JP2000356108A - 内側タービンシェルセクションを外側タービンシェルセクションに対して設置、取り外し、調整する装置および方法 - Google Patents

内側タービンシェルセクションを外側タービンシェルセクションに対して設置、取り外し、調整する装置および方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内側シェルセクションを外側シェルに対して
設置したり取り外したりする、また設置時に内側シェル
を外側シェルに対して心合わせする方法の提供。 【解決手段】 内側シェルセクションおよびロータへの
アクセスを可能にするためタービンを分解するには、心
合わせ取付具88を下部外側シェルセクション78に固
定し、ピン104を内側シェルセクションに係合させ
る。タービンを分解するために、内側シェルの重量を心
合わせ取付具88およびクレードルピン104を介して
下部外側シェルセクションに移す。ローラアセンブリ
を、支持ピンを抜くことで空になったアクセス開口を通
して挿入し、分解および組立時に、下部内側シェルセク
ションを回転して下部外側シェルセクションに出し入れ
するのを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】この発明は、一般にガスタービンに関
し、特に内側および外側タービンシェルセクションを有
するガスタービンに関する。さらに詳しくは、本発明
は、タービンの最初の組立時に内側シェルを外側シェル
に対して設置し心合わせする装置および方法、ならびに
現場でロータの構成部品およびシェルセクションのメン
テナンスおよび修理のために内側シェルを取り外し、ま
た内側シェルを再設置する装置および方法に関する。
【0002】米国特許第5,779,442号に、内側
および外側シェルを備えるガスタービンが開示されてい
る。内側シェルは第1および第2段ノズルおよびシュラ
ウドを保持し、一方外側シェルは内側シェルのための構
造的支持ならびに追加の段のノズルおよびシュラウドの
支持を行う。内側および外側シェルはそれぞれ、上部お
よび下部半円筒形シェルセクションを互いに水平分割線
に沿って接合した構成である。上記特許に説明されてい
るように、第1および第2段のノズルは、これらのノズ
ルに熱媒体を出し入れすることにより冷却される。
【0003】内側シェル内のロータを取り外さずに、タ
ービンの高熱ガス流路の構成要素へのアクセスをとるに
は、上記特許では、冷却回路と関連した種々の配管や管
継手を取り外し、下部外側シェルのアクセス開口を通し
てローラを挿入して内側シェルの重量をローラに移し、
内側シェルを外側シェルに装着するピンをはずし、つい
で上部外側シェルを取り外し、上部内側シェルセクショ
ンを取り外せるように露出する。上部内側シェルセクシ
ョンを下部内側シェルセクションから水平分割線に沿っ
て取り離す際に、ノズル、シュラウドおよび関連した配
管を含む上部内側シェルセクションをタービンから取り
外すことができ、ロータの下側セクションを露出する。
つぎに、ダミー(疑似)シェルセクションを下部内側シ
ェルセクションに分割線にて固定し、ダミーシェルおよ
び下部内側シェルセクションを180°回転して、内側
シェルセクションを下部外側シェルセクションの上に配
置する。この第2の内側シェルセクションを取り外すこ
とにより、ロータを取り外すことなく、内側シェル全体
をメンテナンスおよび修理のために取り外すことが可能
である。
【0004】上記特許には、ロール(転動)取付具も開
示されており、ロール取付具を下部外側シェルセクショ
ンの上に配置して、外側シェルに対する内側シェルの取
り付け、取り外しを容易にする。この取付具にはウイン
チが装着され、これによりダミーシェルセクションおよ
び下部内側シェルセクションをロータ軸線のまわりに回
転することができ、こうして下部シェルセクションの取
り外しを容易にする。
【0005】さらに上記特許の考察から理解できるよう
に、内側および外側シェルは、内側および外側シェルを
相互連結するピンの円周方向配列の軸線方向に離間した
2列により相互に連結されている。これらのピンは内側
シェルから半径方向外向きに突出し、両側に円周方向に
面する平坦部を有し、これらの平坦部が外側シェルに装
着された調節ねじと協同して内側シェルを外側シェルに
対して回転軸線に直交する平面において調節する。
【0006】本出願人は、内側シェルのまわりに直線的
なソケットを軸線方向に離間した配列を用いる新しいさ
らに進歩したガスタービン設計を開発した。ピンが外側
シェルからソケットに突出し、内側シェルを外側シェル
から、ロータ軸線と同軸心合わせ関係で、支持する。こ
のピンの幾何形状に関する完全な開示については、本出
願人に譲渡された係属中の米国特許出願に記載されてい
る。これらの支持(サポート)ピンは、本出願人の先の
米国特許第5,779,442号のように外側シェルに
より保持されたねじを調節することにより調節可能では
ない。かくして、内側シェルセクションを外側シェルに
対して設置したり取り外したりする、また設置時に内側
シェルを外側シェルに対して心合わせするシステムの必
要性が出てきた。
【0007】
【発明の概要】本発明の好適な実施態様によれば、ロー
タを取り外すことなく、内側シェルを外側シェルに対し
て現場で取り外す装置および方法、また、ロータを取り
外すことなく、新しいまたは修理した内側シェルセクシ
ョンを再設置するとともに、内側シェルをロータ軸線に
対して半径方向および軸線方向両方で心合わせする装置
および方法が提供される。上述したことを実現するため
に、内側および外側シェルは互いに支持ピンにより連結
され、これら支持ピンは、それぞれ外側シェルのまわり
に互いに約45°離れた位置で外側シェルにボルト止め
され、内側シェルに沿った対応する位置の凹所にはまる
ように半径方向内向きに突出し、円周方向に配列されて
軸線方向に離間された前方および後方配列を構成してい
る。軸線方向前方および後方の位置それぞれにつき8個
の支持ピンを設けるのが好ましいが、それより多数また
は少数の支持ピンを、異なる円周方向間隔にて用いても
よい。ここでの説明では、ピンの位置を軸線方向に見た
ロータ軸線のまわりの時計位置近似で記述するが、これ
は便宜上の使用にすぎない。内側シェルを取り外すため
に、5時および7時の位置の支持ピンを、前方および後
方両方とも、取り外す。つぎに、心合わせ取付具を下部
外側シェルセクションに取り付け、下部外側シェルセク
ションから懸垂する。心合わせ取付具は、通常、ロータ
軸線の両側にて下部外側シェルセクションに固定された
左側および右側外側シェル取付台を有する長方形フレー
ムを備える。外側シェル取付台は、心合わせ取付具の各
側で、各対の心合わせロッドにより、吊り下げ長方形フ
レームと連結しており、これにより長方形フレームは数
対の心合わせロッドのみにより支持される。さらに、1
対の軸線方向に延在する心合わせロッドが長方形フレー
ムと取付台とを相互連結し、また横方向または幅方向に
延在する心合わせロッドがフレームと取付台の一方とを
相互連結する。長方形フレームにはまた、2対のクレー
ドルピンが傾斜トラックに装着され、5時および7時の
位置の下部外側シェルセクション支持ピン開口を通し
て、内側および外側シェルを相互連結する支持ピンを通
常装着する内側シェルの凹所と係合するようになってい
る。長方形フレームが下部外側シェルセクションに固定
