JP2000501938A - 相応するラセミ体のD,L―α―アミノカルボン酸から光学活性L―α―アミノカルボン酸を取得する方法 - Google Patents

相応するラセミ体のD,L―α―アミノカルボン酸から光学活性L―α―アミノカルボン酸を取得する方法

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Abstract

(57)【要約】 (a)D,L−α−アミノカルボン酸をアセチル化し、(b)この際得られるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の混合物中に存在するN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸を酵素によりL−α−アミノカルボン酸へと分解し、(c)N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び形成されたL−α−アミノカルボン酸と等量の酢酸塩を含む溶液をそのまま保持しておいて、L−α−アミノカルボン酸を前記混合物から分離し、かつ(d)前記溶液中に含有されたN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸をラセミ化しかつ酸素分解に返送することから成る、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミノカルボン酸を取得する方法を開示する。工程(a)〜(d)を実施する公知の製造方法の場合には、大きな塩負荷が不利に生じる。特に、これに従うと、無水酢酸及びD,L−α−アミノカルボン酸が100%L−α−アミノカルボン及び酢酸になる理想方程式の方法は十分に除去されている。工程(c)からの保持された溶液を、形式的には大体において、酢酸塩及び遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸と平衡しているN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び遊離酢酸から成る溶液が得られ、該溶液から酢酸が蒸留分離されるように調節することによって、L−α−アミノカルボン酸の分離後に“母液”として生じる溶液を循環での使用に供給しかつ理想的な考えにできるだけ接近する物質の量的関係を実現することに意外にも容易に成功する。

Description

【発明の詳細な説明】 相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミノ カルボン酸を取得する方法 本発明は、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L −α−アミノカルボン酸を取得する方法に関する。特に本発明は (a)D,L−α−アミノカルボン酸をアセチル化し、 (b)この際得られるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の混合物中 に存在するN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸を酵素によりL−α−アミ ノカルボン酸へと分解し、 (c)なかんずくN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び形成され たL−α−アミノカルボン酸と等量の酢酸塩を含む溶液をそのまま保持しつつ、 L−α−アミノカルボン酸を該混合物から分離し、かつ (d)前記溶液中に含有されたN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸 をラセミ化し、かつ酵素分解に戻す ことから成る方法に関する。 N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸のアミノアシラーゼによる立体 特異的分解(stareospezif ische spaltung)は、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から出 発して光学活性α−アミノ酸を製造する極めて有効な方法の一つである。 この方法は、大体においてかつ特に次の部分工程から構成されうる: 1)ラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸からのN−アセチル−D,L−α −アミノカルボン酸のラセミ混合物の製造 アミノカルボン酸をアセチル化するための従来技術による慣用方法は、ショッ テン−バウマン(SchottenBaumann)のアセチル化である。このためにはD,L −α−アミノカルボン酸の水溶液に塩基性条件下で無水酢酸又は塩化アセチルを 加える。N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の単離は、酸性化の後濾 過又は抽出によって行う。 2)ラセミ混合物中に含有されたN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸の酵 素分解(enzymatische Spaltung) 酵素分解のためには、N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を通常は 水に溶かし、塩基、好ましくは活性ソーダ溶液でpH約6〜8に調節する、つま り該カルボン酸の相応する塩に変える。