JP2000357476A - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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JP2000357476A
JP2000357476A JP11168146A JP16814699A JP2000357476A JP 2000357476 A JP2000357476 A JP 2000357476A JP 11168146 A JP11168146 A JP 11168146A JP 16814699 A JP16814699 A JP 16814699A JP 2000357476 A JP2000357476 A JP 2000357476A
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fluorescent screen
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tube device
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JP11168146A
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Koji Nakamura
浩二 中村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体ストライプの折れ曲がりをなくして、
蛍光スクリーンのコーナー部での画像の品位を改善した
カラー受像管装置を提供する。 【解決手段】 蛍光スクリーン3がパネル1の内側に形
成されたカラー受像管装置において、パネル1を構成す
るガラスバルブのコーナー部における肉厚を他の部分に
比較して薄く形成することによって、パネル上で蛍光ス
クリーン3が形成可能な有効スクリーン領域1Bを広げ
るように構成した

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、テレビ受像機あ
るいはコンピュータ端末用のカラー受像管装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来のカラー受像管の概略構造
を一部破断して示す側面図である。図において、1はカ
ラー受像管の外囲器を構成するパネル、2はパネル1と
ともにカラー受像管の外囲器を構成するファンネル、3
はパネル内面に赤、青、緑のストライプ状の蛍光体を所
定の順序で配列して形成された蛍光スクリーン、4は電
子銃、5は電子銃4から出射される電子ビーム、6は電
子ビーム5を電磁的に偏向する偏向ヨークである。ま
た、7は色選択電極の働きをする展張型のシャドウグリ
ルであって、アパーチャーグリル10をフレーム8に溶
接により固着して、展張した状態で保持されるものであ
る。
【0003】こうしたカラー受像管は真空ガラス容器
(ガラスバルブ)で構成されているために、何らかの条
件でガラスバルブのパネル1に傷が付くと、その傷が伸
展して破壊に至るおそれがある。この真空ガラス容器が
破壊する爆縮という現象が起こると、周囲にガラスの飛
散を伴うといった危険な状況を招く。そこで、このよう
な現象を避けるために、通常、パネル1の側面部1Aに
金属環19を設けて緊縮せしめ、ガラスバルブに発生す
る応力を下げて安全性を高める防爆処理が施される。
【0004】図8は、従来から使用されている展張型の
シャドウグリルの概略構造を示す斜視図である。
【0005】図8(B)に示すフレーム8は、たとえば
SUSのような鋼材からなる一対のΗメンバー8aと、
一対のVメンバ−8bとで構成されている。展張型のシ
ャドウグリルは、同図(A)に示すように、フレーム8
にアパーチャーグリル10を展張した状態で溶接して保
持している。このアパーチャーグリル10は、0.l
[mm]の板厚のリムド鋼からなるテープ状の条片9を
複数本、互いに平行に固着して、スリット状の開口11
を形成したものである。また、ダンパースプリング13
によって、径が25[μm]のタングステン線からなる
ダンパーワイヤ12が、アパーチャーグリル10に接触