された取付台から懸垂され、またクレードルピンが内側
シェルの開口に係合している状態では、内側シェルの全
重量が、クレードルピンに移され、長方形フレーム、鉛
直方向調節ロッドおよび取付台を介して下部外側シェル
セクションから支持されることが分かる。
【0008】取付台が下部外側シェルセクションに取り
付けられ、クレードルピンが内側シェルの凹所に挿入さ
れた状態で、上部外側シェルセクションおよび上部内側
シェルセクションを互いに相互連結する前方および後方
指示ピンを取り外す。上部支持ピンを取り外したら、上
部外側シェルセクションを水平分割線で下部外側シェル
セクションから持ち上げることにより、上部外側シェル
セクションを取り外す。つぎに、上部内側シェルセクシ
ョンを取り外す。つぎに、残っている4時および8時の
位置の支持ピンを、前方および後方両方とも、取り外
し、これにより下部内側シェルセクションの重量をすべ
てクレードルピンに移し、今度は心合わせ構造を介して
下部外側シェルセクションにより支持する。
【0009】下部内側シェルセクションを取り外すに
は、ローラアセンブリを下部外側シェルセクションに固
定する。そのローラが4時および8時の位置で内側シェ
ルに係合する。つぎに、クレードルピンを後退させ、下
部内側シェルセクションの重量をローラアセンブリを介
して下部外側シェルセクションに移す。つぎに、追加の
ローラアセンブリを外側シェルに5時および7時の位置
で固定し、そのローラが下部内側シェルセクションに係
合する。ダミー内側シェルセクションを下部内側シェル
セクションに分割線で固定する。つぎにローラケージを
下部外側シェルセクションに取り付け、ダミーシェルセ
クションおよび下部内側シェルセクションを一緒に18
0°回転させ、内側シェルセクションをタービンの開放
頂部に配置する。ローラケージを取り外せば、配置し直
された内側シェルセクションを取り外すことができ、ロ
ータの第1および第2段を完全に露出する。以下の説明
で詳述するように、内側シェルセクションの設置は以上
とは逆の手順をたどる。
【0010】本発明の心合わせ取付具は、工場で、完全
なタービンを製作する際に、内側シェルを外側シェルに
対して設置するのにも使用できる。下部外側シェルセク
ションが持ち上げられ、支持された状態で、ローラアセ
ンブリを下部外側シェルの4時および8時の位置で挿入
する。つぎに、下部内側シェルセクションを下部外側シ
ェルセクション内に降下させ、ローラアセンブリ上に支
持する。つぎに心合わせ取付具を下部外側シェルセクシ
ョンに固定し、クレードルピンを移動して下部内側シェ
ルセクションに係合させる。つぎにロータをタービン内
に配置し、固定する。つぎに、上部内側シェルセクショ
ンを水平分割線で下部内側シェルセクションに固定す
る。ローラアセンブリを取り外すと、内側シェル全体の
重量は、心合わせ取付具を介して、クレードルピンに、
したがって下部外側シェルセクションに移される。内側
シェルが心合わせ取付具により下部外側シェルセクショ
ン内で支持されている状態で、心合わせ取付具の調節ロ
ッドを操作して内側シェルを下部外側シェルセクション
に対して横方向、軸線方向、鉛直方向にまた幅方向軸線
のまわりに位置決めする。心合わせが終わったら、上部
外側シェルセクションを下部外側シェルセクションに水
平分割線で固定する。つぎに、支持ピンを、クレードル
ピンを収容している5時および7時の位置を除くすべて
のピン開口位置で挿入する。こうして内側シェルの重量
を支持ピンに移し、心合わせ取付具を取り外す。最後の
1対の前方および後方支持ピンを5時および7時の位置
で下部外側シェルセクションに、内側シェルに支持関係
で、固定する。この手順および装置によれば、内側シェ
ルはロータ軸線とほぼ同軸な調節された位置に心合わせ
される。ロータ軸線に対する内側シェルのわずかなオフ
セットをとり、ロータのそりに対処することができる。
【0011】本発明の好適な実施態様によれば、円弧状
の内側シェルおよび外側シェルとこれらシェル内に配置
された軸線を有するロータとを含むタービンにおいて、
内側および外側シェルを互いに心合わせする方法は、
(a)心合わせ取付具を前記外側シェルから支持し、
(b)前記内側シェルを前記外側シェル内に前記心合わ
せ取付具により支持し、(c)前記心合わせ取付具を外
側シェルに対して調節することにより、内側シェルを外
側シェルに対して調節する工程を含む。
【0012】本発明の他の好適な実施態様によれば、内
側シェルおよび外側シェルを有し、内側シェルが外側シ
ェル内に外側シェルにより支持され、これらのシェルが
内側シェル内の軸線を有するロータのまわりに同心であ
るタービンを分解する方法は、(a)取付具を前記外側
シェルに取り付け、(b)前記取付具を前記外側シェル
から支持し、(c)前記外側シェルによる内側シェルの
支持を前記取付具に移す工程を含む。
【0013】本発明のさらに他の好適な実施態様によれ
ば、軸線を有するロータと、このロータのまわりに同心
に配置された1対の円弧状上部および下部外側シェルセ
クションおよび1対の円弧状上部および下部内側シェル
セクションとを有するタービンを、ロータをタービンか
ら取り外すことなく、分解する方法は、(a)上部外側
シェルセクションを取り外し、(b)上部内側シェルセ
クションを取り外し、(c)取付具を前記下部外側シェ
ルセクションから支持し、(d)前記下部内側シェルセ
クションの支持を前記下部外側シェルセクションから前
記取付具に移し、(e)工程(c)の後、複数のローラ
アセンブリを前記下部外側シェルセクションに固定して
前記下部内側シェルセクションに係合させ、(f)前記
下部内側シェルセクションの支持を前記取付具から前記
ローラアセンブリおよび下部外側シェルセクションに移
し、(g)前記下部内側シェルセクションをロータ軸線
のまわりに、前記下部外側シェルセクションの上の位置
まで回転し、(h)工程(g)の後、前記下部内側シェ
ルセクションを取り外す工程を含む。
【0014】本発明のさらに他の好適な実施態様によれ
ば、ロータのまわりに1対の上部および下部外側シェル
セクションおよび1対の上部および下部内側シェルセク
ションを有するタービンを組み立てる方法は、(a)取
付具を前記下部外側シェルセクションに取り付け、
(b)前記取付具を前記下部外側シェルセクションから
支持し、(c)前記下部内側シェルセクションを前記下
部外側シェルセクション中に挿入し、(d)前記下部内
側シェルセクションを前記下部外側シェルセクションか
ら支持し、(e)前記下部内側シェルセクション内にロ
ータを配置し、(f)前記上部内側シェルセクションを
前記下部内側シェルセクションに固定し、(g)前記上
部および下部内側シェルセクションからの支持を前記取
付具から前記内側シェルセクションおよび前記外側シェ
ルセクションを相互連結する要素に移す工程を含む。
【0015】本発明のさらに他の好適な実施態様によれ
ば、軸線を有するロータのまわりに互いに固定された内
側シェルおよび外側シェルを有するタービンの外側シェ
ルに固定するための心合わせ取付具は、外側シェルに固
定する1対の取付台と、可動性の支持部材を有するフレ
ームと、少なくとも1個の調節可能要素とを備え、前記
支持部材がフレーム上で(i)外側シェルのアクセス開
口を通過して内側シェルと係合し内側シェルをフレーム
から支持する支持位置と(ii)内側シェルから離間し
た非支持位置との間を可動であり、前記調節可能要素が
前記フレームおよび前記取付台の少なくとも一つを相互
