JP3639599B2 - 相応するラセミ体のD,L―α―アミノカルボン酸から光学活性L―α―アミノカルボン酸を取得する方法 - Google Patents
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Description
(a)D,L−α−アミノカルボン酸をアセチル化し、
(b)この際得られるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の混合物中に存在するN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸を酵素によりL−α−アミノカルボン酸へと分解し、
(c)なかんずくN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び形成されたL−α−アミノカルボン酸と等量の酢酸塩を含む溶液をそのまま保持しつつ、L−α−アミノカルボン酸を該混合物から分離し、かつ
(d)前記溶液中に含有されたN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸をラセミ化し、かつ酵素分解に戻す
ことから成る方法に関する。
N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸のアミノアシラーゼによる立体特異的分解(stareospezifische spaltung)は、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から出発して光学活性α−アミノ酸を製造する極めて有効な方法の一つである。
この方法は、大体においてかつ特に次の部分工程から構成されうる:
1)ラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸からのN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸のラセミ混合物の製造
アミノカルボン酸をアセチル化するための従来技術による慣用方法は、ショッテン−バウマン(Schotten−Baumann)のアセチル化である。このためにはD,L−α−アミノカルボン酸の水溶液に塩基性条件下で無水酢酸又は塩化アセチルを加える。N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の単離は、酸性化の後濾過又は抽出によって行う。
2)ラセミ混合物中に含有されたN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸の酵素分解(enzymatische Spaltung)
酵素分解のためには、N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を通常は水に溶かし、塩基、好ましくは活性ソーダ溶液でpH約6〜8に調節する、つまり該カルボン酸の相応する塩に変える。次にN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸をアシラーゼによって選択的に酢酸塩及びL−α−アミノカルボン酸に分解する。この反応から、酢酸塩及びアシラーゼの他に、なかんずく意図する目的生成物、つまりL−α−アミノカルボン酸を含有し、しかしまた場合によっては塩としての未反応N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸も含有する溶液が生じる。この場合N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸という語は、主としてN−アセチル−D−α−アミノカルボン酸から成りかつ副次的な量の未分解残部であるN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸を含有する混合物を表わす。
3)L−α−アミノカルボン酸及びN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の分離
目的生成物を得るためには、先行する工程で得られた混合物から目的生成物を分離する必要がある。水中に比較的難溶のアミノ酸、例えばフエニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、バリンの場合には、この分離は、例えば濃縮後の濾過によって又は初めから濃縮される操作法での濾過によって行なうことができる。
4)未反応N−アセチル−D−α−アミノカルボン酸のラセミ化及び工程開始への返送
経済学的及び生態学的観点から見ると、生成されたL−α−アミノカルボン酸を単離するのみならず、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び場合によっては酵素を分離しかつ再循環させることも必要である。酵素の分離は、反応溶液の限外濾過によるか又は適当に濃縮される操作法の場合には、L−α−アミノカルボン酸がその中で単離された濾過の母液の限外濾過によって行なうことができる。また同様に、比較的長い反応時間を甘受するならば、選択的に、使用される酵素量を、その分離を完全に省略することができる程度に低減することもできる。
