JP2000506395A - 界面活性剤を含まないc型肝炎プロテアーゼ - Google Patents

界面活性剤を含まないc型肝炎プロテアーゼ

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JP2000506395A JP10515836A JP51583698A JP2000506395A JP 2000506395 A JP2000506395 A JP 2000506395A JP 10515836 A JP10515836 A JP 10515836A JP 51583698 A JP51583698 A JP 51583698A JP 2000506395 A JP2000506395 A JP 2000506395A
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Abstract

(57)【要約】 C型肝炎ウイルス(HCV)のプロテアーゼを、界面活性剤を用いずに精製する。このプロテアーゼは抗HCV薬をスクリーニングする手段として、またHCV感染に起因する疾患を診断する手段としても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 界面活性剤を含まないC型肝炎プロテアーゼ 発明の背景 C型肝炎ウイルス(HCV)感染は世界中の献血者の0.5〜8.0%に見出 される。この感染は60%より高率の感染者において慢性となるので、C型肝炎 は公衆衛生上及び経済上重大な問題である。慢性C型肝炎の患者の扱いは複雑で あり、この疾患はしばしば症状が微弱にしか現われず、かつゆっくり進行するか 、感染から20年後には患者の20%が肝硬変を発症し、そのうちの10%は肝 細胞癌を発症する。前記癌は肝移植の重要な指標でもある。ヨーロッパ及び日本 には、B型肝炎患者やHIV感染者よりも慢性C型肝炎患者の方が多数存在する 。既存の抗ウイルス薬は、優れた応答を引き出し得るとはいえ少数の患者にしか 有効でない。 HCVに対処する場合の重要な一標的に、HCVによってコードされるプロテ アーゼである非構造タンパク質3が有る。ヒトC型肝炎ウイルスに関連するこの NS3プロテアーゼは、高濃度の界面活性剤が存在しないと不安定なタンパク質 である。 NS3プロテアーゼを生化学的、動力学的及び生物物理学的分析に十分な量、並 びに抗ウイルス物質スクリーニングアッセイに十分な量まで安定化するには、イ オン性または非イオン性界面活性剤を精製と分析との両方において用いなければ ならない。界面活性剤で処理したNS3タンパク質を用いて発見された従来の抗 ウイルス物質は有用でない。更に、大量の界面活性剤が存在することは、生化学 的、動力学的及び生物物理学的分析の結果の正確な解釈において重大な難点とな る。場合によっては(例えば沈降、タンパク質結晶化などの時)、界面活性剤の 存在は生化学的、動力学的及び生物物理学的分析を妨ける。 従来技術による方法ではNS3の精製に界面活性剤及びグリセロールを用いた 。本発明者は界面活性剤を用いないNS3精製方法を発見したが、この方法では 5〜約20%、好ましくは7〜12%のグリセロールを用い、高い安定性及び活 性を達成できる。得られる酵素はこのプロテアーゼに関して知られている触媒活 性を上回る触媒活性を示し、即ち酵素の形態次第で従来技術による調製物の10 〜500倍の活性を有する。本発明の方法により精製すれば、NS3プロテアー ゼは確実に高安定性となり、その結果前記プロテアーゼには界面活性剤不在下で も動力学的、生化学的及び生物物理学的分析を施せるようになる。従来技術によ る方法では、酵素学的、生化学的及び生物物理学的研究に用いる、界面活性剤を 含まない安定なNS3は得られない。 大腸菌中にクローン化したプラスミドから適正に発現させ、かつ調製すれば、 NS3プロテアーゼは界面活性剤を全く存在させなくてもミリグラム単位で得ら れる。得られる酵素はきわめて可溶性で、かつ長期間(4℃で数週間から数カ月 間、−80℃で12カ月を越えて)安定であり、また高い触媒活性を示す。 