JP2000505288A - チミジンキナーゼ変異体、対応する核酸配列および遺伝子治療におけるそれらの用途 - Google Patents

チミジンキナーゼ変異体、対応する核酸配列および遺伝子治療におけるそれらの用途

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、チミジンキナーゼをコードする野生型核酸配列に由来する核酸配列であって、該核酸配列が、ATP結合部位に相当する領域内の少なくとも1つの変異と、好ましくはN末端領域および/またはC末端領域内のもう1つの変異とを有することを特徴とする核酸配列に関する。本発明はまた、野生型チミジンキナーゼの変異体、および遺伝子治療におけるその用途に関する。

Description

【発明の詳細な説明】チミジンキナーゼ変異体、対応する核酸配列および遺伝子治療におけるそれらの 用途 本発明は、野生型チミジンキナーゼ(TK)酵素に由来する酵素をコードする治 療用途のための改善された機能を有する核酸配列に関する。さらに詳しくは、本 発明は、野生型チキジンキナーゼ酵素と比べて改善された基質特異性および/ま たは効力を有する新規酵素に関する。本発明はまた、これらの核酸配列を含有す るベクター、およびそれらの治療用途、特に遺伝子治療における治療用途に関す る。 さらに詳しくは、本発明は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、CMV(サイトメガ ロウイルス)またはRSV(respiratory syncytial virus)などのウイルスに感染し た細胞などの、特定の細胞の細胞死を誘導するために自殺遺伝子を使用する遺伝 子治療の分野に関する。自殺遺伝子を細胞内で発現させることからなるこのタイ プの治療は、癌およびいくつかの心臓血管疾患の治療にも適用される。 自殺遺伝子として、治療剤に対する感受性を細胞に付与する 産物を発現する遺伝子を、遺伝子治療において使用するのが好ましい。より一般 には、問題の遺伝子は、非哺乳動物の無毒性酵素をコードする遺伝子であり、こ れが哺乳動物細胞内で発現されると、最初は毒性をほとんど又は全く有さないプ ロドラッグが高い毒性の物質に変換される。プロドラッグのそのような作用メカ ニズムは、いくつかの点で有利である。すなわち、それにより、プロドラッグ濃 度または酵素発現の調節による治療指数の最適化、プロドラッグ投与の中止によ る毒性の阻止、および死亡率の評価が可能となる。 多数の自殺遺伝子が文献に記載されており、例えば、シトシンデアミナーゼ、 プリンヌクレオシドホスホリラーゼまたはチミジンキナーゼ(例えば、禽痘ウイ ルスまたは単純ヘルペスウイルス1型のチミジンキナーゼ)をコードする遺伝子 が挙げられる。これらの遺伝子のうち、単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナ ーゼをコードする遺伝子が、治療観点からは非常に有利である。なぜなら、それ は、他の自殺遺伝子とは異なり、分裂細胞を特異的に除去する能力を有する酵素 であるチミジンキナーゼを産生するからである。この酵素は、細胞酵素と異なる 基質特異性を有し、アシクロビル、ガンシクロビルなどのグア ノシン類似体の標的であることが示されている(Moolten 1986 Cancer Res.46 ,p.5276)。 HSV1-TK/ガンシクロビル系の特定の場合には、作用メカニズムの概要は以下 のように説明することができる。HSV1-TK酵素を発現するように修飾された哺乳 動物細胞がガンシクロビルのリン酸化の第1段階を引き起こして、ガンシクロビ ルモノホスファートを与える。この段階が律速となっているようである。ついで 、細胞キナーゼにより、このガンシクロビルモノホスファートは、ジホスファー ト、ついでトリホスファートへと順次代謝される。このようにして生成したガン シクロビルトリホスファートは、ついでDNA中に取込まれることにより毒性効果 を発揮する。特に、細胞性DNAポリメラーゼαを部分的に阻害し、それによりDNA 合成を停止させ、それにより細胞死をもたらす(Moolten 1986 Cancer Res.46 ,p.5276;Mullen 1994 Pharmac.Ther.63,p.199)。 さらに、TKを使用する場合には、伝播する毒性効果(「バイスタンダー」効果 )が認められている。この効果は、TK遺伝子を取込まれた細胞の破壊だけでなく 、それらに隣接する細胞の破壊するものである。この過程のメカニズムは、以下 の3 通りの方法で説明することができる:i)死細胞に由来するチミジンキナーゼま たはリン酸化されたガンシクロビルを含有するアポトーシス性(apoptotic)小 胞が形成され、ついでこれらの小胞が隣接細胞による食作用を受け、ii)チミジ ンキナーゼにより代謝されたプロドラッグが、代謝協同作用の過程により、自殺 遺伝子を含有する細胞から、それを含有しない細胞へ移動し、および/またはii i)腫瘍の退縮に関連した免疫応答を生じる(Mariniら,1995 Gene Therapy 2, p.655)。 ヘルペスウイルスチミジンキナーゼをコードする自殺遺伝子の使用については 、当業者にとっては既に十分な記載がある。特に、神経膠腫を有するラットでの 初期のin vivo研究では、HSV1-TK遺伝子を発現させ150mg/kgの用量のガンシクロ ビルを注射した場合に、腫瘍の退縮が示されている(K.Culverら,1992 Scienc e 256,p.1550)。しかしながら、これらの用量はマウスにおいて毒性が高く(T .Osakiら,1994 Cancer Research 54,p.5258)、したがってヒトでの遺伝子治 療では完全に禁止されている。 また、種々のベクター(特に、レトロウイルスベクターまたはアデノウイルス ベクターなど)によりTK遺伝子を細胞へ運 搬する多数の治験が、ヒトにおいて進行中である。ヒトにおける遺伝子治療の臨 床試験では、投与しなければならない用量ははるかに少なく5mg/kgのオーダー であり、治療期間が短い(14日である)(E.Oldfieldら,1995 Human Gene Thera py 6,p.55)。用量をより多くしたり、あるいは治療期間をより長くすると、副 作用が実際に認められる。 したがって、ガンシクロビルのリン酸化がより特異的および/またはより活性 である野生型TK酵素変異体を産生しうる、野生型チミジンキナーゼをコードする 遺伝子に関連した自殺遺伝子を入手することができれば有利であろう。そのよう な変異体は、有利に、野生型自殺遺伝子の用量と比べて有意に低い用量で使用で きようし、さらに、それと通常配合される基質の用量を減少させることができよ う。 本発明の目的は、特に、ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体に関してよ り強力な活性化挙動を有するチミジンキナーゼ型酵素をコードする核酸配列を提 供することにある。 単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ酵素をコードする遺伝子の配列は 、既に文献に記載されている(特に、McKnight 1980 Nucl.Acids Res.8,p.59 49を参照されたい)。その天 然変異体が存在しており、チミジンまたはガンシクロビルに関して比較しうる酵 素活性を有するタンパク質を与える(M.Michaelら,1995 Biochem.Biophys.R es.Commun 209,p.966)。同様に、酵素の基質との結合部位での特異的変異誘 発により得られた誘導体が記載されている。しかしながら、厳密な生化学的特徴 づけが純粋な酵素について全く行われておらず、これらの変異体を使用する細胞 試験について何ら公開されていない(Blackら,1993 Biochemistry 32,p.11618 )。さらに、最初の45コドンが欠失したHSV1-TK遺伝子の誘導的発現が真核細胞 で実施されているが、使用されたプロドラッグの用量は、依然として、文献中に 記載されているすべての試験の用量に匹敵するものである(B.Salomonら,1995 Mol.Cell.Biol.15,p.5322)。このように、これまで記載されている変異体 はいずれも、ガンシクロビルに関する改善された活性を示していない。 本発明は、改善された酵素特性を有する新規チミジンキナーゼ変異体の構築を 記載する。本出願はまた、これらの変異体をコードする核酸配列の構築、ならび に該配列を含有しそれらのin vivoでの投与および変異体のin vivoでの産生を許 容するするベクターの構築を記載する。 意外にも、本出願人は、必要な活性化挙動、すなわち野生型チミジンキナーゼ と比べて有意に改善された活性化挙動を有するチミジンキナーゼ変異体をコード する一連の特定の核酸配列を実際に製造し、単離し、特徴づけした。本出願人は 、特に、改善された酵素特性を有する新規チミジンキナーゼ変異体は、特に、AT Pとの結合に関与するタンパク質領域の修飾により入手可能であることを示した 。 したがって、本発明の第一の主題は、野生型配列と比べた場合に、N末端およ び/またはC末端領域内の少なくとも1つの変異と共に、ATP結合部位に相当す る領域内の少なくとも1つの変異を有することを特徴とするチミジンキナーゼを コードする核酸配列にある。 より詳しくは、本発明の第一の主題は、野生型チミジンキナーゼをコードする 核酸配列に由来する核酸配列であって、該核酸配列が、ATP結合部位に相当する 領域内の少なくとも1つの変異と、N末端および/またはC末端領域内の少なく とも1つの変異とを有することを特徴とする核酸配列である。 本発明においては、変異なる語は、問題の核酸配列の1以上の残基の任意の置 換、欠失、付加および/または修飾を包含す る。本発明の核酸配列は、前記領域内にあってもよくなくともよい他の変異を含 むことができる。 本発明の好ましい実施態様では、該核酸配列は、単純ヘルペスウイルス1型TK をコードする配列に由来する。ATP結合部位に相当する領域内の変異は、好まし くは、その中の、180位のグアニンのアデニンによる少なくとも1つの置換(G18 0A)で代表される。 