JP2000505319A - カットされた宝石 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 宝石のカットは、ロアー・ファセットの側縁の間に、それぞれ、ガードル面から扇状に出る細い三角形の補足ファセットのグループが生成され、上記補足ファセットの短辺が、ロアー・ファセットの尖端の間を結ぶ結合線上において、隣接の各グループの補足ファセットの短辺と当接（合致）するよう、形成する。このカットによって、宝石には、輝きおよび明るさに関して新しい外観が与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の名称］ カットされた宝石 ［技術分野］ 本発明は、請求項１の前置部（プレアンブル）に記載の特徴を有する宝石に関 する。 ［背景技術］ この種の宝石カットは、例えば、ドイツ特許第１５５７６２５号から公知であ る。この場合、同数のアッパー(上部)・ファセット(小面)およびロアー(下部)・ ファセットによって、外観およびその光学的性質が決定される。 ドイツ特許公開第４２１０９９５号には、同様のカットが記載されている。こ の場合、アッパー・ファセットとロアー・ファセットとの間の特殊な角度が、本 質的に、明るさの異なる面の効果にもとづき、カット（研磨）された宝石の特に 優れた外観を誘起する。 ドイツ特許公開第３２０２３０２号には、上記のカット種類の変更例が記載さ れている。この場合、外側ファセットにガードル面が含まれる。 更に、ドイツ特許第２７２０２６７号には、極めて複雑なカット面を有し、こ れらのカット面にはやはりグループに統合された細い三角形ファセットが、ダイ ヤモンドの尖端の範囲から循環する側部ファセットまで扇状に広がる形式のブリ リアント・カット・ダイヤモンドが記載されている。多数の異なるファセットの 調和によって、その光学的効果に関して、更に、複雑というよりは寧ろ、混乱し たないしはもつれた感じの外観が生まれる。 ［発明の開示］ 本発明の課題は、ダイヤモンド結晶の原形を保持して、輝きおよび明るさに関 して新しい外観を与えるカットを提供することにある。 この課題は、請求項１の特徴記載部分にもとづき解決される。 観察者が上部から宝石を観察した場合、下部の扇状に延びる補足ファセットの グループによって、４つのピラミッド状アッパー・ファセットにファセット面毎 に、冒頭に述べた公知のカット形式の場合の既知の寧ろ平板的な光効果とは異な る放射状または星状の光効果が生ずるよう、反射が誘起される。 この場合、多重光束によって、ダイヤモンドの全表面を多重に通過する反射現 象が誘起される。 本発明に係る解決法の有利な実施例を従属請求項に示した。 ［図面の簡単な説明］ 第１図は、下方から斜めに見たカット宝石の斜視図であり、 第２図は、第３図の矢印Ａから見た宝石の上面図であり、 第３図は、第４図の矢印Ｃから見た宝石の側面図であり、 第４図は、第３図の矢印Ｂから見た宝石の下面図である。 ［発明を実施するための最良の形態］ 図面を参照して好ましい実施例を更に詳細に説明する。 正方形のガードル面の上方には、アッパー・キューレット（頂部）に収斂する ４つの等大のアッパー・ファセット２０〜２３からなる宝石上部が突出している 。この場合、アッパー・ファセットは、二等辺三角形をなす。 ダイヤモンド下部は、同じく二等辺三角形をなす４つのロアー・ファセット１ ０〜１３を含む。 アッパー・ファセットおよびロアー・ファセットの共通の基面は、ガードル面 に垂直な回りを囲む（循環）帯状ファセット３０から形成される。 ロアー・ファセット１０〜１３の側縁の間には、ガードル面の４つのコーナか ら、細い、本質的に三角形の補足（ないし補助もしくは付加）ファセットの４つ のグループ４０〜４３が延びており、この場合、補足ファセットの短辺は、ロア ー・ファセット１０〜１３の各尖端の間においてこれらを結ぶ結合線（複数）上 において、隣接の各グループの補足ファセットの短辺と接合（一致）する。