JP2000355033A - 成形条件作成方法、装置、媒体及び成形機 - Google Patents

成形条件作成方法、装置、媒体及び成形機

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JP2000355033A
JP2000355033A JP2000074408A JP2000074408A JP2000355033A JP 2000355033 A JP2000355033 A JP 2000355033A JP 2000074408 A JP2000074408 A JP 2000074408A JP 2000074408 A JP2000074408 A JP 2000074408A JP 2000355033 A JP2000355033 A JP 2000355033A
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injection pressure
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秀作 西山
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育史 高崎
Katsuya Sakaba
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/77Measuring, controlling or regulating of velocity or pressure of moulding material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 CAEによる樹脂流動解析結果を利用して簡
単な方法で成形条件の射出圧力カーブを得る。 【解決手段】 CAE等により金型内の樹脂流動解析を
行い樹脂流入口での樹脂圧力カーブPs、又は、成形機
のノズル端部での樹脂圧力カーブPnを得る。ノズルを
金型から離脱させた状態で射出(エアショット)を行
い、そのとき検出される射出圧力カーブPaを得る。射
出圧力カーブPaと樹脂圧力カーブPs又はPnによ
り、量産時の成形条件としての射出圧力指令カーブPを
得る。樹脂流動解析によって得られた樹脂圧力カーブP
s、Pnに対して、エアショットの射出圧力カーブPa
により、射出成形機の機械要素による時間遅れ、圧力ロ
スを補い、簡単に量産成形の成形条件を得ることができ
る。また、ノズル部の圧力損失Plossをも求めて、Plo
ss、Pa、Psによって射出圧力指令カーブPを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形条件としての
射出圧力カーブを得る方法、装置及び該方法を記憶した
記録媒体に関する。特に樹脂流動解析によって得られた
射出圧力カーブを利用して成形条件となる射出圧力カー
ブを得る方法、装置及び該方法をコンピュータに実施さ
せるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な
記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機による成形において、成形条
件の1つとして、射出(充填)工程における射出圧力カ
ーブを設定し、射出工程時には、この設定した射出圧力
カーブと実際の射出圧力カーブが一致するように射出圧
力を制御する射出圧力制御方式が知られている。
【0003】又、金型内部の樹脂の流動解析を行うこと
で、金型内部の任意の位置の樹脂圧力を求める手法とし
て樹脂流動解析CAE(コンピュータ・エイディド・エン
ジニアリング)が開発されている(伊藤忠ほか2名編
集、「射出成形」、1993年8月10日、改訂第10
版、第210〜第214頁「樹脂流動解析CAEシステ
ム」(株)プラスチックス・エージ発行参照)。この樹
脂流動解析CAEは、解析条件として金型温度や、金型に
おける樹脂流入口(射出成形機側から見るとノズル先
端)における溶融樹脂の流動速度と樹脂温度などを与
え、金型内部の流動解析を行うことで樹脂流入口を基準
とした圧力変動を算出するものである。
【0004】この樹脂流動解析CAEに与える解析条件を
そのまま成形機に与えて成形を行う方法が採用されてい
るが、射出成形機の機械的な特性や射出成形機のシリン
ダ、ノズル内での樹脂の圧縮挙動が成形条件に反映され
