【発明の詳細な説明】
血液調節化合物
発明の分野
本発明は、血液調節活性を有する化合物であって、造血を刺激し、ウイルス、
真菌および細菌感染症の治療に用いることができる新規な化合物に関する。
発明の背景
造血系は終生に及ぶ細胞再生プロセスであり、このプロセスにより特定の幹細
胞集団が少なくとも9種の異なる細胞系統(赤血球、血小板、好酸球、好塩基球
、好中球、単球/マクロファージ、破骨細胞およびリンパ球)のより大きな集団
の成熟分化血液細胞(Dexter TM.Stem cells in normal growth and disease
.Br.Med.J.1987;195:1192.1194)を生じさせる(Metcalf D.,The Molecula
r Control of Blood Cells.1988;Harvard University Press,Cambridge
,MA)。さらに、幹細胞は、最終的に、細胞毒性物質で治療した後または骨髄
移植後の骨髄の再生に関与している。
大部分の標準的な抗腫瘍薬の用量−限定の(dose−limiting)主な毒性は骨髄
抑制に関連付けられ、これが重度であるかまたは長引くと、生命を脅かす感染性
および出血性合併症を引き起こしうる。骨髄抑制は予測可能であり、単一薬剤の
I相試験細胞毒性化合物の50%以上で用量−限定的であると報告されている(
Merrouche Y.,Catimel G.,Clavel M.,Hematopoietic growth factors
and chemoprotectants; should we move toward a two-step process for phas
e Iclinical trails in oncology?Ann Oncol 1993;4;471-474)。感染の危険
性は、好中球減少症の重篤度および期間により測定される骨髄抑制の程度に直接
関係する(Brody GP,Buckley M,Sathe YS,Freireich EJ.Quanti
tative relationshipbetween circulating leukocytes and infections with ac
ute leukemia.Ann In Med 1965;64:328-334)。
造血作用の調節は、初期多機能幹細胞および成熟循環エフェクター細胞を含む
、
造血カスケードの種々の段階での種々のサイトカインおよび増殖因子の相互作用
に影響を与える。これらの調節分子として、顆粒球コロニー刺激因子(G−CS
F)、顆粒球−マクロファージ刺激因子(GM−CSG)、マクロファージ−コロ
ニー刺激因子(M−CSF)および宿主防御において主要な役割を果たす重複す
る、付加的かつ相乗的作用を有する種々のインターロイキンが挙げられる。機構
的には、これは、顆粒球およびマクロファージの産生の向上、ならびにエフェク
ター細胞機能の活性化により達成される(Moore MAS.Hemopoietic growthf
actor interactions:in vitro and in vivo preclinical evaluation.Cancer
Surveys 1990;9:7-80)。これらの活性を調整することで、細菌、ウイルスおよ
び真菌感染症を克服するのに必要な最適宿主防御が支持される。
好中球減少症の重篤度および骨髄毒性を予防または軽減させる方法として、造
血増殖因子および/または他の造血サイトカインの使用が挙げられる。このよう
な治療法は、抗腫瘍薬の効能を改善させるかもしれない細胞毒性薬の用量を増加
させる可能性を付与し、抗腫瘍薬の使用に伴う罹患性を減少させるため、該治療
法は一般的に行われるようになってきている(Steward WP.,Granulocyte an
d granulocyte-macrophage colony stimulating factors,Lancet 1993;342:15
3-157)。臨床研究により、G−、GM−および/またはM−CSFが、細胞毒性
化学療法を受けている悪性腫瘍の患者または骨髄移植後の感染の危険性が高い患
者において好中球減少症の期間を減少させ、骨髄性回復を促進し、好中球減少症
に伴う感染症および他の感染性合併症を減少させうることがわかった(Steward
WP,,Granulocyte and granulocyte-macrophage colony stimulating factor
s,Lancet 1993;342:153-157およびMunn DH,Cheung NKV.Preclinical