界面活性剤を不含HCV NS3プロテアーゼを用いるアッセイは、抗HCV 薬をスクリーニングする手段として、またHCV感染に起因する疾患を診断する 手段としても有用である。抗HCV薬の効力は、ナノモル以下濃度からマイクロ モル濃度までであり得る。発明の概要 界面活性剤を含まないC型肝炎ウイルス(HCV)NS3プロテアーゼを調製 し、このタンパク質の阻害剤を求めるスクリーニングアッセイを構築する。界面 活性剤不含NS3プロテア ーゼは、抗HCV薬をスクリ−ニングする手段として、またHCV感染に起因す る疾患を診断する手段としても有用である。発明の詳細な説明 略号とその定義: HCV C型肝炎ウイルス IPTG イソプロピル−D(−)チオガラクトピラノシド NS3 C型肝炎ウイルスの非構造タンパク質3 PMSF フェニルメチルスルホニルフルオリド EDTA エチレンジアミノ−四酢酸 DTT ジチオトレイトール r.p.m. 毎分回転数 PAGE ポリアクリルアミドゲル SDS ドデシル硫酸ナトリウム NS 非構造(性) HPLC 高速液体クロマトグラフィー 本発明はその一構成において、界面活性剤を含まないHCVNS3プロテアー ゼを提供する。 本発明はその別の構成において、HCV NS3プロテアーゼを阻害する化合 物を検出するスクリーニングアッセイを提供する。 本発明はその更に別の構成において、請求項2に記載のスクリーニングアッセ イによって測定される、HCV NS3プロ テアーゼを阻害する化合物も提供する。 本発明はその更に別の構成において、活性なNCV NS3プロテアーゼを、 界面活性剤を用いずに精製する方法も提供する。 本発明は、HCVのNS3プロテアーゼ、もしくはNS3としても知られるC 型肝炎ウイルスの非構造タンパク質3であって界面活性剤を含まない安定なもの を開示する。このNS3プロテアーゼは、抗HCV薬をスクリーニングする手段 として、またHCV感染に起因する疾患を診断する手段としても有用である。 HCV NS3プロテアーゼの一用途に、HCV NS3プロテアーゼを阻害 する化合物を検出するスクリーニングアッセイが有る。このアッセイは、 (a)アッセイするべき1種以上の化合物を所定量用意するステップ、 (b)前記化合物をHCV NS3プロテアーゼアッセイにおいて、界面活性剤 を含まないHCV NS3プロテアーゼと共にインキュベートするステッ プ、 (c)HCV NS3プロテアーゼ基質開裂アッセイにおいて前 記プロテアーゼの阻害を確認するステップ を含む操作を有する。 HCV NS3プロテアーゼを実質的に阻害する化合物も本発明に包含される 。 本発明は、活性なNCV NS3プロテアーゼを、界面活性剤を用いず、かつ 5〜約20%のグリセロールを用いて精製する方法にも係わり、この方法は (a)HCV NS3プロテアーゼを発現させる細胞を所定量用意するステップ 、 (b)前記細胞を破壊して、界面活性剤を含有しない緩衝液を媒質とする懸濁液 を製造するステップ、 (c)前記懸濁液を遠心して微粒子物質を除去するステップ、 (d)ステップ(c)で得られた土清についてイオン交換クロマトグラフィーの一つ 以上の操作ステップを、溶離緩衝液が界面活性剤を含有しないという条件 下に実施するステップ、 (e)界面活性剤を含有しない緩衝液中に活性なHCV NS3プロテアーゼを 得るステップ を含む。 活性なNCV NS3プロテアーゼを、界面活性剤を用いず、 かつ7〜約12%のグリセロールを用いて精製する本発明の方法の一具体例は、 (a)HCV NS3プロテアーゼを発現させる細胞を所定量用意するステップ 、 (b)前記細胞をマイクロフルイダイザー(microfluidizer)で 破壊して、界面活性剤を含有しない緩衝液中の懸濁液を製造し、その際前 記緩衝液のpHを約6.5〜約7.5とするステップ、 (c)前記懸濁液を約5000〜約8000r.p.m.で約15分間遠心して 微粒子物質を除去するステップ、 (d)ステップ(c)で得られた上清に対してカチオン交換クロマトグラフイーの一 つ以上の操作ステップを、溶離緩衝液が塩濃度勾配またはpH勾配下に、 かつ界面活性剤を含有しないという条件下に実施するステップ、 (e)界面活性剤を含有しない緩衝液中に活性なHCV NS3プロテアーゼを 得るステップ、 を含む。 