JP2002510509A - C型肝炎ウイルスns5b組成物およびその使用方法 - Google Patents

C型肝炎ウイルスns5b組成物およびその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 HCV核酸および蛋白をここに開示する。本発明の組成物を用いる方法およびキットも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)、さらに詳しくは、HCV NS5B 遺伝子およびそれによりコードされる蛋白に関する。特に、本発明は、HCV NS5B配列を含む新規な組成物、機能的なHCV NS5B配列、HCV NS
5B配列の機能的に改良された組成物、ならびにそのNS5B配列の研究、診断
、治療および医薬の用途における使用に関する。
【0002】 (関連出願の相互参照) 本願は、35U.D.C.119条(e)の下、1998年4月2日付け出願の 米国仮出願60/080509および1998年6月23日付け出願の米国仮出
願60/090356に対して優先権を主張するものであり、仮に本願明細書中
に十分に開示されているとしても、その各々の開示を出典明示により本明細書の
一部とするものである。
【0003】 (発明の背景) C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界中に及ぶ、肝炎の主たる原因である。世
界保健機関は世界中で1億5千万の人が現在このウイルスに感染していると判断
している。大部分の感染は持続的となり、感染の約60%が慢性の肝疾患に発展
する。慢性HCV感染は肝硬変、肝細胞癌および肝不全を発病するに至りうる。 最近、合衆国では、HCVによる肝炎を治療するのに、インターフェロンα(
IFN)がよく効くとされている。IFN治療は、患者の20ないし40%で、
血清酵素応答の改良が見られる。残りの患者はIFN治療に応答しない。応答し
た者で、その患者のうちわずか10ないし20%にて、アミノトランスフェラー
ゼ濃度の持続的改良が見られる;患者の大部分はIFN治療を中止すると元の状
態に戻ることとなる。IFNは慢性C型肝炎の第1治療薬であるが、その効果は
一定しておらず、治癒率は低く、付随する副作用はかなりのものである。
【0004】 開発中のHCVワクチンは、一般に、推定ウイルス構造蛋白(C、E1、E2
)の組換えバージョン、またはこれらの蛋白をコードする遺伝子からなる。ウイ
ルス中和抗体が存在し、惹起され得、そしてHCV感染を阻害または妨げること
ができると考えられる。しかし、今日まで、HCVに対して安全かつ効果的であ
ると証明されたワクチンはない。実際、予め存在する抗体で中和されない免疫学
的に別個のエンベロープ蛋白を示すウイルス単離体と同様、HCVが固有の遺伝
的多様性を示す場合、ワクチン開発は手に負えそうもない仕事であろう。 HCVはインビトロにて未だ効果的に増殖させることができない。この不備に
よりHCV複製の幾つかの局面を完全に理解することが妨げられることとなる。
多くのHCV単離体が感染患者より分子的にクローンされ、かつ配列決定されて
いるが、効率的な複製を容易にするのに必要な配列特徴および因子について、研
究すべきことが多く残っている。種々の代替遺伝子発現系におけるこれらの配列
の研究より、HCVの分子生物学の知識は近年著しく拡張された。現存の知識お
よび関連するペスチウイルスおよびフラビウイルスを分子生物学的に理解するこ
とにより促進されたこれらの進歩は、抗ウイルス薬を開発する場合の適当な標的
である、ウイルス複製に不可欠なウイルスに特異な要素に対して重要な見解をも
たらした。
【0005】 上記したように、HCVは、遺伝学的に不均一なウイルスである。自然界に、
および感染個体に「準種(quasispecies)」として存在し、それは、いずれか特
定の供給源からのウイルス集団の範囲内で、ウイルス遺伝的物質が、同じではな
いが、密接に関連する配列の集合として存在することを意味する。このHCV配
列の遺伝的異質性は、HCVの正常な複製工程の間に導入された自然な誤りの結
果、宿主によりウイルスにかかる選択圧の結果、あるいは他の因子の結果である
かもしれない。HCVの準種特性は、宿主の防御系による排除を回避し、持続感
染を確立するウイルスの能力に帰するものであると考えられる。 HCVの準種特性は、特にウイルスの効率的な複製のための制御系のない場合
に、「機能的」遺伝子およびゲノムの配列を限定することを困難にしている。し
かしながら、HCV配列のセグメントの機能性は種々の代替発現系にて研究され
てきた。数種の遺伝子産物が、その遺伝子産物中の特定のアミノ酸配列モチーフ
の存在に基づき、存在すると予測される酵素学的活性を示すことで、インビトロ
アッセイにて機能的であることが明らかにされた。例えば、FS3蛋白はセリン
プロテイナーゼ、ヌクレオシドトリホスファターゼおよびヘリカーゼ活性を有し
、NS5B蛋白はRNA−依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)活性を有する
【0006】 近年におけるHCVの感染分子クローンの研究(Kolykhalovら、Science 27
7:570−574(1997);Yanagiら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 9 4:8738−8743(1997))により、完全な機能的HCVゲノムを定
義することが可能となり、その結果、一の特定の供給源から得られたHCVのこ
の特定の株より由来の一連の機能的HCV遺伝子産物を定めることができる。Ko
lykhalovらが機能的ゲノムを得ることの困難性は、1)感染患者におけるHCV
の極めて変動的な準種特性;2)臨床試料中のウイルスRNAが少量であるため
、配列のインビトロ増幅(cDNA合成およびPCR増幅)の必要性;および3
)(イー・コリにおける)分子クローニングの必要性、を含むことにあるとする
のは注目すべきことである。これらの態様は、各々、欠陥(機能性に乏しいまた
は非機能的)HCV配列の可能性および提示を、あるいはHCV配列の転写また
は増幅において誤りを生じさせることができる。Kolykhalovらは、34種の完全
なゲノム分子クローンより産生したRNAがチンパンジーにて感染を示さなかっ
たことを示した。ヌクレオチド配列を分析し、完全に配列決定された6種の全長
クローンの間で多数の配列が変化していることがわかった。「コンセンサス配列
」のクローンを生成した場合のみ、正の感染性を測定することができた。Yanagi
らはまた、単一の供給源より得られた個々の分子クローンの間の高度の配列変動
性および全長分子クローンからのRNA転写物の非感染性を示した。Yanagiらは
、大部分のHCVゲノムは不完全であると結論した。事実、最近の研究により、
分子クローニング操作の間の不完全なHCVゲノムの優先的選択への傾向が示さ
れた(Fornsら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:13909−13914(
1997))。Fornsらによれば、対照プラスミド由来の25種のランダムクロ ーンのうち、わずか8%だけがポリ蛋白合成に機能的であった。
【0007】 かくして、HCV由来の配列の単なる知識では、かかる配列が有用なウイルス
遺伝子産物または機能的ウイルス遺伝子産物をコードすると結論付けるのに十分
ではないことはこれらの例示から明らかである。 NS5B遺伝子に関する多くの部分的および完全な遺伝子配列が種々のデータ
ベースに入力されているが、RdRp活性のインビトロアッセイに基づいて機能
的であると証明されているのはこれら配列のうちほんのわずかにすぎない。 本発明は、研究、診断、治療および医薬用途に用いるための、および効力のあ
る抗ウイルス剤を同定するアッセイにて用いるための、新規かつ機能的な、なら
びに機能上改良された、C型肝炎ウイルスNS5B配列を提供するものである。
【0008】 発明の概要 本発明は、RdRp活性を示すことのできる組み換えHCV蛋白が誘導されう
る新規HCV NS5Bヌクレオチド配列を提供する。改良された機能活性を生 じさせる配列の修飾も提供される。かかる機能的組み換えHCV NS5B蛋白 は、研究、診断、治療および医薬への用途がある。特に、本発明の組み換えHC
V NS5B蛋白は抗ウイルス剤の発見戦略において有用である。
【0009】 本発明の好ましい具体例において、本発明のクローン4中に存在する配列番号
:1として同定されるDNA配列を含む単離核酸分子が提供される。典型的なH
CV NS5B蛋白は、クローン4によりコードされる配列番号(SEQ ID NO):
2として同定されるアミノ酸配列を有する。配列番号:1の核酸配列に関連した
核酸配列を示すさらなる核酸分子は、それぞれ配列番号:8、9、10、11お
よび12により同定されるHCV NS5Bのアミノ酸配列をコードする配列番 号:3、4、5、6および7により同定される核酸配列を包含し(これらに限ら
ない)、やはり本発明の範囲内であると考えられる。これらの配列の保存的配列
または残基置換物もまた、本発明の範囲内であると考えられる。
【0010】 本発明のさらなる具体例において、機能的に改良されたC型肝炎ポリメラーゼ
核酸およびアミノ酸配列が提供される。典型的な配列は、配列番号:2により同
定されるアミノ酸配列に関連したアミノ酸配列をコードする核酸配列であって、
特定コドンが置換されて配列中において特定アミノ酸をコードするようになって
いるものを包含する。有用な変化の例は、成熟NS5B蛋白のアミノ酸位置番号
75、177および543における変化を包含するが、これらに限らない。
【0011】 もう1つの具体例において、特定コドンが置換されてNS5Bの既知配列中に
は通常見られないアミノ酸をコードするようになっている、機能的に改良された
C型肝炎ポリメラーゼ核酸およびアミノ酸配列が提供される。例えば、変化は、
成熟NS5B蛋白のアミノ酸位置番号1および2におけるもの(これらに限らな
い)を包含し、それらの変化は本発明にて有用である。
【0012】 上記のように、変種蛋白またはポリペプチドは本発明の範囲内であると考えら
れる。配列番号:13はかかる変種配列の一例を示す。かかる変種はHCVポリ
メラーゼ活性を有していてもよく、あるいは有していなくてもよい。これらの変
種は1またはそれ以上の変化を有していてもよく、その変化のそれぞれが1また
はそれ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、または置換を含むものであってもよい
。好ましくは、変化はポリペプチドの構造または有用な特性に影響しないか、あ
るいは実質的に影響しないものである。よって、好ましくは、HCV NS5B 変種は上記のような機能的HCV NS5B活性を有するものであってもよく、 あるいはそれらはほとんど機能的でないかまたは不活性であってもよいが、元の
ポリペプチドの二次および三次構造を実質的に含むものである。かかるNS5B
分子を用いて、HCV NS5Bに結合するか、あるいはHCV NS5B活性に
影響する作用剤を同定してもよい。HCV NS5B変種は天然に存在するもの (すなわち、天然源から精製または単離されたもの)あるいは合成されたもの(
すなわち、部位特異的突然変異法に供されたDNAの生物学的発現により、ある
いは当該分野においてよく知られた化学合成法により得られるもの)のいずれで
あってもよい。
【0013】 本発明の核酸分子をベクター中に組み込んで発現させてもよい。かかるベクタ
ーは、例えば、プラスミド、複製コンピテントまたは欠陥ウイルスあるいはファ
ージベクターあるいはレプリコンの形態であってもよく、典型的には、複製開始
点、所望によりポリヌクレオチド発現用プロモーターおよび所望によりプロモー
ターのレギュレーターを備えたものであってもよい。ベクターは1またはそれ以
上の選択可能マーカー遺伝子、例えば、細菌プラスミドの場合にはアンピシリン
耐性遺伝子、あるいは哺乳動物ベクターの場合にはネオマイシン耐性遺伝子を含
んでいてもよい。ベクターは、例えばRNAまたは蛋白を得るためにインビトロ
で使用されるものであってもよい。さらにベクターを用いて宿主細胞または生物
を形質転換、トランスフェクション、感染またはトランスダクションしてもよい
。さらに本発明は、HCV NS5B蛋白の活性に影響する作用剤を同定するた めの、本発明のHCV核酸配列またはポリペプチドを有し、あるいは発現する宿
主細胞および生物の使用も企図する。
【0014】 本発明のさらにもう1つの具体例において、HCV NS5Bポリメラーゼ活 性に影響する作用剤を同定するための方法が提供される。かかる方法は、大量の
作用剤の法かを可能にする高処理量スクリーニング手順を含む。本発明のHCV
NS5B核酸およびポリペプチド、それらの変種、あるいは本発明方法を用い ることにより同定される作用剤は、NS5B配列に対するそれらの影響がアンタ
ゴニスト的またはアゴニスト的のいずれであってもよい。これらの作用剤は、小
型分子、ポリマー、ペプチド、ポリペプチド、免疫グロブリンまたはそれらのフ
ラグメント、オリゴヌクレオチド、アンチセンス分子、ペプチド−核酸抱合体、
リボザイム、ポリヌクレオチド等を包含する多くのクラスの分子を包含しうる。
特に、本発明の実施により同定されるアンタゴニスト的分子ならびにアゴニスト
的分子は広範で数多くの有用性を有すると考えられる。HCV NS5B活性の アンタゴニストに関するかかる有用性は、ヒトまたは他の生きた宿主、ならびに
細胞、組織および器官培養のごときインビトロ系におけるHCV複製の抑制のた
めの使用を包含するが、これらに限らない。本発明の実施により同定されるHC
V NS5B活性のアゴニストもまた、生きた宿主およびインビトロの両方にお いて数多くの有用性を有するであろう。例えば、かかる作用剤は、HCV感染、
複製または疾病に関する動物モデル、ならびに生きた宿主または細胞、組織もし
くは器官培養におけるHCVの増殖に関する動物モデルの開発において有用であ
ろう。
【0015】 本発明のもう1つの態様によれば、本明細書開示の組成物および方法の使用を
容易にするためのキットが提供される。典型的なキットは、本発明のHCV N S5B核酸およびポリペプチドまたはそれらの変種を、単独あるいは適当なベク
ターと組み合わせて含有する。本発明の組成物の特別な適用ならびに該適用を実
行するために必要な試薬の使用のためのプロトコールも含まれる。キットの試薬
は意図される適用に応じて様々である。かかる試薬は、バッファー、溶媒、培地
および溶液、基質およびコファクター、ベクターおよび宿主細胞、ならびに検出
またはリポーター試薬を包含するが、これらに限らない。バイアル、容器および
反応チャンバーのごとき他のアクセサリーを含んでいてもよい。
【0016】 以下の定義は本発明に関する主題の理解を助けるためのものである。 本明細書の用語「C型肝炎ウイルス」または「HCV」はフラビウイルス科(
Flaviviridae family)のヘパウイルス属(hepacivirus genus)中に分類される
関連ウイルスの広範な群に属するものを意味する。 本明細書の用語「核酸」または「核酸分子」は直鎖状または環状の1本鎖また
は2本鎖のDNAまたはRNA分子をいい、1本鎖の場合にはその相補的配列の
分子もいう。核酸分子を議論する場合、本明細書において特定の核酸分子の配列
または構造を通常の記載慣習に従って5’から3’の向きに記載することがある
。本発明の核酸に関して、用語「単離核酸」を時々用いる。この用語は、DNA
について用いる場合、その起源生物の天然ゲノム中において隣接して連続してい
る配列から分離されたものである。例えば、「単離核酸」はプラスミドまたはウ
イルスベクターのごときベクター中に挿入されたDNA分子を含んでいてもよく
、あるいは原核細胞もしくは真核細胞または宿主生物のゲノムDNA中に組み込
まれていてもよい。 RNAについて用いる場合、用語「単離核酸」は、主として、上記単離DNA
分子によりコードされるRNA分子をいう。あるいはまた、その用語は、その天
然状態(すなわち、細胞または組織中)において結合している他の核酸から十分
に分離されたRNA分子をいうこともある。さらに単離核酸(DNAまたはRN
A)は、生物学的または合成的手段により直接生産され、その生産中に存在する
他の成分から分離されているものをいうことがある。
【0017】 核酸の特定配列の「天然対立遺伝子変種」、「変異体」および「誘導体」は、
特定配列に密接に関連しているが、配列または構造中の自然発生的または設計さ
れた変化を有していてもよい核酸配列をいう。密接に関連とは、配列のヌクレオ
チドの少なくとも75%、しばしば90%より多くが、特定の配列番号を用いて
表される核酸配列の一定の長さにわたって合致することを意味する。密接に関連
した核酸配列間の核酸配列中の変化または相違は、特定の核酸配列の複製または
重複の過程において自然に起こる配列中のヌクレオチド変化をいうことがある。
他の変化は、特別な目的のために特別に設計され特別な配列中に導入されたもの
