JP2000501121A - 生物学的に分解可能なポリエステル、該ポリエステルからなる材料および製造法 - Google Patents

生物学的に分解可能なポリエステル、該ポリエステルからなる材料および製造法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、自然界において微生物の作用を受けて分解され、モノマー成分として脂肪族ポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸を同時に使用して調製され、(i)一方のポリオールおよび芳香族ポリカルボン酸と、(ii)他方のポリオールおよび脂肪族ポリカルボン酸とからなる反復構成単位又はくり返し単位を有する高分子量の統計的コポリエステルであり、生物学的に分解可能な、とくに材料の形態におけるポリエステルであって、90%よりも多くの(i)の単位が、(i)以外の単位とは直接的に全く結合してないか、または多くても1つの単位と結合しているポリエステルにおいて、付加的なモノマー成分としてジイソシアナートを他の各モノマー成分に比して少量使用してポリエステルが調製されていることを特徴とする、前記ポリエステル。

Description

【発明の詳細な説明】 生物学的に分解可能なポリエステル、該ポリエステルからなる材料および製造法技術分野 本発明は、高分子量の脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる 生物学的に分解可能な(特に、材料または原料の形の)高分子量コポリエステル および該ポリエステルからなる材料ならびに製造法に関する。背景技術 尖鋭化しつつある廃棄物問題を出発点として、近年、微生物によって生物学的 に分解させ得る加工可能な熱可塑性ポリマー材料がますます開発されつつある。 従来のオレフィン系ポリマーとデンプンとで最初に処方された混合物[Kruppら 、Environ.Sci.Technol.,26(1992)193−198]は、良好な使用上の性質を有 するが、分解が部分的であることが判明しているが、これは、デンプンの部分の みが微生物によって変質されるにすぎないからである。生体高分子から直接にま たは適切な改質にもとづき得られる生物学的に分解可能な材料[Utzら、包装分 野における生物学的に分解可能な合成樹脂の使用に関する研究(1991)、BMFT Forschungsberich No.01−zv8904]は、通常完全に生分解可能であるものの、 加工および使用に関してしばしば重大な欠点を有する。即ち、可塑化されたデン プン材料は、例えば、水に対して安定ではない。というよりもむしろ、この種の 天然材料の本質的欠点は、とりわけ、材料物性の多様性および再現性が制限され るという点にある。 この問題の解決は、合成ポリマーの使用によって達成できる。この場合、主鎖 にヘテロ原子を有するポリマーは、一般に、潜在的に生分解可能であることが実 証されている。特に、脂肪族ポリエステルは、微生物によって比較的短時間で変 質されることが知られているが[Wittら、Makromol.Chem.Phys.,195(1994) 793−802]、この種のポリエステルは、しばしば、中程度の熱的、機械的性質を 有するに過ぎない。即ち、例えば、脂肪族ポリエステルであるポリカプロラクト ンは、約60℃の融点を有し、従って、各種の用途には不適である。ジイソシアナ ート、ビスオキシランまたはペルオキシドとの結合による分子量増大によって ポリエステルおよびポリアミドの機械的加工性および使用上の性質を改善できる ことが知られている[ドイツ公開DE−A−1495714.3,ドイツ公開DE−A−201 1678.3]。生物学的に分解可能であるとされる、このように改質されたポリエス テルは、ヨーロッパ特許公開第0572256号に記載されている。この材料の場合、0 .1〜5%の量のジイソシアナートを加えている。しかしながら、脂肪族ポリエス テルの熱的性質は、この種の改質によって影響されない。この種のポリエステル 以外に、25%以下のウレタンセグメントを含む脂肪族ポリエステルウレタンを生 物学的に分解可能な合成樹脂として使用することが記載されている[ヨーロッパ 特許公開第0593975号]。 更に、脂肪族ジカルボン酸の一部を芳香族ジカルボン酸で置換すれば、脂肪族 ポリエステルの材料物性を著しく改善できるということも知られている。