JP2000355749A - 耐チッピング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐チッピング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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Yoichi Tobiyama
洋一 飛山
Chiaki Kato
千昭 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】密着性、特に耐チッピング性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板とその製造方法の提供。 【解決手段】めっき層と鋼板の界面に、めっき層の厚み
の10%以上の厚みを有するΓ相を存在させ、好ましく
は、めっき最表層のAl濃度を、めっき層の平均Al濃
度の5倍以下にした合金化溶融亜鉛めっき鋼板、およ
び、溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理を550〜850
℃で行い、200℃以下まで冷却後、アルカリ溶液に接
触させることにより製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用防錆鋼板
として多用されている耐チッピング性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】亜鉛系の溶融めっき鋼板、電気めっき鋼板
は、犠牲防食能が優れているので、自動車用防錆鋼板と
して多用されている。中でも、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板は、高耐食性で製造コストが低廉であることから、特
に実車に多用されている。最近は、自動車の外板として
も使用されている。
【0003】自動車の外板として鋼板が使用される場合
に、耐チッピング性が要求される。これは、塗装鋼板が
損傷を受けた場合の損傷度合いを示す指標である。例え
ば、自動車走行時に、石はねなどで、塗装鋼板が損傷を
受けた場合、とりわけ、めっき鋼板、特に合金めっき系
鋼板の場合に、めっきがめっきと鋼板の界面から塗膜と
ともに剥離するというチッピング現象が生じ易く、問題
視されている。
【0004】表面処理鋼板の中では、高耐食性で製造コ
ストが低廉である合金化溶融亜鉛めっき鋼板であるが、
めっき層自体が、地鉄と純亜鉛との相互拡散により生成
されたZn−Fe系の金属間化合物から構成されている
ため、めっき層が軟質である溶融亜鉛めっき鋼板や電気
純亜鉛めっき鋼板などに比較して、めっき層と鋼板との
密着性が劣るという本質的な問題を抱えている。
【0005】実際に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、純
亜鉛系めっき鋼板に比べ、チッピングを受けた部分のめ
っき層が、めっきと鋼板の界面から剥離し、しかも剥離
面積も広くなるという、好ましくない結果になる。
【0006】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の密着性、耐チ
ッピング性を改善する方法は、これまで多数提案されて
いる。例えば、合金化温度を、従来より高温にする技
術、また高温合金化により、めっき層中の鉄含有率を従
来品の10wt%より高めの20wt%前後にする技術
などが提案されている。
【0007】例えば、特許第2747745号公報に
は、溶融めっき鋼板を、520〜700℃の温度域に5
〜30秒間加熱保持後、300℃以下の温度まで40℃
/秒以上の速度で、冷却することにより、加工性に優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法が照会され
ている。
【0008】また特公平2−39585号公報には、め
っき層中の平均鉄含有率15〜27wt%で、めっき層
の鋼板側がΓ相からなる加工性に優れた合金化溶融亜鉛
めっき鋼板を製造する方法が照会されている。さらに、
特公昭61−53435号公報には、25℃/秒以上の
昇温速度で675〜780℃の温度範囲まで急速加熱
し、その後20℃/秒以上の速度で冷却することによ
り、素地鋼板寄りにΓ相となる層、表層部に鉄含有率6
wt%以下の層を有する、めっき層の平均鉄含有率が1
5〜23wt%の加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板を製造する方法が照会されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】先述の先行技術のよう
に、めっき層の鉄含有率を単に上げ、チッピング性を改
善することはある程度可能である。しかしながら、めっ
き層の鉄含有率を単純に上げるだけでは、剥離径のばら
つきを抑制して、安定したチッピング性を提供すること
にはまだ不十分であった。また、これら高鉄含有率の合
金化溶融亜鉛めっき鋼板は、従来品に比べ、過合金化さ
れているため、めっき層中のAlが合金化処理時に選択
的に酸化し、めっき表層に濃化し、通常材に比べ、特に
最表層にAl系酸化物が多く存在することになる。
【0010】このAl系酸化物は、自動車用防錆鋼板に
仕上げる場合の塗装前処理として施される化成処理性を
著しく損なう原因となる。例えば、リン酸塩処理を施し
た場合などは、リン酸塩結晶の粗大化、付着量むらなど
を引き起し、結果的に塗膜密着性、塗装後耐久性の劣化
を招来する。
【0011】したがって、本発明は、良好な密着性、耐
チッピング性を確保したまま、従来の高温合金化法、高
鉄含有率法では必ず問題になっていた化成処理性、塗膜
密着性、塗装後耐久性を改善することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、めっきと鋼板の界面に積極的にΓ相を生成
させて、良好な密着性を確保し、さらに、めっき表層を
化学的に処理することにより、めっき層の最表面のAl