studies of macrophage colony-stimulating factor.Semin Oncol.1992;19:3
95-407)。
本発明者らは骨髄造血細胞に対して刺激効果を有し、ウイルス、真菌および細
菌病の治療および予防において有用である、ある種の新規な化合物を見いだした
。発明の要約
本発明は、血液調節活性を有し、造血作用の刺激ならびに細菌、ウイルスおよ
び真菌病の予防および治療に用いることができる、後記に式(I)で表す、化合
物を含む。
これらの化合物は、種々の臨床的状況、例えば手術により誘発された骨髄抑制
、AIDS、ARDS、先天性脊髄形成異常、骨髄および臓器移植に由来の細胞
数の減少した患者における白血球の回復;白血球減少症の患者の感染症からの防
御;重症の火傷患者の治療;いくつかの細胞周期特異性抗ウイルス剤について観
察される脊髄抑制の軽減;骨髄移植を受けた患者、特に移植片対宿主疾患の患者
における感染症の治療、結核の治療およびヒトおよび動物における原因不明の熱
病の治療において有用である。化合物はさらに免疫抑制および「正常」対象の両
方におけるウイルス、真菌および細菌感染症、特にカンジダおよびヘルペスの治
療および予防においても有用である。
これらの化合物はさらに同時係属の米国出願番号07/799465および米
国特許第4499081号(出典明示により本発明の一部とする)のモノマーと
組み合わせて用いて、骨髄細胞における活性の高低の交互のピークを得、造血の
自然の約24時間周期のリズムを促進できる。このように、細胞増殖抑制療法を
低骨髄活性の期間に適用することができ、かくして骨髄損傷の危険性が軽減され
、一方で次の活性のピークにより再生が促進されるであろう。本発明はさらに、
式(I)の化合物と医薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物を提供する
。
本発明はさらに、ヒトを含む動物の骨髄造血系の刺激法であって、これを必要
とする動物に、有効量の式(I)の化合物を投与することからなる方法を提供す
る。
本発明はまた、免疫抑制されたおよび正常なヒトを含む動物におけるウイルス
、真菌および敗血症を含む細菌感染症の予防および治療法であって、これを必要
とする動物に有効量の式(I)の化合物を投与することからなる方法を提供する
。発明の詳細な記載
本発明の化合物は、構造式(I):{式中、
A1はA2と等しく、Z−(CH2)k−(NR''')qであり;
Zは、環中に4個までのヘテロ原子N、O、Sを含有する4ないし10員単環
または二環式複素環系であり(ここに、少なくとも1個のヘテロ原子はNであり
、環は1または2個のC1-4アルキル、F、Cl、Br、I、C1-4アルコキシ、
(CH2)mR4、オキソ、オキシム、O−C1-4アルキルオキシム、ヒドロキシ、N
(R3)2、アシルアミノまたはアミノアシル基で置換されているかまたは置換され
ておらず、8、9、10員単環系は除外する);
R'およびR"は同一で、水素、C1-4アルキルC(O)R4、C1-4アルキルであ
るかまたはR'およびR"は、1または2個のC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、
F、Cl、I、Br、OH、またはN(R3)2で所望により置換されていてもよい
ベンジルであり;
kは0ないし4の整数であり;
R'''は水素、C1-4アルキルまたはC1-4アルキルカルボン酸であり;
qは0ないし1の整数であり;
Qは
[式中、
B1はB2に等しく、ハロゲン、−(CH2)m−CN、−(CH2)m+1−R2、
−(CH2)m−R3、−(CH2)m−COR2または−(CH2)m−COR3であり;
R2は−OR3、−N(R3)2、−SR3であり;
R3は独立して水素、C1-4アルキルまたはベンジルであり;
mは独立して0ないし4の整数であり;
C1はC2に等しく、ハロゲン、−(CH2)n−CN、−(CH2)n+1−R4、−(C
H2)n−R5、−(CH2)n−COR4または−(CH2)n−COR5であり;
R4は独立して−OR3、−N(R5)2、−SR5であり;
R5は独立して水素、C1-4アルキルまたはベンジルであり;
nは独立して0ないし4の整数でありであり;
Dは−(CH2)x−E−(CH2)y−
(ここで、Eは環中に4個までのヘテロ原子N、OまたはSを含有する5ないし
10の炭素原子からなる単環または二環式芳香族または非芳香族環(環はアルキ
ル、アルコキシ、オキソ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノまたはジア
ルキルアミノで一置換、多置換、またはこれらの混合で所望により置換されてい
