JP2000504140A - 分配通路を有する流体冷却式の燃料電池 - Google Patents

分配通路を有する流体冷却式の燃料電池

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、セル面への反応媒体の供給が軸方向の供給通路及び半径方向の分配通路を介して行われる流体冷却式の燃料電池に関する。この場合、分配通路がセル面内に位置しかつセル面の縁部に沿って開放側によってセル面に向かって延びている。本発明によれば、供給通路及び分配通路が燃料電池スタック内に、分配通路がセル面の縁部領域で重ね合わせて及び段付けされて配置され、これにより分配通路に沿ったセル面に対する媒体の流入が点状に行われることがなく、セル面全体に一様に媒体が供給されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】 分配通路を有する流体冷却式の燃料電池 本発明は、軸方向の供給通路及び半径方向の分配通路を介してセル面に反応媒 体を供給する流体冷却式の燃料電池に関する。 未公開のドイツ国P4442285.7(94P3704)号明細書では、軸 方向の供給通路及び半径方向の分配通路を介してセル面に媒体を供給する、燃料 電池から成るバッテリーが記載されている。しかしながらこの構成は専ら直接的 な空冷により冷却される燃料電池のために適している。それというもの、冷媒用 の分配通路並びに供給通路が設けられていないからである。燃料電池から成るバ ッテリーは、バッテリーの面積当たりの出力密度が増大した場合には強く冷却さ れねばならない。多くの場合制限された熱伝達に基づいて完全な空冷では不十分 である。それ故流体冷却が必要であるが、前記形式の燃料電池の場合冷媒、即ち 空気が流体に交換されるに過ぎず、この場合流体はバッテリー全体を取り囲む外 部の容器内に案内される。この場合一方では、流体が直接電解質に接触し(これ は漏れ電流及び腐食を生ぜしめる)かつ他方では容器がスペースを必要とすると いう、問題が生ずる。つまり実地に適した流体冷却はバッテリーの前記構造のた めまだ得られない。 ドイツ国特許第4234093号明細書から、流体により燃料電池のセル面を 腐食を生ぜしめずに冷却することが公知であるが、冷却面及び作動面に沿った一 様な流れを保証する構造は得られない。むしろ従来技術の場合には、点状の流入 によりセル面を介した媒体の対角方向流が生じ、この対角方向流によって、流入 開口並びに流出開口に隣接しないセル面の縁部領域ヘの供給不足が生ずる。これ によって、面の一様な媒体供給に比して燃料電池の出力が減少される。更に、こ の公知例で開示された構成エレメントは高い製作費用を必要とする。それという のも、個々の供給及び分配通路が単数又は複数の接続ラインによって気密に密閉 されねばならないからである。高い製作費用並びにセル面の部分的な供給不足は 、将来のエネルギ変換器の1つとしての燃料電池の注目度に不都合な影響を及ぼ す。 従って本発明の課題は、流体冷却手段を備えた大量生産可能なコンパクトな燃 料電池を提供し、この場合、セル厚さを拡大することなしに、流体冷却手段を簡 単に構成できると共にセル面に沿った一様な流れが得られるようにすることある 。 本発明の一般的な認識は、分配通路をセル面の縁部領域で積重ね及び段付け配 置により次のように取り付けることにある、即ち、 複数の(通常3つ)の媒体によりセル面に沿った一様な流れが行われ、 この場合媒体の流れ速度が減少され、 同時に、従来溶接シームとして形成された複数の接続ラインの節約により製作 費用が減少され、 燃料電池ブロックの個々のセル間の2つの中間エレメントの可能な節減により 並びに流体冷却手段の軸方向のスペース要求の排除により流体冷却式のバッテリ ーにおいてセル厚さが減少(セル面に対し軸方向の燃料電池の所要スペース)さ れるように、取り付けることにある。 本発明は、陰極、電解質及び陽極を有する流体冷却手段を備えた燃料電池にお いて、セル面に媒体を供給する少なくとも1つの分配通路が設けられていて、こ の分配通路は、セル面への媒体供給が分配通路からセル面の縁部に沿って行われ るように、セル面内に設けられている。 本発明の有利な構成は、その他の請求項並びに以下の記載及び図面から明らか である。 