次にN−アセチル−L−α−アミノカル ボン酸をアシラーゼによって選択的に酢酸塩及びL−α−アミノカルボン酸に分 解する。この反応から、酢酸塩及びアシラーゼの他に 、なかんずく意図する目的生成物、つまりL−α−アミノカルボン酸を含有し、 しかしまた場合によっては塩としての未反応N−アセチル−D(L)−α−アミ ノカルボン酸も含有する溶液が生じる。この場合N−アセチル−D(L)−α− アミノカルボン酸という語は、主としてN−アセチル−D−α−アミノカルボン 酸から成りかつ副次的な量の未分解残部であるN−アセチル−L−α−アミノカ ルボン酸を含有する混合物を表わす。 3)L−α−アミノカルボン酸及びN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボ ン酸の分離 目的生成物を得るためには、先行する工程で得られた混合物から目的生成物を 分離する必要がある。水中に比較的難溶のアミノ酸、例えばフエニルアラニン、 トリプトファン、メチオニン、バリンの場合には、この分離は、例えば濃縮後の 濾過によって又は初めから濃縮される操作法での濾過によって行なうことができ る。 4)未反応N−アセチル−D−α−アミノカルボン酸のラセミ化及び工程開始へ の返送 経済学的及び生態学的観点から見ると、生成されたL−α−アミノカルボン酸 を単離するのみならず、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び場 合によっては酵素を分離しかつ再循環させることも必要である。酵素の分離は、 反応溶液の限外濾過による か又は適当に濃縮される操作法の場合には、L−α−アミノカルボン酸がその中 で単離された濾過の母液の限外濾過によって行なうことができる。また同様に、 比較的長い反応時間を甘受するならば、選択的に、使用される酵素量を、その分 離を完全に省略することができる程度に低減することもできる。 しかし一般には、未反応のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の ラセミ化及び返送は省略しない。L−α−アミノカルボン酸の単離後に残存する 混合物の後処理のためには、従来技術ではすでに多数の提案がある。 前記混合物は、他の成分の他にN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン 酸の塩、酢酸塩及びL−α−アミノカルボン酸の残部を含有する。後処理は、な かんずく特開昭51−138603号公報によれば、遊離のL−α−アミノカル ボン酸を後アセチル化し、次いで後アセチル化した混合物を、ほぼ等モル量の無 水酢酸を加え、かつ溶液の形で存在する混合物を加熱することによってラセミ化 することにより可能である。比較的難溶のN−アセチル−D,L−α−アミノカ ルボン酸の単離は、酸性化及び例えば濾過による適当な分離によって行なうこと ができる。 酵素分解からの母液の後処理は、有利にはドイツ国特許第3702689号明 細書に記載されているとおりである。この場合にはL−α−アミノカルボン酸も 完全に分離することができる。次いで遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミ ノカルボン酸のラセミ化は、ヨーロッパ特許出願公開第0175840号明細書 に記載されているように、触媒量の無水酢酸を含む溶融液中で行なうことができ る。ラセミ化されたN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸を苛性ソー ダ液中に溶かすことによって、アシラーゼ分解のためにも再び使用することので きる混合物が生じる。 特開昭51−138603号公報による方法の場合には、そこに記載された、 N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸のラセミ化のためには、ほぼ等 モル量の無水酢酸を必要とすることが欠点である。 また、N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸が結晶化によって回収さ れる点も著しい欠点である。 同様にドイツ国特許第3702689号又はヨーロッパ特許出願公開第017 5840号明細書から公知の後処理法も、幾つもの欠点を有する。すなわち、イ オン交換による母液の後処理の際には、N−アセチル−D(L)−α−アミノカ ルボン酸が、酢酸ナトリウムに等しい量の酢酸を含有する水溶液として生じる。 この溶液の酸性pH値によって条件づけられて、次の蒸発の際に常に小さい度合 いで遊離のα−アミノカルボン酸を生じる加水分解が起こり、このために次のラ セミ化の際にアシルジペプチドの形成が高められる。 またヨーロッパ特許出願公開第0175840号明細書に記載された、触媒量の 無水酢酸を含む溶融液中での遊離N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン 酸のラセミ化も常にアセチルジペプチドの形成をもたらす。 前記のすべての方法の場合には、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボ ン酸の再循環のためには、母液中に存在する塩を遊離酸に変えることが必要であ り、これは必然的に塩生成に結びつく。 