、例えば、核酸の調節領域におけるアミノ酸コドンまたは配列の変化のようなも
のであってもよい。かかる特別な変化を、種々の突然変異法を用いてインビトロ
において生じさせてもよく、あるいは変化を誘導または選択する特定の選択条件
下において宿主生物中で生じさせてもよい。特別に得られるかかる配列の変種を
、元の配列の「変異体」または「誘導体」といってもよい。 用語「類似性パーセント」、「同一性パーセント」および「相同性パーセント
」は、特定の核酸についていう場合、ウィスコンシン大学GCGソフトウェアプ
ログラム中に示されたように用いる。 用語「NS5B」は、「NS5B蛋白」、「NS5Bポリペプチド」、「NS
5Bポリメラーゼ」またはこれらの用語の組み合わせを用いて呼ばれる蛋白をコ
ードする領域を特定するウイルスゲノムの3’末端付近にあるHCVゲノムの一
部分をいう。天然状態のNS5BはRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp
)として機能する。NS5B蛋白をコードする核酸領域を「NS5B遺伝子」と
いうこともある。よって、用語「NS5B」は、それが用いられる文脈に応じて
、NS5Bポリペプチドをコードする核酸、NS5B遺伝子またはNS5Bポリ
ペプチド、あるいはそれらの部分をいうことがある。さらにNS5Bは、NS5
B核酸配列またはNS5Bポリペプチドの自然対立遺伝子変種、変異体および誘
導体をいうことがある。NS5B核酸、NS5B遺伝子またはNS5B蛋白は機
能的であてもよく、あるいは機能的でなくてもよい。 また本発明は、本発明のHCV NS5Bポリペプチドまたは蛋白の活性部分 、フラグメント、誘導体および機能的もしくは非機能的模倣物を包含する。HC
V NS5Bの「活性部分」は、全長のHCV NS5Bポリペプチドより小さい
が、測定可能な生物学的活性を保持しているペプチドを意味する。
【0018】 HCV NS5Bポリペプチドの「フラグメント」、「部分」は、少なくとも 約5個ないし7個の連続したアミノ酸、しばしば少なくとも約7個ないし9個の
連続したアミノ酸、典型的には少なくとも約9個ないし13個の連続したアミノ
酸、そして最も好ましくは少なくとも約12個ないし30個またはそれ以上の連
続したアミノ酸からなるアミノ酸残基の並びを意味する。HCV NS5Bポリ ペプチド配列、抗原決定基、ウイルス性抗原またはエピトープのフラグメントは
、HCV NS5Bアミノ酸配列の一部分に対する免疫応答を誘導するために有 用である。 HCV NS5Bポリペプチドまたはそのフラグメントの「誘導体」は、蛋白 のアミノ酸配列を変化させることにより、例えば、蛋白をコードする核酸を処理
することにより、あるいは蛋白自体を変化させることにより修飾されたポリペプ
チドをいう。天然アミノ酸配列のかかる誘導体は、1個またはそれ以上のアミノ
酸挿入、付加、欠失または置換を包含してもよく、元のHCV NS5Bポリペ プチドの必須活性を変化させるものであってもよく、変化させないものでもよい
。上記のごとく、本発明のHCV NS5Bポリペプチドまたは蛋白は、HCV
NS5Bポリペプチドに由来し、HCV NS5Bポリペプチドの少なくとも1 の特性または他の特徴を保持しているアナログ、フラグメント、誘導体または変
異体を包含する。HCV NS5Bポリペプチドの異なる「変種」は天然に存在 する。これらの変種は、蛋白をコードする遺伝子のヌクレオチド配列の相違によ
り特徴づけられる対立遺伝子であってもよく、あるいは異なるRNAプロセッシ
ングまたは翻訳後修飾を含むものであってもよい。当業者は、1個または複数個
のアミノ酸の置換、欠失、付加または置換を有する変種を製造することができる
。これらの変種は、とりわけ、(a)1個またはそれ以上のアミノ酸残基が保存
的または非保存的アミノ酸で置換されている変種、(b)1個またはそれ以上の
アミノ酸がHCV NS5Bポリペプチドに付加されている変種、(c)1個ま たはそれ以上のアミノ酸が置換基を有する変種、ならびに(d)HCV NS5 Bポリペプチドが、例えば抗体に対するエピトープ、ポリヒスチジン配列、ビオ
チン部分等のような有用な特性をHCV NS5Bポリペプチドに付与しうる融 合パートナー、蛋白タグまたは他の化学的部分のごとき別のペプチドまたはポリ
ペプチドと融合している変種、を包含しうる。本発明の他のHCV NS5Bポ リペプチドは、1の種に由来するアミノ酸残基が保存的位置または非保存的位置
において別の種の対応残基で置換されている変種を包含する。もう1つの具体例
において、非保存的位置におけるアミノ酸残基が保存的または非保存的残基で置
換される。遺伝学的(抑制、欠失、突然変異等)、化学的、および酵素的方法を
包含するこれらの変種を得る方法は当業者に知られている。 別の核酸プロセッシング形態ならびに別の修飾後修飾形態を包含する、かかる
対立遺伝子変種、アナログ、フラグメント、誘導体、変異体、および修飾体は、
HCV NS5Bポリペプチドの生物学的特性を保持するHVB NS5Bポリペ
プチドの誘導体を生じ、それらは本発明の範囲内に包含される。
【0019】 本明細書の用語「機能的」とは、核酸配列が、列挙されたアッセイまたは目的
に関して機能的であることを意味する。 語句「必須として含む」は、特定のヌクレオチドまたはアミノ酸に用いる場合
、配列番号で示す配列の特性を有する配列を意味する。例えば、アミノ酸配列に
ついていう場合、その語句はその配列自体およびその配列の基本的かつ新規な特
徴に影響しない分子修飾体を包含する。 「レプリコン」は遺伝学的エレメント、例えば、プラスミド、コスミド、バク
ミド、ファージまたはウイルスであって、それ自身の制御下でよく複製できるも
のである。レプリコンはRNAまたはDNAであってよく、1本鎖または2本鎖
であってよい。 「ベクター」はプラスミド、コスミド、バクミド、ファージまたはウイルスの
ごときレプリコンであり、別の遺伝学的配列またはエレメント(DNAまたはR
NAいずれか)がそれに結合していて該結合配列またはエレメントの複製を引き
起こすものであってもよい。 「発現オペロン」とは、プロモーター、エンハンサー、翻訳開始シグナル(例
えば、ATGまたはAUGコドン)、ポリアデニル化シグナル、ターミネーター
等のごとき転写および翻訳制御配列を有していてもよく、ポリペプチドをコード
する配列の宿主細胞または生物中での発現を容易ならしめる核酸セグメントをい
う。
【0020】 本明細書の用語「オリゴヌクレオチド」とは、本発明のプライマーおよびプロ
ーブをいい、2個またはそれ以上、好ましくは3個以上のリボ−またはデオキシ
リボ核酸から構成される核酸分子とし定義される。オリゴヌクレオチドの正確な
サイズは種々の因子およびオリゴヌクレオチドの個々の適用および用途に依存す
る。 本明細書の用語「プローブ」は、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドまた
は核酸をいい、RNAまたはDNAのいずれでもよく、例えば精製制限酵素消化
物中に本来的に存在するものであっても、あるいは合成により製造されるもので
あってもよく、当該プローブに相補的な配列にアニールでき、あるいは特異的に
ハイブリダイゼーションできるものである。プローブは1本鎖または2本鎖であ
ってよい。プローブの正確な長さは、温度、プローブ源および使用方法を包含す
る多くの因子に依存する。例えば、診断への適用に関しては、標的配列の複雑さ
に応じて、典型的にはオリゴヌクレオチドプローブは15〜25個またはそれ以
上のヌクレオチドを含有するが、より少ないヌクレオチドを含有していてもよい
。本明細書でいうプローブは、特定の標的核酸配列の異なる鎖に対して「実質的
に」相補的であるように選択される。このことは、1セットの前以て決定された
条件下で対応する標的鎖に「特異的にハイブリダイゼーション」またはアニール
するためにはプローブが十分に相補的でなければならないことを意味する。それ
ゆえ、プローブ配列は標的の正確な相補配列を反映するものである必要はない。
例えば、非相補的ヌクレオチドフラグメントがプローブの5’または3’末端に
結合していて、プローブ配列の残りの部分が標的鎖に相補的なものであってもよ
い。あるいはまた、非相補的塩基またはより長い配列がプローブ中に入っていて
もよいが、標的核酸配列に対して十分な相補性を有していて、プローブ配列が特
異的にアニールすることが条件である。 用語「特異的にハイブリダイゼーション」は、十分な相補性を有する2個の1
本鎖核酸分子間の会合であって、当該分野において広く使用される前以て決定さ
れた条件下でのかかるハイブリダイゼーションを可能にする会合をいう(時々、
「実質的に相補的」という)。詳細には、該用語は、本発明の1本鎖DNAまた
はRNA分子中に含まれる実質的に相補的な配列とオリゴヌクレオチドとのハイ
ブリダイゼーションをいい、非相補的配列の1本鎖核酸とオリゴヌクレオチドと
のハイブリダイゼーションを実質的に排除する。
【0021】 本明細書の用語「プライマー」は、RNAまたはDNAであるオリゴヌクレオ
チドをいい、1本鎖または2本鎖であってよく、生物学的システムに由来するも
の、制限酵素での消化により得られるもの、あるいは合成により製造されるもの
のいずれでであってもよく、正しい環境に置かれた場合に、鋳型に依存した核酸
合成のイニシエーターとして機能的に作用しうるものである。適当な核酸鋳型、
核酸の適当なヌクレオシド三リン酸前駆体、ポリメラーゼ酵素、適当なコファク
ターならびに適当な温度およびpHのごとき適当な条件とともに存在する場合、
ポリメラーゼまたは類似の活性の作用によるヌクレオチド付加によって3’末端
においてプライマーが伸長されて、プライマー伸長生成物が生じうる。プライマ
ーは個々の条件および適用に関する必須因子に応じて様々な長さであってよい。
例えば、診断への適用においては、典型的には、オリゴヌクレオチドプライマー
は15〜25個またはそれ以上のヌクレオチドの長さである。所望伸長生成物の
合成を開始させるためには、すなわち、ポリメラーゼまたは類似の酵素による合
成の開始に使用される適当に並置されたプライマーの3’ヒドロキシル部分を提
供するに十分な様式で所望鋳型鎖とアニールできるためには、プライマーは、所
望鋳型に対して十分に相補的でなくてはならない。プライマー配列が所望鋳型に
正確な相補物である必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチド配列が相補的プ
ライマーの5’末端に結合していてもよい。あるいはまた、非相補的塩基がオリ
ゴヌクレオチドプライマー配列中に入っていてもよいが、プライマー配列が所望
鋳型鎖に対して十分な相補性を有し、伸長生成物の合成のための鋳型−プライマ
ー複合体を機能的に提供することが条件となる。本明細書記載のアミノ酸残基は
「L」異性体が好ましい。しかしながら、「D」異性体の残基がL−アミノ酸残
基の代わりにあってもよいが、ポリペプチドの所望特性が保持されることが条件
である。 本明細書に示されるすべてのアミノ酸残基配列は、右から左にアミノ末端から
カルボキシ末端とする慣用的なものである。
【0022】 用語「単離蛋白」または「単離精製蛋白」を本明細書に時々使用する。この用
語は、主として、本発明の単離核酸分子の発現により生成される蛋白をいう。あ
るいはまた、この用語は、本来的には関連している他の蛋白から十分に分離され
て、「実質的に純粋」な形態で存在する蛋白をいう。「単離」は、他の成分また
は材料との人工的または合成的混合物を排除すること、あるいは基本的活性を妨
害せず、例えば精製不十分、安定化剤添加、または例えば免疫原性調合物もしく
は医薬上許容される調合物中への配合によっって存在する可能性のある不純物の
存在を意味するのではない。 用語「実施知的に純粋」は、少なくとも50〜60重量%の物質(例えば、核
酸、オリゴヌクレオチド、蛋白等)を含む調合物をいう。より好ましくは、調合
物は少なくとも75重量%、最も好ましくは90〜95重量%の化合物を含む。
純度は、化合物に適した方法により測定される(例えば、クロマトグラフィー法
、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動、HPLC分析等)。 「成熟蛋白」または「成熟ポリペプチド」は、ポリ蛋白前駆体からの蛋白分解
プロセッシングのごとき発生の過程でポリペプチドに通常生じるプロセッシング
後のポリペプチド配列を有するポリペプチドを意味する。成熟蛋白の配列または
境界を示す際に、成熟蛋白配列の1番目のアミノ酸をアミノ酸残基1とする。よ
って、成熟NS5B蛋白の1番目のアミノ酸残基は、すべての既知HCV配列に
関してセリン残基である。本明細書にて用いるように、成熟蛋白のアミノ酸1に
先行する天然には見られないアミノ酸残基を−1、−2、−3などとする。組み
換え発現系に関しては、メチオニンイニシエーターコドンがしばしば翻訳効率化
の目的で使用される。よって、NS5Bの場合、メチオニンコドンをセリンコド
ンの直前に置いてもよい。得られたポリペプチド中のこのメチオニン残基は、本
明細書によれば、成熟NS5B蛋白配列に対して−1の位置に置かれている。
【0023】 用語「タグ」、「タグ配列」または「蛋白タグ」は、ヌクレオチド、オリゴヌ
クレオチド、ポリヌクレオチドまたはアミノ酸、ペプチドもしくは蛋白または他
の化学物質のいずれかである化学的部分をいい、別の配列に付加された場合、特
に、該別の配列の検出または単離においてさらなる有用性を提供し、あるいは有
用な特性を該別の配列に付与するものである。よって、例えば、ホモポリマー核
酸配列または捕捉オリゴヌクレオチドに対して相補的な核酸配列をプライマーま
たはプローブに付加して、その後行う伸長生成物またはハイブリダイゼーション
生成物の単離を容易ならしめてもよい。蛋白タグの場合、ヒスチジン残基(例え
ば、4個ないし8個の連続したヒスチジン残基)を蛋白のアミノまたはカルボキ
シ末端に付加して、キレート金属クロマトグラフィーによる蛋白の単離を容易な
らしめてもよい。別法として、特定の抗体分子または他の分子(例えば、フラッ
グエピトープ、c−mycエピトープ、インフルエンザAウイルスのヘマグルチ
ニン蛋白の膜貫通エピトープ、セルロース結合ドメイン、カルモジュリン結合蛋
白、マルトース結合蛋白、キチン結合ドメイン、グルタチオンS−トランスフェ
ラーゼ等)と反応するエピトープまたは結合決定基である、アミノ酸配列、ペプ
チド、蛋白または融合パートナーを蛋白に付加して、アフィニティーまたは免疫
アフィニティークロマトグラフィーのごとき手順による蛋白の単離を容易ならし
めてもよい。化学タグ部分は、核酸または蛋白のいすれかに付加でき、アビジン
試薬との相互作用により単離または検出を容易ならしめることのできるビオチン
のごとき分子等を包含する。他の多くのタグ部分が当業者に知られ、考えられて
おり、それらはこの定義の範囲内である。
【0024】 本明細書の用語「リポーター」、「リポーターシステム」、「リポーター遺伝
子」、または「リポーター遺伝子産物」は作動性の遺伝子システムを意味し、該
システム中において、核酸は、例えば生物学的アッセイ、イムノアッセイ、ラジ
オイムノアッセイ、または比色法、蛍光法、化学発光法または他の方法により容
易に測定できるリポーターシグナルを発現の際に生じる遺伝子産物をコードして
いる遺伝子を含んでいる。核酸はRNAまたはDNAであってよく、直鎖状また
は環状であってよく、1本鎖または2本鎖であってよく、アンチセンスまたはセ
ンス鎖であってよく、リポーター遺伝子産物の発現に必要な制御エレメントに作
動可能に連結されている。必要な制御エレメントは、リポーターシステムの性質
およびリポーター遺伝子がDNA形態かRNA形態かにより様々であるが、プロ
モーター、エンハンサー、翻訳制御配列、ポリA付加シグナル、転写終結シグフ
ナル等のごときエレメント(これらに限らない)を包含しうる。 用語「形質転換」、「トランスフェクト」、「ドランスデュース」は、各酸を
細胞または宿主生物中に導入する方法または手段をいい、同じ意味を表すために
混用することがある。かかる方法は、トランスフェクション、エレクトロポレー
ション、マイクロインジェクション、PEG−融合等を包含するが、これらに限
らない。 導入された核酸は受容細胞または生物の核酸中に組み込まれ(共有結合し)て
もよく、組み込まれなくてもよい。細菌、酵母、植物および哺乳動物細胞におい
て、例えば、導入された核酸は、プラスミドのごときエピソームエレメントまた
は独立したレプリコンであってもよい。あるいはまた、導入された核酸は受容細
胞または生物の核酸中に組み込まれるようになり、当該細胞または生物中で安定
に維持され、さらに継代され、あるいは受容細胞または生物の子孫細胞または生
物に遺伝されるものであってもよい。他の様式において、導入された核酸は受容
細胞または生物中に一時的にのみ存在するもであってもよい。
【0025】 「クローン」または「クローン細胞集団」は、単一細胞または共通の祖先から
有糸分裂により派生する細胞集団である。 「細胞系」は、インビトロにおいて多くの世代にわたり安定に増殖しうる一次
