JP2000501388A - 口内粘膜症の予防および治療のための組成物および方法 - Google Patents

口内粘膜症の予防および治療のための組成物および方法

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Abstract

(57)【要約】 この発明は、プロテグリンペプチドのような抗菌ペプチドを使用して、動物(ヒトを含む)の口内粘膜炎を治療するのに適した方法と組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 口内粘膜症の予防および治療のための組成物および方法関連出願の相互参照 本願は、1993年7月20日出願の米国出願第08/093,926号の一部継続出願である 、1993年7月26日出願の米国出願第08/095,769号の一部継続出願である、1994年1 月13日出願の米国出願第08/182,483号の一部継続出願である、1994年5月17日出 願の米国出願第08/243,879号の一部継続出願であり、PCT/US94/08305(WO95/033 25)に基づく優先権を主張している1995年5月26日出願の米国出願第08/451,832 号の一部継続出願である、1995年7月7日出願の米国出願第08/499,523号の一部継 続出願である、1995年11月22日出願の米国出願第08/562,346号の一部継続出願で ある、1996年5月17日出願の米国出願第08/649,811号の一部継続出願である、199 6年8月1日出願の米国出願第08/960,921号の一部継続出願である。米国出願第08/ 960,921号、第08/649,811号および第08/562,346号に関して、米国特許法(35 U .S.C.)第120条の下で利益が主張されている。これらの出願の内容は、参考と してその全体を本明細書に組み入れる。発明の分野 本発明は、口内粘膜症を治療または予防するための抗菌ペプチドの使用に関す る。特に、本発明は、ヒトを含む動物における口内粘膜炎を治療するためのプロ テグリンペプチドまたはその同族体の使用に関する。発明の背景 口内粘膜炎は、最新の方法によっても充分には管理されていない癌治療および 骨髄移植の重大な副作用である(Sonis,1993a,”Oral Complications,”In:Ca ncerMedicine ,pp.2381-2388,Holland et al.,Eds.,Lea and Febiger,Phil adelphia; Sonis,1993b,”Oral Complication in Cancer Therapy,”In:Princ iples and Practice of Oncology ,pp.2385-2394,DeVitta et al.,Eds. ,J.B.Lippincott,Philadelphia)。口内粘膜炎は、脳腫瘍または頸部腫瘍の ために化学療法および放射線療法を受けている患者のほぼ100%、そして白血 病の子供の90%に見られる。他の腫瘍のために化学療法を受けている患者では 40%が、化学療法剤に曝露されている各期間中口内に障害を発症する(Sonis ,1993b、前掲の文献)。さらに、骨髄移植を受けている患者では、自家移植で あっても同種異系移植であっても、約75%が口内粘膜炎を発症する(Woo et a l.,1993,Cancer 72: 1612-1617)。最近の推計によると、米国だけでも1年に 約400,000人の患者が口内粘膜炎を患っている(Graham et al.,1993,Cancer Nu rsing16 : 117-122)。患者は多くの場合に複数のサイクルで化学療法および/ま たは放射線療法を受けることを考えると、米国では1年間に1,000,000例の口内 粘膜炎が発生していると推定される。 口内粘膜炎の発生率は、腫瘍の種類、患者の年齢および口内の健康状態により 異なる。こうした様々な腫瘍で使用される治療法は重要な要因であり、骨髄移植 で使用される極めて攻撃的な化学療法プロトコルは、口内粘膜炎の高い発生率と 関連している。年齢の低い患者ほど発生率が高く、それは、上皮細胞の代謝が速 いために細胞毒性薬剤に対する感受性が高いためであると考えられる(Sonis,1 993a、前掲の文献)。 発生率は、化学療法剤の選択にも関連しており、カルムスチン(BCNU)、 クロラムブシル(ロイケラン(Leukeran))、シスプラチン(プラチノール(Pl atinol))、シタラビン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、フルオロウラ シル(5−FU)、メトキセトレート(メキセート(Mexate))およびプリカマ イシン(plicamycin)(ミスラシン(Mithracin))などの薬剤が、直接的な口 腔毒性をもち(Sonis,1993b、前掲の文献)、したがって口内粘膜炎を発生させ ることが知られている。攻撃的な注入プロトコルの使用が増加していることも、 口内粘膜炎の発生の増加と関係している。 口内粘膜炎は、口腔咽頭粘膜の急速に分裂する上皮細胞に対する化学療法およ び/または放射線療法の細胞毒性効果により開始され、内因性の口内微生物叢と 、細菌や真菌の日和見病原体の両方が感染することにより増悪化される。口内粘 膜炎に関連する合併症は、各患者集団により異なるが、疼痛、経口摂取の障害の 結 果としての脱水症および体重減少、ならびに口内で発生した生物の全身感染を含 む(Sonis,1993b、前掲の文献)。口内粘膜炎に関連する疼痛は、麻薬性鎮痛薬 を必要とするほど重度のこともあり、飲食が困難となるために患者はすべての栄 養を非経口的に摂取せざるを得なくなることもある。これらの患者でしばしば見 られる口腔上皮の傷害および免疫応答の不全により、生物が口腔から全身循環系 へと容易に侵入できる経路が生じる。敗血症が引き起こされる可能性があるため これは重大な問題であり、全身感染の兆候が観察された際には、注射可能な抗生 物質が使用される。これらの合併症のため、口内粘膜炎が放射線療法または化学 療法の用量を制限する毒性となり、その結果癌の治療が不充分なものとなりうる 。 口内粘膜炎および関連する口内感染を治療するための様々な方法が試されてい るが、その成果は限定されたものである。例えば、予備実験では、アロプリノー ルうがい薬、口腔内スクラルフェート・スラリーおよびペントキシフィリンが、 口内粘膜炎を減少させることが報告された。しかしながら、その後の制御された 無作為の実験では、これらの薬剤での治療には効果が見られなかった(Loprinzi et al.,1995,Sem .Oncol.22 Supple,3: 95-97; Epstein & Wong,1994,Int .J.Radiation Oncology Biol.Phys.28 : 693-698; Verdi et al.,1995,Oral Surg .Oral Med.Oral Pathol.Oral Radiol.Endod.80 : 36-42)。 口内微生物叢および口内潰瘍の感染の程度を減少させることを目的として、他 の治療法が行われている。G−CSFおよびGM−CSFでの全身治療は、口内 粘膜炎の発生を減少させることが示されている。それは、おそらく、好中球の回 復が促進され、それにより感染に対する抵抗力が増強されるためであると考えら れる。しかし、これには、CSFが口腔粘膜に対して、より直接的な作用を及ぼ すことが前提条件となる(Chi et al.,1995,J .Clin.Oncol.13: 2620-2628 )。ある研究では、GM−CSFは粘膜炎を悪化させることも報告されている( Cartee et al.,1994,Cytokine7: 471-477)。鎮痛および抗菌の性質を有する非 ステロイド薬である、塩酸ベンジダミンが、放射線療法を受けている患者および 動脈内化学療法を受けている患者の両方で試験が行われた(Epstein et al.,19 86,Oral Surg .Oral Med.Oral Pathol.62: 145-148; Epstein et al.,1989 ,Int .J.Radiation Oncology Biol.Phys.16: 1571-1575)。 抗菌うがい薬である、クロルヘキシジンも、口内粘膜炎の治療および予防に広 範に使用されている(Ferretti et al.,1990,Bone Marrow Transplan.3: 483-4 93; Weisdorf et al.,1989,Bone Marrow Transplan.4: 89-95)。しかし、ク ロルヘキシジンの効力は唾液中で有意に減少すること、およびこの化合物は放射 線療法を受けている患者の口腔内でコロニーを形成する傾向のあるグラム陰性微 生物に対しては比較的効果が弱いことが見いだされている(Spijkervet et al. ,1990,Oral Surg .Oral Med.Oral Pathol.69: 444-449)。さらに、クロルヘ キシジンの使用は有害であり、粘膜炎の発生率を高める可能性があるということ も、少なくとも一つの研究で示されている(Foote et al.,1994,J .Clin.Onc ol.12 : 2630-2633)。 骨髄抑制化学療法または放射線療法を受けている患者でバンコマイシン・ペー スト、ならびにポリミキシンB、トブラマイシンおよびアンフォテリシンBを含 有する抗生物質ロゼンジを使用することにより、口内粘膜炎およびアルファ溶血 連鎖球菌による敗血症の発生率が減少しうることがいくつかの研究により示され た(Barker et al.,1995,J .Ped.Hem.Oncol.17: 151-155; Spijkervet et a l.,1991,In: Irradiation Mucositis,Munksgaard Press,pp.43-50)。口内 粘膜炎を治療するための治療薬が明らかに必要とされているにもかかわらず、現 在この徴候のために承認されている薬は全く存在しない。その結果、この疾病の ための標準的な治療法は存在しない。 口内粘膜炎のような口内疾病を治療するために有用な薬剤の局所適用には、特 有の問題が存在する。例えば、唾液および/または食物もしくは飲料の摂取のた め、薬剤が有効であるために十分な程度の粘膜接着および口内滞留時間を達成す るのは極めて困難である場合が多い。ペプチドは唾液中に存在するタンパク分解 酵素に対して安定である必要があるため、ペプチドの局所適用にはさらに問題が 多い。薬物の局所口内適用に関連する他の問題点としては、歯の変色および患者 のコンプライアンス(compliance)がある。高レベルの患者のコンプライアンスを 提供しつつ、同時に、良好な粘膜接着および口内滞留時間を提供する口腔内製剤 を得ることは容易ではない。 したがって、広範な抗菌活性スペクトル、良好な安定性、粘膜接着および口内 滞留時間を示し、かつ高レベルの患者のコンプライアンスが得られる、口内粘膜 炎を治療するための組成物および方法が利用可能になることが、切望されている 。そして、それが本発明の目的である。発明の概要 これらおよびその他の目的が、本発明により提供される。本発明は、一つの面 において、抗菌ペプチドで口内粘膜炎を治療および/または予防する方法に関す る。本方法は、口内粘膜炎を治療または予防するために有効な量の抗菌ペプチド を、その必要がある動物に投与することを含む。一般的に、本発明の方法におい て有用な抗菌ペプチドは、プロテグリンペプチドおよび/またはその同族体であ る。しかし、マガイニン、デルマセプチン(dermaseptin)、PGLaまたはX PFペプチド、アドレノレグリン(adrenoregulin)、BPIタンパク質および ペプチド、セルレイン(caerulein)、パーフォリン、昆虫デフェンシンすなわ ちサペシン(sapecin)、ウサギまたはヒトのカチオン性抗菌ペプチド(CAP −18)、ブタ骨髄腫抗菌ペプチド(PMAP)、アイベリン(aibellin)、ア セリン(acerin)、ブレベニン(brevenin)、エスキュレンチン(esculentin) 、ラクトフェリン、セクロピン(cecropin)−メリチンハイブリッド(CEMA ペプチド)、ボンベニン(bombenin)、タキプレシン(tachyplesin)、ポリフ ェムシン(polyphemusin)およびデフェンシンなどの他の広域スペクトル抗菌ペ プチドも、同様に使用できる。 本発明の例示的な一実施態様において、口内粘膜炎の治療または予防に有用な プロテグリンペプチドは、下記の式を有するペプチドまたは薬学的なその塩であ る。 (I)X1−X2−X3−X4−X5−C6−X7−C8−X9−X10−X11−X12−C1 3 −X14−C15−X16−X17−X18 式中、 C8およびC13はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく、そして存在する 場合、それぞれ独立にシステイン様、塩基性、小型、極性/大型または疎水性の アミノ酸であり; C6およびC15はそれぞれ独立に、システイン様、塩基性、小型、極性/大型ま たは疎水性のアミノ酸であり; X1〜X5はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、 それぞれ独立に塩基性、疎水性、極性/大型または小型のアミノ酸であり; X7およびX14はそれぞれ独立に、疎水性または小型のアミノ酸であり; X9およびX12はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく; X9〜X12は、式(I)のアミノ酸配列に含まれる場合、協同して、逆ターンを 行うことができ、X9〜X12のうちの少なくとも一つは塩基性のアミノ酸であり ; X16〜X18はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく、そして存在する場合 、それぞれ独立に塩基性、疎水性、極性/大型または小型のアミノ酸であり; かつ、抗菌ペプチドが生理的pHにおいて少なくとも+1の正味の電荷を有する ように、抗菌ペプチドを構成しているアミノ酸の少なくとも約15%、最大約5 0%が塩基性のアミノ酸である。 式(I)のペプチドのN末端アシル化型および/またはC末端アミド化もしく はエステル化型、ならびに直鎖型またはジスルフィド架橋型も、本発明の方法に おいて使用することが可能である。 他の面において、本発明は、ヒトを含む動物の口腔への抗菌剤の局所適用に適 した薬学的製剤に関する。本発明の薬学的製剤は、一般的に、ゲル様の媒体と混 合された抗菌化合物を含む。ゲル様媒体は、一般的に、水溶性ゲル化剤と湿潤剤 との混合物であり、場合によっては、甘味料、保存料などの他の成分を含んでい てもよい。ゲル様製剤は、優れた粘膜接着性および口内滞留時間を提供し、かつ 高い患者のコンプライアンスに関連して好ましい湿潤性および香味を有する。こ のゲル様製剤は本明細書中に記載する方法と共に使用するのに特に適している。図面の簡単な説明 図1は、プールされた正常ヒト唾液中の微生物叢のコロニー形成単位(「CF U」)に対するペプチドOM−3(配列番号3)の効果を示すグラフである。 図2は、ハムスターにおける口内微生物叢の減少に対するペプチドOM−3 (配列番号3)の効果を示すグラフである。 図3は、ハムスターにおける口内粘膜炎に対するペプチドPG−1(配列番号 1)治療の効果を示すグラフである。 図4は、実験的に誘導された口内粘膜炎を有するハムスターの体重減少に対す るペプチドPG−1(配列番号1)治療の効果を示すグラフである。 図5は、ハムスターにおける口内粘膜炎に対するペプチドOM−3(配列番号 3)治療の効果を示すグラフである。 