前記の問題点及び本明細書に挙げて議論した従来技術にかんがみて、本発明は 、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミ ノカルボン酸を取得する方法を、すべての使用物質の再循環が可能になり、なか んずく塩負荷の顕著な減少も達成されるように改良するという課題を基礎にして いる。特に本発明の方法は、無水酢酸及びD,L−α−アミノカルボン酸がそれ に従って完全に反応してL−α−アミノカルボン酸及び酢酸を生成する、理想方 程式に接近すべきである。 前記課題は、請求項1に記載された特徴を有する冒頭記載の方法によって解決 される。本発明の有利な実施態様は、請求項1に従属する請求項により保護され る。 形式的には大体において酢酸塩及び遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミ ノカルボン酸と平衡してい るN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び遊離酢酸から成る溶液 が得られ、該溶液から酢酸が蒸留により分離されるように工程c)からの保持さ れた溶液を調整することによって、本発明によって達成される目標、つまり理想 的考えに可及的に接近する物質の量的関係(Stoffbilanz)を実現することに成 功する。 この理由により、前記のように酢酸塩及び遊離のN−アセチル−D(L)−α −アミノカルボン酸と平衡しているN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボ ン酸塩及び遊離酢酸からのみ成る溶液は、光学活性L−α−アミノカルボン酸を 製造する方法における、当業者に周知のすべてのやり方で得ることができる。工 程c)から保持される溶液は、最も簡単な場合にはこのような“母液”である。 工程c)の混合物からのL−α−アミノカルボン酸の分離を完全に行なうこと ができない場合には、溶液中に残っているL−α−アミノカルボン酸を次に後ア セチル化しなければならない。溶液(“母液”)中に存在する酢酸塩の量をさら に増大させないために、後アセチル化を有利には塩基を加えることなく行なう。 すなわちこの後アセチル化によって、好ましくは、大体において、N−アセチル −D(L)−α−アミノカルボン酸塩、酢酸塩及び酢酸のみしか含有していない 水溶液が得られる。 塩の陽イオンは、工程b)におけるpH調節のために必要な塩基の対イオンで ある。原則的には、なかんずくアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウ ムが可能である。特に有利には、コストの理由からN−アセチル−D(L)−α −アミノカルボン酸塩又は酢酸塩における対イオンはナトリウムである。 後アセチル化溶液がL−α−アミノカルボン酸の分離により酢酸ナトリウム含 量に対して小さすぎる濃度のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を含 有するので、後アセチル化後及び蒸発前に、溶液に、分離されたL−α−アミノ カルボン酸と等モル量のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を加える のが有利である。従って単離されたL−α−アミノカルボン酸に等しい量のN− アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を加えた後、形式的にはN−アセチル −D(L)−α−アミノカルボン酸の塩及び酢酸(酸の酸度に応じて遊離のN− アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び酢酸の対応する塩と平衡してい る)から成る溶液が生じる。 従って本発明の範囲では、極めて有利な方法手段は、溶液に、蒸留による酢酸 分離前に、分離されたL−α−アミノカルボン酸と等モル量のN−アセチル−D ,L−α−アミノカルボン酸を加え、かつ溶液をpH値3〜8、好ましくは4. 5〜5.5で溶融液になるまで蒸発濃縮することを特徴としている。このために は、溶液を適当な方法で真空で温度約100〜220℃で溶融液になるまで蒸発 させるのが最も良い。130〜180℃の温度が好ましい。N−アセチル−D( L)−α−アミノカルボン酸の塩(好ましくはナトリウム塩)が比較的高い融点 、つまり約200℃を超える融点を有する場合には、溶融温度未満の温度で十分 である、それというのもN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び 固体物質としての酢酸塩の混合物においてすら真空で酢酸が、N−アセチル−D (L)−α−アミノカルボン酸の塩の形成下に留去されるうるからである。 すでに上に詳述した後アセチル化は、N−アセチル−D,L−α−アミノカル ボン酸を酵素分解のために水性媒体中で塩に変え、かつ工程d)の実施前にL− α−アミノカルボン酸の残留部における後アセチル化のために、他の塩基を加え ることなくL−α−アミノカルボン酸の残留量に対して少なくとも1.1モル当 量の無水酢酸を溶液に加えるように、有利に行なう。これによって、意外に簡単 に、L−α−アミノカルボン酸の分離後に“母液”として生じる溶液を循環使用 に供給することに成功する。 