濃度を抑制して、化成処理性を改善し、総合的に性能の
優れた自動車用防錆鋼板として、有用な鋼板を製造する
ことができることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】したがって、本発明は、めっき層と地鉄と
の界面に、めっき層の厚みの10%以上の厚みを有する
Γ相が存在することを特徴とする耐チッピング性に優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0014】好ましい本発明は、めっき最表層のAl濃
度が、めっき層の平均Al濃度の5倍以下、より好まし
くは3倍以下であることを特徴とする耐チッピング性に
優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0015】また、好ましい本発明は、めっき付着量が
1〜100g/m2 、めっき層の平均鉄含有率が15〜
30wt%であることを特徴とする耐チッピング性に優
れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0016】第二の本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法において、めっき鋼板のワイピング終了か
ら、550〜850℃の温度範囲で合金化処理を行なっ
た後、200℃以下の温度まで冷却し、引き続き、アル
カリ溶液に接触させることを特徴とする耐チッピング性
に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0017】好ましい本発明は、アルカリ溶液のpHが
11以上であることを特徴とする耐チッピング性に優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の当初の目的は、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の密着性、特に耐チッピング性の改善
である。通常、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の密着性は、
図1に示すめっきと鋼板の界面のΓ相の生成を極力抑制
することにより改善されることは知られている。
【0019】しかしながら、本発明者らは、主に合金化
溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層の相構造と蜜着性改善と
の関係を調査し、合金化温度を高くしても、めっきと鋼
板との界面に生成するΓ相が、通常の厚みより厚く、あ
る一定の厚みを越えた時に、密着性、耐チッピング性が
著しく改善されるという知見を得た。この理由は、Γ相
の厚みが厚くなることによって、Γ相自身によるめっき
と鋼板の界面での応力緩和が有効に作用するためと考え
られる。
【0020】本発明者らは、また、密着性、耐チッピン
グ性改善に必要なΓ相を定量的に調査した結果、全体の
めっき層の厚さに対して、Γ相の厚さが10%以上の厚
さである場合に、これらの性能が著しく改善されること
を見いだした。
【0021】上記のような相構造を有する合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を製造するには、合金化温度を550〜8
50℃の範囲とする必要がある。550℃未満である
と、合金化によって生じる金属間化合物のうちの、Γ1
相がΓ相とδ1相との間に生成するようになる。Γ1相
が存在するため、めっき鋼板の密着性が、Γ1相が存在
しない場合に比べ劣る。また、Γ1相の存在により、十
分な厚さのΓ相が得られにくいという問題も派生する。
さらに、合金化速度が遅くなるため、上記の相構造を有
する高鉄含有率のめっきを得るには、ライン速度を低下
せざるを得ず、生産性の観点からも不利である。したが
って、合金化温度は550℃以上でなければならない。
一方、850℃を越えると、合金化中に亜鉛が蒸発し始
め、これに伴い、めっき付着量も低減して来る。
【0022】本発明の効果をより一層高めるためには、
合金化温度を600〜750℃の範囲とすることが望ま
しい。図2に、合金化温度とパウダリング指数との関係
を図示したが、合金化温度が上記範囲の場合に、剥離が
少なく、最適であることがわかる。
【0023】なお、本発明の合金化温度は、めっき層の
η相が消失するまでの合金化過程における鋼板の最高到
達温度を言う。合金化過程におけるヒートパターンは、
合金化温度が上記範囲内であれば、限定されるものでは
なく、合金化温度を一定範囲に維持しても、合金化温度
より高温または低温に温度を遷移させながら、合金化し
てもよい。また、本発明においては、合金化温度までの
昇温速度、合金化後の冷却速度に関しても、特に限定さ
れるものではない。
【0024】上記方法により合金化されためっき層中の
鉄含有率は、15〜30wt%にするのが好ましい。1
5wt%以下では、密着性、耐チッピング性の改善に必
要な十分な厚さのΓ相を確保するのが困難である。一方
30wt%を越えると、亜鉛系めっき自体の犠牲防食性
が低下し、耐食性が劣化し始める。
【0025】本発明におけるめっき条件などは、通常の
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造条件と特別異なるもの
ではない。めっき浴中には、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の密着性確保、ボトムドロス抑制、さらに浴の酸化防止
のために、所定量のAlが投入されている。したがっ
て、めっき層中にも、Alが含まれることになるが、こ
のAlの優先酸化の程度は、合金化温度が高いほど顕著
になる。
【0026】前記のように密着性、耐ピッチング性を確
保しようと高温合金化する場合には、このAlの表面濃
化が起こり、結果的に化成処理性の劣化、さらには、そ
れに伴う塗膜蜜着性、塗装後耐食性の劣化も起こる。
【0027】また、合金化処理後、上層にFe系の電気
めっきを施そうした場合、めっき表層にAl系酸化物が