本発明による燃料電池及び/又は燃料電池スタックは自己誘導式に作動される 、即ち、陰極に対する供給通路を使用せずに、陽極に燃料を供給する1つだけの 軸方向の供給通路及び冷却面に媒体を供給する別の供給通路を備えている。相応 のことは排出通路にも該当する。 本発明の構成では、分配通路は軸方向の供給通路に対して半径方向(垂直方向 )の位置を占めるが、本発明は通路のこのような幾何学的な配置に限定されるの もではなく、供給通路及び分配通路相互の多数の単純な及び複雑な位置において も実現される。この場合供給通路における分配通路の湾曲した接続個所並びに9 0度とは異なる角度を成した軸方向通路における分配通路の取付けも考慮できる 。 本発明の別の構成では、供給通路及び分配通路は管状に形成されているが、供 給通路及び分配通路は燃料電池に媒体を搬送するのに適するあらゆる別の形状を とることもできる。従って、燃料電池の構造は、通路が完全に又は部分的に角張 っていることを必要とする。特に通路の内面に、通路内への又は通路からの媒体 の流れに種々の影響を及ぼす種々の表面構造を備えることもできる。この場合通 路内面の表面構造は通路を形成する構成部材の材料から成形できる。内面を一部 分又は多部分で成形でき(例えば媒体の流れ挙動に影響を及ぼす被覆又は隆起部 )、この場合材料は任意に選択可能である。 特にスペースを節減した構成では有利には、セル面の領域で、例えば中央で供 給通路を設ける構成も可能である。 基本的に燃料電池は任意の形状を有することができる。しかしながら特に有利 な構成は、平面的な斜方形 の燃料電池及び特に方形に形成された燃料電池である。このような燃料電池のセ ル面には従来必ず供給不足の領域が存在した。それというのも、媒体はセル内部 で2つの流れ方向にのみ案内されるから、即ち、セル面に対して軸方向にかつ次 いで対角方向に点状の流入及び流出開口によりセル面を介して案内されるからで ある。セル面を介した対角方向流の場合にはこれまで常にセル面を介した別の対 角軸線に沿った供給不足の領域を甘受しなければならなかった。 本発明によれば平面的な斜方形の燃料電池において有利には、分配通路の長さ がそれぞれの縁部側長さの少なくとも50パーセントをとるように、分配通路は 縁部側に沿って設けられている。この場合特に有利には、分配通路の長さは縁部 側長さの80パーセント乃至100パーセントである。この場合、供給側の分配 通路(供給通路の流入開口に連結されている)並びに排出側の分配通路(供給通 路の流出開口に連結されている)に接続されているセル面の領域が大きくなる。 流体冷却とは、従来のようにこの概念に属する冷却以外に、いわゆるヒートパ イプ・冷却も属する。 特に有利な構成では、燃料電池のセル厚さは付加的な流体冷却手段にもかかわ らずコンスタントに維持される。これは本発明によれば、冷媒がこのために提供 された外部のスペース内で案内されるのではなく、簡単にスタックの個々の燃料 電池の間で案内されること によって、達成される。この構成は図面で詳述されている。 分配通路は互いに段付けして及び/又は重ね合わせて配置できる。この場合分 配通路が重ね合わせてのみ配置される構成は、単純な縁部構造を有するが、セル 厚さが増大することが欠点である。スペースを節減した構成は分配通路の段付け 配置と重ね合わせ配置とを組み合わせることにある。 本発明によれば燃料電池は、低温燃料電池並びに中温・高温燃料電池と呼ばれ る。例えば、陽子伝導性のポリマー電解質ダイヤフラム・電池(PEMFC)、 燐酸電池(PAFC)及びアルカリ燃料電池(AFC)とも呼ばれる。アルカリ 燃料電池の場合冷媒は電解質に一致する。 縁部とは、作動面の外側の制限ラインのことである。 縁部側とは、セル面がコーナを有する特殊ケースにおけるセル縁部のことであ り、この場合コーナという概念は鋭角コーナに限定されるものではなく、丸めコ ーナをも含む。 作動面又は作動セル面とは、燃料電池又は燃料電池から構成されたバッテリに おいて、電解質を介してイオンが移動する面全てを意味する。 セル面とは、セルに対する平面図で見た燃料電池スタック又は燃料電池の全て の面を意味する。従ってセ ル面はその機能に応じて種々異なる材料から形成される。作動面に亘って流れピ ックオフが行われるセル面用の材料として及び反応室を制限するために(即ち、 いわゆるセパレータのために)用いられる材料として、例えばグラファイト、チ タン及び/又は金属合金が挙げられる。