細胞のクローンまたは細胞集団である。 「免疫応答」は、機能的な免疫系を有する宿主においてウイルス抗原のごとき
抗原により引き起こされる反応を意味する。免疫応答は、その性質において体液
性、すなわち免疫グロブリンまたは抗体の産生を含むもの、あるいはその性質に
おいて細胞性、すなわち種々のタイプのBおよびTリンパ球、樹状細胞、マクロ
ファージ、抗原提示細胞等を含むもの、あるいはそれらの両方であってよい。免
疫応答は、サイトカイン、リンフカイン等のごとき種々のエフェクター分子の産
生または生成を含むものであってもよい。インビトロおよび種々の細胞または動
物系の両方において免疫応答を測定することができる。かかる免疫応答は宿主を
疾病から防御することにおいて重要である可能性があり、予防的および治療的に
用いることができる。 「ウイルス抗原」は、宿主の機能的免疫系の反応を起こさせる潜在能力を有す
るウイルス由来のペプチド、ポリペプチドまたは蛋白配列、セグメントまたはエ
ピトープである。 「抗体」または「抗体分子」は、特異的抗原に結合する、抗体およびそのフラ
グメントを包含する免疫グロブリンである。該用語はポリクローナル、モノクロ
ーナル、キメラ、および二特異性抗体を包含する。本明細書において使用するよ
うに、抗体または抗体分子は両方とも無傷の免疫グロブリン分子ならびにFab
、Fab’、F(ab’)2およびF(v)として当該分野で知られた免疫グロ
ブリン分子の部分のごとき免疫学的に活性のある免疫グロブリンの分子の部分を
包含する。 本明細書の用語「生きた宿主」はヒトでない自立性存在を意味する。
【0026】 発明の詳細な説明 HCVは輸血に伴う、特発性の非A、非B肝炎の主要な原因病原体である。多
くのHCV感染患者は慢性肝炎になり、これが最終的に硬変症に至り、しばしば
肝細胞の癌腫を進行させる。この疾患の新しい有効治療法が差し迫って必要とさ
れている。 HCVは、およそ9.4キロベースの(+)鎖の鎖状RNAゲノムを有する包膜(
enveloped)ウイルスである。この核酸は、ウイルス性および細胞性プロテアーゼ
により少なくとも9つの異なるウイルス性ポリペプチドにプロセッシングされる
巨大ポリ蛋白をコードする。 本発明の1の態様において、本発明はHCV感染患者由来のHCV遺伝物質を
提供する。本発明はさらに、これらの配列および、RdRp活性を有する配列か
ら発現されるHCV組換えNS5B蛋白を提供する。 組換えHCV NS5B遺伝子配列の発現は、細菌、酵母、哺乳動物、昆虫お よび植物細胞系を包含する、これらには限定されない様々な系において、ならび
に、感染、形質移入、形質導入または遺伝子組換え昆虫、動物または植物のよう
な生物体において行うことができる。本発明の一態様においては、感染後、培養
中の昆虫細胞内でHCV NS5B遺伝子配列を発現させるための組換えバキュ ロウイルスを構築した。
【0027】 HCVに感染した患者の血清から抽出したRNAを、NS5B遺伝子配列を増
幅するために設計したプライマーオリゴヌクレオチドを用いて逆転写酵素-ネス テッドポリメラーゼ連鎖反応法に供した。ネステッドPCR反応のためのプライ
マーはNS5B遺伝子のバキュロウイルス発現輸送ベクターへの直接クローニン
グを可能にし、確認されたNS5Bコード配列の第一アミノ酸のすぐ前に開始メ
チオニンコドンを提供する。数個の輸送ベクタークローンからのNS5B遺伝子
を配列決定し、組換えバキュロウイルスを作成するのに用いた。これらのウイル
スでSf9細胞を感染させた後、HCV NS5B配列特異的抗血清を用いてウ エスタン免疫ブロットを行うことにより、68キロダルトンのNS5B蛋白の明
らかな産生が示された。
【0028】 本発明の他の側面において、発現し、精製し、およびRdRp活性を評価する
NS5B配列は、高活性、ほとんど活性なし、若しくは全く活性なし、と変動す
るレベルのRdRp活性を有する可能性があり、ゆえに、機能的な配列、あまり
機能的でない配列、若しくは全く機能的でない配列をそれぞれ表す可能性がある
。そのような配列も、本発明に従い活性を評価する。 本発明の更なる側面において、ヌクレオチドおよびアミノ酸配列を特に変化さ
せることによりHCV NS5B蛋白を修飾することができ、これにより修飾さ れた機能性を有するRdRp酵素を得る。そのような変化はわずかであってもよ
く、ヌクレオチド配列の場合におけるような保存的置換を示してもよく、コード
されるアミノ酸を変化させるまたは変化させないコドン配列の変化であってもよ
く、またはアミノ酸配列に関して、保存的な残基の置換、付加または欠失を生じ
る変化であってもよい。 本発明のさらに更なる側面において、本発明の配列から誘導されるNS5B核
酸およびポリペプチドは、研究、診断、治療および医薬上の適用に関連する多数
の方法、アッセイおよびキットに、およびHCV疾患の予防および治療のための
抗ウイルス法の開発に利用できる。 本明細書に記載する発見に基づき、NS5B遺伝子または蛋白のヌクレオチド
またはアミノ酸配列に関する単純な知識または単なる検討だけでは、特定のNS
5B配列が酵素活性または機能的有用性を有する配列を表すことを推論若しくは
予測し得るのには不充分であることは明らかである。
【0029】 HCV NS5B核酸分子およびHCV NS5B蛋白の調製ならびにアッセイ
法およびキットにおけるその使用。 A.核酸分子 本発明のHCV NS5B蛋白をコードする核酸分子は2つの一般法により調 製することができる:(1)それらは適当な化学的出発物質から合成することがで
き、あるいは(2)それらは生物学的供給源から単離することができる。両方法は
当該分野で周知のプロトコールを利用する。 本明細書中にHCV NS5B配列に関して提供されるようなヌクレオチド配 列情報を利用して、オリゴヌクレオチド合成による本発明の単離核酸分子の調製
が可能になる。合成オリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems 38A DNA
合成装置または同様の装置に用いられるホスホルアマダイト(phosphoramadite) 法により調製することができる。生じた構築物は、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)のような当該分野で公知の方法に従い精製することができる。本発明
のDNA分子のような、長い、二本鎖のポリヌクレオチドは、現在のオリゴヌク
レオチド合成法に固有のサイズ制限のために、複数段階で合成されなければなら
ない。つまり、例えば3キロベースの二本鎖分子は、適当な相補性の数個の小セ
グメントとして合成することができる。このように作成された相補的セグメント
は、各セグメントが隣接セグメントの接着のための適当な付着末端を有するよう
に連結することができる。隣接セグメントは全3キロベースの二本鎖分子を構築
するために、DNAリガーゼの存在下で付着末端をアニーリングすることにより
連結することができる。そのように構築された合成DNA分子を次いでクローニ
ングし、適当なベクターにおいて増幅することができる。
【0030】 HCV NS5B蛋白をコードしている核酸配列は、適当な生物源から当該分 野で公知の方法を用いて単離することができる。例えば、HCVに感染した患者
の血清から単離されたRNAを、HCV NS5B蛋白をコードするcDNA分 子の作成のための適当な出発物質として使用することができる。 本発明に従い、本発明のDNA分子の蛋白コード領域と適当なレベルの配列相
同性を有する核酸は、適度に厳密なハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を用
いて同定することができる。例えばハイブリダイゼーションは、例えば5×SS
C、5×デンハルト試薬、1.0%SDS、100μg/mlの変性、断片化サケ
精子DNA、0.05%ピロリン酸ナトリウムおよび50%までのホルムアミド;
を含むハイブリダイゼーション溶液を用いて行うことができる。ハイブリダイゼ
ーションは37〜42℃で、少なくとも6時間行う。ハイブリダイゼーションの
後、フィルターを次のように洗浄する。(1)室温にて2×SSCおよび1%SD
S中で5分間;(2)室温にて2×SSCおよび0.1%SDS中で15分間;(3) 37℃にて1×SSCおよび1%SDS中で30分〜1時間;(4)42-65℃に
て1×SSCおよび1%SDS中で2時間。溶液は30分ごとに変える。
【0031】 特定の配列相同性を有する核酸分子間のハイブリダイゼーションを達成するた
めに要求される厳密条件を計算するための一つの一般式は次のようである(Sambr
ook ら, 1989): Tm=81.5℃+16.6Log[Na+]+0.41(% G+C)-0.63(% ホルムアミド)-600/二本鎖中 の塩基対数
【0032】 前式の実例として、[Na+]=[0.368]および50%ホルムアミド、42 %のGC含量および平均200ベースのプローブサイズを用いると、Tmは57 ℃である。相同性が1%減るごとにDNA二本鎖のTmは1〜1.5℃低下する。
つまり、約75%以上の配列同一性を有する目的物は、42℃のハイブリダイゼ
ーション温度を用いて観察されることになる。そのような配列は本発明の配列と
実質的に相同であると考える。 本発明の核酸は、いずれかの市販のクローニングベクター中にDNAとして保
持することができる。一態様においてクローンは、pBluescript プラスミド(ス トラタジーン、La Jolla, CA)のようなプラスミドクローニング/発現ベクターま
たは、適当な大腸菌宿主細胞中で増殖するpFastBac ベクター(Gibco-BRL, Gaith
ersburg, MD)のような組換えバキュロウイルス輸送ベクター中に保持する。 本発明の核酸は、本発明の核酸の配列変種を作成するための出発物質として、
部位特異的突然変異誘発法を含むがこれには限定されない、当該分野で周知の多
くの合成および分子生物学的方法を用いて使用することもできる。特定の突然変
異は、酵素活性が増大するなどの特徴が変化したHCV NS5B蛋白を生じる 可能性がある。 本発明のHCV NS5B蛋白コード核酸分子には、cDNA、ゲノムDNA 、RNAおよびそのフラグメントが含まれ、これらは一本若しくは二本鎖であっ
てもよい。つまり本発明は、本発明で同定した配列のいずれかの配列を実質上有
するcDNAの選抜セグメントのような、本発明の核酸分子の少なくとも一つの
配列とハイブリダイゼーションすることができる配列を有するオリゴヌクレオチ
ド(DNAまたはRNAのセンスまたはアンチセンス鎖)を提供する。そのような
オリゴヌクレオチドはさらに、別のHCV NS5Bをコードする核酸を検出ま たは単離するためのプローブおよびプライマーとしてさらに有用である。
【0033】 B.蛋白 本発明のHCV NS5Bは、多くの既知の方法に従う種々の操作にて調製す ることができる。分配および沈殿方法、アフィニティ精製方法、従来のクロマト
グラフィー法、高性能クロマトグラフィー法などを含む、種々の技法により、蛋
白は適当な供給源、例えば、増殖細胞、組織または器官より精製することができ
る。 HCV NS5B蛋白をコードする核酸分子の利用可能性は、当該分野にて公 知のインビトロでの発現方法を用いて蛋白を産生を可能にすることである。例え
ば、インビトロにてRNAを合成するためにpSP64またはpSP65などの
適当なインビトロ転写ベクターにcDNAまたは遺伝子をクローンし、つづいて
適当な無細胞翻訳系、例えば、小麦麦芽の抽出物、ウサギ網状赤血球またはHe
La細胞中でそのRNAを無細胞翻訳に付することができる。インビトロの転写
および翻訳系は市販されている(例えば、Promega Biotech、Madison、WI;Gibc
o-BRL、Gaitherburg、MD)。
【0034】 また、本発明の好ましい具体例によれば、多量のHCV NS5B蛋白を、適 当な原核または真核生物系、例えば、細菌、真菌、哺乳類または植物系で発現さ
せることで産生することができる。例えば、cDNAなどのDNA分子の一部ま
たはすべてを、イー・コリなどの細菌細胞中の発現に適するプラスミドベクター
に、あるいは昆虫細胞中の発現のためのバキュロウイルスベクターに挿入しても
よい。かかるベクターは、宿主細胞(例えば、イーコリまたは昆虫細胞)中のD
NAの発現に不可欠な調節エレメントを含み、それは宿主細胞中のDNAの発現
を可能とするように配置される。このような発現に不可欠な調節要素は、プロモ
ーター配列、転写開始および終止配列、エンハンサー配列、翻訳調制御列等を包
含する。 組換え原核または真核生物系での遺伝子発現により産生されるHCV NS5 B蛋白またはその誘導体は、当該分野にて公知の方法に従って精製することがで
きる。一の具体例において、組換え蛋白を宿主細胞より発現させ、つづいて分泌
させ、その周辺培地からの精製が容易である、市販の発現/分泌系を使用するこ
とができる。発現/分泌ベクターを使用しないとした場合、別法としては、発現
細胞、組織または器官の抽出物から標準的蛋白精製法により、またはアフィニテ
ィ分離法、例えば、組換え蛋白に特異的に結合する抗体との免疫学的相互作用に
より、もしくはN−末端またはC−末端を5〜8個のヒスチジン残基でタグ化し
た組換え蛋白を単離するためのニッケルカラムにより、組換え蛋白を精製するこ
とが挙げられる。かかる方法は当業者により一般に使用されている。
【0035】 上記した方法により調製される本発明のHCV NS5B蛋白は、標準的技法 に従って分析することができる。例えば、かかる蛋白は、電気泳動分析に、およ
びアミノ酸配列分析に、ならびに公知方法に従って構造を決定するための結晶学
的分析に付すことができる。かかる分析により、NS5B蛋白の機能性に関する
、およびその機能性に影響を及ぼす手段について、例えば、NS5B蛋白の機能
を阻害しうる分子を設計するにおいて、有用な情報が得られる。
【0036】 C.アッセイ方法および装置 本発明のHCV NS5B配列は、研究、診断、治療および医薬用途にて有用 性を有する種々の操作に用いることができる。本発明の組成物を用いる代表的方
法を以下に記載する。 一の態様において、本発明の核酸配列およびこれら配列に相補的な配列を、生
体または合成調製物中の関連する核酸を検出、標識、同定または単離するための
プローブまたはプライマーとして用いることができる。例えば、本発明の核酸配
列を試料中のHCVの存在を検出するためのハイブリダイゼーションプローブと
して用いることができる。さらに、かかるハイブリダイゼーションプローブが当
該分野にて周知の技法によりハイブリダイズする核酸を単離するのに、上記した
プローブを使用することができる。加えて、本発明の核酸配列は、逆転写酵素−
ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)などの技法を用いて、HCVまたは関連
する核酸を検出または単離するためのプライマーとして用いることができる。さ
らに、適当な一対のプライマーをネステッドPCR法にて用いることもできる。
かかるプライマー、一対のプライマーおよびプローブは、本発明のNS5B配列
のいずれかの部分を示す。使用するNS5B遺伝子の実際の配列は個々の用途に
従って変化するであろう。その上さらに、付加的な配列を、HCVプライマーま
たはプローブ配列、例えば、ホモポリマー末端(タグ)、有用な制限酵素認識部
位を示す配列、特定のアミノ酸残基をコードする配列、開始もしくは終止コドン
またはすぐ近くにある特定の用途に有用な可能性のある他の配列に加えることが
できる。典型的には、本発明の配列と同一であるか、または相補的である、長さ
が10ないし80個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼー
ションプローブとして、またはRT−PCR法におけるプライマーとして有用で
ある。また、例えば、完全なNS5B配列を捕獲ハイブリダイゼーションプロー
ブとして利用することもできる。
【0037】 本発明のオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブとして有用ないくつか
の例は、表1に列挙した配列、これらの配列に相補的な配列およびこれらの配列
の一部を含む。