即ち、 1,4−ブタンジオールおよびテレフタル酸をベースとするコポリエステルが記載 されている[ヨーロッパ特許公開第0007445号]。この場合、テレフタル酸10〜30 モル%をアジピン酸、グルタール酸及びコハク酸の混合物で置換している。この ような混合ポリエステルは、射出成形または押出成形によって成形体に加工され るが、生物学的に分解できない。テレフタル酸成分が40〜85モル%の脂肪族/芳 香族コポリエステルは、成形品原材料としてではなく、熱接着剤または粉状被覆 材としての用途について記載されているが[ヨーロッパ特許公開第0028687号]、 この場合、生物学的分解性には言及されていない。 ドイツ特許出願(1)9508737.2には、十分な加工性および使用上の性質を有し 、しかも生物学的に分解できる統計的コポリエステルを脂肪族ジカルボン酸、テ レフタル酸および各種の脂肪族ジオールから調製できることが示されている。上 記の材料の本質的構造は、コポリエステルの生物学的分解性を保証するため、隣 接するジカルボン酸単位の割合が小さく保持されている点にある。通常の溶融縮 合によって調製された上記コポリエステルは、押出によって成形体に加工できる 。 しかしながら、多数の別の加工法、例えば、ブローフイルム製造法およびブロ ー成形体製造法[横田ら、土井&福田(編集者)、Biodegradable Plastics and Polymer,N.Y.,1994)においては、明らかにより大きい溶融粘度が必要とな る。大きい溶融粘度は、コポリマーの大きい分子量を必要とする。これは、基本 的に、昇温によるコポリエステル分子量の増大、重縮合時の圧力のさらなる減少 および反応時間の延長によって達成される。しかしながら、工業上の目的のため には、この方法は、長い反応時間および材料の熱的負荷のため、特に、コポリエ ステルについては実用的でない。発明の開示 本発明に至る課題は、良好な加工性および使用上の性質を有し、しかも、同時 に、汎存の微生物によって分解させ得る材料を開発することにある。 本発明の課題は、自然界において微生物の作用を受けて分解され、モノマー成 分として脂肪族ポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸 を同時に使用して調製され、 (i)一方のポリオールおよび芳香族ポリカルボン酸と、 (ii)他方のポリオールおよび脂肪族ポリカルボン酸 とからなる反復構成単位又はくり返し単位を有する高分子量の統計的コポリエス テルであり、生物学的に分解可能な、とくに材料の形態におけるポリエステルで あって、90%よりも多くの(i)の単位が、(i)以外の単位とは直接的に全 く結合してないか、または多くても1つの単位と結合しているポリエステルにお いて、付加的なモノマー成分としてジイソシアナートを他の各モノマー成分に比 して少量使用してポリエステルが調製されていることを特徴とするポリエステル によって解決される。 驚くべきことには、構造複雑なポリエステルの場合も、本発明により、2官能 性イソシアナートの添加によって、例えば、ブロー成形法のための、改善された 加工性および材料物性を達成できるよう分子量を増大できた。更に、本発明に係 るポリエステルは極めて大きい分子量が得られるにも拘わらず、微生物によって 分解できる。 発明に係るポリエステルは、脂肪族/芳香族コポリエステルの縮合後、ポリエ ステルベースで2官能性イソシアナート0.1〜5重量%(特に、0.5〜2重量%)を 、例えば、熔融物に添加することによって、調製できる。 ジイソシアナートとしては、脂肪族ジイソシアナート、環式ジイソシアナート または芳香族ジイソシアナート、特に、ヘキサメチレンジイソシアナートを使用 できる。 本発明に係るポリエステルは、(モノマー成分としての全酸に関して)モノマー 成分として芳香族ポリカルボン酸に起因する成分3〜65モル%、特に、35〜55モ ル%を有することができる。この特徴は、生物学的分解性に関して有利である。 本発明に係るポリエステルは、 −脂肪族ジオール、特に、C2-6のジオール、好ましくは、1,2−エタンジオール 、1,2−プロパンジオール、2,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3 −ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールと、 −芳香族ジカルボン酸、好ましくは、テレフタル酸と、 −脂肪族ジカルボン酸、特に、C2-10のジカルボン酸、好ましくは、アジピン酸 またはセバシン酸 とによってポリエステルを予縮合させ、 −更に、ジイソシアナートを、 後縮合または重合させることによって、調製できる。 