流れピックオフを均一化するために、セ パレータの材料に類似した材料から成るペーパ、ネット又は織物が使用される。 フレーム領域は例えばプラスチックから形成される。 作動面は任意の形状を有することができ、この場合燃料電池の形状は場合によ ってはフレームの外部形状をとる必要がある。作動面及びセル面に対するセル内 部での媒体の分配は、セパレータ内に圧刻された通路、例えば溝によって行われ 、しかも全く同様に例えば挿入された障害物、突起、ネット及びシーブのような 別の手段によっても行うことができる。それぞれの障害物の材料はそれぞれ要求 された機能に適合される。セパレータ内に圧刻された通路は、自体矢張り直線的 、曲線的又は湾曲して延びる溝等であって良い。 セル面の縁部領域は、作動面自体と同じ材料であって良いが、統一的ではない 種々の材料から形成することもできる。作動面は平面的で分配通路のみを備える ことができるか又は自体複雑な表面構造又は形状を有することもできる。燃料電 池スタックの内部ではセルひいてはセル面全てを同じに構成する必要はなく、む しろ各セルを実地に適合するように個々に形成することができる。媒体は、互い に任意の形式で、例えば対向流、平行流又は交差流で案内できる。 媒体としては本発明ではまず、燃料電池内でオキシダンス(Oxidans)として 作用する全てのガス又は流体が使用される。例えば空気、酸素及びこれら成分の 任意の混合物が使用される。更に媒体として、例えば水素、メタノール、合成ガ ス及び/又は改質ガス又は天然ガスのようなあらゆる種類の燃料が使用される。 更にそれぞれ使用される冷媒の媒体として例えば水及び空気が使用され、この場 合冷媒とはPAFC及びAFCの場合電解質をも意味する。 燃料電池の作動は、既に述べたように、自己誘導式に圧入される空気流によっ て強制貫流されしかも圧力負荷されて実施される。更に、本発明による構成を利 用して燃料電池又はバッテリのあらゆる別の作動も可能である。 これに関連して共同発明者Dr.Noelscher「“Klimavertraegliche Energienutz ung und Energiememorandum 1995 der DPG zum Klimagipfe” Tagungsband desA KE auf der Fruehjahrstagung der DPG, (3/95)」公開文献参照されたい。この 公開文献には内容的に完全に関連しかつこの公開文献の公開内容には本発明の対 象が記載されている。 接続ラインとは、全ての溶接、接着、ろう接シーム 及びその他のシームを意味し、これにより燃料電池スタック内部及び/又は燃料 電池内部で種々のスペースが互いに密閉される。 接触ラインとは、上下に位置するセル面が接触する例えば波形薄板状のセル面 のラインを意味する。接触ラインは一方ではセル面における溝等を制限するが、 通常セル面を密閉しない。 供給通路とは本発明では、セル面に又はセル面から媒体を供給又は排出する各 通路を意味する。分配通路とは、セル面における変換のために未使用の媒体を流 す通路ひいては変換後媒体を集める通路を意味する。 つまり以後供給及び排出通路の間にも分配通路及び集合通路の間にも相違はな い。 要求に応じて燃料電池は縁部領域において種々のシール構造を有する。つまり 、本発明の範囲においてフィルタプレス技術による縁部シールを使用でき、並び に、フレームエレメントを有するシールも使用できる。フレームエレメントを使 用する場合個々の燃料電池、例えばバッテリに対する付加的なシールを有するス ペーサを設けることができる。 この場合多種のシールにおいて、外部のシールフレーム内に軸方向の媒体ガイ ドを設けることができる。軸方向の媒体ガイドは、少なくとも1つの流入又は流 出開口を介してセル面に媒体を供給するために使用される供給通路によって設け ることができる。1つの固 有の供給通路を介してそれぞれの媒体は変換前にセル面に向けて搬送されかつ変 換後にセル面から離反搬送される。本発明によれば供給通路の少なくとも1つの 流入又は流出開口はセル面の高さで分配通路に連通していて、この分配通路自体 はその開放側に沿って種々の開口を有していて、この開口はセル面に面して、大 きな開放側として又は多数の個々の開口として形成できる。分配通路の開放され た長さとは、セル面に向けて開放された分配通路の開放側の長さを意味する。 