TKのN末端部分に存在する変異は、16位のグアニンのアデニンによる置換(G1 6A)、または28位および30位のグアニンのアデニンによる二重置換(G28Aおよび G30A)であってもよい。 本発明の好ましい実施態様では、本発明の核酸は、ATP結合部位に相当する領 域内の変異に加えて、C末端部分内の少なくとも1つの変異(より好ましくは、 990〜1030位に局在するもの)を保持する。本発明のもう1つの実施態様では、 C末端部分内に存在するこの変異はさらに、前記のTKのN末端部分内に存在する 少なくとも1つの変異と組合される。 そのような配列の代表例としては、180位のグアニンのアデニンによる少なく とも1つの置換(G180A)、28位および30 位のグアニンのアデニンによる少なくとも1つの二重置換(G28AおよびG30A)、 591位および892位のシトシンのチミンによる二重置換(C591TおよびC892T)、お よび1010位および1011位のグアニンのアデニンによる二重置換(G1010AおよびG1 011A)を含む核酸配列が挙げられる。 チミジンキナーゼ変異体をコードする核酸配列は、好ましくは、 (a)配列番号3の配列、もしくは(G180A)変異を保持するこの配列の部分、 またはこれらの相補鎖の1つ、 (b)配列番号6および配列番号7の配列、もしくは(G180A)変異と、それぞ れG16A変異および(G28A;G30A)二重変異とを保持するこれら配列の部分、また はこれらの相補鎖の1つ、 (c)配列番号8の配列、もしくは(G180A)変異、(G28A;G30A)二重変異および (C591T;C892T;G1010A;G1011A;四重変異を保持するこの配列の部分、またはこれ らの相補鎖の1つ、 (d)配列(a)、(b)および/または(c)とハイブリダイズし、チミジンキ ナーゼ変異体をコードする、本発明の任意の配列、 (e)遺伝暗号の縮重により生じる(a)、(b)、(c)および(d)の変異体 、 から選ばれる。 本発明の核酸配列は、真核生物、細菌、ウイルス、合成または半合成に由来す ることが可能である。 一般的に言えば、本発明の核酸は、当業者に公知の任意の方法により製造する ことができる。これらの方法を例示すると、特に、以下のものが挙げられる: ・本出願で示す配列と、例えば核酸シンセサイザーとを使用する化学合成、 ・特異的プローブ(特に、例えば本出願中に記載のもの)を使用するライブラ リーのスクリーニング、あるいは ・ライブラリーからスクリーニングした配列の化学修飾(伸長、欠失、置換な ど)を含む混合法。 本発明の核酸配列はまた、野生型チミジンキナーゼまたはその変異体の1つを コードするそれぞれ天然のまたは既に変異された核酸配列の部位特異的または他 のいずれかの変異誘発により得ることができる。部位特異的変異誘発またはラン ダム変異誘発を行なうことを可能にする多数の方法が当業者に公知であり、PCR またはオリゴヌクレオチドを使用する部位特異的変異誘発、および例えばヒドロ キシルアミンなどの化学試薬による in vitroでの又は大腸菌(E.coli)の変異誘発株におけるin vivoでのランダム 変異誘発が挙げられる(Miller“A short course in bacterial genetics” , Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,1992)。 このように、本発明は、野生型チミジンキナーゼの変異体をコードし前記修飾 方法(より好ましくは、部位特異的または他のいずれかの変異誘発)の1つを用 いて本発明の核酸配列から入手可能な任意の核酸配列に拡張される。 好ましくは、本発明の配列の産物は、構造上の修飾によりそれを誘導体化する もとになった天然酵素より効果的であることを示す。それは、標的細胞中で発現 されると、ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体に関して天然酵素に比べて 改善された酵素活性を示す。本発明の変異体の「より活性化する」または「改善 された酵素活性」なる、挙動を示す用語は、後記実施例に詳しく説明するプロト コールに従い野生型酵素と比較することにより評価される。 本発明においては、ヌクレオシド類似体は、アシクロビル、トリフルオロチミ ジン、1−(2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−ヨー ドウラシル、アラ−A、アラ T、1−β−D−アラビノフラノシルチミジン、5−エチル−2'−デオキシウリジン 、ヨードウリジン、AZT、AIU、ジデオキシシチジンおよびアラCの化合物を包含 する。本発明の場合に好ましい類似体としては、特に、BVDU、ガンシクロビルお よびペンシクロビルが挙げられる。 本発明の主題はまた、本発明の核酸配列から発現されうる野生型チミジンキナ ーゼ変異体である。 より詳しくは、本発明は、チミジンキナーゼの任意の変異体であって、N末端 および/またはC末端領域内の少なくとも1つの変異と共に、そのATP結合部位 内の少なくとも1つの変異を含んでなる変異体に拡張される。 チミジンキナーゼペプチド配列内のこのATP結合部位の所在は、該酵素の起源 ウイルスによって異なる。例えば、問題のチミジンキナーゼが、禽痘ウイルス由 来であるか、単純ヘルペスウイルス1型由来であるか、またはその他に由来する かによって、この領域は異なる領域内に位置する。しかしながら、一般的に言え ば、それは、その中にコンセンサスなGXXXXGK(T/S)(配列番号1)(Xは任意の アミノ酸を示す)として存在し、単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼの 特定の場合には、 特異的配列GPHGMGKT(配列番号2)として存在する。 このように、本発明は、野生型チミジンキナーゼの任意の本発明に従う変異体 であって、そのペプチド領域GXXXXGK(T/S)内に少なくとも1つの変異を含んでな る変異体に関する。 本発明の好ましい実施態様では、少なくとも1つの変異を有する配列は、GPHG MGKT(配列番号2)で表されるものである。この特定の場合には、該変異は、よ り好ましくは、その中の、60位のメチオニンのイソロイシンによる少なくとも1 つの置換で表される。 このタイプの変異の代表例としては、特に、後記実施例に記載する変異体1537 :E4が挙げられる。 より詳しくは、N末端領域内の変異は、好ましくは、1〜20位のアミノ酸内に 存在する。より好ましくは、該変異は、1〜15位のアミノ酸内に存在する。さら に好ましくは、該変異は、1〜10位のアミノ酸内に存在する。好ましい実施態様 では、該変異は、5〜10位のアミノ酸内に存在する。 好ましい実施態様では、本発明は、60位のメチオニンのイソロイシンによる置 換および10位のアラニンのトレオニンによる置換で表される少なくとも1つの変 異を含んでなる、単純 ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼの変異体に関する。 このタイプの変異の代表例としては、特に、後記実施例に記載する変異体2-86 5:H12が挙げられる。 本発明の特に好ましいもう1つの実施態様では、それは、60位のメチオニンの イソロイシンによる置換および6位のグリシンのセリンによる置換で表される少 なくとも1つの変異を含んでなる、単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ の変異体である。 このタイプの変異の代表例としては、特に、後記実施例に記載する変異体2-33 61:D3が挙げられる。 C末端領域内の変異は、好ましくは、320〜350位のアミノ酸内に存在する。よ り好ましくは、該変異は、325〜345位のアミノ酸内に存在する。さらに好ましく は、該変異は、330〜343位のアミノ酸内に存在する。好ましい実施態様では、該 変異は、335〜340位のアミノ酸内に存在する。 本発明の特に好ましい実施態様では、それは、60位のメチオニンのイソロイシ ンによる置換、10位のアラニンのトレオニンによる置換、および337位のアルギ ニンのグルタミンによる置換の少なくとも1つの置換の少なくとも1つの置換を 含んでなる、 単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼの変異体である。 このタイプの変異の代表例としては、特に、後記実施例に記載する変異体3-42 16:H2が挙げられる。 好ましくは、本発明の変異体は、以下の酵素特性の1以上において改善された 性能特性を示す: ・基質による阻害:高濃度のガンシクロビルによる阻害が、野生型酵素で一般 に認められるが、それは、本発明の変異体では減少するか、あるいは消失さえす る。 ・ガンシクロビルまたは他のヌクレオシド類似体のリン酸化の速度:本発明の 変異体は、ガンシクロビルまたは他の類似体のリン酸化の速度が有利に大きい; ・チミジンのリン酸化の速度:本発明の変異体では有利に不変であるか又は減 少していて、それによってガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体に関するよ りリン酸化の大きな選択性を本発明の変異体に付与する。チミジンのリン酸化の この速度は、本明細書中に、その特異性定数Kcat/Kmで定義される。これは、当 業者によく知られている二次見掛け速度定数である。それにより、遊離酵素およ び遊離基質の特性および反応を表すことが可能になる。競合する基質の場合には 、それが、これら の基質に対する酵素の特異性を決定する(A.Fersht,Enzyme Structure and Me chanism 1985,W.H.Freeman,London)。 好ましくも、本発明の変異体、特に、変異体1537:E4は、有利に下記の速度論 的特性を示す。 ・ガンシクロビルのリン酸化の活性の阻害が、野生型酵素では15μM以上で非 常に顕著であるのに対して、実質的にまたは更には完全に減少していて、 ・15〜20μM以上のGCVのリン酸化の初速度が、野生型酵素に対して少なくとも 2〜2.5倍増加していて、そして ・チミジンに関するKcat/Km比が、野生型酵素のものに対して少なくとも1〜 6倍、好ましくは少なくとも2倍減少している。 