しかし一般には、未反応のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸のラセミ化及び返送は省略しない。L−α−アミノカルボン酸の単離後に残存する混合物の後処理のためには、従来技術ではすでに多数の提案がある。
前記混合物は、他の成分の他にN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の塩、酢酸塩及びL−α−アミノカルボン酸の残部を含有する。後処理は、なかんずく特開昭51−138603号公報によれば、遊離のL−α−アミノカルボン酸を後アセチル化し、次いで後アセチル化した混合物を、ほぼ等モル量の無水酢酸を加え、かつ溶液の形で存在する混合物を加熱することによってラセミ化することにより可能である。比較的難溶のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の単離は、酸性化及び例えば濾過による適当な分離によって行なうことができる。
酵素分解からの母液の後処理は、有利にはドイツ国特許第3702689号明細書に記載されているとおりである。この場合にはL−α−アミノカルボン酸も完全に分離することができる。次いで遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸のラセミ化は、ヨーロッパ特許出願公開第0175840号明細書に記載されているように、触媒量の無水酢酸を含む溶融液中で行なうことができる。ラセミ化されたN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸を苛性ソーダ液中に溶かすことによって、アシラーゼ分解のためにも再び使用することのできる混合物が生じる。
特開昭51−138603号公報による方法の場合には、そこに記載された、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸のラセミ化のためには、ほぼ等モル量の無水酢酸を必要とすることが欠点である。
また、N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸が結晶化によって回収される点も著しい欠点である。
同様にドイツ国特許第3702689号又はヨーロッパ特許出願公開第0175840号明細書から公知の後処理法も、幾つもの欠点を有する。すなわち、イオン交換による母液の後処理の際には、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸が、酢酸ナトリウムに等しい量の酢酸を含有する水溶液として生じる。この溶液の酸性pH値によって条件づけられて、次の蒸発の際に常に小さい度合いで遊離のα−アミノカルボン酸を生じる加水分解が起こり、このために次のラセミ化の際にアシルジペプチドの形成が高められる。またヨーロッパ特許出願公開第0175840号明細書に記載された、触媒量の無水酢酸を含む溶融液中で遊離N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸のラセミ化も常にアセチルジペプチドの形成をもたらす。
前記のすべての方法の場合には、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の再循環のためには、母液中に存在する塩を遊離酸に変えることが必要であり、これは必然的に塩生成に結びつく。
前記の問題点及び本明細書に挙げて議論した従来技術にかんがみて、本発明は、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミノカルボン酸を取得する方法を、すべての使用物質の再循環が可能になり、なかんずく塩負荷の顕著な減少も達成されるように改良するという課題を基礎にしている。特に本発明の方法は、無水酢酸及びD,L−α−アミノカルボン酸がそれに従って完全に反応してL−α−アミノカルボン酸及び酢酸を生成する、理想方程式に接近すべきである。
前記課題は、請求項1に記載された特徴を有する冒頭記載の方法によって解決される。本発明の有利な実施態様は、請求項1に従属する請求項により保護される。
形式的には大体において酢酸塩及び遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸と平衡しているN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び遊離酢酸から成る溶液が得られ、該溶液から酢酸が蒸留により分離されるように工程c)からの保持された溶液を調整することによって、本発明によって達成される目標、つまり理想的考えに可及的に接近する物質の量的関係(Stoffbilanz)を実現することに成功する。
この理由により、前記のように酢酸塩及び遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸と平衡しているN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び遊離酢酸からのみ成る溶液は、光学活性L−α−アミノカルボン酸を製造する方法における、当業者に周知のすべてのやり方で得ることができる。工程c)から保持される溶液は、最も簡単な場合にはこのような“母液”である。