【0038】 表1 プローブおよびプライマーとして有用なオリゴヌクレオチド 5'-TCAATGTCCTACACATGGAC-3' 配列番号14 5'-CTACACATGG-3' 配列番号15 5'-CTCTGATTACACCATGCGCTGCGGAGGAGAGCAAGCTGCCC-3' 配列番号16 5'-AATGCGCTGAGCAACTCTTTGCTGCGCC-3' 配列番号17 5'-CCATAACATGGTCTATGCCACAACATCCCGCAGCGCAAGCCAGCGGC-3' 配列番号18 5'-GAAGAAGGTAACTTTTGACAGG-3' 配列番号19 5'-CAAGTCCTGGATGACCACTACCG-3' 配列番号20 5'-GACGTGCTCAAGGA-3' 配列番号21 5'-ATGAAGGCGAAGGCGTCC-3' 配列番号22 5'-GGAAGAAGCCTGTAAG-3' 配列番号23 5'-GAACCTATCCAGCAAGGCCGTTAA-3' 配列番号24 5'-ACCAGAGAAAGGAGGCCGC-3' 配列番号25 5'-ACCCAGACTTGGGG-3' 配列番号26 5'-TCTCCACCCTTCCTCAGGCT-3' 配列番号27 5'-CGAGTTCCTGGTGAATGCC-3' 配列番号28 5'-TGCCCTATGGGCTTCGCATATGAC-3' 配列番号29 5'-TTTCGACTCAACGGTCACCGAGAAT-3' 配列番号30 5'-GTTGAGGAGTCAATT-3' 配列番号31 5'-TTGGCCCCCGAAGCCAGACA-3' 配列番号32 5'-AAGGTCGCTTACAGAGC-3' 配列番号33 5'-ATCGGGGGTCCCCTGAC-3' 配列番号34 5'-TAACTCAAAAGGGCAGAG-3' 配列番号35 5'-ATGTTACTTGAAGGCCTCT-3' 配列番号36 5'-GATGCTTGTGTGCGGAGACGACCTC-3' 配列番号37 5'-GGTCGCGCACGATGCATCTGGCAAAAGGGTA-3' 配列番号38 5'-CACCACCCCTCTTGCGCGG-3' 配列番号39 5'-CTCCATCCTTCTAGCTCAGGAGCAA-3' 配列番号40 5'-AGTTACTGTCCCAGGGGGGG-3' 配列番号41 5'-TCCGGCTGCGTCCCAGT-3' 配列番号42 5'-CCGACCCCGCTGGTTCATGTGGTGCC-3' 配列番号43 5'-CTACCTGCTCCCGAACCGA-3' 配列番号44 5'-CTACCTGCTCCCCAACCGA-3' 配列番号45
【0039】 加えて、本発明の核酸配列は、部位特異的突然変異誘発法を含む、当該分野に
て公知の種々の方法を用い、本発明の配列の変種または変異体を生成するための
プライマーとして用いることができる。 もう一つ別の態様において、本発明の核酸配列を用い、感染性ウイルス、ベク
ターまたはレプリコンを構築または生成することができ、あるいはその中に挿入
することができる。本発明の機能的に優れたNS5B配列の、機能性の乏しいま
たは非機能的なカウンターパートへの付与または置換は、得られるウイルスまた
は複製ユニットの感染および複製特性を改良するのに役立つであろう。例えば、
Riceら(PCT WO98/39031)はHCVの感染性核酸を付与する。こ の感染性クローンでコードされたNS5Bポリメラーゼは、本発明のポリメラー
ゼよりもそのRdRp活性の点で実質的に劣っていることを本発明において明ら
かにする。したがって、RiceらのNS5Bコード化遺伝子を本発明の遺伝子と置
換すれば、NS5B遺伝子の改良特性および本発明のコードされた蛋白により、
ウイルス複製が改良された結果が得られるであろう。かかる置換は当該分野にて
周知の標準的遺伝子工学操作により行うことができる。得られた感染性核酸は、
生存宿主およびインビトロ系において、限定されるものではないが、改良された
または高レベルの感染性ウイルスRNA合成、改良レベルの感染性ウイルス産生
および改良されたウイルス複製を含め、最近のHCVの感染性クローンに比べて
かなり優れている。HCV NS5Bポリメラーゼの機能が重要である他の系に おける、例えば、相補系またはトランス相補系、レプリコン系、欠陥ウイルス、
欠陥干渉性粒子などにおける使用もまた、本発明の核酸配列の使用から利益があ
るであろう。
【0040】 もう一つ別の具体例において、HCV NS5B蛋白に対する免疫応答を惹起 するための方法にて本発明の核酸配列を用いることができる。例えば、発現オペ
ロンに作動的に結合した本発明のNS5Bコード化核酸配列を、生存宿主または
機能的免疫系を有するヒトの、細胞に、特に樹状突起細胞などの抗原提示細胞に
直接導入することができる。配列の導入は、トランスフェクション、形質転換ま
たは形質導入法を利用してもよく、あるいはNS5B核酸配列を被覆した粒子、
例えば、プラスミドを被覆した金粒子の物理的摂取を含む。細胞内に入ると、N
S5B配列は、発現およびプロセッシングを行い、宿主免疫系に対して提示され
る。かかる方法は、生存宿主における、およびヒトにおける体液性または細胞性
免疫応答の惹起において、およびHCV用のワクチンにおいて有用である。
【0041】 さらに、本発明の核酸配列は、NS5B蛋白を発現する細胞系または細胞シス
テムの生成において用いることができる。機能的なNS5B蛋白を本発明のNS
5B遺伝子より発現するかかる細胞系は、HCVに対するアンタゴニストまたは
アゴニスト活性について物質をアッセイするための方法にて有用性を有する。例
えば、本発明のHCV NS5B蛋白を発現する無傷の細胞をHCV NS5B蛋
白の細胞内活性に影響すると考えられる物質と接触させ、かかる物質のHCV NS5B活性についての影響を測定することで、アッセイを確立することができ
る。かかる物質のHCV NS5B活性に対する影響は多くの方法で測定するこ とができる。例えば、HCV NS5Bポリメラーゼ活性に直接または間接的に 依存するRNA合成を定量してもよい。一の方法において、NS5B活性に応じ
てトリクロロ酢酸で沈殿しうるRNAに挿入した放射標識したRNAの前駆体(
例えば、3H−ウリジン)の量を測定することができる。
【0042】 あるいは、そのような細胞システムは、リポーターシグナルの産生がHCV NS5BポリメラーゼによるRNA合成に依存するリポーターシステムを利用し
てもよい。1つの具体例において、mRNAのアンチセンス鎖であるHCV N S5BポリメラーゼのRNA基質が提供される。そのセンス鎖(mRNA)は有
効に翻訳されて、検出できるまたは検出可能なシグナル(リポーター)を産生で
きるポリペプチドを産生する。例えば、ルシフェラーゼのコード配列に相補的な
配列(アンチセンス鎖)を含むRNA分子が提供される。このRNAに対するH
CV NS5Bポリメラーゼの活性によって、ルシフェラーゼ遺伝子のセンス鎖 が産生される。これは次いで細胞翻訳系によって翻訳され、ルシフェラーゼ蛋白
が産生される。次いで、このルシフェラーゼ蛋白を、ルシフェラーゼ蛋白に対す
る抗体によって、またはインタクトな細胞もしくは細胞抽出物中のルシフェラー
ゼ酵素活性のルミノメーターもしくはその他の同様なデバイスを使用する測定に
よって検出してもよい。限定するものではないが、β−ガラクトシダーゼ、アル
カリホスファターゼ、緑色蛍光蛋白などを包含する多数の他のリポーターを同様
にこれに良好に適用し得る。さらに、本発明のこの方法に使用する細胞システム
は、細菌、真菌、昆虫、鳥、哺乳動物または植物起源であってもよい。
【0043】 さらに、本発明の核酸配列を、HCV NS5B核酸配列と相互作用できるか またはHCV NS5B核酸配列に影響を及ぼすことができる薬剤または材料を 同定するためのアッセイに使用してもよい。例えば、本発明の核酸配列を提供し
、次いでこの配列と相互作用する可能性があると思われる薬剤または材料を接触
させるアッセイを確立してもよい。そのような相互作用アッセイにおいて同定さ
れた薬剤は、潜在的診断有用性および、例えば生物学的試料中のHCVの検出に
おける用途を有する。そのような薬剤は、罹患した生体宿主(ヒトを含む)にお
けるHCV疾患の予防または処置を含む適用、ならびに生体宿主および細胞、組
織、器官培養物のようなインビトロ系におけるHCVの複製または伝播の阻害ま
たは増強のための適用における潜在的有用性も有する。特定の薬剤の性質が明ら
かになれば、さらなる適用が意図され得る。
【0044】 本発明のHCV NS5B蛋白組成物も広い有用性を有する。診断適用におい ては、例えば、NS5B蛋白またはそのペプチドをその免疫応答の検出用のアッ
セイに使用してもよい。例えば、本発明の蛋白配列またはペプチドをその配列を
マトリックス上に固定化し、これを使用してその配列に対する抗体を捕獲するア
ッセイにおいて使用してもよい。さらに、本発明の蛋白配列またはペプチドを、
例えば免疫細胞増殖アッセイにおいて使用して、この蛋白に対する細胞媒介性免
疫応答を検出または測定してもよい。
【0045】 本発明のHCV NS5B蛋白組成物は、ワクチンにおけるような免疫応答の 誘起における潜在的有用性も有する。例えば、本発明のNS5B蛋白またはその
ペプチドを、機能している免疫系を有する生体生物に提供することによって、そ
の生物にNS5B配列に対する免疫応答が付与される。NS5B配列を、当業者
に周知のいずれかの多数のアッセイにおいて生体生物に提示してもよく、限定す
るものではないが、遊離蛋白またはペプチドの提供、製剤化された蛋白またはペ
プチド、アジュバント化された蛋白またはペプチド、NS5B配列が存在するイ
ンタクトなまたは破壊された細胞に関連した蛋白またはペプチド、ならびにその
他のそのような様式を包含する。そのようにして誘起される免疫応答は、体液性
もしくは細胞性のいずれかまたはその両方の性質であってもよい。そのような免
疫応答は、生体宿主のHCV疾患からの防御において重要であり得、また、抗体
のような有用な免疫学的試薬(これはさらに治療もしくは診断有用性を有し得る
)の供給源を提供し得るかまたはそのような供給源として作用し得る。さらに、
本発明のNS5B蛋白またはそのペプチド部分をNSB5に対する抗体を選択ま
たは精製するために使用してもよい。例えば、NS5B蛋白を固定化し、これを
使用してNS5B蛋白に特異的な抗体を結合させ、そのような抗体を富化させて
もよい。さらに、本発明のNS5B蛋白およびペプチドを、当該分野で公知の標
準的技術を使用してNS5B蛋白に対するモノクローナル抗体を生成するために
使用してもよい。NS5B蛋白に対する抗体(ポリクローナルまたはモノクロー
ナルのいずれか)を、NS5B RdRp活性の酵素活性に影響を及ぼすその能 力についてさらに評価してもよい。
【0046】 上記の適用に有用なNS5B蛋白配列の部分のいくつかの例は、表2に挙げる
配列またはその部分を包含する。
【0047】
【表1】
【0048】 本発明の蛋白組成物は、HCV NS5B蛋白と相互作用できるかまたはHC V NS5B蛋白に影響を及ぼすことができる薬剤の検出および同定用のアッセ イにおける有用性を有する。本発明のHCV NS5Bポリペプチド配列を提供 し、次いでこの配列と相互作用するのではないかと思われる薬剤または材料を接
触させるアッセイを確立してもよい。例えば、本発明のHCV NS5B蛋白ま たはそのフラグメントもしくは部分を提供し、接触された薬剤をこの蛋白に特異
的に結合するその能力について評価してもよい。そのような結合薬剤は、潜在的
診断有用性および、例えば生物学的試料中のHCVの検出における用途を有する
。そのような結合薬剤はさらにHCV蛋白の機能的活性(HCV NS5B機能 の阻害または増強のいずれかのような)に影響を及ぼし得る。NS5B蛋白の機
能を阻害する薬剤は、罹患した生体宿主におけるHCV疾患の予防または処置を
含む適用、または生体宿主(ヒトを含む)、細胞、組織、器官培養物のようなイ
ンビトロ系または生物学的材料におけるHCVの複製または伝播の阻害のための
適用における潜在的用途を有する。NS5B蛋白の機能を増強する薬剤は、生体
生物における(例えば、HCV複製の動物モデル、細胞、組織および器官培養物
のようなインビトロ系における)HCVの複製、伝播または産生を含む適用にお
ける潜在的有用性を有する。
【0049】 別の具体例において、本発明の酵素的に活性なNS5B蛋白によって供給され
るHCV NS5Bポリメラーゼ活性を直接的に測定するアッセイ法が提供され る。この酵素的に活性なNS5Bポリメラーゼと接触させられた薬剤を、この酵
素活性に特異的に影響を及ぼすその能力について評価してもよい。そのような酵
素的に活性なポリメラーゼは、ポリメラーゼが産生された細胞の抽出物または溶
解物中で、インビトロ無細胞発現系中で、または豊富化もしくは精製された形態
で提供され得る。
【0050】 抽出物中で、無細胞系で、または富化された形態で提供されたHCV NS5 B蛋白の酵素活性をそれによって評価し得る多数の手段が存在し、これらは当該
分野において周知である。代表的には、NS5B依存性RNA合成は特定の反応
成分(少なくとも、緩衝化媒質、2価カチオン、RNAの前駆体(ヌクレオシド
3リン酸、NTP)、RNAテンプレートおよびこのテンプレート上でのRNA
合成用のプライマーを包含する)を必要とする。さらなる成分は、1価カチオン
、還元剤、安定化剤、補因子およびNS5B RdRp活性に無関係な活性の阻 害剤(例えば、RNase、ホスファターゼ、キナーゼ、ホスホトランスフェラ
ーゼおよび類似の活性の阻害剤)を包含し得る。
【0051】 NS5B依存性RNA合成の測定を多数の方法で評価してもよい。一例では、
RNAポリマーへのRNA前駆体の取り込み、例えば、放射能標識NTPのトリ
クロロ酢酸沈殿可能RNAへの取り込み(これをシンチレーション分光法または
ホスホルイメージング(phosphorimaging)技術によって定量してもよい)を測 定する。あるいは、そのような前駆体に他の部分でタグを付して、その容易な検
出を可能にしてもよい。例えば、アビジン試薬(アルカリホスファターゼなどの
ような種々のアビジン結合体を包含する)を用いる検出のためにビオチンで、ま
たは蛍光分極のような蛍光技術を使用する検出のために蛍光標識NTPでタグを
付してもよい。
【0052】 NS5B依存性RNA合成を、テンプレートRNA分子上でのRNA合成を開
始するためにポリメラーゼによって使用される事前に標識したまたはタグを付し
たRNA合成のプライマー(例えば、放射能標識またはビオチンタグ付加オリゴ
ヌクレオチド)の伸長を測定することによって評価してもよい。プライマーの伸
長を、ヌクレオシド3リン酸のプラマ―への付加を定量することによって、プラ
イマー生成物の長さを測定することによって、または当該分野において公知のそ
の他の方法によって評価してもよい。
【0053】 あるいは、NS5B RdRp活性の生成物を、ハイブリダイゼーション技術 を使用して生成物RNAを捕獲することによって検出および定量してもよい。例
えば、NS5B RdRp反応生成物に相補的なオリゴヌクレオチドを反応の間 または反応後に導入し、生成物にハイブリダイズさせてもよい。添加したオリゴ
ヌクレオチドのハイブリダイゼーションの程度を混合物中に存在する生成物RN
A量の尺度として用い、当該分野において公知の種々の手段によって評価しても
よい。
【0054】 NS5B RdRp活性の生成物を検出する他の手段はを、当業者は容易に知 るかまたはそれに想到することができ、それらはここで完全に意図されている。
【0055】 本発明の核酸およびポリペプチド組成物を含むアッセイは、いずれかの多数の
構成の形式にしてもよい。高処理量スクリーニング形式は、多数の薬剤および材
料を評価するために特に有用である。従来、そのようなアッセイは代表的には9
6ウェルプレートにおける形式であった。しかし、384、864および153
6ウェルプレートをそのような高処理量アッセイシステムに使用してもよい。こ
れらのシステムはしばしば多数の試料の操作および処理を可能にするようにロボ
ット技術を使用して自動化される。
【0056】 潜在的なアンタゴニストまたはアゴニスト効果について本発明の種々のアッセ
イ法において評価し得る薬剤または材料は、限定するものではないが、低分子、
ポリマー、ペプチド、ポリペプチド、蛋白、免疫グロブリンまたはそのフラグメ
ント、オリゴヌクレオチド、アンチセンス分子、ペプチド−核酸結合体、リボザ
イム、ポリヌクレオチドなどを包含する。本発明の組成物およびアッセイ法を使
用して同定される薬剤または材料の潜在的有用性は広く、HCV核酸およびポリ
ペプチドの検出および単離のための、HCVの検出または診断のための、罹患し
た生体宿主(ヒトを含む)におけるHCV疾患の予防および処置のための、生体
宿主および細胞、組織、器官培養物のようなインビトロ系におけるHCVの複製
または伝播の阻害または増強のための用途、ならびに薬剤の性質が明らかになれ
ば意図され得るその他用途を包含する。
【0057】 本発明の別の特徴は、本明細書中に開示する組成物および方法の使用を容易に
するためのキットを包含する。例示的なキットは、本発明のHCV NS5B核 酸およびポリペプチドおよび/またはその変種を単独でまたは適切なベクター中
で含む。特定の適用のための本発明の組成物の使用のためのプロトコルおよびそ
の適用を実施するために必要な試薬も含まれる。そのような試薬は、限定するも
のではないが、緩衝液、溶媒、媒質および溶液、基質および補因子、ベクターお
よび宿主細胞、ならびに検出またはリポーター試薬を包含し得る。付属的な品目
として、バイアル、容器、反応チャンバーおよび説明書を挙げてもよい。
【0058】 以下、本発明を実施するために現在意図される好ましい態様を記載する実施例
を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものでは
ない。
【0059】 実施例1 HCV NS5B遺伝子のクローニングおよび発現 HCV感染患者の血清から単離されたRNAを用いて、RT−ネステッドPC
R法によりHCV NS5B遺伝子を増幅した。次の第1回プライマー:5’−
TGA GGA TGT CGT CTG CTG CTC AAT GTC
C−3’および5’−GGG ATG GCC TAT TGG CCT GG
A GT−3’を用い、RT反応を50℃で50分間、つづいて94℃変性を1
分間行ない、つづいて40サイクルの第1回PCR(94℃で30秒間、50℃
で30秒間、68℃で2分間の15サイクル、および94℃で30秒間、50℃
で30秒間、68℃で2分間の25サイクル)を行なった。
【0060】 ついで第1回PCR反応混合物の一部を、それぞれEcoRIおよびNotI
制限部位(下線)を含む次のネステッドプライマー:5’−AAC AGA T
CT GAA TTC TTA TAA ATA TGT CAA TGT C
CT ACA CAT GGA C−3’および5’−TGC TCT AGA
GCG GCC GCT CAT CAT CGG TTG GGG AGC
AGG TAG−3’を取り込む第2回PCR反応に使用した。第2回PCR
は、開始時の94℃で1分間の変性、つづいて94℃で45秒間、50℃で30
秒間、68℃で2分間の10サイクル、および94℃で30秒間、50℃で30
秒間、68℃で2分間の20サイクルを含んだ。
【0061】 その結果得られたPCR生産物を精製し、EcoRIおよびNotIで消化し
、予めEcoRIおよびNotIで消化したpFastBacプラスミド(Gi
bco−BRL社)に連結した。ライゲーション混合物をDH5イー・コリ細胞
に形質導入した。Bac−to−Bacシステム(Gibco−BRL社)のト
ランスポジション法により、HCV NS5B遺伝子を含む細菌のコロニー由来
のプラスミドを用いて、組換えバキュロウイルスを生成させた。イー・コリDH
10Bac細胞へのpFastBacプラスミドDNAを含むHCV NS5B
遺伝子の形質転換後、製造者によって与えられたプロトコールに従い、バクミド
(bacmid)DNAを含む数個のコロニーをSf9昆虫細胞へ形質転換した。組換
えバキュロウイルス感染細胞におけるNS5B蛋白発現を、HCV NS5B配
列に特異的な抗血清を用いるウエスタン・イムノブロット分析により確認した。
一人の患者から得た単一のRNA調製物由来のHCV NS5B遺伝子の6の別
々に単離したクローン(クローン4、14、21、11、16および20)を配
列決定した。これらのクローンのヌクレオチド配列をそれぞれ配列番号:1、3
、4、5、6および7に示す。6のすべての配列は、遺伝子型1bウイルスに由
来し、互いに密接に関連するが、同一ではない。上記の各配列は独特の新規配列
であり、現在GenBankデータベースに載っていない。配列番号:1、3、
4、5、6および7で同定される核酸配列の推定アミノ酸配列をそれぞれ配列番
号:2、8、9、10、11および12に示す。図1に、これらのNS5Bアミ
ノ酸配列をクローン4(配列番号:2)と比較して並べた。この並びから明らか
なように、クローン14、21、11、16および20のNS5B蛋白の配列は
、クローン4のものとは、それぞれ2、5、3、4および3個のアミノ酸によっ
て異なる。
【0062】 実施例2 HCV NS5B蛋白の精製 当業者に既知の多くの方法(そのいくつかはCurrent Protcols in Molecular
Biology、Fredrick M. Ausubelら編、John Wiley & Sons, 1995に例示されてお り、出典明示により本明細書に取り込む)により、組換え蛋白発現細胞システム
からHCV NS5B蛋白を精製形で得ることができる。
【0063】 本実施例の場合においては、バキュロウイルス クローン4−感染細胞をコン
プリート・プロテアーゼ・阻害剤・タブレット(Complete Protease Inhibitor
tablet)(Boehringer Mannheim社)を入れた溶菌緩衝液(50% グリセロー ル、20mM トリス−HCl、pH7.5、10mM ジチオスレイトール(
DTT)、0.5M NaCl、1mM EDTA、2% トリトンX−100
)中で破砕した。ついでMgCl2を最終濃度10mMまで添加し、つづいて1 0単位のDNaseI(RQ-1、Promega社)を添加した。氷上30分後、溶解物を
35,000rpm、35分間、4℃で遠心分離した。
【0064】 清澄化した溶解物を溶出緩衝液(20% グリセロール、20mM トリス−
HCl、pH7.5、10mM DTT、1mM EDTA、0.5% トリト
ンX−100)を用いて最終NaCl濃度0.3Mまで希釈し、0.3M Na
Clを含む溶出緩衝液中で平衡化したDEAEセファロースとともに4℃でイン
キュベートした。ついで混合物をカラムに注ぎ、通過流出物質を回収した。通過
流出物質を溶出緩衝液を用いて最終NaCl濃度0.2Mまで希釈し、0.2M
NaClを含む溶出緩衝液中で平衡化したヘパリンセファロースカラムにかけ
た。NaClの直線勾配(溶出緩衝液中、200mM〜1M NaCl)を用い
て結合蛋白を溶出させ、その間、画分を回収した。
【0065】 NS5B−含有画分をプールし、0.4M NaClを含むシバクロンブルー
(Cibacron Blue)カラムにかけた。NaClの直線勾配(溶出緩衝液中、40 0mM〜4M NaCl)を用いて結合蛋白を溶出させ、その間、画分を回収し
た。NS5B−含有画分をプールし、50% グリセロール、10mM トリス
−HCl、pH7.2、50mM NaCl、1mM EDTA、0.01%
トリトンX−100に対して透析し、−20℃で保存した。図2に典型的な精製
結果を示す。
【0066】 実施例3 精製HCV NS5B蛋白の酵素活性 この分野における通常の知識を有する者に周知のRNA依存RNAポリメラー
ゼ活性の測定のための多くの方法論がある。
【0067】 HCV NS5B RdRp活性測定のための一つのアプローチは、インビト
ロRdRpアッセイにおいて精製組換えNS5B蛋白を使用する。例えば、Behr
ensら[EMBO J. 15:12-22(1996)]は、HCVのBK株由来のHCV NS5B RdRpのバキュロウイルス発現、精製および酵素活性を開示する。もう一つ
の例においては、PCT WO 97/12033[PCT/US96/15571]は、疾病管理センターか ら入手したHCV試料由来のHCV NS5B RdRpならびにこの配列のい
くつかの末端切断体および修飾体の細菌での発現、精製および酵素活性を開示す
る。もう一つの例は、Lohmannら[J Virol 71:8416-8428(1997)]のものであり 、慢性的感染患者由来のNS5B遺伝子を昆虫細胞内で組換えバキュロウイルス
を用いて発現させ、精製し、酵素的に評価するものである。さらにもう一つの例
は、Yuanら[Biochem Biophys Res Comm 232:231-235(1997)]のものであり、慢
性的散発性肝炎に罹患している患者由来のHCV NS5B RdRpの細菌で
の発現、精製および酵素活性を開示するものである。
【0068】 実施例2に従って調製した精製NS5B蛋白を、20mM HEPES、pH
7.5、3mM MgCl2、1mM ジチオスレイトール、400U/mL RNasin(Gibco/BRL)、各0.5mMのUTP、ATPおよびCTP、0 .1μM[32P]GTPおよび0.03μg pOF1213 RNAからなる
10μL標準反応混合物中で30℃で60分間インキュベートした。冷トリクロ
ロ酢酸(TCA)およびピロリン酸ナトリウムの添加により、反応を停止させた
。ついで、TCA沈殿性放射活性を定量し、RdRp活性の程度を決定した。 本発明のクローン4、14、21、11、16および20由来のNS5B蛋白
に加え、Kolykhalovら(GenBank受託番号 AF009606)により開示された 遺伝子型1a共通配列感染クローン由来の配列のNS5B遺伝子を、本発明の蛋
白と同様に発現させ、精製した。表3は本発明のNS5B蛋白とKolykhalovの共
通配列の酵素活性の直接の比較を示す。
【0069】
【表2】
【0070】 驚くべきことに、これらの別々のNS5B蛋白の間で、かなりの範囲の酵素活
性が観察された。この比較において、クローン4由来のNS5B蛋白が最大の活
性を有したが、クローン14および21の活性は中程度であり、クローン11お
よび16の活性は最小であり、クローン20の活性は検出不能であった。Kolykh
alovの遺伝子型1a共通NS5B蛋白の活性は実質的に本発明のクローン4より
も小さかった。Lohmannらは、ヘテロポリマーRNA鋳型における彼らの遺伝子 型1bNS5B蛋白の特異的活性が、本明細書でKolykhalov酵素について報告し
た活性に近く、クローン4酵素のものよりも有意に低い、1.7pmol/μg
/120分であることを報告した。
【0071】 本実施例は、高活性〜不活性の、クローン化され、発現したNS5B配列の間
の機能的活性の範囲を示す。この本発明の6のNS5B蛋白の分析において、わ
ずかに機能的か非機能的であるNS5B蛋白の3つの例があり(クローン11、
16および20)、機能的であるNS5B蛋白の3つの例があった(クローン4
、14および21)。
【0072】 さらに、本明細書において、驚くべきことにごく僅かのアミノ酸配列の変化が
、NS5B蛋白の酵素活性の劇的な変化にとって十分であることを明らかにする
。酵素の既知または推定の活性部位または保存配列モチーフの配列変化が酵素の
活性に影響すると予期される場合、この比較の6個のNS5B配列間のほとんど
のアミノ酸の変化は、Koonin[J. Gen. Virol. 72:2197-2206(1991)]およびPoc
hら[EMBO J. 8:3867-3874(1989)]によって同定されたRdRp酵素の共通モチ
ーフの外側にある。このことについての2つの例外は以下の通りである。クロー
ン16は、モチーフIIIおよびVI内での単一の残基変化を有し、クローン2
1はモチーフVI内での単一の保存アミノ酸変化を有する(図1)。にもかかわ
らず、NS5BのRdRp活性における、これらのアミノ酸変化の効果、および
この実施例のNS5B配列間の他の効果は、驚くべきものであり、従来技術から
は予想できなかった。
【0073】 本実施例に示したデータはまた、クローン4由来のNS5B RdRp活性が
GenBank受託番号 AF009606によって同定される感染クローンに由来する ものよりも劇的に優れた活性を有することを示す。この結果は、NS5B蛋白の
共通配列の単なる生成が必然的に最適な作用性を有するNS5B蛋白を与えるも
のではないことを示す。
【0074】 実施例4 HCV NS5B 配列の並び 本発明のNS5B配列は、予め機能的であると特徴付けられたNS5B配列と
は異なる。このことは、図3、4および5に表す配列の並びによって示される。
【0075】 Kolykhalovら(GenBank受託番号 AF009606)によって開示された配列 は遺伝子型1a HCV由来の既知のNS5B配列の共通配列を表す。これらの
2配列間には71アミノ酸の違いがある(クローン4の開始メチオニン残基を除
く)このことは、本発明のクローン4 NS5B配列が遺伝子型1a共通配列と
は異なることを示す。この遺伝子型1a共通配列と全ての本発明の他の配列とは
、同様に本発明の配列の異なる性質を示す。PCT WO 97/12033に開示されている 遺伝子型1a配列、RdRp活性を有することが示されたNS5Bもまた図3の
並びに含まれる。この並びの調査は、配列間の72のアミノ酸の違いが明らかに
し、本発明の配列の独特の性質を示す。
【0076】 本発明の配列はまた遺伝子型1b共通配列とも異なる。GenBankデータベース に見出された29の遺伝子型1b共通配列の並びに基づき、遺伝子型1b共通配
列を生じさせた。この共通配列と、本発明のクローン4(配列番号:2)のもの
との比較は、これらの配列が異なることを示す(図4)。開始メチオニン(−1
位)以後、クローン4配列はこの遺伝子型1b共通配列とは13のアミノ酸によ
って異なる。この遺伝子型1b共通配列と全ての本発明の他の配列との並びは、
同様に本発明の配列の異なる性質を示す。Behrensらによって開示された遺伝子 型1b配列(GenBank受託番号 M58335)およびLohmannらによって開示さ
れた遺伝子型1b配列(GenBank受託番号 Z97730)もまた図4の並びに 含まれる。これらの配列によってコードされるNS5B蛋白がRdRp活性を有
することは既に示されている。またクローン4はM58335に対して17のアミノ酸
の変化を有することにおいて異なり、Z97730に対して12の変化を有することに
より異なる。
【0077】 本発明の配列はさらに、感染クローン[Yanagiら、Virology 244:161-172(198
8);GenBank受託番号 AF054247]由来の遺伝子型1b共通配列と異なる。
図5の並びに示すように、クローン4配列(配列番号:2)は、クローン4のD
1位のメチオニン残基を除く25のアミノ酸残基により、異なる。
【0078】 これらの並びは、これらの遺伝子型1b配列と比較しての本発明の配列の独特
の性質を明らかにする。 したがって、遺伝子型1aおよび1b共通配列の両方との比較に基づき、本発
明のNS5B配列は、共通配列を表さない。したがって、機能的に配列を推論す
る共通配列法に基づき、機能的なRdRpまたは機能的に優れたRdRpである
ことは明らかでない。さらに、既に示したNS5B配列との比較に基づき、本発
明の他の配列のクローン4の配列および本発明の他の配列は、これらのRdRp
配列と異なり、さらに、演繹的にRdRp活性を有すると仮定されるものではな
く、またさらに優れたRdRp活性を有することが予期されるものではない。
【0079】 実施例5 改良された活性を有するHCV NS5B蛋白 本発明のNS5B配列間での配列比較に基づいて、特定のアミノ酸を変化させ
た多くの修飾NS5B配列を構築した。これらの修飾配列は、標準的な部位特異
的突然変異誘発法[Picard et al., Nucleic Acid Res. 22:2587-2591 (1994)]
により得た。修飾遺伝子を、実施例1に記載したバキュロウイルス発現系にて遺
伝子工学処理し、実施例2に従って精製し、実施例4に従ってRdRp活性につ
いて評価した。
【0080】 クローン20の配列は、3個のアミノ酸残基でクローン4の配列と異なる。イ
ニシエーター・メチオニン(M)に代わりクローン20 NS5B蛋白の位置− 1にバリン(V)残基が存在することは、クローン20から産生されるNS5B
蛋白が位置2のメチオニンで開始されること、さらにまた、このメチオニン残基
から産生された蛋白が不活性であることを示唆している。クローン20における
V変化は、分子クローニング方法の人工産物(オリゴヌクレオチドプライマーに
おける誤った配列)であると考えられる。クローン20における位置−1のV残
基をMに変えて、1個のアミノ酸(残基−1)によりクローン20の配列と異な
り、2個のアミノ酸(残基177および543)によりクローン4と異なる、配
列番号13により同定されるクローン20(V−1M)を得た。クローン20(
V−1M)から誘導された精製NS5B蛋白のRdRp活性は、クローン20の
RdRp活性よりも劇的に増大し、クローン4のRdRp活性よりも有意に改良
されていた(表4)。
【0081】 本発明のNS5B配列間のさらなる残基変化により、有用かつ機能的な蛋白を
得ることができる。例えば、クローン4中の位置75のアラニン(A)残基が、
クローン14においてこの位置に見られる残基であるバリン(V)に変わると、
得られたクローンであるクローン(A75V)は、相当なRdRp活性を示す(
表4)。別の例において、クローン4中の位置177のアスパラギン(N)残基
を、本発明の他の全てのクローンにおいてこの位置で見られる残基であるアスパ
ラギン酸(D)に変えてクローン4(N177D)を得た。このクローンは、非
常に良好なRdRp活性を示した(表4)。第3の例において、クローン4中の
位置543のセリン(S)がクローン20において見られるプロリン(P)に変
わると、クローン4(S543P)が得られ、機能的なRdRpが得られる(表
4)。
【0082】
【表3】
【0083】 この実施例は、アミノ酸残基の変化がNS5B蛋白の配列において行われても
よいこと、および、かかる変化が、得られた蛋白の機能的活性を保持できること
を示している。さらにまた、該アミノ酸置換は、事実上、保存的であっても非保
存的であってもよい。 種々の組み合わせで本発明のNS5B配列間のアミノ酸残基の付加的な変化は
、本発明の範囲内であると考えられる。
【0084】 実施例6 改良された活性を有する新規HCV NS5B蛋白 機能的NS5B配列を研究するための別のストラテジーは、アミノ酸残基が既