する状態で設けられており、このダンパーワイヤ12に
より振動・落下時のアパーチャーグリル10のゆれが抑
制できる。
【0006】次に、上述したカラー受像管装置の動作に
ついて説明する。
【0007】カラー受像管は、パネル1とファンネル2
により構成される外囲器により内部が高真空に保たれて
おり、電子銃4から出射された電子ビーム5は、パネル
1の内面に形成され高電圧が印加された蛍光スクリーン
3に射突することにより蛍光スクリーン3を発光させ
る。同時に、電子ビーム5は偏向ヨーク6によって作ら
れる水平及び垂直偏向磁界によって左右・上下に偏向さ
れており、蛍光スクリーン3の面上にラスタと呼ばれる
画像表示領域を形成する。この画像表示領域をなす蛍光
スクリーン3では、電子ビーム5の射突量に応じて所定
の発光強度で発光するように蛍光面の赤、青、緑各色が
分布するから、蛍光スクリーン3をパネル1の外面から
観測することにより画像として認識される。
【0008】図8(A)に示すように、シャドウグリル
7には無数のスリット状の開口11が順に配列されてお
り、この開口11を通過した電子ビーム5が幾何的に定
められた蛍光スクリーン3上の赤、青、緑の蛍光体スト
ライプに射突し、正確な色選択が可能になる。このよう
にシャドウグリル型のカラー受像管では、色選択が幾何
的に行われるため、パネル1と電子銃4とシャドウグリ
ル7とは、常に所定の位置関係を正確に保っていなけれ
ばならず、一方、それらをガラスバルブ内に組み込んで
製造する工程では、それぞれに適当な設計上のマージン
が必要になる。
【0009】図9は、カラー受像管装置のパネルを示す
正面図である。パネル1は真空ガラス容器の一部を構成
しており、装置の軽量化を図り、ガラスに発生する応力
を小さくするためには、その形状はなるべく球に近いほ
うが有利である。そのため、一般的なガラスバルブは、
パネル1の側面部1Aのうちで最大形状部の外形を、例
えば長辺を曲率半径RL、短辺側を曲率半径RS、対角
端部(以下、コーナー部という。)を曲率半径Rとす
る、それぞれが滑らかに繋がった曲線で構成されるよう
に設計する。
【0010】図9において、パネル1上の有効スクリー
ン領域を破線1Bで、蛍光スクリーン3の領域を一点鎖
線で示している。また、パネル側面部1Aは、その最大
形状部を含めて、ほぼ一定の肉厚で構成されている。し
たがって、パネル1上の有効スクリーン領域1Bも上記
曲率半径RL,RSに応じて丸みを帯びた角形形状とな
っている。ところが、一点鎖線で示す蛍光スクリーン3
は、テレビ受像用でもコンピュータ端末用でも、各辺が
直線状の角形となるように設計されている。
【0011】なお、蛍光スクリーン3は、長辺が2W、
短辺が2Hで表わされ、H:W=9:16の、いわゆる
ワイド管用のパネル上に形成されている。また、後の説
明においても、この図9と同様に、蛍光スクリーン3の
長軸をX軸、短軸をY軸、対角軸をD軸とし、蛍光スク
リーン3の中心軸(管軸)の観視者側を+方向とするZ
軸をなすものとする。また、蛍光スクリーン3には、そ
の一部を拡大した円形部分に示すように、Y軸に平行し
てストライプ状に蛍光体が塗布されている。
【0012】図10(A)は、図9のパネルlのY−Z
断面を示す図である。同図(A)に示すように、パネル
1の正面では、その内面形状は曲率半径IRZで規定さ
れ、外面形状は曲率半径ERZで規定されている。そし
て、パネル1の正面周端部分はブレンドr(blend
r)と呼ばれる小さな曲率半径rの曲面で縁取られて
いて、パネル側面部1Aへと繋がっている。ただし、パ
ネル1の外面形状は、一般には内面形状とは異なってい
て、その曲率半径ERZもΙRZとは異なる値である。
なお、ここでは内面形状が曲率半径で表現されるものと
しているが、一定の数式により表現されているものであ
っても同様である。また、最近ではERZが5000
[mm]以上に設計され、パネル1が外観上で、ほとん
ど平面に近い“フラットパネル”が採用されだした。
【0013】図10(B)はパネル1の内面での有効ス
クリーン領域1Bの寸法ΗGを説明するための図であ
る。パネル1の内面での有効スクリーン領域1Bの寸法
ΗGとは、図10(B)に示すように、z軸から曲率半
径IRZの面とブレンドrの曲面との接点までの寸法で