工程c)の混合物からのL−α−アミノカルボン酸の分離を完全に行なうことができない場合には、溶液中に残っているL−α−アミノカルボン酸を次に後アセチル化しなければならない。溶液(“母液”)中に存在する酢酸塩の量をさらに増大させないために、後アセチル化を有利には塩基を加えることなく行なう。すなわちこの後アセチル化によって、好ましくは、大体において、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩、酢酸塩及び酢酸のみしか含有していない水溶液が得られる。
塩の陽イオンは、工程b)におけるpH調節のために必要な塩基の対イオンである。原則的には、なかんずくアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウムが可能である。特に有利には、コストの理由からN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩又は酢酸塩における対イオンはナトリウムである。
後アセチル化溶液がL−α−アミノカルボン酸の分離により酢酸ナトリウム含量に対して小さすぎる濃度のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を含有するので、後アセチル化後及び蒸発前に、溶液に、分離されたL−α−アミノカルボン酸と等モル量のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を加えるのが有利である。従って単離されたL−α−アミノカルボン酸に等しい量のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を加えた後、形式的にはN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の塩及び酢酸(酸の酸度に応じて遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び酢酸の対応する塩と平衡している)から成る溶液が生じる。
従って本発明の範囲では、極めて有利な方法手段は、溶液に、蒸留による酢酸分離前に、分離されたL−α−アミノカルボン酸と等モル量のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を加え、かつ溶液をpH値3〜8、好ましくは4.5〜5.5で溶融液になるまで蒸発濃縮することを特徴としている。このためには、溶液を適当な方法で真空で温度約100〜220℃で溶融液になるまで蒸発させるのが最も良い。130〜180℃の温度が好ましい。N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の塩(好ましくはナトリウム塩)が比較的高い融点、つまり約200℃を超える融点を有する場合には、溶融温度未満の温度で十分である、それというのもN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び固体物質としての酢酸塩の混合物においてすら真空で酢酸が、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の塩の形成下に留去されるうるからである。
すでに上に詳述した後アセチル化は、N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を酵素分解のために水性媒体中で塩に変え、かつ工程d)の実施前にL−α−アミノカルボン酸の残留部における後アセチル化のために、他の塩基を加えることなくL−α−アミノカルボン酸の残留量に対して少なくとも1.1モル当量の無水酢酸を溶液に加えるように、有利に行なう。これによって、意外に簡単に、L−α−アミノカルボン酸の分離後に“母液”として生じる溶液を循環使用に供給することに成功する。
本発明の範囲では、意外にも、アシラーゼによって遊離されたL−α−アミノカルボン酸を濃縮後の濾過又は濃縮操作後の濾過によって単離する変法から“母液”として生じかつN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩の他に形成されたL−α−アミノカルボン酸の量と等モル量の酢酸塩ならびにL−α−アミノカルボン酸の残部を含有する溶液を、残留するL−α−アミノカルボン酸及び酢酸塩を分離することなく、アシラーゼ分解により直接再使用されうる形に変えられることが判明した。これによって相応するラセミ対のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミノカルボン酸の取得がより効率よく形成される。
この場合“母液”として生じかつ本発明の処理後にアシラーゼ分解のために再使用される溶液は、種々の組成を有していてもよい。すなわち“母液”は、初めの方法の開始の際に生じる溶液であってもよい。しかし同様に、数回の循環使用後に生じる溶液が“母液”として生じることも可能である。最後にまた“母液”は、いろいろな溶液、例えば平衡な酵素分解工程から由来する種々の分解液を合体することによって生じるような溶液も包含しうる。
