JP2000500458A - 瘢痕のための治療用医学的ガーメントと製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 瘢痕を治療するための治療用医学的ガーメントは、織布層と治療剤層とが皮膚に対する外傷的、外科的又は他の損傷に起因する皮膚瘢痕の治療に適した複合シートを製造する、皮膚瘢痕治療用の複合布帛を包含する。この複合シートは、使用の便利さ、皮膚接触の最適化、加圧療法と治療剤との一段階適用のために患者に適用されるガーメントに形成することができる。治療剤と加圧療法とを適用するための医学的ガーメントの使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】 瘢痕のための治療用医学的ガーメントと製法 発明の背景 １．発明の分野 本発明は瘢痕の治療のため、さらに詳しくは、過形成性瘢痕及びケロイドの予 防と治療のための治療用医学的ガーメント(garment)に関する。 ２．先行技術の説明 例えば乳房縮小形成術、腹壁形成術及びしわ切除術（フェイス−リフト(face- lift)）のような外科処置後の解剖的部位を加圧するために、治療用医学的バイ ンダーガーメントは数年前から用いられている。同様な加圧ガーメントは火傷傷 害後の過形成性瘢痕及びケロイドの処理における標準的なケアになっている。 出願人の同時係属特許出願第０８／２００，１５２号（１９９４年２月２３日 出願）に開示されるように、しばしば火傷、外傷損傷又は外科的切開に起因する 皮膚瘢痕の処理に関する医学的分野にシリコーンエラストマー物質も用いられて いる。これらのシリコーン物質は瘢痕組織を軟化し、このような瘢痕の外観的並 びに機能的面を数週間及び数か月間の期間にわたって改良する。この効果の生物 学的機構は充分には理解されていない。しかし、治療的利益が瘢痕面に加えられ た圧力とは無関係に引き出されることが知られている。 例えば手若しくは顔面のような非常に重要な部分、又は美的に重要な他の部分 において加圧療法をシリコーンシーティング(silicone sheeting)と組み合わせ ることは、瘢痕処理分野において一般におこなわれている。この方法では、最小 の時間量で最大の効果を得ることができる。 シリコーンシーティング材料を複雑な輪郭の身体上の織物ガーメント(textile garment)の下に入れることに困難さが生ずる。これらの困難さは主としてシリ コーンエラストマー中のしわやひだを避けることができないこと、毎日基準の単 調な貼付との患者コンプライアンス、運動中のシートの位置決めと維持、及び最 適な皮膚接触を与えることに関する。 出願人の同時係属特許出願第０８／２００，１５２号は、減少した厚さを有し ながら改良された物理的性質を有する、シリコーンとポリテトラフルオロエチレ ン（ＰＴＦＥ）との相互侵入高分子網目(interpenetrating polymer network)（ ＩＰＮ）を開示する。加圧デバイス下でひだ又は間隙なく複雑な解剖的輪郭上に ＩＰＮ材料を貼付することは可能であるが、これはまだ単調な仕事であり、位置 を維持することは依然として困難である。 本発明の目的のために、ソリコーンエラストマー、シリコーンゲル、又はシリ コーンＩＰＮは、これらの材料のいずれによっても本発明は達成されるので、同 等であり、互換的に用いられる。発明の概要 本発明は瘢痕の治療に関し、より詳しくは、ガーメント着用の便利さと簡単さ を組み入れた、瘢痕治療のための複合構造体に関する。さらに、本発明は、治療 用医学的バインダーガーメントの加圧療法特徴を瘢痕処理のためのシリコーンエ ラストマーの使用と共に組み入れた複合構造体に関する。 ガーメント製造の前に適当な織布(textile fabric)の片面にシリコーンエラス トマー材料の表面層を貼付することによって、出願人は意外にも、複雑な形状の 形に成形されたときにも均一な皮膚接触する表面層を与える成形ガーメントが製 造されうることを発見した。完成製品は容易に着用され、貼付部位に関するシリ コーンシーティング材料の位置を維持する。さらに、この材料は耐久性であり、 機械洗浄され、乾燥されることができる。 本発明の治療用医学的ガーメントは織布層に結合した軟質シリコーンエラスト マー層から製造され、シリコーンエラストマー層は患者の皮膚に接触する。 