JP2000504002A - 薬剤の経皮デリバリーのための組成物 - Google Patents

薬剤の経皮デリバリーのための組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は薬剤と担体にグラフトされたイオン交換基との組合せ、及び当該イオン交換体からの薬剤の放出を制御することのできる薬理学的に許容される塩を含んで成る薬剤の制御式経皮デリバリーのための薬理組成物に関する。本発明に従うと、この担体は紡織繊維である。好適な態様に従うと、薬剤はタクリン又はその薬理学的に許容される塩である。

Description

【発明の詳細な説明】 薬剤の経皮デリバリーのための組成物 本発明は経皮投与における薬剤の制御式放出のための新規の組成物に関する。 発明の背景 本発明の背景を説明するため、そして特に実施態様に関する追加の詳細を提供 するために本明細書において利用する公開物及びその他の資料は引用することで 本明細書に組入れる。 経皮デリバリーは数多くの薬剤についての薬剤投与の有用な代替ルートである 。毎日の用量が20〜30mg又はそれ未満である薬剤が経皮薬剤デリバリーのための 潜在的な候補である(Guy and Hadgraft1987,Guy and Hadgraft 1989)。 治療活性剤の経皮投与は通常、薬剤の輸送速度を制御できる経皮デリバリー製 剤の中に薬剤を組込むことにより成し遂げられる。一の変法に従うと、経皮製剤 は裏地層、接着剤、及び薬剤を中に分散せしめる好ましくはポリマー材料より成 るマトリックス層を含んで成る。この製剤から放出される薬剤の速度はここでは ポリマーマトリックスにより制御されている。別の種類の経皮製剤はリザーバー システムであり、それはa)薬剤不透過体裏地層、b)接着層、c)間に薬剤リ ザーバー区画を規定するように前記裏地層の片面にシールされた薬剤透過性膜、 及びd)前記薬剤リザーバー内の薬剤又はその組成物を含んで成る。この場合、 リザーバー中の薬剤は通常液状又はゲル状である。薬剤透過性膜は皮膚へと輸送 される薬剤の速度を制御する。 米国特許第 4,692,462号には投与すべき薬剤の装填されたイオン交換樹脂を基 礎とする制御式経皮デリバリーについての組成物及び方法が記載されている。こ の薬剤装填イオン交換樹脂は、このイオン交換樹脂から薬剤を放出させることの できる塩と共に、ゲル形成用マトリックスビヒクルと混合され、そしてキャビテ ィー、接着層及び裏地層を有する製剤の中に組込まれている。 発明の概要 本発明の目的は制御式薬剤放出と単純な製剤構造との特徴を組合せた経皮デリ バリー組成物の提供にある。 従って、本発明は薬剤の制御式経皮デリバリーのための薬理組成物であって、 薬剤と担体にグラフトされたイオン交換基との組合せ、及びこのイオン交換体か らの薬剤の放出を制御できる薬理学的に許容される塩を含んで成る組成物を考慮 する。 図面の簡単な説明 図1は薬剤デリバリー速度の試験において用いた装置を示す。 図2はPBS 溶液中の陰イオン交換繊維からのサリチル酸ナトリウムの経時的な in vitro放出を示す(143μm,μ=0.15;平均±SE,N=7)。 図3はリン酸緩衝液中の陰イオン交換繊維からのサリチル酸ナトリウムの経時 的なin vitro放出を示す(6mM,μ=0.2;平均±SE,N=8)。 図4は皮膚を介するリン酸緩衝液(pH7.4)中の陰イオン交換繊維からのサリチ ル酸ナトリウムの経時的なin vitro放出を示す(6mM,μ=0.2;平均+SE,N =8)。 図5はpH7.4での陽イオン交換繊維からのタクリンのin vitro放 出を示す。 図6はin vitroでの5%溶液からのヒト皮膚を横断するタクリン透過を示す。 平均±SD,N=5。 図7はin vitroでの陽イオン交換繊維からのヒト皮膚を横断するタクリン透過 を示す。 発明の詳細な説明 本発明において利用するのに適当な繊維は天然又は合成起源の任意の薬理学的 に許容される紡織繊維とする。かかる繊維の例はウール、綿、亜麻繊維及びセル ロース又はその誘導体の繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、 ポリアミド繊維及び炭素繊維である。 