しかしいずれにしても該母液は、好ましくは特定の組成を有する。換言すれば該溶液は、特定の処理後に特定の形で存在している。特定の処理は、塩基で溶液を4〜8のpH値に調節することを包含し、この結果N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸がその塩の形で水溶液中に存在する。6〜8のpH値が有利である。pH値を調節するために希薄苛性ソーダ溶液を使用するのが有利である。該処理はさらにN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸の選択的酵素分解及びL−α−アミノカルボン酸の分離も包含する。従って“母液”は、L−α−アミノカルボン酸の処理直後、つまり時点から見るとその分離直後には、好ましくは、5重量%までの未分離L−α−アミノカルボン酸、40重量%までのN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び15重量%までの酢酸塩を含有する溶液である。ここですべての重量の数値は水溶液(“母液”)の全重量に対する割合である。
本発明の方法の他の態様は、プロセスに供給すべきN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を、“母液”中に存在する酢酸ナトリウムの使用下にナトリウム塩に変えることである。
これは、本発明の範囲で、等モル量のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸及び酢酸ナトリウムを含有する溶液から、酢酸を不利な副反応が生じることなしに殆ど完全に留去することに成功することが意外にも判明したので、可能なのである。
この方法を、ラセミ体分解から生じる“母液”に適用するためには、先ず、“母液”中に存在する遊離アミノ酸をアセチル化する必要がある。
後アセチル化の実施は、これを溶液中に存在するL−α−アミノカルボン酸の残留量に対して少なくとも1.5当量、最良には1.7から2.0当量の無水酢酸を加えることによって塩基の添加なしに行なう場合には、極めて有利であることが判った。
後アセチル化を1.1当量未満の無水酢酸を加えて行なう場合には、L−α−アミノカルボン酸(塩)が不完全にN−アセチル化合物に変るという危険が生じる。3.0当量よりも多く使用する場合には、過多の無水酢酸が利用されないままなので、物質の量的関係(Stoffbilang)が不利である。さらにまた不所望の副反応の危険も明らかに大きい。
本発明はすべての物質の循環使用を達成するので、酢酸の分離後に生じる物質混合物をさらに使用することができる。特に有利には、蒸発濃縮後に生じるN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の塩をラセミ化し、他の添加物なしに水中に溶かしかつ酵素ラセミ体分解に返送することができる。本発明の変法は、従来公知の方法手順に対して、最初にナトリウムイオンを分離する必要がないという大きな利点を有する。この分離は一般には鉱酸の塩として行なわれ、除去されたナトリウム鉱酸塩は廃水を介して処理されなければならないのである。また本発明の方法手段は塩の新たな形成も省略する。この塩の形成は、文献公知の方法の場合にはN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の中和の経過中にナトリウムイオンが再び系中に導入されることによって誘発されるのである。さらに本発明の方法は、イオン交換体による後処理に対して、3〜8のpH値でのナトリウム塩の蒸発の場合には、アセチルアミノ酸の加水分解は、pH値約2を有するN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸/酢酸混合物の蒸発と比べて明らかに減少され、副生成物の形成が最低限に抑えられるという他の利点も有する。
本発明の方法から生じるN−アシル−D(L)−α−アミノ酸塩のラセミ化は、原則として当業者に周知のすべての方法で行なうことができる。
ラセミ化は、好ましくは、溶融液において、特に触媒量の無水酢酸を添加して室温よりも高い温度に加熱することによって行なう。この場合には、ヨーロッパ特許出願公開第0175840号明細書に記載された、遊離N−アセチル−D(L)−α−アミノ酸のラセミ化と比較すると、明らかに少量の副生成物(特にアセチル化ジペプチド)が形成される。
また、アセチル−D(L)−アミノ酸塩のラセミ化を特開昭51−138603号公報に記載されているように溶液で行なうこともできる。
この場合にはラセミ化を、N−アセチル−D,L−α−アミノ酸を加えかつ蒸発濃縮して溶融液にする前に行なうのが最も有利である。
本発明の方法はまた、有利には、イオン交換体による後処理の際に生じる、N−アセチル−D(L)−α−アミノ酸及び酢酸から成る水溶液に適用することもできる。
従来技術による中和が、時間的にはラセミ化後(滞留時間の経過後)にアルカリ金属水酸化物−又はアンモニア水溶液で急冷することによって達成された後では、該中和は、蒸発の際に加水分解の減少と同時にN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の少なくとも一部分を相応の塩に変えることによって、またそれに伴う、予測できない方法によるラセミ化すべき混合物の組成の変化によって副生成物の有利な形成の原因となる。