ないため、樹脂流動解析CAEの結果をそのまま量産条件
として利用することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、射出成形機で
は圧力変動を検出する圧力センサはスクリュー後端部に
取り付けられていて、金型の樹脂流入口とこの圧力セン
サとの間にはノズル部やシリンダ部などがある。ノズル
部先端(金型に接する部分)は、多くの場合径が急激に
絞られているため、スクリュー前進開始後、上記圧力セ
ンサにはすぐに圧力が出力されるが、樹脂はノズル内で
圧縮されるだけで、金型内部への流動が生じず、金型内
部の圧力が出力されるまでに時間遅れが生じるのが普通
である。
【0006】図1は、射出圧力制御方式を適用する射出
成形機の射出機構部の概要図である。図において、1は
金型、2はシリンダ、3はスクリュー、4はシリンダ内
に樹脂のペレットを供給するホッパ、5は射出機構部を
構成するフロントプレート、6はリアプレート、該フロ
ントプレート5とリアプレート6間にはガイドバー7が
複数設けられ、該ガイドバー7にガイドされてプレッシ
ャープレート8が前後進(図において左右方向)に移動
自在に配置されている。該プレッシャープレート8にス
クリュー3の基部が回転自在に取り付けられていると共
に、該基部にはプーリが取り付けられ、スクリュー回転
用サーボモータM1によって、駆動プーリ、タイミングベ
ルト等を介してスクリュー3は回転駆動される。又、プ
レッシャープレート8には、圧力センサ(ロードセル)
9を介してボールナット10が取り付けられ、該ボール
ナット10にはボールネジ11が螺合し、該ボールネジ
11は射出用サーボモータM2によって、駆動プーリ、タ
イミングベルト、受動プーリを介して回転駆動されるよ
うになっている。
【0007】射出工程時には、射出用サーボモータM2が
駆動され、ボールネジ11が回転し、該ボールネジ11
に螺合するナット10及びプレッシャープレート8は前
進し(図中左方向)、スクリュー3も前進してシリンダ
2内の溶融された樹脂が金型1のキャビティ内に射出さ
れることになる。このとき射出圧力は圧力センサ(ロー
ドセル)9で検出されるが、この圧力センサ9で検出す
る樹脂圧力、すなわち、射出圧力はスクリュー3の後端
部の圧力であって、金型1の樹脂流入口での樹脂圧力で
はない。圧力センサ9で検出する圧力とCAEでの樹脂流
動解析の基準となる金型1の樹脂流入口での樹脂圧力と
は異なることになる。
【0008】圧力センサで樹脂圧力を検出する点と金型
1の樹脂流入口間には、ノズル12、シリンダ2内の溶
融樹脂、さらには、スクリュー3、プレッシャープレー
ト8が介在している。そのため、圧力センサで樹脂圧力
を検出する点から金型1の樹脂流入口まで圧力ロスが生
じると共に、ノズル部先端の急激な径の縮小のために、
金型内部への流動が生じず、ノズル内で樹脂が圧縮され
る。ノズル内で圧力がある程度上昇してくると樹脂は、
ノズル部を通過し、金型内部へ射出されていく。これら
の要因により、射出開始後、圧力センサ9で圧力が検出
されてから、金型内部の圧力が出力されるまでに時間遅
れが生じる。
【0009】このような理由から、金型の樹脂流入口に
おける圧力に関するCAEの結果をそのまま成形条件とし
て利用することはできず、前記伝達系による遅れ補償な
どや、伝達系による圧力損失を何らかの方法で補償する
必要がある。
【0010】そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み
てなされたもので、その目的は、CAEによる樹脂流動解
析結果を利用して、簡単な方法で成形条件の射出圧力カ
ーブを得ることができるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明によれば、金型内樹脂の流動を解析する樹脂
流動解析によって金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブを
得る工程と、エアーショット時の射出圧力カーブを得る
工程と、前記エアーショット時の射出圧力カーブと前記
樹脂流動解析による樹脂圧力カーブとに基づいて成形条
件となる射出圧力カーブを求める工程とを有することを
特徴とする射出成形条件作成方法が提供される。
【0012】また、本発明の別の態様によれば、前記成
形条件となる射出圧力カーブを求める工程は、成形機で
