JP2000503530A - 黄色ぶどう球菌補酵素aジスルフィド還元酵素及び抗微生物剤として有用なその阻害剤 - Google Patents

黄色ぶどう球菌補酵素aジスルフィド還元酵素及び抗微生物剤として有用なその阻害剤

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Abstract

(57)【要約】 単離精製された黄色ぶどう球菌補酵素Aジスルフィド還元酵素(CoADR)を提供する。CoADRをコードするオリゴヌクレオチド、前記オリゴヌクレオチドを含むベクター及び宿主細胞をも提供する。更に、CoADRと反応性の抗体、CoADRを単離する方法、組換えCoADRを産生する方法、CoADR調節活性について化合物をスクリーニングするためにCoADRを使用する方法、及び試験サンプル中の黄色ブドウ球菌を検出する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】黄色ぶどう球菌補酵素Aジスルフィド還元酵素及び抗微生物剤 として有用なその阻害剤 発明の技術分野 本発明は、広義には、微生物代謝及び抗微生物治療剤に関する。特に、本発明 は、黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)を含めた多数の微生物の代謝に おいて重要な働きをする新規酵素、前記酵素を阻害する化合物、及び前記化合物 の、特にグラム陽性菌による感染、特にぶどう菌菌種及び腸球菌菌種感染の治療 のための抗微生物剤としての使用に関する。発明の背景 グルタチオン(GSH;g−グルタミル−システイニル−グリシン)は、好気 性真核生物及びグラム陽性菌により産生される主要チオールである。GSHは、 好気性生物を酸素毒性から保護し、多数の機能に関与すると考えられている。G SHは、システインのゆっくりと自己酸化する貯蔵源として、且つペルオキシド 、エポキシド及び酸素との反応により生ずる他の物質の解毒における補因子とし て作用する。GSHは、ジスルフィ ド及びリボヌクレオチドの還元並びにタンパク質ジスルフィドの異性化における 補因子である。チオールは、生理的pHで細胞中で最も反応性の求核物質であり 、大気中酸素に触れるとジスルフィドに酸化される(RSH/RSSR=10-1 6 )。グルタチオン還元酵素(GSR;E.C.1.6.4.2)は、細胞内酸 化グルタチオン(GSSG)のNADPH依存還元を触媒し、それにより細胞内 の還元環境を維持する(GSH/GSSG>100)。以前、GSHは偏在性で あると考えられていた。しかしながら、多くの微生物はGSHを産生せず、別の チオールを産生する。Faheyら、J.Bacteriol.133:112 6−1129(1978);Faheyら,Meister編“酵素学及び分子 生物学の関連分野の進歩(Advances in Enzymology a nd Related Areas of Molecular Biolog y)” 64:1−53(John Wiley and Sons)(199 1);Fairlamb、Parisitol.99S:93−112(198 9);Newtonら、Vina編”グルタチオン:代謝及び生理学的機能(G lutathione:Metabolism and Physiologi cal Functions)”、69−77頁(フロリダ州ボカラトンに所在のCRC Press)(1989);Newtonら、J.Bacteriol.17 :2734−2742(1993);Sakudaら、Biosci.Bio technol.Biochem.58:1347−1348(1994);並 びにSpiesら、Eur.J.Biochem.224:203−213(1 994)参照。 例えば、黄色ぶどう球菌は、グルタチオンに代わる主要チオールとして補酵素 A(CoA)を産生する。Newtonら、J.Bacteriol.(199 6)(印刷中)参照。CoAは重金属触媒自己酸化に対してグルタチオンより僅 かながらより安定であり、他の微生物においてGSHにより提供されるレドック ス緩衝系に類似の安定なレドックス緩衝系を提供する。黄色ぶどう球菌は、その 主要なチオールとして及び多くのグラム陽性菌のように特に非GSHとして還元 型CoAをミリモルレベルで維持する。前掲のNewtonら(1996)及び 前掲のNewtonら(1989)参照。CoAは代謝中アシル転移反応におけ る補因子として必要であり、黄色ぶどう球菌においても他の微生物におけるGS Hの機能と同様な機能を更に 有する。 別のチオールを利用する他の微生物は、GSRに類似の酵素を産生する。前記 酵素に対する好ましい基質は細胞中の主要チオールのジスルフィドである。Sh amesら、Biochemistry25:3519−3526(1986) ;Swerdlowら、J.Bacteriol.153:475−484(1 983)参照。前記酵素はすべて広範囲に亘るピリジンヌクレオチド依存ジスル フィド還元酵素ファミリーに属し、前記還元酵素にはGSR、リボアミド、デヒ ドロゲナーゼ及び水銀還元酵素が含まれる。前記酵素の多くは、保存された活性 サイトジスルフィド結合を利用して触媒作用をする、Mrが〜100kDのホモ ダイマーフラビンタンパク質である。 微生物感染を抑えるために慣用されている抗微生物剤は、通常、微生物代謝の 重要な過程を妨害して微生物の増殖を阻害するかまたは微生物を死滅させる。し かしながら、ぶどう球菌及び腸球菌を含めた病原性微生物は、既存の抗微生物剤 に対して耐性を示し、多くの場合多剤耐性を示す。 黄色ぶどう球菌は、医学的な関心が高まりつつある日和見病原体である。黄色 ぶどう球菌は、攻撃的に侵襲し、軟組織に素 早く広がり、骨を直接冒し、場合によっては血流に入り込んで敗血症性ショック や播種性血管内凝固を引き起こしかねない。ぶどう球菌に起因する病気は2つに 大別される。一方の病気は、生物(専ら黄色ぶどう球菌)から生ずる毒素に起因 する病気であり、これには胃腸炎、毒素ショック症候群、火傷様皮膚症候群等が 含まれ、他方の病気は生物が直接侵襲し、全身に広がる病気であり、これには皮 膚感染、骨及び関節の感染、ぶどう球菌性感染及び蓄膿、髄膜炎、脳炎、心内膜 炎、菌血症、敗血症性ショック等が含まれる。 β−ランタム抗生物質に耐性のぶどう球菌(BLARS)[メチシリン耐性黄 色ぶどう球菌(MRSA)とも称される]の菌株は、致死性院内感染の病原体と して広がりつつある。前記した耐性ぶどう球菌による感染の治療に対する最後の 手段として、抗生物質のバンコマイシンに頼らざるを得ない。ぶどう球菌感染に 対して有効であり得るより新しい抗生物質として、治験薬のテイコプラニン及び キノロンが挙げられるが、最近のデータによればキノロン耐性が高まりつつある 。バンコマイシン耐性が生ずると現在の抗生物質治療手段が本質的になくなって しまうので、新規な細胞標的及びMRSAに対して有効な新規な化 学治療薬を同定することが現在必要とされている。 従って、微生物が感受性を示す新規な抗微生物剤が求められている。新規な細 胞標的が入手できれば前記薬剤を発見及び使用し得る可能性は高まるであろう。 1つの代謝経路が特定クラスの抗微生物剤により破壊されるのを保護するかまた は該破壊を相殺する後天性耐性が、別の代謝経路の破壊に対しても同様に保護も しくは相殺効果を持つことはないであろう。発明の要旨 本発明者らは、CoAジスルフィドの特異的NADPH依存還元を触媒する酵 素を同定した。前記酵素、すなわち補酵素Aジスルフィド還元酵素(CoADR )は、下記のNADPHからNADP+への酸化を同時に伴う補酵素Aジスルフ ィドから補酵素Aへの特異的還元を触媒する。 これは、ぶどう球菌、幾つかの腸球菌、他のグラム陽性菌、及びグルタチオン( GSH)を産生せずその代わりに主要細胞レドックス緩衝系として補酵素Aを用 いる他の微生物において重要な代謝機能である。CoADRを阻害すると、Co Aジスルフィドが形成され、複数の代謝過程(例えば、アシル転移反応、 脂肪酸生合成、ラジカル除去、ペルオキシダーゼ反応、S−トランスフェラーゼ 薬物耐性、他のジスルフィド還元酵素反応、ジスルフィド異性化反応、リボヌク レオチド還元酵素反応等)において補因子として作用するために利用され得るC oAが欠乏する。このために、前記欠乏細胞は、宿主免疫系により生ずるような 環境攻撃に対して屈しやすい。よって、CoADR活性の阻害剤は、黄色ぶどう 球菌及びレドックス緩衝系としてCoAを利用する他の微生物に対して有効な抗 微生物剤である。更に、GSRはCoADRの特異的阻害剤により影響される必 要がない。従って、微生物の抑制を、真核宿主生物に副作用を殆どもしくは全く 発現させることなく、CoADRを阻害することにより起し得る。 1つの態様で、本発明は単離された黄色ぶどう球菌CoADRポリペプチドに 関する。 別の態様で、本発明は黄色ぶどう球菌CoADRポリペプチドをコードするD NA分子に関する。 更に別の態様で、本発明は前記DNA分子を含む組換えベクターに関する。 更に別の態様で、本発明は前記DNAによりコードされるメ ッセンジャーRNA、前記DNAを含むベクターで形質転換された組換え宿主細 胞、及び前記形質転換された細胞を用いて組換えポリペプチドを産生する方法に 関する。 更に別の態様で、本発明は前記黄色ぶどう球菌CoADRポリペプチドに対す る抗体に関する。 更に別の態様で、本発明はCoADR活性を制御する化合物を同定する方法に 関する。 更に別の態様で、本発明は主要なレドックス緩衝系として補酵素Aを利用する 微生物の増殖を抑制する方法に関する。 更に別の態様で、本発明は治療有効量のCoADR活性調節化合物を投与する ことによりグラム陽性菌に感染している個体を治療する方法に関する。 更に別の態様で、本発明は特定の抗微生物剤に関する。 更に別の態様で、本発明は試験サンプル中の黄色ぶどう球菌の存在を検出する 方法に関する。 更に別の態様で、本発明は、(a)黄色ぶどう球菌CoADRをコードするポ リヌクレオチドの存在を検出するためのオリゴマープローブ、(b)試験サンプ ル中の黄色ぶどう球菌CoADRの存在及び/または量を検出するための、及び 黄色ぶどう球菌 の存在を検出するための、CoADRポリペプチドに特異的に結合し得る抗体、 及び(c)CoADR調節活性について化合物をスクリーニングするための、ま たはCoADR抗体の存在について試験サンプルをスクリーニングするための、 黄色ぶどう球菌CoADRポリペプチドを含む診断用キット、に関する。 本発明の上記した態様及び他の態様は、本明細書の開示にてらし当業者には自 明であろう。図面の簡単な説明 図1は、CoADRをコードする黄色ぶどう球菌読み取り枠のヌクレオチド配 列(配列番号 )である。 図2は、読み取り枠のヌクレオチド配列から誘導される黄色ぶどう球菌CoA DRの推定アミノ酸配列(配列番号 )である。発明の詳細な説明 特記しない限り、本発明の実施には、当業界の技術範囲に含まれる分子生物学 、微生物学及び組換えDNAテクノロジーの一般的な技術が使用される。上記し た技術は複数の文献に詳しく記載されている。