連結し、前記支持部材が前記支持位置にあるとき、フレ
ームの位置を外側シェルに対して軸線方向またはロータ
軸線に直角な平面のいずれか一つにおいて調節し、これ
により内側シェルを外側シェルに対して調節する。
【0016】
【発明の詳細な記述】図1に、タービンの1セクション
を10で総称して示す。タービンセクション10は外側
構造シェル12および外側シェル12により支持された
内側シェル14を有する。内側シェル14は、タービン
の第1段および第2段の一部を形成するノズル16およ
び18の配列を保持している。内側シェル14はまた、
軸線22のまわりを回転可能なロータ(20で総称す
る)を包囲している。ロータ20は、スペーサと交互に
配置されたホイール上に装着されたバケットの円周方向
配列体を複数含み、これらのホイールとスペーサがロー
タの本体を形成している。たとえば、両者間にスペーサ
28が介在する第1段ホイール24および第2段ホイー
ル26が図示されている。ホイール24および26には
それぞれバケット28および30が装着されている。種
々の段のバケットおよびノズルが、タービンを貫通する
環状高熱ガス流路を部分的に画定することが明らかであ
る。通常通り、ロータのホイールおよびスペーサは、ロ
ータのまわりに円周方向に互いに間隔をあけて配置され
た複数の軸線方向延在ボルト32により互いに固定され
ている。
【0017】図1および図2を参照すると、内側シェル
14は、前方部分36と後方部分38とを軸線方向に延
在する環状リブ40で相互連結した構成である。前方部
分36と後方部分38は環状で、それぞれ、シュラウド
46および48を保持するための半径方向内向きのダブ
テール42および44を有する。シュラウドはバケット
の先端と最小のクリアランスを与える。内側シェル14
は外側シェル12に、ロータの軸線に垂直な半径方向平
面に沿って、好ましくは第1段および第2段のバケット
およびシュラウドと整合関係にある複数の軸線方向位置
で、固定されている。
【0018】内側シェルと外側シェルとを互いに連結す
るために、内側シェル14の前方部分36および後方部
分38それぞれに凹所50および52が円周方向に間隔
をあけて設けられている。図3に示すように、連結部
材、たとえば支持ピン54が外側シェル12のアクセス
開口56を貫通し、内側シェル14の前方部分36との
連結を達成する。同様のピンが外側シェル12を内側シ
ェル14の後方部分38と相互連結する。これらのピン
54を、各半径方向平面内の8個のピン位置に配置し、
ロータ軸線のまわりに互いに約45°離すのが好ましい
が、これより多いか少ない数の支持ピンを異なる円周方
向位置に使用してもよいことが理解できるはずである。
また支持ピン54は内側シェルの水平方向分割線から離
れている。支持(サポート)ピン54は、複数のボルト
開口を設けたボルト円部を有する拡大ヘッドと、円柱形
のシャンクと、内端突出部とを含む。支持ピンの正確な
幾何形状は本発明に必須ではなく、支持ピンが外側シェ
ルから内側シェルを、半径方向および軸線方向膨張およ
び収縮を許すように支持し、ピンが円周方向荷重のみを
担持するといえば十分である。
【0019】図6を参照すると、内側シェル14および
外側シェル12それぞれを、180°延在する半円筒形
シェルセクション(または半部)から形成するのが好ま
しい。図示の便宜上、図1以外の図では、内側シェルセ
クションにより保持されたノズルおよびシュラウドを図
示していない。したがって、内側シェル14は、図6に
示すように、上部内側シェルセクション70および下部
内側シェルセクション72を水平分割線74に沿って互
いに連結した構成である。同様に、外側シェル12は、
上部外側シェルセクション76および下部外側シェルセ
クション78を水平分割線80に沿って互いに連結した
構成である。図3に関連して上述したように、外側シェ
ルセクションに貫通しかつそれに固定された支持ピン5
4は、前方部分36および後方部分38において内側シ
ェルセクションの凹所またはソケット50および52に
はまり、内側シェルをロータ軸線のまわりに同心に維持
する。
【0020】図4に、下部内側シェルセクション72の
まわりの下部外側シェルセクション78を、上部内側シ
ェルセクション70および上部外側シェルセクション7
6を取り除いて、斜視図にて示す。図4には、86で総
称したローラケージアセンブリと、88で総称した心合
わせ取付具も示してある。図4および図14に明示する
ように、ローラケージ86は、下部外側シェルセクショ
ン78の両端への固定のためのプレート92で両端が終
端する複数の半円形フレーム部材90を含む。ローラケ
ージアセンブリ86は、モータ94を含み、このモータ
でモータハウジング内のスプロケットおよびケージの一
端に隣接するスプロケット98に掛け渡したエンドレス
チェーン96(図14)を駆動する。ブラケット99
(図13および図14)には、ボルト穴があけられ、こ
こにボルトを差し込んでブラケットを内側シェルの前方
および後方リムおよびダミーシェルに沿って形成された
ボルト穴101(図2)に固定する。ブラケット99は
チェーン96にも固定されており、これによりモータの
動作時に、ブラケット99がチェーン96とともに移動
する。ブラケットが内側シェルセクションまたはダミー
シェルセクションに固定されている場合、シェルセクシ
ョンは後述するように回転する。
【0021】ここで図5に移ると、心合わせ取付具88
はほぼ長方形のフレーム100を含む。心合わせフレー
ム100は、ロータ軸線に平行な中心線の両側に、複数
対の傾斜トラック102を含む。モータ(図示せず)
が、複数対の支持部材、たとえばクレードルピン104
をトラック102に沿って駆動する。トラック102お
よびこれに沿って移動自在に保持されたクレードルピン
104は、5時および7時の位置で外側シェルにあけた
支持ピン開口とほぼ心合わせされ、またその大きさと形
状は、支持ピンを支持ピン開口から抜いてあるとき、支
持ピン開口を通過して下部内側シェルセクション72の
凹所50および52にはまるようになっている。したが
って、5時および7時の位置の支持ピンを抜いておけ
ば、クレードルピン104は支持ピン開口を貫通し、内
側シェルの凹所50および52にはまる。
【0022】心合わせ取付具88はまた、心合わせ取付
具を直接下部外側シェルセクション78に固定するため
の、110および112で総称する、左側および右側取
付台を含み、これにより追加の支持なしで、心合わせ取
付具を下部外側シェルセクションから懸垂する。左側取
付台110は1対の相互連結された構造部材114およ
び116を含む。部材114は1対の構造ボルト円形フ
ランジ118を支持し、一方部材116は1つのボルト
円形フランジ120を支持する。ボルト円形フランジ1
18および120は、下部外側シェルセクション78の
外面上の対応するボルト円形フランジと連結する。かく
して、使用時には、左側取付台110は下部外側シェル
半部に構造的に連結される。取付台110はまた、調節
ロッド126および128の端部を受け入れる開口を有
する直交するプレート122および124から形成され
た吊り下げ構造ブラケットを含む。以下に説明するよう
に、調節ロッド126および128は、それぞれ互いに
直角な横方向および軸線方向に延在する。調節ロッド1
26および128の反対端は、フレーム100に連結さ
れた構造部材に形成されたボール継手130および13
