する)の乾燥粉末を、Gotschlich et al, J. Exp. Med.(1969)129:1349に記載される抽出法により得た。多糖C100mgを0.2M NaClに溶解し、最終濃度11.1mg/mlとした(溶液A)。並行して、0.2M NaCl中、0.2Mアジピン酸ヒドラジド(ADH)の溶液を調製した(溶液B)。0.2M NaCl中、エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC)の0.5M溶液も調製した(溶液C)。9mlの溶液A、10mlの溶液Bおよび1mlの溶液Cを混合し、5mg/mlの多糖C、0.125MのADHおよび0.025MのEDACを含有する調製物を得た。0.1M HClを添加してpHを6.5に調整し、このpHを45分間の全反応期間中維持した。温度は約20℃であった。
反応を、40μlの0.1N NaOHにより停止させた。pHは7.1に上昇した。反応混合物を0.5M NaCl、10mMリン酸塩、ついで水に対して透析し、凍結乾燥した。
誘導体化された多糖CのサイズをHPLC排除カラムTSK4000(Tosohaas製)で調節した。その結果、誘導体化の間、解重合が起こらなかったことが示された。
誘導体化の間、約3.4%の繰り返し単位がNH2基によって誘導体化された。
凍結乾燥生成物を0.02Mリン酸緩衝液(pH7)に濃度6.25mg/mlで溶解し、脱気した。窒素雰囲気下、N−(γ−マレイイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMBS)をジメチルスルホキシド(DMSO)に、濃度25mg/mlで溶解し、ついで等量の誘導体化多糖Cに添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で90分間撹拌した。活性化多糖CをセファデックスG50排除カラムクロマトグラフィーで精製した。排除フラクションを回収し、限外濾過(30K Amicon膜)により約7.5mg/mlに濃縮した。濃縮した溶液を脱気した。
実施例1で得られたペプチド20mgを、窒素雰囲気下、濃度10mg/mlで水に溶解した。このペプチド溶液1.5mlを、活性化多糖Cを含有する調製物1.2mlに、マレイイミド残基/チオール残基の比が2となるように添加した。反応混合物を室温で撹拌しながら一夜保持した。ついで、0.010mlのメルカプトエタノールを添加して、未反応のマレイイミド残基を不活性化した。
複合体生成物を4BCLセファロースカラムで精製した。糖類(シアル酸)およびペプチドの存在について、溶出フラクションを分析した。両方の分析で陽性反応を示したフラクションを貯めた。
シアル酸残基の量はSvennerholm L., Biochem. Biophys. Acta(1957)24:604に記載された投薬量法(dosage method)で、また、ペプチドの量はLowry et al, J. Biol. Chem.(1951)193:265の方法に従って測定した。(ペプチド)/(多糖Cの繰り返し単位)の比(モル/モル)は1:18(重量/重量比1.8:1に相当)であることが示された。
実施例3
エス・ニウモニアエ多糖−ペプチド複合体
ストレプトコッカス・ニウモニアエ4型からの莢膜多糖(以下、ニウモ4多糖と称する)の乾燥粉末をWO82/01995号記載の抽出法により得た。ニウモ4多糖100mgを最終濃度11.1mg/mlで0.2M NaClに溶解した(溶液A)。並行して、0.2M NaCl中、0.25Mアジピン酸ヒドラジド(ADH)の溶液を調製した(溶液B)。0.2M NaCl中、エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC)の0.5M溶液も調製した(溶液C)。9mlの溶液A、10mlの溶液Bおよび1mlの溶液Cを混合し、5mg/mlのニウモ4多糖、0.125MのADHおよび0.025MのEDACを含有する調製物を得た。1N HClを添加してpHを4.9に調整し、このpHを30分間の全反応期間中維持した。温度は約25℃であった。
反応を、0.28mlの1N NaOHにより停止させた。pHは7.5に上昇した。反応混合物を0.5M NaClついで水に対して透析し、凍結乾燥した。
誘導体化されたニウモ4多糖のサイズをHPLC排除カラムTSK4000(Tosohaas製)で調節した。誘導体化の間、解重合が起こらなかった。
誘導体化の間、約8.2%のニウモ4多糖の繰り返し単位がNH2基によって誘導体化された。
凍結乾燥生成物を0.05M NaClに濃度2.76mg/mlで溶解し、脱気した。窒素雰囲気下、N−(γ−マレイイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMBS)をジメチルスルホキシド(DMSO)に、濃度25mg/mlで溶解した。このGMBS溶液1.75mlを、窒素雰囲気下、該多糖溶液16mlに添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。活性化ニウモ4多糖をセファデックスG50排除カラムクロマトグラフィーで精製した。排除フラクションを回収し、限外濾過(30K Amicon膜)により約7mg/mlに濃縮した。濃縮した溶液を脱気した。