てもよい);
xおよびyは独立して0ないし5の整数である)であり;
B1はC1と同一でなく、B2はC2と同一でない]}
で示される化合物またはその医薬上許容される塩である。
前記の式(I)におけるZは、所望により置換されていてもよいピロリル、イ
ソピロリル、ピラゾリル、イソイミダゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、
オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、
ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、トリ
アジニル、モルホリニル、インドリル、インドレニニル、イソベンザゾリル、ピ
リンジニル、イソインダゾリル、インドキサジニル、ベンズオキサゾリル、キノ
リニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、ピリ
ドピリジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキ
サリニル、インドリニル、ピロリドニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、イ
ミダゾリニル、ピペリジル、テトラゾリル、キヌクリジニル、アゼチジニル、ま
たはプリニルを意味する。
Zの置換基として可能なものは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ア
ルコキシ−C1-4アルキル、オキソ、オキシム、O−C1-4アルキルオキシム、ヒ
ドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ−C1-4アルキルアミノ、アシルア
ミノおよびアミノアシル基である。
R3ならびにR5は、水素、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル
およびベンジルである。
式(I)におけるEは、所望により置換されていてもよい、フェニル、インデ
ニル、ナフチル、ピロリル、イソピロリル、ピラゾリル、イソイミダゾリル、ト
リアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オ
キサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロ
リジニル、ピペラジニル、トリアジニル、オキサジニル、イソオキサジニル、オ
キサチアジニル、オキサジアジニル、モルホリニル、インドリル、インドレニニ
ル、イソベンザゾリル、ピリンジニル、ピラノピロリル、イソインダゾリル、イ
ンドキサジニル、ベンズオキサゾリル、アンチアニリル、キノリニル、イソキノ
リニル、シンノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、ピリドピリジニルまた
はベンズオキサジニルを示す。
好ましい化合物は、Zがピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニ
ル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、アゼチジニルまたはピロリジニルで
ある化合物である。
より好ましい化合物は、Zが2−ピリジニル、2−ピリミジニル、2−ピラジ
ニル、2−ピロリドン−5−イルまたはピロリジニルである化合物である。
Zの好ましい置換基は、メチル、エチル、メトキシ、メトキシメチル、オキソ
、オキシム、ヒドロキシ、アミノ、エチルアミノまたはジメチルアミノである。
好ましいR'およびR"は、水素、メチルおよびエチルである。
好ましいE基は、所望により置換されていてもよいフェニル、インデニル、ナ
フチル、ピロリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピ
リジニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリ
ニルまたはシンノリニルである。
アルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。
本発明の化合物は1またはそれ以上の不斉炭素原子を含有し、ラセミおよび光
学活性な形態で存在してもよい。これらのすべての化合物およびジアステレオマ
ーは本発明の範囲内にあると考えられる。
本発明の好ましい化合物は:
である。
調製法
E、R'、R"、R'''、C1、C2、B1、B2、A1、A2、Z、k、m、n、x