好ましくも、本発明の変異体、特に変異体2-865:H12および2-3361:D3は、以下 の性能特性の少なくとも一つを示す。 ・ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体のリン酸化の阻害が、高濃度のガ ンシクロビルまたはヌクレオシド類似体において有意に減少していて、 ・ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体のリン酸化の速度が、少なくとも 3倍になっていて、および/または ・チミジンに関するKcat/Km比が、野生型酵素のものに対して、変異体2-865:H 12に関しては不変であるか又は変異体2-3361:D3に関しては少なくとも5倍減少 している。 より好ましくも、本発明の変異体3-4216:H2は、下記の速度論的性能特性の少 なくとも1つを示す。 ・ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体のリン酸化の阻害が、高濃度のガ ンシクロビルまたはヌクレオシド類似体において存在せず、 ・15〜20μM以上のGCVのリン酸化の初速度が、野生型酵素に対して3.5倍以上 増加しており、および/または ・チミジンに関するKcat/Km比が、野生型酵素のものに対して4倍減少してい る。 これらのデータから、変異体3-4216:H2は、本発明による特に有利な挙動を示 すことが明らかである。 このような特性は、治療上の観点から特に有利である。なぜなら、このような 特性から、酵素および/またはヌクレオシド類似体の使用用量を有意に減少させ ても、少なくとも同等またはより一層大きな効力が得られると予想できるからで ある。これは効力に対して何ら悪影響を及ぼさず、安全性が向上する。 本発明においては、変異体なる語はまた、野生型チミジンキナーゼをコードし ガンシクロビルおよび/またはヌクレオシド類似体に関して前記の挙動を有する 、核酸配列を遺伝子操作技術を用いて修飾することにより得られる任意の酵素を 示すと本発明において理解される。(修飾は、任意の変異、置換、欠失、付加、 あるいは遺伝的および/または化学的性質の修飾を意味すると理解されるべきで ある)。 勿論、ガンシクロビルまたはその類似体の1つの活性化を介して前記細胞の破 壊を誘導しうる本発明のこれらの誘導体を、本発明の核酸配列から直接in vivo で発現させるのが有利であろう。 この目的のために、本発明はまた、前記核酸配列、その発現を許容するプロモ ーター、および転写終結シグナルを含んでなる任意の発現カセットに関する。該 プロモーターは、哺乳動物好ましくはヒトの細胞内で機能するプロモーターから 選択するのが有利である。より好ましくは、問題のプロモーターは、過増殖細胞 (癌細胞、再発狭窄症など)において核酸配列の発現を許容するものである。こ れに関しては、種々のプロモーターを使用することができる。可能なプロモータ ーとしては、例え ば、単純ヘルペス1型TK遺伝子に実際に属するものが挙げられる。さらに、種々 の起源の配列(他の遺伝子あるいはさらには合成配列の発現を引き起こすもの) も可能である。例えば、遺伝子の転写を特異的または非特異的に、誘導的または 非誘導的に、強くまたは弱く刺激または抑制する任意のプロモーターまたは由来 配列を使用することが可能である。特に、真核生物またはウイルスの遺伝子のプ ロモーター配列が挙げられる。可能なプロモーター配列としては、例えば、標的 細胞に由来するものが挙げられる。真核プロモーターのうち、特に、遍在性プロ モーター(HPRT、PGKN、α−アクチン、チューブリン、DHFRなどの遺伝子のプロ モーター)、中間フィラメントのプロモーター(GFAP、デスミン、ビメンチン、 ニューロフィラメント、ケラチンなどの遺伝子のプロモーター)、治療用遺伝子 のプロモーター(例えば、MDR、CFTR、VIII因子、ApoAIなどの遺伝子のプロモー ター)、組織特異的プロモーター(ピルビン酸キナーゼ、ビリン、腸脂肪酸結合 タンパク質、平滑筋αアクチンなどの遺伝子のプロモーター)、癌細胞などの分 裂細胞型の特異的細胞のプロモーター、あるいは刺激(ステロイドホルモン受容 体、レチノイン酸受容体、グルココルチコイド受容体など) に応答するプロモーター、またはいわゆる誘導プロモーターを使用することが可 能である。同様に、プロモーター配列は、ウイルスのゲノムに由来するもの、例 えば、アデノウイルスE1AおよびMLP遺伝子のプロモーター、CMV初期プロモータ ー、あるいはRSV LTRプロモーターなどであってもよい。さらに、これらのプロ モーター領域は、活性化もしくは調節配列または組織特異的もしくは組織偏位的 な発現を許容する配列を付加することにより修飾することができる。 本発明は今、多数の型の細胞機能不全を防ぐのを可能にする新規治療剤を提供 する。この目的のためには、本発明の核酸またはカセットを、治療すべき部位へ そのまま注入したり、あるいは破壊または治療すべき細胞と共に直接インキュベ ートすることができる。実際に、特定のベクターがなくても、裸の核酸配列が細 胞内に侵入しうることが報告されている。しかしながら、本発明の場合には、( i)細胞内への侵入の効率、(ii)標的化、ならびに(iii)細胞外および細胞内 の安定性の改善を可能にする投与ベクターを使用するのが好ましい。 本発明の特に好ましい実施態様では、該核酸配列またはカセットをベクター中 に組込む。使用するベクターは、化学、生化 学またはウイルスに由来するものであってもよい。 化学的ベクターは、本発明の目的においては、真核細胞への核酸配列の導入お よび該細胞内でのその発現を促進しうる任意の非ウイルス性物質を包含すると理 解される。これらの合成または天然の化学的または生化学的ベクターは、特に簡 便性および安全性の点で、また、トランスフェクトするDNAのサイズに関する理 論的な限界がない点で、天然ウイルスの有利な代替手段の一例である。これらの 合成ベクターは、2つの主要な機能を有する。すなわち、該ベクターは、トラン スフェクトする核酸をコンパタトにし、また、それが細胞に結合したりプラズマ 膜(適当な場合には、両方の核膜)を通過するのを促進するのである。核酸のポ リアニオン性を相殺するために、非ウイルスベクターはすべて、ポリカチオン性 の電荷を有する。遺伝情報を導入するために現在開発されているこのタイプの非 ウイルストランスフェクション法の代表例としては、例えば、DNAとDEAE−デキ ストランとの複合体(Paganoら,J.Virol.1(1967)891)、DNAと核タンパク 質との複合体(Kanedaら,Science 243(1989)375)、およびDNAと脂質との複合 体(Felgnerら,PNAS84(1987)7413)、リポソームの使用(Fraleyら,J.Biol. Chem. 255(1980)10431)などを含むものが挙げられる。 つい最近になって、遺伝子導入用ベクターとしてウイルスを使用することが、 これらの物理的トランスフェクション法の有望な代替手段となることが判明した 。これに関して、種々のウイルスが、それらが或る細胞集団に感染する能力につ いて試験されている。これは、特にレトロウイルス(RSV、HMS、MMSなど)、HSV ウイルス、アデノ随伴ウイルスおよびアデノウイルスに適用される。 本発明で使用する核酸配列またはベクターは、局所、経口、非経口、鼻腔内、 静脈内、筋肉内、皮下、眼球内、経皮などの投与の目的のために製剤化すること ができる。好ましくは、該核酸配列またはベクターを、注射可能な形態で使用す る。したがって、それを、注射製剤のための、特に、治療すべき部位に直接注射 するための医薬上許容される任意の担体と混合することができる。可能な製剤に は、特に、無菌等張液、および乾燥(特に凍結乾燥)組成物のうち無菌水または 生理食塩水を適宜加えることにより注射溶液の生成が可能な組成物が含まれる。 核酸配列を患者の腫瘍内へ直接注射するのが有利である。なぜなら、これにより 、治療効果を罹患組織に集中させることがで きるからである。使用する核酸配列の用量は、種々のパラメーターに応じて、特 に、ベクター、用いる投与方法、問題の病理、または所望の治療期間に応じて適 合させることができる。 本発明はまた、少なくとも1つの前記核酸配列を含んでなる任意の医薬組成物 に関する。 本発明はまた、少なくとも1つの前記ベクターを含んでなる任意の医薬組成物 に関する。 本発明はまた、少なくとも1つの前記チミジンキナーゼ変異体を含んでなる任 意の医薬組成物に関する。 本発明の医薬組成物は、それらの抗増殖特性の結果、過増殖性疾患、例えば特 に癌および再発狭窄症の治療に最もよく適している。したがって、本発明は、細 胞、特に過増殖性細胞の破壊に特に有効な方法を提供する。したがって、それは 、腫瘍細胞または血管璧平滑筋細胞(再発狭窄症)の破壊に適用することができ る。それは、癌の治療に特に最も適している。具体例として、結腸の腺癌、甲状 腺癌、肺の癌腫、骨髄性白血病、結腸直陽(colorectal)癌、乳癌、肺癌、胃癌 、食道癌、Bリンパ腫、卵巣癌、膀胱癌、神経膠芽細胞腫、肝細胞性癌、骨癌、 皮膚癌、膵臓または腎臓の癌および前立腺癌、喉頭癌、頭部お よび頚部の癌、HPV陽性の肛門性器癌、EBV陽性の鼻咽腔癌などが挙げられる。 それは、in vitroまたはex vivoで使用することができる。ex vivoは、核酸配 列の存在下(またはベタターまたはカセットの存在下、あるいは直接的に該誘導 体の存在下)で該細胞をインキュベートすることを必須としてなる。in vivoは 、問題のプロドラッグ(すなわち、ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体) の注入の前、同時および/または後に、本発明のベクター(またはカセット)の 有効量を体内へ投与する、好ましくは治療部位(特に腫瘍)へ直接的に投与する ことよりなる。これに関して、本発明の主題はまた、前記細胞またはその一部を 前記の核酸配列またはチミジンキナーゼ変異体と接触させることを含んでなる過 増殖性細胞の破壊方法である。 このように、本発明は、使用するガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体の リン酸化が非常に著しく増加するように変異したTK酵素を提供する。