C型肝炎ウイルスの、NS3プロテアーゼとしても知られる非構造タンパク質 3は活性形態において、酵素としてかまたは 補因子との複合体として存在し得る。本発明者は、前記複合体が酵素単独より約 1000倍高活性であることを発見した。本発明の酵素はそれ自体で、界面活性 剤を用いて精製された従来技術による調製物より約10倍高活性である。本発明 のスクリーニングアッセイにはあらゆる活性形態が包含される。組み換え発現系におけるHCV NS3プロテアーゼの発現 外来遺伝子を発現させる細胞の調製は今や、比較的単純な技術である。前記細 胞は宿主として機能し、その例には大腸菌、枯草菌、酵母、真菌、植物細胞や動 物細胞などが有る。このような宿主細胞の多くに用いられる発現ベクターが単離 及び特性解明されており、本発明ではそのようなベクターを、所望の外来DNA 挿入部分を有するベクターを通常の組み換えDNA技術によって構築する際に出 発物質として用いる。DNA挿入部分の発現に用いる宿主細胞から天然には得ら れないDNAはいずれも外来である。外来DNA挿入部分は染色休外性遺伝体の プラスミド上で発現するか、または該挿入部分の全体もしくは一部が宿主細胞の 染色体に組み込まれた後に発現し得、または2個以上の分子形態の組み合わせと して事実上宿主細胞内に存在し得る。所望の外来DNAの発現に用いる宿主細胞 及び発現 べクターの選択は主として、宿主細胞の入手しやすさ及び栄養条件の厳しさの程 度、宿主細胞が発現べクターの複製を補佐するかどうか、及び当業者に容易に理 解できる他の要因によって左右される。 組み換え原核生物発現系に関する技術は古くからの通常技術である。典型的な 宿主細胞は大胞菌である。この技術は、R.Wu(編),Meth.Enzym ol.68,1979及びT.Maniatis等,“Molecu1ar C loning: A Laboratoty Manual,”Cold Sp ring Harbor,1982などの論文に解説されている。 本発明で用いる外来DNA挿入部分は本発明のHCV NS3プロテアーゼ( またはその安定な機能性突然変異体)をコードするDNA配列を含み、この配列 には前記のようなコーディング能力を有するいずれかの合成配列もしくはクロー ン化配列、またはそれらの組み合わせが含まれる。例えば、完全に組み換えられ たDNA配列によってコード及び発現されるHCVペプチドは本発明に包含され る。 組み換えHCV作製のための真核生物発現系を構築するのに 有用なベクターは、HCVまたはその変異体をコードするDNA配列を、該配列 に作用性に連結したプロモーター及び/またはオペレーターなどの適当な転写活 性化DNA配列と共に含む。その他の典型的な構成要素に、適当なリボソーム結 台部位、終結コドン、エンハンサー、ターミネーター、またはレプリコン要素が 含まれ得る。これらの付加的な構成要素は、制限エンドヌクレアーゼ消化及び連 結などの通常のスプライシング技術によってベクターの1個以上の適当な部位に 挿入することができる。 組み換え真核生物発現系の一種である酵母発現系には通常Saccharom yces cerevisiaeを、組み換えタンパク質発現用に特に選出した 種として用いる。S.cerevisiae及び類似酵母はGAP491、GA L10、ADH2及びα接合因子を非限定的に含めた、酵母発現系の構築に有用 である良く知られたプロモーターを有する。 HCMV発現のための組み換え酵母発現系を構築するのに有用な酵母ベクター には、シャトルベクター、コスミド、キメラプラスミド、及び2μ環状プラスミ ドに由来する配列を有する酵母ベクターが非限定的に含まれる。 上記のようなベクターにHCVをコードする適当なDNA配列を挿入し、この ようにして得られた改変ベクターを適当な宿主細胞に形質転換または他の手段に よって移入すれば、原則としてHCVのための有用な組み換え酵母発現系が得ら れる。 