かかる繊維に正の官能基、例えば−N+(CH3)3(トリエチルアンモニウム)、 −NH+(CH32(ジエチルアンモニウム)等、をグラフトすると、負の基(陰イ オン)をつかまえてそれを放出させる能力を有する繊維、即ち、陰イオン交換体 となる。もし繊維に負の官能基、例えば−COOH(カルボン酸)又は−SO3−(ス ルホン酸)をグラフトすると、陽イオン交換体が得られる。 官能基の選定は投与する薬剤の特性、所望の装填量及び所望の投与速度に依存 する。繊維にグラフトする官能基の量は繊維の装填能に影響を及ぼす。 適当なイオン交換基のグラフトされた繊維の利用は、反応速度論的特性に関し 、イオン交換樹脂の利用よりも著しい利点を供する。活性物質の装填及びデリバ リーは樹脂由来のものよりもはるかに速く、なぜなら官能イオン交換基との間で の反応はこの官能基が樹脂ではなく繊維に付加されているとき、はるかに優れて いるからである。樹脂の欠点は 1)繊維の横断面と比較したときの樹脂の寸法 の大きさ及び2)樹脂内のポリマーの架橋が官能基の運動性を制約することによ る。 陰イオン交換体により投与される適切な薬剤は−COOH基を有する典型的な酸、 例えばアセチルサリテル酸、インドメタシン、フロセミド、アセトアミノフェン 、プロスタグランジン等である。陽イオン交換体により投与されうる薬剤は塩基 性化合物、例えばクロニジン、ドーパミン、クロルプロマジン、ベンゾジアゼピ ン、ベーターブロッカー、例えばプロプラノロール等、セレギリン及びニコチン である。 イオン交換体からの薬剤の放出のために適当な塩の例は塩化ナトリウム、リン 酸ナトリウム(モノー又はジ塩)、硫酸亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カルシウ ム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、酢酸マグネシウム及びクエン酸ナトリウム である。 特に好適な化合物はアンチコリンステラーゼインヒビターのタクリン(9−ア ミノ−1,2,3,4−テトラヒドロアクリジン)及びその薬理学的に許容され る塩(特に塩酸塩又は塩酸塩−水和物)であり、それは軽度から中程度の症状の アルツハイマー病を処置するために利用されている(Sathyan ら、1995)。タク リンの分子量は198.27であり、そしてタクリンの分配係数(LogK)は3.30である 。タクリン(−HCl)は水溶性であり、そして生理学的pHにおいては正荷電を担持 するものと推定される。 タクリンは著しく一次代謝され、そして全身循環系から素早く浄化される。タ クリンの最も重要な薬動力学的パラメーターは短い消失半減期T1/2 = 1.4〜3 h,浄化CL=150 l/h、及び低い経口生物有用体(5〜35%)である。これら のパラメーターに基づき、タクリンの経皮デリバリーは現実的な目標となる。経 口薬剤投与後、臨床タクリン濃度は約5〜30ng/mlであり、それを超えると不要 な副作用が起き易くなる(Wagstaff and McTavish,1994)。タクリンの経皮デリ バリーにより、1.GI管及び肝臓の中での一次代謝を最小限にする;2.かなり 一定の血液レベルを長期間供する;並びに3.経口タクリン投与に係る胃腸内副 作用及び肝毒性の発症を軽減する;ことができうる。 塩は好ましくはゲルで覆い、それを更に薬剤の装填された繊維と接触させる。 薬剤装填した繊維はゲルの中に包埋することができる。しかしながら、好適な態 様に従うと、ゲルを薬剤装填した繊維シートの片面のみに付加する。繊維シート の反対面は患者の皮膚に載せる。ゲル層は好ましくはゲル及びその中の試薬に対 して不透過性である裏地層で保護する。 適当なゲル形成用物質は例えばゼラチン、寒天、アガロース、ポリビニルアル コール、ヒドロキシプロピルセルロース等である。 本発明に係る経皮組成物は既知のリザーバー製剤に勝るいくつかの有利な特徴 を示す。繊維帯具は構築し易く、且つ患者にとって装着するのに便利である。 必要なら、大きな患者皮膚領域を繊維シートによる薬剤デリバリーにさらしてよ い。この組成物は、例えば壊死的な身体部へのプロスタグランジンの迅速投与を 可能にするであろう。 以下の実験は本発明を実証する。 実 験例 1 1.序論 薬剤の物理化学特性、例えば分子量及び油/水分配係数特性は経皮投与のため の薬剤の可能性に影響を及ぼす。