本発明に係るポリエステルは、芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカ ルボン酸によってポリエステルをメチルエステルの形に縮合することによって、 調製できる。 加水分解安定性の改善のために、重縮合物に慣用の添加物を添加する:先行技 術として、例えば、ヨーロッパ特許公開第0572256号を挙げられる。 本発明に係るポリエステルは、 (i)熔融状態においてポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカル ボン酸を縮合させて前駆体を形成し、 (ii)前駆体をジイソシアナートと縮合させて最終物を形成することによって、調 製できる。 ステップ(i)については、ドイツ特許出願(1)9508737.2が参照される。こ の場合、ステップ(i)において、過剰のポリオールと縮合させることができる 。 更に、(a)ジイソシアナートを熔融物に加えるか、(b)熔融物およびジイソシア ナートを別個の反応器に装入し、次いで、該反応器中で縮合させて最終物を形 成することもできる。 この場合、ステップ(i)において、縮合によって分子量5,000〜60,000g/モル( 好ましくは、20,000〜50,000g/モル)の前駆体を形成できる。更に、ステップ(i i)において、縮合によって分子量60,000〜350,00g/モル(特に、100,000〜250, 000g/モル)の最終物を形成できる。 本発明に係るポリエステルは、40〜155℃、特に、90〜155℃の融点を特徴とす る。 本発明に係るポリエステルは、大きい熔融粘性を特徴とする。 概括すると、本発明に係るポリエステルの本質的利点は、熱的性質、加工性、 機械的性質および生物学的分解速度を広い範囲に調節でき、目的とする用途に適 合させることができるという点にあると云える。このフレキシビリティは、モノ マー成分、その割合および既述のパラメータの可能な変更によって保証される。 本発明に係るポリエステルは、該ポリエステルが予縮合させたポリエステルで ある点においてドイツ特許出願(1)9508737.2のポリエステルとは異なる。本発 明に係るポリエステルの生物学的分解性に関して、上記ドイツ特許出願が参照で きる。当業者にとって驚くべきことには、ジイソシアナートによる結合にとって 本発明に係るポリエステルの分子量を著しく増大したにも拘わらず、微生物によ る生物学的分解性が保証されるということが判明した。本発明に係るポリエステ ル粉体を錯媒体によって寒天板上に塗布し、ドイツ特許出願(1)9508737.2に記 載のポリエステル(プレポリエステル)を生物学的に分解できる微生物・コンソー シアムを植付ければ、本発明に係るポリエステルの場合も、例えば、55℃の熟成 温度において7日間以内に、微生物コロニーのまわりに透明な暈が現れる。分解 テストに関しては、Augustraら、Appl.Microbiol.Biotechnol.,39(1993)6 73−678を参照されたい。更に、本発明に係るポリエステルの場合、寒天板上の 溶融プレスしたフィルムに上記微生物を植付けるか上記フィルムを堆肥材料に導 入した場合、数週間内に上記フィルムに重量減が認められた。 本発明はまた、別の実施例にもとづき、生物学的に分解可能なポリエステルか らなる下記の形の材料に関する: −平坦な材料、特に、フィルム、 −複合材料、 −積層体 −単一フィラメント、フィラメント状材料またはファイバ、 −成形体、好ましくは、射出成形体、押出体、発泡成形体、特に、ブローフィル ム、押出フィルム、共押出フィルム、ブローボデー、深絞り体、発泡体、モノフ ィラメント材料。 本発明に係るポリエステルは、例えば、熱可塑性プロセス(例えば、プレス、 押出、共押出、射出成形、溶融紡糸、深絞り、発泡またはブロー成形)によって 平坦な材料(例えば、フィルム)または成形体に加工でき、適切な方法によって 、発泡成形体、積層体、フィラメント材料、ファイバまたは複合材料)に加工で きる。 