JP2000503248A - 内視鏡装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内視鏡装置（１０）は、ハンドルアッセンブリ（１２）と、先端（１６）及び前記ハンドルアッセンブリに固定された基端（１８）を持つ外チューブ（１４）とを有する。外チューブの最外面には、外チューブの長さ方向に延びる溝（２０）が設けられている。本装置は、流体を基端から先端への方向に導くため、溝に配置されるイリゲーションチューブ（３０）を更に有する。

Description

【発明の詳細な説明】 内視鏡装置 発明の背景 １．発明の分野 本発明は内視鏡に関し、更に詳細には、イリゲーション流体を装置の先端まで 導くための手段を有する内視鏡装置に関する。 ２．従来技術の説明 腔（cavity）又は開口部の検査に使用される器具である内視鏡には、医療及び 他の技術において非常に多くの用途がある。医療の分野では、内視鏡を使用する ことによって組織又は他の生物学的試料を検査できる。これは、手術場所を検査 する目的で、組織を採取する目的で、及び／又は他の手術器具の操作を容易にす る目的で、浸襲的で外傷を伴う手術を回避する目的で行われる。 医療で使用された旧式の従来の内視鏡は、その先端（前端）に対物レンズユニ ットを有する。このユニットは、対物レンズユニットの前方の領域の画像を、接 眼レンズで見るため、内視鏡の基端（後端）に伝達する。画像は、リレーレンズ セット又は光ファイバ束ユニットの形態の画像提供手段を介して接眼レンズに伝 達される。最近では、接眼レンズ及び画像提供手段の少なくとも部分の代わりに 、ＣＣＤチップを構成する装置等の小型ソリッドステートビデオ撮像装置を対物 レンズの結像平面に設け、ビデオ撮像装置の出力を適当な電子的伝達システムを 介して使用者が視認するためのビデオモニターに加えることが好まれている。両 方の種類の画像伝達装置及び視認装置に関し、外科医は、表示された画像を視認 でき、前記画像によって提供された情報を使用し、内視鏡及び患者の身体の他の 切開口又は開口部を介して患者に挿入してある他の手術器具を操作できる。ソリ ッドステートビデオ撮像装置を備えた内視鏡の場合には、対物レンズユニットか らの画像をビデオモニターが構成するディスプレーで拡大して又は拡大なしで観 察できる。 １９９４年１０月７日にコイチ・ホリ等の名で出願された米国特許出願第０８ ／３１９，８８６号には、最新型の内視鏡の光学部品、電子部品、及び機械部品 が示してあり且つ説明されている。 （１）内視鏡の窓をきれいにするため及び／又は（２）内視鏡の場所を灌注す るため、内視鏡の先端に流体（液体又はガス、空気を含む）を提供する目的で内 視鏡内に又は内視鏡上にイリゲーションチューブを設けるのが有利であるという ことがわかっている。 従来、灌注の必要のため、内視鏡の改造は全くうまくいかなかった。例えば、 幾つかの従来技術の装置には、内視鏡の外面の周りに外部シースが設けられてお り、内視鏡と周囲シースとの間にイリガント（irrigant）を流すことができた。 しかしながら、手術用内視鏡の重要な必要条件は、内視鏡の最大断面寸法を極め て小さくしつつ、浸襲的であり且つ外傷を伴う手術を回避することである。外部 シースが加えられると、内視鏡の直径が必然的に大きくなる。 別の従来技術の装置では、永久的な外部チャンネルが設けてあり、これにより 内視鏡の直径が局部的に増大し、内視鏡を円形断面のトロカールシースと関連し て使用することが困難になる。 更に別の従来技術の装置では、小径のイリゲーションチューブが内視鏡の内部 構造と一体化してある。内視鏡の内部空間に課せられた要求のため、イリゲーシ ョンチューブの直径は必然的に非常に小さくなる。これらのイリゲーションチュ ーブは、その位置及び大きさのため、殺菌が非常に困難である。 かくして、問題点を解決しようとする従来の試みにも拘わらず、内部空間をほ とんど又は全く必要とせず、内視鏡の直径を実質的に拡大せず、殺菌を比較的容 易に行うことができるイリゲーションチューブ装置に対する必要が残されている 。 発明の概要 従って、本発明の目的は、内部空間をほとんど又は全く必要とせず、内視鏡の 直径を拡大することが実質的になく、殺菌を比較的容易に行うことができるよう に形成されており且つ構成された灌注手段を持つ内視鏡装置を提供することであ る。 以上の目的及び下文において明らかになる他の目的に鑑み、本発明の特徴は、 ハンドルアッセンブリと、先端及びハンドルアッセンブリに固定された基端を持 つ外チューブとを有する内視鏡装置を提供することである。