或る好ましい発現系には、ポリヒドリンプロモーターまたはp10プロモータ ーの制御下にバキュロウイルスを用いる。この発現技術の背景説明としては、例 えばD.R.O’Reilly等“Baculovirus Expressi on Vectors: A Laboratory Manual,”W.H .Freeman,1992を参照されたい。上記発現系では、所期の遺伝子を 保持する組み換えバキュロウイルスを単離する。バキュロウイルス系は2種以上 のタンパク質の同時発現に特に有用である。 本発明の接合体(conjugate)を得るべく組み換えHCVを作製する 別の手段に、組み換え哺乳動物発現系が有る。宿主哺乳動物細胞は通常、細胞培 養において効率的にクローン化されているいずれかの細胞とし得る。組み換え哺 乳動物発現系の構築に有用な宿主哺乳動物細胞には、Vero細胞、NIH3T 3、GH3、COS、マウスC127またはマウスL細 胞が非限定的に含まれる。哺乳動物発現ベクターはウイルスベクターか、SV4 0、BPVもしくは他のウイルスレプリコンを有し得るプラスミドベクターか、 または動物細胞のためのレプリコンを有しないベクターに基づき得る。哺乳動物 発現ベクターについては、D.M.Glover(編),“DNA Cloni ng: A Practical Approach,”Vols.I及びII, IRL,1985の諸論文で詳細に検討されている。 組み換えHCVはアデニル化、カルボキシル化、グリコシル化、ヒドロキシル 化、メチル化、リン酸化、ミリストイル化、アミノ末端もしくはカルボキシル末 端または両末端の延長または短縮といった、有機合成された同じぺプチドには無 い望ましい付加的構造変更を有し得る。付加的な構造変更は、組み換え発現系を 適宜選択することにより場合に応じて選択したり、優先させたりすることができ る。他方、組み換えHCVの配列は有機合成の原理及び手法で延長可能である。精製 界面活性剤を用いない本発明の精製方法では、組み換え体であるとないとを問 わず実質的にいずれのNS3プロテアーゼ源 も使用に適する。好ましいNS3プロテアーゼ源は組み換え体であり、最も好ま しいのは大腸菌を用いた発現系である。 発現系の場合、組み換え体であろうとなかろうと、まずNS3を可溶性画分中 に単離しなければならない。HCVプロテアーゼを発現させる細胞を緩衝液中で 破壊し、それによって緩衝液を媒質とする懸濁液を製造する。細胞の破壊は、フ レンチプレス、マイクロフルイダイザー、音波処理器等での処理や、リゾチーム の誘導発現による自己消化を非限定的に含めた、良く知られた様々な技術のうち のいずれかで行なう。好ましい細胞破壊技術の一つが、マイクロフルイダイザー での処理である。 界面活性剤を用いない精製方法の全体を通じて、いずれの緩衝液のpHも約6 .5〜約7.5に維持することが重要である。 次のステップでは細胞破片の懸濁液の初期分画を行なう。懸濁液を処理して可 溶性画分を粒状物質から分離するか、または可溶性タンパク質を不溶性タンパク 質から実質的に分離する他の操作を実施する。適当な技術には、約5000〜約 8000r.p.m.で約15分間実施する遠心、濾過、または例えば(NH4 2SO4を用いる塩沈澱が非限定的に含まれる。これらの初期分画操作は良く知 られており、また多くの変更を加え られると理解される。NS3の初期分画に加えられる適当な変更は十分に当分野 の技術の範囲内である。好ましい初期分画法は遠心である。 細胞破片の懸濁液の初期分画によって上清と、沈澱物もしくは不溶性ペレット とが得られる。上清を更に処理する。 得られた上清にイオン交換クロマトグラフィーの一つ以上の操作ステップ、及 び場合によってはゲル濾過を施し、それによって実質的に純粋なNS3を、界面 活性剤を含有しない緩衝液中に得る。好ましいイオン交換体には、ポリスチレン を基体とするカチオン交換体、デキストランを基体とするカチオン交換体、アガ ロースを基体とするカチオン交換体、セルロースを基体とするカチオン交換体、 またはヘパリンが非限定的に含まれる。カチオン交換体のカチオン交換基は典型 的には強酸または弱酸性側鎖残基である。