図6は、実験的に誘導された口内粘膜炎を有するハムスターの体重減少に対す るペプチドOM−3(配列番号3)治療の効果を示すグラフである。 図7は、ペプチドβシート二次構造の例示である。発明の詳細な説明 本発明は、ヒトを含む動物における口内粘膜炎を治療または予防するための組 成物および方法に関する。発明の概要に記載したように、口内粘膜炎は、相当の 数の、化学療法および/または放射線療法を受けている癌患者および骨髄移植患 者に発症する。 口内粘膜炎に関連する合併症は、各患者集団により異なるが、疼痛、経口摂取 の障害の結果としての脱水症および体重減少、ならびに口内で発生した生物の全 身感染を含む(Sonis,1993b)。口内粘膜炎に関連する疼痛は、麻薬性鎮痛薬を 必要とするほど重度のこともあり、飲食が困難となるために患者はすべての栄養 を非経口的に摂取せざるを得なくなることもある。これらの患者でしばしば見ら れる口腔上皮の傷害および免疫応答の不全により、生物が口腔から全身循環系へ と容易に侵入できる経路が生じる。敗血症が引き起こされる可能性があるためこ れは重大な問題であり、全身感染の兆候が観察された際には、注射可能な抗生物 質が使用される。これらの合併症のため、口内粘膜炎が放射線療法または化学療 法の用量を制限する毒性となり、その結果癌の治療が不充分なものとなりうる。 口腔は、アルファ連鎖球菌(alpha streptococci)、非溶血連鎖球菌(nonhem olytic streptococci)、D群連鎖球菌(group D streptococci)、コリネバク テリウム属(Corynebacterium)に属する菌種、ブドウ球菌( staphylococci)、ラクトバチルス(lactobacilli)、ナイセリア属(Neisseria )に属する菌種、カタル球菌(Branhamella catarrhalis)、ヘモフィルス・パ ラインフルエンザ(Hemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・インフルエ ンザ(Hemophilus influenzae)、アシネトバクター属(Acinetobacter)に属す る菌種、マイコプラズマ属(Mycoplasma)に属する菌種およびスピロヘータ(sp irochete)を含む様々な生物によりコロニー形成される。嫌気性生物も同様に検 出されている。肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)、肺炎杆菌(Klebsiella pneumo niae)、P.アエルギノサ(P.aeruginosa)、髄膜炎菌(N.meningitidis)お よびプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)などの重要な病原体となり うる微生物も、正常口内微生物叢中に同定されている(Loesche,1994,"Ecolog y of the Oral Flora",In: Oral Microbiology and Immunology,R.J.Niseng ard and M.G.Newman,Eds.,W.B.Saunders Co.,Philadelphia,pp.307-31 5)。癌患者では口腔内の生物数が増加することが観察されている。その原因は 不十分な口腔衛生および口内乾燥である可能性が最も高い。また、これらの患者 では、グラム陽性生物が支配的な状態から、グラム陰性生物が支配的な状態へと 口内微生物叢のシフトも見られる(Sonis,1993,"Oral Complications",In:Ca ncer Medicine ,3rd Edition,J.L.Holland et al.,Eds.,Lea and Febiger ,Philadelphia,pp.2381-2388; Spijkervet et al.,1991,"Effect of Selec tive Elimination of the Oral Flora on Mucositis in Irradiated Head and N eck Cancer Patients",J.Surg.Oncol.46: 167-173)。これらの生物、なら びにウイルスおよび真菌のすべてが、口内粘膜炎に関与しうる。 したがって、口内粘膜炎を治療するのに有用な薬剤は、特にグラム陰性微生物 に対して、広域スペクトルの抗菌活性を示す必要がある(Sonis,1993,"Oral C omplications of Cancer Therapy",In:Principles and Practice of Oncology ,V.DeVitta et al.,Eds.,J.B.Lippincott,Philadelphia)。口内粘膜炎 を治療するのに有用な薬剤のさらなる有利な性質として、殺傷速度が迅速である こと、および微生物の耐性出現の頻度が低いことが挙げられる。 プロテグリンペプチドとは、グラム陽性菌、グラム陰性菌、酵母、真菌および ある種のウイルスに対して広域スペクトルの抗菌活性を示す、天然に存在する抗 菌ペプチドの、一つの認識されているクラスである(プロテグリンペプチドの性 質の総説については、米国特許第5,464,823号およびWO95/03325ならびにそれら に引用されている参照文献を参照のこと)。現在までに、以下のアミノ酸配列を 有する、PG−1からPG−5と名付けられた、5つの異なる天然プロテグリン ペプチドが同定されている。 プロテグリンPG−1からPG−5は、C末端がアミド化されており、2つの ジスルフィド結合を有している。一つはC6とC15との間に、もう一つはC8とC13 との間に存在する。 最近、プロテグリンペプチドの同族体が数多く設計されている(米国出願第08 /451,832号、第08/499,523号、第08/562,346号、第08/649,811号および第08/960 ,921号)。これらのプロテグリンは、天然プロテグリンと同様に、広域スペクト ル抗菌活性を示す。 全く予想外のことに、プロテグリンペプチドのような抗菌ペプチドは、動物の 正常口内微生物叢に対して、さらに口内粘膜炎に関連する日和見病原体に対して も、広域スペクトル抗菌活性を示しうることが発見された。重要な点として、こ の抗菌活性は、口腔の本来の環境、特に唾液中で有効である。さらに、予想外に 、プロテグリンによる治療により粘膜炎の開始が防止されることも見いだされた 。これらの驚くべき知見に基づき、これらのペプチドは、口内粘膜炎のような口 内感染を治療または予防するために有効であると推測された。 プロテグリン、特に本発明の組成物による口内粘膜炎の治療には、他の治療法 よりも優れている点が多数ある。プロテグリンは、粘膜炎に関連する病原体およ び日和見感染、特に癌患者に見られるグラム陰性菌に対して抗菌活性を示す。バ ンコマイシンや他の抗生物質と異なり、プロテグリンは、口内病原体を時間単位 ではなく分単位で殺傷するため、口内局所適用にとって理想的に適している。な ぜなら、他の治療法で効果を得るために必要となるような長い滞留時間を達成す ることは、口内では困難だからである。さらに、バンコマイシンのような従来の 抗生物質と異なり、プロテグリンは、耐性出現の頻度が低いため、口内粘膜炎の ような感染症を治療するために理想的に適している。 本発明の製剤にも、多数の利点がある。本組成物は、優れた粘膜接着性を示し 、そのため有効成分が長時間粘膜と接触し続けることが可能である。さらに、湿 潤剤を使用することにより、製剤は口内粘膜を湿潤化させる作用を有するように なり、その結果患者のより高いコンプライアンスがもたらされる。湿潤剤は、水 バリヤーとして機能し、治療薬が唾液または他の体液によって洗浄除去されるこ とを防ぐ。媒体が好ましい香味を有することも、患者の高いコンプライアンスを 達成するための重要な要因である。 化合物 本発明に従い口内粘膜炎を治療または予防するために有用な抗菌ペプチドは、 治療を受けている患者の口内環境において口内粘膜炎に関連する病原体に対して 有効性を示すものであれば、事実上いかなる広域スペクトル抗菌ペプチドをも含 む。そのような抗菌ペプチドには、デルマセプチンまたはその誘導体もしくは類 似体のようなカチオン性両親媒性ペプチド(Mor et al.,1991,Biochemistry30 : 8824; Mor et al.,1991,Biochemistry33:6642; Mor et al.,1994,Eur .J. Biochem.219 :145);マガイニンペプチドまたはその誘導体もしくは類似体(Zas loff,1987,Proc .Natl.Acd.Sci.U.S.A.84:5449);PGLaもしくはXP Fペプチドまたはその誘導体もしくは類似体(Hoffman et al.,1983,EMBOJ .2 :711; Audreu et al.,1985,Biochem .J.149:531; Gibson et al.,1986,J .Bi ol.Chem.261 :5341; Giovannini et al.,1987,Biochem .J.243:113);CP Fペプチド(Richter et al.,1986,J.Biol.Chem.261:3676;米国特許第5,07 3,542号);アドレノレグリンまたはその誘導体もしくは類似体(Donly et al. ,1992,Proc .Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:10960; Amiche et al.,1993,Bioc hem .Biophys.Res.Commun.191 :983);パーフォリンまたはその誘導体もしく は類似体(Henkart et al.,1984,J .Exp.Med.160: 695);セルレインまたは その誘導体もしくは類似体(Richter et al.,1988,J .Biol.Chem.261: 3676- 3680;およびGibson et al.,1986,J .Biol.Chem.261: 5341-5349);細菌/透 過性増強タンパク質(Bacterial/Permeability-Increasing Protein)(BPI )またはそのペプチド誘導体もしくは類似体(Ooi et al.,1987,J .Biol.Che m.262 : 14981-14898; Qi et al.,1994,Biochem .J.298: 771-718; Gray and Haseman,1994,Infecti on and Immunity62 : 2732-2739; Little et al.,1994,J .Biol.Chem.269: 1865 -1872;および米国特許第5,348,942号);昆虫デフェンシン(サペシンとも呼ば れる)またはその類似体もしくは誘導体(Alvarez-Bravo et al.,1994,Bioche m .J.302 : 535-538; Yamada and Natori,1994,Biochem .J.298: 623-628; K um et al.,1994,FEBS Letters342: 189-192; Shimoda et al.,1994,FEBS Lett ers339 : 59-62; Yamada and Natori,1993,Biochem .J.291: 275-279; Homma et al.,1992,Biochem .J.288: 281-284; Hanzawa et al.,1990,FEBS Letters 26 9: 413-420; Kuzuhara et al.,1990,Biochem .J.107: 514-518; Matsuyama and Natori,1990,Biochem .J.108: 128-132;米国特許第5,107,486号; 欧州特 許第303,859号; 欧州特許第280,859号;米国特許第5,008,371号; 米国特許第5,10 6,735号および米国特許第5,118,789号);ウサギまたはヒトのFALL−39/ CAP−18(カチオン性抗菌タンパク質(Cationic Antimicrobial Protein) )またはその類似体もしくは誘導体(PCT出願 WO 94/02589およびそれに引用さ れている参照文献; Agerberth et al.,1995,Proc .Natl.Acad.Sci.U.S.A. 92 : 195-199; Larrick et al.,1991,Biochem .Biophys.Commun.179: 170-175 ; Hirata et al.,1990,Endotoxin: Advances in Experimental Medicine and Biology(HermanFriedman,T.W.Klein,Masayasu Nakano,and Alois Nowotny ,eds.); Tossiet al.,1994,FEBS Letters339: 108-112; Larrick et al.,19 94,J .Immunol.152: 231-240; Hiarata et al.,1994,Infection and Immunity 62 : 1421-1426;および Larrick et al.,1993,Antimicrobial Agents and Chemo therapy 37 :2534-2539);PMAP(ブタ骨髄腫抗菌ペプチド(Porcine Myeloi d Antibacterial Peptide))またはその類似体もしくは誘導体(Zanetti et al .,1994,J.Biol .Chem.269: 7855-7858; Storici et al.,1994,FEBS Letters 37 : 303-307;および Tossi et al.,1995,Eur .J.Biochem.228: 941-948);エ イベリンまたはその類似体もしくは誘導体(Hino et al.,1994,J .Dairy Sci77 : 3426-3461; Kumazawa et al.,1994,J .Antibiot.47: 1136-1144;および H ino et al.,1993,J .Dairy Sci.76: 2213-2221);セリンま たはその類似体もしくは誘導体(Stone et al.,1992,J .Chem.Soc.Perkin T rans.1 : 3173-3178;および 1992年8月20日公開のPCT国際公開WO92/13881);ボ ンビニンまたはその類似体もしくは誘導体(Simmaco et al.,1991,Eur .J.Bi ochem.199 : 217-222 および Gibson et al.,1991,J .Biol.Chem.266: 23103- 23111);ブレベニンまたはその類似体もしくは誘導体(Morikawa et al.,1992 ,Biochem .Biophys.Res.Commun.189: 184-190;および日本特許出願第6,080,69 5A号);エスクレチンまたはその類似体もしくは誘導体(Simmaco et al.,1993 ,FEBS Letters324: 159-161;および Simmacoetal.,1994,J .Biol.Chem.269: 11956-11961);ラクトフェリンまたはその類似体もしくは誘導体(米国特許第5 ,317,084号; 米国特許第5,304,633号; 欧州特許出願第519,726 A2号; 欧州特許 出願第503,939 A1号; 1993年11月11日公開のPCT出願WO93/22348; PCT出願WO90/1 3642; および Tomita et al.,In:Lactoferrin Structure and Function,Hutch ens,T.W.et al.,Eds.,Plenum Press,NY,1994,pp.209-218);CEMAペ プチドまたはその類似体もしくは誘導体(1994年3月3日公開のPCT出願WO94/0468 8);タキプレシンおよびポリフェムシンのようなタキプレシンの類似体(Nakam ura et al.,1988,J .Biol.Chem.263: 16709-16713; Miyata et al.,1989,J .Biochem.106 : 663-668);デフェンシン(Lehrer et al.,1991,Cell64: 229 -230; Lehrer et al.,1993,Ann .Rev.Immunol.11: 105-128;米国特許第4,705 ,777号、第4,659,692号および第4,543,252号);β−デフェンシン(Selsted et al.,1993,J .Biol.Chem.288: 6641-6648; Diamond et al.,1991,Proc .Nat l.Acad.Sci.U.S.A.88 : 3952-3958)およびプロテグリン(Kokryakov et al. ,1993,FEBS337: 231-236; Zhao et al.,1994,FEBS Letters346: 285-288;Mi gorodskaya et al.,1993,FEBS330:339-342; Storici et al.,1993,Biochem .Biophys.Res.Commun.196 : 1363-1367; Zhao et al.,1994,FEBS Lett.346: 285-288; Manzoni et al.,1996,FEBS Lett.383: 93-98;米国特許第5,464,823 号)が含まれるが、これらに限定されない。 