有利にも、 本発明においては、プロドラッグの用量がi)有意に低い、ii)またはより顕著 な「バイスタンダー」効果を引き起こしうる、またはiii)野生型チミジンキナ ーゼを過剰発現させた場合に生じうる細胞毒性につ ながらない程度にて、変異TK核酸配列を細胞試験または臨床試験において使用す ることが可能である。 本発明を、以下の実施例および図面により更に詳しく説明するが、これらは例 示にすぎず、限定的なものではない。 図面の説明 図1:発現プラスミドpXL2645。 図2:野生型および変異体1537:E4、2-865:H12、2-3361:D3および3-4216:H2 H SV1-TK酵素に関する、チミジン濃度(μM)の関数としてのリン酸化の初速度(n mol/分/mg単位の比活性)。 図3:これらの曲線は、野生型および変異体(1537:E4、2-865:H12、2-3361:D 3および3-4216:H2)HSV1-TK酵素に関する、ガンシクロビル濃度(μM)の関数と してのリン酸化の速度(nmol/分/mg単位の比活性)を表す。 図4:プラスミドpcDNA3-TK、pXL3022およびpXL3037を表す図面。以下の表I に、ガンシクロビルおよびチミジンに関するこれらの酵素の速度定数を要約する 。 GCVが通常のミカエリス速度定数を示さない場合には(ただし、変異体3-4216: H2を除く)、それらの値をS0.5(すなわち、観測された最大速度の半分につなが る基質濃度)により表す。 材料および方法 略語 ACV:アシクロビル GCV:ガンシクロビル HSV1-TK:単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ 分子生物学の一般的方法 分子生物学で通常用いる方法、例えば、プラスミドDNAの予備的抽出、塩化セ シウム勾配中でのプラスミドDNAの遠心分離、アガロースまたはアクリルアミド ゲルゲル電気泳動、電気溶出によるDNA断片の精製、タンパク質のフェノールま たはフェノール/クロロホルム抽出、滅菌培地中でのDNAのエタノールまたはイ ソプロパノール沈殿、および大腸菌(Escherichia coli)中での形質転換は、当 業者によく知られており、文献に十分に記載されている(Sambrookら,“Molecu lar Cloning,a Laboratory Manua1”,Cold Spring Harbor Laoratory,Cold Spring Harbor,N.Y.1989;Ausbelら,“Current Protocols in Molecular Biolo gy”,John Wiley&Sons,New York,1987)。 pUC型のプラスミドおよびM13系統のファージは市販品(Bethesda Research La boratories)由来であり、pBSKまたはpBKSプラスミドはStratageneから入手する 。 いわゆるPCR(ポリメラーゼ触媒連鎖反応)法によるDNA断片の酵素的増幅は、 「DNAサーマルサイクラー」(Perkin Elmer Cetus)を製造業者の推奨に従い使 用して行なうことができる。 大腸菌(E.coli)細胞中へのプラスミドDNAのエレクトロポレーションは、エ レクトロポレーター(Bio-Rad)を供給業者の推奨に従い使用して行なうことが できる。 ヌクレオチド配列の確認は、Amershamが配給するキットまたはApplied Biosys temsが配給するキットを使用して、Sangerら[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74 (1977)5463-5467]が開発した方法により行なうことができる。 実施例1:HSV1-TK変異体の生化学的スクリーニング1 −1 HSV1-TK遺伝子の原核発現用のプラスミド 大腸菌(E.coli)内でのHSV1-TK遺伝子の発現のためのい Natl.Acad.Sci.USA 76 p.3755;Kitら,1981 Gene 16 p.287;Waldmanら,1983 J.Biol.Chem.258 p.11571;Fetzerら,1992 Pharm.Pharmacol.Lett.2 p.1 12;Brownら,1995 Nature Structural Biology 2 p.876)。以下に記載するもの は、天然(非融合、非トランケート化)形態のHSV1-TKタンパク質の非常によく 調節された高い産生を可能にするものである。 原核発現プラスミドpXL2638を、プラスミドpHSV-106(Gibco-BRL)および発現 ベクターpET11a(Novagenから入手)から以下の方法で構築した。末端を平滑化 した後、McKnight 1980 Nucl.Acids Res.8 p.5949に配列が公開されているHSV 1-TK遺伝子を含有しpHSV-106に由来する1.5kbのBglII-NcoI挿入断片を、pBSKIの Sma部位にてクローニングして、プラスミドpBTK1を得た。HSV1-TK遺伝子のコー ド配列の−3位から開始する部位特異的変異誘発によりNdeI部位を導入した。こ の目的のために、鋳型としてpBTK1を、そしてプライマーとしてセンスオリゴヌ クレオチド5’(TTA TGA ATT CAT ATG GCT TCGTAC CCC GGC)3'(配列番号4)お よびアンチセンスオリゴヌクレオチド5'(TTA TTT CTA GAG GTC GAA GAT GAG GG T)3'(配列番号5)を使用するPCRにより、該遺伝子の5'部分を含有 する500bpの断片を増幅した。この断片をM13mp19中にクローニングし、ついで配 列決定した。この断片をEcoRIおよびSstIで消化して460bpの挿入断片を得、これ を、HSV1-TK遺伝子の3'部分を含有するpBTK1からの1kbのSstI-XbaI挿入断片と 共に、EcoRIおよびXbaIで消化されたプラスミドpUC19中に共クローニングした。 このプラスミドpUCTKは、HSV1-TK遺伝子をNdeI-BamHIセットの形態で含有してお り、これをpET11aのNdeI部位とBamHI部位との間にクローニングして、プラスミ ドpXL2638を作製した。このプラスミドは、HSV1-TK遺伝子がバクテリオファージ T7の遺伝子10のプロモーターの制御下で発現されるのを可能にする。このプロモ ーターは、バクテリオファージT7のRNAポリメラーゼが例えば大陽菌(E.coli) 株BL21、ラムダDE3中で合成されると誘導される(Studierら,1990 Methods Enz ymol.185 p.89)。1 −2 無細胞抽出物の調製 HSV1-TKタンパク質を過剰産生する大腸菌(E.coli)株の無細胞抽出物は、種 々の方法で調製することができ、そのうち、EDTA存在下でのリゾチームによる溶 菌、メントン・ゴリン(Menton-Golin)、フレンチプレスまたはX-プレス型の粉 砕 装置の使用、および超音波の作用を挙げることができる。より詳しくは、大腸菌 (E.coli)株BL21、ラムダDE3(Novagen Inc)pXL2638の無細胞抽出物を、以下の 方法で調製した。 大腸菌(E.coli)株BL21、ラムダDE3 pXL2638を、吸光度が600nmで0.7になる まで、LB(Luria-Bertani)培地+アンピシリン(50mg/l)中、37℃で培養し、 1mM IPTG(イソプロピルβ−D−チオガラクトシド)を加えることによりHSV1-T Kタンパク質の産生を誘導する。該細胞の増殖を30℃で3時間続けると、その産 生が生じる。遠心分離(5000xg;20分)後、1リットルの培養から得られた細胞 を、5mM DTT、4mM MgCl2および10%グリセロール(v/v)を含有する50mM Tris -HCl緩衝液(pH7.8)10mlに再懸濁し、4℃で4分間超音波処理する。遠心分離 (5000xg;1時間)後、前記緩衝液中で平衡化したSource 15Q(50mlのゲル,Phar macia)のカラム上に上清を注入する。緩衝液A中の0〜400mM NaClの直線勾配 で該タンパク質を溶出する。TK活性を含有する画分をプールし、最終濃度が1.1M の硫酸アンモニウムに取り、硫酸アンモニウムを1.1Mから0Mへ減少させる直線 勾配で溶出するPhenyl-Superose HR10/10(Pharmacia)カラム上のクロマトグラ フィーに付す。 TK活性を含有する画分をプールする。この工程の後、該調製物は、SDS-PAGE上で 観察される単一のバンドをクーマシーブルーで可視化した後に示す。このバンド は、約41,000の見掛け分子量で移動する。 1-3 TK活性のアッセイ ヌクレオシドのリン酸化のATP依存性活性は、例えば以下の方法による手順で 検出することができる。 約0.1単位のTKを含有する酵素抽出物を、1mg/ml BSA(ウシ血清アルブミン) 、5mM ATP、4mM MgCl2、12mM KCl、2mM DTT、600μM EDTAおよび100μM[8-3 H]GCV(40nCi/nmol)を含有する50mM Tris-HCl緩衝液(pH7.8) 100μl中、37℃ で15分間インキュベートする。1mM非放射性チミジンを含有する50mMTris-HCl緩 衝液(pH7.8) 10μlを加えることにより、該反応を停止する。リン酸化された 種を、DEAE-Sephadex(400μlのケル)のカラムに結合させ、ついで、該カラム を洗浄した後、これらの種を2mlの1M HClで溶出する。ついで該サンプル中の 放射活性を液体シンチレーションで計数する。 基質としてチミジンを使用するTK活性のアッセイを、0.002単位のTKおよび1 μM(メチル-14C)チミジン(56nCi/nmol) を使用して同様にして行なう。 TK活性の単位は、前記条件下で1分当たり1nmolの基質をリン酸化するのに要 した酵素の量と定義する。 速度定数の計算のためには、酵素反応中に導入するTKの量を調節して開始時に 導入した基質の5%以上が変換されないようにし、それによってこの基質の比活 性が増加する。Enzfitterソフトウェア(Sigma)を使用して、ミカエリス曲線を 実験的な点に適合させる。 