あって、蛍光スクリーン3の短辺方向の寸法ΗはΗGよ
り小さくなっている。もしも、蛍光体がブレンドrの曲
面部分に乗り上げて塗布されると、その乗り上げた部分
の映像が歪んでしまう。図9に示すように、HG−Ηの
値が大きくなるY軸近傍では、相当の余裕があり、映像
の歪みの問題は生じない。同様にX軸近傍でもそれほど
問題は無いが、後に述べるように対角軸Dの近傍、即ち
ガラスバルブの4隅を構成するコーナー部では、有効ス
クリーン領域1Bと蛍光スクリーン3の大きさの関係に
は注意が必要である。
【0014】以上のように構成されている従来のカラー
受像管は、パネル1と電子銃4とシャドウグリル7とを
一体に組み立てる際のばらつきを吸収するために、ガラ
スバルブは、一定のマージンを持った設計がなされる。
【0015】図11は、ワイド管のスクリーンを示す図
である。蛍光スクリーン3は、パネルのY方向に、上方
より下方まで繋がった複数本の蛍光体ストライプ20に
よって構成されており、通常、スクリーン自体は長方形
となるように設計されている。図11では、左右方向の
端部に形成された蛍光体ストライプ20だけを示してい
る。そして、パネル1内面に組み込まれるシャドウグリ
ル7の寸法のばらつきによって、図11に示すようにコ
ーナー部(ここでは上方のみ)で蛍光スクリーン3、即
ち蛍光体ストライプ20が中側に折れ曲がる場合があ
る。このような折れ曲がり20aは、パネル1、及びそ
こに組み込まれるシャドウグリル7の寸法のばらつきに
対する余裕が足りないために、パネル1の有効スクリー
ン領域1Bの範囲外であるブレンドrの曲面部分にまで
蛍光体ストライプ20が焼き付けられているために生じ
る現象である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
蛍光スクリーン3上での蛍光体ストライプ20の大き
さ、電子ビーム5の大きさ、パネル1の内面形状、シャ
ドウグリル7の取り付け位置、及びアパーチャーグリル
10の大きさ等がばらつきの程度を決め、こうしたばら
つきを吸収するだけの設計マージン(余裕)を持たせな
くてはならない。これらのばらつきに対する余裕が小さ
ければ、パネル1の有効スクリーン領域1Bの範囲外
(ブレンドrの曲面部分など)にまで蛍光体ストライプ
20が焼き付けられ、蛍光体ストライプ20の折れ曲が
り20aが生じてしまう。しかし、折れ曲がり20aを
排除するために設計裕度を大きくすると、電子ビームと
蛍光体の大きさの関係から、蛍光スクリーン3の発光面
積を小さくせざるを得なくなるので、パネル1の大きさ
に応じた明るい画面が得られないという問題があった。
【0017】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、その目的は、蛍光体ストライプ
の折れ曲がりをなくして、蛍光スクリーンのコーナー部
での画像の品位を改善したカラー受像管装置を提供する
ことである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係るカラー受
像管装置は、蛍光スクリーンがパネルの内側に形成され
たカラー受像管装置において、パネルを構成するガラス
バルブのコーナー部における肉厚を他の部分に比較して
薄く形成することによって、パネル上で蛍光スクリーン
が形成可能な有効スクリーン領域を広げるように構成し
たものである。
【0019】この発明に係るカラー受像管装置は、有効
スクリーン領域のコーナー部が、パネルを構成するガラ
スバルブの側面最大形状部における長辺と対角曲線の接
続点位置より長辺方向外側であって、短辺と対角曲線の
接続点位置より短辺方向外側に位置する曲線として構成
されているものである。
【0020】この発明に係るカラー受像管装置は、ガラ
スバルブの側面最大形状部における長辺、及び短辺を接
続するコーナー部の曲率半径をRとした場合に、パネル
上で蛍光スクリーンが形成可能な有効スクリーン領域
を、それぞれガラスバルブの長辺、及び短辺方向にR/
10以内で広げるように構成したものである。
【0021】この発明に係るカラー受像管装置は、蛍光
スクリーンが前記ガラスバルブの短辺方向に平行な複数
のストライプによって形成されたものであり、パネル上