特に好ましいペプチドは、米国特許第5,464,823号、WO95/03325、ならびに米 国出願第08/451,832号、第08/499,523号、第08/562,346号、第08/649,811号およ び第08/960,921号に記載のような、プロテグリンペプチドである。このように、 本明細書に記載の方法と共に使用するのに適したペプチドは、当業者に既知であ るか、または当分野で通常用いられる試験、例えば実施例に記載された試験によ り容易に同定される。一般的に、本発明の方法において有用な抗菌ペプチドは、 実施例に記載のアッセイ法を用いて測定した場合、グラム陽性菌およびグラム陰 性菌に対する最小阻止濃度(MIC)が約128μg/mLより小さく、好まし くは約64μg/mLより小さく、最も好ましくは約32μg/mLより小さい ものである。あるいは、またはそれに加えて、有用なペプチドは、一般的に、約 0.001%(w/w)から5%(w/w)のペプチド濃度で、唾液中で15分 間に少なくとも2桁(two log)の口内コロニー形成単位(CFU)の減少を示す 。 本発明の例示的な一実施態様において、口内粘膜炎の治療または予防に有用な プロテグリンペプチドは、下記の式を有するペプチドまたはその定義されている 修飾型である。 (I)X1−X2−X3−X4−X5−C6−X7−C8−X9−X10−X11−X12−C1 3 −X14−C15−X16−X17−X18 それぞれに場合において、Xnという記載は、ペプチド中の特定の位置のアミ ノ酸を表す。同様に、Cnという記載は、特定の位置のアミノ酸を表し、かつジ スルフィド結合を形成することが可能なアミノ酸残基を含んでいてもよい式(I )のペプチド中の位置を表す。 XnまたはCnにより表されるアミノ酸残基は、遺伝子によりコードされるLア ミノ酸、天然に存在する遺伝子によりコードされないLアミノ酸、合成のLアミ ノ酸または上記すべてのDエナンチオマーである。遺伝子によりコードされる2 0のLアミノ酸および一般的なコードされないアミノ酸についての、本明細書で 使用されるアミノ酸表記は、通常使用されるものであり、以下のとおりである。 本発明の方法において有用な化合物の例は、指定されたクラスのアミノ酸残基 に関して部分的に定義されるペプチドである。アミノ酸残基は、一般的に下記の ような主要なサブクラスにさらに分類することができる。 酸性:この残基は生理的pHにおいてH+イオンの解離のために負に荷電し、 ペプチドが生理的pHの水性溶媒中にある場合、該残基は、該残基を含むペプチ ドの高次構造中の表面部位を探し求めるように、水溶液により誘引される。 塩基性:この残基は生理的pHにおいてH+イオンとの会合のために正に荷電 し、ペプチドが生理的pHの水性溶媒中にある場合、該残基は、該残基を含むペ プチドの高次構造中の表面部位を探し求めるように、水溶液により誘引される。 疎水性:この残基は生理的pHにおいて荷電しておらず、ペプチドが水性溶媒 中にある場合、該残基は、該残基を含むペプチドの高次構造中の内側の部位を探 し求めるように、水溶液から反発される。 極性/大型:この残基は生理的pHにおいて荷電していないが、ペプチドが水 性溶媒中にある場合、該残基は、該残基を含むペプチドの高次構造中の内側の部 位を必然的に探し求めるように、水溶液から十分には反発されない。状況により 、また配列中の残りのアミノ酸により、該残基はタンパク質の内側の空間に存在 することもあるし、表面に存在することもある。 システイン様:ジスルフィド結合に関与できる側鎖を有する残基。したがって 、システイン様アミノ酸は、一般的に、システイン、ホモシステイン、ペニシラ ミンなどのように、少なくとも一つのチオール(SH)基を含む側鎖を有する。 小型:たとえ極性基を有していなくとも、疎水性を与えるのに十分な大きさを もたない側鎖を有するある種の中性アミノ酸。「小型」のアミノ酸は、側鎖に少 なくとも一つの極性基を有する場合には4個以下の炭素を含み、有しない場合に は3個以下の炭素を含む。 遺伝子によりコードされる二次的なアミノ酸プロリン(ならびに3−ヒドロキ シプロリンおよび4−ヒドロキシプロリンなどのプロリン様イミノ酸)は、ペプ チド鎖の二次構造に対するその公知の効果のため、特別な例であり、分類に含ま れていない。 当然、個々の残基分子の統計的なコレクションの中には、荷電しているものも 、していないものも存在し、そして多少の程度はあれ、水性溶媒に誘引されるも のも、反発されるものも存在するということが理解される。「荷電した」という 定義に適合するのは、個々の分子のうちの有意な割合(少なくとも約25%)が 生理的pHで荷電している場合である。極性または非極性として分類されるのに 必要な誘引または反発の程度は任意であり、したがって、本発明により特別に考 慮されたアミノ酸は、いずれかに分類されている。特別に命名されていない大部 分のアミノ酸は、既知の挙動に基づき分類される。 アミノ酸残基は、環状または非環状として、そして芳香性または非芳香性とし て、残基の側鎖置換基に関する自明の分類により、さらに分類されうる。 本発明のペプチドを構成しうる遺伝子によりコードされない一般的に見いださ れるある種のアミノ酸は、β−アラニン(b−Ala)、および3−アミノプロ ピオン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr)、4−アミノ酪酸などの他 のオメガ−アミノ酸;α−アミノイソ酪酸(Aib);ε−アミノヘキサン酸( Aha);δ−アミノ吉草酸(Ava);N−メチルグリシンすなわちサルコシ ン(MeGly);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t−ブチル アラニン(t−BuA);t−ブチルグリシン(t−BuG);N−メチルイソ ロイシン(Melle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニ ン(Cha);ノルロイシン(Nle);1−ナフチルアラニン(1−Nal) ;2−ナフチルアラニン(2−Nal);4−クロロフェニルアラニン(Phe (4−Cl));2−フルオロフェニルアラニン(Phe(2−F));3−フ ルオロフェニルアラニン(Phe(3−F));4−フルオロフェニルアラニン (Phe(4−F));ペニシラミン(Pen);1,2,3,4−テトラヒド ロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic);β−2−チエニルアラニン(Th i);メチオニンスルホキシド(MSO);ホモアルギニン(Har);N−ア セチルリシン(AcLys);2,3−ジアミノ酪酸(Dab);2,4−ジア ミノ酪酸(Dbu);p−アミノフェニルアラニン(Phe(pNH2));N −メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys)およびホモセリン (hSer)を含むが、これらに限定されない。これらのアミノ酸も、上に定義 したカテゴリーに都合よく分類される。 上記の遺伝子によりコードされるアミノ酸、およびコードされないアミノ酸の 分類は、下記の表1に要約されている。表1は、例示のみを目的とするものであ り、本明細書に記載の例示的なペプチドを構成することができるアミノ酸残基の 排他的なリストを目的とするものではない。 式Iのペプチド中、アミノ酸残基Xnおよび/またはCnの間の「−」という記 号は、通常骨格(主鎖)の内部結合を表す。したがって、「−」という記号は、 通常アミド結合(−C(O)−NH)を表す。しかし、本発明の方法において多 くの有用なペプチドでは、一つまたは複数のアミド結合がアミド以外の結合で置 換されていてもよいことを理解されたい。そのような結合には、−CH2NH− 、−CH2S−、−CH2CH2−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、− C(O)CH2−、−CH(OH)CH2−および−CH2SO−が含まれるが、 これらに限定されない。 そのような結合を有するペプチド、およびそのようなペプチドを調製する方法 は、当分野で既知である(例えば、Spatola,1983,Vega Data l(3)(総論); Spatola,1983,”Peptide Backbone Modifications”In: Chemistry and Bioch emistry of Amino Acids Peptides and Proteins (Weinstein,ed.),Marcel Dek ker,New York,p.267(総論);Morley,1980,Trends Pharm .Sci.l: 463-46 8; Hudson et al.,1979,Int .J.Prot.Res.14: 177-185(−CH2NH−、 −CH2CH2−);Spatola et al.,1986,Life Sci .38:1243-1249(−CH 2S−);Hann,1982,J .Chem.Soc.Perkin Trans.I.1: 307-314(−CH= CH−、シスおよびトランス);Almquist et al., 1980,J .Med.Chem.23: 1392-1398(−COCH2−);Jennings-White et al .,Tetrahedron .Lett.23: 2533(−COCH2−);欧州特許出願EP45665(1982) CA:97:39405(−CH(OH)CH2−);Holladay et al.,1983,Tetrahedron Lett .24 : 4401-4404(−C(OH)CH2−);およびHruby,1982,Life Sci .31 : 189-199(−CH2−S−)を参照のこと)。 本発明のペプチドは、二つの主要なエレメントまたはモチーフを含む構造によ り特徴付けられる。すなわち、逆ターン領域が、逆平行βシートを形成する2つ の鎖により囲まれている。理論に束縛されるわけではないが、式(I)の化合物 の抗菌活性は、部分的にはそのようなコア構造と関係がある。 ペプチドのβシート領域は、N鎖(残基X1〜C8)およびC鎖(残基C13〜X18 )を含む。N鎖およびC鎖は互いに逆平行に配向し、骨格−骨格の水素結合を 介して互いに非共有結合している(βシート構造の詳細な説明については、Crei ghton,1993,Protein Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman an d Co.,NY、およびそれに引用されている参照文献を参照のこと)。理論に束縛 されるわけではないが、βシート形成にとって最も重要な残基は、X5−C8およ びC13−X16であると考えられる。 好ましくは、ペプチドのβシート領域は、両親媒性である。すなわち、βシー トの一方の表面は正味の疎水性の性質をもち、他方の表面は正味の親水性の性質 をもつ。図7に例示されたβシート構造を参照すると、鎖内で互いに隣接するL アミノ酸残基(残基n、n+1、n+2など)の側鎖は、βシートの反対の表面 に位置するよう反対方向に向いている。鎖間で互いに隣接するLアミノ酸残基( 残基nとc、n+1とc+1など)の側鎖は、βシートの同じ表面に位置するよ う同じ方向に向いている。この一般構造モチーフを用いて、シートの一方の表面 には疎水性の側鎖が位置し、他方の表面には親水性の側鎖が位置するβシートが 得られるように各残基部位のアミノ酸を選択することにより、両親媒性の逆平行 βシートが得られる。 当然、両親媒性逆平行βシート領域の表面は、正味の疎水性または正味の親水 性のみを必要とするのであって、特定の表面を構成している個々の側鎖が疎水性 または親水性である必要はない。表面は、表面の正味の性質を有意に変化させな い側鎖を含んでいてもよい。例えば、疎水性表面および親水性表面はいずれも、 小型のアミノ酸側鎖を含んでいてもよい。なぜなら、これらの側鎖は、表面の正 味の性質にほとんど影響を与えないからである。 式Iのペプチドのβシート領域は、鎖間のジスルフィド結合に関与しうる、1 つから4つのシステイン様アミノ酸、C6、C8、C13およびC15を含みうる。少 なくとも2つのシステイン様アミノ酸残基を含むペプチドは、ジスルフィド結合 形成の程度により、直鎖状であっても、環状であってもよい。環状型は、4つの 不変のシステイン様アミノ酸の全部または一部の間でジスルフィド結合が形成さ れた結果生じる。本発明の環状型は、ジスルフィド結合形成のすべての可能な順 列を含む。直鎖型は、環状型に変換可能であり、その逆もまた同様である。環状 ペプチドを作製するためジスルフィド結合を形成する方法は、当分野で周知であ り、直鎖状化合物を形成するためジスルフィドを還元する方法も同様に周知であ る。 天然型のプロテグリンには、2つのジスルフィド結合が含まれる。一つはシス テインC6−C15間、もう一つはC8−C13間に存在する(Harwig et al.,1995,J .Peptide Sci.3 : 207)。したがって、2つのジスルフィド結合を含 む実施態様において、C6−C15、C8−C13型が好適である。このようなペプチ ドを「天然」型と呼ぶ。しかし、ジスルフィド結合をただ1つ含む型のプロテグ リンが、活性を有し、容易に調製されることが見いだされている。ただ1つのジ スルフィド結合を有する実施態様の中で、好ましいものは、C6−C15のみで表 されるもの、およびC8−C13のみで表されるものである。 唯一のジスルフィド結合としてC6−C15ジスルフィドを含む型は、一般的に 「バレット」(bullet)型のプロテグリンと呼ばれ、唯一のジスルフィド結合がC8 −C13であるものは「カイト」(kite)型と呼ばれる。