GCVは通常のミカエリス速度定数を示さないため(ただし、変異体3-4216:H2を 除く)、それらの値はS0.5(すなわち、観測された最大速度の半分になる基質濃 度)で表す。 1−4生化学的スクリーニングを許容するプラスミドpXL2645 大腸菌(E.coli)中での異種発現系は多数あり、当業者によく知られている 。HSV1-TK遺伝子の発現は、プラスミドpXL2645上で高コピー数でトリプトファン プロモーターpTryPを使用して該遺伝子を発現させた場合に、生化学的スクリー ニングにとって最良のものとなることが判明している。pUCTKからの1.4kbのNdeI -XbaI挿入断片を、pXL694(Jungら,1988Ann.Inst.Pasteur/Microbiol.139 p.1 29)からの120bpのNdeI- Eco RI挿入断片および3.1kbの EcoRI-XbaRI挿入断片と共に共クローニングして、 プラスミドpXL2619を得る。pXL2619からの以下の挿入断片、すなわち、1.5kbのE co RI-XbaI挿入断片(HSV1-TK遺伝子およびpTryp:大腸菌トリプトファンオペロ ンのプロモーター/オペレーター領域、およびそれに続くラムダcII遺伝子のRBS (リボソーム結合部位)を含有する)、および大腸菌(E.coli)リボソームオ ペロンのTrrnBターミネーター領域を含有する530bpのXbaI-BamHI挿入断片を、ベ クターpBSK+中に共クローニングして、プラスミドpXL2645を作製する。 1-5 プラスミドの変異誘発 部位特異的変異誘発またはランダム変異誘発をプラスミド上で行なうのを可能 にする多数の方法が、当業者に公知であり、PCRまたはオリゴヌクレオチドを供 給業者のAmershamの推奨に従い用いる部位特異的変異誘発、および大腸菌(E.c oli)の変異誘発株における化学試薬によるin vitroでの又はin vivoでのランダ ム変異誘発が挙げられる(Miller"A short course in bacterial genetics", Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,1992)。プラ スミド pXL2645を、該プラスミド上でのGCからATへのランダムな変化につながる既に記 載されているプロトコールに従い(Humphreysら,1976 Mol.Gen.Genet.145 p .101)、ヒドロキシルアミンで変異誘発させた。0.4Mヒドロキシルアミンを含有 する0.2Mリン酸緩衝液(pH6)に溶解した5μgのプラスミドDNAを、80℃または 86℃で30分間インキュベートし、ついで室温まで20分間冷却し、ついで該溶液を 透析し、ついで沈殿させる。ついで該DNAを50μlの水に再溶解する。該プラスミ ドDNAがpCH110(Pharmaciaから入手し、lacZ遺伝子を保持する)である場合には 、ヒドロキシルアミンの存在下で該プラスミドを80℃(または86℃)まで加熱す ると、2.4%(または後者の場合には7.6%)の頻度でlacZ-変異体が得られる。 1 −6 修飾されたTKを有する変異体のスクリーニング ヒドロキシルアミンで80℃で変異誘発させたプラスミドpXL2645を、エレクト ロポレーションにより大腸菌(E.coli)tk- 株ME8025(国立遺伝研究所(静岡県 三島市)より入手)中に導入する。該エレクトロポレーション体を、0.4%カザ ミノ酸および50mg/lアンピシリンを補足したM9最少培地100μlを含有するマイク ロタイタープレートウェル中に個々に接種す る。該培養物を、振とうしながら17時間37℃でインキュベートする。50mM Tris- HCl緩衝液(pH7.8)中で1/25に希釈した培養液15μlを、2mg/m1卵白リゾチーム 、5mM ATP、4mM MgCl2、12mM KCIl、2mM DTT、600μM EDTA、16μM[8-3H]GCV (60nCi/nmol)および1μM[メチル-14C]チミジン(56nCi/nmol)を含有する50mMT ris-HCl緩衝液(pH7.8)の250μlの容量中、37℃で20分間インキュベートする。 1mM非放射性チミジンを含有する50mMTris-HCl(pH7.8)緩衝液25μlを加えるこ とにより、該反応を停止させる。リン酸化された種を、DEAE-Sephadex(400μl のケル)カラムに結合させ、ついで、該カラムを洗浄した後、これらの種を2ml の1M HClで溶出する。ついで該サンプル中の放射活性(3Hおよび14C)を、二 重標識プログラムを用いる液体シンチレーションで計数し、各サンプルについて3 H/14C比を計算する。 それぞれの96ウェルマイクロタイトレーションプレートについて、全クローン の3H/14C比の平均(M)および3H/14C比の分布の標準偏差(σ)を計算する。さ らに、該96ウェルプレートのウェルのそれそれの中に存在するタンパク質の量を 、ブラッドフォード試薬(クーマシー+タンパク質アッセイ試薬、 Pierce)を使用して、前記で調製した1/25希釈のアリコート画分から測定する。 該プレートのクローンの平均の4分の1末満のタンパク質含量を有するいずれの クローンも永久的に廃棄する。 96ウェル皿のそれぞれのクローンについて得た3H/14C比を、平均Mと比較する 。M+3σの和より高い比を有する一方で、M'/2(M'チミジンリン酸化活性の平均 )より高いチミジンリン酸化活性を示すクローンを、確認および研究のために選 ぶ。 ヒドロキシルアミンによる80℃でのpXL2645の変異誘発に由来する4129クロー ンのスクリーニングの後で得た結果を、表2に要約する。このスクリーニングで は、野生型酵素に関してはTK活性を100%で表しており、GCV/Thy比は1である。 この研究の終了時に、1537:E4と称する変異体が、ガンシクロビルに関して、 より活性化する挙動を示すことが明らかとなる。 実施例2:変異体1537:E4の一次構造および生化学的特徴づけ 2-1 変異体1537:E4のHSV1-TK遺伝子の配列 変異体1537:E4から発現されたHSV-TK遺伝子を両鎖上で配列決定したところ、 単一のG180A変異が認められた。この変異は、Met60Ile置換に相当する。この残 基がATP結合部位のコンセンサス領域内に位置することに注目すべきである。変 異体1921:H12で比較研究を行ない、同じ置換(Met60Ile)が認められた。2 −2 高発現原核ベクター中への変異体1537:E4のHSV1-TK遺伝子のクローニン 変異体1537:E4のHSV1-TK遺伝子をコードする1.4kbのNdeI-BamHI挿入断片を発 現ベクターpET11a中にクローニングして、pET:E4を得た。このプラスミドpET:E4 から、変異体1537:E4のHSV1-TK酵素を1−2に記載の条件下で大腸菌(E.coli)BL 21,ラムダDE3中で産生させた。 2 −3 生化学的データ 変異体1537:E4 TKおよび対照として野生型TKの速度定数を、第1−3節に記載の 酵素アッセイ条件下で得る。 2個のTK(野生型および変異体1537:E4)は、ガンシクロビルおよびアシタロ ビルによるミカエリス挙動(高濃度での阻害)を示さない。したがって、このた め、これらの2個の基質については、Km値の計算ができない。観測される最大速 度の半分に等しい初速度を与える基質濃度に相当するS0.5濃度しか多分得られな いであろう。ここでは、VmaxおよびVmaxはタンパク質のnmol/分/mgで表されてい る。 図2の曲線は、1537:E4および野生型酵素の両方に関するGCV濃度の関数として のリン酸化の初速度を示す。それは、特に、 変異体1537:E4 TKによるGCVのリン酸化の活性の阻害がほとんど全く存在してい ないのに対して、野生型酵素についての阻害は15μM以上で非常に顕著であるこ とを示している。さらに、この曲線は、15〜20μMの GCVのリン酸化の初速度が 、変異体1537:E4酵素では野生型酵素に対して2〜2.5倍増加することを示してい る。ここで変異体酵素1537:E4が示す、チミジンに関するKcat/km比は、野生型酵 素に対して2倍減少している。 実施例3:変異体2-865:H12および2-3361:D3の入手、一次構造および生化学的 特徴づけ 3-1 変異体2-865:H12および2-3361:D3の入手 変異体1537:E4に由来するプラスミドpXL2838は、pTrypプロモーター制御下でH SV1-TK遺伝子を保持しており、このHSV1-TK遺伝子のTKタンパク質は、野生型タ ンパク質とはM60Iで異なっている。このプラスミドをヒドロキシルアミンで86℃ にて変異誘発させ、ついで大腸菌(E.coli)tk- 株ME8025中へエレクトロポレー ションにより導入する。合計4992個のエレクトロポレーション体を、実施例1−6 に記載のとおり、それらがガンシクロビルおよびチミジンをリン酸化する能力に 関して分析する。このスクリーニングの結果を表3に要約する。 表3では、野生型酵素について、TK活性を100%として表し、GCV/Thy比は1であ る。2個の変異体2-865:H12および2-3361:D3は、ガンシクロビルに関して、より 活性化する挙動を示している。 3-2 変異体2-865:H12および2-3361:D3のHSV1-TK遺伝子の配列 変異体2-865:H12および2-3361:D3から発現されたHSV1-TK遺伝子を両鎖上で配 列決定したところ、以下の変異が認められた。変異体2-865:H12では、変異はG28 A、G30AおよびG180A(置換Ala10ThrおよびMet60Ileに相当する)である。一方、 変異体2-3361:D3では、変異はG16A,G180A,C306TおよびC308T(置換Gly6Ser,Het6 0IleおよびThr103Ileに相当する)である。3-3 TKのN末端領域に存在する変異の重要性 変異体2-865:H12および2-3361:D3の酵素は共に、該チミジンキナーゼのN末端 部分(10位または6位)に変異を有している。また、変異体2-3361:D3に相当す る酵素は103位にも変異を有しているため、6位および60位に変異を含有するプ ラスミド(pXL2964)、または60位および103位に変異を有するプラスミド(pXL2 963)、または103位に変異を含有するプラスミド(pXL2965)、または6位のみ に変異を含有するプラスミド(pXL2966)を、以下の方法で構築した。