本発明の範囲では、意外にも、アシラーゼによって遊離されたL−α−アミノ カルボン酸を濃縮後の濾過又は濃縮操作後の濾過によって単離する変法から“母 液”として生じかつN−アセチル−D(L)−α−ア ミノカルボン酸塩の他に形成されたL−α−アミノカルボン酸の量と等モル量の 酢酸塩ならびにL−α−アミノカルボン酸の残部を含有する溶液を、残留するL −α−アミノカルボン酸及び酢酸塩を分離することなく、アシラーゼ分解により 直接再使用されうる形に変えられることが判明した。これによって相応するラセ ミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミノカルボン酸の 取得がより効率よく形成される。 この場合“母液”として生じかつ本発明の処理後にアシラーゼ分解のために再 使用される溶液は、種々の組成を有していてもよい。すなわち“母液”は、初め の方法の開始の際に生じる溶液であってもよい。しかし同様に、数回の循環使用 後に生じる溶液が“母液”として生じることも可能である。最後にまた“母液” は、いろいろな溶液、例えば平衡な酵素分解工程から由来する種々の分解液を合 体することによって生じるような溶液も包含しうる。 しかしいずれにしても該母液は、好ましくは特定の組成を有する。換言すれば 該溶液は、特定の処理後に特定の形で存在している。特定の処理は、塩基で溶液 を4〜8のpH値に調節することを包含し、この結果N−アセチル−D,L−α −アミノカルボン酸がその塩の形で水溶液中に存在する。6〜8のpH値が有利 である。pH値を調節するために希薄苛性ソーダ溶液 を使用するのが有利である。該処理はさらにN−アセチル−L−a−アミノカル ボン酸の選択的酵素分解及びL−α−アミノカルボン酸の分離も包含する。従っ て“母液”は、L−a−アミノカルボン酸の処理直後、つまり時点から見るとそ の分離直後には、好ましくは、5重量%までの未分離L−α−アミノカルボン酸 、40重量%までのN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び15 重量%までの酢酸塩を含有する溶液である。ここですべての重量の数値は水溶液 (“母液”)の全重量に対する割合である。 本発明の方法の他の態様は、プロセスに供給すべきN−アセチル−D,L−α −アミノカルボン酸を、“母液”中に存在する酢酸ナトリウムの使用下にナトリ ウム塩に変えることである。 これは、本発明の範囲で、等モル量のN−アセチル−D,L−α−アミノカル ボン酸及び酢酸ナトリウムを含有する溶液から、酢酸を不利な副反応が生じるこ となしに殆ど完全に留去することに成功することが意外にも判明したので、可能 なのである。 この方法を、ラセミ体分解から生じる“母液”に適用するためには、先ず、“ 母液”中に存在する遊離アミノ酸をアセチル化する必要がある。 後アセチル化の実施は、これを溶液中に存在するL−α−アミノカルボン酸の 残留量に対して少なくとも1.5当量、最良には1.7〜2.0当量の無水酢酸 を加えることによって塩基の添加なしに行なう場合には、極めて有利であること が判った。 後アセチル化を1.1当量未満の無水酢酸を加えて行なう場合には、L−α− アミノカルボン酸(塩)が不完全にN−アセチル化合物に変るという危険が生じ る。3.0当量よりも多く使用する場合には、過多の無水酢酸が利用されないま まなので、物質の量的関係(Stoffbilang)が不利である。さらにまた不所望の 副反応の危険も明らかに大きい。 本発明はすべての物質の循環使用を達成するので、酢酸の分離後に生じる物質 混合物をさらに使用することができる。特に有利には、蒸発濃縮後に生じるN− アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の塩をラセミ化し、他の添加物なし に水中に溶かしかつ酵素ラセミ体分解に返送することができる。本発明の変法は 、従来公知の方法手順に対して、最初にナトリウムイオンを分離する必要がない という大きな利点を有する。この分離は一般には鉱酸の塩として行なわれ、除去 されたナトリウム鉱酸塩は廃水を介して処理されなければならないのである。ま た本発明の方法手段は塩の新たな形成も省略する。この塩の形成は、文献公知の 方法の場合にはN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の中和の経過中 にナトリウムイオンが再び系中に導入されることによって誘発されるのである。 さらに本発明の方法は、イオン交換体による後処理に 対して、3〜8のpH値でのナトリウム塩の蒸発の場合には、アセチルアミノ酸 の加水分解は、pH値約2を有するN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボ ン酸/酢酸混合物の蒸発と比べて明らかに減少され、副生成物の形成が最低限に 抑えられるという他の利点も有する。 本発明の方法から生じるN−アシル−D(L)−α−アミノ酸塩のラセミ化は 、原則として当業者に周知のすべての方法で行なうことができる。 ラセミ化は、好ましくは、溶融液において、特に触媒量の無水酢酸を添加して 室温よりも高い温度に加熱することによって行なう。この場合には、ヨーロッパ 特許出願公開第0175840号明細書に記載された、遊離N−アセチル−D( L)−α−アミノ酸のラセミ化と比較すると、明らかに少量の副生成物(特にア セチル化ジペプチド)が形成される。 