図示 の実施例の場合、かくして、各グループは、下部のピラミッド状キューレットＫ を形成する屋根状短辺を有し、４つの細い三角形補足ファセットに両側で接続す る中央補足ファセットから構成される。図示の実施例の場合、中央補足ファセッ トは、同じく、細い三角形として構成されているが、循環帯状ファセットとほぼ 対応する作用を有するよう中央補足ファセットには互いに平行な側縁を設けるこ ともできる(但し、これは図示してない)。隣接の補足ファセットの各平面は、極 めて小さい鋭角で相互に傾斜し、従って、図示の実施例の場合、３６個の補足フ ァセットが、（４個の）ロァー・ファセット１０〜１３の間で宝石を下方へドー ム状に閉じる。 アッパー・ファセット２０〜２３とガードル面との間の角度αは、宝石の種類 に応じて２３°〜３０°の範囲にあり、ロアー・ファセット１０〜１３とガード ル面との間の角度βは、３４°〜４３°の範囲にある。 このようにカットした上記宝石の外観は、本質的に、補足ファセットのドーム 状配置によって決定される。このドーム状配置は、光が下方から均一に入射した 場合、出現する多数の傾斜角および屈折角によって、宝石の天然のジオメトリ( 立体形状)を生き生きと再現するジオメトリを有する、一様に配置されたまたは 分布された星状の光効果を特徴とする生き生きした光学的像をアッパー・ファセ ット上に反映する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＢＧ，ＢＲ，Ｃ Ａ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＨＵ，ＩＬ，ＪＰ，ＫＲ，ＬＴ ，ＬＶ，ＮＯ，ＰＬ，ＲＵ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＲ， ＵＳ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 平行な基底エッジ（稜線）を有する少なくとも４つの等大のファセットを それぞれガードル面の上下の上部および下部にカットした宝石であって、アッパ ー・ファセット（２０〜２３）とガードル面との間の角度（α）が、ロアー・フ ァセット（１０〜１３）とガードル面との間の角度（β）よりも小さい形式のも のにおいて、 ロアー・ファセット（１０，１１，１２，１３）の側縁の間には、それぞれ、 ガードル面から扇状に延びる細い三角形の補足ファセットの４つのグループ（４ ０〜４３）が設けてあり、 上記補足ファセットの短辺が、ロアー・ファセット（１０，１１，１２，１３ ）の尖端の間を結ぶ結合線上において、隣接の各グループの補足ファセットの短 辺と当接（合致）することを特徴とする宝石。 ２． アッパー・ファセット（２０〜２３）とガードル面との間の角度（α）が 、２３°〜３０°の範囲にあることを特徴とする請求項１に記載の宝石。 ３． ロアー・ファセット（１０〜１３）とガードル面との間の角度（β）が、 ３４°〜４３°の範囲にあることを特徴とする請求項１に記載の宝石。 ４． 補足ファセットの各グループが、長辺がおよそ５°〜１５°の鋭角をなす 少なくとも３つの補足ファセットからなることを特徴とする請求項１に記載の宝 石。 ５． 隣接の補足ファセットの平面が、およそ１°〜３°の角度で相互に傾斜し 、かくして、合計が少なくとも１２の補足ファセットが、宝石をドーム状に下方 へ閉じることを特徴とする請求項１に記載の宝石。 ６． ガードルが、循環帯状ファセット（３０）を有することを特徴とする請求 項１に記載の宝石。 ７． 各グループ（４０〜４３）には、下部のピラミッド状キューレット（Ｋ） を形成する短辺を有し、少なくとも１つの補足ファセットに両側で接続する中央 補足ファセットが設けてあることを特徴とする請求項４に記載の宝石。 ８． ガードル面が、円形または正方形であることを特徴とする請求項１に記載 の宝石。