弾丸型および凧型は、最 も簡便な方法としては、ジスルフィド結合に関与していない部位のシステイン様 アミノ酸残基を、ジスルフィド結合に関与しないアミノ酸、好ましくはグリシン 、セリン、アラニンまたはトレオニンのような小型のアミノ酸と置換することに より作製できる。または、C8および/またはC13を欠失させてもよい。 直鎖状または「スネーク」(snake)型の天然ペプチドは有効な活性を有する ため、本発明のペプチドは、スルフヒドリル(SH)基が適当な試薬で化学的に 安定化されている直鎖型を含む。本明細書で定義されるように、「SH安定化」 型の本発明のペプチドは、ジスルフィド結合の再形成を防ぐため標準的な試薬と 反応させられたスルフヒドリル基、またはシステイン様アミノ酸残基が上記のよ うな他のアミノ酸により置換された型を含有する。分子間ジスルフィド結合の形 成の可能性を最少限にするために、4つのシステイン様アミノ酸残基すべてがS H安定化されているか、置換されていることが好ましい。 βシートにおいて鎖間ジスルフィド架橋に関与している硫黄原子は、鎖間骨格 −骨格水素結合により決定される面には位置しない。硫黄原子は、架橋されたア ミノ酸残基のβ炭素に対して、βシートの表面上に位置するような角度で存在す る。したがって、ジスルフィド結合の硫黄原子は、βシートの表面の正味の親水 性に寄与する。式Iのペプチドにおいて、下記の式により定義されたβシート領 域が、本明細書に記載の両親媒性逆平行シートの定義に特に当てはまると考えら れる。 式中、C6、C8、C13およびC15はそれぞれ独立に、システイン様アミノ酸で あり、X7およびX14はそれぞれ独立に、疎水性または小型のアミノ酸であり、 ‖はジスルフィド結合である。特に好ましい実施態様において、C6、C8、C13 およびC15はそれぞれシステインであり、X7およびX14はそれぞれ独立に疎水 性のアミノ酸である。 図7に例示されたβシート二次構造は、完全にLアミノ酸から構成されている 。当業者であれば、特定の残基部位のLアミノ酸をその対応するDエナンチオマ ーに置換することにより、両親媒性逆平行βシート領域の構造的安定性または両 親媒性が破壊される可能性があることを理解するであろう。特定のエナンチオマ ー置換が構造的安定性または両親媒性を破壊する程度は、アミノ酸側鎖の大きさ およびβシートにおける残基の位置により部分的に決定される。好ましくは、式 Iのペプチドのβシート領域は、すべてが対応するDエナンチオマーであるか、 またはすべてがLエナンチオマーである型のシートを含むペプチドと比較して、 βシート領域の安定性または両親媒性に有意な影響がないLアミノ酸およびDア ミノ酸の混合物を含む。βシート領域の安定性または両親媒性に実質的に影響を 与えないエナンチオマー置換は、当業者に容易に明らかとなろう。 本発明の好ましい一実施態様において、βシート領域を構成する疎水性、塩基 性、極性/大型およびシステイン様のアミノ酸は、すべてLエナンチオマーであ るか、すべてDエナンチオマーである。βシート領域を構成する小型アミノ酸は 、Lエナンチオマーであっても、またはDエナンチオマーであってもよい。 式Iのペプチドの逆ターン領域(残基X9−X10−X11−X12を合わせたもの )は、逆平行βシートの鎖と結合する。したがって、逆ターン領域は、ペプチド のある領域が逆平行βシート二次構造をとるよう、ポリペプチド鎖の方向を逆転 させる構造を含む。 分子の逆ターン領域は、一般的に、2つ、3つまたは4つのアミノ酸残基を含 む(残基X9および/またはX12は欠失していてもよい)。本明細書に記載され た例示的なプロテグリンペプチドの重要な特徴は、分子の逆ターン領域に正電荷 が存在することである。したがって、X9〜X12のうちの一つ、好ましくはX9〜 X12のうちの2つは、塩基性アミノ酸でなければならない。ペプチド中で逆タ ーンを行うことができるこのような2つ、3つおよび4つのアミノ酸のセグメン トは、周知であり、当業者にとって明らかであろう。 本発明の好ましい一実施態様において、逆ターンは、3アミノ酸残基γターン である。当分野で公知の事実上いかなるγターンも、本明細書に記載されたペプ チドに用いることができる。例えば、Rose et al.,1985,Adv .Protein Chem.37 : 1-109; Wilmer-White et al.,1987,Trends Biochem .Sci.12: 189-192; Wil mot et al.,1988,J .Mol.Biol.203: 221-232; Sibanda et al.,1989,J .Mo l.Biol.206 : 759-777;およびTramontano et al.,1989,Proteins: Struct .Fu nct.Genet.6 : 382-394に記載されているものを用いることができる。 他の好ましい実施態様において、逆ターンは、4アミノ酸残基βターンである 。このような構造において、ターンの2つの内部アミノ酸残基は、通常、逆平行 βシートの水素結合に関与していない。内部残基のいずれかの側の2つのアミノ 酸残基は、通常、βシートの水素結合に関与している。理論に束縛されるわけで はないが、このような水素結合は分子のβシート領域の安定化を補助すると考え られている。 多くのペプチドβターンの高次構造および配列が、当分野でよく開示されてい る。これらに限定されないが、それには、例えばI型、I'型、II型、II'型、II I型、III'型、IV型、V型、V'型、VIa型、VIb型、VII型およびVIII型が含ま れる(Richardson,1981,Adv .Protein Chem.34: 167-339; Rose et al.,1985 ,Adv .Protein Chem.37: 1-109; Wilmot et al.,1988,J .Mol.Biol.203: 2 21-232; Sibanda et al.,1989,J .Mol.Biol.206: 759-777;Tramontano et al .,1989,Proteins: Struct .Funct.Genet.6: 382-394を参照のこと)。これ らの型のペプチドβターン構造およびその対応する配列、ならびに後で発見され るβターン構造および配列のすべてが、本発明により特別に考慮されている。 βターンのような短いペプチドターンの特別な高次構造は、ターン中のいくつ かのアミノ酸残基(通常Gly、AsnまたはPro)の位置により主に決定さ れる。一般的に、I型βターンは、部位X9からX12でいかなるアミノ酸残基と も適合するが、部位X11にProが存在することはできない。I型およびII型い ずれにおいても、部位X12には主にGlyが存在し、部位X10には主にProが 存在する。側鎖が残基X11のNHと水素結合することが多い部位X9には、As p、Asn、SerおよびCysの存在頻度が高い。 II型ターンでは、必要とされる骨格角度を最も容易にとるように、Glyおよ びAsnがX11に出現することが最も高い。理想的には、I'型ターンは部位X1 0 およびX11にGlyを有し、II'型ターンは部位X10にGlyを有する。III型 ターンは、一般的に、ほとんどのアミノ酸残基を有することができるが、III'型 ターンは、通常、部位X10およびX11にGlyを必要とする。 VIa型ターンおよびVIb型ターンは、一般的に、シス型のペプチド結合を有し 、内部残基としてProを有する。タンパク質およびペプチド中のβターンの異 なる型および配列の総説については、Wilmot et al.,1988,J .Mol.Biol.203: 221-232を参照のこと。 好ましいβターン配列には、X9が塩基性アミノ酸(好ましくはR、K、Or nまたはDab)または疎水性アミノ酸(好ましくはW、F、YまたはCha) であり、X10が塩基性アミノ酸(好ましくはR)、小型アミノ酸(好ましくはM eGly)またはプロリンであり、X11が塩基性アミノ酸(好ましくはR、K、 OrnまたはDab)または疎水性アミノ酸(好ましくはW、F、YまたはCh a)であり、かつX12が疎水性アミノ酸(好ましくはW、F、Y、IまたはCh a)であるβターン配列が含まれる。 本発明の方法において有用なプロテグリンペプチドは、一般的に塩基性である 。すなわち、生理的pHにおいて正味の正電荷を有する。理論に束縛されるわけ ではないが、特に分子のターン領域に、正に荷電したアミノ酸残基が存在するこ とは、抗菌活性にとって重要であると考えられる。 ペプチドなどの構造中の個々のアミノ酸残基の統計的な集合の中には、正に荷 電しているものも、負に荷電しているものも、荷電していないものも存在するこ とが理解されよう。したがって、電荷を有するペプチドも、電荷を有しないペプ チドも存在する。「塩基性」という定義に適合するのは、ペプチド分子中の過剰 のアミノ酸残基が生理的pHで正に荷電している場合である。したがって、アミ ノ酸の約15%、最大約50%が塩基性アミノ酸であり、化合物が生理的pHで 少なくとも+1の正味の電荷を有している必要がある。好ましくは、例示的なペ プチドは、生理的pHで少なくとも+3の正味の電荷を有している。 10アミノ酸しかもたない実施態様の場合、ただ一つの塩基性アミノ酸残基が 存在してもよい。しかし、この短鎖残基ですら、少なくとも2つの塩基性残基が 好ましい。プロテグリンペプチドが15アミノ酸残基を含む場合には、2つの塩 基性残基が必要である。配列中のアミノ酸の少なくとも20%が塩基性であるこ とが好ましく、30%が塩基性アミノ酸であることが特に好ましい。 例示的なペプチドのアミノ末端は、遊離のアミノ型であっても、式RCO−の 基によりアシル化されていてもよい。ここで、Rは1〜25C、好ましくは1〜 10C、より好ましくは1〜8Cのヒドロカルビル(hydrocarbyl)基を表す。 ヒドロカルビル基は、飽和であっても非飽和であってもよく、直鎖であっても、 分岐していても、環状であってもよく、典型的には、例えばメチル、エチル、イ ソプロピル、t−ブチル、n−ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセン−2 −イル、ヘキセン−3−イル、ヘキセン−4−イル、オクチル、デシル、エイカ ノシル(eicanosyl)などである。 または、アミノ末端は、ナフチルなどの芳香環基で置換されていてもよい。そ のようなペプチドは、ペプチドのN末端に1−ナフチルアラニンおよび2−ナフ チルアラニンのような適当なアミノ酸を取り込ませることにより簡便に調製でき る。 ペプチドのアミノ末端はまた、細菌の周縁細胞質に侵入しやすくするための溶 質特異的な膜貫通チャンネルを使用するために、置換することができる。例えば 、カテコール−NHS活性化エステルを使用して、ペプチドのN末端をカテコー ルで都合よく修飾できる。 本明細書に記載の方法において有用なペプチドのC末端は、誘導体化されてい ないカルボキシル基の形態、すなわち遊離の酸または許容される塩のいずれかで あってもよい。塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩 、マグネシウム塩またはその他の非有機イオンもしくはカフェインのような有機 イオンの塩がある。カルボキシル末端はまた、式ROHのアルコールとのエステ ル 形成により誘導体化されていてもよいし、または式NH3もしくはRNH2もしく はR2NHのアミンによりアミド化されていてもよい。ここで、Rはそれぞれ独 立に、定義された上記のような好ましい態様をもつ1〜25Cのヒドロカルビル である。C末端が式CONH2を有するようなアミド化された形態のペプチドが 好ましい。 したがって、本発明の方法において有用ないくつかの例示的プロテグリンペプ チドは、下記の式を有するペプチドまたは薬学的に許容されるその塩、およびそ の定義された修飾型である。 (I)X1−X2−X3−X4−X5−C6−X7−C8−X9−X10−X11−X12−C1 3 −X14−C15−X16−X17−X18 式中、 C8およびC13はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく、そして存在する 場合、それぞれ独立にシステイン様、塩基性、小型、極性/大型または疎水性の アミノ酸であり; C6およびC15はそれぞれ独立に、システイン様、塩基性、小型、極性/大型ま たは疎水性のアミノ酸であり; X1〜X5はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、 それぞれ独立に塩基性、疎水性、極性/大型または小型のアミノ酸であり; X7およびX14はそれぞれ独立に、疎水性または小型のアミノ酸であり; X9およびX12はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく; X9〜X12は、式(I)のアミノ酸配列に含まれる場合、協同して、逆ターンを 行うことができ、X9〜X12のうちの少なくとも一つは塩基性のアミノ酸であり ; X16〜X18はそれぞれ独立に、存在してもしなくてもよく、そして存在する場合 、それぞれ独立に塩基性、疎水性、極性/大型または小型のアミノ酸であり;か つ、抗菌ペプチドが生理的pHにおいて少なくとも+1の正味の電荷を有するよ うに、抗菌ペプチドを含むアミノ酸の少なくとも約15%、最大約50%が塩基 性アミノ酸である。 好ましい一実施態様において、例示的ペプチドは下記の式を有するペプチドま たは薬学的に許容されるその塩である。 (I)X1−X2−X3−X4−X5−C6−X7−C8−X9−X10−X11−X12−C1 3 −X14−C15−X16−X17−X18 式中、 X1は存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、塩基性アミノ酸であり ; X2は存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、小型、塩基性または疎 水性のアミノ酸であり; X3は存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、小型または疎水性のア ミノ酸であり;X4は存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、小型、 塩基性または疎水性のアミノ酸であり; X5は小型、塩基性または疎水性のアミノ酸であり; C6はシステイン様のアミノ酸であり; X7は小型または疎水性のアミノ酸であり; C8はシステイン様、小型、塩基性または疎水性のアミノ酸であり; X9は塩基性または疎水性のアミノ酸であり; X10は小型もしくは塩基性のアミノ酸またはプロリンであり; X11は塩基性または疎水性のアミノ酸であり; X12は疎水性のアミノ酸であり; C13はシステイン様、小型、塩基性または疎水性のアミノ酸であり; X14は小型または疎水性のアミノ酸であり; C15はシステイン様のアミノ酸であり; X16は存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、疎水性のアミノ酸であ り; X17は存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、小型のアミノ酸であり ;かつ X18は存在してもしなくてもよく、そして存在する場合、塩基性のアミノ酸であ る。 特に好ましいペプチドは、X1がRであり;X2が存在しないかまたはR、G もしくはLであり;X3が存在しないかまたはG、L、WもしくはChaであり ;X4が存在しないかまたはR、GもしくはWであり;X5がR、G、A、L、V 、WもしくはChaであり;C6がCであり;X7がA、Y、FもしくはChaで あり;C8がC、K、AもしくはTであり;X9がR、F、W、YもしくはLであ り;X10がR、G、MeGlyもしくはPであり;X11がR、W、FもしくはC haであり;X12がF、I、Y、WもしくはChaであり;C13がC、K、Aも しくはTであり;X14がG、A、VもしくはFであり;X15がCであり;X16が 存在しないかまたはV、Fであり;X17が存在しないかまたはGであり;かつX18 が存在しないかまたはRであるペプチドである。 