また、アセチル−D(L)−アミノ酸塩のラセミ化を特開昭51−13860 3号公報に記載されているように溶液で行なうこともできる。 この場合にはラセミ化を、N−アセチル−D,L−α−アミノ酸を加えかつ蒸 発濃縮して溶融液にする前に行なうのが最も有利である。 本発明の方法はまた、有利には、イオン交換体による後処理の際に生じる、N −アセチル−D(L)−α−アミノ酸及び酢酸から成る水溶液に適用することも できる。 従来技術による中和が、時間的にはラセミ化後(滞留時間の経過後)にアルカ リ金属水酸化物−又はアンモニア水溶液で急冷することによって達成された後で は、該中和は、蒸発の際に加水分解の減少と同時にN−アセチル−D(L)−α −アミノカルボン酸の少なくとも一部分を相応の塩に変えることによって、また それに伴う、予測できない方法によるラセミ化すべき混合物の組成の変化によっ て副生成物の有利な形成の原因となる。 特に、これは遊離のアセチルアミノ酸と比べて明らかに高められた塩の熱安定 性に起因しうるものであると推測されうる。 本発明の範囲では、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩又はこ れらの塩と相応の遊離酸とを含む混合物のラセミ化は、特に有利には“非水性” 状態で行なう。“非水性”とは、本発明によれば、ラセミ化を水溶液中で行なう ことができないことを意味する。しかし完全な無水は、上述のように、本発明に よる方法を効果的に行なうための前提ではない。 N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の少なくとも一部分を相応す るN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩に変えるということは、ラ セミ化の際に遊離酸と塩から成る混合物自体又は塩のみが存在することを意味す る。 塩と酸から成る混合物をラセミ化のために使用する限り、ラセミ化混合物は例 えば相応の純粋物質を混合することによって得ることができる。 しかし本発明の好ましい実施態様では、N−アセチル−D(L)−α−アミノ カルボン酸の水溶液に場合により酢酸の存在で塩基(好ましくはNaOH)を加 える。この際8以下のpH値が得られるか又は調節される。 好ましくは、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の水溶液又は該 酸を相応するN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩との混合物で含 有する水溶液をpH値2〜8、好ましくは4〜8、特に好ましくは4.5〜5. 5に調節する。 特定のpH範囲又はpH値に調節することによって有利には著量の遊離酸が相 応の塩に変えられるのみならず、同時にまたこの際調節された比によって熱ラセ ミ化にとって有利な、注目すべき反応速度の比が得られる。本発明方法で調節さ れるpH値2〜8、有利には4〜8、特に4.5〜5.5は、N−アセチル−D (L)−α−アミノカルボン酸の加水分解の危険を遊離のN−アセチルアミノ酸 と比較して著しく減少させ、従って副生成物の形成(N−アセチルジペプチド) も減少させ、その結果比較的長い滞留時間又は高い温度でも収率に不利な影響を ほとんど及ぼさない。pH値は好ましくは4.5〜5.5に調節する、それとい うのもこのpH範囲で混合物の緩衝作用が最も大きいからである。 所望のpH値を調節するためには、原則としてN−アセチル−D(L)−α− アミノカルボン酸と適当な塩を形成することのできる、当業者に周知の塩基を使 用することができる。アルカリ溶液が好ましい。特にNaOHが好ましい、それ というのも苛性ソーダ溶液によるpH調節が工業的規模では著しく容易になるか らである。 塩基で本発明によるpH値範囲に調節された溶液は、有利な変法では、残留物 を保持しつつ、乾固するまで、つまり固体が得られるまで蒸発されるか、又は溶 融液になるまで蒸発される。 この場合得られた残留物(溶融液又は乾燥固体として存在していてよい)に、 加熱によるラセミ化のために無水酢酸を加えるのが有利である。 ラセミ化すべき物質が溶融液である場合には、触媒量の無水酢酸を加えるのが 好ましい、それというのもそれによってラセミ化の速度が明らかに増大されうる からである。 N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の溶融及び溶融液の加熱は、 好ましくは窒素下で行なわれる。しかしこのような溶融及び溶融液の加熱はまた 保護ガスなしに又は真空でも行なうことができる。 ラセミ化のために溶融液を使用するのが極めて有利 であるとしても、さらに、アセチルアミノ酸塩の溶融液を得ることは、本発明方 法を実施するに当たりラセミ化のためには必ずしも必要ではないことも判明した 。塩の融点が極めて高い場合には、この固体と必要量の無水酢酸とを混合し、こ の混合物をアセチルアミノ酸塩の融点よりも低い温度に加熱することができる。 加えた無水酢酸によって、ラセミ化のためには十分な部分的溶融物が形成されう る。 この方法によれば、例えばアセチル−フエニルアラニン−ナトリウム及びアセ チル−バリン−ナトリウムがすでに160℃の温度でラセミ化されうる。 加えるべき無水酢酸の量は、本発明の範囲では特に重要ではない。