外チューブの最外面 には、外チューブの長さ方向に延びる溝が設けられている。本装置は、流体を基 端から先端への方向に導くため、溝に配置されるイリゲーションチューブを更に 有する。 本発明の上述の特徴及び様々な新規な構造上の詳細及び部品の組み合わせを含 む他の特徴を添付図面を参照して以下に詳細に説明し、請求の範囲で指摘する。 本発明を具体化した特定の装置は、単なる例示として示してあり、これは本発明 を限定するものではないということは理解されよう。本発明の原理及び特徴は、 本発明の範囲から逸脱することなく、様々な多くの実施例で使用できる。 図面の簡単な説明 本発明の例示の実施例が示してある添付図面を参照する。これらの図面から、 新規な特徴及び利点が明らかになる。 第１図は、本発明の一実施例を例示する内視鏡装置の一形態の分解斜視図であ り、 第２図は、分解した部品を一緒に示す、第１図のII−II線に沿った部分断面図 であり、 第３図は、本発明の変形例を示す第２図と同様の部分断面図であり、 第４図は、カニューレ装置と組み合わせた第３図の実施例の断面図であり、 第５図は、本発明の変形例を示す第３図と同様の部分断面図であり、 第６図は、本発明の別の変形例を示す第２図と同様の部分断面図であり、 第７図は、本発明の更に別の変形例を示す第３図と同様の部分断面図であり、 第８図は、本発明のそらせ板部分を示す、内視鏡装置の端部分の分解斜視図で あり、 第９図は、第８図のIX−IX線に沿った断面図であり、 第１０図は、本発明の変形例のそらせ板部分を示す、内視鏡装置の端部分の斜 視図であり、 第１１図は、そらせ板部分の別の変形例を示す、第１０図と同様の斜視図であ る。 例示を容易にするため、及び本発明の新規な特徴の性質を更によく示すため、 幾つかの部品の相対的な大きさは、必ずしも図示の縮尺通りではない。 好ましい実施例の説明 内視鏡には、一方が他方の内側にある可撓性又は剛性の一対のチューブを備え ている。機能的な内視鏡を形成するのに必要な様々な光学部品、電子部品、及び 機械部品が内チューブの内側に設けられている。好ましくは、光伝達手段が内チ ューブと外チューブとの間に配置されているが、必ずしも配置されていなくても よい。別の態様では、内視鏡は、機能的な内視鏡を形成するのに必要な様々な光 学部品、電子部品、及び機械部品を収容した可撓性又は剛性の単一のチューブか らなるのがよい。従って、本明細書中で使用されているように、「外チューブ」 という用語は、複数のチューブのうちの最も外側のチューブ又は単チューブ内視 鏡の単一のチューブのいずれかに関して使用される。 第１図を参照すると、本発明の内視鏡装置１０の例示の実施例は、ハンドルア ッセンブリ１２及び外チューブ１４を含む。外チューブ１４は、先端１６及びハ ンドルアッセンブリ１２が固定された基端１８を有する。外チューブ１４及びハ ンドルアッセンブリ１２内に収容された内視鏡の光学部品、電子部品、及び機械 部品は、様々な形態をとることができ、例えば、上掲の特許出願に開示されてい るような形態をとるのがよい。本願では、これらの部品は、本発明の部分を形成 しないため、詳細に説明しない。本発明は様々な形態の内視鏡で実施できる。 第１図を参照すると、外チューブ１４の長さ方向に延びる少なくとも一つの溝 ２０が外チューブ１４の最外面２２に設けられていることがわかる。更に、内視 鏡装置１０の溝２０には、外チューブ１４の基端１８から外チューブ１４の先端 １６への方向に流体（空気を単独で又は組み合わせて含む液体及び／又はガス） を導くためのイリゲーションチューブ３０が設けられる。 第２図及び第３図を参照すると、チューブ１４の溝２０の断面が全体に円形で あり、外チューブ１４の最外面２２に第１部分２４が設けられているということ がわかる。第１部分は、外チューブ１４の最外面２２から除去した溝２０の第２ 部分２６よりも狭幅である。 第２図を更に参照すると、一実施例では、イリゲーションチューブ３０は実質 的にＤ字形状であり、チューブ３０の平坦部分３２が溝２０の狭幅の第１部分２ ４に配置されるようになっており、チューブ３０の丸味を帯びた部分３４が溝２ ０の第２部分２６に配置されるようになっているということがわかる。イリゲー ションチューブ３０の平坦部分３２を溝２０の狭幅の第１部分２４に配置するこ とにより、チューブ３０の形態を全体として溝２０の形態と一致し、外チューブ １４の最外面２２の周囲の形態と一致する。即ち、この実施例では、イリゲーシ ョンチューブ３０は外チューブ１４の最外面２２を越えて外方に突出した部分が 全くない。 