通常、媒体が両通路内で及びセル面において占める3つの流れ方向は、それぞ れほぼ直交しているので、本発明の燃料電池の特殊ケースにおいて媒体の3つの 流れ方向(まず供給通路内、次いで分配通路内及び次いでセル面において)は三 次元的な空間をカバーする。 多数の分配通路は燃料電池内に段付けされて及び/又は重ね合わされて配置さ れている。燃料電池自体は、燃料電池が設けられる目的に応じて、それぞれ任意 の複雑な形状をとることができ、有利には燃料電池は平面的な斜方形又は方形の 形状をとることができる。本発明の燃料電池のこのような可能性において、少な くとも1つのセル面は縁部側を有する。この縁部側は既に述べたように、表面構 造及び材料の点でセル面自体とは異なることのできるセル面の縁部領域に形成さ れる。この場合重ね合わせとは、分配通路が連続的に 、つまりセル面に対して軸方向に配置されることを意味するのに対して、段付け とは、セル面の高さで平行に分配通路をずらして配置することを意味する。分配 通路の重ね合わせ及び段付け配置の本発明によるシステムによって流体冷却手段 を有する燃料電池の場合に完仝な段付け配置に比してセル厚さを減少できる。セ ル厚さの減少は特に燃料電池を自動車で使用する場合に特に有利である。 本発明の有利な構成は従属請求項に記載されている。 次に図示の実施例に基づき本発明を説明する。 この場合第1図は、従来技術(ドイツ国特許公開第4234093号明細書) に相応する燃料電池ブロックのセル面の平面図、第2図は、同じ従来技術に相応 する燃料電池ブロックのセル面の部分的な軸方向の断面図、第3図は、本発明に よる燃料電池の平面図、第4図は、本発明による燃料電池ブロックの第3図I− I線に沿った部分断面図であり、この場合I−I線はセパレータ21の接触ライ ンに沿って延びている、第5図は、電極17/19を備えたセパレータ21の接 触ラインに沿って延びる第3図II−II線に沿った別の部分断面図であり、第 5図は、第3図III−III線に沿った別の部分断面図であり、第7図は、本 発明による燃料電池ブロックの第3図IV−IV線に沿った別の部分断面図であ る。 第1図では横断面図で、従来技術による燃料電池バッテリーを図示しかつ縁部 領域11で陰影線を付したライン10によって取り囲まれたセル面を図示してい る。変換を行う作動面12は、中央に位置しかつ全側面を縁部領域11によって 取り囲まれている。縁部領域11内には、一点鎖線で図示の接続ライン13が設 けられている。従来技術によれば、縁部領域全体を循環する接続ライン13に付 加的に、それぞれ2つの別の接続ライン13aが必要であり、この接続ラインは 、供給通路が設けられる互いに向かい合って位置する両縁部側に沿って延びてい る。供給通路を互いに気密に分離するために、接続ライン13aに付加的に、セ ル面の両縁部側にそれぞれ更に別の接続ライン13bが必要である。 第1図によれば冷媒、例えば水は供給通路14と両分配通路14aとを介して 、冷却せねばならない陰極と陽極室との間の両面に流れる。流入は2つの分配通 路14aを介して行われ、この分配通路の点状の流入開口からは冷媒を全面に分 配することができるが、主として対角方向で分配通路l4a’に向けて流れる。 分配通路14a’及び供給通路14’を介して使用済みの(加熱された)冷媒は セル面から離反搬送される。セル面に沿った冷媒のこのような対角方向流に基づ き供給通路15,15’に隣接する領域の供給不足が生ずるということから出発 する。燃料電池のセル面の この領域的な供給不足は、セル面内部で出力の均質性を損なう温度勾配を生ぜし めるのみならず、燃料電池の最大出力をも低下させる。それというのも、燃料電 池の運転最大温度は最良に冷却されない領域に応じて調整されるからである。 セル面に対する逆向きの対角方向の分配は、供給通路15を介して作動面に達 する媒体によって行われる。この場合、例えば燃料又はオキシダンスのような反 応媒体が使用される。いずれの場合でも矢張り共に関与しないセル面の対角方向 のコーナ領域の供給不足が生じ、これによって利用されない作動面に基づき装置 の出力減少が生ぜしめられる。燃料電池の効率にとってセル面領域に対する供給 不足が欠点であるということの詳細な説明は割愛する。 第2図では、第1図軸線V−Vに沿った横断面図を図示している。