ブラスミ ドpXL2840(変異体2-3361:D3から抽出したプラスミド)からの400bpのSnaBI-Bsp EI挿入断片を、SnaBI-BspEIで消化されたプラスミドpXL2645中にクローニングし てpXL2965を得るか、あるいはSnaBI-BspEIで消化されたプラスミドpXL2838中に クローニングしてpXL2963を得た。プラスミドpXL2964は、pXL2838からの2.9kbのMluI -XmnI挿入断片とpXL2840の2.1kbのXmnI-MluI断片との連結に相当する。プラ スミドpXL2966は、pXL2645からの2.9kbのMluI-XmnI挿入断片とpXL2840の2.1kbの XmnI-MluI断片との連結に相当する。これらのプラスミドで大腸菌(E.coli)株 ME8025を形質転換し、チミジンおよびガンシク ロビルに関するチミジンキナーゼ活性を、実施例1−6に記載のとおりに測定する 。GCV/Thr比を表4に示す。 プラスミドpXL2964で得られたGCV/Thr比のみが、プラスミドpXL2840で得られ たものに匹敵する。そして、それらの結果をまとめると、103位での変異ではな く6位での変異が、変異体2-3361:D3のGCVに関するTK活性の、変異体1537:E4と 比較して、改善につながるものであることが示される。さらに、6位での変異単 独でも、TK活性の改善につながる。したがって、この変異の効果は、GCVに関す るTK活性を改善するための60位での変異の効果に追加的なものである。さらに、 これ らの2個の変異Gly6SerおよびMet60Ileを組合せることにより得られる改善は、 変異Met60Ileと、チミジンキナーゼのN末端部分に位置するもう1つの変異(例 えば、変異Ala10Thr)とを組合せることによっても得ることができる。 3-4 高発現原核ベクター中への変異体2-865:H12および2-3361:D3のHSV1-TK遺 伝子のクローニング 変異体2-865:H12(または2-3361:D3)に由来するHSV1-TK遺伝子をコードするN de I-BamHI挿入断片を発現ベクターpET11a中にクローニングして、プラスミドpXL 2843(または後者の場合にはpXL2841)を得た。これらのプラスミドを大腸菌(E .coli)BL21met- ラムダDE3中に形質転換して、これらの2個の変異体の酵素を 産生させた。 3 −5 生化学的データ 大腸菌(E.coli)BL21met- ラムダDE3,pXL2843および大腸菌(E.coli)BL21met- ラムダDE3,pXL2841の培養物に由来するTK酵素を、均一になるまで精製した 。変異体2-865:H12および2-3361:D3のTKについての速度定数を測定し、野生型お よび変異体1537:E4のTKのものを比較した。一連の値を図3に示す。図3の曲線 は、それらの4個の酵素に関するGCV濃度 の関数としてのリン酸化の速度を示している。それは、変異体1537:E4、2-865:H 12および2-3361:D3のTKのGCVによる阻害が部分的に上昇するのに対して、野生型 酵素についての阻害は30μM以上で顕著であることを示している。また、これら の曲線は、GCVのリン酸化の速度が、野生型酵素に対して、16μMのGCVでは1.6〜 2.5倍、100μMのGCVでは4.3〜4.9倍増加することを示している。ここでは、図3 の表1は、変異体2-865:H12の酵素が有するチミジンに関するKcat/km比が、野生 型酵素のものに対して変化しておらず、変異体酵素2-3361:D3が示すKcat/Km比が 、野生型酵素のものに対して5倍以上減少していることを示している。 実施例4:変異体3-4216:H2の入手、一次構造および生化学的特徴づけ 4-1 変異体3-4216:H2の入手 変異体2-865:H12に由来するプラスミドpXL2842は、pTrypプロモーター制御下 でHSV1-TK遺伝子を保持しており、このHSV1-TK遺伝子のTKタンパク質は、野生型 タンパク質とは変異Ala10ThrおよびMet60Ileで異なっている。このプラスミドを ヒドロキシルアミンで86℃にて変異誘発させ、ついで大腸菌 (E.coli)tk- 株ME8025中へエレクトロポレーションにより導入する。合計3900 個のエレクトロポレーション体を、実施例1−6に記載のとおり、それらがガンシ クロビルおよびチミジンをリン酸化する能力に関して分析する。このスクリーニ ングの結果を表5に要約する。表5では、野生型酵素については、TK活性を100 %として表し、GCV/Thy比は1である。変異体3-4216:H2は、ガンシクロビルに関 して、より活性化する挙動を示している。 4-2 変異体3-4216:H2のHSV1-TK遺伝子の配列 変異体3-4216:H2から発現されたHSV1-TK遺伝子を両鎖上で配列決定したところ 、以下の変異が認められた(G28A、G30A、G180A、C591T、C892T、G1010AおよびG 1011A)。これらの変異 は、置換Ala10Thr、 Met60IleおよびArg337Glnに相当する。 4-3 高発現原核ベクター中への変異体3-4216:H2のHSV1-TK遺伝子のクローニ ング 変異体3-4216:H2に由来するHSV1-TK遺伝子をコードするNdeI-BamHI挿入断片を 発現ベクターpET11a中にクローニングして、プラスミドpXL3219を得た。このプ ラスミドを大腸菌(E.coli)BL21met- ラムダDE3中に形質転換して、この変異体 の酵素を産生させた。 4 −4 生化学的データ 大腸菌(E.coli)BL21met- ラムダDE3,pXL3129に由来するTK酵素を、均一に なるまで精製した。変異体3-4216:H2のTKについての速度定数を測定し、野生型 および変異体1537:E4、2-865:H12および2-3361:D3のTKのものと比較した。一連 の値を図3および表1に示す。変異体3-4216:H2の酵素は、GCV基質による阻害が 完全に上昇している点、およびGCVのリン酸化の速度が増加している点で顕著で ある。この変異体によるGCVのリン酸化の初速度は、野生型酵素に対して7倍、 変異体2-865:H12に対して2.8倍増加している。さらに、変異体3-4216:H2は、表 1中のKcat/Km値から示されるとおり、チミジンリン酸 化に関して、野生型酵素および残りの変異体1537:E4、2-865:H12および2-3361:D 3より低い触媒活性を有している。 実施例5:TK変異体の発現用のベクターの構築 本実施例では、本発明の核酸 配列をin vitroまたは in vivoで導入するのに使用しうるベクターの構築を記載 する。 5.1 プラスミドベクターの構築 これを行なうには、ベクターpZeoSV、pSV2pcDNA3などの市販ベクターを使用す ることができる。 ・DNA Cloning,A practical approach Vol.2,D.M.Glover(編)IRL Press, Oxford,Washington DC,1985に記載されているベクターpSV2。このベクターは 真核発現ベクターである。TK変異体をコードする核酸を、このベクター中にHpaI -EcoRV部位で挿入した。このようにして、それらを、SV40ウイルスエンハンサー のプロモーターの制御下に配置する。 ・ベクターpCDNA3(Invitrogen)。これも真核発現ベクターである。したがっ て、本発明のTK変異体をコードする核酸配列を、野生型HSV1-TKをコードする遺 伝子に関してCMV初期プロモーターの制御下で、このベクター中に配置する。実 施例1に記載のすべての構築物を、種々のin vivo評価系で試験す るために、このベクター中のHindIII/NotI間に導入した。 野生型HSV1-TKコードする遺伝子および変異体2-865:H12(プラスミドpXL2990で 調製した構築物)の遺伝子に関して。pBSK(Stratagen)に由来するこのベクター は、プラスミドpGCN(Tanakaら,1990,Cell 60,p.375)からPCRにより増幅さ れたCMVプロモーター/エンハンサーを含む。NcoI部位およびAvrII部位をそれぞ れATGコドンおよびTGAコドンにて作製することにより、該HSV1-TK遺伝子を、プ ラスミドpBTK1を用いてPCRにより増幅した(実施例1.1を参照されたい)。つい でこの遺伝子を、pXL2990のCMVプロモーターの下流かつSV40後期ポリアデニル化 配列(プラスミドpGL3basic(Promega)を用いてPCRにより増幅したもの)の上流 にクローニングして、プラスミドpXL3022を得た。同様にして、変異体2-865:H12 に由来するHSV1-TK遺伝子を、プラスミドpXL2843を用いてPCRにより増幅し(実 施例3.4を参照されたい)、ついでpXL2990のCMVプロモーターの下流かつSV40後 期ポリアデニル化配列の上流にクローニングして、プラスミドpXL3037を得た( 実施例4を参照されたい)。 5.2 ウイルスベクターの構築 本発明は、ある特定の実施態様では、前記の核酸のin vivo導入および発現を 許容するウイルスベクターの構築および使用にある。 アデノウイルス、より詳しくは種々の血清型に関しては、いくらか異なる構造 および特性が特徴づけられている。これらの血清型のうち、本発明の場合には、 ヒトアデノウイルス2型もしくは5型(Ad2もしくはAd5)、または動物由来のア デノウイルス(出願WO94/26914を参照されたい)を使用するのが好ましい。本発 明の場合に使用することができる動物由来のアデノウイルスとしては、イヌ、ウ シ、マウス(例えば、Mavl,Beardら,Virology 75(1990)81)、ヒツジ、ブタ 、トリ、あるいはサル(例えば、SAV)のアデノウイルスが挙げられる。好まし くは、動物由来のアデノウイルスは、イヌアデノウイルスであり、より好ましく は、CAV-2アデノウイルス[例えば、株ManhattanまたはA26/61(ATCC VR-800) ]である。