およびyが式(I)において定義したとおりである式(I)の化合物は、スキー
ム1に記載したのと類似した方法により調製される。
スキーム1 a)ブチルリチウム、THF;b)濃HCl、ジオキサン/エタノール;
c)DCC、HOBt、CH2Cl2;d)NaOH、ジオキサン/エタノール
(2S)−2,5−ジヒドロ−3,6−ジエトキシイソプロピルピラジン(ス
キーム1における1)を適当な溶媒(THFなど)中、強い塩基(ブチルリチウ
ムなど)を用い、適当な二価求電子試薬(スキーム1における2など)と結合さ
せ、スキーム1における3を得る。適当な溶媒(ジオキサン/エタノールなど)
中、標準的な酸性条件(希HClなど)下、加水分解および環開裂し、ジアミン
(スキーム1における4など)を得て、ついで、非プロトン性極性溶媒(CH2
Cl2など)中、活性化剤(DCCなど)および強い塩基(HOBtなど)を用
い、適当な複素環酸(スキーム1における5など)でビスーアシル化する。所望
により、適当な溶媒(ジオキサン/エタノールなど)中、標準的な塩基性条件(
NaOHなど)下でエステルを加水分解し、スキーム1における7の生成物を得
る。
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩をヒトおよび他の哺乳動物の
治療に用いるためには、通常、製薬慣習にしたがって医薬組成物として処方され
る。
本発明のさらに別の特徴により、活性成分として、1またはそれ以上の前記し
た式(I)の化合物またはその生理学上適合しうる塩を医薬担体または賦形剤と
合わせて含んでなる医薬組成物が提供される。本発明の組成物は、たとえば経口
、経鼻、非経口または経直腸投与に適した形態で提供してもよい。
本明細書において用いる場合、「医薬上」なる用語は、本発明の獣医学的用途
を包含する。これらのペプチドを経口投与用にカプセル化、錠剤化あるいはエマ
ルジョンまたはシロップに調製する。医薬上許容される固体または液体担体を添
加して、組成物を増強したり、安定化したり、あるいは組成物の調製を容易にす
ることができる。液体担体は、シロップ、落花生油、オリーブ油、グリセリン、
食塩水および水を包含する。固体担体は、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウ
ム二水和物、白土、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸、タルク、ペ
クチン、アカシア、寒天またはゼラチンを包含する。担体はまた、単独でまたは
ワックスを含む、グリセリルモノステアラートまたはグリセリルジステアラート
などの徐放性物質を包含する。固体担体の量は変わるが、好ましくは、投与単位
当たり約20mgないし約1gの間である。医薬製剤は、ハードゼラチンカプセ
ル
形の場合、粉砕、混合および充填を含む通常の調剤技術にしたがって調製される
。1または数種の活性成分を含有するカプセルは、例えば、活性成分をラクトー
スまたはソルビトールなどの不活性な担体と混合し、混合物をゼラチンカプセル
中に充填することにより調製される。臓器特異性担体系もまた用いられる。
別法として、本発明のペプチドまたはその誘導体の医薬組成物は、非経口投与
用凍結乾燥粉末の溶液として処方してもよい。粉末は、使用前に適当な希釈剤ま
たは他の医薬上許容される担体の添加により復元される。液体処方は、一般に緩
衝化された等張水溶液である。適当な希釈剤の例は、通常の等張塩溶液、標準的
5%水中デキストロースまたは緩衝酢酸ナトリウムまたはアンモニウム溶液であ
る。このような製剤は非経口投与に特に適しているが、経口投与用に用いること
もできるし、吸入用に計量吸入器またはネブライザー中にいれてもよい。ポリビ
ニルピロリドン、ゼラチン、ヒドロキシセルロース、アカシア、ポリエチレング
リコール、マンニトール、塩化ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムなどの賦形
剤を添加するのが望ましい。
直腸投与の場合、本発明のペプチドの微粉末を、カカオ脂、グリセリン、ゼラ
チンまたはポリエチレングリコールなどの賦形剤と合し、坐剤に成型する。微粉
末はさらに油状製剤、ゲル、クリームまたはエマルションと配合してもよいし、
緩衝剤処理してもしなくてもよく、また経皮貼付剤により投与してもよい。
鼻スプレーは同様に水溶液中に処方され、エアゾル噴射剤を含むかまたは手動
圧縮手段を備えたスプレー容器中に充填する。
本発明の化合物を含有する投与単位は好ましくは0.05−50mg、例えば
0.05−5mgの式(I)の化合物またはその塩を含有する。