本発明に係るポリエステルは、先行技術の非長鎖コポリエステルに比して明ら かにより大きい溶融粘度を有する長鎖ポリマーであるので、特に、大きい溶融粘 度が望まれる加工法、特に、ブローフィルム成形法に好適である。 本発明に係る材料は、大きい機械的強度を有することができる。この機械的強 度は、融点以下の温度における延伸操作によって増加できる。 本発明に係る材料には、生物学的分解性を損なうことのない慣用の無機または 有機充填材、好ましくは、シリカゲル、二酸化チタン、タルク、デンプンおよび /またはセルロースを添加できる。 本発明による材料の応用については、全てドイツ特許出願(1)9508737.2が参 照される。更に、家庭用またはゴミ用フィルムまたは袋としての使用も挙げ得る 。更に、大きい溶融粘度または大きい機械的強度を必要とする用途も可能である 。 本発明は、別の実施例にもとづき、更に、自然界において微生物の作用を受け て分解され、モノマー成分として脂肪族ポリオール、芳香族ポリカルボン酸およ び脂肪族ポリカルボン酸を同時に使用して調製され、 (i)一方のポリオールおよび芳香族ポリカルボン酸と、 (ii)他方のポリオールおよび脂肪族ポリカルボン酸 とからなる反復構成単位又はくり返し単位を有する高分子量の統計的コポリエ ステルであり、生物学的に分解可能な、とくに材料の形態におけるポリエステル であって、90%よりも多くの(i)の単位が、(i)以外の単位とは直接的に 全く結合してないか、または多くても1つの単位と結合しているポリエステルに おいて、付加的なモノマー成分としてジイソシアナートを他の各モノマー成分に 比して少量使用してポリエステルが調製されていることを特徴とする、ポリエス テルを調製する方法に関し、この方法は、 (i)熔融状態においてポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカル ボン酸を縮合させて前駆体を形成し、 (ii)前駆体を他のモノマー成分に比して少量のジイソシアナートと縮合させて最 終物を形成する ことを特徴とする。 使用した測定法および実施例にもとづき、以下に、本発明を詳細に説明する。 GPCによる分子量測定: ポンプ:Gynkotek Model 300C 検知器:SDK Shodex RI SE−51 カラム:PLゲル、104Å、7.5x300mm 校正:PS−Standards PL−Laboratories;Mw23000−990000g/モル 移動相:クロロホルム ポリマー濃度:1ml/min 注入容積:50μl DSC−測定 装置:Mettler DSC 12 秤量量:5−10mg 温度範囲:20−200℃ 昇温速度:10℃/min クリーンゾーン・テスト 媒体: NH4NO3 1.0g MgSO4・7H2O 0.5g NaCl 0.5g FeSO4・7H2O 0.01g K2HPO4 1.0g 寒天 20.0g 蒸留水を加えて1000mlとする。 それぞれ20mlの媒体を使用して、慣用の殺菌法にもとづき寒天板を作製する。 ポリマー:当該ポリマーをクロロホルムに溶解して1%溶液を調製し、微細なノ ズルによって微粒の形で寒天板上に噴霧する。クロロホルムを除去するため、ク リーンベンチ中に寒天板を若干時間放置する。 微生物:60℃の堆肥から分離した分解可能な非長鎖コポリマーを含む富化培養物 (CH2/5)。 操作:非長鎖コポリエステルを含む寒天板から接種物を被験材料を含む寒天板上 に移し、55℃において培養する。ポリマー材料がもはや認められない微生物培養 物のまわりの暈の形成を暈の平均径で特徴づける。 フィルムの生物学的分解 本発明に係る材料から溶融プレスによって厚さ120μmのフィルム(径2.5cm) を作製する。フィルムに、下記の如く生物学的負荷を加える: −フィルム/寒天板・テスト: 上記の合成無機媒体または堆肥溶離体からなる錯媒体を含む寒天板上にフィ ルムを置く。フィルム設置前に、スクリーニングされた微生物−コンソーシアム (Konsortien)−を寒天板に塗込んで接種を行う。培養温度は55℃である。フィ ルムの重量減(%)を求める。 ー堆肥化実験: 熟成した堆肥材料(水分60%)を充填し外部から60℃に保温した反応器中に フィルムを装入する(破片を見つけ易いようポリエチレン網中にフィルムを封入 する)。試験期間中、温度一定に保持し且つ水蒸気を飽和させた空気を反応器中 に流す。