一般に、親油性が小さく且つ無荷電の分子は極 性が大きく且つ帯電したものよりも皮膚 に浸透し易い。生理学的なpHでは、ヒトの皮膚は正味負の電荷を担持する(Hirvo nen 1994)。負の電荷は皮膚表面上のタンパク質におけるアミン成分よりも多い カルボン酸基の数に由来するか、又は皮膚表面上のイオンの特異的な収着に由来 する。即ち、皮膚はイオン交換膜の如く作用し、そしてその結果陽イオンは陰イ オンよりも皮膚に浸透し易い。 本研究の担いはin vitro試験によるイオン性化合物の経皮薬剤デリバリーのた めの陰性交換繊維(AIEF)の適正の評価にある。サリチル酸ナトリウム(mw160. 1g/mol,pKa 3.0及び13.4)(Gynther 1993)を試験におけるモデル薬剤として 用いた。 2.方法 2.1 サリチル酸ナトリウムを含む繊維ディスクの調製 下記の実験において、第三アミン基(−N+(CH3)3)が多糖分子にグラフトさ れている綿繊維(RAIEX AK II)を含んで成る紡織布を使用した。この布の表面重 量は 200g/m2である。繊維の厚みは30〜40μm、強さは10〜20kgs/mm2、破 断伸び率は15〜40%、そしてイオン交換能は3.3mekv/gであった。 放出研究のため、円形ディスク(直径25mm)を上記の陰イオン交換繊維布から 切り取った。この繊維ディスクを添加ろう斗の中で5%のNaHCO3溶液により全て の塩化物が交換されるまで洗浄した(HNO3溶液中での硝酸銀により試験)。その後 、ディスクを5%のサリチル酸ナトリウム溶液で処理した。サリチル酸塩を含む ディスクを37℃で乾燥させた。 2.2 in vitroでの薬剤放出 繊維ディスクからの37℃でのin vitroでの薬剤放出をFranz 拡散セル(Crow G lass Co.Inc.,Somerville,NJ)(図1)で試験した。この図面において、符 号11はドナー区画、14はリザーバー区画、 15はサーモスタット、16は撹拌棒、そして12はサンプルチューブを示す。繊維デ ィスク10を拡散セルの中に入れ、陰イオン交換繊維の片面が溶解触媒体にさらさ れるようにした。この溶解媒体は実験1ではpH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS,14 3mM,μ=0.15(μ=イオン強度))、そして実験2及び3ではpH7.4 のリン酸 緩衝液(6mM,μ=0.2)とした。薬剤放出に対する皮膚の作用を評価するため( 実験3)、一片の上皮13と繊維ディスクと緩衝溶液との間に入れた。一定時間に おいて、250μlのサンプルを抜き取り、そしてサンプル中の薬剤濃度を Supelc osil LC−18−DBカラム(5μm, 150×4.6mm)(Supelco Inc.,Rohm and Haa b Co.,Bellefonte,PA)によるHPLC(Beckman System Gold,Beckman Instrumen t,San Ramon,CA)を利用することにより決定した。移動相はメタノール(40% v/v)とpH7.0 のリン酸緩衝液(60%)との二重混合物とした。検出波長は 298nm とし、そして流連は 1.0ml/min 、保持時間は2.6minとした。 3.結果 PBS 溶液(143mM,μ=0.15)中での陰イオン交換繊維からのサリチル酸塩のin vitro放出は実験1の当初では非常に迅速であった(約 350μg/h/cm2)(図 2)。一次爆発(バースト)の後(約<6h)、サリチル酸塩は繊維ディスクか ら非常にゆっくりと、しかしながらほぼ一定の速度(約20〜30μg/h/cm2)で 放出された。また、リン酸緩衝液(6mM,μ=0.20)で実施する実験2において は、爆発効果が観察されたが、定常放出期の間は(約50h)、サリチル酸塩の放 出はPBS 溶液中よりも速かった。(約60μg/h//cm2)(図3)。 ディスクからのサリチル酸塩の放出は実験3において皮膚の効果により著しく 低下した。陰イオン交換繊維からのサリチル酸塩の放 出は無視できるほどであり(0.08μg/h)、そして初期遅延時間を経てゼロ次 元の反応速度となった(図4)。 4.考察 サリチル酸塩の放出速度及び放出量はPBS 溶液(143μm,μ=0.15)よりもリ ン酸緩衝液(6mM,μ=0.20)で高かった。