で蛍光スクリーンが形成可能な有効スクリーン領域を、
ガラスバルブの長辺方向より短辺方向に大きく広げるよ
うに構成したものである。
【0022】この発明に係るカラー受像管装置は、蛍光
スクリーンがパネルの内側に形成されたカラー受像管装
置において、蛍光スクリーンが前記パネルを構成するガ
ラスバルブの短辺方向に平行な複数のストライプによっ
て形成されたものであり、パネル上で蛍光スクリーンが
形成可能な有効スクリーン領域を、ガラスバルブの長辺
方向より短辺方向に大きなマージンを持って構成したも
のである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
この発明の実施の形態について説明する。
【0024】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1に係るパネルの側面部の第1象限のみの形状を示
す図である。
【0025】最初に、ガラスバルブのパネル内側に形成
される蛍光スクリーンの形状について説明する。この実
施の形態1のカラー受像管は、外観上は図7に示す従来
のものと全く変わらず、また、蛍光スクリーンを形成し
た後に金属環19を用いて防爆処理を行なう点も変わら
ない。以下に説明するように、この発明ではパネル1の
コーナー部での内面形状に特徴がある。
【0026】図1において、X軸はパネル長軸、Y軸は
パネル短軸、D軸はパネル対角軸である。また、Zは管
軸を示している。1Aはパネル側面部であり、その外形
形状は図示するように、上部、下部は曲率半径RL、
右、左の側面部は曲率半径RSで構成され、コーナー部
が曲率半径RL,RSに比較して小さい曲率半径Rの曲
線で互いに滑らかに接続されており、曲率半径Rの中心
Oがパネル対角軸D上に位置する。具体的に、例えば5
1[cm]CRTの場合で説明すると、RL=2604
[mm]、RS=7407[mm]、R=30[mm]
である。パネル内面におけるZ軸とD,X,Y軸とをそ
れぞれに含む各断面におけるパネルの内面形状は、それ
ぞれR3640[mm],R2400[mm],R22
210[mm]のシリンドリカルなCRTである。
【0027】図1には示していないが、この実施の形態
1のカラー受像管は、蛍光スクリーンを形成する複数の
蛍光体ストライプの長手方向がY軸方向に一致してい
る。3はこのような蛍光スクリーンの外形形状を示す枠
である。破線1Bは、パネル1上で蛍光スクリーンが形
成可能な有効スクリーン領域を示している。この有効ス
クリーン領域1Bの境界線(輪郭)は、パネル1の内面
の形状と大きさによって規定されるものである。
【0028】この実施の形態1の特徴は、パネル1の内
面形状を、コーナー部における肉厚を他の部分に比較し
て薄く形成することによって、図1で実線により示すよ
うに、コーナー部を構成している曲線を小さな曲率半径
に設計して、有効スクリーン領域のコーナー部の丸みを
小さくして、その面積を拡大した点である。
【0029】図2(A)は、ガラスバルブのコーナー部
における有効スクリーン領域1Bと蛍光スクリーン3の
位置関係を示す図である。この図2(A)により、パネ
ル1の内面における有効スクリーン領域1Bの形状を説
明する。ここで、破線は従来装置における形状であり、
実線がこの発明の形状である。
【0030】図中、RL'、RS'、及びR'は、パネル
1の有効スクリーン領域1Bの形状を規定する曲率半径
を示しており、このコーナー部の円弧の中心を、以下の
考察で用いるx、y座標の原点CRとしている。点S
L、SSは、それぞれコーナー部の円弧と上部境界線、
右側面境界線との接点を示している。
【0031】ここで、蛍光スクリーン3の最端位置に形
成される蛍光体ストライプのコーナー部について考察す
る。図2(A)では、この最端位置のストライプのコー
ナー部は、パネル設計時の中心位置(設計中心)として
は、線分ABによって示されている。ここで、y方向に
ΔYだけシャドウグリル7がずれて、このパネル1が製
造された場合を考えると、その最端位置のストライプの
コーナー部が線分ABを越えて、その延長線上の点Cに
なる。同様に、設計中心からx方向にΔXだけシャドウ
グリル7がずれた場合を考えると、その最端位置のスト