例えば、Sambrook、Fr itsch及びManiatis、“分子クローニング:実験室マニュア ル(Molecular Cloning:A Laboratory Man ual)”第2版(1989); “DNAクローニング(DNA Cloni ng)”I巻及びII巻(D.N.Glover編、1985);Perbal, B.、“分子クローニングに対する実地ガイド(A Practical Gu ide to Molecular Cloning)”(1984);シリー ズ“酵素学の方法(Methods In Enzymology)”(S.C olowick及びN.Kaplan編、Academic Pess,Inc .);“転写及び翻訳(Transcription and Transla tion)”(Hamesら編、1984);“哺乳動物細胞のための遺伝子転 移ベクター(Gene Transfer Vectors For Mamm alian Cells)”(J.H.Millerら編(1987)、ニュー ヨーク州コールドスプリングハーバーに所在のCold Spring Har bor Laboratory):Scopes)“タンパク質の精製:原理と 実際(Protein Purification:Principles a nd Practice”(第2版、Springer−Verlag);“P CR:実際的アプローチ(PCR:A Practical Approach)”(McPhersonら編(1991)IRL Pre ss)参照。 本明細書に引用した特許、特許出願及び刊行物はすべて、前掲であっても後掲 であっても、参考文献として本明細書に援用されるものとする。 本明細書及び請求の範囲では、特にことわりのないかぎり、可算名詞は単数と 複数を含む。A.定義 本発明の説明の際に、下記用語を以下の定義で使用する。 本明細書において使用される「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチドまた はデオキシリボヌクレオチドのいずれかの任意の長さを有するポリマー形態のヌ クレオチドを指す。この用語は、分子の一次構造のみを指す。よって、この用語 には、二本鎖及び一本鎖DNAも二本鎖及び一本鎖RNAも含まれる。 また、ポリヌクレオチドの未修飾物の他、修飾物、例えばメチル化及び/または キャッピングにより修飾されたものも含まれる。 本明細書において互換的に使用される「ポリペプチド」及び「タンパク質」は 、アミノ酸がペプチド結合により結合した分 子鎖を指す。この用語は特定長さの物質を指すのではなく、ポリペプチドの定義 にはペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質が含まれる。この用語は、ポリペ プチドに翻訳後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化等を付したも のも含まれる。更には、ポリペプチドの定義の中にタンパク質断片、アナログ、 突然変異体、融合タンパク質等も含まれる。よって、「CoADRポリペプチド 」は、図2に示すアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む単離されたか、組換 えられたかもしくは合成されたポリペプチド、例えば該ポリペプチドが触媒活性 及び/または免疫活性のような生物学的活性を有するために必要な分子のみを含 んでいる前記ポリペプチドの断片、並びに前記活性を維持しているアナログ、突 然変異もしくは変異タンパク質等を意味する。 「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養物」 及び単細胞物(unicellular entities)として培養された 微生物または高等真核細胞系を指す他の類似の用語は、DNAが細胞に導入され る方法またはそれに続く細胞の性質に関係なく、組換えベクターまたは他の転移 DNAに対する受容体として使用されるかまたは使 用された細胞を指す。この用語は、トランスフェクトされた親細胞の子孫も含む 。 「ベクター」は、例えば結合したセグメントが複製及び/または発現するよう に別のポリヌクレオチドセグメントが結合しているレプリコンである。この用語 は、発現ベクター、クローニングベクター等を含む。 「コントロール配列」は、ポリヌクレオチド配列が連結しているコーディング 配列の発現を生起する前記ポリヌクレオチド配列を指す。前記コントロール配列 の種類は、宿主生物によって異なる。原核生物の場合、前記コントロール配列は 通常プロモーター、リボソーム結合サイト及びターミネーターを含む。真核生物 の場合、前記コントロール配列は通常プロモーター、ターミネーター、及び場合 によりエンハンサーを含む。よって、「コントロール配列」は最低限発現に必要 な成分をすべて含み、存在させるのが好ましい付加成分、例えばリーダー配列を 含み得る。 「コーディング配列」は、適当な調節配列の制御下においたときmRNAに転 写及び/またはポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コーデ ィング配列の境界は、5’ −末端の翻訳開始コドン及び3’−末端の翻訳停止コドンにより決められる。コ ーディング配列は、非限定的にmRNA、cDNA及び組換えポリヌクレオチド 配列を含み得る。突然変異体またはアナログは、コーディング配列の一部を欠失 させることにより、配列を挿入することにより、及び/またはコーディング配列 中の1つもしくはそれ以上のヌクレオチドを置換することにより作製され得る。 ヌクレオチド配列を修飾する技術、例えば位置特異的突然変異誘発も当業者に公 知である。例えば、前掲のSambrookら;前掲の「DNAクローニング( DNA Cloning)」、及びI巻及びII巻;前掲の「核酸ハイブリダイゼ ーション(Nucleic Acid Hybridization)」参照。 「作動可能に結合した」とは、成分が所期通りに機能し得る関係にある状態を 指す。すなわち、例えば、コーディング配列に作動可能に連結したコントロール 配列は、コントロール配列と相容の条件下でコーディング配列が発現するように 連結されている。コーディング配列を、ポリヌクレオチドの転写を誘導して該ポ リヌクレオチドを宿主細胞において発現 させるコントロール配列に作動可能に結合させることもできる。 「トランスフェクション」は、挿入に使用する方法または挿入されるポリヌク レオチドの分子形態に関わらず、外来ポリヌクレオチドを宿主細胞に挿入するこ とを指す。例えば、注入、直接取り込み、導入及びf−交配が含まれる。また、 ポリヌクレオチド自体の挿入及び外来ポリヌクレオチドからなるプラストミドま たはベクターの挿入も含まれる。外来ポリヌクレオチドは、細胞により直接転写 及び翻訳され、組み込まれていないベクター、例えばプラスミドとして維持され 得る。或いは、外来ポリヌクレオチドは宿主ゲノム中に安定的に組み込まれ得る 。 「縮重変異体」または「構造的に保存された突然変異体」は、縮重変異体の誘 導元であるポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと同一のアミノ酸 配列を有するポリペプチドをコードする、その核酸配列が変化(例えば、挿入、 欠失または置換)したポリヌクレオチドを指す。 「単離された」は、ホリヌクレオチドまたはポリペプチドを 指すときには、当該分子に同じ種類の類似した他の生物学的巨大分子が実質的に 含まれないことを意味する。本明細書において使用される「単離された」は、組 成物の少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、更に好ま しくは少なくとも95重量%、及び最も好ましくは少なくとも98重量%が単離 されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドであることを意味する。特定のポリ ペプチドをコードする「単離ポリヌクレオチド」は、該ポリペプチドをコードし ない他の核酸分子を実質的に含まないポリヌクレオチドを指す。しかしながら、 分子は本明細書に記載の保存的突然変異体も含み得る。 「試験サンプル」は、問題の抗体及び抗原のような分析物のソースである個体 の成分を指す。これら試験サンプルには、本発明の方法により試験され得る生物 学的サンプルが含まれ、該サンプルとしては、例えば全血、血清、血漿、脳脊髄 液、尿、リンパ液、呼吸器,腸管及び尿生殖器からの各種外部分泌物、涙、唾液 、母乳、白血球、骨髄腫等のようなヒト及び動物の体液、細胞培養上清のような 生物学的流体、固定組織検体及び固定細胞検体が挙げられる。 本明細書中、以下の1文字アミノ酸略記を使用した。 アラニン A アルギニン R アスパラギン N アスパラギン酸 D システイン C グルタミン Q グルタミン酸 E グリシン G ヒスチジン H イソロイシン I ロイシン L リシン K メチオニン M フェニルアラニン F プロリン P セリン S トレオニン T トリプトファン w チロシン Y バリン vB.一般的方法 本発明は、黄色ぶどう球菌CoADR、CoADRをコードするポリヌクレオ チド及びCoADRの産生方法の同定に基づく。本発明は、前記酵素、前記酵素 を使用して薬理活性について化合物をスクリーニングする方法、前記酵素を発現 する細胞、前記酵素に対するモノクローナル抗体、並びに前記抗体の微生物感染 及び疾患の診断への使用を包含する。 特に、本発明者らは、黄色ぶどう球菌中の新しいCoADR 酵素を同定した。CoADRは黄色ぶどう球菌から均質になるまで精製された。 天然酵素は、ゲル排除クロマトグラフィーで測定して約100kDの分子量(Mr )を有する。前記酵素は、約50kDのサブユニットMrを有し、1サブユニッ ト当たり1個のフラビンアデニンヌクレオチド(FAD)を結合しているホモダ イマーとして存在する。 前記酵素は、次のようにして細菌から直接単離され得る。細菌を、トリプチカ ーゼ大豆ブロス(TSB)のような適当な培地で培養し得る。次いで、細菌を、 前記培地から当業界で公知の標準的な技術、例えば遠心、精密濾過またはその組 合せにより除去する。例えば、所望でない細胞破片を除去するには適当なフィル ターを用いる精密濾過で十分である。 こうして得られた細菌を、細胞質の内容物を放出させるために作製する。細菌 細胞を、CoADRの構造及び/または活性に悪影響を与えない当業界で公知の 方法及び/または試薬を用いて、例えば凍結融解サイクルにかける、超音波分解 装置にかける、ホモジナイゼーション、ビーズ分解、化学的もしくは酵素的細胞 溶菌等により破砕し得る。1つの好ましい方法では、細胞を、黄色ぶどう球菌の 溶菌剤であるリソスタフィンを含有 する緩衝液中でインキュベートした後、フレンチプレスセルに通す。 こうして調製した細菌細胞培地を更に処理して、タンパン質を細胞破片から分 離し、初期の精製及び濃縮工程に付す。例えば、前記工程から得られた溶菌液を 、特定の分子量カットオフを有するフィルターを通過させる限外濾過のような第 1分離手段により処理し、水及び塩含量を低下させることによりサンプルを濃縮 することができる。