イオン交換体を塩濃度勾配及び/また はpH勾配下に洗浄してNS3プロテアーゼを特異的に溶離する。好ましい溶離 条件は塩濃度勾配である。 上記イオン交換クロマトグラフィーは、実質的に純粋なNS3プロテアーゼが 得られるまで繰り返したり変更したりできる。典型的には、カチオン交換クロマ トグラフィーを2回行なう。 好ましい貯蔵条件には、本発明の酵素を−80℃において25mMのHEPE S(pH7.5)、10%のリセロール、10mMのDTT及び約300mMの 塩化ナトリウム中に〜15μMまたはそれ以上の濃度で存在させることが含まれ る。実施例1 HCV NS3プロテアーゼの発現 分子生物学分野の当業者に知られた方法を用いて、BK株HCVポリペプチド のアミノ酸1027〜1206をコードするプラスミドDNAを、T7ファージ の遺伝子10タンパク質の最初のATGと読み取り枠を構成するT7−7ベクタ ーの下流にクローン化し、それによってプラスミドpT7−7(NS31027 〜12 06 )を得た。本明細書に参考として含まれる1995年8月31日付公開の国際 特許出願公開第95/22985号を参照されたい。プラスミドpT7−7で大 腸菌BL21DE3 plysS細胞(Novagen)を、熱ショック技術を 用いてトランスフェクトした。細胞を、50μg/mlのアンピシリンを含有す るLB培地中で37℃で増殖させ、600nmにおける光学密度が0.4〜0. 6となったところで温度を25℃に低下させ、400μMのIPTGでNS3の 発現を誘 導した。細胞を更に2時間増殖させ、その後遠心によって回収し、溶菌まで−8 0℃で貯蔵した。実施例2 界面活性剤不在下でのHCV NS3プロテアーゼの精製 10L培養物から得た細胞を4℃において100mlの溶菌緩衝液(25mM のリン酸ナトリウム、pH7.5、1mMのEDTA、10%のグリセロール、 5mMのDTT)中に再懸濁させ、30分間20mMのMgCl2中で0.02 mg/mlのDNアーゼ(IIS型;Bovine Pancreas Sigm a)で処理した。懸濁液にPMSF(1mM)を添加し、直ちに細胞を6bar の圧力で6回マイクロフルイダイザーに通すことにより破壊した。溶解物を10 000r.p.m.で30分間遠心し、上清を回収して、50mMのリン酸ナト リウム、pH6.5、10%のグリセロール、1mMのEDTA、5mMのDT T中で予め平衡させたカチオン交換カラム(Hi−Load SP;Sepha rose高速カラム)に流量2.5ml/分で上方から導入した。カラムからN S3プロテアーゼを、濃度勾配0M→1MのNaCl塩中に溶離した。得られた 画分をSDS−PAGEで分析した。NS3プロテアー ゼを含有する画分を貯溜し、25mMのリン酸ナトリウム(pH7.5)、10 %のグリセロール、5mMのDTT緩衝液を含有する緩衝液で8〜10倍に稀釈 してから、タンデム接続された2個の4×5mmヘパリンカラムに流量3ml/ 分で上方から導入した。濃度勾配を有するNaClで上記酵素を溶離した。画分 をSDS−PAGE及びペプチド開裂アッセイで分析した。純粋なNS3プロテ アーゼを95%より高率で含有する酵素画分を貯溜し、4℃で溶離緩衝液中に貯 蔵した。精製酵素の収量は大腸菌細胞培養物1L当たり1〜2mgであった。A pplied Biosystem 470A型気相配列決定装置を用いて、N 末端配列をエドマン分解法により解析した。プロテアーゼ濃度を定量的アミノ酸 分析によって確認した。実施例3 HCV NS3基質開裂アッセイ NS4A/4B開裂部位に似せたペプチド[7−メトキシクマリン−4−アセ チル−DEMEECASHLPYK−(ε−NHCOCH3)及びアセチル−D EMEECASHLPYK−(ε−NHCOCH3)]をEnzyme Sys tems Products(Dublin,CA)から購入した。該 ペプチドの純度は95%を上回っていた。アセチル−DEMEECASHLPY K−(ε−NHCOCH3)ペプチドはそのC末端にリシンを付加することによ って高濃度可溶性とされており、また7−メトキシクマリン−4−アセチル−D EMEECASHLPYK−(ε−NHCOCH3)ペプチドのN末端には生成 物の検出を促進するべくクマリン発螢光分子(fluorophore)が導入 されていた。