射出を開始してノズル先端から樹脂が射出されるまでの
遅れ時間分は、前記エアーショット時の射出圧力カーブ
を成形条件となる射出圧力カーブとし、以後は、前記金
型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブと前記エアーショット
時の射出圧力カーブとを加算して、成形条件となる射出
圧力カーブとしたことを特徴とする射出成形機における
射出成形条件作成方法が提供される。
【0013】また、圧力センサから金型の樹脂流入口ま
での圧力損失カーブを樹脂流動解析により得る工程を有
し、前記成形条件となる射出圧力カーブを求める工程
は、成形機で射出を開始してノズル先端から樹脂が射出
されるまでの遅れ時間分は、前記エアーショット時の射
出圧力カーブを成形条件となる射出圧力カーブとし、以
後は、前記金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブと前記圧
力センサから金型の樹脂流入口までの圧力損失カーブと
を加算して、成形条件となる射出圧力カーブとしたこと
を特徴とする射出成形機における射出成形条件作成方法
が提供される。
【0014】また、本発明の別の態様によれば、金型内
の樹脂流路と成形機のノズル部を解析対象とした樹脂流
動解析によって成形機ノズル部のシリンダ側端部の樹脂
圧力カーブを得る工程と、エアーショット時の射出圧力
カーブを得る工程と、前記エアーショット時の射出圧力
カーブと前記樹脂流動解析による樹脂圧力カーブとに基
づいて成形条件となる射出圧力カーブを求める工程とを
有することを特徴とする射出成形機における射出成形条
件作成方法が提供される。
【0015】また、本発明の別の態様によれば、前記成
形条件となる射出圧力カーブを求める工程は、成形機で
射出を開始してノズル先端から樹脂が射出されるまでの
遅れ時間分は、前記エアーショット時の射出圧力カーブ
を成形条件となる射出圧力カーブとし、以後は、前記樹
脂流動解析による樹脂圧力カーブを成形条件となる射出
圧力カーブとする射出成形機における射出成形条件作成
方法が提供される。
【0016】また、本発明の別の態様によれば、少なく
とも前記ノズル部の樹脂流動解析において、樹脂粘度の
圧力依存性を考慮した解析を行うことを特徴とする射出
成形条件作成方法が提供される。
【0017】また、本発明の別の態様によれば、前記エ
アーショット時の射出圧力カーブを得る工程は、種々の
条件の下で実測したエアーショット時の射出圧力カーブ
データを記憶した記憶手段に記憶された既知エアーショ
ット射出圧力カーブデータに基づいて新規な条件下での
射出圧力カーブを作成することを特徴とする射出成形機
における成形条件作成方法が提供される。
【0018】また、本発明の別の態様によれば、前記エ
アーショット時の射出圧力カーブを得る工程は、使用樹
脂及び成形機のシリンダとノズル形状が同一で、複数の
レベルの樹脂温度と射出速度によって行われたエアーシ
ョット時の実測射出圧力カーブデータを内挿することに
よって、当該成形時の成形条件の樹脂温度と射出速度に
対するエアーショット時の射出圧力カーブを作成するこ
とを特徴とする射出成形機における成形条件作成方法が
提供される。
【0019】また、本発明の別の態様によれば、金型内
樹脂の流動を解析する樹脂流動解析によって得られた金
型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブを記憶する手段と、エ
アーショット時の射出圧力カーブを得る手段と、前記エ
アーショット時の射出圧力カーブと前記樹脂流動解析に
よる樹脂圧力カーブとに基づいて成形条件となる射出圧
力カーブを求める手段とを有することを特徴とする射出
成形機が提供される。
【0020】また、本発明の別の態様によれば、成形条
件となる射出圧力カーブを求める手段は、設定された成
形機で射出を開始してノズル先端から樹脂が射出される
までの遅れ時間分は、前記エアーショット時の射出圧力
カーブを成形条件となる射出圧力カーブとし、以後は、
前記金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブと前記エアーシ
ョット時の射出圧力カーブとを加算して、成形条件とな
る射出圧力カーブとして生成する射出成形機が提供され
る。
【0021】また、本発明の別の態様によれば、成形機
の圧力センサから金型の樹脂流入口までの圧力損失カー