右側全体で は、シール領域24を備えた燃料電池ブロックの最外部の縁部が図示されている 。それぞれ個々の燃料電池のシール領域24は、接続ライン13に互いに気密に 連結されている。接続ラインの左横には軸方向の供給通路15の横断面が図示さ れていて、この供給通路内には下から上に燃料16が流れる。第2図では3つの 燃料電池が図示されていて、この燃料電池は、陽極17と電解質18と陰極19 との反復するユニットにおいて図示されている。それぞれの燃料電池に続いて上 下に伝導性及び熱伝導性の セパレータ21と、それぞれ陰極室又は陽極室を制限する隣接する電極とが設け られている。スタック内の各燃料電池の密閉するセパレータ21は、これに続く スタック内の燃料電池の密閉するセパレータ21に、セパレータに沿って冷媒が 流れることができるように、接続されている。第2図では媒体16は軸方向の供 給通路15を介して半径方向の分配通路15a内に流入する。分配通路から媒体 は孔22を介して点状に陽極室内に流入しかつ直接陽極に流れる。この場合陽極 室はセパレータ21とエレメント20を備えた陽極20とによって規定される。 燃料電池ブロックの2つの燃料電池の互いに相前後して位置する2つのセパレー タ21の間に設けられている室23に対して、媒体の供給経路は接続ライン13 aによって気密に密閉されている。燃料電池ブロックの陽極及びセパレータ21 に沿って作動面を介して流れた後で媒体は同じ形式で逆向きに排出される。 第3図では本発明による燃料電池のセル面50の平面図を図示している。この 場合矢張り、変換を行う作動面52と縁部領域51とが図示されている。縁部領 域には、図示の従来例(第1図)の接続ライン13に相応する接続ライン53が 設けられている。この場合本発明では接続ライン13a,13bに相当する接続 ラインは放棄される。コーナにおいては軸方向の供給通路54,55,56が図 示されている。軸方向の通 路に沿って媒体はセル面に向けて搬送されかつセル面から離反搬送される。分配 通路54a,55a,56aは段付けされて重ねて配置されていて、この場合分 配通路54aは段付けされて、つまり平面図で見て分配通路55aの上側で図示 されていて、かつ、鎖線で図示の分配通路56aは、分配通路55aに対して重 ねられていてひいては図面では分配通路55aの下側に位置している。分配通路 54aは分配通路55aから接続ライン53によって分離されている。縁部側長 さ全体に亘って延びる分配通路に基づき全作動面52に沿って一様に媒体が流れ る。この場合従来技術の点状の流入は縁部側に沿った有利な流入部のために交替 される。それ故対角方向流れの場合のような供給不足の領域は最早生じず、作動 面に対する媒体の流入速度は減少される。 第4図では、本発明による燃料電池から構成された燃料電池スタックの部分断 面図を図示している。部分断面図は、2つの相前後して位置する燃料電池のセパ レータ21の接触ラインに沿って作動面を介して延びる第3図I−I線に沿った 断面図である。第4図は、溝を備えた作動面52の構成のために第3図の断面図 を図示している。この場合接触ラインは、溝を備えたセル面の構成において、一 方のセパレータの最大の隆起部が後続のセパレータの最大の凹部と重なり合って いる。接続ライン(接着又は溶接シーム)の右側では 、陽極室と陰極室とを分離するために、セパレータは外向きに案内されている。 右外側では矢張り、互いに重ね合わされて直列接続された2つの燃料電池間の スペースを密閉する接続ライン53及びシール24を備えた燃料電池スタックの 縁部領域を図示している。上下にはそれぞれ燃料電池のトリプルユニット、即ち 、陽極17、電解質18及び陰極19が図示されている。第4図で図示のように エレメント20を省くことができる(しかしまた例えば接触接続を改善するため に維持することもできる)。セパレータ21は、従来技術のように電極に対して 所定の間隔をおいて設けられるのではなく、電極に直接隣接して設けられ、これ によって電極は、セパレータ自体と共に陽極又は陰極室を規定する。スタックと して重ね合わされた2つの燃料電池の間ではセパレータ21は接触ラインに沿っ て、セパレータが冷媒を受容するための中空室、特に通路又は溝23を規定する ように、接触していて、この場合中空室は冷媒分配通路54aをも一緒に取り囲 みかつ接続ライン53aによって密閉されている。