NS4B/5A基質の7−メトキシクマリン−4−アセチル−ED ASTPCSGS−Nph−L(Nph=パラ−ニトロフェニルアラニン)はB achem Biosciencesから購人した。配列GSVVIVGRII LSGRKKを有する4AペプチドもEnzyme Systems Prod uctsの市販合成品とした。様々な量のグリセロール、好ましくは0〜50% のグリセロールの存在下に100μLの50mM HEPES(pH7.5)反 応緩衝液、10mM DTT中で25℃においてペプチド開裂アッセイを行なっ た。100μlの5%リン酸で反応を停止させ、混合物を4.6×50mm V ydac C−18カラム上での逆相HPLCによって分析した。開裂生成物を 、0.1%リン酸/アセトニトリル濃度勾配を用いて分離し、 反応生成物を代表する真正ペプチドと保持時間を比較することによって同定した 。NS4A/4Bの開裂は予測どおり、切断されやすいCys−Ala結合にお いて生起した。生成物のUV吸光度を220nmで監視し、また328nm及び 393nmにそれぞれ設定した励起波長及び発光波長を用いて螢光検出を行なっ た。このアッセイで用いた酵素濃度は、所望の反応条件に応じて2nMから10 00nMまで非限定的に変更した。例えば、4Aペプチドが存在する時は酵素濃 度を2〜0OnMとし、前記ペプチド不在の時は300〜1000nMとした。 補因子として4Aペプチドを用いるアッセイでは、反応開始前に酵素を4Aペプ チドと共に約0〜10℃の温度で5〜10分間、次いで濃度を10〜50倍に高 めて室温で3〜10分間予備インキュベートした。酵素を4Aペプチドと共に予 備インキュベートする場合、既に4Aペプチドを含有する溶液に酵素を添加した 。用いた4Aペプチド及び基質の濃度はそれぞれ非限定的に75nMから50μ M及び0.1〜250μMとした。いずれの基質も、50mMのHEPES(p H7.5)、30mMのDTT及び10%のグリセロールに溶解させた。反応は 典型的には、初期反応速度及び生成物の有効検出度に応じて 2.5〜15分間継続させた。 初速度(加水分解量が基質総量の5%に達しない時点の速度)対基質濃度の関 係をミカエリスーメンテンの式に当て嵌めることによって、定常状態の反応速度 論パラメーター(kcat及びKM)を求めた。初速度及び定常状態条件は、行なっ たいずれの反応アッセイでも厳密に維持されていた。 本明細書ではここまで、本発明の原理を、解説のための実施例を提示しながら 教示したが、本発明の実施は本明細書中に開示した操作及びプロトコルの、以下 の請求の範囲各項とその均等物から逸脱しない普通の変更、適合、変形、削除ま たは付加を総て包含すると理解される。
【手続補正書】特許法第184条の4第4項 【提出日】1998年3月9日(1998.3.9) 【補正内容】 請求の範囲 1. 界面活性剤を含まない安定なHCV NS3プロテアーゼ。 2. HCV NS3プロテアーゼを阻害する化合物を検出するスクリーニング アッセイであって、 (a)アッセイするべき1種以上の化合物を所定量用意するステップ、 (b)前記化合物をHCV NS3プロテアーゼアッセイにおいて、請求項1に 記載のHCV NS3プロテアーゼと共にインキュベートするステップ、 (c)HCV NS3プロテアーゼアッセイにおいて前記プロテアーゼの阻害を 確認するステップ を含む操作を有するアッセイ。 3. 活性なNCV NS3プロテアーゼを、界面活性剤を用いずに精製する方 法であって、 (a)HCV NS3プロテアーゼを発現させる細胞を所定量用意するステップ 、 (b)前記細胞を破壊して、界面活性剤を含有しない緩衝液を媒 質とする懸濁液を製造するステップ、 (c)前記懸濁液を遠心して微粒子物質を除去するステップ、 (d)ステップ(c)で得られた上清についてイオン交換クロマトグラフイーの一つ 以上の操作ステツップを、溶離緩衝液が界面活性剤を含有しないという条 件下に実施するステップ、 (e)界面活性剤を含有しない緩衝液中に活性なHCV NS3プロテアーゼを 得るステップ を含む方法。 