ブを樹脂流動解析する手段を備え、成形条件となる射出
圧力カーブを求める手段は、設定された射出を開始して
ノズル先端から樹脂が射出されるまでの遅れ時間分は、
前記エアーショット時の射出圧力カーブを成形条件とな
る射出圧力カーブとし、以後は、前記金型の樹脂流入口
の樹脂圧力カーブと前記圧力センサから金型の樹脂流入
口までの圧力損失カーブとを加算して、成形条件となる
射出圧力カーブとして生成する射出成形機が提供され
る。
【0022】また、本発明の別の態様によれば、金型内
の樹脂流路と成形機のノズル部を解析対象とした樹脂流
動解析によって得られた成形機ノズル部のシリンダ側端
部の樹脂圧力カーブを記憶する手段と、エアーショット
時の射出圧力カーブを得る手段と、前記エアーショット
時の射出圧力カーブと前記樹脂流動解析による樹脂圧力
カーブとに基づいて成形条件となる射出圧力カーブを求
める手段とを有することを特徴とする射出成形機が提供
される。
【0023】また、本発明の別の態様によれば、前記成
形条件となる射出圧力カーブを求める手段は、射出を開
始してノズル先端から樹脂が射出されるまでの遅れとし
て設定された遅れ時間分は、前記エアーショット時の射
出圧力カーブを成形条件となる射出圧力カーブとし、以
後は、前記樹脂流動解析による樹脂圧力カーブを成形条
件として射出圧力カーブを生成する射出成形機が提供さ
れる。
【0024】また、本発明の別の態様によれば、種々の
条件の下で実測したエアーショット時の射出圧力カーブ
データを記憶する記憶手段を備え、前記エアーショット
時の射出圧力カーブを得る手段は、前記記憶手段に記憶
された既知エアーショット射出圧力カーブデータに基づ
いて新規な条件下での射出圧力カーブを作成することを
特徴とする射出成形機が提供される。
【0025】また、本発明の別の態様によれば、使用樹
脂及び成形機のシリンダとノズル形状が同一で、複数の
レベルの樹脂温度と射出速度によって行われたエアーシ
ョット時の実測射出圧力カーブデータを記憶する記憶手
段を備え、前記エアーショット時の射出圧力カーブを得
る手段は、前記記憶手段に記憶された実測射出圧力カー
ブデータを内挿することによって、当該成形時の成形条
件の樹脂温度と射出速度に対するエアーショット時の射
出圧力カーブを作成することを特徴とする射出成形機が
提供される。
【0026】また、本発明の別の態様によれば、金型内
樹脂の流動を解析する樹脂流動解析によって金型の樹脂
流入口の樹脂圧力カーブを得るための樹脂流動解析装置
と、エアーショット時の射出圧力カーブを得るための射
出成形機とから構成され、該射出成形機は前記樹脂流動
解析装置の樹脂圧力カーブと前記エアーショット時の射
出圧力カーブとに基づいて成形条件となる射出圧力カー
ブを求めることを特徴とする射出成形条件作成装置が提
供される。
【0027】また、本発明の別の態様によれば、金型内
の樹脂流路と成形機のノズル部を解析対象とした樹脂流
動解析によって成形機ノズル部のシリンダ側端部の樹脂
圧力カーブを得るための樹脂流動解析装置と、エアーシ
ョット時の射出圧力カーブを得るための射出成形機とか
ら構成され、該射出成形機は前記樹脂流動解析装置の樹
脂圧力カーブと前記エアーショット時の射出圧力カーブ
とに基づいて成形条件となる射出圧力カーブを求めるこ
とを特徴とする射出成形条件作成装置が提供される。
【0028】また、本発明の別の態様によれば、金型内
樹脂の流動を解析する樹脂流動解析によって金型の樹脂
流入口の樹脂圧力カーブを得る工程と、エアーショット
時の射出圧力カーブを得る工程と、前記樹脂流動解析に
よる樹脂圧力カーブと前記エアーショット時の射出圧力
カーブとに基づいて成形条件となる射出圧力カーブを求
める工程の各ステップを射出成形機を制御する制御装置
のコンピュータに実施させるプログラムを記憶したコン
ピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【0029】また、本発明の別の態様によれば、エアー
ショット時の射出圧力カーブを得る工程と、該工程で得
られたエアーショット時の射出圧力カーブと、入力され
る金型内樹脂の流動を解析する樹脂流動解析によって得
られた金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブとに基づい
て、成形条件となる射出圧力カーブを求める工程の各ス
テップを射出成形機を制御する制御装置のコンピュータ