2にはまっている。
【0023】さらに、構造部材114および116は軸
線方向に離間した水平プレート134および136に構
造的に固定されている。鉛直な調節ロッド138および
140の上端はそれぞれプレート134および136に
固定されている。これらのロッドの下端は、フレーム1
00の構造部分に固定されたボール継手142および1
44に固定されている。
【0024】右側取付台112は、ボルト円形フランジ
146で終端する複数の構造要素を装着する構造部材1
44のほぼ三角形の配置を含む。これらのボルト円形フ
ランジは適当なボルトにより、下部外側シェルセクショ
ン78の外面に沿った対応するボルト円形フランジに固
定され、これにより右側取付台112を外側シェルに構
造的に固定する。軸線方向に面するプレート150が構
造要素148により取付台112からつり下げられ、こ
のプレート150に調節ロッド152の一端がはめ込ま
れている。調節ロッド152はロータの軸線にほぼ平行
であり、その反対端はフレーム100に固定されたボー
ル継手154にはめ込まれている。さらに、右側取付台
112は1対のプレート156および158を含み、こ
れらに1対の鉛直な調節ロッド160および162の上
端が固定されている。調節ロッド160および162の
下端はそれぞれフレームの端部に固定されたボール継手
164および166に固定されている。調節ロッドの端
部は平坦部を有し、ここに工具、たとえばソケットレン
チを適用することができ、かくして以下に詳述するよう
に、調節ロッドをそれぞれの取付台に対して回転し、し
たがってねじ回転し、内側シェルを外側シェルに対して
調節することができる。
【0025】上述の説明から理解できるように、左側取
付台110および右側取付台112はそれぞれ下部外側
シェルセクション78から構造的に支持される。一方、
取付台は、4本の鉛直に延在する調節ロッド160およ
び162のみによって、クレードルピン104を含むフ
レーム100を支持する。分解および組立過程の種々の
段階で、後述の説明から明らかになるように、内側シェ
ルの重量を、左右の取付台、4本の鉛直な調節ロッド、
フレーム100およびクレードルピン104を介して外
側シェルから支持する。また、内側シェルをクレードル
ピンにより支持する場合、調節ロッドの調節によるフレ
ーム100の移動が、外側シェルに対して内側シェルを
鉛直方向、軸線方向および横方向に移動させ、また鉛直
な調節ロッドの可変調節により傾斜方向への移動を行
う。
【0026】ここで図6〜14を参照しながら、ロール
ケージアセンブリおよび心合わせ取付具を用いる現場分
解過程を説明する。最初に、タービンが軸受ブロックに
支持されていること、そして図示の内側および外側シェ
ルがすべてのサポートより上に持ち上げられていること
が認識される。ロータ20が内側シェル内にある状態
で、図6に示すように、5時および7時の位置にある前
方および後方支持ピン54を外側シェルから抜き去る。
つぎに、図7に示すように、心合わせ取付具88を下部
外側シェルセクション78に固定する。具体的には、左
側および右側取付台110および112のボルト円形フ
ランジを対応するフランジにボルト(図示せず)により
固定し、これにより心合わせ取付具88を外側シェル1
2から吊り下げる。クレードルピン104を受け入れる
ための下部内側シェルセクション72の凹所50および
52にクレードルインサート170を据え付ける。つぎ
に、クレードルピン104を、支持ピン54の後に空に
なった下部外側シェルセクション78の開口に挿入し、
そしてピン104をトラック102に沿って前進させる
ことにより対応する位置の内側シェルの凹所50および
52と係合させる。心合わせ取付具88が下部外側シェ
ルセクション78から懸垂された状態で、内側シェルの
前方および後方部分両方における上部外側シェルセクシ
ョン76および上部内側シェルセクション70間の支持
ピンを取り外す(図8参照)。つぎに、シェルセクショ
ン同士を連結するボルトを取り外すことにより、上部外
側シェルセクション76を下部外側シェルセクション7
8から水平分割線で取り離す。つぎに、外側シェルセク
ション76を下部外側シェルセクション78から鉛直方
向に持ち上げることにより、外側シェルセクション76
を取り外す。同様に、上部内側シェルセクション70を
下部内側シェルセクション72に固定するボルトをはず
して、上部内側シェルセクション70をタービンから水
平分割線で取り外す。上部内側シェルセクション70と
ともに、付属するノズルおよびシュラウドならびに補助
構造を取り外す。
【0027】上部の外側および内側シェルセクション両
方を取り外した状態で、図9に示すように、下部外側シ
ェルセクション78および下部内側シェルセクション7
2を相互連結する8時および4時の位置の残りの4本の
支持ピン54を取り外す。ロータがタービン内に残って
いるので、明らかに、下部内側シェルセクション72を
下部外側シェルセクション78から持ち上げることによ
り直接取り外すことはできない。下部内側シェルセクシ
ョン72を取り外すには、心合わせ取付具88を用い
て、下部内側シェルセクション72をわずかに前方に移
動し、追加の軸線方向クリアランスを得る。このために
は、調節ロッド152および128を回転し、フレーム
100を左側および右側取付台110および112に対
して移動する。前述したように、左側および右側取付台
110および112は下部外側シェルセクション75に
剛固にかつ構造的に固定されている。調節ロッド152
および128を回転することにより、フレーム100を
取付台110および112に対して軸線方向に移動す
る。フレーム100により支持されたクレードルピン1
04が下部内側シェルセクション72の凹所50および
52に係合している状態で、下部内側シェルセクション
72を同様に下部外側シェルセクション78に対して軸
線方向に移動する。
【0028】この下部内側シェルセクション72の軸線
方向移動の後、図10に示すように分割線支持プレート
176を外側シェルセクション78に取り付ける。これ
らのプレート176は下部内側シェルセクション72の
端部にかぶさり、下部外側シェルセクション78に対す
る下部内側シェルセクション72の回転を防止する。
【0029】つぎに、180で総称するローラアセンブ
リを4時および8時の位置の下部外側シェルセクション
78の空になった支持ピンアクセス開口を介して据え付
ける。ローラアセンブリ180のローラ188は下部内
側シェルセクションの前方および後方部分のリムに係合
する。各ローラアセンブリはボルト184を受け入れる
ボルト円形部182を含み、これによりローラアセンブ
リを下部外側シェルセクションのボルト円形フランジに
固定することができる。ローラアセンブリ180は、数
対のローラ188を下部内側シェルセクションのリムに
沿って係合するように装着する台車186も含む。
【0030】図11を参照すると、つぎに、クレードル
ピン104をそれぞれのトラックに沿って後退させ、ク
レードルピンインサートを取り外す。その結果、下部内
側シェルセクションの重量は8時および4時の位置のロ
ーラアセンブリ180により支えられる。図12を参照
すると、つぎに追加のローラアセンブリ180を、以前
はクレードルピン104を保持していたトラック102
上に配置し、前進させ、5時および7時の位置の下部外
側シェルセクションのアクセス開口に挿入し、内側シェ