本発明のその他の特に好ましい実施態様において、式(I)のペプチドは下記 からなる群より選択される。 ここで、*で記されたペプチドは酸の形態であり、他はすべてアミドの形態で ある。 調製方法 天然に存在するPG−1からPG−5のような、本発明の方法において有用な いくつかのペプチドは、米国特許第5,464,823号に記載の方法によりブタ白血球 から単離できる。すべてのペプチドが、標準的な当分野で周知の技術を用いて化 学的に合成されうる。Nおよび/またはC末端も、通常の化学的手法を用いて誘 導体化できる。本発明の化合物は、アミノ末端にアシル基を含有していてもよく 、好ましくはアセチル基を含有する。N末端の遊離アミノ基をアセチル化または より一般的にアシル化する方法は、一般的に当分野で公知である。さらに、N末 端アミノ酸を、合成中に、アシル化された形態で供給することもできる。 カルボキシル末端において、カルボキシル基は、当然塩の形態で存在してもよ い。薬学的に許容される組成物の場合、これは前述のような薬学的に許容される 塩であろう。また、式ROH(Rは既に定義されたようなヒドロカルビル(1〜 6C)である)のアルコールを用いて、カルボキシル末端をエステル化すること もできる。同様に、式−CONH2、−CONHRまたは−CONR2(Rはそれ ぞれ独立に、本明細書で定義されたようなヒドロカルビル(1〜6C)である) を有するように、カルボキシル末端をアミド化することもできる。エステル化お よびアミド化の方法、ならびに塩基の存在下で中和し塩を形成させる方法は、す べて、標準的な有機化学的手法である。 C末端アミドを有するペプチドの合成の好ましい方法は、実施例に記載されて いる。 ジスルフィド結合の形成は、必要に応じて、穏和な酸化剤の存在下で行われる 。これらの結合を生じさせるには、化学的酸化剤を使用してもよいし、または化 合物を単純に空気中の酸素にさらしてもよい。様々な方法が当分野で公知である 。ジスルフィド結合形成のための有用な方法は、Tam,J.P.et al.,Synthesis (1979)955-957; Stewart,J.M.et al.,Solid Phase Peptide Synthesis,2d Ed.Pierce Chemical Company Rockford,IL(1984); Ahmed A.K.et al.,JBio l Chem(1975)250: 8477-8482およびPennington M.W.et al.,Peptide1990, E.Giralt et al.,ESCOM Leiden,The Netherlands(1991)164-166に記載され ている。さらに別法は、Kamber,B.et al.,Helv Chim Acta(1980)63:899-91 5に記載されている。固相上で行う方法は、Albericio Int J Pept Protein Res (1985)26: 92-97に記載されている。特に好ましい方法は、実施例に記載され たような分子酸素を用いた液相酸化である。 または、周知の方法を用いて、アルキル化剤によりシステイン様アミノ酸のス ルフヒドリル基を安定化させることもできる。 ペプチド骨格が遺伝子によりコードされるアミノ酸から完全に構成されている 場合、またはその一部分が遺伝子によりコードされるアミノ酸から完全に構成さ れている場合には、該ペプチドまたは該関連部分を、組み換えDNA技術を用い て合成することもできる。本発明のペプチドをコードするDNA自体は、商業的 に入手可能な装置を用いて合成できる。宿主の性質に応じたコドン選択を合成に 取り入れることもできる。 組み換え法により作製された形態のプロテグリンを、その後、上記のような方 法によりNおよび/またはC末端を修飾するため、そしてその単離方法によって は、ジスルフィド結合の形成を行うため誘導体化することが必要な場合がある。 組み換え製造に使用された宿主生物およびタンパク質が単離された由来動物によ っては、これらの変換の一部または全部が既に行われていることもある。 組み換え製造のため、本発明のプロテグリンをコードするDNAは、これらの コード配列を、目的とする宿主細胞と適合性のある適当なプロモーターおよびそ の他の調節配列の制御下におくような、発現系に挿入される。利用可能な宿主細 胞の型は、植物および動物界のほぼ全域にわたっている。したがって、本発明の プロテグリンは、細菌または酵母(非毒性または屈折性の形態で生産されうるか 、または耐性株を利用できる限り)、ならびに動物細胞、昆虫細胞および植物細 胞において作製されうる。実際、改変された植物細胞は、これらの感染因子に対 して自己防御できるような、関連する発現系を含むトランスジェニック植物を再 生させるために使用できる。 適当な組み換え方法および発現系は当業者には明らかであろう。投与 本発明の方法では一般に、口内粘膜炎を予防または治療するのに有効な量の抗 菌性プロテグリンペプチドを、対象者の口腔に局所的に投与する。治療上有効量 とは、口内粘膜炎に関連する症状の改善、および/または対象患者の口中の治療 前に観察されたコロニー形成単位(「CFU」)数に比較して口内粘膜炎に関連 する微生物叢のCFU数の減少をもたらすのに十分なプロテグリンペプチドの量 を指す。典型的には、3〜4対数(log)のオーダーのCFUの減少が治療上有効で あると考えられているが、1〜2対数オーダーの減少であっても症状の顕著な改 善、従って治療効果を示すこともある。 口内粘膜炎の患者に治療効果を付与する以外に、プロテグリンは予防的に使用 すると特に有効であることが知見された。従って、治療上有効量とはまた、口内 粘膜炎の発症を防止するのに十分なプロテグリンペプチドの量も意味する。従つ て口内粘膜炎を発症する危険性のある患者(例えば、化学療法または放射線療法 を受けている患者)でのプロテグリンペプチドの予防的使用は、本発明の重要な 態様である。 いずれのプロテグリンペプチドについても、治療上有効量は、まず、例えばM ICや唾液死滅動力学(saliva kill kinetics)のようなインビトロの試験から 推定することができる。初期の投与はまた、当業者に公知の方法を使用して、イ ンビボのデータ(例えば、動物モデル)からも推定することができる。口内粘膜 炎を治療または予防するための有効な用量を推定するための、特に有効な前臨床 動物モデルは、ハムスターモデルである(Sonisら、1990,oral Surg .Oral Med .Oral Pathol. 69: 437-443; Sonisら、1995,Oral Oncol .Eur.J.Cancer 31 B : 261-266)。当業者は、特に本明細書の詳細な開示を考慮すれば、動物データ に基づいて、ヒトへの投与のために容易に最適化することができるであろう。 一般に、プロテグリンペプチドは口内粘膜炎が起きる前に口腔に適用すると最 も有効であろう。すなわち一般に、患者が粘膜炎を発症するリスクが高いと考え られる時に治療が開始される。もちろん、患者がハイリスクであるかどうかまた はいつハイリスクであるかということは、患者の年令、化学療法や放射線療法の 強さ、治療すべき腫瘍またはガンのタイプ、および使用される化学療 法剤などの要因に依存する。担当の医師は、特定の患者がいつ粘膜炎を発症する リスクが高いかを決定できるであろう。しかし、プロテグリンペプチドは、患者 が口腔の炎症を感じ始めた時、または病変が現れた後に適用してもよい。 以下に詳述されるように、プロテグリンは典型的には、局所的経口製剤の形で 投与される。そのような製剤は一般に、約0.001%(w/w)〜2.5%(w/w)の 活性成分を含有する。しかし、0.005%(w/w)〜0.75%(w/w)または0. 03%(w/w)〜0.3%(w/w)のような量の範囲さえ有効であると予想される。 プロテグリンは、一部は投与濃度および患者の食物や流体の摂取の頻度に依存 して、1日に数回局所的に適用される。すなわち、特定の状況に応じて、プロテ グリンは1日に2回、3回、4回、またはさらに6回も投与してもよい。各投与 の前の食塩水による洗浄、および投与後少なくとも30分間および最大約数時間 まで食物や流体の摂取を控えると、治療の効果が増強されることもある。好まし くは、プロテグリン治療は、約1〜4週間行われるが、3〜4日間という短い期 間の治療計画でも予防的または治療的効果があることもある。ある場合には、患 者が化学療法および/または放射線療法を受けている全期間、患者に投与するこ とが好ましいこともある。 投与される抗菌性ペプチドの実際の量ならびに投与されるペプチドの投与スケ ジュールは、もちろん患者の年令、疾患の重症度、行われている化学療法または 放射線療法の強さ、およびもちろん担当医師の判断などの要因に依存する。 プロテグリンは、単独で、あるいは他のプロテグリンまたは抗菌性ペプチドま たは他の薬剤(例えば、リドカインなどの鎮痛剤)または抗炎症剤と混合して投 与することができる。製剤 典型的には該ペプチドは、局所的製剤の形で口腔に適用される。局所的経口投 与に適した製剤には、当業者に公知の、経口乳剤、マグマ剤、ゲル剤、スイシュ 剤(swishes)、トローチ剤、ペースト剤、クリーム剤、経口液剤、ガム剤など がある。これらの局所的経口ビヒクルは、本発明の方法で使用することができる 。正確な製剤ならびにその調製法は、当業者に明らかであろう(例えば、Ansel ら、1995,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery,Wi lliams & Wilkins、マルベルン(Malvern)、ペンシルバニア州; Remington's Pharmaceutical Sciences 、最新版、マック出版(Mack Publishing Co.)、イ ーストン(Easton)、ペンシルバニア州)。 本発明の好適な実施態様において、このペプチドは、ゲル様ビヒクル中に混合 して約0.001%(w/w)〜2.5%(w/w)、好ましくは約0.005%(w/w)〜 0.75%(w/w)、より好ましくは約0.03%(w/w)〜0.3%(w/w)、および 最も好ましくは約0.025%(w/w)〜0.15%(w/w)の活性ペプチドを含む、 局所的ゲル様製剤として投与される。ゲル様ビヒクルは一般に、水溶性ゲル化剤 、湿潤剤、および水を含み、Brookfield粘度計で測定する時約25℃で約500 〜100,000cps、好ましくは約10,000〜50,000cps、より好ま しくは約15,000〜30,000cps、および最も好ましくは約20,00 0〜25,000cpsの粘度を有する。ゲル化剤は、製剤に良好な粘膜付着性を 提供し、湿潤剤は製剤に良好な湿潤性と水分遮断性を提供する。 本発明のビヒクルとともに使用するのに適したゲル化剤には、例えば寒天、ベ ントナイト、カルボマー(例えば、カルボポール(carbopol))、水溶性セルロ ース性ポリマー(例えば、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキル セルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース)、 ボビドン、カオリン、トラガカント、およびビーガム(veegum)があり、ヒドロ キシアルキルアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロー ス)が最も好ましい。 本発明のゲル様ビヒクルで使用するのに適した湿潤剤には、例えばグリセリン 、プロピレングリコールおよびソルビトールがあり、ソルビトールが好ましい。 一般にビヒクルは、約0.1%(w/w)〜10%(w/w)、好ましくは約0.25% (w/w)〜5%(w/w)、および最も好ましくは約0.5%(w/w)〜3%(w/w)の水溶性 ゲル化剤、および約0.1%(w/w)〜20%(w/w)の湿潤剤を含む。しかし、ゲル 様ビヒクルの粘度が非常に重要であり、上記濃度の範囲は、単に例示のためであ る。ゲル化剤の実際の濃度は、一部は選択されるポリマー、供給業者および具体 的なロット番号に依存するであろう。他の成分の実際の濃 度も同様に、ゲル様製剤の粘度に影響を与えるであろう。本明細書に記載の好ま しい粘度と他の性質を有するゲル様製剤を与える適切な濃度を選択することは、 当業者の能力の範囲内である。 さらに本発明のゲル様ビヒクルには、抗菌性保存剤を含有してもよい。本発明 の組成物に有用な抗菌性保存剤には、安息香酸、アルキルパラベン類、安息香酸 ナトリウムおよびプロピオン酸ナトリウムのような抗真菌性保存剤;塩化ベンザ ルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウ ム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル 水銀、およびチメロサールのような抗菌性保存剤があり(ただし、これらに限定 されない)、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびこれらの混合物のような アルキルパラベン類が最も好ましい。 本発明の製剤で使用するのに有効な抗菌性保存剤の量は当業者に公知であり、 一部は使用される抗菌剤に依存する。典型的な濃度範囲は、約0.01%(w/w) 〜約2%(w/w)である。 本発明の組成物はまた、約1%(w/w)〜10%(w/w)の甘味剤(例えば、アスパ ルテーム、デキストロース、グリセリン、マリトール、マンニトール、サッカリ ンナトリウム、ソルビトール、ショ糖およびキシリトール)を含有してもよい。 このような甘味剤は、患者の薬剤受け入れを助けると考えられる。 もちろん組成物のpHは、組成物中に含有される活性成分に依存するだろう。 安定性と有効性のための最適pHの測定は、当業者の技術の範囲内である。 本発明の製剤の効力に悪影響を与えることなく、およびある場合にはこれを増 強するように使用できる他の最適な成分には、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸 、乳酸、および硝酸のような酸性化剤;アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジ エタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム 、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、およびトロラミ ンのようなアルカリ性化剤;メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリ ウムおよびクエン酸ナトリウムのような緩衝化剤;アスコルビン酸、パルミチン 酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン 、次亜リン酸、モノチオグリセリド、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリ ウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸 ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エデト酸二ナトリウ ムおよびエデト酸のようなキレート化剤;FD&C赤色3号、FD&C赤色20 号、FD&C黄色6号、FD&C青色2号、D&C緑色5号、D&C橙色5号、 キャラメルと酸化第二鉄、赤色などの着色剤;アニス油、桂皮油、ココア、メン トール、オレンジ油、ペパーミント油バニリンなどの香味剤があるが、これらに 限定されない。