或いは、溶菌液を、硫酸アンモニウムのような中性塩、エタ ノールのような有機溶媒、またはタンパン質を回収及び精製するための他の物質 により沈殿させてもよい。好ましくは、黄色ぶどう球菌CoADRを、溶菌液に 約40%飽和、好ましくは50%飽和まで硫酸アンモニウムを添加することによ り溶菌液から沈殿させる。この上清を、遠心などにより収集し、硫酸アンモニウ ムを90%飽和、好ましくは80%飽和までに調節する。こうして得られた処理 沈殿を収集し、次の精製工程で使用する。 黄色ぶどう球菌CoADRを更に精製するために多数のタンパク質精製操作を 使用することができ、これには吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ ラフィー、疎水性相互作用 クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシ ング、ゲル濾過、逆相液体クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラ フィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィ ー及びこれらの技術の組合せが含まれる。所要により、タンパク質の立体配置を 完全とする際にタンパク質再生工程を使用することができる。最後に、最終精製 工程のために高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用することができる 。 第1精製工程は、使用する段階数を最小にし、それにより収率を最大にするた めの高分離度を有するものが好ましい。より好ましくは、第1精製工程は、例え ばアフィニティー吸着剤として適切な支持体マトリックスに結合した2’,5’ −ADPを使用するアフィニティー精製である。アフィニティー精製は、サンプ ルをアフィニティーマトリックスに吸着させ、酵素を溶離させるために溶離緩衝 液を交換することなく段階的に溶離させるか、または緩衝液を連続的に交換する 勾配溶離させることにより単一工程で溶離するバッチ式にて実施され得る。好ま しくは、CoADRはアフィニティーマトリックスから直線塩勾配で溶離される 。 後続精製工程は、アフィニティー精製工程から得た生成物を更に精製するため に使用され得る。好ましくは、後続工程は、イオン交換精製工程、より好ましく はアニオン交換精製工程である。適当なアニオン交換物質には当業界で公知の多 種多様な物質が含まれる。広いpH範囲でCoADRを結合し得る強アニオン交 換物質が特に好ましい。例えば、第4級アンモニウム及び第4級アルキルアルカ ノールアンモニウムアニオン交換マトリックスが本発明で使用するのに特に有用 である。有用なマトリックス材料として、繊維状、微粒状及びビーズ状マトリッ クスのようなセルロースマトリックス、アガロース、デキストラン、ポリアクリ レート、ポリビニル、ポリスチレン、シリカ及びポリエーテルマトリックス並び に複合物質が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましくは、官能性リ ガンドR−NH4 +を含有するマトリックス、好ましくはスルホプロピル樹脂であ る。代表的なマトリックスにはMonoQ HR5/5またはSigmaChr om IEX−Qが含まれる。 精製されたら、タンパク質のアミノ酸配列を、例えばエドマン分解サイクルに 複数回かけた後HPLCによりアミノ酸分析することにより決定することができ る。他のアミノ酸配列決定 方法も当業界で公知である。前記方法を使用して、精製された黄色ぶどう球菌C oADRポリペプチドのN−末端の14個のアミノ酸が、Pro−Lys−Il e−Val−Val−Val−Gly−Ala−Val−Ala−Gly−Gl y−Ala−Thr(配列番号 )であることが判明した。完全な推定アミノ酸 配列を図2に示す。 アミノ酸配列の知識に基づいて、前記酵素をコードするDNAをゲノムもしく はcDNAから誘導したり、合成により、または技術の組合せにより誘導するこ とができる。次いで、前記DNAを、CoADRを発現させるために、または当 業界で公知の方法(例えば前掲したSambrookら参照)を用いてRNAを 産生するための鋳型として使用することができる。 より詳しくは、黄色ぶどう球菌CoADRをコードするDNAを適当なDNA ライブラリー、例えば黄色ぶどう球菌ゲノムDNAライブラリーから入手するこ とができる。DNAライブラリーを、Grunsteinら、Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 73:3961(1975)に記載の方法を用 いてプローブすることができる。要するに、プローブすべきDNAをニトロセル ロースフィルターに固定し、変性し、0〜 50%のホルムアミド、0.75MのNaCl、75mMのクエン酸NA、0. 02%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)、0.02%(w/v)のポ リビニルピロリドン、0.02%(w/v)のFicoll(登録商標)、50 mMのリン酸Na(pH6.5)、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS )及び100μg/mlのキャリヤー変性DNAを含有する緩衝液を用いてプレ ハイブリダイズする。緩衝液中のホルムアミドの濃度、プレハイプリダイゼーシ ョン工程及び後続ハイブリダイゼーション工程の時間及び温度は必要な緊縮性に 依存する。低緊縮条件を必要とするオリゴマープローブは通常、低濃度のホルム アミド、より低い温度及びより長いハイブリダイゼーション時間にて使用される 。cDNAまたはゲノム配列から誘導されるような30個または40個以上のヌ クレオチドを含むプローブは通常、より高い温度(例えば約40〜42℃)及び 高濃度(例えば50%)のホルムアミドを使用する。プレハイブリダイゼーショ ン後、32P−標識オリゴヌクレオチドプローブを緩衝液に添加し、この混合物中 でフィルターをハイブリダイゼーション条件下でインキュベートする。洗浄後、 試験したフイルターをオートラジオグラフィーにかけ、ハイブリダイズしたプロ ーブの位置を調 べる。オリジナルの寒天プレート上の対応する位置のDNAを所望DNAのソー スとして使用する。 合成オリゴヌクレオチドは、Warner、DNA :401(1984) に記載されているようなオリゴヌクレオチド自動合成装置を用いて作製され得る 。所望により、合成鎖を、標準的な反応条件を用いて32P−ATPの存在下でポ リヌクレオチドキナーゼで処理することにより32Pで標識することもできる。ゲ ノムまたはcDNAライブラリーから単離されたDNA配列を含めたDNA配列 を、Zoller、NucleicAcids Res.10:6487(19 82)に記載されている位置特異的突然変異誘発を含めた公知の方法により修飾 することができる。要するに、修飾すべきDNAを一本鎖配列としてファージに 詰め込み、修飾すべきDNAの一部と相補性であり且つそれ自身の配列中に所望 の修飾を含む合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして使用してDNAポリメ ラーゼを有する二本鎖DNAに変換する。各ファージ鎖の複製物を含んでいる形 質転換された細菌の培養物を寒天で平板培養して、プラークを得る。理論的には 、新しいプラークの50%は突然変異された配列を有するファージを含み、残り の50%は元の配 列を有する。プラークの複製物を、未修飾配列ではなく正しい鎖とハイブリダイ ズするのに適した温度及び条件下で標識合成プローブにハイブリダイズさせる。 ハイブリダイゼーションにより同定された配列を回収し、クローン化する。 次に、産生されたら、DNAを適当な宿主細胞において複製するためにクロー ニングベクターまたは発現ベクターに挿入する。ベクターの構築には、当業界で 公知の方法を使用する。一般に、位置特異的DNA切断を、通常市販されている 制限酵素の製造業者が規定している条件下で適当な制限酵素で処理することによ り実施される。通常、約1μgのプラスミドまたはDNA配列を、約20μlの 緩衝溶液中の1〜10単位の酵素を使用して37℃で1〜2時間インキュベート することにより切断する。制限酵素とインキュベート後、タンパン質をフェノー ル/クロロホルム抽出により除去し、DNAをエタノール沈殿により回収する。 切断した断片は、当業者に公知の方法に従ってポリアクリルアミドまたはアガロ ースゲル電気泳動法により分離され得る。 付着性末端切断断片を、混合物中に含まれる適当なデオキシヌクレオチドトリ ホスフェート(dNTP)の存在下で大腸菌 DNAポリメラーゼ1(クレノー)を用いて平滑末端とすることができる。S1 ヌクレアーゼで処理すると、一本鎖DNA部分の加水分解が生ずる。 連結は、T4 DNAリガーゼ及びATPを使用して標準的な緩衝液及び温度 条件下で実施される。付着性末端を連結するには、平滑末端の連結よりもATP およびリガーゼは少なくてよい。ベクター断片を連結混合物の一部として使用す るときには、ベクター断片をしばしば細菌アルカリホスファターゼ(BAP)ま たは仔ウシ腸アルカリホスファターゼで処理して5’−リン酸を除去し、こうし てベクターの連結を防止する。或いは、所望でない断片を制限酵素で消化して、 連結を防止することができる。 ベクターの一般的な構築のために、連結混合物を適当な宿主に形質転換し、所 期形質転換体を抗生物質耐性または他のマーカーにより選択する。次いで、形質 転換体からのプラスミドは、通常Clewellら、J.Bacteriol.110 :667(1972)に記載されているクロラムフェニコール増幅後、C lewellら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 62:11 59の方法に従って作製され得る。 DNAを単離し、制限酵素分析及び/または配列決定により分析する。配列決定 は、Messingら、Nucleic Acid Res.:309(19 81)にも記載されているようなSangerら、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 74:5463(1977)の公知のジデオキシ方法によ り、またはMaxamら、Meth.Enzymol.65:499(1980 )に記載されている方法により実施され得る。GCを多く含む領域で時々見られ るバンド圧縮の問題は、Barrら、Biotechniques :428 (1986)に記載されている方法に従ってT−デアゾグアノシンを使用するこ とにより解決される。 宿主細胞は、クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る本発明のベ クターを用いて遺伝子操作(形質導入、形質転換またはトランスフェクト)され る。ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、ファージ等の形態であり得る。