ルのリムに係合し、こうしてローラアセンブリ180を
下部外側シェルセクション78に固定する。なお、ロー
ラアセンブリの重量がそれぞれ約175ポンドであるこ
とを考慮すると、心合わせ取付具88のモータ付きトラ
ック102を用いてローラアセンブリ182を挿入する
ことができる。数対のローラアセンブリがそれぞれ内側
シェルの前方および後方リム部分に4時、5時、7時お
よび8時の位置で係合している状態では、下部内側シェ
ルセクション72がローラアセンブリ182上の下部外
側シェルセクション78により支持されていることが分
かる。
【0031】図12に示すように、つぎに分割線支持プ
レート176を取り外し、ダミー内側シェル190を下
部内側シェルセクション72にその水平分割線で固定す
る。ダミーシェルセクション190は重量が下部内側シ
ェルセクション72と同等である。つぎに、図13に示
すように、ロールケージアセンブリ86を据え付ける。
具体的には、ロールケージアセンブリがダミー内側シェ
ルセクション190にまたがり、下部外側シェルセクシ
ョン78にその水平分割線で取り付けられる。ほかに、
ブラケット99をボルトによりダミーシェルの周縁に固
定する。ロールケージアセンブリのモータ94を作動さ
せることにより、互いに組み付けたダミーシェル190
と下部内側シェルセクション72を、下部外側シェルセ
クション78に固定されたローラアセンブリ180上で
回転させる。ダミーシェル190およびセクション72
を一緒に約60°回転するのが好ましい。このとき、別
のブラケット99を分割線に隣接してチェーンに据え付
け、ボルトによりダミーシェルまたは下部内側シェルセ
クションのいずれか適用できる方に固定する。つぎにロ
ールケージアセンブリを再度回転し、このプロセスを、
ダミーシェルと下部内側シェルセクションが完全に18
0°回転するまで、繰り返す。図13に示すように、こ
うして下部内側シェルセクション72の位置は、ダミー
シェルセクション190の位置と入れ替わり、下部内側
シェルセクション72が下部外側シェルセクション78
の上になる。心合わせピン191(図14)を外側シェ
ルを通してダミーセクションに挿入して、ダミーセクシ
ョンが下部外側シェルセクション78内で回転するのを
防止するのがよい。つぎに、ケージアセンブリ86を下
部外側シェルセクション78から分割線で取り離すこと
により、ケージアセンブリ86を取り外す。さらに、こ
こで、下部内側シェルセクション72をそのシュラウ
ド、ノズルおよび補助構造とともに、ダミー内側シェル
セクション190から、またしたがってタービンから取
り外すことができる。その結果、ロータをそのままにし
て、上部および下部内側シェルセクション両方をタービ
ンから取り外すことができ、かくして修理およびメンテ
ナンスのために、ロータの種々の部品への、また両内側
シェルセクションへのアクセスが可能になる。
【0032】逆の手順を用いて、ロータをタービン内に
静置したまま、修理やメンテナンスを終えた内側シェル
セクションをタービンに設置できることが明らかであ
る。内側シェルをロータ軸線のまわりに同心配置するた
めに、追加の工程が必要である。図15を参照すると、
修理済み下部内側シェル半部72をダミー内側シェル1
90に水平分割線にて固定する。ダミーシェル190
は、修理の結果、下部外側シェルセクション78内に残
っている。ロールケージアセンブリ86も下部外側シェ
ルセクション78に分割線にて固定する。ロールケージ
アセンブリのブラケット99を下部内側シェルセクショ
ンのリムに固定する。下部外側シェルセクション78と
ダミーシェルセクション190間の心合わせピン191
(図14)を抜き、ダミーセクション190を解放し、
回転運動できるようにする。ロールケージアセンブリを
用いて、互いに組み付けた下部内側シェルセクション7
2およびダミーシェル190を、4時、5時、7時およ
び8時の位置のローラアセンブリの上で段階的に180
°回転し、最終的に、図16に示すように、内側シェル
セクション72が下部外側シェルセクション78内に位
置し、ダミーシェルセクション190が下部外側シェル
セクションの上に位置する。位置の入れ替えが終わった
ら、心合わせピン191を下部外側シェルセクションを
通して下部内側シェルセクションの対応する開口中に挿
入することにより、下部内側シェルセクション72を所
定の位置に維持する。
【0033】図17を参照すると、ローラケージアセン
ブリ86を下部外側シェル78から取り離し、取り外
す。同様に、ダミーシェルセクション190を下部内側
シェルセクション72から水平分割線にて取り離し、取
り外す。さらに図17に示すように、内側シェルの前方
および後方部分それぞれの5時および7時の位置のロー
ラアセンブリ180を、それらのインサートとともに取
り外す。この段階で、下部内側シェルセクション72は
4時および8時の位置でローラアセンブリにより支持さ
れたままである。また、分割線支持プレート176を下
部内側および外側シェルセクション両方の分割線に適用
する。
【0034】図18を参照すると、つぎに、心合わせ構
造88を下部外側シェルセクション78に据え付ける。
すなわち、左側および右側取付台110および112の
ボルト円形フランジをそれぞれ、下部外側シェルセクシ
ョン78の対応するボルト円形フランジにボルト止め
し、心合わせフレームを外側シェルセクションから支持
する。さらに、クレードルピン104を5時および7時
の位置のローラアセンブリ180が抜けて空になった支
持穴開口中に前進させ、内側シェルの前方および後方部
分の凹所50および52に再度係合させる。つぎに、分
割線支持プレート176を下部外側シェルセクション7
8の両側から取り外す。4時および8時の位置のローラ
アセンブリ180も、前方および後方両者とも、取り外
す(図19参照)。下部内側シェルセクション72の重
量が、下部外側シェルセクション78により支持された
心合わせ構造88を介して、クレードルピン104およ
び下部外側シェルセクション78に移されることが分か
る。つぎに、上部内側シェルセクション70を下部内側
シェルセクションに水平分割線に沿って固定することに
より、上部内側シェルセクション70を据え付ける。
【0035】心合わせ構造の調節ロッドを操作すること
により、内側シェルを半径方向平面内で鉛直方向および
水平方向に位置決めし、軸線方向に移動し、また傾斜さ
せることができる。この設置段階で、内側シェル全体が
心合わせ構造88の4本のクレードルピン104上に支
持されること、また一方、心合わせ構造が下部外側シェ
ルセクション78のみにより支持されることが明らかで
ある。内側シェルを外側シェルに対して鉛直方向に移動
するためには、鉛直に延在する調節ロッド138,14
0,160および162を回転し、したがってねじ込
み、フレーム100を取付台110および112に対し
て移動する(ずらす)。この移動は、今度は、クレード
ルピン104およびそれで支持された内側シェルを外側
シェルに対して鉛直に移動する(ずらす)。横方向また
は幅方向の移動を行うためには、調節ロッド126を回
転し、したがってねじ込み、クレードルピン104を取
付台110および112に対して横方向にシフトさせ
る。クレードルピン104が内側シェルを保持している
ので、調節ロッド126により内側シェルを下部外側シ
ェルセクション78に対して横方向にシフトする。内側
シェルを軸線方向に移動するためには、調節ロッド12