これはより多くのNaClを含むリン酸 緩衝液のより優れたイオン交換特性に基づくかもしれない。初期爆発の後、薬剤 は2日間ほぼ定常速度(約60μg/h/cm2)で放出された。このことは、試験し た陰イオン交換繊維により、薬剤放出を制御できる可能性がある。 上皮を介するサリチル酸塩の透過は緩衝溶液への直接的な放出よりも実質的に 遅かった(約0.08μg/h)。皮膚では、爆発効果は消失した。定常状態放出前 の遅延時間は約2時間であった。即ち、皮膚は陰イオン性サリチル酸塩の劣った 皮膚透過性により陰イオン交換繊維からの経皮サリチル酸塩デリバリーを制御す る、このことは、皮膚を介する陰イオン性サリチル酸塩のin vitro透過性が、ド ナー溶液中の薬剤濃度が50μg/mlであるとき、6.27g/lのNaClを含むpH7.0 のリン酸緩衝液(200mM)中で約0.34μg/cm2/hであるという観察により裏付け られる(Hirvonen 1994)。にもかかわらず、皮膚を介するin vitro透過が生物有 用薬剤の潜在的な総量を低く見積りうる可能性がある(Brainら、1993)。in vitr oでは、皮膚と陰イオン交換繊維との接触はinvivoよりも劣りうる。 5.結論 試験した陰イオン交換繊維によりサリチル酸塩放出の速度をin vitroで数日制 御することが可能である。しかしながら、陰イオン性サリチル酸塩は、ヒト皮膚 の陽イオン選択特性を理由に、イオン交換繊維の経皮可能性試験のための最良の モデル薬剤ではない。陽イオン性薬剤の方が経皮投与のためにより適切であり( 例えばクロニ ジン)、そしてその皮膚透過性も一般に陰イオン性のものより高い。従って、正 帯電薬剤のデリバリーにおける陽イオン交換繊維に関してはより良い結果が得ら れるであろうと固く信じられている。例 2 タクリン塩酸塩−水和物の経皮デリバリーについての予備試験 タクリン塩酸塩−水和物(C13142・HCl・H2O;以下ではTNH3Clと略す)S igma−Aldrich GmbHを水に溶解して 4.2%の溶液にした。酸性繊維イオン交換体 をこの溶液で処理した。ここで、下記の反応が起きた: TNH3Cl+R−SO3H → TNH3 + SO3 - R+HCl (式中、Rは繊維イオン交換体の骨格である〔ポリプロピレン〕)。得られる繊 維イオン交換体は1gの繊維イオン交換体当り30mgのタクリンを含んだ。 この繊維イオン交換体のイオン交換性能を、 − 緩衝溶液(pH=7)及び − 皮膚を介する血液 に対し、Franz 拡散セル(図1参照)で試験した。 双方の試験において、薬理学的に有意な量のタクリンが支持体に輸送された。例 3 タクリンの経皮放出、透過及びデリバリー 方 法 1.タクリンを含む繊維ディスクの調製 タクリン放出を研究するため、円形ディスク(直径25mm)を陽イオン交換繊維 (Minsk,Belorussia)から切り取った。陽イオン繊維ディスクを添加ろう斗の中 で5%のHCl溶液により全てのナトリウムが交換されるまで洗浄した。その後デ ィスクを5%のタクリン( −HCl)溶液で処理した。タクリンを含むディスクを37℃で乾かし、そして各ディ スクを分析し、平均して16.7mgのタクリンを含んでいた。このことはディスク中 の約3.5%(質量/質量)のタクリン含有量に相関する。 2.イオン交換繊維からのタクリンの放出 繊維ディスクからの薬剤放出をFranz 拡散セル(Crown Glass Co.,Somerville ,NJ)で37℃にてin vitroで試験した。繊維ディスクを拡散セルに入れ、陽イオ ン交換繊維の片面が溶解媒体(リン酸緩衝液6mM,pH7.4)にさらされるようにし た。この緩衝液にさらされた繊維ディスクの表面積は0.64cm2とした。サンプル を72時間に至るまで一定の間隔で取り出し、そしてサンプル中のタクリン濃度を HPLC(Beckman System Gold,Beckman Instruments Inc.,San Ramon,CA)によ り決定した。使用したカラムはSupelcosil LC−18-DB(5m,150mm×4.6mm)とし 、そして移動相には22%のアセトニトリル、1%のトリエチルアミン及び77%の pH6.5 のリン酸緩衝液を含んだ。