遺 伝子操作された宿主細胞を、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択し、ま たCoADRをコードするポリヌクレオチドを増幅するために場合により変更し た通常の栄養培地で培養してもよい。温度、pH等の培養条件は、発現のために 選択した宿主細胞で 使用した条件であり、この条件は当業者には自明である。 特定宿主と相容性の適当なコントロール配列を使用したときに所望のコーディ ング配列を発現させるために、原核及び真核宿主細胞が使用される。原核宿主の 中では大腸菌がよく使用される。原核生物のための発現コントロール配列には、 適宜オペレーター部分を含むプロモーター及びリボソーム結合サイトが含まれる 。原核生物宿主と相容性の転移ベクターは一般的に、通常アンピシリン及びテト ラサイクリン耐性を付与するオペロンを含むプラスミドpBR322、及び抗生 物質耐性マーカーを付与する配列を含む各種pUCベクターから誘導される。前 記したマーカーは、選択により所期の形質転換体を得るために使用され得る。一 般的に使用される原核生物コントロール配列には、β−ラクタマーゼ(ペニシリ ナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Changら、Nature 198: 1056(1977))、トリプトファンプロモーター系(Goeddelら、 Nucleic Acid Res.:4057(1980)に記載されてい る)、及びtrpとlac UV5プロモーターの配列から誘導されるハイブリ ッドTacプロモーター(De Boerら、Proc.Natl.Acad. Sci.USA292:128(1983))、λ−誘導P1プロモーター及びN遺伝子リボ ソーム結合サイト(Shimatakeら、Nature 292:128(1 981))が含まれる。前記した系が大腸菌と特に相容性であるが、バチラスま たはシュードモナスの菌株のような他の原核生物宿主も所望により対応するコン トロール配列と一緒に使用することができる。 真核生物宿主には培養系中の酵母及び哺乳動物細胞が含まれる。サッカロミセ ス・セレビシエ及びサッカロミセス・カールスバージェンシスが慣用される酵母 宿主であり、便利な真菌宿主である。酵母相容性ベクターは、栄養要求性突然変 異体に対してプロトロピーを付与するか、または野生型菌株に対して重金属耐性 を付与することにより所期の形質転換体を選択し得るマーカーを有する。酵母相 容性ベクターは、複製の2−ミクロンオリジン(Broachら、Meth.E nzymol.101:307(1983))、CEN3とARS1の組合せ、 または宿主細胞ゲノムに適当な断片を挿入する配列のような複製を確保するため の他の手段を使用し得る。酵母ベクターに対するコントロール配列は、当業界で 公知であり、3−ホスホグリセレートキナーゼのプロモーターを含めた解糖酵素 の合成の ためのプロモーターを含み得る。例えば、Hessら、J.Adv.Enzym e Reg.7:149(1968);Hollandら、Biochemis try 17:4900(1978);Hitzeman、J.Biol.Ch em.255:2073(1980)参照。Hol1and、J.Biol.C hem.256:1385(1981)に記載されているエノラーゼ遺伝子から 誘導されるようなターミネーターを含めることもできる。特に有用なコントロー ル系として、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAP DH)プロモータ−またはアルコールデヒドロケナーゼ(ADH)調節可能プロ モーター、GAPDHから誘導されるターミネーター、及び分泌を所望するとき には酵母アルファ因子由来のリーダー配列を含むものが考えられる。更に、転写 調節領域及び転写開始領域は、野生型生物中に本来結合していないように作動可 能に結合され得る。 発現のための宿主として使用され得る哺乳動物細胞系は当業界で公知であり、 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手し得る多くの不死化細 胞系を含む。これらの細胞系には、ヒーラ細胞、チャイニーズハムスター卵巣( CHO) 細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞等が含まれる。哺乳動物細胞のため の適当なプロモーターも当業界で公知であり、Simian Virus40( SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス(ADV)、ウシ パピローマウイルス(BPV)、サイトメガロウイルス(CMV)由来のウイル スプロモーターを含む。哺乳動物細胞は、ターミネーター配列及びポリA付加配 列を必要とし得る。発現を高めるエンハンサー配列を含めることもでき、遺伝子 を増幅させる配列も所望され得る。これらの配列は当業界で公知である。哺乳動 物細胞での増幅に適するベクターは、ウイルスレプリコン、または黄色ぶどう球 菌CoADRをコードする適当な配列の宿主ゲノムへの組込みを保証する配列を 含み得る。 ポリヌクレオチドを公知の方法を使用して両生類細胞に、Summers及び Smith(1987)、Texas Agricultural Exver iment StationBulletin No.1555 (1987)等 に記載されている方法を使用して昆虫細胞のような他の真核生物系に導入する方 法があるように、他の真核生物系も公知である。 形質転換は、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための 公知方法により実施され、前記方法にはポリヌクレオチドをウイルスに詰込み、 宿主細胞に前記ウィルスを導入する方法、宿主細胞にポリヌクレオチドを直接取 込ませる方法等がある。選択される形質転換方法は、形質転換される宿主に依存 する。細菌を直接取込みにより形質転換させるには、通常塩化カルシウムまたは 塩化ルビジウムでの処理を使用する。Cohen、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 69:2110(1972)参照。酵母を直接取込みによ り形質転換させるには、Grahamら、Virology 52:526(1 978)に記載のリン酸カルシウム沈殿法またはその変法を使用し得る。 活性CoADRの発現は、5,5’−ジチオ−ビス−2−ニトロ安息香酸(D TNB)のNADPH−及びCoAジスルフィド−依存還元を412nmでモニ ターすることにより比色分析でアッセイし得る。この反応は、CoADR阻害活 性について化合物をスクリーニングするために適している。或いは、CoADR の発現を、ELISAアッセイ及び単離されたCoADR酵素に対して作製した 抗体を使用してモニターすることもできる。前記酵素を発現する組換え宿主細胞 培養物から該酵素を上記したような公知の方法を使用して回収し、精製す る。 本発明の黄色ぶどう球菌CoADRポリペプチドまたはその断片は、当業界で 公知の慣用技術、例えば、固相ペプチド合成のような化学合成により合成するこ ともできる。前記方法は当業者には公知である。一般に、前記方法は、当業界で 公知の固相または溶液合成法を使用する。例えば、固相ペプチド合成技術に関し てはJ.M.Stewart及びJ.D.Young、固相ペプチド合成(So lid Phase Peptide Synthesis)”イリノイ州ロッ クフォードのPierce Chemical Co.(1984);G.Ba rany及びR.B.Merrifield、“ペプチド:分析、合成、生物学 (The Peptides:Analysis,Synthesis,Bio logy)”E.Gross及びJ.Meienhofer編、2巻、ニューヨ ークのAcademic Press、3−254頁(1980)、古典的溶液 合成に関してはM.Bodansky、“ペプチド合成の原理(Princip les of Peptide Synthesis)”、ベルリンのSpri nger−Verlag(1984);E.Gross及びJ.Meienho fer編、前掲の“ペプチ ド:分析、合成、生物学(The Peptides:Analysis,Sy nthesis,Biology)”、1巻を参照されたい。 入手した酵素は、黄色ぶどう球菌CpADR活性を制御する化合物を同定する ために使用することができる。すなわち、上記したように、酵素活性及び化合物 の酵素活性に対する影響を、5,5’−ジチオ−ビス−2−ニトロ安息香酸(D TNB)のNADPH−及びCoAジスルフィド−依存還元を412nmでモニ ターすることにより比色分析でアッセイすることができる。このアッセイ方法を 使用して、パンテチン誘導体がCoADR活性阻害剤として有効であることが分 かった。黄色ぶどう球菌CoADRの精製または発現及び該酵素活性を阻害する 化合物をスクリーニングすることにより、酵素阻害活性を有する化合物を迅速に 選択する方法が提供される。 従って、黄色ぶどう球菌CoADRを阻害する化合物は、幾つかの疾患の治療 に使用される有力な治療薬と見做され、前記疾患は、該治療薬を適当な医薬組成 物の形で投与したときに感染源の微生物の増殖及び/または微生物の繁殖を抑制 するのに該治療薬が有用であり得る疾患であり、ぶどう球菌、腸球菌及 び他のグラム陽性菌による細菌感染等が含まれるが、これらに限定されない。C oADR阻害剤が治療薬として使用される疾患の例として、胃腸炎、毒素ショッ ク症候群、火傷様皮膚症候群、皮膚感染、骨及び感染の感染、肺炎及び蓄膿、髄 膜炎、脳炎、心内膜炎、菌血症、敗血症性ショック、敗血症、食物中毒、腸炎等 が挙げられる。 本発明の阻害性化合物は、各種剤型で治療用組成物中に処方することができる 。前記剤型の例には溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、粉剤、軟膏剤、座剤、ポリマー ミクロカプセル剤またはミクロ小胞、リポソーム及び注射もしくは注入用液剤が 含まれるが、これらに限定されない。好ましい剤型は、投与モード、標的とする 特定の微生物及び疾患の種類に依存する。好ましくは、前記組成物は当業界で公 知の医薬的に許容され得るビヒクル、キャリアまたは添加剤、例えばヒト血清ア ルブミン、イオン交換物質、アルミナ、レシチン、緩衝物質(例えば、リン酸塩 、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム)、及び塩または電解質(例えば 、硫酸プロタミン)を含み得る。適当なビヒクルは、例えば水、食塩水、デキス トロース、グリセロール、エタノール等、及びその組合せである。前記組成物を 実際製造す る方法は当業者に公知乃至自明である。例えば、ペンシルバニア州イーストンに 所在のMack Pulbishing Companyから発行されているR emington’s Pharmaceutical Sciences、1 8版(1990)参照。 上記した組成物は、慣用の送達モードを用いて投与され得る。前記モードとし ては、静脈内、腹腔内、経口、リンパ管内、または皮下投与が含まれるが、これ らに限定されない。