本発明のさらに別の態様によると、骨髄造血の刺激法であって、有効量の前記
した医薬組成物を対象に投与することからなる方法が提供される。
本発明の化合物を本発明にしたがって投与した場合に、許容できない毒性はな
いと考えられる。
式(I)の化合物の生物学的活性を以下の試験により説明する。基質細胞における造血相乗活性の誘発
基質細胞系C6.4由来のネズミ骨髄を10%FBSを含むRPMI1640
中12ウェルプレート中で増殖させる。集密に達すると、C6.4細胞を洗浄し
、培地をFBS不含の新鮮なRPMI1640と交換する。ネズミC6.4細胞
の集密細胞層を化合物で処理する。無細胞上清を18時間後に集める。上清をC
entricon−30分子量カットオフ膜で分画する。C6.4細胞造血相乗因子(H
SF)活性をネズミCFU−C検定において測定する。
CFU−C検定
骨髄細胞をC57B1/6雌マウスから得、10%FBSを含むRPMI16
40中に懸濁する。骨髄細胞(7.5E+4細胞/mL)を標準的ネズミソフト
寒天CFU−C検定において準最適レベルのCFU+前記からの試験C6.4細
胞30K−E上清の希釈物とともに培養する。細胞凝集物>50細胞をコロニー
として計数する。計数された寒天コロニー数はC6.4骨髄基質系上清中に存在
するHSFの量に比例する。
エフェクター細胞機能検定
雌C57B1マウスに試験化合物を8日間毎日、経口投与する。処置または未
処置マウスからのex vivoで用いた残存腹腔浸出細胞(PEC)を冷カルシウム
ならびにマグネシウム不含のヘパリンおよび抗生物質を補足したDPBSで最終
注射後の2−4時間以内に収穫する。付着PEM集団を、標準化PEC懸濁液を
マイクロタイター皿中、2時間37℃(5%CO2)で培養し、ウェルを温緩衝
液で洗浄することにより非付着細胞を除去することにより調製する。
ホルボールミリステートアセテート(PMA)(100−200nM)による
in vitro刺激に応答してエフェクター細胞または予めオプソニン処理した(オー
トローガスな血清)生シー・アルビカンス(E:T=1:10)により放出され
るスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の抑制可能なスーパーオキシドを
マイクロタイターフェリチトクロムc還元検定において定量化する。総体積20
0uL/ウェル中1%ゼラチン/HBSSおよび80uMフェリチトクロムcの
存在下で検定を行う。還元されたチトクロムcのnモル数/ウェルを37℃(5
%
CO2)で1時間インキュベートした後に得た分光分析の読み(550nm)から
計算する。還元されたSOD−抑制可能なチトクロムcの量をSOD(200U
/ウェル)を含むウェルの包含により決定する。基線となるスーパーオキシド放
出を、刺激のない状態で測定する。実験データは対照群の百分率として表す。実施例1 1,4−ビス−(2−(2−ピリジルカルボニルアミノ)−2−カルボキシ−( 2R)−エチル)−ベンゼン a,a’−ビス−((2S,5R)−2,5−ジヒドロ−3,6−ジエトキシ−2 −イソプロピル−5−ピラジン)−p−キシレンの調製 (2S)−2,5−ジヒドロ−3,6−ジエトキシイソプロピルピラジン(2
.03g、9.6mmol)をTHF(150ml)中に溶解し、ブチルリチウ
ムのヘキサン中1.6M溶液を−78℃で添加した(6.0ml、9.6mmo
l)。−78℃で1時間後、二価求電子試薬(a,a’−ジブロモ−p−キシレ
ン、3.8g、9.6mmol)の30mlTHF中溶液を滴下し、混合物を一
晩で室温にした。1Mリン酸緩衝溶液(240ml、pH7.2)に注ぐことに
より混合物を加水分解した後、混合物をジエチルエーテルで抽出し(3×200
ml)、合した有機層をMgSO4上で乾燥した。濾過および乾燥(Na2SO4
)後、溶
媒を回転式エバポレーターで除去し、残渣を真空下乾燥した。
精製:フラッシュクロマトグラフィー:石油エーテル/酢酸エチル 9/0.5
収量:1.8g、24%(油)1,4−ビス−(2−アミノ−2−エチルオキシカルボニル−(2R)−エチル )−ベンゼンの調製 a,a’−ビス−((2S,5R)−2,5−ジヒドロ−3,6−ジエトキシ−
2−イソプロピル−5−ピラジン)−p−キシレン(1.80g、3.40mm
ol)をジオキサン(80ml)およびEtOH(160ml)中に溶解し、濃
HCl(6.25ml、75.0mmol)の水(160ml)中溶液を滴下し
た。混合物を一晩攪拌し、有機溶媒を取り除いた。濃水性アンモニア溶液をpH
が9に達するまで添加し、水層をクロロホルムで抽出した(3×80ml)。合し