好ましくは 、溶融液又は部分的溶融物に十分混和しながら、N−アセチル−D(L)−α− アミノカルボン酸及びN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩の総量 に対して2〜10重量%、特に好ましくは2〜6重量%の無水酢酸を加える。 ラセミ化のために使用する温度は、物質を過度に損傷するか又は副反応を惹起 させることなく、できるだけ高くすべきである。 これらの条件下で溶融液を得ることができる場合には、該溶融液をラセミ化の ために有利には、その都度のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸又 はこれに相応する塩の溶融温度よりも5〜10℃高い温度で、どちらの温度がよ り高いかに応じて加熱する 。 関与する物質の融点のために完全な溶融液を得ることが不可能である場合には 、ラセミ化のために温度を100〜220℃、好ましくは130〜180℃の範 囲で選択するのが有利である。この範囲は一般には提出されるすべての要求を満 足させる。 ラセミ体をさらに処理するためには、このために当業者にとって周知の変法を 用いることができる。好ましくは溶融液又は部分溶融物を加熱の終了後に水中に 取り、次いで継続処理に供給する。 本発明の方法により多数のα−アミノカルボン酸を取得することができる。効 果的に取得できる化合物には、なかんずく式I: で示される化合物が属する。前記式中、 R1は水素又はC1 〜4−アルキルであり、 R2は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリー ル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル−又はシクロ アルキルアルキルであり、前記基はそれぞれそれ自体置換されていてもよくかつ /又はヘテロ原子を有していてもよく、 又は R1及びR2は、それらに結合するC原子と一緒に3〜7員の飽和環を形成し、 R3は水素又はC1 〜4−アルキルであり、 又は R2及びR3は、それらに結合するN原子及びC原子と一緒に4〜7員の飽和環を 形成し、該環は場合によりヘテロ原子を有していてもよい。 アルキル基は、直鎖又は枝分かれであってよく、直鎖の場合のC1 〜12の鎖長 又は枝分かれ鎖の場合のC3 〜12の鎖長が好ましく、特に直鎖の場合のC1 〜6の 鎖長又は枝分かれ鎖の場合のC3 〜6の鎖長が好ましい。例はメチル、エチル、プ ロピル、イソプロピル、ブチル、イソオクチル、ドデシルである。 これらのアルキル基は、好ましくは1〜3個のアミノ基、ヒドロキシル基、ハ ロゲン基、グアニジノ基、尿素基、カルボキシ基、カルボキサミド基及び/又は アルコキシカルボニル基によって置換されている。 アリール基は、好ましくはフエニル基又は置換されたフエニル基であってよい 。 置換されたアリール基は、好ましくはモノ−、ジ−又はトリハロゲン、モノ− 、ジ−又はトリヒドロキシ、モノ−、ジ−又はトリアルキル−フエニル基であり 、ここでハロゲンは弗素、塩素又は臭素であり、アルキルはC1 〜4−アルキル、 好ましくはメチル又はエチルである。 ヘテロアリール基は、好ましくは環中に1〜2個のヘテロ原子を有する5又は 6員環系であり、ヘテロ原子はO、N又はSであってよい。 アリールアルキルは好ましくはベンジルである。シクロアルキル及びシクロア ルキルメチルは好ましくはC3 〜7−環系である。 好ましいのは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリ プトファン、フエニルアラニン、メチオニン、セリン、チロシン、トレオニン、 システイン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、シスチン、シトルリン、 ホモシステイン、ホモセリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、ノルバリン及 び前記アミノ酸の誘導体である。特に好ましいのはメチオニン、バリン、フエニ ルアラニン及び/又はノルバリンである。特にL−メチオニンの製造を挙げるこ とができる。 本発明を、次の実施例によって詳述する。すべてのパーセントの数値は、他に 断わりがない限り、重量パーセントを意味する。 例1:N−アセチル−D,L−メチオニンの製造 に溶かし、この溶液を油浴で適温にし、無水酢酸1.1当量を加えた。5分後に これらのバッチを真空で100℃の浴温度で蒸発濃縮した。N−アセチル−D, L−メチオニル−D,L−メチオニン(Ac−Met −Met)の含量をHPLCにより測定した。これらの実験の結果は次表にまと めてある: 例2:工業的条件下でのN−アセチル−D,L−メチオニンの製造 D,L−メチオニン373g(2.5モル)を90 5モル)を加えた。この際温度は95℃まで上昇した。10分の後反応後にこの 溶液をサンベイ(Sambay)−蒸発器により170℃及び9mバールで蒸発濃縮し た。粘着性油状物427gが得られ、これを冷却すると凝固した。HPLC−分 析後にアセチル−D,L−メチオニン92.3%及びAc−Met−Met3. 4%から成る生成物が生じた。 例3:N−アセチル−D,L−バリンの製造 D,L−バリン11.7g(0.10モル)を酢酸 (0.11モル)を加えた。10分後に15mバール及び100℃で蒸発濃縮を 行なった。HPLC−分析後にアセチル−D,L−バリン95.6%及びN−ア セチル−D,L−バリル−D,L−バリン2.8%か ら成る結晶質残留物が生じた。 