特に、これは遊離のアセチルアミノ酸と比べて明らかに高められた塩の熱安定性に起因しうるものであると推測されうる。
本発明の範囲では、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩又はこれらの塩と相応の遊離酸とを含む混合物のラセミ化は、特に有利には“非水性”状態で行なう。“非水性”とは、本発明によれば、ラセミ化を水溶液中で行なうことができないことを意味する。しかし完全な無水は、上述のように、本発明による方法を効果的に行なうための前提ではない。
N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の少なくとも一部分を相応するN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩に変えるということは、ラセミ化の際に遊離酸と塩から成る混合物自体又は塩のみが存在することを意味する。
塩と酸から成る混合物をラセミ化のために使用する限り、ラセミ化混合物は例えば相応の純粋物質を混合することによって得ることができる。
しかし本発明の好ましい実施態様では、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の水溶液に場合により酢酸の存在で塩基(好ましくはNaOH)を加える。この際8以下のpH値が得られるか又は調節される。
好ましくは、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の水溶液又は該酸を相応するN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩との混合物で含有する水溶液をpH値2〜8、好ましくは4〜8、特に好ましくは4.5〜5.5に調節する。
特定のpH範囲又はpH値に調節することによって有利には著量の遊離酸が相応の塩に変えられるのみならず、同時にまたこの際調節された比によって熱ラセミ化にとって有利な、注目すべき反応速度の比が得られる。本発明方法で調節されるpH値2〜8、有利には4〜8、特に4.5〜5.5は、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の加水分解の危険を遊離のN−アセチルアミノ酸と比較して著しく減少させ、従って副生成物の形成(N−アセチルジペプチド)も減少させ、その結果比較的長い滞留時間又は高い温度でも収率に不利な影響をほとんど及ぼさない。pH値は好ましくは4.5〜5.5に調節する、それというのもこのpH範囲で混合物の緩衝作用が最も大きいからである。
所望のpH値を調節するためには、原則としてN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸と適当な塩を形成することのできる、当業者に周知の塩基を使用することができる。アルカリ溶液が好ましい。特にNaOHが好ましい、それというのも苛性ソーダ溶液によるpH調節が工業的規模では著しく容易になるからである。
塩基で本発明によるpH値範囲に調節された溶液は、有利な変法では、残留物を保持しつつ、乾固するまで、つまり固体が得られるまで蒸発されるか、又は溶融液になるまで蒸発される。
この場合得られた残留物(溶融液又は乾燥固体として存在していてよい)に、加熱によるラセミ化のために無水酢酸を加えるのが有利である。
ラセミ化すべき物質が溶融液である場合には、触媒量の無水酢酸を加えるのが好ましい、それというのもそれによってラセミ化の速度が明らかに増大されうるからである。
N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の溶融及び溶融液の加熱は、好ましくは窒素下で行なわれる。しかしこのような溶融及び溶融液の加熱はまた保護ガスなしに又は真空でも行なうことができる。
ラセミ化のために溶融液を使用するのが極めて有利であるとしても、さらに、アセチルアミノ酸塩の溶融液を得ることは、本発明方法を実施するに当たりラセミ化のためには必ずしも必要ではないことも判明した。塩の融点が極めて高い場合には、この固体と必要量の無水酢酸とを混合し、この混合物をアセチルアミノ酸塩の融点よりも低い温度に加熱することができる。加えた無水酢酸によって、ラセミ化のためには十分な部分的溶融物が形成されうる。
この方法によれば、例えばアセチル−フエニルアラニン−ナトリウム及びアセチル−バリン−ナトリウムがすでに160℃の温度でラセミ化されうる。
加えるべき無水酢酸の量は、本発明の範囲では特に重要ではない。好ましくは、溶融液又は部分的溶融物に十分混和しながら、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及びN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩の総量に対して2〜10重量%、特に好ましくは2〜6重量%の無水酢酸を加える。
ラセミ化のために使用する温度は、物質を過度に損傷するか又は副反応を惹起させることなく、できるだけ高くすべきである。