当該組織または感染部位への局所投与、例えば感染関節への 直接注入も本発明で使用される。 治療有効量は、当業者が容易に決定することができ、病気の重篤度及び経過、 患者の健康状態及び治療に対する反応、及び治療担当医の判断に依存する。 また、黄色ぶどう球菌CoADRポリペブチドは、当業界で公知の技術を用い てポリクローナルもしくはモノクローナル抗体を作製するために使用され得る。 黄色ぶどう球菌CoADRは、黄色ぶどう球菌の培養物から精製されるか、また は酵素を発現する組換え細胞を培養して十分量の酵素を産生し、前記酵素を回収 、単離するという組換え技術を用いることにより入手 することができる。或いは、前記酵素を以下に記載する一般的なポリペプチド合 成技術を用いて合成することができる。酵素に対して特異性及び選択性を示すモ ノクローナル抗体は、検出可能な物質、例えば蛍光物質で標識され、生体外でま たはinsitu免疫蛍光アッセイ等に使用される。前記抗体を、免疫診断目的 で黄色ぶどう球菌を同定するために使用することができる。 更に、黄色ぶどう球菌CoADRをコードするDNAまたはそこから誘導され るRNAを、宿主生物中に存在する黄色ぶどう球菌に対するオリゴヌクレオチド プローブを設計するために使用することができる。本明細書において、「プロー ブ」は標的ポリヌクレオチド中に存在する核酸配列に対して相補的な核酸配列を 含む上記したポリヌクレオチドからなる構造物を指す。プローブのポリヌクレオ チド領域を、DNA、及び/またはRNA、及び/またはモノホリノ化合物及び ペプチド核酸(PNA)アナログのような合成ヌクレオチドアナログから構成す ることもできる。前記プローブは、生体外でまたはin situ免疫蛍光アッ セイ等に使用され、例えば微生物感染の診断に有用である。 単離されたCoADRをコードするポリヌクレオチドの決定部分を使用して、該 ポリヌクレオチドとハイブリダイズする約8個以上のヌクレオチドからなるオリ ゴマーを切除または合成法により製造することができる。前記オリゴマーは、例 えば罹患個体中の細菌の存在を検出するために有用である。CoADRポリヌク レオチドに対する天然または誘導プローブは、ハイブリダイゼーションによりユ ニーク配列を検出し得る長さである。6〜8個のヌクレオチドが作業可能な長さ であるが、10〜12個のヌクレオチドの配列が好ましく、約12個のヌクレオ チドの配列が最も好ましい。これらのプローブはオリゴヌクレオチド自動合成法 を含めた慣用の一般的な方法を用いて作製することができる。 オリゴヌクレオチドプローブを診断試薬として使用するときには、分析すべき 試験サンプル、例えば血液または血清をその核酸分画を抽出するように処理され 得る。サンプルから生じた核酸をゲル電気泳動または他のサイズ分離方法にかけ ることができ、または核酸サンプルをサイズ分離することなくドットブロットす ることができる。次いで、サンプルを、予め検出可能に標識されたオリゴヌクレ オチドプローブに作用させる。プロ ーブに標識を結合させるための適当な標識及び方法は当業界で公知であり、ニッ ク翻訳またはキナーゼ処理により挿入される放射性標識、ビオチン、蛍光及び化 学発光プローブ、検出可能な物質の生成を触媒する酵素(例えば、西洋ワサビペ ルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ)等が含まれ るが、これらに限定されない。次いで、サンプルから抽出された核酸を、適当な ハイブリダイゼーション緊縮条件で標識プローブで処理する。 ハイブリダイゼーションの緊縮性は、温度、イオン強度、時間及びホルムアミ ド濃度を含めた洗浄過程の複数の因子により決まる。前掲のSambrookら 参照。ハイブリダイゼーションは、多種多様な技術により実施され得る。所要に より、サンプル核酸の増幅は、例えばリガーゼ連鎖反応(LCR)、ポリメラー ゼ連鎖反応(PCR)、Q−ベータレピリカーゼ、NASBA、または当業界で 公知の他の技術により実施され得る。次いで、増幅された核酸を当業界で公知の ハイブリダイゼーションアッセイを用いて検出することができる。 CoADR、その抗体及びCoADRもしくはその一部をコードするポリヌク レオチドを診断用キットに含めることができ る。例えば、CoADRをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイ ズし得るオリゴマープローブを、標識されていてもよいプローブ核酸配列を含む 診断用キットに入れることができる。或いは、非標識プローブを用意し、標識用 成分をキットに含めることもできる。前記キットは、特定のハイブリダイゼーシ ョンプロトコールに必要なまたは望ましい他の試薬及び物質、例えば標準物質を 適当にパックしたもの並びにアッセイを実施するための指示書を含むこともでき る。 また、キットは、試験サンプル中の黄色ぶどう球菌の存在及び/または量を検 出するための、並びに黄色ぶどう球菌の存在を検出するための試薬を含めること ができる。前記試薬には、例えばCoADRポリペプチドに特異的に結合し得る 抗体が含まれ得る。 更に、適当な容器中に黄色ぶどう球菌CoADRポリペプチドを含むキットを 、CoADR調節活性について化合物をスクリーニングするために、またはCo ADR−抗体の存在について試験サンプルをスクリーニングするために提供され る。上記キットに使用される試薬を、バイアルもしくはビンのような1個もしく はそれ以上の容器に収容し、各容器にアッセイに使用 されるモノクローナル抗体、モノクローナル抗体のカクテルまたは(組換えまた は合成)ポリペプチドのような別個の試薬を含ませることが考えられる。当業者 に公知の緩衝液、コントロール等の他の成分も前記試験キットに含めることがで きる。前記キットはその使用指示書も含み得る。 本発明を実施するための特定実施例を以下に示す。これらの実施例は例示の目 的で提示したにすぎず、いずれにせよ本発明の範囲を限定するものではない。 使用した数値(例えば、量、温度等)の正確さには努力を払ったが、勿論若干 の実験誤差及び逸脱は斟酌されなければならない。実験 菌株及び培地 CoADR及びゲノムDNA源として使用される黄色ぶどう球菌R8325− 4(プロファージなし)は、カンザス州マンハッタンに所在のカンザス州立大学 、病理学部門のJohn Iandoloから入手した。黄色ぶどう球菌をトリ プシン大豆ブロス(ミシガン州デトロイトに所在のDifco Laborat ories)において標準のインキュベーショ ン条件下、30℃で増殖させた。大腸菌(Escherichia coli)DH5aはGib co,BRLから、菌株BL21(DE3)及びプラスミドpET22B(+) はウィスコンシン州マディソンに所在のNovagenから入手した。大腸菌を LB及びTB培地で37℃で増殖させた。所要により、大腸菌をアンピシリン( 100〜400mg/ml)の存在下で増殖させた。材料 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、 リボフラビン、フラビンアデニンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニ ンジヌクレオチド(FAD)、補酵素Aジスルフィド、グルタチオニルー補酵素 A混合ジスルフィド、3’−デホスホ補酵素A、5,5’−ジチオ−ビス(2− ニトロ安息香酸)(DTNB)、リソスタフィン、ビシンコニニン酸溶液、4% 硫酸銅5水和物溶液、2’,5’−アデノシンジホスフェート(ADP)−セフ ァロース(登録商標)及びフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)は オンタリオ州ミシソーガに所在のSigmaから入手した。3’−デホスホCo Aを、銅(5μM)を含有するpH9.0のTris−HCl(20mM)中、 室温で一晩インキュベートすること によりジスルフィドに酸化した。4,4’−ホスホパンテテインは、CoAをヌ クレオチドピロホスファターゼとインキュベートすることにより製造した。チオ ールは上記のようにして酸化し、ジスルフィドは高速液体クロマトグラフィー( HPLC)により精製した。他の試薬はすべて試薬級もしくはそれ以上であり、 更に精製することなく使用した。一般的方法 黄色ぶどう球菌ゲノムDNAの単離は、Novick、Meth.Enzym ol.204:587−636(1991)の一般的方法により実施した。オリ ゴタクレオチドは、標準ホスホルアミダイト化学によりBeckmanオリゴヌ クレオチド合成装置を用いて製造した。制限酵素及びTaq DNAポリメラー ゼはGibco BRLから、T4 DNAリガーゼ及び仔ウシ腸アルカリホス ファターゼはNew England Biolabsから入手した。DNA断 片及びPCR産物は、Qiaquickスピンカラム(カリフォルニア州サンデ ィエゴに所在のQiagen)を用いて通常通りに精製した。DNA断片を、D IG DNA標識及び検出キット(ケベック州ラバルに所在のBohringe r Mannheim)を用いて ランダムプライマーPCRによりジゴキシゲニンで標識した。プラスミドをQi awellカートリッジ(Qiagen)で精製し、Dye Terminat ion Cycle Sequencingキット及びAmpliTaq DN AポリメラーゼのFS(Perkin Elmer)を用いて配列決定し、AB I 373 DNA自動配列分析装置で分析した。他の試薬はすべて試薬級であ り、更に精製することなく使用した。 タンパク質クロマトグラフィーは、UV及び電導率フローセルを備えた高速相 液体クロマトグラフィー(FPLC)システム(ウプサラに所在のPharma cia)で実施した。ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS−PAGE)及びタンパク質のブロッティングは、トリス−グリシン緩 衝液を用いてMini Protean電気泳動システム(カリフォルニア州リ ッチモンドに所在のBio−Rad)で実施した。SDS−PAGEのための予 染色タンパク質標準はGibcoBRLから入手し、200、97、68、43 、29、18及び14kDであった。ゲル濾過のための分子量標準はBioRa dから入手し、670、158、44、17及 び1.3kDであった。分光光度測定は石英キュベット(500ml)(オンタ リオ州コンコルドに所在のHellma)を用いて熱状態の(thermal− stated)Cary I分光光度計(オーストラリアのVarian)で実 施した。タンパク質サンプルの濃縮は、centriconフィルター(Ami con)を用いて実施した。透析チューブはSpectrum Medical Industries,Inc.から入手した。 FAD、NADPH、CoAジスルフィド(及びデホスホCoAジスルフィド )の濃度をそれぞれ340nm(e340=6220M-1cm-1)、260nm( e260=33,600M-1cm-1)及び450nm(e450=11,000M-1c m-1)で分光光度計で測定した。