ライプの位置は線分Α’B’で示される。
【0032】ここで、従来の蛍光体ストライプ20(図
11参照)における折れ曲がり20aの生じる理由につ
いて、図2(A)及び(B)を用いて詳述する。図2
(B)は、折れ曲がりの大きさを示す図である。この図
では、横軸に蛍光体ストライプが形成されるy軸方向の
位置を示し、縦軸にZ軸方向での内面形状の設計値から
のずれの大きさを示している。
【0033】図2(A)では、一点鎖線によって示す蛍
光スクリーン3の設計中心は、破線にて示す従来の有効
スクリーン領域1Bとの裕度が極小となっている。すな
わち、蛍光スクリーン3のコーナー部が有効スクリーン
領域1Bのぎりぎり内側に位置する設計となっている。
【0034】この場合にも、ブレンドrの曲面にまで蛍
光スクリーン3を設けていないため、蛍光面の設計とし
ては特に問題はない。しかし、上述したように、シャド
ウグリル7がΔYだけずれた場合に、最端位置のストラ
イプのコーナー部が線分ΑBの間では設計値通りの蛍光
面として焼き付けられるけれども、線分BCの位置では
ブレンドrの曲面に蛍光面が焼き付けられる結果とな
る。すなわち、点Bから点Cに向かうにしたがって、シ
ャドウグリル7で位置決めされる焼き付け光の位置は、
−X方向に移動して、図2(B)の曲線BCに示すよう
にブレンドrの曲面に蛍光体ストライプが乗り上げる。
その結果、図15に示すような折れ曲がり20が焼き付
けられることになる。このような焼き付け位置の折れ曲
がりの関係は、蛍光スクリーン3を形成するR,G,B
の3色について同じような折れ曲がりをもたらすことに
なる。
【0035】次に、シャドウグリル7がX軸方向にΔX
だけずれた場合には、最端の蛍光体ストライプの焼き付
け位置が線分Α’B’の位置になるので、蛍光体ストラ
イプは図2(B)に示す曲線Α’B’のように乗り上げ
るだけであるので、設計中心からの蛍光スクリーンの位
置ずれ量はそれ程大きくならない。このように、ガラス
バルブの長辺方向(x軸方向)についての位置ずれによ
る折れ曲がり20aは急激なものではなく、Y軸方向で
の位置ずれによる折れ曲がり20aと比較すると、より
目立ちにくいものとなる。
【0036】以上のような理由から、図2(A)に実線
で示すように、コーナー部を構成している曲線を小さな
曲率半径に設計する対策を取ることにより、折れ曲がり
20aをなくすることが出来る。
【0037】ところで、実施の形態1では、パネル側面
部1Aの外形形状の寸法は変えずに有効スクリーン領域
1Bを広げようとしているものである。したがって、こ
のような内面から肉厚を薄くする場合に、例えば、X方
向にΔX、Y方向にΔYだけ拡げるためには、ガラスバ
ルブの対角軸近辺で約{(ΔX)2十(ΔY)21/2
ガラス厚が減じられてしまう。
【0038】そこで、次にパネル側面部1Aを金属環1
9で締め付けた時の、パネル側面への圧力の大きさにつ
いて説明する。図3は、パネル側面部に加わる荷重分布
を説明する図である。この図3では、パネル側面部1A
の曲率半径RL,RSに相当する面に、一定の荷重P
L、PSが分布し、対角軸方向に相当する面には、それ
より大きな荷重PDが分布している。
【0039】実施の形態1の51cmCRTでは、これ
らの荷重の比はPL/PD=30/2604,PS/P
D=30/7407のように計算できる。したがって、
このようなパネル1に対する金属環19による緊縮力の
効果は、圧倒的にコーナー部においてだけ効果があると
言って過言ではない。
【0040】図4は、金属環による緊縮力によってパネ
ル外面に生じる応力分布を示す図である。これは、パネ
ル側面部1Aを金属環19で締め付けた時、パネル1の
外面での応力の変化をシミュレーションして得たもので
ある。図4において、縦軸の+方向が引っ張り応力(TEN
SILE STRESS)、−方向が圧縮応力(COMPRESSIVE STRES
S)を示しており、横軸にはZ軸位置が示されている。曲
線L.A.曲線S.Α.曲線D.A.は、それぞれX,
Y,D軸の断面についての応力の大きさである。これら
の曲線によれば、コーナー部近辺で大きく圧縮応力が発
生していることが分かる。そして、この応力変化の傾向
は、パネルガラスの肉厚を多少変えても、外形形状が変