多いと、均一密着性の妨げになり、電気フラッシュめっ
きを均一に施すこと自体が困難になる。結果的に、不均
一な上層めっきにより、その後に施される化成処理性に
均一性も劣化し、塗膜蜜着性、塗装後耐食性などの性能
にも悪影響を与える。
【0028】本発明は、めっきと鋼板の界面にΓ相を厚
く生成させることにより、良好な密着性、耐ピッチング
性を確保するものであるが、さらに、本発明は、めっき
層を高温合金化した際に、表面に濃化して形成されたA
l系酸化物を、めっき層を化学的に処理することにより
溶解除去し、自動車用防錆鋼板としての問題点であった
化成処理性、塗膜蜜着性、塗装後耐食性を改善したもの
である。
【0029】すなわち、合金化後の化学処理で、めっき
最表層のAl濃度を、めっき層の平均Al濃度の5倍以
下、望ましくは3倍以下にすることにより、密着性と化
成処理性を両立した合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得るも
のである。
【0030】ここで言うめっき最表層とめっき層(バル
ク)とのAl濃度の比は、めっき層をグロー放電分光分
析(以下GDSという)でめっき表層からスパッターし
た場合のAl濃度プロファイルから求めることができ
る。
【0031】すなわち、図3に代表的なめっき層のAl
濃度プロファイルを示したが、図中のめっき層の表層部
分のAl濃度(強度)のピーク値と、めっき層のバルク
部分のAl濃度(強度)の平坦値との比で定義される。
なおこのGDSの測定条件は、放電電流値30mA,A
rガスフロー400ml/分である。
【0032】ところで、上記のような密着性向上のため
に、高温合金化処理を施すと、上記のAl濃度比が5倍
を越えることになるので、合金化処理後に、表層のAl
を除去しなければならない。そのために、本発明におい
ては、合金化処理後に、200℃以下の温度まで冷却し
てから、アルカリ水溶液に接触させる方法をとることに
より、表層のAlを溶解除去し、表層Al濃度を効率的
に低減させる方法を採用する。
【0033】アルカリ水溶液は、そのpHが11以上で
あることが望ましい。11以上であると、短時間の浸漬
処理で表層のAl酸化物を効果的に溶解除去できる。た
だし、pHが高くなり過ぎると、めっき層自体に顕著な
クラックが観察されるようになり、過度なエッチングに
より、パウダリング性の劣化が起こることがあるので、
pHは13以下であるのが好ましい。
【0034】アルカリ水溶液の接触は、浸漬処理、スプ
レー処理などの一般的な方法でよく、特に限定されるも
のではないが、アルカリ水溶液の液温を上げたり、水溶
液を流動化することにより、溶解除去の効果を一層上げ
ることができる。アルカリとしては、NaOH,KOH
などが廉価であり、一般的であるが、これらに限定され
るものではない。
【0035】上記合金化処理後のアルカリ水溶液との接
触は、CGLでのインラインでも、オフラインでも実施
可能である。通常、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造す
る場合、合金化後に粗度、材質調整のために、スキンパ
ス処理を行なうことが多いが、上記アルカリ処理は、ス
キンパス処理の前後いずれでも可能である。
【0036】本発明が適用される鋼板は、単層の合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の他に、上層に鉄系のフラッシュめ
っきを1層以上施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板、これ
らにクロメートなどの化成処理を施した合金化溶融亜鉛
めっき鋼板、多層合金化溶融亜鉛めっき鋼板などであ
る。これらの場合は、単層の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を、アルカリ水溶液と接触させた後に、鉄系めっきなど
の処理を行なえばよい。
【0037】本発明が適用される鋼板は、極低炭素鋼板
はもちろん、低炭素鋼板、P,Mn,Siなどの固溶強
化元素を含有させたハイテンなど自動車用鋼板として使
用される鋼板であればいずれでもよく、特に限定される
ものではない。
【0038】
【実施例】次に実施例により、本発明の詳細を説明す
る。 (実施例1〜7、比較例1〜5)Ti−Nb系の極低炭
素軟鋼板を母板として、実験室で竪型溶融めっき装置を
用い、アルカリ電解脱脂、塩酸酸洗に引続き、下記の条
件で焼鈍および溶融めっきを行なった。
【0039】 (焼鈍条件) * 雰囲気 5%H2−N2 露点 −40℃ * 温度 800℃ * 時間 20秒
【0040】 (溶融めっき条件) * 浴濃度 Al 0.14wt% Fe 0.04wt% Pb 0.008wt% * 浴温 475℃ * 浸入板温 475℃ * 浸漬時間 1秒 * めっき付着量 50g/m2
【0041】得られた溶融亜鉛めっき鋼板を直接通電加
熱炉に入れ、大気中で昇温速度10℃/秒で表1〜2に
示す合金化温度まで昇温し、表1〜2に示す合金化温
度、合金化時間で、合金化処理を行った後、窒素ガスを
吹き付けて冷却した。一部の溶融亜鉛めっき鋼板につい
ては、合金化処理を行い、冷却した後、表2に示すpH
のNaOH水溶液(液温60℃)に3秒間浸漬した後、
水洗し、乾燥し、供試材とした。
【0042】得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっ
き層を、インヒビター入りの塩酸に溶解させ、ICPに
て付着量、鉄含有率を分析した。結果を表1〜表2に示
す。また得られためっき層を、断面試料として埋め込
み、0.5%のナイタールエッチングを行なった後、S
EMで断面を観察し、Γ相の厚みとめっき層の厚みを1
0点ずつ測定し、それぞれの平均値を用いてΓ相の厚み
とめっき層の厚みの比を算出した。
【0043】Γ相の厚みとめっき層の厚みとの比(10
点平均)を表1〜表2に示した。さらに、図3に基づき
定義した、表層のAl濃度とめっき層(バルク)の平均
Al濃度との比を測定し、表2に示した。