に実施させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取
り可能な記憶媒体が提供される。
【0030】また、本発明の別の態様によれば、金型内
の樹脂流路と成形機のノズル部を解析対象とした樹脂流
動解析によって成形機ノズル部のシリンダ側端部の樹脂
圧力カーブを得る工程と、エアーショット時の射出圧力
カーブを得る工程と、前記樹脂流動解析による樹脂圧力
カーブと前記エアーショット時の射出圧力カーブとに基
づいて成形条件となる射出圧力カーブを求める工程の各
ステップを射出成形機を制御する制御装置のコンピュー
タに実施させるプログラムを記憶したコンピュータ読み
取り可能な記憶媒体が提供される。
【0031】また、本発明の別の態様によれば、エアー
ショット時の射出圧力カーブを得る工程と、該工程で得
られたエアーショット時の射出圧力カーブと、入力され
る金型内の樹脂流路と成形機のノズル部を解析対象とし
た樹脂流動解析によって得られた成形機ノズル部のシリ
ンダ側端部の樹脂圧力カーブとに基づいて、成形条件と
なる射出圧力カーブを求める工程の各ステップを射出成
形機を制御する制御装置のコンピュータに実施させるプ
ログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒
体が提供される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て詳述する。射出成形機のハードウェア構成は図1に示
した従来の構成と同一である。又、この射出成形機を制
御する制御装置の構成を図2に示す。コンピュータシス
テムで構成されている制御装置も従来と変わるところは
ない。この制御装置のプロセッサが実行する成形条件と
しての射出圧力カーブを得る点の処理が追加されている
点で、従来と異なるものである。
【0033】図2において、符号30は、この射出成形
機全体を制御するプロセッサであり、バス27を介し
て、通信インターフェース20、入出力インターフェー
ス28、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変
換器22、サーボインターフェース26、ROM、RAM、不
揮発性RAM等で構成されたメモリ31が接続されてい
る。通信インターフェース20には、CAEシステム40
が通信で接続され、該CAEシステム40で解析された使
用金型1に対する金型内の樹脂流動解析結果のデータが
送られ、メモリ31内の不揮発性RAM部に格納されるよ
うになっている。入出力インターフェース28には、液
晶やCRTで構成された表示手段を備える入出力装置29
が接続され、該入出力手段によって各種指令、各種パラ
メータの設定等が可能で、かつ、表示手段には、各種設
定値や後述射出圧力カーブ(波形)等のモニタデータを
表示できるようになっている。
【0034】サーボインターフェース26には、サーボ
回路25及び各サーボモータに取り付けられた位置・速
度検出器としてのパルスレコーダ24が接続されてお
り、サーボ回路25にはサーボモータM2が接続されてい
る。なお、この図2には射出用サーボモータM2とそのサ
ーボ回路25のみを示し、他のサーボモータやサーボ回
路については省略している。なお、サーボ回路は、電気
回路等のハードウェアのみで構成してもよく、又、プロ
セッサ、ROM、RAM等で構成し、サーボモータの位置、速
度、トルク等の制御をソフトウェアで制御する、いわゆ
るデジタルサーボ回路で構成してもよい。
【0035】上述した構成は、従来の射出成形機の制御
装置の構成と同一である。そして、射出工程時には、メ
モリ31に記憶されている設定射出圧力カーブ(射出圧
力データ)P、設定射出速度パターン(射出速度デー
タ)Vに基づいて、射出用サーボモータM2を駆動制御す
る。
【0036】図3は、従来から行われている射出工程時
の射出用サーボモータM2の駆動制御系のブロック図であ
る。速度指令パターンのみで、射出工程を制御する場合
には、スイッチSWはオフとされ、速度指令を圧力フィー
ドバック制御により補正する場合には、該スイッチSWは
オンとされる。
【0037】設定射出速度パターンVに従って速度指令
vが出力され(ブロック53参照)、この速度指令v
と、サーボモータM2に取り付けられた該サーボモータの
位置、速度を検出する位置・速度検出器のパルスレコー