DTNBアッセイは、EDTA(1mM)を含 有するpH8.0のトリス−HCl(20mM)(TE緩衝液)中で実施し、ニ トロベンゾチオレートアニオンについて412nmでモニターした(e412=1 5,600M-1cm-1(Ellman、Arch.Biochem.Bioph ys.82:70−77(1959))。タンパク質濃度は、ビシンコニニン酸 及び硫酸銅と反応させて測定した(Deutscher、Meth.Enzym ol.182巻、 San Diego:Academic Press,Inc.(1990)) 。精製中、粗抽出物中のCoADR活性をDTNBのNADPH及びCoAジス ルフィド依存還元によりモニターした。DTNB及びすべての基質は0.1mM で添加した。精製したCoADR活性を反応速度論的に分析するために、NAD PHの酸化を340nmの吸光度(De340=6,220M-1cm-1)の減少と して測定し、NaCl(50mM)を含有するpH7.8のトリス−HCl(5 0mM)中で実施した。黄色ぶどう球菌由来のチオールの分析 黄色ぶどう球菌により産生されるチオールの分析を、モノブロモビマン(mB B)(2mM)を含有するpH8.0の20mMトリス−HCl中50%アセト ニトリルに細胞ペレツト(250mg)を再懸濁し、前記懸濁液を暗所にて60 ℃で5分間インキュベートすることにより実施した。コントロールサンプルは、 mBB(2mMまで)を添加する前に同一条件下でN−エチルマレイミド(NE M)(2mM)で前処理した。遠心して細胞破片を除去し、サンプルを逆相HP LC分析のために10mMメタンスルホン酸水溶液に希釈した。実施例1 黄色ぶどう球菌由来の補酵素Aジスルフィド還元酵素の同定 還元型CoAの維持に関与する酵素を同定するために、CoAジスルフィドに 対して特異的なジスルフィド還元酵素について黄色ぶどう球菌を分析した。R8 325−4の一晩培養物(10ml)を遠心し(5000×g、10分)、リソ スタフィン(5mg/ml)を含有するTE緩衝液(3ml)に再懸濁し、懸濁 液が粘性になるまで37℃で30分間インキュベートした。ガラスビーズ(1g )及びPMSF(1mMまで)を添加し、混合物を2分間渦状に混合後遠心して (14,000×g、10分)、不溶性細胞破片を除去した。生じた粘性溶菌液 をTE緩衝液を用いて十分に透析した(3,6000Mrカットオフ)。次いで 、透析物を、DTNB(1mM)のピリジンヌクレオチド(1mM)及びCoA ジスルフィド(1mM)依存還元について分析した。この分析の結果を表1に示 す。表1 黄色ぶどう球菌抽出物中のNADPH及び補酵素A依存酸化還元酵素の同定。黄 色ぶどう球菌抽出物の、各種ピリジンヌクレオチド及びジスルフィド基質の存在 下でDTNBを還元する能力を示す。a:幾つかの抽出物において、DTNBが非常に低いがNADPHに依存して還 元されることが検出された。この還元は、多くの生物中に依存するチオレド キシン/チオレドキシン還元酵素系に起因した。 表1は、透析された黄色ぶどう球菌抽出物の、NADH、NADPH及び各種 ジスルフィド基質の存在及び不在下でDTNBを還元する能力について示す。D TNBは、抽出物をCoAジスルフィド及びNADPHとインキュベートしたと きにのみ還元された。NADH、GSSG、システイン及びパンテテインは、D TNBのNADPH依存還元において機能しなかった。DTNBは、抽出物をC oAジスルフィド及びNADPHとインキュベートしたときにのみ還元される。 NADHはDTNBのCoAジスルフィド依存還元には使用することができず、 GSSGもシステインもパンテテインもDTNBのNADPH依存還元において 機能することができない。これらの結果から、黄色ぶどう球菌は、NADPHに よるCoAジスルフィド還元を特異的に触媒する補酵素Aジスルフィド還元酵素 (CoADR)を産生することが分かる。低レベルのDTNBのNADPH依存 及びCoAジスルフィド依存還元が検出された。この還元はチオレドキシン/チ オレドキシン還元酵素に起因した。実施例2 黄色ぶどう球菌由来のCoADRの精製及び特徴付け A.精製方法 CoADRを、DTNBのNADPH−及びCoAジスルフィド依存還元に従 って黄色ぶどう球菌の細胞抽出物から分画した。TSB(10ml)中、37℃ で増殖させた黄色ぶどう球菌菌株R8325−4の一晩培養物を、TSB(1L )を含む2L容フラスコ10個の各々に対する接種物(0.4ml)として用い た。これらの細胞を37℃で12時間振とう(180rpm)後、遠心(700 0×g、15分)することにより収集した。この後からクロマトグラフィー前ま でサンプルは常に4℃で取り扱った。細胞ペレットをPMSF(1mM)及びリ ソスタフィン(0.5mg)を含有する最小量のTE緩衝液に再懸濁し、37℃ で撹拌しながら1時間(または粘性になるまで)インキュベートし、15,00 0lb/in2で作動するフレンチプレスセルに2回通した後、遠心(15,0 00×g、20分)して不溶性細胞破片を除去した。上清に(NH42SO4を 50%飽和させ、15分間撹拌し、遠心(15,000×g、10分)した。生 じた上清に(NH42SO4を80%飽和させ、遠心し、CoADR活性を有す るペレツトをPMSF(1mM)を含有する最小量のTE緩衝液に溶解させた。 生じた溶液を、PMSF(1mM)を含有するTE緩衝液を用いて十分に透析し た(3,500Mrカットオフ)。 クロマトグラフィーはすべて室温で実施した。透析した(NH42SO4分画 を、pH8.0のトリス−HCl(20mM)である緩衝液Aで平衡化した2’ ,5’−ADP−セファロ−ス(登録商標)アフィニティ−カラム(1×5cm )に流した(1.0ml/分)。カラムを緩衝液A(25ml)で洗浄した後、 緩衝液A中NaClの濃度を0〜4Mに直線的に勾配させた溶離液(35ml) を用いて勾配溶離させた。CoADR活性を示す分画(1ml)を集め、濃縮し 、電導率を低下させ るために緩衝液Aで2回希釈し、緩衝液Aで平衡化したMonoQ HR 5/ 5アニオン交換カラム(1ml)に流した(1.0ml/分)。カラムを緩衝液 A(5ml)で洗浄し、緩衝液A中NaClの濃度を0.3〜0.6mMに直線 的に勾配させた溶離液(25ml)を用いて勾配溶離させた。CoADR活性を 示した分画の純度をSDS−PAGE(濃縮用ゲル5%、分離ゲル12%)及び 銀染色により調べた。 10Lの黄色ぶどう球菌細胞由来のCoADRの精製を示すチャートを表2に 示す。表2 黄色ぶどう球菌由来の補酵素Aジスルフィド還元酵素の精製 a:単位は、1分間で2mmolのDTNB(または1mmolのCoジスルフ ィド)の還元を触媒するのに必要な酵素の量である。 表2に示すように、主たる精製工程は2’,5’−ADP−セファロースアフ ィニティークロマトグラフィーであり、300 倍に精製された。2’,5’−ADPは、マイクロモルアフィニティー(表3参 照)を示す酵素の天然基質であるNADPHに良く似ている。ADPカラムから のCoADRは3種の他のタンパク質で汚染されており、これら汚染物はMon oQアニオン交換クロマトグラフィーで容易に除去された。CoADR活性は2 つのピークで溶離された。第2のピークは、第1のピークよりもより高い比活性 を有しており、更なる研究のために保持される唯一の画分であった。この画分を SDS−PAGE、次いで銀染色すると、該画分が95%以上の均質性を有する ことが判明した。これ以後の物理的及び化学的特徴付けはこのサンプルについて 実施した。B.CoADR天然分子量の測定 CoADRの天然(本来の)分子量をゲル排除クロマトグラフィーにより概算 した。MonoQカラムからの精製CoADRサンプル(0.5ml)を、Na Cl(1M)を含有するpH8.0のトリス−HCl(20mM)で平衡化した セファロース6 HR 10/30ゲル排除カラム(Pharmacia、25 ml)に充填し、次いで同じ緩衝液で無勾配溶離させた。CoADRを含有する 画分を、UV吸光度及び活性測定により 同定した。CoADRの天然分子量を、パラメーターK対タンパク質標準の分子 量の対数の標準プロットからKを外挿することにより概算した。パラメーターK は(Ve−Vo)/Vsとして定義され、Veは当該タンパク質を溶離させるのに必 要な溶媒の容量であり、Voはボイド容量すなわち完全に除外されたタンパク質 を溶離させるのに必要な溶媒の容量であり、Vsはカラムの全容量からボイド容 量を差し引いて求められる固定相の容量である。Freifelder(197 6)Physical Biochemistry(ニューヨークのW.H.F reeman and Company)参照。 精製CoADRは、SDS−PAGEに従って〜50kDの見かけ分子量を有 する単ポリペプチドとして移動する。天然CoADRはセファロース(supe rose)ゲル濾過カラムから44〜158kDの間に溶出する。CoADRに ついて算出したK値(0.5)から、約85kDの分子量と外挿され得る。この ことから、CoADRは天然状態でホモダイマーであると示唆される。C.フラビン補因子の同定 精製CoADRの吸光度スペクトルは、454nmと360 nmに最大を有する典型的なフラビン酵素の吸光度スペクトルである。見かけ上 結合しているフラビンを同定するために、精製CoADRを変性し、逆相GPL C上の遊離補因子の移動をリボフラビン、FMN及びFADと比較した。CoA DR(10mM)のサンプル(0.1ml)を95℃で10分間加熱した後、遠 心(17,000×g、10分)して変性タンパク質を除去した。次いで、上清 を逆相HPLCで分離した。Sundquistら、J.Biol.Chem.264 :719−725(1989)参照。 精製CoADRの可視吸光度スペクトルは、フラビン酵素のスペクトルの典型 である。酵素は450nmと360nmに1maxを有する。加熱遠心したCoA DRは検出可能なCoADR活性を持たないことを示し、SDS−PAGEゲル では認められなかった。サンプルはフラビンの吸光度スペクトルを維持していた 。このことから、加熱により補因子が放出され、遠心により変性タンパク質が除 去されたことが示唆される。逆相HPLCにより分離されたフラビンサンプルの クロマトグラフは、CoADR由来のフラビンはFADと同様に移動し、リボフ ラビンまたはFMNよりもかなり遅く溶離することを示した。従って、 CoADRは補因子として非共有結合したFADを利用するフラビン酵素である 。CoADRから遊離されるフラビンの定量から、変性された酵素1サブユニッ ト当たり1フラビン分子が遊離することが分かる。D.チオール/活性サイト CoADRが触媒作用のシステイン残基を利用したかどうかを調べるために、 活性サイトのチオール価を測定した。TE中に酸化CoADR(9.5mM)を 含む溶液を室温でNADPH(0.2mM)と10分間インキユーベートした後 、尿素(8M)及びDTNB(0.2mM)を含有するTEで1:1に希釈した 。次いで、412nmでの吸光度を測定し、CoADRをNADPHとインキュ ベートしなかった以外は同一の反応の吸光度と比較した。次いで、FAD当たり の遊離したチオールの数を計算した。 