こ の製造方法は、従来のガーメント製造方法によって最終的形状の形成のためのフ ラットシートが製造されることから、大量生産に役立つ。このことは特定の患者 のためのすぐ着用できる形又は注文製作された形の迅速なかつ経済的な製造を可 能にする。 本発明は（ａ）シリコーン層が弾性織布の表面に結合して治療用医学的ガーメ ントを形成する、（ｂ）医学的ガーメントがシリコーン層と皮膚との間にひだ又 は間隙を生じることなく容易に着用される、（ｃ）加圧療法とシリコーン療法の 両方が、両方の材料を個別に皮膚に適合させるという別々の及び／又は繰り返し プロセスを必要とすることなく、同時に適用されることができる、並びに（ｄ） この療法の毎日の適用が非常に助長されるので、患者コンプライアンスを改良す ることができる点で、先行技術を凌駕する改良である。 図面の簡単な説明 図１は、シリコーンエラストマー層１０が弾性織布層２０に結合して、複合布 帛３０を形成する、本発明の１実施態様の概略図である。 図２は、本発明のシリコーン層と織物層とによって形成された複合層から構成 された部分（Ａ）と（Ｂ）を有する治療用医学的ガーメントの平面図である。 幾つかの実施態様の詳細な説明 本発明の好ましい実施態様を下記具体的実施例に示すが、これは限定を意味す るものではない。 組み合わせて又はブレンドとして本発明に用いるために適した、多くのシリコ ーン組成物が存在する。さらに、現在の臨床的研究は、例えばヒドロゲル又はヒ ドロコロイドのような、他の物質が瘢痕縮小のために同様に有効であるので、本 発明のためにも有用であることを示す。しかし、ヒドロゲル及びヒドロコロイド は一般に、例えばシリコーンコポリマー含有鉱油のような、多くのシリコーン含 有化合物と同様に、数か月間持続しなければならないガーメントへの妥当な経済 的使用を可能にするほどの充分な耐久性に欠けている。 本発明の目的のために有用であると考えられる非常に多くの織布材料が存在す る。さらに、種々な厚さの織布層と治療剤の層とが有用であることができ、種々 な弾性の成分を用いることができる。主要な考察は、本発明の医学的ガーメント が、患者が着用することを快適にするような、適切な触覚特性を有し、適当であ る圧力を加え、必要に応じて皮膚に投与される効能のある治療剤を有することで ある。完成製品が通常の方法によって洗濯されることができ、製品が繰り返し使 用を可能にするほどの充分な耐久性と経済性とを有することも重要である。実施例１ 出願人の米国特許出願第０８／２００，１５２号は、シリコーンとポリテトラ フルオロエチレン（ＰＴＦＥ）との同時相互侵入高分子網目（ＩＰＮ）の製造方 法を開示する。この方法は、その上にエラストマーシーティングを形成されるキ ャリヤー基体として剥離ライナーを用いることを含む。この基体(substrate)は 、未硬化シリコーン／ＰＴＦＥ混合物を付着させる塗布ステーションを通過する 。キャリヤーは次にトンネル型オーブン(tunnel style oven)を通過して、シリ コーンを加硫させる。 シリコーン層はぴったりと織布に結合し、該織布の面から機械的方法で除去さ れることができない。織布サンプルを通常の家庭用洗濯機と乾燥機とを用いて、 Ｍｉｌｉｔａｒｙ Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ−４４１８７Ｂ試験方法４．５ ．５によって５回、洗濯して、乾燥させたが、離層又は摩耗の徴候は見られなか った。 Ｐｌａｙｔｅｘ Ａｐｐａｒｅｌ社から商業的に入手可能なブラジャーを小売 販路から購入した。このガーメントのカップパネルを除去し、本発明のシリコー ン織物複合材料と取り替えて、この織物複合材料のシリコーン表面が内側に面し て、患者の皮膚と接触するようにした。得られた製品は例えば乳房縮小形成術の 切開の瘢痕縮小療法に適した一体ガーメント(single piece garment)であった。 この実施例では、本発明の複合層を用いるように、商業的に入手可能なブラジ ャーを改造した。本発明の複合層から成る織布パネルによってガーメントを最初 から製造することができることは明らかである。通常のカッティングパターンを 利用して、適当なパネルカットにシリコーン織物複合層を用い、残部に通常の布 帛を用いることができる。さらに、多様なブラジャーデザインが同様な使用のた めに適すると考えられる。 