これらの条件下で溶融液を得ることができる場合には、該溶融液をラセミ化のために有利には、その都度のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸又はこれに相応する塩の溶融温度よりも5〜10℃高い温度で、どちらの温度がより高いかに応じて加熱する。
関与する物質の融点のために完全な溶融液を得ることが不可能である場合には、ラセミ化のために温度を100〜220℃、好ましくは130〜180℃の範囲で選択するのが有利である。この範囲は一般には提出されるすべての要求を満足させる。
ラセミ体をさらに処理するためには、このために当業者にとって周知の変法を用いることができる。好ましくは溶融液又は部分溶融物を加熱の終了後に水中に取り、次いで継続処理に供給する。
本発明の方法により多数のα−アミノカルボン酸を取得することができる。効果的に取得できる化合物には、なかんずく式I:
で示される化合物が属する。前記式中、
R1は水素又はC1〜4−アルキルであり、
R2は水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル−又はシクロアルキルアルキルであり、前記基はそれぞれそれ自体置換されていてもよくかつ/又はヘテロ原子を有していてもよく、
又は
R1及びR2は、それらに結合するC原子と一緒に3〜7員の飽和環を形成し、
R3は水素又はC1〜4−アルキルであり、
又は
R2及びR3は、それらに結合するN原子及びC原子と一緒に4〜7員の飽和環を形成し、該環は場合によりヘテロ原子を有していてもよい。
アルキル基は、直鎖又は枝分かれであってよく、直鎖の場合のC1〜12の鎖長又は枝分かれ鎖の場合のC3〜12の鎖長が好ましく、特に直鎖の場合のC1〜6の鎖長又は枝分かれ鎖の場合のC3〜6の鎖長が好ましい。例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソオクチル、ドデシルである。
これらのアルキル基は、好ましくは1〜3個のアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン基、グアニジノ基、尿素基、カルボキシ基、カルボキサミド基及び/又はアルコキシカルボニル基によって置換されている。
アリール基は、好ましくはフエニル基又は置換されたフエニル基であってよい。
置換されたアリール基は、好ましくはモノ−、ジ−又はトリハロゲン、モノ−、ジ−又はトリヒドロキシ、モノ−、ジ−又はトリアルキル−フエニル基であり、ここでハロゲンは弗素、塩素又は臭素であり、アルキルはC1〜4−アルキル、好ましくはメチル又はエチルである。
ヘテロアリール基は、好ましくは環中に1〜2個のヘテロ原子を有する5又は6員環系であり、ヘテロ原子はO、N又はSであってよい。
アリールアルキルは好ましくはベンジルである。シクロアルキル及びシクロアルキルメチルは好ましくはC3〜7−環系である。
好ましいのは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フエニルアラニン、メチオニン、セリン、チロシン、トレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、シスチン、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、ノルバリン及び前記アミノ酸の誘導体である。特に好ましいのはメチオニン、バリン、フエニルアラニン及び/又はノルバリンである。特にL−メチオニンの製造を挙げることができる。
本発明を、次の実施例によって詳述する。すべてのパーセントの数値は、他に断わりがない限り、重量パーセントを意味する。
例1:N−アセチル−D,L−メチオニンの製造
種々の量のD,L−メチオニンを酢酸100ml中に溶かし、この溶液を油浴で適温にし、無水酢酸1.1当量を加えた。5分後にこれらのバッチを真空で100℃の浴温度で蒸発濃縮した。N−アセチル−D,L−メチオニル−D,L−メチオニン(Ac−Met−Met)の含量をHPLCにより測定した。これらの実験の結果は次表にまとめてある:
例2:工業的条件下でのN−アセチル−D,L−メチオニンの製造
D,L−メチオニン373g(2.5モル)を90℃で酢酸5l中に溶かし、無水酢酸281g(2.75モル)を加えた。この際温度は95℃まで上昇した。10分の後反応後にこの溶液をサンベイ(Sambay)−蒸発器により170℃及び9mバールで蒸発濃縮した。粘着性油状物427gが得られ、これを冷却すると凝固した。HPLC−分析後にアセチル−D,L−メチオニン92.3%Ac−Met−Met3.4%から成る生成物が生じた。
例3:N−アセチル−D,L−バリンの製造
D,L−バリン11.7g(0.10モル)を酢酸100ml中に溶かし、90℃で無水酢酸11.2g(0.11モル)を加えた。10分後に15mバール及び100℃で蒸発濃縮を行なった。HPLC−分析後にアセチル−D,L−バリン95.6%及びN−アセチル−D,L−バリル−D,L−バリン2.8%から成る結晶質残留物が生じた。
例4:N−アセチル−D,L−ノルバリンの製造
D,L−ノルバリン11.7g(0.10モル)を例3と同様にして反応させた。HPLC−分析後に結晶質残留物はN−アセチル−D,L−ノルバリン95.2%及びN−アセチル−D,L−ノルバリル−D,L−ノルバリン4.1%から成っていた。