第２図に示すように、幾つかの内視鏡では、特に単チューブ内視鏡では、チュ ーブ１４の壁２８は、溝２０を機械加工で形成するのに十分な壁厚を備えている 。こうした場合には、溝２０及びイリゲーションチューブ３０は、外チューブ１ ４の内部に空間を必要としない。他の内視鏡、特に二つの同心のチューブを持ち 、チューブ１４の壁２８’が溝２０の深さよりも薄い内視鏡では、第６図に示す ように、外チューブ１４の壁２８’は溝２０を持つように成形される。この実施 例は、薄い外チューブ壁２８’を使用することによって差し引かれた空間よりも 多い所定量の内部空間を必要とする（外チューブ１４の外径が一定である場合） 。 第３図乃至第７図を参照すると、変形例では、イリゲーションチューブ３０は 円形の形態を有し、外チューブ１４の最外面２２を越えて僅かに延びているとい うことがわかる。チューブ３０は十分に可撓性であり、カニューレ装置５０（第 ４図参照）とともに使用した場合、イリゲーションチューブ30は溝20に押し込ま れ、実質的に「Ｄ」字形状をとる。 イリゲーションチューブ３０は、イリゲーションチューブ３０を溝２０内に外 チューブ１４の半径方向内方への方向で挿入できるのに十分な弾性を持つエラス トマー材料等の材料でできているのがよい。更に詳細には、イリゲーションチュ ーブ３０は、第１溝部分２４を通って第２溝部分２６に「スナップ嵌め」するの に十分な変形性を備えているのがよい。別の態様では、イリゲーションチューブ ３０は、イリゲーションチューブ３０を溝２０内に及びこの溝を通して軸線方向 に移動できるのに十分な剛性及び構造的強度を備えているのがよい。軸線方向へ の挿入について十分であることがわかっている一つのイリゲーションチューブは 、ジュロメーター硬度が６０のテフロンフルオロエラストマーでできており、外 径が１．０１６mm（０．０４０インチ）で内径が０．４８３mm（０．０１９イン チ）である。 イリゲーションチューブ３０は、その先端３６にそらせ板３８（第８図参照） を設けることができる。そらせ板３８は、内視鏡の外チューブ１４の先端面を越 えて僅かに延びており、このチューブの軸線に向かって内方に角度が付けてあり 、これによって、外チューブ１４の先端１６を閉鎖する窓４０を洗浄し、きれい にするため、この窓に向かって流体を内方に差し向ける。溝２０には、そらせ板 ３８をぴったりと受け入れるため、及びイリゲーションチューブ３０を軸線方向 に挿入するのが所望である場合にイリゲーションチューブ３０を溝２０内に案内 するため、拡大先端部分４６が設けられているのがよい。イリゲーションチュー ブ３０には、可撓性導管４２（第１図参照）が更に設けられているのがよい。こ の可撓性導管は、イリゲーションチューブ３０の基端４４に取り付けられており 、流体源及び／又は弁手段（図示せず）に連結するため、チューブ３０から遠ざ かる方向に延びている。 実際には、イリゲーションチューブ３０は、好ましくは使い捨てであり、いつ でも溝２０に挿入できる殺菌状態で予めパッケージングされている。一方の側が 開放した溝２０は、既に殺菌してあり、殺菌状態に維持されている。使用の準備 において、イリガントを窓４０及び／又は内視鏡の場所に適切に散布するのに適 したそらせ板３８を持つ予めパッケージングされたイリゲーションチューブ３０ を選択する。殺菌されたパッケージからチューブを取り出した後、チューブが第 １溝部分２４を通って第２溝部分２６に「スナップ嵌め」するまで、チューブを 溝２０に全体に半径方向内方に押し付ける。別の態様では、イリゲーションチュ ーブ３０を基端を先にして溝２０の先端に挿入し、次いで、そらせ板３８が溝２ ０の拡大端部４６に入り込む所定の場所まで溝２０に沿って軸線方向に摺動する 。次いで、導管４２を流体源及び／又は弁手段（図示せず）に連結し、装置１０ の使用の準備ができる。イリゲーションチューブ３０は、狭幅の第１溝部分２４ によって溝２０内に保持される。使用後、イリゲーションチューブ３０を溝２０ から半径方向又は軸線方向に引き出し、廃棄する。殺菌を行うため、開放溝２０ に再度アクセスできる。 第１０図を参照すると、変形例では、そらせ板３８ａが外チューブ１４の先端 １６にチューブ１４から放出された流体を中断するように取り付けられている。 この実施例では、チューブ３０は溝２０に半径方向内方に「スナッブ嵌め」して ある。第１１図にも同様の構造が示してあり、この構造では、チューブ１４が溝 ２０に軸線方向に挿入してあり、溝２０の先端に設けられたそらせ板３８ｂには 、チューブ１４を軸線方向に通すことができるようにする溝４６が設けられてい る。 