わらない限りで同じであり、したがって、上述したよう
にコーナー部の厚みのみを数[mm]程度減じても、受
像管としての応力設計としては特に問題は生じない。す
なわち、こうした設計条件は、図3に示すコーナー部で
の荷重PDの及ぶ範囲内で対処可能なものと考えること
ができる。
【0041】以上に説明したように、実施の形態1では
コーナー部の曲線を小さな曲率半径のものとして設計す
ることによってコーナー部でパネルの肉厚を減じて、そ
の分だけ有効スクリーン領域の面積を拡げることが可能
であるから、設計中心からの蛍光スクリーンの位置ずれ
量に対する余裕(マージン)をとることにより、カラー受
像管装置の折れ曲がりをなくして、蛍光スクリーンのコ
ーナー部での画像の品位を改善できる。
【0042】実施の形態2.実施の形態1では、有効ス
クリーン領域のコーナー部での曲線を小さな曲率半径に
設計することでコーナー部でパネルの肉厚を薄くして、
有効スクリーン領域を拡げていたが、肉厚を薄くするに
は任意の形状でコーナー部の肉厚を薄くすることが可能
である。そこで、実施の形態2ではパネル側面部の内面
形状を設計する場合に、図1に示すコーナー部のコーナ
ー曲面(対角曲線)と、この対角曲線から曲率中心Oに
至る範囲で、パネル側面部の内面を任意形状の曲面とし
て形成できる。
【0043】すなわち、実施の形態2のカラー受像管装
置では、有効スクリーン領域のコーナー部を、パネルを
構成するガラスバルブの側面最大形状部における長辺と
対角曲線の接続点位置より長辺方向外側であって、短辺
と対角曲線の接続点位置より短辺方向外側に位置する任
意の曲線として構成することによって、必ずしも対角曲
線を小さな曲率半径の曲面で設計しなくても、コーナー
部でパネルの肉厚を減じて、その分だけ有効スクリーン
領域の面積を拡げることが可能である。
【0044】実施の形態3.実施の形態1、2におい
て、パネルガラスの有効スクリーン領域1Bを拡げる範
囲はパネルの大きさによって変化させる必要がある。
【0045】実施の形態3のカラー受像管装置は、実施
の形態1のものと同じく、51[cm]受像管であっ
て、図5に実線で示すように、パネル側面部1Aのコー
ナー部の内側を削る形で、有効スクリーン領域1Bをコ
ーナー部で拡げて、設計中心からの蛍光スクリーンの位
置ずれ量に対するマージンをとるようにしている。ま
た、コーナー部の曲率半径R2の大きさはカラー受像管
のサイズとリンクしている。例えば、受像管のサイズが
89[cm]であれば、コーナー部の曲率半径Rは35
[mm]、78[cm]であればRは34[mm]、6
8[cm]であればRは30[mm]、51[cm]で
あればRは30[mm]のようになる。
【0046】一方、実際にマージンを決める場合には、
いろいろなばらつき要素を考える必要がある。発明者は
幾つかの実験を行なった結果、有効スクリーン領域1B
を広げて、設計中心からの蛍光スクリーンの位置ずれ量
に対する余裕(マージン)をとる場合に、コーナー部の曲
率半径Rに対してR/10程度だけ広げれば良いことが
分かった。そこで、51[cm]受像管では、有効スク
リーン領域1Bをコーナー部で拡げる場合の大きさは、
ΔX=ΔY=2.5[mm]とした。
【0047】実施の形態4.実施の形態1で説明したよ
うに、ガラスバルブの長辺方向(x軸方向)についての
位置ずれによる折れ曲がり20aは急激なものではな
く、Y軸方向での位置ずれによる折れ曲がり20aと比
較すると、より目立ちにくかった。そこで、実施の形態
4では、51[cm]受像管において、コーナー部での
有効スクリーン領域1Bを拡げる大きさは、ΔX=l
[mm],ΔY=2.5[mm]とした。
【0048】すなわち、有効スクリーン領域1Bのマー
ジンは、X軸方向に比べてY軸方向で、より大きな値に
設定する必要がある。したがって、Y軸方向だけ、ある
いはY軸方向を優先して、コーナー部での有効スクリー
ン領域1Bを拡げる範囲を決めることが好ましい。
【0049】実施の形態5.実施の形態1〜4では、ガ
ラスバルブの側面最大形状部の外形に応じて、コーナー
部の肉厚を薄く形成してパネル内側の有効スクリーン領
域1Bに蛍光スクリーンを形成するものであった。実施
の形態5では、図6に示すように曲率半径R2の円弧で