4. 活性なNCV NS3プロテアーゼを、界面活性剤を用いずに精製する方 法であって、 (a)HCV NS3プロテアーゼを発現させる細胞を所定量用意するステップ 、 (b)前記細胞をマイクロフルイダイザーで破壊して、界面活性剤を含有しない 緩衝液を媒質とする懸濁液を製造し、その際前記緩衝液のpHを約6.5 〜約7.5とするステップ、 (c)前記懸濁液を約5000〜約8000r.p.m.で約15分間遠心して 微粒子物質を除去するステップ、 (d)ステップ(c)で得られた上清についてカチオン交換クロマトグラフィーの一 つ以上の操作ステップを、溶離緩衝液が 塩濃度勾配またはpH勾配を有し、かつ界面活性剤を含有しないという条 件下に実施するステップ、 (e)界面活性剤を含有しない緩衝液中に活性なHCV NS3プロテアーゼを 得るステップ を含む方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN, CU,CZ,EE,GE,HU,ID,IL,IS,J P,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV ,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL, RO,RU,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,US,UZ,VN,YU (72)発明者 ブルー,ジエフリー・テイー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 界面活性剤を含まない安定なHCV NS3プロテアーゼ。 2. HCV NS3プロテアーゼを阻害する化合物を検出するスクリーニング アッセイであって、 (a)アッセイするべき1種以上の化合物を所定量用意するステップ、 (b)前記化合物をHCV NS3プロテアーゼアッセイにおいて、請求項1に 記載のHCV NS3プロテアーゼと共にインキュベートするステップ、 (c)HCV NS3プロテアーゼアッセイにおいて前記プロテアーゼの阻害を 確認するステップ を含む操作を有するアッセイ。 3. 請求項2に記載のスクリーニングアッセイによって測定される、HCV NS3プロテアーゼを阻害する化合物。 4. 活性なNCV NS3プロテアーゼを、界面活性剤を用いずに精製する方 法であって、 (a)HCV NS3プロテアーゼを発現させる細胞を所定量用 意するステップ、 (b)前記細胞を破壊して、界面活性剤を含有しない緩衝液を媒質とする懸濁液 を製造するステップ、 (c)前記懸濁液を遠心して微粒子物質を除去するステップ、 (d)ステップ(c)で得られた上清についてイオン交換クロマトグラフィーの一つ 以上の操作ステップを、溶離緩衝液が界面活性剤を含有しないという条件 下に実施するステップ、 (e)界面活性剤を含有しない緩衝液中に活性なHCV NS3プロテアーゼを 得るステップ を含む方法。 5. 活性なNCV NS3プロテアーゼを、界面活性剤を用いずに精製する方 法であって、 (a)HCV NS3プロテアーゼを発現させる細胞を所定量用意するステップ 、 (b)前記細胞をマイクロフルイダイザーで破壊して、界面活性剤を含有しない 緩衝液を媒質とする懸濁液を製造し、その際前記緩衝液のpHを約6.5 〜約7.5とするステップ、 (c)前記懸濁液を約5000〜約8000r.p.m.で約15分間遠心して 微粒子物質を除去するステップ、 (d)ステップ(c)で得られた上清についてカチオン交換クロマトグラフィーの一 つ以土の操作ステップを、溶離緩衝液が塩濃度勾配またはpH勾配を有し 、かつ界面活性剤を含有しないという条件下に実施するステップ、 (e)界面活性剤を含有しない緩衝液中に活性なHCV NS3プロテアーゼを 得るステップ を含む方法。
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