チオールは細胞において最も反応性の求核物質である。mBBは非常に反応性 の求電子物質であり、多くの細胞求核物質と反応する。しかしながら、NEMは あまり反応性でなく、チオールに対してより選択性である。よって、チオールが mBBと反応しないようにチオールを修飾するために、サンプルをNEM で前処理する。チオールは、NEM前処理サンプルでは認められないがmBB処 理サンプルでは認められるピークとして同定される。黄色ぶどう球菌は、主とし てCoA、H2S及び少量のシステインを産生する。CoAの3’−脱リン酸化 はHPLCプロトコールの酸性条件で起こり、よってCoAはCoAと3’−デ ホスホ−CoAの複合ピークにより測定される。H2Sの大部分はおそらくFe Sタンパク質から生じたのであろう。18分に見られる大きなピークは既に分離 され、ビスメチルビマンと特徴付けられた。この化合物は幾つかの細胞因子によ るmBBの脱メチル化により生じたものであろう。GSHは検出されなかった。 CoADRをNADPHで還元すると3.2±0.2チオール/サブユニット (FAD濃度に従って)を遊離したが、NADPHとインキュベートしなかった 変性酵素では0.9±0.2チオールが検出されたにすぎなかった。このことか ら、酸化状態のCoADRが多分コアに覆われて1個の還元型システインを有し 、NADPHで還元すると少なくとも1個の酵素システインを含むジスルフィド 結合が還元されることが示唆される。従って、CoADRは多分CoAジスルフ ィドの還元に おいてチオール−ジスルフィド交換メカニズムを利用する。このことから2個の システイン残基を有する活性サイトが示唆されるが、NADPHとインキュベー トすると少なくとも1個の酵素チオールを含むジスルフィド結合が還元されるこ とのみが示される。実際、CoADRは1個のみの活性サイトシステインを利用 し、酸化酵素形態の前記CoADRはCoAと混合ジスルフィドを形成する。E.システイン、GSH及びCoAのCu2+触媒酸化 重金属触媒酸化に対するCoAの相対安定性を調べるために、システイン、G SH及びCOAのCu2+触媒酸化速度を比較した。CuCl2(1mM)を含有 するpH7.5のトリス−HC1緩衝液(20mM)中にチオール(1mM)を 含有する各サンプル(2ml)を室温でインキュベートした。次いで、各サンプ ルのアリコート(100ml)を、EDTA(1mM)を含有するpH8.0の トリス−HCl緩衝液(20mM)中にDTNB(1mM)を含む溶液(900 ml)に添加することにより、チオール測定を複数回実施した。これらのサンプ ルの412nmでの吸光度を測定し、残存チオール濃度を測定した。 システインはすべての細胞にとって必要であるが、システインが主要な細胞チ オールであることはまれであり、特に好気性生物においてそうである。これは、 システインが酸素に接したときに迅速な金属触媒自己酸化を受けてシステイン及 び過酸化水素を生ずるためと考えられる。 2Cys−SH+Cu2++O2→ Cys−SS−Cys+CU2++H22 グルタチオンは、金属触媒酸化に対して非常に安定なシステイン貯蔵源となる。 CoAは黄色ぶどう球菌において主たるチオールとしてシステインの有効な貯蔵 形態でないものの、CoAは金属触媒酸化に対して耐性でなければならない。C ys、GSH及びCoAの銅触媒自己酸化速度はそれぞれ異なる。システインは 酸化に対してともかく安定である。CoA及びGSHは比較的安定であり、シス テインに比較するとかなり安定である。従って、黄色ぶどう球菌中の高濃度Co Aは、他の生物においてGSHにより提供されるものに類似の安定なチオール緩 衝系を表す。F.CoADR基質特異性の反応速度特徴付け CoADRはCoAジスルフィド及びNADPHに対して特 異性を示す。これらの基質及び他の種々生物学的ジスルフィドに対するCoAD Rの特異性を反応速度論的に定量した。37℃に維持した1cm路長石英キュベ ットにおいて反応速度を測定した。各アッセイ(0.3ml)を、CoADR( 2〜10nM)と、NADPH(2〜200μM)と、CoAジスルフィド(2 〜200μM)、3’−デホスホ−CoAジスルフィド(10〜500μM)、 4,4’−ジホスホパンテチン(2〜400μM)、パンテチン(10μM〜1 00mM)、グルタチオンジスルフィド(10μM〜100mM)、システイン (10μM〜100mM)及びCoA−グルタチオン混合ジスルフィド(10μ M〜100mM)のいずれかとを含む緩衝液A中で実施した。酵素及びNADP Hは緩衝液中で合わせ、37℃に平衡化し、ジスルフィド基質を添加して反応を 開始した。CoADRの活性を、NADPH酸化により生ずる吸光度の減少とし て340nmでモニターした。すべての反応速度測定を直線範囲で記録し、各分 析について少なくとも7種の基質濃度を使用した。反応速度定数を、初期速度デ ータをプログラムHyperOを用いるミカエリス・メンテン式へ直線最小二乗 法に適合させて算出した。Cleland、Meth.Enzymo 1.63:103−138(1979)参照。この分析の結果を表3に示す。 NADPH及びCoAジスルフィド濃度を一定にしてpHを6.0〜9.0の 範囲で変化させたところ、CoADRは7.5〜8.0のpHで最適に機能する ことが分かった。CoADRは、生理学的基質であるCoAジスルフィド及びN ADPHに対して非常に特異的であり、μM濃度の各基質で飽和される。飽和C oAジスルフィドでのNADPHのKmは2μMであり、飽和NADPHでのC oAジスルフィドのKmは11μMであった。表3は、各種ジスルフィド基質の NADPHによるCoADR触媒還元の反応速度分析の結果を示す。表3 黄色ぶどう球菌補酵素Aジスルフィド還元酵素aにより触媒された、NADPH の各種ジスルフィド基質による酸化の定常状態反応速度分析 a:CoAジスルフィドを120mMに維持して、NADPHの反応速度パラメ ーターを測定し、NADPHをジスルフィド基質に対して200mMに維持 した。 nd:活性を検出しなかった。 CoAを構成する化学部分(chemical moieties)を選択的 欠失させることにより、該化学部分のCoAジスルフィドの結合及び代謝回転に 対する関係について若干の見解が得られた。NADPHからの水素化物イオン転 移(hydride transfer)が今まで研究されたピリジンヌクレオ チド依存ジスルフィド還元酵素に対して律速的であるので、各基質のkcat値が 類似していることは驚くことではな い。3’−リン酸部分は主に基底結合(〜1.5kcal)に関与し、3’−デ ホスホ−CoAジスルフィドの場合、CoAジスルフィドに比較してkcatは検 出できるほど変化しなかったがKmは10倍に増加した。4,4’−ジホスホパ ンテチンの場合には、3’−デホスホ−CoAジスルフィドと比較してKmは同 等であるが、kcatは1/2〜1/3であったことは興味深い。従って、アデニ ル部分が基底状態結合に関与するのではなく、むしろ遷移状態結合に関与すると 考えられる。更に、4,4’−ジホスホパンテチンのkcatが低いことから、ジ スルフィド還元がこの基質に対して律速的であることが示唆される。パンテチン はCoADRにより代謝回転されないので、4−及び4’−リン酸部分が基質結 合及び代謝回転に対して必須であることは明らかである。驚くべきことに、Co ADRは高いKm=1.1mMでCoASSGに対して作用した。GSSGまた はシステインに対する活性は検出されなかった。実施例3 黄色ぶどう球菌CoADRの組換え産生 黄色ぶどう球菌CoADRをコードする遺伝子を以下の方法により単離し、配 列決定した。一般に、遺伝子は、CoADR のN末端配列及び図4Bに示す酵素の内部アミノ酸配列に基づく表4Aに示す縮 重プライマーを使用して、PCRにより同定した。PCRにより作製したDNA 断片を標識し、cdr遺伝子を有する黄色ぶどう球菌由来の4.5kB Hin dIII断片を単離する際のプローブとして使用した。読み取り枠の配列及び推定 アミノ酸配列をそれぞれ、図1及び図2に示す。表4A CoADRをコードする遺伝子の内部領域のPCR増幅に使用される縮重オリゴ ヌクレオチドプライマー 表4B CoADRをコードする遺伝子の内部領域のPCR増幅に使用される縮重オリゴ ヌクレオチドプライマー CoADRのN−末端をコードするDNA断片の同定 CoADRを実施例2に示すように精製した。CoADR及び臭化シアンで切 断したCoADR(Matsudaira、Meth.Enzymol.182 :602−613(1990))をSDS−PAGEにより分離し、Immob ilonPVDF膜(Millipore)にブロットし、(酢酸の不在下で) クーマシーブルー染色で可視化した。天然CoADR及び35kD CNBr切 断生成物に相当するバンドを切り取り、N−末端配列決定のためにブリティッシ ュコロンビア州ビクトリアに所在のビクトリア大学のタンパク質配列決定研究所 (Protein Sequencing Laboratory)に依頼した 。天然CoADR及び35kD CNBr切断生成物のN−末端アミノ酸配列を 表4Bに示す。 N−末端(コーディング)及び内部(非コーディング)配列をコードさせるた めに設計した縮重オリゴヌクレオチドを、黄色ぶどう球菌ゲノムDNAのPCR 用プライマーとして使用した。PCR反応物は、ゲノムDNA(10ng)、5 ’−GG(AT)GC(AT)GT(ACT)GC(AT)GG(AT)GG( AT)GC−3’(配列番号 )(100pmol)、 5’−AAG(AT)G(CA)AAATAG(AG)TTAATAG(AG) TT(AT)AT(AT)CCAAC−3’(配列番号 )(100pmol) 、MgCl2(2.4mM)、塩化テトラメチルアンモニウム(Sigma)( 60mM)、デオキシヌクレオチドチオホスフェート類(dNTP)(各0.2 5mM)及び1XPCR緩衝液(Gibco BRL)を含んでいた。反応物を 95℃(30秒)、47℃(30秒)及び72℃(30秒)で30サイクルイン キュベートした。生じた600bp PCR産物をTAクローニングキット(I nvitrogen)を用いて直接クローン化し、プラスミドpCRII(TAク ローニングベクター(Invitrogen))の複数クローニングサイトのフ ランキング領域に相同である普遍「前進」及び「逆」プライマーを使用して配列 決定した。CoADRをコードする遺伝子のクローニング及び配列決定 CoADRのN−末端をコードするクローン化PCR断片を、EcoRIで消 化することによりTAクローニングベクターから切り出し、アガロースケルから バンドを精製した。断片をジゴキシゲニンで標識し、プローブするために使用し た。黄色ぶどう球菌ゲノムDNAのサザンブロットを各種制限酵素で消化 した。緊縮条件(68℃、0.1%SDSを含有する0.1 SSC緩衝液)下 でプローブにハイブリダイズした単−4.5kB HindIII断片をプラスミ ドpUC18にサブクローニングし、配列決定した。初期配列決定プライマーを 、上記したPCR断片の配列内にプライムさせ、フランキング領域に配列決定さ せるために設計した。