た有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、溶媒を除去した。残ったValOEt
をクーゲルロール蒸留(室温、0.05トル)により除去し、1,4−ビス−(
2−アミノ−2−エチルオキシカルボニル−(2R)−エチル)−ベンゼン(1
.04g、100%)を得た。1,4−ビス−(2−(2−ピリジルカルボニルアミノ)−2−エチルオキシカ ルボニル−(2R)−エチル)−ベンゼンの調製 ピコリン酸(1.90g、7.2mmol)を100mlのジクロロメタンに
懸濁し、1,4−ビス−(2−アミノ−2−エチルオキシカルボニル−(2R)
−エチル)−ベンゼン(1.10g、3.6mmol)の溶液を添加した。透明
な溶液を0℃に冷却し、HOBt(1.31g、8.3mmol)およびDCC
(1.59g、7.7mmol)を添加した。反応混合物を一晩で室温とし、4
%NaHCO3溶液で抽出した。合した有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、
溶媒を除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;石油エー
テル/酢酸エチル 1/2)により精製し、半結晶化合物として1,4−ビス−
(2−(2−ピリジルカルボニルアミノ)−2−エチルオキシカルボニル−(2
R)−エチル)−ベンゼン(1.40g、76%)を得た。1,4−ビス−(2−(2−ピリジルカルボニルアミノ)−2−カルボキシ−( 2R)−エチル)−ベンゼンの調製
1,4−ビス−(2−(2−ピリジルカルボニルアミノ)−2−エチルオキシ
カルボニル−(2R)−エチル)−ベンゼン(1.40g、2.70mmol)
のジオキサン(4ml)およびEtOH(4ml)中の冷却(0℃)溶液に、水
性2NNaOH溶液(4ml、8.0mmol)および水(2ml)を添加した
。混合物を一晩で室温とした。溶液を減圧下約5mlにまで濃縮し、残った溶液
のpHを水性4NHClの添加によりpH3に合わせ、油を分離した。混合物を
酢酸エチルで抽出した(3×15ml)。合した有機層を乾燥し(MgSO4)、濃
縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/MeOH/HOA
c 8/2/1)により精製し、1,4−ビス−(2−(2−ピリジルカルボニ
ルアミノ)−2−カルボキシ−(2R)−エチル)−ベンゼン(1.1g、70
%)を得た。1
H NMR(400 MHz,d6-DMSO)d 8.59(m,4H),7.96(m,4H),7.57(m,4H),7
.08(s,4H),4.66(m,2H),3.15(m,4H);13
C NMR(100 MHz,d6-DMSO)d 172.7,163.4,149.5,148.6,137.9,135.7,
129.1,126.8,121.9,53.6,36.3;
C24H22N4O6; 分子量462.47
実施例2 1,4−ビス−(2−(2−ピリジルカルボニルアミノ)−2−エチルオキシカ ルボニル−(2R)−エチル)−ベンゼン
この化合物を最後の工程(エステルの加水分解)を省略する他は実施例1と類
似の方法により合成した。1
H NMR(400 MHz,CDCl3)d 8.51(m,2H),8.45(d,2H,8.1 Hz),8.13(d,2
H,J=7.7 Hz),7.81(m,2H),7.40(m,2H),7.10(s,4H),5.00(m,2H),4.14(m,
4H),3.18(d,4H,J=6.2Hz),1.19(t,6H,J=7.1 Hz);13
C NMR(100 MHz,CDCl3)d 171.3,163.939 149.5,148.3,137.2,134.9,1
29.5,126.3,122.2,61.4,53.5,38.0,14.1;
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フロントページの続き
(72)発明者 バトナガール,プラディップ・クマール
アメリカ合衆国19341ペンシルベニア州エ
クストン、サウス・バルダーストン・ドラ
イブ300番
(72)発明者 ハルトマン,ミヒャエル
オーストリア、アー−4643ペッテンバッ
ハ、ミッテンドルフ130番
(72)発明者 ヒープル,ヨハン
オーストリア、アー−4030リンツ、モーヴ
ェンヴェーク7番
(72)発明者 クレミンガー,ペーター
オーストリア、アー−4481アステン、マル
ゲリテンシュトラーセ10/16番
(72)発明者 ロヴェンスツキー,フランツ
オーストリア、アー−4020リンツ、ツィー
ラーシュトラーセ27番