ダ24からのフィードバック速度vfに基づいて、比例、
積分等の速度フィードバック制御がなされ(ブロック5
4参照)、トルク指令が求められ、サーボアンプ55を
介して、射出用サーボモータM2が駆動される。射出用サ
ーボモータM2が駆動されると、ボールネジ11、ナット
10、圧力センサ(ロードセル)9、プレッシャープレ
ート8等の伝達機構(ブロック52)を介してスクリュ
ー3が前進し、溶融樹脂が金型1内に射出される。この
際、射出圧力(溶融樹脂に加わる圧力)は圧力センサ9
で検出される。設定射出圧力カーブP(ブロック50)
によって求められる目標圧力pと圧力センサ9によって
検出されフィードバックされた圧力pfの偏差に、圧力
から速度に変換する係数でもあるゲインKpvを乗じて
補正量を求める圧力制御(ブロック51)が行われ、ス
イッチSWがオンである場合には、求められた補正量を速
度指令vに加算し速度指令vを補正する。以下、圧力偏
差によって速度指令を補正しながら射出用サーボモータ
M2の速度を制御し、検出射出圧力が設定射出圧力カーブ
と一致するように駆動制御されることになる。なお、圧
力フィードバック制御による補正を行わない場合には、
スイッチSWはオフとされている。
【0038】設定射出圧力カーブP(ブロック50)に
よって求められる目標圧力pと圧力センサ9によって検
出された圧力pfにより補正量を求める圧力制御(ブロ
ック51)、及びこの補正量を設定射出速度パターンV
から得られる速度指令vに加算して補正し、補正された
速度指令vを得るまではプロセッサ30で実行され、こ
の速度指令vがサーボインターフェース26を介してサ
ーボ回路25に出力され、該サーボ回路25によってブ
ロック54の速度フィードバック制御がなされる。
【0039】上述した射出工程時の射出速度、射出圧力
制御も、従来から実行されているものであり、本発明
は、この射出工程の制御を行うための成形条件である射
出圧力カーブ(射出圧力データ)を、金型内の樹脂流動
を解析する樹脂流動解析によって得られる金型の樹脂流
入口の樹脂圧力を利用して簡単に得られるようにしたも
のである。
【0040】図4は射出成形CAEシステムのフローチャ
ートである。樹脂物性データ100、金型形状データ101と
成形条件データ102は、流動解析部104で流動解析するた
めの樹脂流動解析条件ファイル103を作成するのに必要
となるデータである。樹脂物性データ100は、樹脂の溶
融密度、比熱、熱伝導率などの熱特性や溶融時の粘度特
性などである。金型形状データ101は、スプル、ランナ
ー、キャビティなどの樹脂流路の形状データで、通常1
次元、2次元または3次元要素でモデル化されている。成
形条件データ102は、樹脂温度、射出速度、射出上限圧
力、金型温度などである。これらの各データ100〜1
02は記憶手段に記憶され、これらのデータに基づいて
流動解析部104で流動解析が実行され解析結果力ファイ
ル105が作成され、解析対象とした樹脂流路の流動パタ
ーンや任意の位置の圧力、温度などが得られる。
【0041】本発明においては、CAEシステム40で使
用金型1に対する金型内の樹脂流動解析を実施し、その
結果として得られた金型1の樹脂流入口(ノズル12か
らの樹脂の流入口)での樹脂圧力データ(樹脂圧力カー
ブ)Ps及びこの樹脂流動解析時に使用した射出速度デー
タ(速度カーブ)V0をメモリ31の不揮発性メモリ部に
格納する。又、金型の樹脂流入口の樹脂速度に対応する
使用する射出成形機のスクリューの射出速度との関係を
求め、この関係は金型の樹脂流入口の断面積(ノズル孔
の断面積)とシリンダ内径(スクリュー)断面積との比
で求められるから、予めこの比例定数をメモリ31内に
設定しておく。又、射出を開始してから溶融樹脂がノズ
ル先端から射出されるまでの遅れ時間を予め測定してお
く。なお、プロセッサ30はこの設定遅れ時間を後述す
る射出制御のサンプリング周期の周期で除してサンプリ
ング周期の数Ndelayとして遅れ時間を記憶する。
【0042】遅れ時間は、後述するエアーショットを実
施して測定するか、あるいは、金型の樹脂流入口に圧力
センサーを取り付け、通常の射出を行うことで実験的に
測定する。エアーショットを行うことによって測定する
場合は、射出作業をVTRに撮影し、スクリューが前進を
開始してからノズル先端から樹脂が射出されるまでの時
間を測る。又は、図5に示すように、エアーショット中
の射出圧力を圧力センサ9で測定し、射出開始から圧力