8および152をねじ回転し、フレーム100を取付台
110および112に対して軸線方向に移動する。この
結果、クレードルピン104も内側シェルを外側シェル
に対して軸線方向移動自在に保持する。前方および後方
鉛直ロッド138,160および140,162を差動
式に調節することにより、内側シェルを外側シェルに対
して傾斜させることができる。
【0036】下部外側シェルセクション78およびロー
タ軸線に対する内側シェルの心合わせを完了したら、上
部外側シェル76を据え付け、下部外側シェルセクショ
ン78に水平分割線に沿って固定する(図20参照)。
つぎに、支持ピン54を4時、8時、10時、11時、
1時および2時の位置で外側シェルに挿入し、内側シェ
ルを外側シェルに対する調節した心合わせ位置に固定す
る。内側シェルが固定された状態で、クレードルピン1
04を内側シェルから引き抜く。つぎに、取付台110
および112を下部外側シェルセクションから取り外す
ことにより、心合わせ構造88を取り外す(図20参
照)。心合わせ取付具88を取り外したら、図21に示
すように、最後の支持ピン54を前方および後方部分に
5時および7時の位置にて挿入し、下部外側シェルおよ
び下部内側シェル間に係合させる。
【0037】以上、分解および組立過程を現存するター
ビン、たとえばメンテナンスや修理の必要な現場のター
ビンについて説明した。心合わせ取付具は、タービンの
最初の製作時にも利用できる。そこで、図22に、ロー
ラアセンブリ180を4時および8時の位置の下部外側
シェルセクションのアクセス開口に挿入した状態の、下
部外側シェルセクション78を示す。5時および7時の
位置のアクセス開口は開いている。つぎに下部内側シェ
ルセクション72を下部外側シェルセクション78中に
下降し、4時および8時の位置のローラアセンブリ18
0で支持する。図23を参照すると、つぎに、左側およ
び右側取付台110および112をそれぞれ下部外側シ
ェルセクション78のボルト円形部にボルト止めするこ
とにより、心合わせ取付具88を下部外側シェルセクシ
ョン78に固定する。つぎに、クレードルピン104を
下部外側シェルセクション78の空いているアクセス開
口を通して上向きに駆動し、下部内側シェルセクション
72の凹所50および52に係合させる。工場での設置
過程のこの段階で、ロータをタービンシェルの下半部に
設置することができる。
【0038】図24を参照すると、ロータがタービンシ
ェルの下半部に設置された状態で、上部内側シェルセク
ション70を下降し、下部内側シェルセクション72に
水平分割線にて固定する。内側シェルセクション70お
よび72を互いに固定した状態で、4時および8時の位
置のローラアセンブリ180を取り外す。ローラアセン
ブリの取り外しにより、内側シェル全体の重量は心合わ
せ取付具のクレードルピン104に移される。したがっ
て、内側シェル全体は、心合わせ取付具88および凹所
50および52に挿入されたクレードルピン104を介
して、下部外側シェルセクション78により支持され
る。上部外側シェルセクション76を取り外した状態
で、ここで、現場組立過程に関して前述したのと同様
に、調節ロッドを操作することにより、内側シェルを長
さ方向、横方向、鉛直方向にそして幅方向軸線のまわり
に調節することができる。
【0039】図25を参照すると、内側シェルを下部外
側シェルセクションに対して調節し終わった状態で、上
部外側シェルセクションを下部外側シェルセクションに
水平分割線にて固定する。また、心合わせ取付具88が
下部外側シェルセクション78に固定され、また内側シ
ェルが調節された位置にある状態で、図示のように支持
ピン54を1時、2時、4時、8時、10時および11
時の位置で挿入する。これらの支持ピンを対応する外側
シェルセクションに固定し、これらピンの突出部を内側
シェルの凹所またはソケットにはめこむ。支持ピン54
が上述した位置にある状態で、心合わせ取付具88のク
レードルピン104を内側シェルの凹所から引き抜くこ
とができる。内側シェルの重量は支持ピンに移される。
つぎに、取付台110および112を下部外側シェルセ
クション78から解放することにより、心合わせ取付具
88を下部外側シェルセクション78から取り外す。つ
ぎに、図26に示すように、5時および7時の位置のピ
ン54を下部外側シェルセクション78の空になったア
クセス開口に挿入し、内側シェルの対応する凹所に係合
させ、こうしてタービンの組立を完了する。
【0040】以上、本発明を現在のところもっとも実用
的かつ好適な実施例と考えられるものについて説明した
が、本発明は例示の実施例に限定されない。本発明は、
その要旨の範囲内に含まれる種々の変更例や等価な配置
を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】内側および外側シェル構成を組み込んだタービ
ンの第1および第2段を示す部分的断面図である。
【図2】図示の便宜上ノズルおよびシュラウドを除い
た、内側シェルの斜視図である。
【図3】内側シェルと外側シェル間の好適なピン連結を
示す軸線方向端面図である。
【図4】内側シェルを外側シェル内にかつタービンロー
タの軸線のまわりに同心に設置し、心合わせするための
ローラケージアセンブリおよび心合わせ取付具の斜視図
である。
【図5】心合わせ取付具を図示の便宜上一部分解して示
す斜視図である。
【図6】ロータをタービン内に配置したまま、上部外側
シェルセクションおよび内側シェルセクションをタービ
ンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面図
である。
【図7】ロータをタービン内に配置したまま、上部外側
シェルセクションおよび内側シェルセクションをタービ
ンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面図
である。
【図8】ロータをタービン内に配置したまま、上部外側
シェルセクションおよび内側シェルセクションをタービ
ンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面図
である。
【図9】ロータをタービン内に配置したまま、上部外側
シェルセクションおよび内側シェルセクションをタービ
ンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面図
である。
【図10】ロータをタービン内に配置したまま、上部外
側シェルセクションおよび内側シェルセクションをター
ビンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面
図である。
【図11】ロータをタービン内に配置したまま、上部外
側シェルセクションおよび内側シェルセクションをター
ビンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面
図である。
【図12】ロータをタービン内に配置したまま、上部外
側シェルセクションおよび内側シェルセクションをター
ビンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面
図である。
【図13】ロータをタービン内に配置したまま、上部外
側シェルセクションおよび内側シェルセクションをター
ビンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面