形成したコーナー部だけに限らず、最初からY軸方向に
ついてだけ有効スクリーン領域の寸法にマージンを持た
せるように蛍光スクリーン3の形状を設計している。
【0050】このように設計された蛍光スクリーンであ
れば、設計中心からの蛍光スクリーンの位置ずれがあっ
ても、実質的に折れ曲がり20aが発生しないように出
来る。
【0051】以上の各実施の形態1〜5では、シャドウ
マスクタイプのうちで展張型のシャドウグリルの開口
が、スクリーンの上から下までつながったスリット孔タ
イプのものであって、パネルがシリンドリカルパネルで
あるものとして説明した。このようなカラー受像管装置
ではなく、シャドウマスクの開口がブリッジで区切られ
たスロット孔や丸孔で構成されたタイプのシャドウマス
クであったり、球面状のパネルの場合にも、この発明を
適用することが可能である。
【0052】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0053】請求項1に係るカラー受像管装置によれ
ば、蛍光スクリーンがパネルの内側に形成されたカラー
受像管装置において、パネルを構成するガラスバルブの
コーナー部における肉厚を他の部分に比較して薄く形成
することによって、パネル上で蛍光スクリーンが形成可
能な有効スクリーン領域を広げるように構成したので、
蛍光体ストライプの折れ曲がりをなくして、蛍光スクリ
ーンのコーナー部での画像の品位を改善したカラー受像
管装置を提供できる。したがって、特に角形蛍光スクリ
ーンを構成する蛍光体ストライプの形状を、量産ライン
において好ましい形状で保つうえで有効であって、画像
の品位を最良な状態に維持できる。
【0054】請求項2に係るカラー受像管装置によれ
ば、有効スクリーン領域のコーナー部が、パネルを構成
するガラスバルブの側面最大形状部における長辺と対角
曲線の接続点位置より長辺方向外側であって、短辺と対
角曲線の接続点位置より短辺方向外側に位置する曲線と
して構成されているので、蛍光体ストライプの折れ曲が
りをなくして、蛍光スクリーンのコーナー部での画像の
品位を改善できる。
【0055】請求項3に係るカラー受像管装置によれ
ば、ガラスバルブの側面最大形状部における長辺、及び
短辺を接続するコーナー部の曲率半径をRとした場合
に、パネル上で蛍光スクリーンが形成可能な有効スクリ
ーン領域を、それぞれガラスバルブの長辺、及び短辺方
向にR/10以内で広げるように構成したので、蛍光体
ストライプの折れ曲がりをなくして、蛍光スクリーンの
コーナー部での画像の品位を改善できる。
【0056】請求項4に係るカラー受像管装置によれ
ば、蛍光スクリーンが前記ガラスバルブの短辺方向に平
行な複数のストライプによって形成されたものであり、
パネル上で蛍光スクリーンが形成可能な有効スクリーン
領域を、ガラスバルブの長辺方向より短辺方向に大きく
広げるように構成したので、設計中心からの蛍光スクリ
ーンの位置ずれがあっても、実質的に蛍光体ストライプ
の折れ曲がりが発生しないように出来る。
【0057】請求項5に係るカラー受像管装置によれ
ば、蛍光スクリーンがパネルの内側に形成されたカラー
受像管装置において、蛍光スクリーンが前記パネルを構
成するガラスバルブの短辺方向に平行な複数のストライ
プによって形成されたものであり、パネル上で蛍光スク
リーンが形成可能な有効スクリーン領域を、ガラスバル
ブの長辺方向より短辺方向に大きなマージンを持って構
成したので、設計中心からの蛍光スクリーンの位置ずれ
があっても、実質的に蛍光体ストライプの折れ曲がりが
発生しないように出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るパネルの側面部の第1象限の
みの形状を示す図である。
【図2】 この発明に係るパネルのコーナー部における
有効スクリーンと蛍光スクリーンの形状を説明する図で
ある。
【図3】 パネル側面部に加わる荷重分布を説明する図
である。
【図4】 金属環による緊縮力によってパネル外面に生
じる応力分布を示す図である。
【図5】 実施の形態3におけるパネルの側面部の第1
象限のみの形状を示す図である。
【図6】 実施の形態5におけるパネルの側面部の第1
象限のみの形状を示す図である。