フィルム の重量減(%)を求める。 MFI測定による溶融粘度測定 装置: Zwick フロー試験器4105 測定負荷: 2.16−21.6kg 測定温度: 150−220℃ 引裂強度および引裂伸びの測定 装置: Zwick 万能試験器1425 フィルム片の寸法:50x15mm 引張速度: 500mm/min実施例1 :ポリ[(テトラメチレンヘキサンジオエート)コ(テトラメチレンテレ フタラート)]の合成 1,4−ブタンジオール358.3gと、ジメチルテレフタラート(DMT)308.9gと 、アジピン酸348.7gと、オルトチタン酸テトライソプロピル0.25gと、リン酸ト リフェニル0.25gとを溶融縮合によって重縮合させた。真空撹拌系と窒素供給管 路とコンデンサとを含む2リットルのすり合わせ反応器を重縮合容器として使用 した。反応器を窒素で洗浄し、混合物を150℃で溶融し、190℃において窒素流中 で撹拌しながら縮合させた。次いで、圧力を約0.1hPaに漸次的に低下し、GP C監視の下で、50000g/モルまでベースポリマーを縮合させた。真空を断ち、リ ン酸0.5gを溶融物に導入した。次いで、200℃において、撹拌しながらヘキサメ チレンジイソシアナート15gを溶融物に直接に装入した。数分内に、溶融物の粘 度が明らかに増加した。次いで、コポリエステルを引出し、冷却し、顆粒化した 。 平均分子量168500g/モルおよび融点109℃の白色の可撓性材料が得られた。 上記材料から押出によって作製したフィルムは、典型的な引裂強度25N/mm2お よび引裂伸び900%を示した。実施例2 :ポリ[(テトラメチレンヘキサンジオエート)コ(テトラメチレンテレ フタラート)]の合成 実施例1と同様、1,4−ブタンジオール35.83gと、ジメチルテレフタラート(D MT)30.89gと、アジピン酸34.87gと、オルトチタン酸テトライソプロピル0.025 gと、リン酸トリフェニル0.025gとを分子量48000g/モルまで縮合させた。250ml の3口フラスコを重合反応器として使用した。リン酸0.05gを添加した後、コポ リエステルを引出し、冷却し、顆粒化した。 上記ポリエステル50gを200℃において溶融し、次いで、撹拌しながらヘキサメ チレンジイソシアナート1gを添加した。平均分子量232300g/モルおよび融 点107℃の白色の可撓性材料が得られた。上記材料から押出によって作製したフ ィルムは、典型的な引裂強度16N/mm2および引裂伸び600%を示した。実施例3 :生物学的分解性の実験 下表に、熟成した堆肥中における予スクリーニングした微生物−コンソーシア ム−による本発明に係る材料の生物学的分解実験の結果をまとめた。 フィルム/寒天板テスト フイルム破片:分離されず 無機媒体 微生物2/5 (20日後の%重量減) a:3つの測定の平均値実施例4 :ブローフィルムへの加工 装置:小形押出機を含むDr.Collin実験用ブローフィルム装置 Y30mmx25D 剪断混合部を含む3ゾーンスクリュ 圧縮比: 1:3 リングノズル径:80mm ノズル間隙幅: 0.8mm 引出高さ: 1.5m 加工パラメータ: スクリュ: 200−215℃ 篩切換機: 210℃ アダプタ: 210℃ ノズル: 210℃ 材料温度: 230℃ 材料圧力: 360bar スクリュ回転数:25/min 上記装置において、引出速度2−3m/minおよびブロー比1:2でMFI(190/21 .5)3.75g/10minの実施例1の顆粒をブローフィルムに加工した。かくして得ら れたフィルムは、透明性および強度に関して、LDPEと同等の性質を示し、他 方、明らかに大きい伸張性を示す。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年9月1日(1997.9.1) 【補正内容】 請求の範囲 1.自然界において微生物の作用を受けて分解され、モノマー成分として脂肪族 ポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸を同時に使用し て調製され、 (i)一方のポリオールおよび芳香族ポリカルボン酸と、 (ii)他方のポリオールおよび脂肪族ポリカルボン酸 とからなる反復構成単位又はくり返し単位を有する高分子量の統計的コポリエ ステルであり、生物学的に分解可能な、とくに材料の形態におけるポリエステル であって、90%よりも多くの(i)の単位が、(i)以外の単位とは直接的に 全く結合してないか、または多くても1つの単位と結合しているポリエステルに おいて、分子量60,000〜350,000g/モルを有し、付加的なモノマ ー成分としてジイソシアナートを他の各モノマー成分に比して少量使用してポリ エステルが調製されていることを特徴とする、前記ポリエステル。 