図である。
【図14】ロータをタービン内に配置したまま、上部外
側シェルセクションおよび内側シェルセクションをター
ビンから現場で分解する過程を示す線図的軸線方向立面
図である。
【図15】内側シェルおよび上部外側シェルセクション
の現場での組立を示す線図的軸線方向立面図である。
【図16】内側シェルおよび上部外側シェルセクション
の現場での組立を示す線図的軸線方向立面図である。
【図17】内側シェルおよび上部外側シェルセクション
の現場での組立を示す線図的軸線方向立面図である。
【図18】内側シェルおよび上部外側シェルセクション
の現場での組立を示す線図的軸線方向立面図である。
【図19】内側シェルおよび上部外側シェルセクション
の現場での組立を示す線図的軸線方向立面図である。
【図20】内側シェルおよび上部外側シェルセクション
の現場での組立を示す線図的軸線方向立面図である。
【図21】内側シェルおよび上部外側シェルセクション
の現場での組立を示す線図的軸線方向立面図である。
【図22】タービンの工場での組立を示す線図的軸線方
向立面図である。
【図23】タービンの工場での組立を示す線図的軸線方
向立面図である。
【図24】タービンの工場での組立を示す線図的軸線方
向立面図である。
【図25】タービンの工場での組立を示す線図的軸線方
向立面図である。
【図26】タービンの工場での組立を示す線図的軸線方
向立面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター・アレン・バーゲンダル アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スコッ ティア、モハーク・アベニュー、355番 (72)発明者 スチュアート・フォレスト・ワルド アメリカ合衆国、サウス・カロライナ州、 セイラム、ベーコン・リッジ・サークル、 8番 (72)発明者 ロバート・レロイ・スミス アメリカ合衆国、オハイオ州、ミルフォー ド、プレザント・サークル、1169番 (72)発明者 ロバート・キム・フェルプス アメリカ合衆国、オハイオ州、ミルフォー ド、モーニングサイド、1119番

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円弧状の内側シェル(14)および外側
    シェル(12)とこれらシェル内に配置され軸線を有す
    るロータ(20)とを含むタービンにおいて、内側およ
    び外側シェルを互いに心合わせするにあたり、 (a)心合わせ取付具(88)を前記外側シェルから支
    持し、 (b)前記内側シェルを前記外側シェル内に前記心合わ
    せ取付具により支持し、 (c)前記心合わせ取付具を外側シェルに対して調節す
    ることにより、内側シェルを外側シェルに対して調節す
    る工程を備える、内側および外側シェルを互いに心合わ
    せする方法。
  2. 【請求項2】 調節工程において、内側シェルを外側シ
    ェルに対してロータ軸線に直角な平面において移動す
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 調節工程において、内側シェルを外側シ
    ェルに対してロータ軸線に平行な方向に移動する、請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 調節工程において、内側シェルを外側シ
    ェルに対してロータ軸線に直角な軸線のまわりに移動す
    る、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 調節工程において、内側シェルを外側シ
    ェルに対してロータ軸線に直角な平面および平行な平面
    において移動する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 さらに、前記心合わせ取付具により保持
    された支持部材(104)を前記外側シェルの開口に挿
    通し、前記内側シェルに係合させて前記心合わせ取付具
    により内側シェルを支持する工程を含む、請求項1に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記心合わせ取付具を前記外側
    シェルに固定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 さらに、前記心合わせ取付具により保持
    された支持部材(104)を前記外側シェルの開口に挿
    通し、前記内側シェルに係合させて前記心合わせ取付具
    により内側シェルを支持する工程と、前記心合わせ取付
    具を前記外側シェルに固定する工程を含む、請求項1に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 工程(c)の後、前記内側シェルの支持
    を前記心合わせ取付具から前記外側シェルに移す、請求
    項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記内側シェルおよび外側シェルそれ
    ぞれがロータ軸線のまわりにほぼ半円筒形の上部および
    下部シェルセクション(70,72および76,78)
    を備え、工程(a)で心合わせ取付具を前記下部外側シ
    ェルセクションから支持し、工程(b)で前記心合わせ
    取付具により前記内側シェルを前記外側シェル内に支持
    し、そして工程(c)で前記心合わせ取付具を下部外側
    シェルセクションに対して調節することにより、前記内
    側シェルを前記下部外側シェルセクションに対して調節
    する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 内側シェル(14)および外側シェル
    (12)を有し、内側シェル(14)が外側シェル(1
    2)内に外側シェルにより支持され、これらのシェルが
    内側シェル内の軸線を有するロータ(20)のまわりに
    同心であるタービンを分解するにあたり、 (a)取付具(88)を前記外側シェルに取り付け、 (b)前記取付具を前記外側シェルから支持し、 (c)前記外側シェルによる内側シェルの支持を前記取
    付具に移す工程を含む、タービンの分解方法。
  12. 【請求項12】 前記内側および外側シェルを相互連結
    する連結要素(54)により前記内側シェルを支持し、
    工程(c)で前記内側シェルの支持を前記連結要素から
    前記取付具に移し、これにより前記内側シェルを前記取
    付具のみによって支持し、前記取付具を前記外側シェル
    のみによって支持する、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 軸線を有するロータ(20)と、この
    ロータのまわりに同心に配置された1対の円弧状上部お
    よび下部外側シェルセクション(76,78)および1
    対の円弧状上部および下部内側シェルセクション(7
    0,72)とを有するタービンを、ロータをタービンか
    ら取り外すことなく、分解するにあたり、 (a)上部外側シェルセクション(76)を取り外し、 (b)上部内側シェルセクション(70)を取り外し、 (c)取付具(88)を前記下部外側シェルセクション