例5:N−アセチル−D,L−メチオニン及び酢酸ナトリウムから成る混合物からの酢酸の除去
N−アセチル−D,L−メチオニン38.2g(0.20モル)及び酢酸ナトリウム16.4g(0.20モル)をその都度激しく混合しかつ加熱した。約100℃から溶融液が形成された。この溶融液を15mバールで30分加熱して150〜180℃にし、冷却後に酢酸の含量を測定した。結果は次表にまとめてある:
例6:N−アセチル−L−バリン及び酢酸ナトリウムから成る混合物からの酢酸の除去
N−アセチル−L−バリン79.6g(0.50モル)及び酢酸ナトリウム41.0g(0.5モル)を、加熱しながら水150ml中に溶かし、100℃及び15mバールで蒸発乾固した。固体残留物の部分を次にその都度30分間種々の温度で乾燥し、酢酸の含量を測定した。結果は次表にまとめてある:
例7:N−アセチル−L−フエニルアラニン及び酢酸ナトリウムから成る混合物からの酢酸の除去
N−アセチル−L−フエニルアラニン103.6g(0.50モル)及び酢酸ナトリウム41.0g(0.5モル)を加熱しながら水150ml中に溶かし、100℃及び15mバールで蒸発乾固した。この固体残留物の部分を次にそれぞれ30分間種々の温度で乾燥し、酢酸の含量を測定した。結果は次表にまとまてある:
例8:N−アセチル−D,L−ノルバリン及び酢酸ナトリウムから成る混合物からの酢酸の除去
N−アセチル−D,L−ノルバリン3.12g(0.02モル)及び酢酸ナトリウム1.64g(0.02モル)を激しく混合し、加熱した。約110℃より溶融液が形成された。この溶融液を15mバールで30分間160℃に加熱した。冷却後に該試料は酢酸2.2%を含有していた。
例9:N−アセチル−D,L−メチオニン及びN−アセチル−D,L−メチオニン−ナトリウム塩の熱安定性の比較
N−アセチル−D,L−メチオニン(Ac−Met−OH)及びN−アセチル−D,L−メチオニン−ナトリウム塩(Ac−Met−ONa)それぞれ20gを150℃に加熱した。N−アセチル−D,L−メチオニル−D,L−メチオニンの形成をHPLCによって追跡した。結果は次表にまとめてある:
例10:N−アセチル−D(L)−メチオニン−ナトリウムの溶融液中でのラセミ化
N−アセチル−D(L)−メチオニン各10g(0.053モル)を、8重量%苛性ソーダ溶液で種々のpH値に調節し、真空で50mバールで蒸発させて溶融液にした。次にこの溶融液を加熱し、十分に撹拌しながら無水酢酸を加えた。次にこの溶融液を特定の時間の間この温度で放置し、次に水中に取った。ラセミ化を追跡するために旋光度
を測定した。ラセミ化の前はこの旋光度は+21.3であった。この実験の結果は次表にまとめてある:
例11:N−アセチル−L−フエニルアラニン−ナトリウム塩のラセミ化
例7のように調製しかつ150℃で真空で乾燥した、N−アセチル−L−フエニルアラニン−ナトリウム塩の試料を、無水酢酸と混合しかつ加熱した。ラセミ化の追跡のために旋光度
を測定した。この旋光度はラセミ化前には+21.6であった。結果は次表にまとめてある:
例12:N−アセチル−L−バリン−ナトリウム塩のラセミ化
例6のように調製しかつ150℃で真空で乾燥した、N−アセチル−L−バリン−ナトリウム塩の試料を、無水酢酸と混合しかつ加熱した。ラセミ化を追跡するために旋光度
を測定した。この旋光度はラセミ化前には+11.9であった。結果は次表にまとめてある:
例13:N−アセチル−D(L)−メチオニン−母液の後アセチル化
濾過によるL−メチオニンの分離後に得られ、100g当たり酢酸ナトリウム8.3g(0.100モル)、N−アセチル−D(L)−メチオニン−ナトリウム19.3g(0.089モル)及びL−メチオニン1.7g(0.011モル)を含有する母液それぞれ100gに、種々の温度で異なる量の無水酢酸を加えた。それぞれ30分後に試料を取出し、メチオニン含量をHPLCによって測定した。結果は次表にまとめてある:
例14:N−アセチル−D(L)−メチオニンナトリウム塩−母液の再循環
N−アセチル−D,L−メチオニン717g(3.75モル)及び水酸化ナトリウム140g(3.50モル)を水中に溶かし、水を補充して1.5lにした。この溶液のpH値を50%苛性ソーダ溶液で7に調節した。アシラーゼ(活性度31.000E/g)3.6gを加えた後、室温で5日間撹拌した。懸濁液を5℃に冷却し、沈殿物を濾取し、氷水300mlで洗浄しかつ乾燥した。L−メチオニン174g(1.17モル)が得られた。N−アセチル−D(L)−メチオニン21.8g重量%の他にL−メチオニン2.8重量%を含有している濾液(1800g)を60℃に加熱し、無水酢酸60g(0.60モル)を加えた。30分後には溶液中にメチオニンは検出できなかった。N−アセチル−D(L)−メチオニン223g(1.17モル)を加え、真空で蒸発濃縮して1200gにした。この溶液をサムベイ(Sambay)−蒸発器を用いて170℃及び10mバールで蒸発濃縮して752gにした。まだ熱い溶融液中に無水酢酸15gを撹拌導入し、10分間140℃に加熱し、次に水中に溶かし、水を補充して1.5lにした。この溶液の旋光度は0であった。N−アセチルジペプチドの含量はN−アセチル−メチオニンに対して0.8%であった。pH値を苛性ソーダ溶液で7に調節した後、この溶液を前記のように再びアシラーゼ分解のために使用した。L−メチオニン166g(1.11モル)が得られた。