本発明の場合には、ヒトまたはイヌまたは混合起源のアデノウイルス を使用するのが好ましい。 好ましくは、本発明の欠損アデノウイルスは、ITR、パッケ ージングを許容する配列、および本発明の核酸を含む。より好ましくは、本発明 のアデノウイルスのゲノム内では、少なくともE1領域が非機能的である。問題の ウイルス遺伝子は、当業者に公知の任意の方法(特に、問題の遺伝子中の1以上 の塩基の完全な除去、置換、部分的欠失または付加)により非機能的とすること ができる。そのような修飾は、in vitro(単離されたDNA上で)またはin situで 、例えば遺伝子操作技術により、あるいは変異誘発剤での処理により行なうこと ができる。また、他の領域、特に、E3(WO 95/02697)、E2(WO 94/28938)、E4 (WO 94/28152、WO 94/12649、WO 95/02697)およびL5(WO 95/02697)領域を修 飾することも可能である。好ましい実施態様では、本発明のアデノウイルスは、 E1およびE4領域内に欠失を含む。もう1つの好ましい実施態様では、それはE1領 域内に欠失を含み、その領域内にE4領域および本発明の核酸配列が挿入されてい る(FR 94/13355を参照されたい)。本発明のウイルスにおいては、E1領域内の 欠失は、好ましくは、Ad5アデノウイルス配列上のヌクレオチド455〜3329に伸長 している。 本発明の欠損組換えアデノウイルスは、当業者に公知の任意 の方法で製造することができる(Levreroら,Gene 101(1991)195,EP 185,573 ; Graham,EMBO J.3(1984)2917)。特に、それらは、アデノウイルスと、と りわけ本発明の核酸配列を保持するプラスミドとの間の相同組換えにより製造す ることができる。相同組換えは、前記アデノウイルスと前記プラスミドとを適当 な細胞系中にコトランスフェクトした後に生じる。使用する細胞系は、好ましく は、(i)前記要素により形質転換が可能であり、(ii)欠損アデノウイルスの ゲノムの部分を補う能力を有する配列を、組換えの危険性を回避するために好ま しくは組込まれた形態で含有するべきである。細胞系の具体例としては、ヒト胎 児腎系293(そのゲノム内に組込まれたAd5アデノウイルスゲノムの左側部分(12 %)を特に含有するもの)(Grahamら,J.Gen.Virol.36(1977)59)、また はE1およびE4の機能を補う能力を有する系(特に、出願WO 94・26914およびWO 95 /02697に記載されているもの)が挙げられる。 ついで、増殖したアデノウイルスを、分子生物学の標準的な方法(例えば、実 施例に例示しているもの)により回収し精製する。 より詳しくは、本発明のアデノウイルス構築物は、以下のプ ロトコールにより得られる。 特許WO 96/25506(後記プラスミドの詳細な記載に関してこれに言及する)に 記載されている技術により、それらを構築した。そのためには、シャトルプラス ミドpACK3を使用した。それは、ColE1に由来し、i)カナマイシンに対する耐性 を付与する遺伝子、ii)バチルス・サチリス(B.subtilis)sacB遺伝子、iii) PIXタンパク質をコードする遺伝子を含有する配列(Ad4アデノウイルスの3447〜4 415位)からEcoRVおよびSalI制限部位により分離したITR-Psi配列(Ad5アデノウ イルスの1〜386位)を含有する。プラスミドpXL3022およびpXL3037の真核発現 カセットを、シャトルプラスミドpACK3のEcoRV部位とSalI部位との間に挿入して 、それそれプラスミドpXL3050および3051を得た(図4を参照されたい)。アデ ノウイルスプラスミドpXL2822(J.Crouzetら,1997,Proc.Natl.Acad.Sci. 94,印刷中に記載されている)を用いる二重相同組換えにより、それぞれアデノ ウイルスプラスミドpXL3075および3076を作製した。これらのプラスミドをPacI で消化し、ヒト細胞系293中にトランスフェタトして、ウイルスADV3075およびAD V3076を得た。これらのウイルスは、E1およびE3領域内 で欠失しており、それぞれ、野生型酵素および変異体2-865:H12のHSV1-TK遺伝 子を発現するためのカセットを含有する。 アデノ関連性ウイルス(AAV)はそれ自体は、それが感染した細胞のゲノム内 に安定かつ部位特異的に組込まれる比較的小さなサイズのDNAウイルスである。 それは、細胞の増殖、形態または分化に対する効果を誘導することなく広範囲の 細胞に感染する能力を有する。さらに、それは、ヒトの病理に関与していないら しい。AAVゲノムは、既にクローニングされ、配列決定され、特徴づけられてい る。それは、約4,700塩基を含み、該ウイルスの複製起点として機能する約145塩 基の逆方向反復領域(inverted repeat region)(ITR)を各末端に含有する。 該ケノムの残りの部分は、パッケージング機能を保持する2つの必須領域、すな わち、ウイルスの複製および該ウイルス遺伝子の発現に関与するrep遺伝子を含 有する該ゲノムの左側部分と、該ウイルスのカプシドタンパク質をコードするca p遺伝子を含有する該ゲノムの右側部分とに分けられる。 AAVに由来するベクター使用してin vitroおよびin vivoで遺伝子を導入するこ とは、既に文献に記載されている(特に、WO 91/18088、WO 93/09239、米国特許 第4,797,368号、米国特 許第5,139,941号、EP 488,528を参照されたい)。これらの出願には、repおよび /またはcap遺伝子が欠失し関心のある遺伝子で置換されているAAVに由来する種 々の構築物、および関心のある前記遺伝子をin vitro(培養中の細胞へ)または in vivo(直接体内へ)に導入するためのそれらの使用が記載されている。本発 明の欠損組換えAAVは、AAVの2つの逆方向反復領域(ITR)に隣接した関心のあ る本発明の核酸配列を含有するプラスミドと、AAVのパッケージング遺伝子(rep およびcap遺伝子)を保持するプラスミドとを、ヒトヘルパーウイルス(例えば 、アデノウイルス)に感染した細胞系中へコトランスフェクトすることにより製 造することができる。使用することができる細胞系としては、例えば、293系が 挙げられる。ついで、産生された組換えAAVを標準的な方法により精製する。 ヘルペスウイルスおよびレトロウイルスに関しては、組換えベクターの構築が 文献に十分に記載されている。特に、 Breakfieldら,New Biologist3(1991)03; EP 453242,EP 178220,Bernstein ら,Genet.Eng.7(1985)235; McCormick,BioTechnology 3(1985)689などを 参照されたい。特に、レトロウイルスは、分裂細胞に選択的に感染する染色体組 込みウ イルスである。したがって、それは、癌に適用される関心のあるベクターを構成 する。レトロウイルスゲノムは、2個のLTR、パッケージング配列および3個の コード領域(gag、polおよびenv)を常に含む。レトロウイルスに由来する組換 えベクターでは、gag、polおよびenv遺伝子が、一般に、完全にまたは部分的に 欠失しており、関心のある異種核酸配列で置換されている。これらのベクターは 、種々の型のレトロウイルス、例えば特に、MoMuLV(モロニーマウス白血病ウイ ルス;MoMLVとも称される)、MSV(モロニーマウス肉腫ウイルス)、HaSV(ハー ベイ肉腫ウイルス)、SNV(脾臓壊死ウイルス)、RSV(ラウス肉腫ウイルス)ま たはフレンドウイルスから製造することができる。 本発明の核酸配列を含有する本発明の組換えレトロウイルスを構築するために は、LTR、パッケージング配列および前記核酸配列を特に含有するプラスミドを 構築し、ついでそれを使用して、該プラスミドに欠損しているレトロウイルス機 能をトランスで付与しうるいわゆるパッケージング細胞系にトランスフェクトす る。したがって、一般には、該パッケージング系は、gag、polおよびenv遺伝子 を発現する能力を有する。そのようなパッケージング系、特に、PA317系(米国 特許第4,861,719 号)、PsiCRIP系(WO 90/02806)およびGP+envAm-12系(WO 89/07150)が、先行 技術において既に記載されている。さらに、組換えレトロウイルスは、転写活性 を除去するためにLTR内の修飾を含有したり、gag遺伝子の一部を含む伸長したキ ャプシド化配列を含有したりすることが可能である(Benderら,J.Virol.61( 1987)1639)。ついで、産生した組換えレトロウイルスを標準的な方法で精製す る。 本発明を実施するには、欠損組換えアデノウイルスまたはレトロウイルスを使 用するのが特に有利である。これらのベクターは、実際に、腫瘍細胞内に自殺遺 伝子を導入するための特に有利な特性を有する。 5.3 化学的ベクター 開発されている合成ベクターのうち、本発明の場合には、ポリリシン、(LKLK) n、(LKKL)n、ポリエチレンイミンおよびDEAE−デキストラン型のカチオン性ポリ マー、あるいはリポフェクタントまたはカチオン性脂質を使用するのが好ましい 。これらは、DNAを凝縮させ細胞膜との合体を促進する特性を有する。後者の化 合物としては、リポポリアミン(リポフェクトアミン、トランスフェクタムなど )、種々のカチオン性または中性脂質 (DOTMA、DOGS、DOPEなど)の他に、核由来のペプチドも挙げられる。さらに、 受容体介在性の標的化トランスフェクションの構想が開発されており、これは、 カチオニックポリマーによりDNAを凝縮させる一方で、カチオニックポリマーと 、移殖したい細胞型の表面に存在する膜受容体に対するリガンドとを化学結合さ せることにより膜への該複合体の結合を方向づけるという原理を利用するもので ある。例えば、トランスフェリンまたはインスリン受容体への標的化、あるいは 肝細胞のアシアロ糖タンパク質受容体への標的化が記載されている。そのような 化学的ベクターを使用する本発明の組成物の製造は、当業者に公知の任意の技術 により、一般には、種々の成分を単に接触させることにより行なう。