実施例1で得られたペプチド20mgを窒素雰囲気下、濃度4.6mg/mlで0.1M NaClおよび0.01Mリン酸緩衝液(pH7)に溶解した。一方、このペプチド溶液2.2mlを、活性化ニウモ4多糖を含有する調製物1.25mlに、マレイイミド残基/チオール残基の比が1となるように添加した(ニウモ4−ペプチド−1複合体)。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で撹拌しながら6時間、ついで+4℃で一夜保持した。ついで、0.005mlのメルカプトエタノールを各反応混合物に添加して、未反応のマレイイミド残基を不活性化した。
複合体生成物をセファロース4BCLカラムで精製した。糖類およびペプチドの存在について、溶出フラクションを分析した。両方の分析で陽性反応を示したフラクションを貯めた。
糖の量はDubois et al, Anal. Chem.(1956)3:350に記載された投薬量法(dosagemethod)で、また、ペプチドの量はLowry et al, J. Biol. Chem.(1951)193:265の方法に従って測定した。(ペプチド/多糖)の繰り返し単位の比(モル/モル)はPn4−ペプチド−1複合体について1:30(w/w比0.4:1に相当)であった。
実施例4
ナイセリア・メニンギティディス血清型A多糖−ペプチド複合体
ナイセリア・メニンギティディス血清型Aからの莢膜多糖(以下、多糖Aと称する)の乾燥粉末を、Gotschlich et al, J. Exp. Med.(1969)129:1349に記載される抽出法により得た。多糖A100mgを水に溶解し、最終濃度5mg/mlとした(溶液A)。並行して、水中、臭化シアン(CNBr)の濃度67mg/mlの溶液を調製した(溶液B)。0.5M NaHCO3中、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)の濃度150mg/ml溶液も調製した(溶液C)。20mlの溶液Aおよび0.75mlの溶液Bを混合し、多糖/CNBrの重量/重量比1の調製物を得た。0.1M NaOHを添加してpHを10.8に調整し、このpHを60分間の全反応期間中維持した。温度は約20℃であった。
0.15mlの0.1N HClでpHを8.5に下げた。。17mlの溶液Cを添加し、ADH/多糖の重量/重量比を3.5とした。このpHを15分間維持した。反応混合物を+4℃で撹拌下に一夜保持した。0.1mlの1N HClを加えてpHを7に低下させた。反応混合物を0.5M NaClついで水に対して透析し、凍結乾燥した。
誘導体化された多糖AのサイズをHPLC排除カラムTSK4000(Tosohaas製)で調節した。誘導体化の間、解重合が起こらなかった。
誘導体化の間、約2.5%の多糖Aの繰り返し単位がNH2基によって誘導体化された。
実施例2の方法を使用して誘導体化された多糖Aを活性化し、実施例1で得られたペプチドに活性化多糖Aを結合させた。
実施例5
実施例2で得られたナイセリア・メニンギティディス血清型C複合体を用いた免疫原性試験
多糖複合体における担体としての実施例1のペプチドの有用性は、つぎのようにして示される。
容量0.5ml(各注射)の皮下経路およびアジュバントを使用した場合は、腹腔内経路で以下の組成物の1つを16週令のNMRIマウスに投与した。
a)アジュバントなしで、5μgの多糖C(ペプチドなし)を第1、15および29日に;
b)第1日は、フロイントの完全アジュバントと共に、第15および29日は、フロイントの不完全アジュバントと共に5μgの多糖C(ペプチドなし);
c)第1日は、フロイントの完全アジュバントと共に、第15および29日は、フロイントの不完全アジュバントと共に、多糖C5μgおよびペプチド9μg;
d)アジュバントなしで、多糖C1μgおよびペプチド1.8μgを含有する実施例2で得られらた複合体を第1、15および29日に;
e)アジュバントなしで、多糖C5μgおよびペプチド9μgを含有する実施例2の複合体を第1、15および29日に;
f)第1日は、フロイントの完全アジュバントと共に、多糖C5μgおよびペプチド9μgを含有する実施例2で得られた複合体、第15および29日は、フロイントの不完全アジュバントと共に実施例2で得られた複合体;
g)ジフテリア抗毒素(DT)と一緒の多糖C5μgの複合体。
第15、29および43日(第1の免疫日から計算)に、血液試料を採取し、抗多糖C抗体をELISAにより力価測定した。結果を次表にまとめる。
いずれの場合も、非複合体多糖Cに対する抗体応答は、非常に弱く、時間をかけても増加しないが、DTまたはペプチドと結合した多糖Cに対する応答は十分である。本発明の複合体を用いると、第2の注射後、ブースター効果が得られ、持続性の免疫応答であることを示している。多糖C−ペプチド複合体の応答は多糖C−DT複合体で得られる応答と同等である。
実施例6
実施例3で得られたエス・アウレウス複合体を用いた免疫原性試験