2.ポリエステルを基準として0.1〜5重量%、特に、0.5〜2重量%の量 のジイソシアナートが使用されていることを特徴とする、請求項1に記載のポリ エステル。 3.使用されるジイソシアナートが、脂肪族ジイソシアナート、環式脂肪族ジイ ソシアナートまたは芳香族ジイソシアナート、特に、ヘキサメチレンジイソシア ナートであることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリエステル。 4.ポリエステルが、モノマー成分として芳香族ポリカルボン酸に起因する部分 がモノマー成分の形の全酸に対して3〜65モル%、特に、35〜55モル%で あることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリエステル。 5.ポリエステルが、 −脂肪族ジオール、特に、C2-6のジオール、好ましくは、1,2−エタンジ オール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ ンジオール、2,3−ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールと、 −芳香族ジカルボン酸、好ましくは、テレフタル酸と、 −脂肪族ジカルボン酸、特に、C2-10のジカルボン酸、好ましくは、アジピン 酸またはセバシン酸と、 −ジイソシアナートから 調製されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリ エステル。 6.ポリエステルが芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸によ ってメチルエステルの形で縮合されたものであることを特徴とする、請求項4に 記載のポリエステル。 7.(i)熔融状態においてポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポ リカルボン酸を縮合させて前駆体を形成し、次いで、 (ii)前駆体をジイソシアナートと縮合させて最終物を形成することによって 調製できる、請求項1〜6のいずれか1つに記載のポリエステル。 8.ステップ(i)おいて、過剰のポリオールを使用して縮合を行うことを特徴 とする、請求項7に記載のポリエステル。 9.(a)ジイソシアナートを熔融物に加えるか、(b)熔融物およびジイソシ アナートを別個の反応器に装入し、次いで、該反応器中で最終物に縮合すること を特徴とする、請求項7または8に記載のポリエステル。 10.請求項7のステップ(i)において、分子量5,000〜60,000g /モル、とくに20,000〜50,000g/モルの前駆体に縮合することを 特徴とする、請求項7〜9のいずれか1つに記載のポリエステル。 11.請求項7のステップ(ii)において、分子量、とくに100,000〜2 50,000g/モルの最終物に縮合することを特徴とする、請求項7〜10の いずれか1つに記載のポリエステル。 12.融点が40〜155℃、特に、90〜155℃であることを特徴とする、 請求項1〜11のいずれか1つに記載のポリエステル。 13.ポリエステルが、大きい熔融粘度を有することを特徴とする、請求項1〜 12のいずれか1つに記載のポリエステル。 14.請求項1〜13のいずれか1つに記載の生物学的に分解可能なポリエステ ルからなる材料が、 −平坦な材料、特に、フィルム、 −複合材料、 −積層体 −単一フィラメント、フィラメント状材料またはファイバ、 −成形体、好ましくは、射出成形体、押出成形体、発泡成形体、特に、ブロー フィルム、押出フィルム、共押出フィルム、ブロー成形体、深絞り体、発泡体、 モノフィラメント材料の形態を有する、前記材料。 15.家庭用またはゴミ用のフィルムまたは袋の形の請求項14に記載の材料。 16.材料が、大きい機械的強度を有することを特徴とする、請求項14または 15に記載の材料。 17.