使用に適した濃度は、当業者に公知であろう。他の随時使用され る成分および使用に適した濃度は、例えば Remington's Pharmaceutical Scienc es 、最新版、マック出版(Mack Publishing Co.)、イーストン(Easton)、ペ ンシルバニア州)に記載されている。実施例1:ペプチドPG−1とOM−3の合成 本実施例は、C−末端アミドを有する本発明のペプチドの好適な合成法を記載 する。 1.1 線状ペプチドの合成 ペプチドPG−1とOM−3の線状アミド型を、Fmoc化学を使用して自動 ABI 433ペプチド合成機(ABD、パーキン・エルマー(Perkin-Elmer) 、フォスターシティ、カリホルニア州)により製造業者の標準的プロトコルに従 って、Fmoc Rinkアミド固体支持体樹脂(バチエム(Bachem))上で合 成した。樹脂からの粗生成物の切断は、10mlのチオアニソール:EDT:TF A(1:1:9)中で室温で2時間行った。粗切断生成物を、t−ブチルメチル エーテルで沈殿させ、ろ過し、乾燥した。 1.2 ジスルフィド結合の形成 粗線状ペプチドをDMSOに溶解し、20mMの酢酸アンモニウム(pH7)に 加えた。ペプチドの最終濃度は約1〜8mg/ml であり、pHは7.0〜7.2で あり、DMSO濃度は約5〜20%の範囲であった。溶液を室温で一晩攪拌し、 溶液のpHを濃酢酸で5に調整した。 酸化したペプチドを分取用逆相HPLCカラム(Vydac C18、2.2 cm×25cm、カタログ番号218TP101522)にのせて、溶出液の吸光度 (235nmで測定)がベースラインに達し且つ10ml/分で以下の緩衝液と勾配 を用いて純粋な生成物が溶出するまで、カラムを緩衝液(10%v/vアセトニト リル、0.1%v/v TFA水溶液)で洗浄した: 勾配 緩衝液A=0.10%(v/v) TFA水溶液; 緩衝液B=0.08%(v/v) TFAのアセトニトリル液。 画分を分析用HPLCで分析した。目的のジスルフィド架橋ペプチドを含有す る画分をプールし、アセトニトリルを除去し、得られた水溶液を凍結乾燥した。 ジスルフィド架橋したペプチドの配列を、質量スペクトルで確認した。実施例2:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ゲル製剤の調製 本実施例は、本発明の好適な局所的製剤を調製するための好適な方法を提供 する。 以下の成分を含有するOM−3の局所用ゲルを、以下のように調製した: メチルパラベンとプロピルパラベンを熱い水性乳酸緩衝液(pH4.2)に溶 解した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を熱溶液に分散し、 次にソルビトール、キシリトール、およびOM−3水溶液を加えた。この混合物 を室温まで冷却すると、冷却により粘性になった。実施例3:インビトロ抗菌活性測定 本実施例は、本発明の方法に有用なプロテグリンペプチドを同定するための好 適な方法を記載する。特に明記しない場合は、本明細書のすべてのインビトロ測 定データは、下記の方法を使用して得られた。 以下の装置、試薬、ストック溶液および培養物は、以下の測定法で使用する。微生物 :大腸菌(E.coli)ML−35pとバンコマイシン耐性エンテロコッカ ス・ファエシウム(Enterococcus faecium)(VREF)はそれぞれ、Dr.Robe rt Lehrer(UCLA、またLehrerら、1988,J .Immunol.Methods 108:153も参 照のこと)と Dr.Gary Schoolnik(スタンフォード)から得た。緑膿菌(Pseud omonas aeruginosa)(ATCC9027)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(ATCC1023)、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(S.aure us)(ATCC19636)、クレブシェラ・ニューモニアエ(K.pneumoniae )(ATCC9997)、霊菌(S.marcescenus)(ATCC13880)、S. サリバリウス(S.salivarius)(ATCC31067)、およびメチシリン耐 性黄色ブドウ球菌(S.aureus)(ATCC33591)は、アメリカンタイプ カルチャーコレクション(ATCC)、ロックビル(Rockville)、メリーラン ド州から得た。P.ミラビリス(P.mirabilis)は、ハムスターの頬袋から得られ た単離株である。 他の供給源からの微生物(例えば、臨床単離株)は、本明細書に記載の測定法 において上記微生物と交換して使用することができる。培地と試薬: トリプチカーゼ大豆寒天 (TSA:ベクトンディッキンソン(Becton Dickinson )、コッケイスビル(Cockeysville)、メリーランド州、BBL #43117 68):40gを1リットルの脱イオン水に溶解し、121℃で20分オ ートクレーブにかける。トリプチカーゼ大豆ブロス (TSB:ベクトンディッキンソン(Becton Dickins on)、コッケイスビル(Cockeysville)、メリーランド州、BBL #4311 768):30gを1リットルの脱イオン水に溶解し、121℃で20分オート クレーブにかけ、室温で保存する。2×トリプチカーゼ大豆ブロス (2×TSB):60gを1リットルの脱イオン 水に溶解し、121℃で20分オートクレーブにかけ、室温で保存する。グリセロール (20%v/v):20mlのグリセロールを80mlの脱イオン水と混 合し、0.20μのフィルターでろ過滅菌し、室温で保存する。一塩基性リン酸緩衝液 (100mM):13.7gの一塩基性リン酸ナトリウム( フィッシャー(FIsher)#S368−500)を1リットルの脱イオン水に溶解 する。0.20μのフィルターでろ過滅菌し、室温で保存する。二塩基性リン酸緩衝液 (100mM):14.2gの二塩基性リン酸ナトリウム( フィッシャー(FIsher)#S374−500)を1リットルの脱イオン水に溶解 する。0.45μのフィルターでろ過滅菌し、室温で保存する。リン酸緩衝化食塩水 (PBS:10mMリン酸塩、100mM NaCl、pH7. 4):15mlの一塩基性リン酸緩衝液(100mM)、5mlの二塩基性リン酸緩衝 液(100mM)、4mlのNaCl(5M)、および176mlの脱イオン水を混合 する。必要であればpHを調整し、0.45μのフィルターでろ過滅菌し、室温 で保存する。リン酸緩衝液 (100mM、pH6.5):40mlの二塩基性リン酸緩衝液(10 0mM)を160mlの一塩基性リン酸緩衝液(100mM)と混合する。必要であれ ばpHを調整し、0.45μのフィルターでろ過滅菌し、室温で保存する。液体試験培地 (LTM):以下の無菌成分を無菌的に組合せる:10mlのリン酸 緩衝液(100mM、pH6.5)、1.0mlのTSB、2mlのNaCl(5M) および87mlの脱イオン水。室温で保存する。酢酸 (0.01%(v/v)):10μlの酢酸を100mlの無菌脱イオン水と混合 する。アガロース :1gのアガロース(シグマ(Sigma)#S6013)を80mlの 脱イオン水に混合し、121℃で20分オートクレーブにかける。アガロース下層培地 :10mlのリン酸緩衝液(100mM、pH6.5)、1.0 mlのTSB、2mlのNaCl(5M)、および7mlの脱イオン水を、80mlの柔 らかくした(50℃)アガロースと組合せる。2×TSBアガロース上層培地 :60gのTSBと10gのアガロースを1リッ トルの脱イオン水に溶解し、100mlのアリコートをビンに取り、121℃で2 0分オートクレーブにかけ、室温で保存する。微生物スラントの調製 :各株をTSAで培養した。単離したコロニーを無菌のデ ィスポのループを使用して、TSB(50mlの無菌三角フラスコ中に10ml)に 移し、フラスコを37℃(細菌)または30℃(酵母)で16〜18時間振盪( 200rpm)してインキュベートした。 ブロス培養物を20%無菌グリセロールで1:1に希釈し、−80℃で1.0 mlのアリコートとして保存した。毎日接種のために、液体を無菌ループを用いて 融解したバイアルから移し、次にTSAスラントの表面に広げた。ねじブタのつ いた試験管を一晩インキュベートし、4℃で最大1カ月保存した。接種物の調製 : 1.試験管からキャップをはずし、TSAスラント上の増殖の多い部分に無菌 のループを軽く触れさせる。 2.10mlのTSB(50mlフラスコ)を接種し、37℃(細菌)または30 ℃(酵母)で振盪水浴中でフラスコを200rpmで18時間(一晩)インキュベ ートする。 3.キュベット中で50μlの一晩培養物TSBでを1:20に希釈し、TS Bを参照として600nmの吸光度(A600)を測定する。希釈した培養物のA600 は、0.1〜0.4のはずである。 4.250mlの三角フラスコ中で、50μlの一晩培養物をTSB(細菌)で 1:1000に、またはTSB(酵母)で1:100に希釈する。 5.フラスコを振盪水浴中で、対数期に達するまで(すなわち、培養物のA60 0 がさらに希釈することなく0.200〜0.400になるまで)37℃(細菌 )または30℃(酵母)で200rpm で約2〜3時間振盪してインキュベートす る。 6.対数期の培養物25mlを無菌の遠心分離管に移し、2000rpmで4℃で 10分間遠心分離する。上清をデカントし、25mlの無菌PBSを加え、ボルテ ックスしてペレットを再懸濁する。 7.懸濁液を2000rpm で4℃で10分間遠心分離する。上清をデカントし 、ペレットを5mlの無菌PBSで再懸濁する。 8.非希釈懸濁液のA600を測定する。吸光度が0.5を超える場合は、吸光 度が0.100〜0.500になるまで無菌PBSで希釈する。 9.食塩水(0.87%)中で連続10倍希釈して、104倍、105倍、およ び106倍希釈物の100μlをTSAプレート(1つのプレートに1つの希釈 物)に広げて、懸濁液1ml当たりのコロニー形成単位(CFU/ml)を測定する 。一晩インキュベートして、コロニー数を数え、CFU/mlを測定する(正確な 測定には、プレート当たり約20〜300コロニーが必要である)。ペプチドストック溶液の調製 : 1.各試験ペプチドの約1.0mgを、ポリプロピレン製の無菌クリオバイアル (1.8ml)に測りとる。 2.充分な量の酢酸(0.01%)を加えて、1280μg/mlの濃度を有する ストック溶液を作成する。ストック溶液を数個のバイアルに、バイアル当たり1 00μl分注し、密栓して−80℃でアリコートを保存する。 3.1 放射拡散(MCZ)測定法 MCZ測定法は、種々の抗菌性化合物に対する微生物の感受性を測定するため に、最小量の試験材料を使用する。細胞をほぼ対数中期まで増殖させ、最小栄養 緩衝化アガロースに再懸濁する。抗菌性ペプチドと標準的寒天の多価陰イオン性 成分との間の静電気的相互作用を避けるために、このゲルではアガロース(寒天 ではない)を使用する。ペプチドは、小さなウェルから放射状にゲル内に拡散し 、増殖阻止のゾーンの直径は、溶液中のペプチドの濃度に比例する(Lehrerら、 1988,J .Immuno.Methods 108: 153)。MCZ測定プレートの調製 : 1.注がれる各シャーレについて、柔らかくした(50℃)アガロース下層培 地10mlを無菌のポリプロピレン試験管(15ml)に入れる。4×106 CFUの目的の株を各試験管に加える。試験管を3回転倒させてウェルを充分混 合する。溶けたアガロースを直ちにシャーレに入れる。 2.アガロースが固化した後、無菌カニューレ(直径3mm)を使用してアガロ ースに16個のウェル(4×4の均等間隔の格子)を空ける。アガロースの塊を パスツールピペットで除去し、側腕の口が真空につながったフラスコにアガロー スを入れる。 3.ペプチドストック溶液から、希釈液として酢酸(0.01%)を使用して 、または50μg/ml未満のペプチド濃度については、希釈液としてヒト血清アル ブミン(HSA:0.1%w/v)を含有する酢酸ナトリウム(10mM、pH5) を使用して、連続2倍希釈物(128μg/mlから0.06μg/mlまで)を調製す る。 4.ウェル当たり1つの希釈物で、各連続希釈物の5μlをアガロースウェル に入れる。 5.陰性対照として希釈液をウェルに入れ、陽性対照としてプロテグリン−l (米国特許第5,464,823号;32μg/ml、8μg/mlおよび2μg/ml)を ウェルに入れる。 6.プレートを37℃(細菌)または30℃(酵母)で3時間インキュベート する。 7.2×TSBアガロース上層培地(10ml)を各プレートの表面にのせ、寒 天を固化させ、プレートを転倒させて、37℃(細菌)または30℃(酵母)で 16〜18時間インキュベートする。 8.プレートを観察し、増殖阻止のゾーン(各ウェルの周りの透明の部分)の 直径(mm)を測定する。 9.増殖阻止のゾーンの直径(Y軸)をウェル中のペプチドの濃度(X軸)に 対してプロットし、直線回帰分析を使用して最も適合した線を得る。この最も適 合した線のX−切片は、各ペプチド濃度の増殖阻止のゾーンの最小濃度(MCZ )である。 3.2 微量ブロス希釈(MCB)測定法 微量ブロス希釈法は、多数の試料を処理でき、MCZ測定法より自動化し易く 、データ解析が直接的で単純である。この測定法の重要な工程は、ペプチド の生物活性の妨害を最小にする規定最小栄養培地系での、微生物とペプチドの組 合せである。さらに、ペプチド希釈液に対して0.1%(w/v)のヒト血清アルブ ミン(HSA)の存在は、容器へのペプチドの吸着を最小にする。MCB測定プレートの調製 : 1.LTM中の対数期の細胞100μl(4×105CFU/ml)を、無菌の 96ウェルマイクロタイタープレートに入れる。 2.ペプチドストック溶液から、希釈液として酢酸(0.01%)を使用して 、または50μg/ml未満のペプチド濃度については、希釈液としてヒト血清アル ブミン(HSA:0.1%w/v)を含有する酢酸ナトリウム(10mM、pH5) を使用して、連続2倍希釈物(1280μg/mlから0.625μg/mlまで)を調 製する。 3.マイクロタイタープレートのウェルに、各2倍連続希釈物の3重測定のア リコート(11μl)を入れる。 4.プレートを37℃(細菌)または30℃(酵母)で3時間インキュベート する。 5.2×TSB100μlを各ウェルに加え、37℃(細菌)または30℃( 酵母)でさらに16〜18時間インキュベートする。 6.プレートを観察し、濁度(細胞増殖)について各ウェルを評価する。MR SAがしばしば沈殿し、ウェルの底にペレットが生成する。マイクロタイタープ レートをスタンドに置き、傾けた鏡を使用してウェルの底を観察して、MRSA を評価することができる。 7.ブロス培地中の増殖阻止の最小濃度(MCB)は、すべての目視できる増 殖を阻止するペプチドの最小濃度であると定義される。3重測定試料の各々のM CB値が異なる場合は、3つの試料の結果を平均することによりMCBが得られ る。 8.100%の殺菌活性を示すペプチドの最小濃度は、各ウェルからの10μ lのアリコートをTSAプレート上で、37℃(細菌)または30℃(酵母)で 24時間インキュベートして測定される(プレートに広げるために、24ウェル のプレートの各ウェル中の1.5mlのTSAは、交差汚染を最小にする)。 