    から支持し、 (d)前記下部内側シェルセクションの支持を前記下部
    外側シェルセクションから前記取付具に移し、 (e)工程(c)の後、複数のローラアセンブリ(18
    0)を前記下部外側シェルセクション(78)に固定し
    て前記下部内側シェルセクション(72)に係合させ、 (f)前記下部内側シェルセクションの支持を前記取付
    具から前記ローラアセンブリおよび下部外側シェルセク
    ションに移し、 (g)前記下部内側シェルセクションをロータ軸線のま
    わりに、前記下部外側シェルセクションの上の位置まで
    回転し、 (h)工程(g)の後、前記下部内側シェルセクション
    を取り外す工程を含む、タービンの分解方法。
  14. 【請求項14】 内側および外側シェルセクションが最
    初互いに、内側および外側シェルセクション間に係合す
    る円周方向に離間した連結要素(54)の配列により固
    定されており、 工程(a)および(b)の前に、前記上部外側シェルセ
    クションおよび上部内側シェルセクション間に係合する
    連結要素をはずす工程を含み、 工程(c)の前に、前記下部外側シェルセクションおよ
    び下部内側シェルセクション間に係合する連結要素の全
    部ではなく幾つかを取り外し、前記下部外側シェルにア
    クセス開口を残し、前記取付具により保持された支持部
    材(104)を前記アクセス開口に挿入して前記下部内
    側シェルセクションに係合させ、下部内側シェルセクシ
    ョンを前記取付具により支持する工程を含む、請求項1
    3に記載の方法。
  15. 【請求項15】 工程(e)の後、前記支持部材を前記
    アクセス開口を通しての前記下部内側シェルセクション
    との支持係合から取り外し、追加のローラアセンブリを
    前記下部外側シェルセクションにまた前記アクセス開口
    内に固定して、前記下部内側シェルセクションと係合さ
    せる工程を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 工程(g)の前に、ダミー内側シェル
    セクション(190)を前記下部内側シェルセクション
    に固定し、前記下部内側シェルセクションおよび前記ダ
    ミーセクションをロータ軸線のまわりに回転して、前記
    下部内側シェルセクションを前記下部外側シェルセクシ
    ョンの上にかつダミーセクションを前記下部外側シェル
    セクション内に位置決めする工程を含む、請求項13に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 タービンを再組立する工程を含み、こ
    のタービン再組立工程は、前記下部内側シェルセクショ
    ン(72)を前記外側シェルセクション(70)の上の
    位置で前記ダミーセクション(190)に固定し、前記
    ダミーセクションおよび下部内側シェルセクションを回
    転して、前記下部内側シェルセクションを前記下部外側
    シェルセクション内にかつ前記ダミーセクションを前記
    下部外側シェルセクションの上に位置決めし、前記ダミ
    ーセクションを取り外し、前記上部内側シェルセクショ
    ンを前記下部内側シェルセクションに固定し、前記上部
    外側シェルセクションを前記下部外側シェルセクション
    に固定する工程を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ロータ(20)のまわりに1対の上部
    および下部外側シェルセクション(76,78)および
    1対の上部および下部内側シェルセクション(70,7
    2)を有するタービンを組み立てるにあたり、 (a)取付具(88)を前記下部外側シェルセクション
    に取り付け、 (b)前記取付具を前記下部外側シェルセクションから
    支持し、 (c)前記下部内側シェルセクションを前記下部外側シ
    ェルセクション中に挿入し、 (d)前記下部内側シェルセクションを前記下部外側シ
    ェルセクションから支持し、 (e)前記下部内側シェルセクション内にロータ(2
    0)を配置し、 (f)前記上部内側シェルセクションを前記下部内側シ
    ェルセクションに固定し、 (g)前記上部および下部内側シェルセクションからの
    支持を前記取付具から前記内側シェルセクションおよび
    前記外側シェルセクションを相互連結する要素に移す工
    程を含む、タービンの組立方法。
  19. 【請求項19】 工程(g)の前に、前記取付具を前記
    外側シェルセクションに対して調節することにより、前
    記内側シェルセクションを前記外側シェルセクションに
    対して調節する工程を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 軸線を有するロータ(20)のまわり
    に互いに固定された内側シェル(14)および外側シェ
    ル(12)を有するタービンの外側シェル(12)に固
    定するための心合わせ取付具において、 外側シェルに固定する1対の取付台(110,112)
    と、可動性の支持部材(104)を有するフレーム(1
    00)と、少なくとも1個の調節可能要素(138,1
    40,152,160,162,126)とを備え、 前記支持部材(104)がフレーム(100)上で
    (i)外側シェルのアクセス開口を通過して内側シェル
    と係合し内側シェルをフレームから支持する支持位置と
    (ii)内側シェルから離間した非支持位置との間を可
    動であり、 前記調節可能要素が前記フレームおよび前記取付台の少
    なくとも一つを相互連結し、前記支持部材が前記支持位
    置にあるとき、フレームの位置を外側シェルに対して軸
    線方向またはロータ軸線に直角な平面のいずれか一つに
    おいて調節し、これにより内側シェルを外側シェルに対
    して調節する心合わせ取付具。
  21. 【請求項21】 1対の要素(138,160)が対応
    する前記取付台および前記フレームに連結され、これに
    より前記要素の一つの調節により前記フレームを移動さ
    せ、ロータ軸線に直角な平面において内側シェルを外側
    シェルに対して調節する、請求項20に記載の取付具。
  22. 【請求項22】 ロータ軸線を通る鉛直平面の片側で一
    方の要素(138)が片方の取付台および前記フレーム
    に連結され、前記フレームの前記片方の要素とは反対側
    でもう一方の要素(160)が他方の取付台および前記
    フレームに連結され、これにより前記要素の一方の調節
    により前記フレームを移動させ、ロータ軸線に直角な平
    面において内側シェルを外側シェルに対して調節する、
    請求項20に記載の取付具。
  23. 【請求項23】 一つの要素(152)が外側シェルに
    対するフレームの位置を前記軸線方向にて調節し、別の
    要素(138,126)が前記フレームおよび前記取付
    台の片方を相互連結して外側シェルに対するフレームの
    位置をロータ軸線に直角な平面において調節する、請求
    項20に記載の取付具。
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