平行流での燃料電池の図示の 運転形式の場合には、3つの媒体、つまりオキシダンスO2、燃料H2及び冷媒H2 Oが同じ方向で右から左に流れる。段付け配置に基づきオキシダンス及び燃料 分配通路55a,56aは冷媒分配通路54aの右側に位置する。冷媒が占める スペースと陽極又は陰極室 との間で冷媒が熱交換を実施する面は、図示の場合のように直線的に形成でき、 しかもまたそれぞれ別の任意の表面構造、特に自体直線的に又は湾曲して形成で きる溝構造又は突起構造を備えた表面構造でも形成できる。突起は場合によって は電導性の材料(発生する電流を導出するために)から形成されかつ中空又は内 実であって良い。この場合反応媒体O2及び燃料H2は突起を巡って流れる。しか し平均的な流れ方向は通常供給通路に対して横方向又はほぼ垂直方向である。セ パレータ21の薄板又はプレートの成形は縁部領域51において並びに作動面5 2を介して、3つの全ての媒体の流れを最良化するために役立つ。付加的に(金 属、プラスチック又は別の材料製の)別の構成部材を使用することができる。 第5図では、第3図II−II線(セパレータ21と陽極17及び上側で陰極 19との接触ラインに沿って延びる)に沿った本発明による燃料電池スタックの 部分断面図を図示している。右側全体では矢張り燃料電池スタックのシール24 並びにトリプルユニット、つまり陽極17、電解質18及び陰極18が図示され ている。セパレータ21は接続ライン53に接続されていてかつスペース23を 規定し、このスペース23内では冷媒が面に向かって流れる。分配通路55a, 56aはそれぞれ、一方の側でセパレータ21によってかつ他方の側で電極17 ,19によって制限されて いる。セパレータ21は電極が接触接続される領域を有している。分配通路54 aはスペース23と同様にセパレータ21の2つの側で制限されている。 第6図では第3図III−IIIに沿った部分断面図を図示している。右側全 体では矢張り、隣接する分配室内で反応媒体室を分離するのに不可欠であるセパ レータ21及びシール24を図示している。第1列のシールに続いて左側に、オ キシダンスが軸方向で下から上に流れる供給通路55が設けられている。軸方向 の供給通路55の左側にはシール24並びに接続ライン53を備えたセパレータ 21が図示されていて、この接続ラインは、切断線III−IIIのところで始 まる段付け配置された分配通路55a,54aを互いに分離する。これの右側に は、接続ライン53及びシール24によって周辺から密閉される軸方向の供給通 路54が設けられている。第2の接続ライン53は、燃料電池全体の外側の制限 ラインであり(第3図参照)かついずれにせよ第1図接続ライン13bに相当す る付加的な接続ラインではない。 第7図では第3図IV−IV線に沿った部分断面図を図示している。矢張り右 から左にまずシール24及びセパレータを備えた縁部シールが図示されている。 縁部シールの左側には流出開口55bを備えた軸方向の供給通路55が設けられ ていて、流出開口は部分断面図で長さ全体に亘って図示されている半径方向の分 配通路55aに連通している。分配通路55aは一方では陰極19によってかつ 他方ではセパレータ21によって制限されている。陰極19に続いて矢張り電解 質及び自体分配通路56aの縁部を規定する陽極17が設けられている。分配通 路56aは更に左側で流入開口56bを介して軸方向の供給通路56に接続され ている。供給通路56は矢張り左側でシール24に接続されている。従来技術と は異なって本発明では、媒体の流入及び流出開口は媒体を変換すべきセル面に直 接、つまり図示の実施例において流入開口55bは陰極19と同じ高さに設けら れているので、媒体は点状に流入せずまた直接電極にも衝突しない。更に本発明 では流入速度が減少される。つまり本発明では、従来技術の接続ライン13a, 13b及びエレメント20が省かれるばかりでなく、媒体の流れ経過も均一化さ れる。 本発明による燃料電池は、個々に並びにスタックとして直列接続して、バッテ リーとして作動させることができる。このような燃料電池又はバッテリーの使用 は、自動車駆動装置から完全な家屋設備及び居住設備のエネルギ供給手段にまで 及ぶ。本発明による燃料電池は、図示の実施例に限定されるもでではなく、本発 明の原理によって実現される全ての別の構成をも含む。