融点以下の温度における延伸操作によって材料の機械的強度を増大できる ことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1つに記載の材料。 18.該材料には、生物学的分解性を損なうことのない慣用の無機または有機充 填材、好ましくは、シリカゲル、二酸化チタン、タルク、デンプンおよび/また はセルロースが添加されていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1 つに記載の材料。 19.自然界において微生物の作用を受けて分解され、モノマー成分として脂肪 族ポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸を同時に使用 して調製され、 (i)一方のポリオールおよび芳香族ポリカルボン酸と、 (ii)他方のポリオールおよび脂肪族ポリカルボン酸 とからなる反復構成単位又はくり返し単位を有する高分子量の統計的コポリエ ステルであり、生物学的に分解可能な、とくに材料の形態におけるポリエステル であって、90%よりも多くの(i)の単位が、(i)以外の単位とは直接的に 全く結合してないか、または多くても1つの単位と結合しているポリエステルの 調製法において、 (i)熔融状態においてポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリ カルボン酸を縮合させて前駆体を形成し、次いで、 (ii)前駆体を他のモノマー成分に比して少量のジイソシアナートと縮合させ て最終物を形成することを特徴とする方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 3/02 C08L 3/02 75/06 75/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ヴィット,ウーヴェ ドイツ連邦共和国 デー−38124 ブラウ ンシュヴァイク、マッシェルオーダー ヴ ェーク 1 (72)発明者 アルニング,ハンス−ユルゲン ドイツ連邦共和国 デー−32312 リュー ベック、アマヴェーク 1

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.自然界において微生物の作用を受けて分解され、モノマー成分として脂肪族 ポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸を同時に使用し て調製され、 (i)一方のポリオールおよび芳香族ポリカルボン酸と、 (ii)他方のポリオールおよび脂肪族ポリカルボン酸 とからなる反復構成単位又はくり返し単位を有する高分子量の統計的コポリエ ステルであり、生物学的に分解可能な、とくに材料の形態におけるポリエステル であって、90%よりも多くの(i)の単位が、(i)以外の単位とは直接的に 全く結合してないか、または多くても1つの単位と結合しているポリエステルに おいて、付加的なモノマー成分としてジイソシアナートを他の各モノマー成分に 比して少量使用してポリエステルが調製されていることを特徴とする、前記ポリ エステル。 2.ポリエステルを基準として0.1〜5重量%、特に、0.5〜2重量%の量 のジイソシアナートが使用されていることを特徴とする、請求項1に記載のポリ エステル。 3.使用されるジイソシアナートが、脂肪族ジイソシアナート、環式脂肪族ジイ ソシアナートまたは芳香族ジイソシアナート、特に、ヘキサメチレンジイソシア ナートであることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリエステル。 4.ポリエステルが、モノマー成分としての芳香族ポリカルボン酸に起因する部 分がモノマー成分の形の全酸に対して3〜65モル%、特に、35〜55モル% であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリエステル。 5.ポリエステルが、 −脂肪族ジオール、特に、C2-6のジオール、好ましくは、1,2−エタンジ オール、1,2−プロパンジオール、2,3−プロパンジオール、1,4−ブタ ンジオール、2,3−ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールと、 −芳香族ジカルボン酸、好ましくは、テレフタル酸と、 −脂肪族ジカルボン酸、特に、C2-10のジカルボン酸、好ましくは、アジピン 酸またはセバシン酸と、 −ジイソシアナートから 調製されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリ エステル。 