非常に多くの他の種類の治療用医学的ガーメントを上記で開示した方法によっ て製造することができる。他の同様な物品は腹壁形成術ガーメント、しわ切除術 用の顔面三角布(facial sling)等を包含する。さらに、火傷瘢痕処理に用いられ る種々な形の治療用医学的バインダー、例えば手袋、フェイスマスク、ベスト等 を同様に製造することができる。低圧縮性デザインのガーメントも快適さと使用 性を促進させるためにバインダーガーメントの機能が望まれる期間以上の期間に 用いることができる。さらに、完成製品を臨床医による注文製造のためにシート として供給することができることも考えられる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｅ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ， ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．皮膚瘢痕の治療に適した複合物品であって、 治療剤の第１層と、 ガーメントに形成することができる織布の第２層と を含む複合物品。 ２．治療剤がシリコーンを含有する化合物である、請求項１記載の複合物品 。 ３．治療剤がシリコーンとポリテトラフルオロエチレンとの相互侵入高分子 網目である、請求項１記載の複合物品。 ４．第２層の布帛が８９％ナイロンと１１％スパンデックス（Ｓｐａｎｄｅ ｘ）とのブレンドから成る織物である、請求項１記載の複合物品。 ５．皮膚瘢痕の治療に適した複合物品であって、 治療剤の第１層と、 ガーメントに形成することができる織布の第２層と を含み、 治療剤がシリコーン含有化合物であり、 第２層の布帛が８９％ナイロンと１１％スパンデックスとのブレンドから成る 織物である複合物品。 ６．皮膚瘢痕の治療に適した複合物品であって、 治療剤の第１層と、 ガーメントに形成することができる織布の第２層と を含み、 治療剤がシリコーンとポリテトラフルオロエチレンとの相互侵入高分子網目で あり、 第２層の布帛が８９％ナイロンと１１％スパンデックスとのブレンドから成る 織物である複合物品。 ７．着用に適し、機械洗濯され、乾燥されることができる皮膚瘢痕を治療す るためのガーメントであって、その少なくとも１部分が、 皮膚瘢痕の治療に適した治療剤から成る皮膚接触面を含有する複合織物 を含むガーメント。 ８．複合織物の治療剤がシリコーン含有化合物である、請求項７記載の物品 。 ９．複合織物の治療剤がシリコーンとポリテトラフルオロエチレンとの相互 侵入高分子網目である、請求項７記載の物品。 １０．織布が８９％ナイロンと１１％スパンデックスとのブレンドである、 請求項７記載の物品。 １１．複合織物の治療剤がシリコーンとポリテトラフルオロエチレンとの相 互侵入高分子網目であり、 織布が８９％ナイロンと１１％スパンデックスとのブレンドである、請求項７ 記載の物品。 １２．ガーメントがブラジャーとして形成される、請求項７記載の物品。 １３．皮膚瘢痕の治療に適した複合物品の製造方法であって、 織布のシートを塗布装置に通す工程と、 前記織布上に治療剤の表面層を付着させる工程と、 前記塗布済み織布からガーメントを製造する工程と を含む方法。 １４．織布が８９％ナイロンと１１％スパンデックスとのブレンドから成る 、請求項１３記載の方法。 １５．治療剤がシリコーン含有化合物である、請求項１３記載の方法。 １６．治療剤がシリコーンとポリテトラフルオロエチレンとの相互侵入高分 子網目である、請求項１３記載の方法。 １７．織布が８９％ナイロンと１１％スパンデックスとのブレンドから成り 、治療剤がシリコーンとポリテトラフルオロエチレンとの相互侵入高分子網目で ある、請求項１３記載の方法。 １８．瘢痕治療のために治療用医学的ガーメントを用いる方法であって、 制御された弾性的伸びを有する織布のシートを塗布装置に通す工程と、 織布上に治療剤のシートを付着させて、治療層と伸縮可能な層との複合シート を形成する工程と、 複合シートから、患者に適合し、心地よく着用される治療用医学的ガーメント を製造する工程と 治療用医学的ガーメントを患者に、治療層が患者に面するように着用させる工 程と、 患者の皮膚を治療層からの治療剤と接触させる工程と、 弾性的伸縮可能な層によって患者の皮膚上に治療層を弾性的に保持して、患者 に加圧療法と、治療剤療法とを及ぼす工程と を含む方法。