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年1月22日(1998.1.22) 【補正内容】 請求の範囲 1.陰極、電解質及び陽極を有する流体冷却手段を備えた燃料電池において、 セル面に冷媒を供給する少なくとも1つの分配通路が設けられていて、この分配 通路は、セル面への媒体供給が少なくとも50パーセントの分配通路の開放長さ を介して縁部に沿って行われるように、セル面内に設けられており、冷媒分配手 段を備えた燃料電池のセル厚さが、冷却を行わない類似構造の燃料電池のセル厚 さよりも増大しないように構成されていることを特徴とする、流体冷却手段を備 えた燃料電池。 2.少なくとも2つの分配通路が、段付けされて配置されている、請求項1記 載の燃料電池。 3.冷媒用の分配通路が、垂直方向でオキシダンス及び燃料用の分配通路の間 に設けられており、分配通路が、水平方向で他方の分配通路の少なくとも1つに 対して段付けされて配置さていてかつ全ての分配通路が互いに平行に延びている 、請求項1又は2記載の燃料電池。 4.オキシダンス流入が、垂直方向の供給通路を用いずに、つまり自己誘導式 に又は場合によっては圧力負荷された外部からの流入によって行われるようにな っている、請求項1から3までのいずれか1項記載の燃料電池。 5.燃料電池内部又は形成された燃料電池スタック内部でスペースを互いに密 閉する接続ラインが接着ラインとして形成されている、請求項1から4までのい ずれか1項記載の燃料電池。 6.少なくとも1つの供給通路が、作動面の領域に設けられている、請求項1 から5までのいずれか1項記載の燃料電池。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.陰極、電解質及び陽極を有する流体冷却手段を備えた燃料電池において、 セル面に媒体を供給する少なくとも1つの分配通路が設けられていて、該分配通 路は、セル面への媒体供給が分配通路からセル面の縁部に沿って行われるように 、セル面内に設けられていることを特徴とする、流体冷却手段を備えた燃料電池 。 2.少なくとも1つの分配通路に、セル面に対して軸方向に位置する少なくと も1つの供給通路を介して媒体が供給される、請求項1記載の燃料電池。 3.少なくとも1つの分配通路が、少なくとも1つの軸方向の供給通路に対し て半径方向に位置している、請求項1又は2記載の燃料電池。 4.少なくとも1つの分配通路が、作動面の領域に設けられている、請求項1 から3までのいずれか1項記載の燃料電池。 5.セル面が角張って形成されていてかつ個々の縁部側を有しており、少なく とも1つの分配通路が、縁部側に沿って延びている、請求項1から4までのいず れか1項記載の燃料電池。 6.分配通路の開放長さが、セル面の縁部側長さの少なくとも50パーセント である、請求項5記載の燃料電池。 7.分配通路の開放長さが、縁部側長さの80パーセント乃至100パーセン トより小さい/100パーセントに等しい、請求項6記載の燃料電池。 8.分配通路の取付けにより、分配通路なしの同じ構造の燃料電池のセル厚さ に比して、燃料電池のセル厚さが増大しないように、単数又は複数の分配通路が 配置されている、請求項5又は6記載の燃料電池。 9.少なくとも2つの分配通路が、段付けされて及び/又は重ね合わせて配置 されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の燃料電池。 10.冷媒用の分配通路が、軸方向でオキシダンス及び燃料用の分配通路の間に 設けられていてかつ半径方向で別の分配通路の少なくとも1つに対して段付けさ れて配置さている、請求項1から9までのいずれか1項記載の燃料電池。 11.オキシダンス流入が、軸方向の供給通路を用いずに、つまり自己誘導式に 又は場合によっては圧力負荷された外部からの流入によって行われる、請求項1 から10までのいずれか1項記載の燃料電池。 12.分配通路内への供給通路の流入開口が、軸方向の供給通路においてそれぞ れ媒体を供給されるセル面の高さに位置している、請求項3から11までのいず れか1項記載の燃料電池。 13.接続ラインが接着ラインである、請求項1から12までのいずれか1項記 載の燃料電池。
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