【0044】さらに、得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼
板から、幅40mm、長さ100mmのサンプルを切り
出し、90度曲げ戻しし、テープを剥離してから、蛍光
X線分析する方法で、パウダリング性試験を行なった。
めっき剥離量は、蛍光X線にて測定したCPSを指標と
した。CPS値も合わせて表1〜2に示す。
【0045】また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対し
て、リン酸亜鉛液(“バルボンド”#3020 日本パ
ーカライジング(株)製)による化成処理を施した後、
カチオン電着塗料(U−600 日本ペイント(株)
製)を用いて、塗膜厚が20μmになるように電着塗装
を行い、試料を作製した。この塗膜の上に、中塗り塗料
(TP−37 関西ペイント(株)製)を、塗膜厚が3
5μmになるように、さらに、上塗り塗料(TM−13
RC 関西ペイント(株)製)を、塗膜厚が35μmに
なるように重ね塗りした。これについて、以下の評価試
験を行なった。
【0046】(冷凍グラベロ試験)下記の条件で、塗装
鋼板に20発の石を単発発射した後、ガムテープを接着
し、剥離することを2回繰り返す、冷凍グラベロ試験を
行った。 * 温度 20℃ * 空気圧 3kg/cm3 * 入射角 90度 * 石重量 0.3〜0.4g/個
【0047】ガムテープを剥離した塗装鋼板の、最大5
点の平均剥離面積を、画像処理装置で計測し、この値で
チッピング性を評価した。結果を表1〜2に示した。
【0048】(耐水2次密着性)試料を40℃の純水に
240時間浸漬後取り出し、市販のセロファンテープを
用いて碁盤目剥離試験を行なった。碁盤目の大きさは2
mm角で、10列10行の100目である。剥離した塗
膜の割合を剥離率として表2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法により、めっきと鋼板
との界面に、めっき層の厚さの10%以上の厚さを有す
るΓ相を有し、表層のAl濃度がめっき層(バルク)の
Al濃度の5倍以下、好ましくは3倍以下となるような
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造が可能になり、高温合
金化後の化成処理性を損なうことなく、鋼板の密着性、
特に耐チッピング性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 めっき鋼板のナイターエッチング後のSEM
による断面観察図である。
【図2】 合金化温度とパウダリング指数との関係を示
す図面である。
【図3】 めっき鋼板のめっき層のAl濃度プロファイ
ルを示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB07 AB09 AB28 AB38 AB42 AC72 AC73 AC82 AE03 AE12 AE21 AE23 AE27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき層と地鉄との界面に、めっき層の厚
    みの10%以上の厚みを有するΓ相が存在することを特
    徴とする耐チッピング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
    鋼板。
  2. 【請求項2】めっき最表層のAl濃度が、めっき層の平
    均Al濃度の5倍以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の耐チッピング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
    鋼板。
  3. 【請求項3】めっき付着量が1〜100g/m2 、めっ
    き層の平均鉄含有率が15〜30wt%であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の耐チッピング
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 【請求項4】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法にお
    いて、めっき鋼板のワイピング終了から、550〜85
    0℃の温度で合金化処理を行ない、200℃以下の温度
    まで冷却後、アルカリ溶液に接触させることを特徴とす
    る耐チッピング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】アルカリ溶液のpHが11以上であること
    を特徴とする請求項4に記載の耐チッピング性に優れた
    合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
JP11168109A 1999-06-15 1999-06-15 耐チッピング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Pending JP2000355749A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242870A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Jfe Steel Corp 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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JP2009242870A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Jfe Steel Corp 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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