3.3 改良NCCLS最小阻止濃度(MIC)測定 臨床的基準についての国立委員会(The National Committee for Clinical St andards)(NCCLS)は、試験化合物を、ミューラー−ヒントンブロス(Mue ller-Hinton Broth)(「MHB」)中で512μg/mlのストック溶液として調 製することを要求している。ストック溶液は培地で連続(2倍)希釈し、各連続 希釈物は、1×106CFU/mlの細菌を含有する培地に1:1で加える(臨床 的基準についての国立委員会(The National Committee for Clinical Standard s)、1994年12月、「抗菌性感受性試験についての性能基準(Performance Stand ards for Antimicrobial Susceptibility Testing)」、NCCLS Document M100-S 5 Vol.14,No.16 :好気的に増殖する細菌についての希釈抗菌性感受性試験方 法(Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Test for Bacteria that Grow Aerobically )、第3版、承認された基準M7−A3、臨床的基準に ついての国立委員会(The National Committee for Clinical Standards)、ビ ラノバ(Villanova)、ペンシルバニア州)。 プロテグリンペプチドは、128μg/mlを超える濃度でMHB中で沈殿するこ とがわかった。すなわち、NCCLSのプロトコルに従うと、計算されたペプチ ドより少ない連続2倍希釈物が得られ、間違った高いMIC値が得られる。 この問題を克服するために、以下の改良NCCLS測定法は、プロテグリンペ プチドのMICを測定するための好適な方法である。この方法では、ペプチドに 適しており微生物に悪影響を与えない緩衝液(0.01%v/v酢酸、0.1%w/v HSA)中で、試験ペプチドの濃縮(10×)ストック溶液を調製し、そして ストックを微生物を含有するMHBに1:10で希釈することにより、沈殿が避 けられる。MIC測定プレートの調製 : 1.ミューラー−ヒントンブロス(MHB;ベクトンディッキンソン(Becton Dickinson)、コッケイスビル(Cockeysville)、メリーランド州、BB2 # 11443)中の試験生物の新鮮な一晩培養物を調製する。 2.培養物を約4×105CFU/mlになるまで新鮮なMHBで希釈し、 100μlのアリコートを無菌の96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェ ルに加える。 3.ペプチドストック溶液から、希釈液として酢酸(0.01%)を使用して 、または50μg/ml未満の濃度については、希釈液としてヒト血清アルブミン( HSA)またはウシ血清アルブミン(BSA)(0.1%〜0.2%w/v)を含 有する酢酸ナトリウム(10mM、pH5)を使用して、連続2倍希釈物(128 0μg/mlから0.625μg/mlまで)を調製する。 4.マイクロタイタープレートのウェルに、各連続希釈物の3重測定のアリコ ート(11μl)を入れる。 5.プレートを37℃(細菌)または30℃(酵母)で通気せずに16〜18 時間インキュベートする。 6.プレートを観察し、濁度(細胞増殖)について各ウェルを評価する。MR SAがしばしば沈殿し、ウェルの底にペレットが生成する。マイクロタイタープ レートをスタンドに置き、傾けた鏡を使用してウェルの底を観察して、MRSA を評価することができる。 7.最小阻止濃度(MIC)は、すべての目視できる増殖を阻止するペプチド の最小濃度であると定義される。3重測定試料の各々のMIC値が異なる場合は 、3つの試料の結果を平均することによりMICが得られる。 8.100%の殺菌活性を示すペプチドの最小濃度は、各ウェルからの10μ lのアリコートをTSAプレート上で37℃(細菌)または30℃(酵母)で2 4時間インキュベートして測定される(プレートに広げるために、24ウェルの プレートの各ウェル中の1.5mlのTSAは交差汚染を最小にする)。 3.4 速度論的殺菌活性測定 プロテグリンペプチドが標的微生物を死滅させる速度を測定するために、およ びあるペプチドが抗菌性であるか静菌性であるかを測定するために、以下の測定 法を使用した。測定プロトコル 1.LTM中の対数期の細胞200μl(4×105CFU/ml)を、96ウ ェルマイクロタイタープレートの各ウェルに入れる。 2.時間T=0分に、22μlの1280μg/mlペプチドをウェルA1に 加え、3回摩砕して混合する。 3.30秒間待って、第2の濃度のペプチド22μlを次のウェル(A2)に 加え、3回摩砕して混合する。 4.各ペプチドの添加を30秒間ずらして、すべての濃度のペプチドが添加さ れるまで、この工程を繰り返す。典型的には、ストックペプチドの4倍連続希釈 物(すなわち、各ウェルに1:10で希釈した1280、320、80、20、 および5μg/mlのペプチド)は、良好な比較死滅曲線を生成する。対照として2 2μlの0.01%酢酸を1つのウェルに加える。 5.時間T=15分に、3回摩砕してウェルA1を混合し、20μlを空の無 菌シャーレ(100mm×15mm)に移す。 6.20mlの柔らかくなった(50℃)TSAを加え、静かにプレートを回転 して混合する。 7.すべてのペプチド濃度がプレートに広げられるまで、工程5〜6を繰り返 す。 8.対照ウェルについては、試料をLTMで1:100希釈し、50μlの希 釈液をプレートに広げて、CFUの正確な測定値を得る。 9.寒天が固化後、プレートを転倒し、37℃(細菌)または30℃(酵母) で18〜24時間インキュベートする。 10.時間T=30、60、120、および240分に、すべてのペプチド濃 度と対照試料について、工程5〜9を繰り返す。 11.プレート当たりのCFU数を計測し、各ペプチド濃度についてCFUの 低下を推定する。この測定法を使用して効果を評価するために、ペプチドは少な くとも1対数(すなわち、少なくとも800CFU/プレート)だけCFUを低 下させなければならない。この数は正確性について推奨されているもの(30〜 300CFU/プレート)より高いが、回収可能なCFUの対数オーダーの変化 は、顕著な殺菌効果を意味する。 12.比較死滅曲線を得るために、画分の生存率の対数をペプチド濃度に対し てプロットする。実施例4:PG−1(配列番号1)のインビトロ抗菌活性 PG−1(および他のプロテグリン)の抗菌活性は、WO95/03325 (1995年2月2日公表)に記載されている。簡単に説明すると、PG−1は 広いスペクトルの抗菌活性を示し、L.モノシトゲネス(L.monocytogenes)、E GD株、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)、黄色ブドウ球菌(S.aureus )、クレブシェラ・ニューモニアエ(K.pneumoniae)270、緑膿菌(Pseudom onas aeruginosa)、ネズミチフス菌(S.typhimurium)、H.カプスラタム(H. capsulatum)、マイコバクテリウム・アビウム−イントラセルラレ(Mycobacter ium avium-intracellulare)および結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に対 して極めて有効である。抗菌活性は、90%牛胎児血清の存在下で観察される。実施例5:口内粘膜炎に関係する病原体に対するOM−3(配列番号3)のイン ビトロ抗菌活性 本例は、口内粘膜炎に関係する病原体に対する好適なペプチドOM−3のネイ ティブ型の抗菌活性を証明する。中咽頭から200を超える種の微生物が単離さ れているが、口腔の各表面は特定のサブグループが占めている(Liljemarkら、1 994,Oral Microbiology and Immunology,pp.120-128中、Nisengard and Newm an 編、サウンダーズ社(Saunders Co.)、フィラデルフィア)。唾液や頬粘膜 では、アルファおよび非溶血性連鎖球菌が主である(Loeshe,1994,Oral Micro biology and Immunology ,pp.307-315中、NisengardとNewman 編、サウンダー ズ社(Saunders Co.)、フィラデルフィア)。ペプチドOM−3に対する感受性 を測定するために、この群の代表的な種であるS.サリバリウス(S.salivarius )を、前述の放射拡散測定法で試験した(ただし、牛胎児血清を10%で上層に 加えた)。 口腔ではグラム陽性細菌が最も一般的に見られる微生物叢であるが、低レベル のグラム陰性細菌や真菌も存在する。広範囲の病原体候補に対するOM−3の効 果を測定するために、種々の病原体(メチシリン感受性および耐性黄色ブドウ球 菌(Staphylococcus aureus)(それぞれMSSA、MRSA)、バンコマイシ ン耐性エンテロコッカス・ファエシウム(E.faecium)(VREF)、緑膿菌( P.aeruginosa)、大腸菌(E.coli)、クレブシェラ・ニューモニアエ(K.pne umoniae)、霊菌(Serratia.marcescenus)、プロテウス・ミラビリス(Proteu s mirabilis)、およびカンジダ・アルビカンス(C.albican s)に対するペプチドのMIC(HSAまたはBSAが有りまたは無しで)を、 前述の改良NCCLS法を使用して測定した。 5.1 結果 OM−3濃度に対してプロットしたS.サリバリウス(S.salivarius)の増殖 阻止のゾーンの直線回帰分析は、OM−3の増殖阻止の最小濃度(MCZ)は0 .38μg/mlであることを示した。 OM−3に対して得られたMICを表4と5(下記)に示す。表4では、MI C値は、増殖のない最初のウェル中の濃度の3つの測定値の平均を示す。表5で は、データは、試験した各株の3つの測定値の平均である。一般に、各生物につ いて得られたMIC値は、同じ生物について観察された最小殺菌濃度(MBC) に等しかった(データは示していない)。 * 溶解馬血清を含有するミューラー−ヒントンブロス中のMICは、MHB中で のMRSAに対するMIC:4、MHB+LHB中でのMRSAに対するMIC :16により示されるように、血清成分の妨害のために、約4〜8倍高い。実施例6:ヒト唾液中の天然の微生物叢に対するOM−3の殺菌活性 本実施例は、プールした正常ヒト唾液中に存在する細菌のCFUを低下させる 好適なペプチドOM−3の能力を証明する。 6.1 実験プロトコル ペプチドOM−3(20mM酢酸ナトリウム、pH5)またはプラセボビヒクル を、唾液と1:1で混合した。混合の1、2、4、8および16分後、アリコー トを10%牛胎児血清を含有するトリプチカーゼ大豆寒天上に広げ、プレートを 37℃で一晩インキュベートした。 6.2 結果 実験の結果を図1に示す。データは、OM−3が2分以内に濃度依存性に口内 微生物叢を死滅させることを証明する。唾液は、ペプチドに結合するムチンのよ うな多くの陰性に荷電した糖タンパク質を含有する(Bansilら、1995,Annu .Re v.Phvsiol. 57: 635-57)ため、天然の微生物叢を有効に低下させるためには、 実施例5に記載した実験中より高濃度のOM−3が必要であった。 プラセボのビヒクルは、CFUに対して効果がなかった。実施例7:抗菌活性に及ぼす唾液の効果 本実施例は、放射拡散測定法およびCFUの低下で測定した時の、種々のプロ テグリンペプチドの抗菌活性に及ぼす唾液の効果を証明する。 7.1 実験プロトコル 放射拡散測定実験のために、Qu,X-Dら、Infect Immun(1996)6: 1240-1245 の放射拡散測定法を使用したが、下層の培地は、10mMのリン酸緩衝液(pH6 .5)、100mM NaCl、1%TSB、1%アガロースを含有した。上層中 の培地は、10mMのリン酸緩衝液(pH6.5)、100mM NaCl、2×T SB、1%アガロースを含有する。ペプチドは、0.01%酢酸中で作成した1 0×ストックから、10mM酢酸緩衝液(pH5)または唾液で希釈した。 CFUの低下のために、最初の接種物は、約4×107CFU/ml唾液を含有 した。ペプチド(320μg/ml)は0.01%酢酸に溶解し、唾液に1/10容 量で加えた。 7.2 結果 放射拡散測定法について、結果を透明の検出ゾーンを生成するのに必要な最小 濃度(すなわち、ゾーンの直径に対してペプチドの濃度をプロットする時、X軸 への外挿値であるMCZ)として示す。放射拡散測定法の結果は表6に示 し、CFUの低下は表7に示す。試験した多くのペプチドは、唾液の存在下で同 等かまたは改善された活性を示した。試験した多くのペプチドは、320μg/ml という低い濃度(0.032%w/w)でも、口腔CFU中の2対数以上の低下を 示した。 * で示したペプチドは酸型であり、他のすべてはアミド型である。 * で示したペプチドは酸型であり、他のすべてはアミド型である。実施例8:ハムスターの口内微生物叢の低下に及ぼすアミド化OM−3の効果 本実施例は、ハムスターの頬袋中の天然の口内微生物叢のCFUを低下させる のに好適なペプチドOM−3の効果を証明する。 8.1 実験プロトコル ペプチドOM−3(ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する水性製剤 中で1mg/mlまたは5mg/ml)を、0.25mlの容量で1日3回で4日間、ハムス ターの頬袋に適用した。投与群は、それぞれ4匹のハムスターを含んだ。投与の 2日目から初めて、処理の約4時間後または15時間後に頬袋を綿棒でこすった 。綿棒を、1mlの0.87%(w/v)のNaClおよび0.1%(w/v)のツイーン− 80を含有する培養試験管に入れて、冷蔵した。試料採取の24時間以内に、す べての培養試験管を激しく混合した。混合後、未希釈試料の0.1mlのアリコー トおよび2つの100倍連続希釈物の0.1mlのアリコートを、標準血液寒天プ レート上に広げた。37℃で少なくとも24時間インキュベートした後、プレー ト当たりのCFU数を測定した。 8.2 結果 実験の結果を図2に示す。図2において、白四角は、1mg/mlペプチドによる 処理;黒四角は5mg/mlによる処理を示す。「Rx」と記したX軸上の矢印は、 ペプチドを適用した時間を示す。 歴史的に、未処理ハムスターのCFU数は一般に、106〜107/綿棒である 。歴史的対照値に比較して、OM−3の適用後4時間目に、口腔CFUの1,0 00〜10,000倍(3〜4対数)の低下が絶えず存在した。口腔微生物叢の 予測される再増殖は、処理後15時間以内に起きた。PG−1で同等 の結果が得られた。実施例9:ハムスターの口内粘膜炎に及ぼすPG−1の作用 口腔粘膜炎に対して有効な治療法を試験するためのハムスターモデルは、Soni sらにより開発された(Sonisら、1990,Oral Surg .Oral Med.Oral Pahtol. 69 : 437-443;Sonisら、1995,Oral Oncol .Eur.J.Cancer 31B: 261-266)。こ のモデルで、ハムスターを化学療法剤である5−フルオロウラシル(5−FU) で処理し、次に頬袋を機械的に擦過して処理して、口内粘膜炎を作成した。その 結果のハムスターの口内粘膜炎の出現と経時変化は、ヒトの臨床的状況で見られ るものとよく似ている。この実験は、このモデルで口内粘膜炎の重症度を低下さ せるネイティブのPG−1の能力を証明する。 9.1 実験プロトコル 1日目と3日目に60mg/kgの5−FUを30匹の雄のハムスターに投与し、 5日目に左の頬袋の表面を擦過した。