知のNS5B配列において保存的である位置でのユニークなアミノ酸置換の導入
を含む。例えば、全ての既知のNS5B配列は、アミノ末端アミノ酸(位置1)
としてセリン残基を有する。このセリンがアラニン[クローン4(S1A)]、
グリシン[クローン4(S1G)]またはスレオニン[クローン4(S1T)]
で置換されたクローン4のいくつかの修飾バージョンを構築した。意外にも、こ
れらの新規配列から誘導されたNS5B蛋白の全ては、実質的なRdRp活性を
示した。しかしながら、この位置でのチロシン(Y)[クローン4(S1Y)]
との置換は、不活性NS5B蛋白を生じる(表5)。
【0085】 同様に、全ての既知のNS5B配列は、位置2にメチオニン残基を有する。こ
のメチオニンがアラニン[クローン4(M2A)]、ロイシン[クローン4(M
2L)]またはスレオニン[クローン4(M2T)]で置換されたクローン4の
修飾バージョンを構築した。意外にも、これらの新規NS5B蛋白の全ては、実
質的なRdRp活性を示した。
【0086】 最後の例において、アラニン残基がセリン残基の前に挿入されるクローン4(
MAS)におけるように、成熟NS5B蛋白の最初の残基(1位のセリン)の前
にアミノ酸残基を付加して、実質的に機能的なNS5B RdRpが得られる( 表5)。
【0087】 アミノ酸置換が天然のバリエーションがない残基で行われ、機能的なおよび劇
的に改良された機能的なNS5B蛋白を生じさせるというこれらの知見は、全く
予想されなかった。
【0088】 さらにまた、これらのデータは、NS5Bの機能的変種を生じさせることがで
きるアミノ酸残基変化の性質が保存的未の酸置換に限定されないことを示してい
る。例えば、位置1でセリンのスレオニンへの置換は、保存的アミノ酸置換と考
えることができるが、一方、グリシンとの置換は、アミノ酸側鎖の化学的性質に
おいて劇的な変化を示す。同様に、位置2のメチオニン残基のロイシンとの置換
は、保存的な変化を示す。しかしながら、明らかな非保存的変化であるスレオニ
ンとの置換は、機能的なおよび機能的に改良されたNS5B蛋白を生じる。した
がって、これらの知見に基づいて、様々な残基位置で、様々な組合せで、事実上
、保存的および非保存的の両方である本発明のNS5B配列間のアミノ酸残基の
付加的な変化は、有用なNS5B組成物を生じ、したがって、本発明の範囲内で
ある。
【0089】
【表4】
【0090】 実施例5および6は、配列番号2のアミノ酸配列における様々な変化が有利に
なることを示しているが、ここに例示した残基変化は、また、本発明の配列(例
えば、配列番号8、9、10、11および13、表4および表5に記載のもの)
を包含する他のNS5B配列、これらのNS5B配列および他のNS5B配列の
自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体において、単一または種々の組合せで
、同様の有用性を有することが十分に考えられる。すなわち、実施例5および6
に記載の変化は、いずれのNS5B配列に導入されても、機能的なまたは機能的
に改良されたNS5Bを提供すると考えられ、本発明の範囲内であることが十分
に考えられる。 本発明の実施に有用な変種NS5B蛋白配列をコードする核酸配列のいくつか
の例は、表6に挙げられる配列からなる。
【0091】
【表5】
【0092】 表6の例は、配列番号1の核酸配列における種々の有益な変化を示している。
これらの結果を考慮して、配列番号1において例示された変化は、また、本発明
の配列(例えば、配列番号3、4、5、6および7)を包含する他のNS5B配
列、これらのNS5B配列および他のNS5B配列の自然対立遺伝子変種、変異
体および誘導体において、単一または様々な組合せで、同様の有用性を有すると
考えられる。すなわち、この表6に記載した変化は、いずれのNS5B配列に導
入されても、機能的なまたは機能的に改良されたNS5Bを提供すると考えられ
、かくして、本発明の範囲に包含される。
【0093】 実施例7 抗ウイルス組成物の発見のためのHCV NS5B蛋白の利用性 ウイルス性ポリメラーゼおよび関連蛋白の新規阻害薬の発見には、しばしば、
多数の化合物または化合物の混合物のスクリーニングを必要とする。かくして、
高容量スクリーニングが可能なポリメラーゼ活性のアッセイ、すなわち、高処理
量アッセイが望まれている。多数の試料を十分にスクリーニングする当業者によ
く知られている種々のアッセイ法があり[例えば、Cole, JL, in Meth. Enzymol
ogy 275:310-328 (1996) を参照のこと]、放射測定法、比色測定法、蛍光法ま たは化学発光法を包含するがこれらに限定されないかなり多数の活性検出および
測定技法を利用してもよく、これらのうちいずれか1つがHCV NS5B Rd
Rp活性のケースに適当である。
【0094】 一のアプローチにおいて、本発明の機能的HCV NS5B蛋白のRdRp活 性の高処理量アッセイは、該酵素に対する活性について多数の化合物または他の
可能性のある阻害剤のスクリーニングを可能にする。該アッセイは、96ウェル
・マイクロプレート中でフォーマットされ、放射性標識NTPのトリクロロ酢酸
(TCA)−沈殿性RNA産生物への取込みによりRNA鋳型−プライマー上で
のポリメラーゼ活性を測定する。放射能は、直接シンチレーション分光分析法ま
たは燐光イメージング(phosphorimaging)技法のいずれかにより定量化できる 。1つのスクリーニングプレートについての実施例4のNS5B蛋白[クローン
4]を用いて得られたアッセイ結果の燐光イメージ(phosphorimage)を図6に 示す。該プレートの最初のカラム(1)および最後のカラム(12)は、活性お
よびバックグラウンド対照および参照阻害化合物のタイトレーションを含む。か
くして、ウェルA1、B1、A12およびB12は、試験化合物の不在下では酵
素の活性(予想活性の100%)を示す。ウェルCからFまでのカラム1および
12において、本発明の方法の使用によりHCV RdRp活性を阻害するとい う知見が得られた化合物は、低濃度で含まれる。ウェルH1およびH12は、H
CV酵素を欠いており、該アッセイにおいてバックグラウンド(RdRp活性0
%)を例示する。この実施例において、残り80個のウェルは、HCV NS5 B蛋白のRdRp活性に作用する能力について試験された小さい有機化合物の集
まりを含む。かくして、ウェルG2、D10およびF10における物質がHCV
RdRp活性の有効な阻害剤であることが理解できる。 この実施例は、HCV NS5B蛋白がHCV RdRpおよびHCV複製に作
用する薬剤または物質を同定し評価するのに有利に用いることができることを示
している。
【0095】 まとめると、本発明の記載は、HCV NS5B配列の簡単な知識では、かか る配列が機能的配列であるかまたは機能的有用性を有することを推断させるのに
または予想させるのにでさえ不十分であることを示している。さらに、HCV NS5Bコンセンサス配列は、唯一ではなく、必ずしも最適ではない機能的NS
5B蛋白コード化配列である。本発明は、予想外の機能性を有する新規NS5B
配列を提供する。さらに、本発明は、HCV NS5Bにおける特定の配列変化 により予想外の有意に改良された機能性を得ることができることを示している。
上記に鑑みて、本発明のNS5B配列は、従来技術に優る、立証された機能性お
よび有用性ならびに固有の改良を有する新規配列である。最後に、本発明のHC
V NS5B配列は、研究用途、診断用途、治療用途および医薬用途において幅 広い有用性を有する。
【0096】 本発明のある種の具体例を上記に記載および/または例示したが、種々の他の
具体例は、上記記載から当業者に明らかであろう。したがって、本発明は、記載
および/または例示した特定の具体例に限定されず、特許請求の範囲の範囲から
逸脱することなく相当な変更が可能である。
【0097】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の数個のNS5B蛋白のアミノ酸配列の並びを示
す。Koonin [J Gen Virol. (1991) 72:2197-206] (Roman numerals)およびPoch ら [EMBO J. (1989) 8:3867-74] (letters)により同定された、RdRp酵素中 に存在する保存配列モチーフのおおよその位置は、クローン4配列の上に示す。
【図2】 図2は、HCV NS5B蛋白の精製を示す。組換えバキュロウ イルスに感染した、HCV NS5B遺伝子を発現しているSf9細胞を収集し 、溶解した。不要物を除去した溶解物を一連の蛋白精製工程に供した。精製工程
の各段階に関して標本をSDS-含有ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、 次いで銀染色した。レーン1:不要物を除去した細胞溶解物;レーン2:DEAE カラムからの流通物質;レーン3:ヘパリン カラムからの物質;レーン4:シブラ クロン(Cibracron)ブルーカラムからの物質。M=分子量基準;キロダルトン数。
【図3】 図3は、感染クローン由来の遺伝子型1aコンセンサスNS5B
配列(GenBank 受託番号 AF009606)および、RdRp活性を有することがすでに 示されている遺伝子型1a NS5B配列(PCT WO 97/12033)と共に、本発明のク
ローン4 NS5B配列の並びである。破線はアミノ酸残基の同一性を示す。
【図4】 図4は、GenBankデータベースから得られたHCV NS 5B配列の配列から誘導された遺伝子型1b「コンセンサス」アミノ酸配列およ
び、機能的であることがすでに示されている遺伝子型1b NS5B配列(GenBan
k 受託番号 M58335および Z97730)と共に、本発明のクローン4 NS5B配列の
並びを示す。破線はアミノ酸残基の同一性を示す。
【図5】 図5は、Yanagiらにより報告されたHCV遺伝子型1b NS5 B遺伝子[Virology(1998) 244:161-172; GenBank 受託番号AF 054247]および、 本発明のクローン4の蛋白配列の並びを示す。破線はアミノ酸残基の同一性を示
す。
【図6】 図6はHCV NS5BのRdRp活性に関する高処理アッセイ の結果を示す。
【図7】 図7は配列番号1の配列を示す。
【図8】 図8は配列番号3の配列を示す。
【図9】 図9は配列番号4の配列を示す。
【図10】 図10は配列番号5の配列を示す。
【図11】 図11は配列番号6の配列を示す。
【図12】 図12は配列番号7の配列を示す。
【図13】 図13は、クローン20(V-1M)、配列番号13のアミノ酸 配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 7/00 5/10 9/12 7/00 C12Q 1/68 A 9/12 1/70 C12Q 1/68 G01N 33/15 Z 1/70 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 33/576 Z 33/566 C12P 21/08 33/576 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/08 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW

Claims (131)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1の配列を含む、C型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子、その自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体。
  2. 【請求項2】 配列番号:2の配列を有するC型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子。
  3. 【請求項3】 配列番号:3の配列を含む、C型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子、その自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体。
  4. 【請求項4】 配列番号:8の配列を有するC型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子。
  5. 【請求項5】 配列番号:4の配列を含む、C型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子、その自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体。
  6. 【請求項6】 配列番号:9の配列を有するC型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子。
  7. 【請求項7】 配列番号:5の配列を含む、C型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子、その自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体。
  8. 【請求項8】 配列番号:10の配列を有するC型肝炎NS5B蛋白をコー
    ドする核酸分子。
  9. 【請求項9】 配列番号:6の配列を含む、C型肝炎NS5B蛋白をコード
    する核酸分子、その自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体。
  10. 【請求項10】 配列番号:11の配列を有するC型肝炎NS5B蛋白をコ
    ードする核酸分子。
  11. 【請求項11】 配列番号:7の配列を含む、C型肝炎NS5B蛋白をコー
    ドする核酸分子、その自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体。
  12. 【請求項12】 配列番号:12の配列を有するC型肝炎NS5B蛋白をコ
    ードする核酸分子。
  13. 【請求項13】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:
    5、配列番号:6、配列番号:7からなる群より選択される核酸配列を有する、
    C型肝炎ウイルス蛋白をコードする核酸分子およびその自然対立遺伝子変種、変
    異体および誘導体。
  14. 【請求項14】 分子が表6に示すように修飾された請求項13記載の核酸
  15. 【請求項15】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12および配列番号:13からなる群より選
    択されるアミノ酸配列を有するC型肝炎ウイルスNS5B蛋白をコードする核酸
    分子。
  16. 【請求項16】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12および配列番号:13からなる群より選
    択される配列を有するC型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  17. 【請求項17】 表4および5に示すように修飾されている請求項16記載
    のHCV NS5B蛋白。
  18. 【請求項18】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12および配列番号:13からなる群より選
    択されるアミノ酸配列を必須として含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋白をコード
    する核酸配列を含むベクター。
  19. 【請求項19】 アミノ酸配列が表4および5に示すように変化しているC
    型肝炎ウイルスNS5B蛋白をコードする核酸を含む請求項18記載のベクター
  20. 【請求項20】 配列番号:2の配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋白
  21. 【請求項21】 配列番号:8の配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋白
  22. 【請求項22】 配列番号:9の配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋白
  23. 【請求項23】 配列番号:10の配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋
    白。
  24. 【請求項24】 配列番号:11の配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋
    白。