【図7】 従来のカラー受像管の概略構造を一部破断部
分として示す側面図である。
【図8】 従来から使用されている展張型シャドウグリ
ルの概略構造を示す斜視図である。
【図9】 カラー受像管のパネルを示す正面図である。
【図10】 X軸とY軸におけるパネル内面の蛍光スク
リーン及び有効スクリーン領域を説明する図である。
【図11】 従来の角形スクリーンにおける蛍光ストラ
イプの折れ曲がりを説明する図である。
【符号の説明】
1 パネル、 1A パネル側面部、 1B 有効スク
リーン領域、 2 ファンネル、 3 蛍光スクリー
ン、 4 電子銃、 5 電子ビーム、 6 偏向ヨー
ク、 7 展張型のシャドウグリル、 8 フレーム、
9 アパーチャーグリル条片、 10 アパーチャー
グリル、 11 開口、 12 ダンパーワイヤ、 1
3 ダンパースプリング、 19 金属環、 20 蛍
光体ストライプ、 20a スクリーンの折れ曲がり。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光スクリーンがパネルの内側に形成さ
    れたカラー受像管装置において、 前記パネルを構成するガラスバルブのコーナー部におけ
    る肉厚を他の部分に比較して薄く形成することによっ
    て、前記パネル上で蛍光スクリーンが形成可能な有効ス
    クリーン領域を広げるように構成したことを特徴とする
    カラー受像管装置。
  2. 【請求項2】 前記有効スクリーン領域のコーナー部
    が、前記パネルを構成するガラスバルブの側面最大形状
    部における長辺と対角曲線の接続点位置より長辺方向外
    側であって、短辺と対角曲線の接続点位置より短辺方向
    外側に位置する曲線として構成されていることを特徴と
    する請求項1に記載のカラー受像管装置。
  3. 【請求項3】 前記ガラスバルブの側面最大形状部にお
    ける長辺、及び短辺を接続するコーナー部の曲率半径を
    Rとした場合に、 前記パネル上で蛍光スクリーンが形成可能な有効スクリ
    ーン領域を、それぞれ前記ガラスバルブの長辺、及び短
    辺方向にR/10以内で広げるように構成したことを特
    徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のカラー受像
    管装置。
  4. 【請求項4】 前記蛍光スクリーンが前記ガラスバルブ
    の短辺方向に平行な複数のストライプによって形成され
    たものであり、 前記パネル上で蛍光スクリーンが形成可能な有効スクリ
    ーン領域を、前記ガラスバルブの長辺方向より短辺方向
    に大きく広げるように構成したことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のカラー受像管装置。
  5. 【請求項5】 蛍光スクリーンがパネルの内側に形成さ
    れたカラー受像管装置において、 前記蛍光スクリーンが前記パネルを構成するガラスバル
    ブの短辺方向に平行な複数のストライプによって形成さ
    れたものであり、 前記パネル上で蛍光スクリーンが形成可能な有効スクリ
    ーン領域を、前記ガラスバルブの長辺方向より短辺方向
    に大きなマージンを持って構成したことを特徴とするカ
    ラー受像管装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1511063A2 (en) * 2003-08-29 2005-03-02 Samsung Corning Co., Ltd Flat panel for use in a cathode ray tube

Cited By (3)

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EP1511063A3 (en) * 2003-08-29 2007-07-25 Samsung Corning Co., Ltd Flat panel for use in a cathode ray tube
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