検出波長は 240nm、そして流速は 1.0ml/min とした。 3.in vitroでのヒト皮膚を横断するタクリン透過 in vitroでのヒト皮膚を横断するタクリンの経皮透過を並列拡散チャンバー(D C−100,Crown Glass Co.,Somerille,NJ)により室温(約25℃)で試験した。 ドナー相(3ml)は1.HEPES 緩衝液(pH7.4)中の 1.5%のタクリン溶液及び2 .HEPES 緩衝液中の 3.5%のタクリンを有する陽イオン交換繊維を含んだ。サン プルを 120hに至るまで一定の間隔で抜き取り、そしてサンプル中のタクリン濃 度をHPLCにより決定した。皮膚を横断するタクリンの経皮線速(cm2当りのg/ h)を薬剤透過、対、時間曲線の直線部分の線形回析を利用し、且つ皮膚の表面 積(0.64cm2)で徐することにより計算した。 結 果 1.タクリンを含む繊維ディスク 正に帯電したタクリンは陽イオン交換繊維中の負の基と化学化反応する。しか しながら、陽イオン交換繊維からのタクリンの放出は実験の当初においては非常 に迅速であって(図5)。約6〜12hの一次爆発の後、50%のタクリンが繊維か ら放出され、その後の更なる薬剤放出は緩衝液及びイオン交換繊維中のタクリン の到達平衡により阻止された。最初の10時間での陽イオン交換繊維からのタクリ ン放出は、タクリンを制御式に放出できる薬剤リザーバーのための非常に適切な 材料のようである。 2.in vitroでのヒト皮膚を横断するタクリン透過 ヒト皮膚は中性及び塩基性pHにおいて正味負の電荷を担持し(Burnette,1989 )、それ故皮膚は正のタクリンの透過を「高揚」しうる。pH7.4 でのヒト皮膚を 横断するタクリンの経皮透過を図6に示す。in vitroでのヒト皮膚を横断するタ クリンの定常線速はcm2当り2.95g/hであった。透過の遅延時間は長く、タク リンがリザーバー相へ皮膚を介して透過するまで約24時間であった(図6)。陽 イオン交換繊維から皮膚を介するタクリンのデリバリーは非常に小さく、cm2当 り約0.003g/hであった(図7)。繊維からの薬剤デリバリーは 120h定常で あり、しかしタクリンの透過速度はタクリン溶液の場合よりもおよそ3桁小さか った。このことはタクリンが透過「標的」として皮膚よりもイオン交換繊維を「 好む」ことを意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CA,JP,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.薬剤と担体にグラフトされたイオン交換基との組合せ、及び当該イオン交 換体からの当該薬剤の放出を制御することができる薬理学的に許容される塩を含 んで成る薬剤の制御式経皮デリバリーのための薬理組成物であって、前記担体が 紡織繊維であることを特徴とする組成物。 2.前記紡織繊維がウール、綿、亜麻繊維、並びにセルロースもしくはその誘 導体の繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド繊維及 び炭素繊維より成る群から選ばれることを特徴とする、請求項1記載の薬理組成 物。 3.陽イオンが前記繊維にグラフトされていることを特徴とする、請求項1又 は2記載の薬理組成物。 4.陰イオンが前記繊維にグラフトされていることを特徴とする、請求項1又 は2記載の薬理組成物。 5.前記繊維が、第三アミン陽イオン−N+(CH3)3のグラフトされている綿繊 維であることを特徴とする、請求項3記載の薬理組成物。 6.前記繊維が織布であることを特徴とする、請求項1〜5のいづれか1項記 載の薬理組成物。 7.前記薬理学的に許容される塩が、紡織繊維と接触させるゲルの中に覆われ ていることを特徴とする、先の請求項のいづれか1項記載の薬理組成物。 8.前ゲルを紡織布の片面のみに接触させることを特徴とする、請求項7記載 の薬理組成物。 9.前記紡織繊維がゲルの中に浸漬されていること特徴とする、請求項7記載 の薬理組成物。 10.前記薬剤がタクリン又はその薬理学的に許容される塩であることを特徴と する、先の請求項のいづれか1項記載の薬理組成物。
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