例4:N−アセチル−D,L−ノルバリンの製造 D,L−ノルバリン11.7g(0.10モル)を例3と同様にして反応させ た。HPLC−分析後に結晶質残留物はN−アセチル−D,L−ノルバリン95 .2%及びN−アセチル−D,L−ノルバリル−D,L−ノルバリン4.1%か ら成っていた。 例5:N−アセチル−D,L−メチオニン及び酢酸ナトリウムから成る混合物か らの酢酸の除去 N−アセチル−D,L−メチオニン38.2g(0.20モル)及び酢酸ナト リウム16.4g(0.20モル)をその都度激しく混合しかつ加熱した。約1 00℃から溶融液が形成された。この溶融液を15mバールで30分加熱して1 50〜180℃にし、冷却後に酢酸の含量を測定した。結果は次表にまとめてあ る: 例6:N−アセチル−L−バリン及び酢酸ナトリウムから成る混合物からの酢酸 の除去 N−アセチル−L−バリン79.6g(0.50モル)及び酢酸ナトリウム4 1.0g(0.5モル)を び15mバールで蒸発乾固した。固体残留物の部分を次にその都度30分間種々 の温度で乾燥し、酢酸の含量を測定した。結果は次表にまとめてある: 例7:N−アセチル−L−フエニルアラニン及び酢酸ナトリウムから成る混合物 からの酢酸の除去 N−アセチル−L−フエニルアラニン103.6g(0.50モル)及び酢酸 ナトリウム41.0g(0.5モル)を加熱しながら水150ml中に溶かし、 100℃及び15mバールで蒸発乾固した。この固体残留物の部分を次にそれぞ れ30分間種々の温度で乾燥し、酢酸の含量を測定した。結果は次表にまとまて ある: 例8:N−アセチル−D,L−ノルバリン及び酢酸ナトリウムから成る混合物か らの酢酸の除去 N−アセチル−D,L−ノルバリン3.12g(0 .02モル)及び酢酸ナトリウム1.64g(0.02モル)を激しく混合し、 加熱した。約110℃より溶融液が形成された。この溶融液を15mバールで3 0分間160℃に加熱した。冷却後に該試料は酢酸2.2%を含有していた。 例9:N−アセチル−D,L−メチオニン及びN−アセチル−D,L−メチオニ ン−ナトリウム塩の熱安定性の比較 N−アセチル−D,L−メチオニン(Ac−Met−OH)及びN−アセチル −D,L−メチオニン−ナトリウム塩(Ac−Met−ONa)それぞれ20g を150℃に加熱した。N−アセチル−D,L−メチオニル−D,L−メチオニ ンの形成をHPLCによって追跡した。結果は次表にまとめてある: 例10:N−アセチル−D(L)−メチオニン−ナトリウムの溶融液中でのラセ ミ化 N−アセチル−D(L)−メチオニン各10g(0.053モル)を、8重量 %苛性ソーダ溶液で種々のpH値に調節し、真空で50mバールで蒸発させて溶 融液にした。次にこの溶融液を加熱し、十分に撹拌しながら無水酢酸を加えた。 次にこの溶融液を特定の時 間の間この温度で放置し、次に水中に取った。ラセミ 定した。ラセミ化の前はこの旋光度は+21.3であった。この実験の結果は次 表にまとめてある: 例11:N−アセチル−L−フエニルアラニン−ナトリウム塩のラセミ化 例7のように調製しかつ150℃で真空で乾燥した、N−アセチル−L−フエ ニルアラニン−ナトリウム塩の試料を、無水酢酸と混合しかつ加熱した。ラセミ 1)を測定した。この旋光度はラセミ化前には+21.6であった。結果は次表 にまとめてある:例12:N−アセチル−L−バリン−ナトリウム塩のラセミ化 例6のように調製しかつ150℃で真空で乾燥した、N−アセチル−L−バリ ン−ナトリウム塩の試料を、無水酢酸と混合しかつ加熱した。ラセミ化を追跡す 定した。この旋光度はラセミ化前には+11.9であった。結果は次表にまとめ てある: 例13:N−アセチル−D(L)−メチオニン−母液の後アセチル化 濾過によるL−メチオニンの分離後に得られ、100g当たり酢酸ナトリウム 8.3g(0.100モル )、N−アセチル−D(L)−メチオニン−ナトリウム19.3g(0.089 モル)及びL−メチオニン1.7g(0.011モル)を含有する母液それぞれ 100gに、種々の温度で異なる量の無水酢酸を加えた。それぞれ30分後に試 料を取出し、メチオニン含量をHPLCによって測定した。結果は次表にまとめ てある: 注)Fl%:面積% 例14:N−アセチル−D(L)−メチオニンナトリウム塩−母液の再循環 N−アセチル−D,L−メチオニン717g(3.75モル)及び水酸化ナト リウム140g(3.50 。この溶液のpH値を50%苛性ソーダ溶液で7に調節した。アシラーゼ(活性 度31.000E/g)3.6gを加えた後、室温で5日間撹拌した。懸濁液を 5 しかつ乾燥した。L−メチオニン174g(1.17モル)が得られた。N−ア セチル−D(L)−メチオニン21.8g重量%の他にL−メチオニン2.8重 量%を含有している濾液(1800g)を60℃に加熱し、無水酢酸60g(0 .60モル)を加えた。30分後には溶液中にメチオニンは検出できなかった。 N−アセチル−D(L)−メチオニン223g(1.17モル)を加え、真空で 蒸発濃縮して1200gにした。この溶液をサムベイ(Sambay)−蒸発器を用い て170℃及び10mバールで蒸発濃縮して752gにした。まだ熱い溶融液中 に無水酢酸15gを撹拌導入し、10分間140℃に加熱し、次に水中に溶かし 、 であった。N−アセチルジペプチドの含量はN−アセチル−メチオニンに対して 0.8%であった。