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年8月7日(1997.8.7) 【補正内容】 【図2】 【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AU,BA,BB,BG ,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,HU, IL,IS,JP,KP,KR,LC,LK,LR,L T,LV,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL ,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA,US, UZ,VN (72)発明者 クデ,ミツシエル フランス国、エフ―94370・シユシー―ア ン―ブリ、リユ・ドユ・ベール―ガラン、 15 (72)発明者 カメロン,ベアトリス フランス国、エフ―75005・パリ、リユ・ トルヌフオール、6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.チミジンキナーゼをコードする核酸配列であって、野生型配列と比べた場合 に、N末端および/またはC末端領域内の少なくとも1つの変異と共に、ATP結 合部位に相当する領域内の少なくとも1つの変異を有することを特徴とする核酸 配列。 2.野生型チミジンキナーゼをコードする配列に由来する核酸配列であって、該 配列が、ATP結合部位に相当する領域内の少なくとも1つの変異と、N末端およ び/またはC末端領域内の少なくとも1つの変異とを有することを特徴とする核 酸配列。 3.単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼをコードする配列に由来する、 請求項2に記載の核酸配列。 4.該配列が、180位のグアニンのアデニンによる少なくとも1つの置換(G180A )を含む、請求項3に記載の核酸配列。 5.該配列が、180位のグアニンのアデニンによる少なくとも1つの置換(G180A )と、16位のグアニンのアデニンによる少なくとも1つの置換(G16A)とを含む 、請求項3または4に記載の核酸配列。 6.該配列が、180位のグアニンのアデニンによる少なくとも 1つの置換(G180A)と、28位および30位のグアニンのアデニンによる少なくと も1つの二重置換(G28AおよびG30A)とを含む、請求項3または4に記載の核酸 配列。 7.該配列が、そのC末端領域内の少なくとも1つの変異をさらに含む、請求項 4ないし6のいずれか1項に記載の核酸配列。 8.180位のグアニンのアデニンによる少なくとも1つの置換(G180A)、28位お よび30位のグアニンのアデニンによる少なくとも1つの二重置換(G28AおよびG3 0A)、591位および892位のシトシンのチミンによる二重置換(C591TおよびC892T )、ならびに1010位および1011位のグアニンのアデニンによる二重置換(G1010A およびG1011A)を有する、請求項4、6および7のいずれか1項に記載の核酸配 列。 9.チミジンキナーゼ変異体をコードする核酸配列であって、 (a)配列番号3の配列、もしくは(G180A)変異を保持するこの配列の部分、 またはこれらの相補鎖の1つ、 (b)配列番号6および配列番号7の配列、もしくは(G180A)変異と、それぞ れG16A変異および(G28A;G30A)二重変異とを保持するこれら配列の部分、また はこれらの相補鎖の1つ、 (c)配列番号8の配列、もしくは(G180A)変異、(G28A;G30A) 二重変異および(C591T;C892T;G1010A;GI0IIA)四重変異を保持するこの配列の 部分、またはこれらの相補鎖の1つ、 (d)配列(a)、(b)および/または(c)とハイブリダイズし、チミジンキ ナーゼ変異体をコードする、請求項1または2に規定されている配列、 (e)遺伝暗号の縮重により生じる(a)、(b)、(c)および(d)の変異体 から選ばれることを特徴とする核酸配列。 10.野生型チミジンキナーゼの変異体をコードする核酸配列であって、請求項1 ないし9のいずれか1項に記載の配列の部位特異的または他のいずれかの変異誘 発により得ることができることを特徴とする核酸配列。 11.真核生物、細菌、ウイルス、合成または半合成に由来するものである、請求 項1ないし10のいずれか1項に記載の核酸配列。 12.請求項1ないし11のいずれか1項に記載の核酸配列から発現されうる、野生 型チミジンキナーゼの変異体。 13.チミジンキナーゼの変異体であって、そのN末端および/またはC末端領域 内の少なくとも1つの変異と共に、ATP結合 部位に相当する領域内の少なくとも1つの変異を含んでなる変異体。 14.ATP結合部位に相当する領域に含まれる領域がコンセンサスなGXXXXKGK(T/S) で表される、請求項13に記載の変異体。 15.好ましくはモチーフGPHGMGKTである、請求項14に記載の変異体。 16.60位のメチオニンのイソロイシンによる少なくとも1つの置換を含む、請求 項15に記載の変異体。 17.変異体1537:E4であることを特徴とする、野生型チミジンキナーゼの変異体 。 18.N末端領域内の変異が該領域の1ないし20位の間のアミノ酸内に存在する、 請求項13ないし16のいずれか1項に記載の変異体。 19.該変異がN末端領域の1ないし15位の間のアミノ酸内に存在する、請求項18 に記載の変異体。 20.該変異がN末端領域の1ないし10位の間のアミノ酸内に存在する、請求項19 に記載の変異体。 21.該変異がN末端領域の5ないし10位の間のアミノ酸内に存在する、請求項20 に記載の変異体。 22.60位のメチオニンのイソロイシンによる少なくとも1つの置換と、10位のア ラニンのトレオニンによる置換とを含んでなる、単純ヘルペスウイルス1型チミ ジンキナーゼの変異体。 23.60位のメチオニンのイソロイシンによる少なくとも1つの置換と、6位のグ リシンのセリンによる置換とを含んでなる、単純ヘルペスウイルス1型チミジン キナーゼの変異体。 24.変異体2-865:H12であることを特徴とする、野生型チミジンキナーゼの変異 体。 25.変異体2-3361:D3であることを特徴とする、野生型チミジンキナーゼの変異 体。 26.C末端領域内に少なくとも1つの変異をさらに含む、請求項14ないし23のい ずれか1項に記載の変異体。 27.該変異がC末端領域の320ないし350位の間のアミノ酸内に存在する、請求項 26に記載の変異体。 28.該変異がC末端領域の325ないし345位の間のアミノ酸内に存在する、請求項 27に記載の変異体。 29.該変異がC末端領域の330ないし343位の間のアミノ酸内に存在する、請求項 28に記載の変異体。 30.該変異がC末端領域の335ないし340位の間のアミノ酸内 に存在する、請求項29に記載の変異体。 31.60位のメチオニンのイソロイシンによる少なくとも1つの置換、10位のアラ ニンのトレオニンによる置換、および337位のアルギニンのグルタミンによる置 換を含んでなる、単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼの変異体。 32.変異体3-4216:H2であることを特徴とする、野生型チミジンキナーゼの変異 体。 33.野生型チミジンキナーゼの変異体であって、 ガンシクロビルのリン酸化の活性の阻害が、野生型酵素では15μM以上で非常 に顕著であるのに対して、実質的にまたは更には完全に減少しており、 15〜20μM以上のGCVのリン酸化の初速度が、野生型酵素に対して少なくとも2 ないし2.5倍増加しており、そしてチミジンに関するKcat/Km比が、野生型酵素の ものに対して1ないし6倍減少している、 という速度論的特性を示すことを特徴とする変異体。 34.ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体のリン酸化の阻害が、高濃度のガ ンシクロビルまたはヌクレオシド類似体において有意に減少しており、 ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体のリン酸化の速度が、少なくとも3 倍になっており、および/または チミジンに関するKcat/Km比が、野生型酵素のものに対して不変であるか又は 5倍以上減少している、 という速度論的性能特性の少なくとも1つを示す、請求項13ないし25のいずれか 1項に記載のチミジンキナーゼの変異体。 35.ガンシクロビルまたはヌクレオシド類似体のリン酸化の阻害が、高濃度のガ ンシクロビルまたはヌクレオシド類似体において存在せず、 15ないし20μM以上のGCVのリン酸化の初速度が、野生型酵素に対して3.5倍以 上増加しており、 チミジンに関するKcat/Km比が、野生型酵素のものに対して4倍減少している 、 という速度論的性能特性の少なくとも1つを示す、請求項26ないし32のいずれか 1項に記載のチミジンキナーゼの変異体。 36.請求項1ないし11のいずれか1項に記載の核酸、その発現を許容するプロモ ーター、および転写終結シグナルを含んでなる発現カセット。 37.請求項1ないし11のいずれか1項に記載の核酸または請 求項36に記載のカセットを含んでなるベクター。 38.ウイルスベクターである、請求項37に記載のベクター。 39.欠損組換えアデノウイルスである、請求項38に記載のベクター。 40.欠損組換えレトロウイルスである、請求項38に記載のベクター。 41.欠損組換えAAVである、請求項38に記載のベクター。 42.欠損組換えHSVである、請求項38に記載のベクター。 43.化学的または生化学的ベクターである、請求項37に記載のベクター。 44.請求項1ないし11のいずれか1項に記載の核酸、および/または請求項37な いし43のいずれか1項に記載のベクターを含んでなる医薬組成物。 45.請求項12ないし35のいずれか1項に記載の変異体を含んでなる医薬組成物。 46.過増殖性疾患の治療のための、請求項45または46に記載の医薬組成物。
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