  25. 【請求項25】 配列番号:12の配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋
    白。
  26. 【請求項26】 配列番号:13の配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋
    白。
  27. 【請求項27】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12、および配列番号:13からなる群より
    選択されるアミノ酸配列を有し、位置+1および+2のアミノ酸残基がいずれの
    アミノ酸であってもよい、C型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  28. 【請求項28】 アミノ酸配列が表4および5に示すように変化している請
    求項27記載のC型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  29. 【請求項29】 成熟ポリペプチドの位置177のアミノ酸がアスパラギン
    である、C型肝炎ウイルスNS5B蛋白をコードする核酸分子。
  30. 【請求項30】 成熟ポリペプチドの位置177のアミノ酸がアスパラギン
    である、C型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  31. 【請求項31】 位置75のアミノ酸をコードするコドンがアラニンからバ
    リンに変化している、請求項1記載の核酸分子。
  32. 【請求項32】 位置75のアミノ酸がアラニンからバリンに変化している
    、請求項20記載のC型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  33. 【請求項33】 位置177のアミノ酸をコードするコドンがアスパラギン
    からアスパラギン酸に変化している、請求項1記載の核酸分子。
  34. 【請求項34】 位置177のアミノ酸がアスパラギンからアスパラギン酸
    に変化している、請求項20記載のC型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  35. 【請求項35】 位置534のアミノ酸をコードするコドンがセリンからプ
    ロリンに変化している、請求項1記載の核酸分子。
  36. 【請求項36】 位置534のアミノ酸がセリンからプロリンに変化してい
    る、請求項20記載のC型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  37. 【請求項37】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:
    5、配列番号:6、および配列番号:7からなる群より選択される配列を有し、
    位置−1、−2、および−3のアミノ酸をコードするコドンがいずれのアミノ酸
    をコードしていてもよい、HCV NS5B蛋白をコードする核酸分子。
  38. 【請求項38】 さらにタグ配列を含む請求項13記載の核酸分子。
  39. 【請求項39】 該タグ配列がホモポリマー核酸配列、ポリヒスチジン、フ
    ラッグエピトープ、c−mycエピトープ、インフルエンザAウイルスヘマグル
    チニン蛋白の膜貫通エピトープ、プロテインA、セルロース結合ドメイン、カル
    モジュリン結合蛋白、マルトース結合蛋白、キチン結合ドメイン、グルタチオン
    S−トランスフェラーゼ、またはビオチンからなる群より選択されるものである
    請求項38記載の核酸分子。
  40. 【請求項40】 さらにタグ配列を含む請求項14記載の核酸分子。
  41. 【請求項41】 該タグ配列がホモポリマー核酸配列、ポリヒスチジン、フ
    ラッグエピトープ、c−mycエピトープ、インフルエンザAウイルスヘマグル
    チニン蛋白の膜貫通エピトープ、プロテインA、セルロース結合ドメイン、カル
    モジュリン結合蛋白、マルトース結合蛋白、キチン結合ドメイン、グルタチオン
    S−トランスフェラーゼ、またはビオチンからなる群より選択されるものである
    請求項40記載の核酸分子。
  42. 【請求項42】 さらにホモポリマー核酸配列、ポリヒスチジン、フラッグ
    エピトープ、c−mycエピトープ、インフルエンザAウイルスヘマグルチニン
    蛋白の膜貫通エピトープ、プロテインA、セルロース結合ドメイン、カルモジュ
    リン結合蛋白、マルトース結合蛋白、キチン結合ドメイン、グルタチオンS−ト
    ランスフェラーゼ、またはビオチンからなる群より選択される蛋白タグ配列を含
    む、配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:
    11、配列番号:12および配列番号:13ならびに表4および5に示すような
    修飾NS5B蛋白からなる群より選択されるC型肝炎ウイルスNS5B蛋白。
  43. 【請求項43】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:
    5、配列番号:6および配列番号:7、ならびに配列番号:1、配列番号:3、
    配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番号:7の自然対立遺伝
    子変種、変異体および誘導体、ならびに表6に示すように修飾された核酸からな
    る群より選択される核酸配列を有し、アラニンに対するアミノ酸コドンが成熟N
    S5B蛋白の最初のアミノ酸コドンの前にある、C型肝炎ウイルス蛋白をコード
    する核酸分子。
  44. 【請求項44】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12および配列番号:13ならびに表4およ
    び5に示すような修飾NS5B蛋白からなる群より選択される配列を有し、アラ
    ニン残基が成熟NS5B蛋白の最初のアミノ酸の前にあるC型肝炎ウイルスNS
    5B蛋白。
  45. 【請求項45】 C型肝炎ウイルスに対するモジュレーション活性に関して
    試験化合物をアッセイするための方法であって、 i)配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号
    :11、および配列番号:13からなる群より選択される配列を含む、酵素的に
    活性のあるC型肝炎ウイルスNA5B蛋白を用意し; ii)C型肝炎ウイルスNS5B活性をモジュレーションする可能性のある試
    験化合物に上記蛋白を接触させ;次いで iii)該試験化合物による該C型肝炎ウイルスNS5B活性のモジュレーシ
    ョンを測定する ことを含む方法。
  46. 【請求項46】 該HCV NS5B蛋白配列が表4および5に示すように 修飾されている請求項45記載の方法。
  47. 【請求項47】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ 酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項45記載の方法。
  48. 【請求項48】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3の アミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項45記載の方法。
  49. 【請求項49】 該HCV NS5B蛋白がさらにタグ配列を含むものであ る請求項45記載の方法。
  50. 【請求項50】 C型肝炎ウイルスに対するアンタゴニスト活性に関して化
    合物をアッセイするための方法であって、 i)配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号
    :11、および配列番号:13からなる群より選択される配列を含む、酵素的に
    活性のあるC型肝炎ウイルスNA5B蛋白を用意し; ii)C型肝炎ウイルスNS5B活性にアンタゴナイズする可能性のある試験
    化合物に上記蛋白を接触させ;次いで iii)該試験化合物による該C型肝炎ウイルスNS5B活性に対するアンタ
    ゴニスト作用を測定する ことを含む方法。
  51. 【請求項51】 該HCV NS5B蛋白配列が表4および5に示すように 修飾されている請求項50記載の方法。
  52. 【請求項52】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ 酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項50記載の方法。
  53. 【請求項53】 該HCV NS5B蛋白がさらにタグ配列を含むものであ る請求項50記載の方法。
  54. 【請求項54】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3の アミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項50記載の方法。
  55. 【請求項55】 C型肝炎ウイルスに対するアゴニスト活性に関して試験化
    合物をアッセイするための方法であって、 i)配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号
    :11、および配列番号:13からなる群より選択される配列を含む、酵素的に
    活性のあるC型肝炎ウイルスNA5B蛋白を用意し; ii)C型肝炎ウイルスNS5B活性をアゴナイズする可能性のある試験化合
    物に上記蛋白を接触させ;次いで iii)該試験化合物による該C型肝炎ウイルスNS5B活性に対するアゴニ
    スト作用を測定する ことを含む方法。
  56. 【請求項56】 該HCV NS5B蛋白配列が表4および5に示すように 修飾されている請求項55記載の方法。
  57. 【請求項57】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ 酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項55記載の方法。
  58. 【請求項58】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3の アミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項55記載の方法。
  59. 【請求項59】 該HCV NS5B蛋白がさらにタグ配列を含むものであ る請求項55記載の方法。
  60. 【請求項60】 C型肝炎ウイルスNS5B蛋白配列との相互作用に関して
    試験化合物をアッセイするための方法であって、 i)配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号
    :11、配列番号:12および配列番号:13からなる群より選択される配列を
    必須として含むC型肝炎ウイルスNA5Bポリペプチドを用意し; ii)C型肝炎ウイルスNS5B蛋白またはペプチドと相互作用する可能性の
    ある試験化合物に該蛋白またはペプチドを接触させ;次いで iii)該試験化合物または材料と該C型肝炎ウイルスNS5Bポリペプチド
    との相互作用を測定する ことを含む方法。
  61. 【請求項61】 該HCV NS5B蛋白配列が表4および5に示すように 修飾されている請求項60記載の方法。
  62. 【請求項62】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ 酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項60記載の方法。
  63. 【請求項63】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3の アミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい、請求項60記載の方法。
  64. 【請求項64】 該HCV NS5B蛋白がさらにタグ配列を含むものであ る請求項60記載の方法。
  65. 【請求項65】 C型肝炎ウイルスNS5B核酸配列との相互作用に関して
    試験化合物をアッセイする方法であって、 i)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:
    6、および配列番号:7からなる群より選択される配列を必須として含むC型肝
    炎ウイルスNS5B核酸を用意し; ii)C型肝炎ウイルスNS5B核酸と相互作用する可能性のある試験化合物
    に該NS5B核酸を接触させ;次いで iii)該試験化合物と該C型肝炎ウイルスNS5B核酸との相互作用を測定
    する ことを含む方法。
  66. 【請求項66】 該HCV NS5B核酸配列が表6に示すように修飾され ている請求項65記載の方法。
  67. 【請求項67】 該ウイルス由来の選択されたヌクレオチド配列を効果的に
    増幅する核酸増幅ならびに該選択された配列の検出を含む、生物学的試料中のH
    CVの存在を検出する方法であって、該核酸が配列番号:1、配列番号:3、配
    列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、および配列番号:7からなる群より
    選択される配列を有するものである方法。
  68. 【請求項68】 該核酸配列が表6に示すように変化している請求項67記
    載の方法。
  69. 【請求項69】 核酸増幅方法が一連のネステッドプライマーを用いて行わ
    れる請求項67記載の方法。
  70. 【請求項70】 表1に示す配列を含むオリゴヌクレオチドを用いて該配列
    が検出される請求項67記載の方法。
  71. 【請求項71】 ウイルスポリペプチドと生物学的試料中のC型肝炎ウイル
    スに指向された抗体との免疫学的相互作用を検出する方法であって、 からなる群より選択されるNS5Bアミノ酸配列を用いて該抗体を単離すること
    を含む方法。
  72. 【請求項72】 該HCV NS5Bアミノ酸配列が表4および5に示すよ うに修飾されている請求項71記載の方法。
  73. 【請求項73】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ 酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項71記載の方法。
  74. 【請求項74】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3の アミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項71記載の方法。
  75. 【請求項75】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12、および配列番号:13からなる群より
    選択される配列を有するC型肝炎ポリペプチドに対してアフィニティーを有する
    抗体。
  76. 【請求項76】 該HCV NS5B蛋白配列が表4および5に示すように 修飾されている請求項75記載の抗体。
  77. 【請求項77】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ 酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項75記載の方法。
  78. 【請求項78】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3の アミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項75記載の方法。
  79. 【請求項79】 表2に示す配列を含むポリペプチドに対してアフィニティ
    ーを有する抗体。
  80. 【請求項80】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:
    5、配列番号:6および配列番号:7、ならびに配列番号:1、配列番号:3、
    配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番号:7の自然対立遺伝
    子変種、変異体および誘導体、ならびに表6に示すように修飾された核酸からな
    る群より選択される核酸配列を有するC型肝炎ウイルス蛋白をコードする核酸分
    子であって、ウイルス抗原をコードしている核酸分子。