次にハムスターをランダムに2群に分類し 、6日目に開始して、0.5mlのプラセボのビヒクル(2%メトセル(methocel )K4M、10%プロピレングリコール、10%グリセロール、10mM酢酸緩衝 液)またはPG−1製剤(同じビヒクル中で2mg/ml)を、左の頬の粘膜に、1 日に6回11日間直接投与して処理した。標準化した10点重症度スケールを使 用してハムスターの頬袋のコード化した写真を採点して粘膜炎のスコアを決定し た(Sonisら、1995、前述)。 9.2 結果 実験の結果を図3と図4に示す。口腔粘膜炎のスコアを図3に示し、体重の変 化パーセントを図4に示す。図3と図4において、白四角は、プラセボビヒクル による処理を示し、黒四角はPG−1による処理を示す。図中の星印は、統計的 有意性を示す(p<0.05)。 図3から明らかなように、粘膜炎のピークの重症度は、PG−1で処理した群 で低下した。さらにPG−1処理により、ハムスターの体重が正常に増加し、こ れに対して対照ハムスターは、おそらく食物摂取を阻止する重症の口腔病変の結 果として、体重が減少した(図4)。 処理の2、6、および10日後に得られたCFU数を下記の表8に示す。PG −1による処理の2、6、および10日後に採取した口腔培養物は、ビヒク ル対照に対して口腔微生物叢CFUが少なくとも100倍(2 log10)の減少を 示した。PG−1を用いるこの試験は、口腔CFUの低下と臨床的効果の相関関 係を証明する。 実施例10:ハムスターにおけるOM−3口腔粘膜炎の効果 本実施例は、ハムスター前臨床モデルにおいて口腔粘膜炎の重症度を低下させ るOM−3の能力を証明する。 10.1 実験プロトコル プラセボビヒクルまたはOM−3製剤を局所的に投与した後の、ハムスターの 頬袋の口内粘膜炎の進行を評価した。口内粘膜炎を治療するために使用される薬 剤であるグルコン酸クロルヘキシジンを、比較のために投与した。 雄のゴールデンシリアン(golden Syrian)ハムスターを、ランダムに各群2 0匹ずつの4群に分類した。1日目と4日目にハムスターに80mg/kgの5−F Uを腹腔内投与して粘膜炎を誘発し、次に5日目に粘膜の表面刺激をした。ハム スターに0.5mlの試験製剤を、5日目から10日目までは1日に6回、そして 11日目は5回、左の頬袋に局所的に投与した。試験製剤は、プラセボHPMC ゲル(1群;ビヒクル対照)、0.5または2.0mg/mlのOM−3を有するH PMCゲル(それぞれ、3群と4群)、または1.2mg/mlのグルコン酸クロロ ヘキシジン(2群)である。OM−3投与量は、0.25と1.0mg/投与;ク ロロヘキシジンの投与量は0.6mg/投与であった。各ハムスターの左の頬袋を 、めくり返し、6、8、10、11、12、13および15日目に写真を撮った 。観察期間の終了時に、写真をコード化し、コードのまま 3人の熟練した観察者が独立に評価した。5日目から18日目まで毎日、体重を 記録した。先端に綿の付いたアプリケーターで各群5匹のハムスターの左の頬袋 を擦過して、処理の3日目および7日目に口腔培養物試料を得た。培養物を生理 食塩水に懸濁し、懸濁液を標準血液寒天プレートに広げて、CFUを求めた。生 存しているハムスターを18日目に安楽死させた。 10.2 結果 実験の結果を図5と図6に示す。図5は、4つの処理群の各々の口内粘膜炎の 進行を示すグラフである。図6は、4つの処理群の各々の体重の変化を示すグラ フである。図6と図7の両方で、三角はプラセボビヒクルによる処理を示し、四 角はクロロヘキシジン、菱形は0.25mg/投与のOM−3、および丸は1.0 mg/投与のOM−3を示す。星印は、統計的有意性を示す(p<0.05)。4 つの処理群のそれぞれで処理後3日目と7日目に測定したCFUを、下記の表9 に示す。 試験11日目に開始して観察の最後の日(15日目)まで続けると、ビヒクル で処理した対照に比較してOM−3で処理したハムスターでは粘膜炎のスコアは 有意に低かった(p<0.05)。投与当たり0.25または1.0mgのOM− 3を投与したハムスターの間で平均スコアに明らかな有意差はなかった(それぞ れ、0.5と2.0mg/ml)。11、12、および13日目に、ビヒクル対照に 比較して、クロロヘキシジンを投与したハムスターでは、粘膜炎 のスコアは低い傾向にあった。しかし、いずれも有意差はなかった。9日目から 18日目までの間で、投与当たり0.25mgのOM−3を投与されたハムスター の平均の体重増加は、ビヒクル対照より高い傾向があった。この差は、10、1 6、17および18日目に統計的に有意であった。 OM−3を投与されたハムスターの口腔CFUは、一般に濃度依存性に低下し た。生存率はすべての処理群で同等であった。実施例11:ハムスターの口内粘膜炎に対するOM−3の用量応答 本実施例は、ハムスター前臨床口内粘膜炎モデルのOM−3(配列番号13) の用量応答を示す。 11.1 実験プロトコル 雄のゴールデンシリアン(golden Syrian)ハムスターを、ランダムに各群2 0匹ずつの4群に分類した。1日目と3日目にハムスターに5−FUを腹腔内投 与して粘膜炎を誘発し、次に5日目と6日目に粘膜の表面刺激をした。ハムスタ ーに0.5mlの試験製剤を、5日目から12日目まで1日に6回、左の頬袋に局 所的に投与した。ビヒクルと、1ml当たり0.12、0.5または2.0mg/ml のOM−3を含有する製剤を、それぞれ0(ビヒクル)、0.06、0.25、 および1.0mgのOM−3/投与で投与した。各ハムスターの左の頬袋をめくり 返し、6、8、9、10、11、12、13、15および17日目に写真を撮っ た。5日目から17日目まで毎日、体重を記録した。処理の4日目および7日目 に投与ご1時間と3時間目に得た培養物試料を使用して、細菌の粘膜レベルを測 定した。生存しているハムスターを17日目に安楽死させた。 11.2 結果 ハムスターをOM−3で処理すると、口内粘膜炎の重症度と持続期間が用量依 存性に低下した。ビヒクル対照に比較して、処理の始まった翌日である6日目に 、各OM−3処理群の粘膜炎スコアは有意に低かった(p<0.05)。投与当 たり0.25mgのOM−3を投与したハムスターの間では、8日目に粘膜炎のス コアは有意に低く、投与当たり1.0mgのOM−3を投与したハムスターでは8 日目と9日目に有意に低かった。投与当たり1.0mgのOM−3を投与したハム スターでは、11、13、14および16日目に体重増加 は、ビヒクル対照より有意に高かった。投与当たり0.06または0.25mgの OM−3を投与されたハムスターでは、口腔コロニー形成単位(CFU)は、用 量依存性に低下した。中間量および高量投与群のハムスターでは、口腔CFUの 同等の低下が存在した。処理の4日目に、ビヒクル対照群、少量投与群、中間量 投与群、高量投与群の平均細菌数は、投与後1時間目は、それぞれ3.4×105 、9.4×102、1.6×101、および2.3×101であり、投与後3時間 目はそれぞれ1.4×106、6.8×103、8.8×101、および3.3× 101であった。処理の7日目の1時間後と3時間後に、同様のOM−3に関連 するCFUの低下が存在した。ビヒクル対照群と比較すると、生存率は一般にO M−3を投与された群で高かった。 本発明は、本発明の単一の態様の例示を意図した実施態様により、その範囲が 限定されるものではない。前述の説明および添付の図面から、当業者は本明細書 に記載のもの以外に本発明の種々の変更が可能であろう。そのような変更は、添 付の請求の範囲内にあることを意図している。 本明細書で引用したすべての文献は、その全体が参考のため本明細書に組み入 れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 690,921 (32)優先日 平成8年8月1日(1996.8.1) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/752,853 (32)優先日 平成8年11月21日(1996.11.21) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ, EE,FI,GE,HU,IL,IS,JP,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LV ,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL, RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,T T,UA,UZ,VN (72)発明者 チャオ,デ,ホワ アメリカ合衆国 95129 カリフォルニア 州,サン ホセ,エス.ブラニー アベニ ュー 1058 (72)発明者 ロウリー,デヴィッド,ジェイ. アメリカ合衆国 95129 カリフォルニア 州,サン ホセ,ガリ ドライブ 7130 (72)発明者 フー,ロジャー,チェン アメリカ合衆国 95070 カリフォルニア 州,サラトガ,シャドウ オークス ウェ イ 14050 (72)発明者 グー,チー,リャン アメリカ合衆国 95070 カリフォルニア 州,サラトガ,ビューチャンプス レーン 12134 (72)発明者 チャン,コンウェイ,シー. アメリカ合衆国 94110 カリフォルニア 州,サンフランシスコ,カンバーランド ストリート 69 (72)発明者 フィデス,ジョン,シー. アメリカ合衆国 94307 カリフォルニア 州,パロ アルト,ブリアント ストリー ト 2320

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.動物の口内粘膜炎を治療または予防するための方法であって、該動物の口腔 に治療上有効量の抗菌ペプチドを局所的に投与する段階を含む前記方法。 2.抗菌ペプチドはプロテグリンペプチドまたはその同属体である、請求項1記 載の方法。 3.該ペプチドは、式: (I)X1-X2-X3-X4-X5-C6-X7-C8-X9-X10-X11-X12-C13-X14-C15-X16-X17-X18ある いはその薬剤学的に許容される塩またはN−末端アシル化型またはC−末端アミ ド化型またはエステル化型を有し、式中、 C8とC13の各々は独立に、存在するかまたは存在せず、もし存在するなら、 各々は独立に、システイン様、塩基性、小型、極性/大型または疎水性であリ; C8とC15の各々は独立に、システイン様、塩基性、小型、極性/大型または 疎水性アミノ酸であり; X1〜X5の各々は独立に、存在するかまたは存在せず、もし存在するなら、各 々は独立に、塩基性、疎水性、極性/大型、または小型アミノ酸であり; X7とX14の各々は独立に、疎水性または小型アミノ酸であり; X9とX12の各々は独立に、存在するかまたは存在せず; X9〜X12は一緒になって、式(I)のアミノ酸配列中に含有される時、逆タ ーンすることができ、X9〜X12の少なくとも1つは塩基性アミノ酸でなければ ならず; X16〜X18の各々は独立に、存在するかまたは存在せず、もし存在するなら、 各々は独立に、塩基性、疎水性、極性/大型、または小型アミノ酸であり; かつ式中、該抗菌ペプチドが、生理学的pHで少なくとも+1の正味の電荷を 有するように、該抗菌ペプチドを構成するアミノ酸の少なくとも約15%〜最大 約50%は塩基性アミノ酸である、請求項1記載の方法。 4.X1は、存在するかまたは存在せず、存在するなら、塩基性アミノ酸であり ; X2は、存在するかまたは存在せず、存在するなら、小型、塩基性または疎 水性アミノ酸であり; X3は、存在するかまたは存在せず、存在するなら、小型または疎水性アミノ 酸であり; X4は、存在するかまたは存在せず、存在するなら、小型、塩基性または疎水 性アミノ酸であり; X5は、小型、塩基性または疎水性アミノ酸であり; C6は、システイン様アミノ酸であり; X7は、小型または疎水性アミノ酸であり; C8は、システイン様、小型、塩基性または疎水性アミノ酸であり; X9は、塩基性または疎水性アミノ酸であり; X10は、小型または塩基性アミノ酸、またはプロリンであり; X11は、塩基性または疎水性アミノ酸であり; X12は、疎水性アミノ酸であり; C13は、システイン様、小型、塩基性または疎水性アミノ酸であり; X14は、小型または疎水性アミノ酸であり; C15は、システイン様アミノ酸であり; X16は、存在するかまたは存在せず、存在するなら、疎水性アミノ酸であり; X17は、存在するかまたは存在せず、存在するなら、小型アミノ酸であり; および X18は、存在するかまたは存在せず、存在するなら疎水性アミノ酸である、請 求項3記載の方法。 5.X1はRであり;X2は存在しないか、またはR、GもしくはLであり;X3 は存在しないか、またはG、L、WもしくはChaであり;X4は存在しないか 、またはR、GもしくはWであり;X5はR、G、A、L、V、WまたはCha であり;C6はCであり;X7はA、Y、FよたはChaであり;C8はC、K、 AまたはTであり;X9はR、F、W、YまたはLであり;X10はR、G,Me GlyまたはPであり;X11はR、W、FまたはChaであり;X12はF、I、 Y、WまたはChaであり;C13はC、K、AまたはTであり;X14はG、A、 VまたはFであり;X15はCであり;X16は存在しない か、またはV、Fであり;X17は存在しないかまたはGであり;および、X18は 存在しないかまたはRである、請求項4記載の方法。 6.該ペプチドは、 よりなる群から選択され、ここで、*で示すペプチドは酸型であり、他のすべて はアミド型である、請求項1記載の方法。 7.ペプチドはネイティブ型である、請求項6記載の方法。 8.抗菌ペプチドは、約0.001%(w/w)〜2.5%(w/w)の濃度で投与される 、請求項1記載の方法。 9.抗菌ペブチドは、約0.005%(w/w)〜約0.75%(w/w)の濃度で投与さ れる、請求項1記載の方法。 10.抗菌化合物は、約0.03%(w/w)〜約0.3%(w/w)の濃度で投与される 、請求項1記載の方法。 11.抗菌ペプチドは、該製剤は、約0.005%(w/w)〜2.5%(w/w)の抗菌 ペプチド、約0.1%(w/w)〜10%(w/w)の水溶性ゲル化剤、および約0.1% 〜20%の湿潤剤を含むゲル様製剤の型で投与される、請求項1記載の方法。 12.製剤は約0.1%(w/w)〜10%(w/w)の甘味剤をさらに含む、請求項1記 載の方法。 13.製剤は約0.1%(w/w)〜2%(w/w)の抗菌性保存剤をさらに含む、請求項 1記載の方法。 14.抗菌ペプチドの局所的経口投与のための組成物であって、該組成物は、約 0.001%(w/w)〜2.5%(w/w)の抗菌ペプチド、約0.1%(w/w)〜10%( w/w)の水溶性ゲル化剤、約0.1%〜20%(w/w)の湿潤剤、および約0.1%( w/w)〜10%(w/w)の甘味剤を含む前記組成物。 15.抗菌ペプチドは、プロテグリンペプチドまたはその同属体である、請求項 14記載の組成物。 16.約0.01%(w/w)〜2%(w/w)の抗菌性保存剤をさらに含む、請求項14 記載の組成物。 17.水溶性ゲル化剤はセルロース性材料である、請求項14記載の組成物。 18.セルロース材料はヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1 7記載の組成物。 19.湿潤剤はソルビトールである、請求項14記載の組成物。 20.抗菌性保存剤は、メチルパラベンもしくはプロピルパラベンまたはこれら の混合物である、請求項16記載の組成物。
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