新しいプライマーを、新しい配列内に設計し、全遺伝子の ヌクレオチド配列を少しずつ決定した。配列をすべて、コーディング鎖及び非コ ーディング鎖を配列決定することにより確認した。大腸菌におけるCoADRの異種過剰発現 CoADRをコードする読み取り枠を、N−末端PCRブライマーGGGAA TTCCATATGCCCAAAATAGTCGTAGTCGG(配列番号 ) 及びC−末端PCRブライマーCCCAAGCTTTATTTAGCTTTGT AACCAATCAT(配列番号 )を用いてPCR増幅させた。生じた断片を 、Ndel及びHindIIIを用いて消化し、精製し、予め同じ2つの酵素を用 いて消化し、同様に精製したpET22B(+)(ウィスコンシン州マディソン に所在のNovagen)に結合して、プラスミドpCDRXを作製した。pC DRXを 有する大腸菌BL21(DE3)細胞の一晩培養物(10ml)をTB培地(1 0ml)で2回洗浄し、アンピシリン(400mg/ml)を含有する同じ培地 (1L)に対する接種物として使用した。生じた培養物を中間定常相(A600nm =1.2)に達するまで37℃でインキュベートし、IPTG(〜1mM)を添 加することにより組換えCoADR(rCoADR)を発現させるべく誘導後、 37℃で更に3時間インキュベートした。細胞を収集し、組換え酵素を、細胞を 破砕するのを助けるためにリソスタフィンに代えてリゾチーム(2mg/ml) を使用した以外は天然CoADRについて実施例1で記載したように精製した。 生じた組換え酵素の純度を、SDS−PAGE及びブリリアントブルー染色によ り測定した。大腸菌グルタチオン還元酵素からの比活性及び純度を、比色分析に よりNADPHの酸化を分光光度計で追跡することにより測定した。この方法に より、>98%純度を有しかつグルタチオン還元酵素活性を持たない細胞溶菌液 の可溶性画分からrCoADRを約10mg/mlを回収することができる。遺伝子不活性化 cdr遺伝子の内部断片を有するプラスミドをCambel l様組込みによりRN4220染色体に組換えることにより、黄色ぶどう球菌の cdr-菌株であるRN4220を作製した。生じた突然変異体は、TSAプレ ート上に小コロニーを形成し、飢餓条件下から10%未満の回収率を有した。 上述したように、単離された黄色ぶどう球菌CoADRポリペプチド及び黄色 ぶどう球菌CoADRをコードするDNAが本発明により提供される。本発明の 好ましい実施態様について若干詳細に記載してきたが、請求の範囲により規定さ れる本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく自明な変更を加えることができる ことは当然である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 9/02 9/02 C12P 21/08 15/02 C12Q 1/68 A C12P 21/08 G01N 33/569 E C12Q 1/68 F G01N 33/569 C12N 15/00 C A61K 37/02 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:445) (72)発明者 デルカルデイヤ,ステイーブン・ビー カナダ国、ブリテイツシユ・コロンビア・ ブイ・6・テイ・1・アール・9、バンク ーバー、アケイデイア・ロード・ナンバ ー・120―2730 (72)発明者 デイビス,ジユリアン・イー カナダ国、ブリテイツシユ・コロンビア・ ブイ・6・アール・1・ブイ・3、バンク ーバー、ウエスト・シツクスス・アベニユ ー・4428

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 単離された黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)補酵素Aジスルフ ィド還元酵素(CoADR)ポリペプチド。 2. 図2に示すアミノ酸配列(配列番号 )を有する請求の範囲第1項に記載 のCoADR。 3. 請求の範囲第1項に記載の黄色ぶどう球菌CoADRをコードする単離ポ リヌクレオチド。 4. 請求の範囲第2項に記載の黄色ぶどう球菌CoADRをコードする単離ポ リヌクレオチド。 5. 請求の範囲第3項に記載のポリヌクレオチドを、前記ポリヌクレオチドの 転写を誘導して前記ヌクレオチドを宿主細胞において発現させるコントロール配 列に作動可能に結合して含む発現ベクター。 6. 請求の範囲第5項に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。 7. 黄色ぶどう球菌補酵素Aジスルフィド還元酵素を産生する方法であって、 請求の範囲第6項に記載の宿主細胞を前記補酵素Aジスルフィド還元酵素を産生 し得る条件下で培養し、前記補酵素Aジスルフィド還元酵素を回収することを含 む方法。 8. 黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)CoADRをコードするポリ ヌクレオチドの存在を検出するのに有用なプローブであって、適切な緊縮条件下 で前記ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズし得る少なくとも8個のヌク レオチドを含むオリゴヌクレオチドからなるプローブ。 9. 黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)補酵素Aジスルフィド還元酵 素(CoADR)と反応性の抗体。 10. 前記抗体がモノクローナル抗体である請求の範囲第9項に記載の抗体。 11. 前記抗体がポリクローナル抗体である請求の範囲第9項に記載の抗体。 12. 黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)補酵素Aジスルフィド還元 酵素(CoADR)活性を制御する化合物を同定する方法であって、 (a)NADPHからNADP+への酸化を同時に伴う前記補酵素Aジスルフィ ドから補酵素Aへの特異的還元を触媒し得る黄色ぶどう球菌CoADRを準備し 、 (b)試験化合物を前記CoADRと接触させ、 (c)試験化合物のCoADR活性に対する影響を測定し、そ れにより黄色ぶどう球菌CoADR活性を制御する化合物を同定することを含む 方法。 13. グラム陽性菌に感染している個体の前記感染を治療する方法であって、 前記個体に対して請求の範囲第12項に記載の方法により同定された化合物を抗 微生物有効量投与することを含む方法。 14. 前記感染が黄色ぶどう球菌感染である請求の範囲第13項に記載の方法 。 15. 化合物がパンテチン誘導体である請求の範囲第14項に記載の方法。 16. 黄色ぶどう球菌を含んでいるかもしくは含んでいると疑われるサンプル 中の黄色ぶどう球菌を検出する方法であって、 (a)前記サンプルを請求の範囲第8項に記載のオリゴヌクレオチドプローブと 接触させ、それによりハイブリッド複合体を形成し、 (b)前記ハイブリッド複合体の存在を検出し、 (c)前記ハイブリッド複合体の存在を前記テストサンプル中の黄色ぶどう球菌 の存在と相関させることを含む方法。 17. 黄色ぶどう球菌を含んでいるかもしくは含んでいると 疑われるサンプル中の黄色ぶどう球菌を検出する方法であって、 (a)前記サンプルを請求の範囲第9項に記載の抗体と接触させ、それにより抗 体−CoADR複合体を形成し、 (b)前記複合体の存在を検出し、 (c)前記複合体の存在を前記テストサンプル中の黄色ぶどう球菌の存在と相関 させることを含む方法 18. 黄色ぶどう球菌を含んでいるかもしくは含んでいると疑われるサンプル 中の黄色ぶどう球菌を検出する方法であって、 (a)前記テストサンプルを、黄色ぶどう球菌Aジスルフィド還元酵素(CoA DR)により触媒的に活性化されたときに検出可能な信号を生ずる基質を含む組 成物とイキュベートし、 (b)前記信号の存在を検出し、 (c)前記信号の存在を前記テストサンプル中の黄色ぶどう球菌の存在と相関さ せることを含む方法 19. 補酵素Aジスルフィド還元酵素(CoADR)ポリペプチドを含む細菌 細胞培地からCoADRポリペプチドを単離する方法であって、 (a)前記細菌細胞培地を用いてタンパク質沈殿工程を実施して第1CoADR 混合物を得、 (b)前記した第1CoADR混合物をアフィニティー精製工程にかけて第2C oADR混合物を得、 (c)前記した第2CoADR混合物をアニオン交換クロマトグラフィーにかけ て、CoADR濃度が前記細菌細胞培地CoADR混合物よりも高い第3CoA DR混合物を得ることを含む方法。 20. 前記沈殿工程が、細菌細胞培地に50%飽和まで硫酸アンモニウムを添 加して第1沈殿物と第1上清を生成し、第1上清を回収し、80%飽和まで硫酸 アンモニウムを添加して第2沈殿物と第2上清を生成し、第2沈殿物を回収する ことを含む請求の範囲第19項に記載の方法。 21. アフィニティー精製工程を2’,5’−アデノシンジホスフェートアフ ィニティーマトリックスを用いて実施する請求の範囲第19項に記載の方法。 22. アニオン交換工程を強アニオン交換マトリックスを用いて実施する請求 の範囲第19項に記載の方法。 23. アフィニティー精製工程を2’,5’−アデノシンジホスフェートアフ ィニティーマトリックスを用いて実施し、アニオン交換工程を強アニオン交換マ トリックスを用いて実施す る請求の範囲第20項に記載の方法。 24. 請求の範囲第19項に記載の方法により産生される黄色ぶどう球菌補酵 素Aジスルフィド還元酵素。 25. (a)CoADRをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダ イズし得るオリゴマーまたはその一部、及び(b)診断テストを実施するための 指示書を含む診断用テストキット。 26. (a)黄色ぶどう(Staphylococcus aureus)球菌CoADRポリペプチ ドに特異的に結合し得る抗体、及び(b)診断テストを実施するための指示書を 含む診断用テストキット。 27. (a)黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)CoADRポリペプ チド、及び(b)診断テストを実施するための指示書を含む診断用テストキット 。 28. 微生物の補酵素Aジスルフィド還元酵素活性を効果的に阻害する、微生 物を抑制または死滅させる化合物。 29. 前記微生物がグラム陽性菌である請求の範囲第28項に記載の化合物。 30. 前記グラム陽性菌がぶどう球菌菌種(Staphylococcus spp.)である請 求の範囲第29項に記載の化合物。 31. 前記グラム陽性菌が腸球菌菌種(Enterococcus spp.)である請求の範 囲第29項に記載の化合物。 32. 微生物感染していると疑われる個体を治療する方法であって、前記個体 に対して医薬的に許容され得る賦形剤中の請求の範囲第25項に記載の化合物を 前記微生物を抑制または死滅させるのに有効な量投与することを含む方法。
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