ペプチド:多糖の比(w/w)0.4:1(繰り返し単位当たりのペプチドの比率(モル/モル)1:30)の実施例3で調製した複合体を実施例5のプロトコールを用いてマウスにおいてテストした。これは、アジュバントの存在下でマウスにおいて免疫原性であり、第2の注射後、ブースター効果をもたらした。結果を表2に示す。
Claims (20)
- (i)少なくとも6つのアミノ酸残基を有しており、そのうちの少なくとも1つがシステイン残基であるペプチドを、(ii)少なくとも4つの繰り返し単位を含む多糖と結合させる方法であって、
A.(i)式(I)R1−A−R2(式中、R1は、マレイミジル基であり、Aは、置換されているかまたは置換されていない芳香族または脂肪族炭素鎖であり、R2は、スクシンイミジル基であって多糖のアミノ基と反応する)で示される二官能性リンカーで多糖を活性化して、活性化多糖を得ること;および
(ii)R1がシステイン残基のチオール基と反応するように該活性化多糖をペプチドと結合させて、複合体を得ること(ここで、複数のペプチド体が多糖鎖に沿って共有結合でランダムに導入される);または
B.(i)式(II)R3−B−R4(式中、R3は、アミノ基、カルボキシル基またはヒドロキシル基と反応することができる官能基であって多糖のアミノ基、カルボキシル基またはヒドロキシル基と反応し、Bは、芳香族または脂肪族炭素鎖であり、R4は、アミノ基である)で示されるスペーサーで多糖を誘導体化して、誘導体化多糖を得ること(ここで、複数のスペーサー体が多糖鎖に沿ってランダムに導入される);
(ii)式(I)R1−A−R2(式中、R1は、マレイミジル基であり、Aは、置換されているかまたは置換されていない芳香族または脂肪族炭素鎖であり、R2は、スクシンイミジル基であってR4と反応する)で示される二官能性リンカーで該誘導体化多糖を活性化して、活性化多糖を得ること;
(iii)R1がペプチドのシステイン残基のチオール基と反応するように該活性化多糖をペプチドと結合させて、複合体を得ること(ここで、複数のペプチド体が多糖鎖に沿って共有結合でランダムに導入される)
を含む方法。 - ペプチドが、システイン残基を含め、6〜200アミノ酸残基を含有する請求項1記載の方法。
- ペプチドが、システイン残基を含め、15〜100アミノ酸残基を含有する請求項2記載の方法。
- ペプチドが、システイン残基を含め、20〜50アミノ酸残基を含有する請求項3記載の方法。
- システイン残基が、ペプチドのN−またはC−末端に位置する請求項1〜4いずれか1つに記載の方法。
- ペプチドが、T−依存性エピトープを含有する請求項1〜5いずれか1つに記載の方法。
- 多糖が、細菌性リポ多糖類のO−特異性鎖、無毒化細菌性リポ多糖類および莢膜多糖類から選択される天然多糖である請求項1〜6いずれか1つに記載の方法。
- 多糖が、制御された酸性または塩基性加水分解によるN−アセチル基を含む天然多糖から由来する請求項1〜7いずれか1つに記載の方法。
- 多糖が莢膜多糖から選択される天然物である請求項7または8記載の方法。
- 多糖が4〜3000繰り返し単位からなる請求項1〜9いずれか1つに記載の方法。
- 多糖が4〜1000繰り返し単位からなる請求項10記載の方法。
- 多糖が7〜700繰り返し単位からなる請求項11記載の方法。
- 式(I)で示されるリンカーが、スクシンイミジル−4−(N−マレイイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、N−スクシンイミジル−4−(4−マレイイミジルフェニル)ブチレート、N−スクシンイミジル−4−マレイイミドブチレート、N−スクシンイミジル−3−マレイイミドベンゾエートおよびN−(γ−マレイイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMBS)からなる群から選択される請求項1〜12いずれか1つに記載の方法。
- 式(II)で示されるスペーサーがアジピン酸ジヒドラジド(ADH)である請求項1〜13いずれか1つに記載の方法。
- 得られる複合体がペプチド1モルにつき50モルの繰り返し単位(1:50)から、ペプチド1モルにつき1モルの繰り返し単位(1:1)までを含有するように結合が行われる請求項1〜14いずれか1つに記載の方法。
- 得られる複合体がペプチド1モルにつき30モルの繰り返し単位(1:30)から、ペプチド1モルにつき3モルの繰り返し単位(1:3)までを含有するように結合が行われる請求項15に記載の方法。
- 得られる複合体がペプチド1モルにつき20モルの繰り返し単位(1:20)から、ペプチド1モルにつき5モルの繰り返し単位(1:5)までを含有するように結合が行われる請求項16に記載の方法。
- 請求項1〜17いずれか1つに記載の方法によって生成される複合体および医薬上許容される希釈剤または担体を含む、免疫応答を惹起するための組成物。
- アジュバントを含まない請求項18記載の組成物。
- 請求項1〜17いずれか1つに記載の方法によって生成される、複合体の多糖部分に対する免疫応答を誘発するための複合体。
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