6.ポリエステルが芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸によ ってメチルエステルの形で縮合されたものであることを特徴とする、請求項4に 記載のポリエステル。 7.(i)熔融状態においてポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポ リカルボン酸を縮合させて前駆体を形成し、次いで、 (ii)前駆体をジイソシアナートと縮合させて最終物を形成することによって 調製できる、請求項1〜6のいずれか1つに記載のポリエステル。 8.ステップ(i)おいて、過剰のポリオールを使用して縮合を行うことを特徴 とする、請求項7に記載のポリエステル。 9.(a)ジイソシアナートを熔融物に加えるか、(b)熔融物およびジイソシ アナートを別個の反応器に装入し、次いで、該反応器中で最終物に縮合すること を特徴とする、請求項7または8に記載のポリエステル。 10.請求項7のステップ(i)において、分子量5,000〜60,000g /モル、とくに20,000〜50,000g/モルの前駆体に縮合することを 特徴とする、請求項7〜9のいずれか1つに記載のポリエステル。 11.請求項7のステップ(ii)において、分子量60,000〜350,00 0g/モル、とくに100,000〜250,000g/モルの最終物に縮合す ることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1つに記載のポリエステル。 12.融点が40〜155℃、特に、90〜155℃であることを特徴とする、 請求項1〜11のいずれか1つに記載のポリエステル。 13.ポリエステルが、大きい熔融粘度を有することを特徴とする、請求項1〜 12のいずれか1つに記載のポリエステル。 14.請求項1〜13のいずれか1つに記載の生物学的に分解可能なポリエステ ルからなる材料が、 −平坦な材料、特に、フィルム、 −複合材料、 −積層体 −単一フィラメント、フィラメント状材料またはファイバ、 −成形体、好ましくは、射出成形体、押出成形体、発泡成形体、特に、ブロー フィルム、押出フィルム、共押出フィルム、ブロー成形体、深絞り体、発泡体、 モノフィラメント材料の形態を有する、前記材料。 15.家庭用またはゴミ用のフィルムまたは袋の形の請求項14に記載の材料。 16.材料が、大きい機械的強度を有することを特徴とする、請求項14または 15に記載の材料。 17.融点以下の温度における延伸操作によって材料の機械的強度を増大できる ことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1つに記載の材料。 18.生物学的分解性を損なうことのない慣用の無機または有機充填材、好まし くは、シリカゲル、二酸化チタン、タルク、デンプンおよび/またはセルロース が添加されていることを特徴とする、請求項14〜17のいずれか1つに記載の 材料。 19.自然界において微生物の作用を受けて分解され、モノマー成分として脂肪 族ポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸を同時に使用 して調製され、 (i)一方のポリオールおよび芳香族ポリカルボン酸と、 (ii)他方のポリオールおよび脂肪族ポリカルボン酸 とからなる反復構成単位又はくり返し単位を有する高分子量の統計的コポリエ ステルであり、生物学的に分解可能な、とくに材料の形態におけるポリエステル であって、90%よりも多くの(i)の単位が、(i)以外の単位とは直接的に 全く結合してないか、または多くても1つの単位と結合しているポリエステルの 調製法において、 (i)熔融状態においてポリオール、芳香族ポリカルボン酸および脂肪族ポリ カルボン酸を縮合させて前駆体を形成し、次いで、 (ii)前駆体を他のモノマー成分に比して少量のジイソシアナートと縮合させ て最終物を形成することを特徴とする方法。
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