pH値を苛性ソーダ溶液で7に調節した後、この溶液を前記 のように再びアシラーゼ分解のために使用した。L−メチオニン166g(1. 11モル)が得られた。 例15:N−アセチル−D(L)−ノルバリン−ナトリウム塩−母液の再循環 N−アセチル−D,L−ノルバリン597g(3. 75モル)及び水酸化ナトリウム140g(3.50 。この溶液のpH値を50%苛性ソーダ溶液で7に調節した。アシラーゼ(活性 度31.000E/g)3.0gを加えた後室温で5日間撹拌した。この懸濁液 洗浄しかつ乾燥した。L−ノルバリン157g(1.34モル)が得られた。N −アセチル−D(L)−ノルバリン22.5重量%の他にL−ノルバリン3.1 重量%を含有する濾液(1393g)を60℃に加熱し、無水酢酸64g(0. 62モル)を加えた。30分後には溶液中にノルバリンを検出することはできな かった。N−アセチル−D,L−ノルバリン213g(1.34モル)を加え、 真空で蒸発濃縮して950gにした。この溶液をサムベイ蒸発器を用いて170 ℃及び10mバールで蒸発濃縮して644gにした。まだ熱い溶融液中に無水酢 酸13gを撹拌導入し、10分間で140℃に加熱し、次いで水中に溶かしかつ e測定により51.3%/48.7%のD/L比が得られた。N−アセチルジペ プチドの含量はN−アセチル−ノルバリンに対して1.2%であった。pH値を 苛性ソーダ溶液で7に調節した後、この溶液を前記のように再びアシラーゼ分解 のために使用した。L−ノルバリン113g(0.97モル)が得られた。 本発明の他の利点及び実施態様は次の請求の範囲から明らかになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミヒャエル カレンバウアー ドイツ連邦共和国 D―78345 モース ペータースガッセ 16 (72)発明者 ギュンター クナウプ ドイツ連邦共和国 D―63486 ブルフケ ーベル フリートホーフシュトラーセ 8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α− アミノカルボン酸を取得するに当たり、 (a)D,L−α−アミノカルボン酸をアセチル化し、 (b)この際得られるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の混合物 中に存在するN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸を酵素によりL−α−ア ミノカルボン酸へと分解し、 (c)N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び形成されたL−α −アミノカルボン酸と等量の酢酸塩を含む溶液をそのまま保持しておいて、L− α−アミノカルボン酸を前記混合物から分離し、かつ (d)前記溶液中に含有されたN−アセチル−D(L)−a−アミノカルボン 酸をラセミ化し、かつ酵素分解に返送する ことから成る方法において、工程(c)からの保持された溶液を、酢酸塩及び遊 離のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸と平衡しているN−アセチ ル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び遊離酢酸から成る溶液に、分離され たL−α−アミノカルボン酸と等モル量のN−アセチル−D,L− α−アミノカルボン酸を加え、かつこの溶液から3〜8のpH値で酢酸を蒸留に より分離することを特徴とする、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボ ン酸から光学活性L−α−アミノカルボン酸を取得する方法。 2. 溶液を4.5〜5.5のpH値で蒸発濃縮して溶融液にする、請求項1記 載の方法。 3. 蒸発濃縮後に得られる生成物をラセミ化しかつ酵素ラセミ体分解に返送す る、請求項1又は2記載の方法。 4. 未分解N−アセチル−D−α−アミノカルボン酸を、塩として又は遊離酸 と一緒の混合物で、無水酢酸1〜10重量%の存在で100〜220℃でラセミ 化する、請求項3記載の方法。 5. 130〜180℃の温度でラセミ化する、請求項4記載の方法。 6. N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を酵素分解のために水性媒 体中で塩に変え、かつL−α−アミノカルボン酸の残留部分における後アセチル 化のために工程(d)を行なう前に、溶液に他の塩基を加えることなくL−α− アミノカルボン酸の残留量に対して少なくとも1.1モル当量の無水酢酸を加え る、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。 7. 未分離L−α−アミノカルボン酸を4〜8のpH 値でアセチル化するために、溶液に未分離L−α−アミノカルボン酸に対して3 .0当量までの無水酢酸を加えて、生じる溶液を酵素分解のために使用する、請 求項6記載の方法。 8. L−メチオニン、L−バリン、L−フエニルアラニン及び/又はL−ノル バリンを取得する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
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