第１図を参照すると、外チューブ１４には、上文中に説明した種類のイリゲー ションチューブを各々受け入れるようになった複数の溝２０が設けられている。 複数の溝及びイリゲーションチューブが設けられているため、オペレータは、利 用できる流体源、及び流体源（図示せず）への導管４２の連結方法に応じて、所 与の時期に所望の種類の流体を選択できる。 かくして、外チューブ内の内部空間を僅かに占有する（第６図及び第７図の実 施例）又は全く占有しない（第２図乃至第５図の実施例）イリゲーション手段を 持つ内視鏡装置が提供される。更に、内視鏡の外チューブの外境界に合わせて形 成されており、従って直径が周方向にも局部的にも大きくならないイリゲーショ ンチューブ装置（第２図、第５図、及び第６図参照）、又は内視鏡の外境界を越 えて僅かに延びているが、使用時に内視鏡の周囲内に押し戻される程小さいイリ ゲーションチューブ装置（第３図、第４図、及び第７図参照）が提供される。最 後に、容易に殺菌でき及び／又は殺菌状態を維持できるイリゲーション装置が提 供される。 本発明は、本明細書中に開示し及び／又は添付図面に示す特定の構造には全く 限定されず、請求の範囲の範疇の他の変形及び等価物を含むということは理解さ れよう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内視鏡装置において、 ハンドルアッセンブリと、 先端及び前記ハンドルアッセンブリに固定された基端を持ち、その長さ方向 に延びる溝が最外面に設けられた外チューブと、 流体を前記基端から前記先端への方向に導くため、前記溝に配置されるイリ ゲーションチューブとを有することを特徴とする内視鏡装置。 ２．前記外チューブの溝は全体に円形断面であり、前記外チューブの前記最外面 に第１部分を有し、この第１部分は、前記外チューブの前記最外部分から除去さ れた箇所の前記溝の第２部分よりも狭幅である、請求項１に記載の装置。 ３．前記イリゲーションチューブは実質的にＤ字形状であり、前記チューブの平 らな部分は、前記溝の前記狭幅の第１部分に配置されるようになっており、前記 チューブの丸味を帯びた部分は、前記溝の前記第２部分内に配置されるようにな っている、請求項２に記載の装置。 ４．前記溝は、前記外チューブ内に前記外チューブの壁厚よりも小さい距離だけ 延びている、請求項２に記載の装置。 ５．前記外チューブの壁の厚さは、前記溝の深さよりもかなり小さく、前記壁は 前記溝を形成するように成形されている、請求項２に記載の装置。 ６．前記イリゲーションチューブの先端に取り付けられたそらせ板を更に有する 、請求項１に記載の装置。 ７．流体源に連結するため、導管が前記イリゲーションチューブの基端に取り付 けられている、請求項１に記載の装置。 ８．前記イリゲーションチューブは、前記チューブを前記溝に前記外チューブの 半径方向内方の方向で挿入できるのに十分弾性の材料でできており、前記イリゲ ーションチューブは、前記第１溝部分を通して前記第２溝部分に入れるため、変 形自在である、請求項２に記載の装置。 ９．前記イリゲーションチューブは、前記溝内に配置したとき、全体が前記外チ ューブの外周内に配置される、請求項２に記載の装置。 １０．前記外チューブには、その前記最外面にその長さ方向に延びる少なくとも 一つの追加の溝が設けられており、これらの追加の溝のうちの一つに各々配置 する少なくとも一つの追加のイリゲーションチューブが設けられている、請求項 １に記載の装置。 １１．前記イリゲーションチューブは、前記溝に取り外し自在に固定されている 、請求項１に記載の装置。 １２．前記イリゲーションチューブは実質的に円形であり、前記イリゲーション チューブの第１部分は、前記溝の前記狭幅の第１部分に配置されるようになって おり、前記イリゲーションチューブの残りの部分は、前記溝の前記第２部分に配 置されるようになっており、前記イリゲーションチューブの前記第１部分は、前 記溝の前記第１部分を通って前記外チューブの外周を越えて延びているが、使用 時に全体が前記溝内に入るように圧縮性である、請求項２に記載の装置。 １３．前記材料は実質的に剛性であり、前記チューブを前記溝に挿入し、前記溝 を通して前記溝の軸線方向に移動できるのに十分な構造強度を備えている、請求 項８に記載の装置。 １４．前記外チューブの前記先端に固定されており、前記イリゲーションチュー ブ溝と少なくとも部分的に整合したそらせ板を更に有する、請求項１に記載の装 置。 １５．前記そらせ板には、前記イリゲーションチューブ溝と整合した溝が設けら れており、この溝を通して前記イリゲーションチューブを前記イリゲーションチ ューブ溝内に通すことができる、請求項１４に記載の装置。