例15:N−アセチル−D(L)−ノルバリン−ナトリウム塩−母液の再循環
N−アセチル−D,L−ノルバリン597g(3.75モル)及び水酸化ナトリウム140g(3.50モル)を水中に溶かし、水を補充して1.5lにした。この溶液のpH値を50%苛性ソーダ溶液で7に調節した。アシラーゼ(活性度31.000E/g)3.0gを加えた後室温で5日間撹拌した。この懸濁液を5℃に冷却し、沈殿物を濾取し、氷水300mlで洗浄しかつ乾燥した。L−ノルバリン157g(1.34モル)が得られた。N−アセチル−D(L)−ノルバリン22.5重量%の他にL−ノルバリン3.1重量%を含有する濾液(1393g)を60℃に加熱し、無水酢酸64g(0.62モル)を加えた。30分後には溶液中にノルバリンを検出することはできなかった。N−アセチル−D,L−ノルバリン213g(1.34モル)を加え、真空で蒸発濃縮して950gにした。この溶液をサムベイ蒸発器を用いて170℃及び10mバールで蒸発濃縮して644gにした。まだ熱い溶融液中に無水酢酸13gを撹拌導入し、10分間で140℃に加熱し、次いで水中に溶かしかつ水を補充して1.5lにした。クロマトグラフィーee測定により51.3%/48.7%のD/L比が得られた。N−アセチルジペプチドの含量はN−アセチル−ノルバリンに対して1.2%であった。pH値を苛性ソーダ溶液で7に調節した後、この溶液を前記のように再びアシラーゼ分解のために使用した。L−ノルバリン113g(0.97モル)が得られた。
本発明の他の利点及び実施態様は次の請求の範囲から明らかになる。
Claims (8)
- 相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミノカルボン酸を取得するに当たり、
(a)D,L−α−アミノカルボン酸をアセチル化し、
(b)この際得られるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の混合物中に存在するN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸を酵素によりL−α−アミノカルボン酸へと分解し、
(c)N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸及び形成されたL−α−アミノカルボン酸と等量の酢酸塩を含む溶液をそのまま保持しておいて、L−α−アミノカルボン酸を前記混合物から分離し、かつ
(d)前記溶液中に含有されたN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸をラセミ化し、かつ酵素分解に返送する
ことから成る方法において、酢酸塩及び遊離のN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸と平衡しているN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸塩及び遊離酢酸から成る溶液に、分離されたL−α−アミノカルボン酸と等モル量のN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を加え、かつこの溶液から3〜8のpH値で酢酸を蒸留により分離するように工程(c)からの保持さ れた溶液を調整することを特徴とする、相応するラセミ体のD,L−α−アミノカルボン酸から光学活性L−α−アミノカルボン酸を取得する方法。 - 溶液を4.5〜5.5のpH値で蒸発濃縮して溶融液にする、請求項1記載の方法。
- 蒸発濃縮後に得られる生成物をラセミ化しかつ酵素ラセミ体分解に返送する、請求項1又は2記載の方法。
- 未分解N−アセチル−D−α−アミノカルボン酸を、塩として又は遊離酸と一緒の混合物で、無水酢酸1〜10重量%の存在で100〜220℃でラセミ化する、請求項3記載の方法。
- 130〜180℃の温度でラセミ化する、請求項4記載の方法。
- N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を酵素分解のために水性媒体中で塩に変え、かつL−α−アミノカルボン酸の残留部分における後アセチル化のために工程(d)を行なう前に、溶液に他の塩基を加えることなくL−α−アミノカルボン酸の残留量に対して少なくとも1.1モル当量の無水酢酸を加える、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 未分離L−α−アミノカルボン酸を4〜8のpH値でアセチル化するために、溶液に未分離L−α−アミノカルボン酸に対して3.0当量までの無水酢酸を加えて、生じる溶液を酵素分解のために使用する、請求項6記載の方法。
- L−メチオニン、L−バリン、L−フエニルアラニン及び/又はL−ノルバリンを取得する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
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