  81. 【請求項81】 請求項80記載の核酸を宿主中に導入する方法であって、
    形質転換、トランスフェクション、トランスダクション、トランスジェネティッ
    クス(transgenetics)、外科的方法、および核酸で被覆した粒子を用いる物理 的爆撃からなる群より選択される方法により該核酸が該宿主にデリバリーされる
    方法。
  82. 【請求項82】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12および配列番号:13、ならびに表4お
    よび5に示すような修飾NS5B蛋白からなる群より選択されるアミノ酸配列を
    含むウイルス抗原。
  83. 【請求項83】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ 酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項82記載のウイルス抗原。
  84. 【請求項84】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3の アミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項82記載のウイルス抗原。
  85. 【請求項85】 さらに蛋白タグ配列を含む請求項82記載のウイルス抗原
  86. 【請求項86】 請求項80の核酸によりコードされるウイルス抗原を哺乳
    動物対象に投与することを含む、哺乳動物対象において免疫応答を起こさせる方
    法。
  87. 【請求項87】 請求項82記載のウイルス抗原を哺乳動物対象に投与する
    ことを含む、哺乳動物対象において免疫応答を起こさせる方法。
  88. 【請求項88】 表1に示すオリゴヌクレオチド配列から選択される配列を
    含むプライマーを用いる、C型肝炎ウイルス核酸の増幅方法。
  89. 【請求項89】 請求項13のC型肝炎ウイルス核酸を含む宿主細胞。
  90. 【請求項90】 表6に示すように変化しているC型肝炎ウイルス核酸を含
    む宿主細胞。
  91. 【請求項91】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:
    5、配列番号:6および配列番号:7、ならびに配列番号:1、配列番号:3、
    配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番号:7の自然対立遺伝
    子変種、変異体および誘導体、ならびに表6に示すように修飾された核酸からな
    る群より選択されるC型肝炎NS5B蛋白をコードする核酸を含む宿主細胞であ
    って、細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、および植物細胞からなる
    群より選択される宿主細胞。
  92. 【請求項92】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:
    5、配列番号:6および配列番号:7、ならびに配列番号:1、配列番号:3、
    配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番号:7の自然対立遺伝
    子変種、変異体および誘導体、ならびに表6に示すように修飾された核酸からな
    る群より選択されるC型肝炎NS5B蛋白をコードする核酸を含む細胞系であっ
    て、肝細胞系、Chang肝細胞、HeLa細胞、U937細胞、HepG2細胞、MT −4細胞および上記細胞系から生じるクローン細胞からなる群より選択される細
    胞系。
  93. 【請求項93】 機能的NS5B蛋白を発現する請求項92記載の細胞系。
  94. 【請求項94】 発せられるリポートシグナルが細胞中の機能的HCV N S5B蛋白のポリメラーゼ活性に依存したものであるリポーターシステムをさら
    に含む請求項93記載の細胞系。
  95. 【請求項95】 該リポーターシステムが機能的リポーター分子をコードす
    るRNA分子のアンチセンス鎖を含む核酸を含むものであり、該NS5Bポリメ
    ラーゼが該アンチセンス分子に作用して該宿主細胞中に翻訳可能なmRNA配列
    を生じさせるものであり、該翻訳されたリポーター分子の配列がシグナルを増大
    させることができるものであり、該シグナルが機能的NS5Bポリメラーゼの存
    在を示すものである、請求項94記載の細胞系。
  96. 【請求項96】 該機能的mRNA分子がルシフェラーゼ、β−ガラクトシ
    ダーゼ、アルカリ性ホスファターゼまたは緑色蛍光蛋白からなる群より選択され
    るリポーター分子をコードするものであり、宿主細胞が肝細胞である請求項95
    記載の細胞系。
  97. 【請求項97】 C型肝炎NS5B蛋白の機能性をアッセイする方法であっ
    て、下記工程: i)請求項92記載の細胞系を用意し; ii)アンチセンス分子をコードする核酸で該細胞系を形質転換し、アンチセ
    ンス分子をコードする核酸の相補物は機能的リポーター分子をコードしており、
    該NS5Bポリメラーゼは該アンチセンス分子に作用して該宿主細胞中に翻訳可
    能なmRNA配列を生じさせるものであり;次いで iii)該翻訳されたリポーター分子の配列により生じるシグナルの増大に関
    して該細胞を評価し、該増大が機能的なNS5B蛋白の存在を示すものである を含む方法。
  98. 【請求項98】 該機能的リポーター分子がルシフェラーゼ、β−ガラクト
    シダーゼ、アルカリ性ホスファターゼまたは緑色蛍光蛋白からなる群より選択さ
    れる請求項97記載の方法。
  99. 【請求項99】 肝細胞である請求項89記載の宿主細胞。
  100. 【請求項100】 C型肝炎ウイルスに対するアンタゴニストを求めて試験
    化合物をアッセイする方法であって、 i)請求項93記載の細胞系を用意し; ii)C型肝炎ウイルスNS5B活性に対するアンタゴニスト作用を有する可
    能性のある試験化合物に該細胞系を接触させ;次いで iii)存在する場合には、C型肝炎ウイルスNS5B活性に対する該試験化
    合物のアンタゴニスト効果を測定する ことを含む方法。
  101. 【請求項101】 C型肝炎ウイルスに対するアゴニスト活性を求めて試験
    化合物をアッセイする方法であって、 i)請求項93記載の細胞系を用意し; ii)C型肝炎ウイルスNS5B活性に対するアゴニスト作用を有する可能性
    のある試験化合物に該細胞系を接触させ;次いで iii)存在する場合には、C型肝炎ウイルスNS5B活性に対する該試験化
    合物のアゴニスト効果を測定する ことを含む方法。
  102. 【請求項102】 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号
    :10、配列番号:11、配列番号:12、および配列番号:13からなる群よ
    り選択される配列を含むC型肝炎ウイルスNS5B蛋白の製造方法であって、 i)生物学的システム中で該蛋白を発現させ; ii)該蛋白を可溶化させ; iii)該蛋白を抽出し;次いで iv)該NS5B蛋白を豊富化させる ことを含む方法。
  103. 【請求項103】 該C型肝炎ウイルス蛋白が表4および5に示すように変
    化している請求項102記載の方法。
  104. 【請求項104】 該HCV NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミ ノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項102記載の方法。
  105. 【請求項105】 該HCV NS5B蛋白中の位置−1、−2および−3 のアミノ酸がいずれのアミノ酸であってもよい請求項102記載の方法。
  106. 【請求項106】 さらに該HCV NS5Bが請求項40記載の蛋白タグ を含むものである請求項102記載の方法。
  107. 【請求項107】 細胞破裂、細胞分画、分配、逆ミセル分配、水性二相抽
    出、沈殿法、クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、キレートク
    ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、免疫アフィニティーク
    ロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラ
    フィー、遠心分離、膜濾過、ゲル濾過、免疫沈降、電気泳動、等電点電気泳動、
    および等速電気泳動からなる群より選択される方法により該NS5B蛋白が豊富
    化される、請求項102記載の方法。
  108. 【請求項108】 該生物学的システムが細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、
    哺乳動物細胞、および植物細胞からなる群より選択される請求項102記載の方
    法。
  109. 【請求項109】 該生物学的システムが無細胞系である請求項102記載
    の方法。
  110. 【請求項110】 HCV NS5B蛋白の単離方法であって、 i)NS5B蛋白を含有する生物学的システムの抽出物を、官能基としてジエ
    チルアミノエチル(DEAE)部分を有する含塩バッファー溶液中の固体マトリ
    ックスに接触させ; ii)該NS5B蛋白を該固体マトリックスから除去し、さらに、官能基とし
    てヘパリンを含む固体マトリックスに該蛋白を接触させ; iii)結合したNS5B蛋白を含有する該ヘパリンマトリックスを、塩レベ
    ルを連続的に増加させるバッファー溶液に曝露し; iv)NS5B蛋白含有フラクションを集め、官能基としてシバクロン・ぶる
    ー(Cibacron Blue)を含有する固体マトリックスに該集めたフラクションを接 触させ; v)結合したNS5B蛋白を含有するCibacron Blueマトリックスを、塩レベ ルを連続的に増加させるバッファー溶液に曝露し;次いで vi)該豊富化されたNS5B含有フラクションを集める ことを含む方法。
  111. 【請求項111】 感染性ウイルスベクターを得る方法であって、配列番号
    :1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番
    号:7からなる群より選択されるC型肝炎ウイルスNS5B核酸をウイルスベク
    ター中に組み込むことを含む方法。
  112. 【請求項112】 該核酸配列が表6に示すように変化している請求項11
    1記載の方法。
  113. 【請求項113】 感染性ウイルスベクターを得る方法であって、ウイルス
    ベクター中において、いずれかのHCV配列に由来するHCV NS5B相同遺 伝子配列を、配列番号:、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番
    号:6、および配列番号:7からなる群より選択されるC型肝炎ウイルスNS5
    B核酸で置換することを含む方法。
  114. 【請求項114】 該核酸配列が表6に示すように変化している請求項11
    3記載の方法。
  115. 【請求項115】 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号
    :5、配列番号:6および配列番号:7、ならびに配列番号:1、配列番号:3
    、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番号:7の自然対立遺
    伝子変種、変異体および誘導体、ならびに表6に示すように修飾された核酸から
    なる群より選択される核酸配列を含む宿主動物。
  116. 【請求項116】 HCV NS5B蛋白に対する抗体を単離する方法であ って、配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号
    :11、配列番号:12および配列番号:13、ならびに表4および5に示す修
    飾NS5B蛋白からなる群より選択される配列を有するNS5B蛋白に対する反
    応性に関してヒトまたはネズミの抗体ライブラリーをスクリーニングし、反応性
    抗体を発現するクローンを該ライブラリーから選択し、次いで、該クローンを単
    離することを含む方法。
  117. 【請求項117】 インビトロ系においてHCVを増殖させる方法であって
    、機能的HCV NS5B配列が提供された細胞系をHCVの複製を容易ならし める条件下で培養することを含み、該配列が配列番号:1、配列番号:3、配列
    番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番号:7、ならびに配列番号
    :1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6および配列番
    号:7の自然対立遺伝子変種、変異体および誘導体、ならびに表6に示すように
    修飾された核酸からなる群より選択されるものである方法。
  118. 【請求項118】 細胞培養物をC型肝炎ウイルスに感染させる方法であっ
    て、請求項111の記載に従って得られたウイルスベクターを投与することを含
    む方法。
  119. 【請求項119】 動物をC型肝炎ウイルスに感染させる方法であって、請
    求項111の記載に従って得られたウイルスベクターを投与することを含む方法
  120. 【請求項120】 インビトロにおいてC型肝炎ウイルスを増殖させる方法
    であって、 i) 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番
    号:11、配列番号:12および配列番号:13からなる群より選択される配列
    を必須として含む機能的HCV NS5B蛋白に細胞系を接触させ;次いで ii)該細胞系をさらにHCV核酸に接触させる ことを含む方法。
  121. 【請求項121】 該NS5B蛋白が表6に示すように修飾されている請求
    項120記載の方法。
  122. 【請求項122】 該NS5B蛋白中の位置+1および+2のアミノ酸残基
    がいずれのアミノ酸であってもよい請求項120記載の方法。
  123. 【請求項123】 該NS5B核酸がC型肝炎ウイルスのレプリコン中に提
    供される請求項120記載の方法。
  124. 【請求項124】 生きた宿主においてC型肝炎ウイルスを増殖させる方法
    であって、下記工程: i) 配列番号:2、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番
    号:11、配列番号:12および配列番号:13からなる群より選択される配列
    を有するC型肝炎ウイルスNS5B蛋白をコードする核酸を生きた宿主にデリバ
    リーし、該核酸は機能的なNS5B蛋白をコードしていて、発現オペロンに作動
    可能に連結されており;次いで ii)HCV粒子、HCV核酸およびHCVレプリコンからなる群より選択さ
    れるHCV分子に該生きた宿主を接触させる を含む方法。
  125. 【請求項125】 該NS5Bをコードする核酸が表6に示すように変化し
    ている請求項124記載の方法。
  126. 【請求項126】 形質転換、トランスフェクション、トランスダクション
    、トランスジェネティックス(transgenetics)、外科的方法または核酸を被覆 した粒子を用いる物理的爆撃からなる群より選択される方法により該核酸が該宿
    主にデリバリーされる、請求項124記載の方法。
  127. 【請求項127】 工程i)の該NS5Bをコードする核酸がレプリコン中
    に提供される請求項124記載の方法。
  128. 【請求項128】 生物学的試料中のHCV核酸の存在を検出するためのキ
    ットであって、 i)該HCVをコードする核酸にハイブリダイゼーションしうる、表1に示す
    配列を含むオリゴヌクレオチド; ii)反応バッファー;および iii)説明書 を含むキット。
  129. 【請求項129】 該オリゴヌクレオチドがタグを含むものである請求項1
    28記載のキット。
  130. 【請求項130】 生物学的試料中のHCVの存在を検出するためのキット
    であって、 i)HCV蛋白に対して免疫学的に特異的な抗体; ii)陽性対照としての、固定化HCV抗原を伴う固体支持体;および iii)説明書 を含むキット。
  131. 【請求項131】 該抗体がタグを含むものである請求項130記載のキッ
    ト。
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