が最大となる時点τmaxを遅れ時間とするか、又は、樹
脂の体積圧縮率を表していると考えられる圧力の時間勾
配が直線を外れた時間τ0を遅れ時間としてもよい。直
線を外れる時点の算定は、エアーショット時に射出圧力
が最大となる時点から時間が戻る方向に圧力の2次微分
値(圧力の時間勾配の時間勾配)がほぼ0(例えば0.1)
Pa/sec2になった最初の時間とするなどが考えられる。
さらには、後述するように同じ成形機と樹脂によって過
去に測定したエアーショット時の射出圧力を参考に現在
の射出条件でのエアーショットの射出圧力を推定して遅
れ時間を設定してもよい。
【0043】また、金型の樹脂流入口に圧力センサーを
取り付けた場合は、通常の射出を行い、スクリューが前
進を開始してから金型の樹脂流入口に取り付けられた圧
力センサーが圧力を検出するまでの時間を測定し、この
時間を遅れ時間とする。
【0044】そこで、プロセッサ30は、樹脂流動解析
時に使用した射出速度データ(速度カーブ)V0がメモリ
31の不揮発性メモリ部に格納されると、この射出速度
データ(速度カーブ)に対して上述した比例係数を乗じ
て、スクリューの射出速度に変換し、さらに、この射出
速度の初期値を前記遅れ時間分追加し(射出速度カーブ
の第1段目の速度指令をこの遅れ時間分追加し)、射出
速度指令データ(速度カーブ)Vを作成し、メモリ31
の不揮発性メモリ部に記憶する。
【0045】次に、射出ユニットを後退させて金型1か
らノズル12を離脱させた状態、若しくは金型を開いた
状態とする。この状態でメモリ31に記憶設定されてい
る射出速度指令データ(速度カーブ)Vを用いて、射出
を行う。この場合、射出圧力による補正は行わず、速度
制御のみ行う。すなわち図3においてスイッチSWをオフ
の状態で、射出制御を行うものである。以下この射出動
作をエアーショットという。さらにこのエアーショット
の際、圧力センサ9で射出圧力を検出し、A/D変換器2
2を介してプロセッサは読み取りメモリ31内に記憶す
る。
【0046】図6はプロセッサ30が行うこのエアーシ
ョット時の射出圧力カーブを検出する射出圧モニタ処理
のフローチャートである。この処理のプムグラムはメモ
リ31内に予め格納されている。エアーショットによる
射出圧モニタ指令が指令されると、前述した条件でエア
ーショットを行うとともに、プロセッサ30は、まず、
サンプリング周期で離散化された時間を表すカウンタN
を「0」にクリアし(ステップ200)、A/D変換器2
2を介して読み込まれる圧力センサ9で検出された射出
圧pfを、エアーショット射出圧力パターンのサンプリ
ングN回目のデータPa(N)として記憶する(ステップ2
01)。そしてカウンタNを「1」インクリメントし
(ステップ202)、該カウンタNの値が前記樹脂流動
解析で得られた樹脂流入口の樹脂圧力のデータの数N0に
遅れ分のサンプリング数Ndelayを加算した数Nmax、を超
えたか判断し(ステップ203)、超えるまでステップ
201〜ステップ203の処理をサンプリング周期毎実
行する。こうして、エアーショット射出圧力パターンデ
ータPa(0)〜Pa(Nmax)が求められる。
【0047】一方、現在の成形条件に基づいて実際にエ
アーショットを行わずに、すでにメモリ31等の記憶手
段に記憶されたデータベース上に記録された既存エアー
ショット射出圧力カーブから現在の条件でのエアーショ
ット時の射出圧力カーブを作成して使用してもよい。例
えば、樹脂、成形機のシリンダとノズル形状が同一であ
ることを前提条件として、樹脂温度と射出速度による内
挿方法などによってエアーショット時の射出圧力カーブ
を求めることもできる。エアーショット時の射出圧力カ
ーブは射出速度と樹脂温度で一意に決まるデータであ
る。射出速度が異なればエアーショット時の射出時間も
異なるため、内挿する場合は、時間ではなくスクリュー
位置で行う。言い換えればサンプリング時間で離散化さ
れたデータ番号で位置あわせを行う。Nを離散化された
データの番号とし、エアーショット時の射出圧力をPa
(N)で表す。樹脂温度がTi(i=1…m)とmレベル、射出速
度がVj(j=1…n)とnレベルで実測されたエアーショッ
トデータが存在する場合、樹脂温度がT、射出速度がVの
エアーショットの圧力Pa(N)を求めるには、まず、樹脂
温度Tを内挿する温度TiとTi+1で、射出速度Vを内挿す
る速度VjとVj+1,Vj'とVj'+1のデータ、Pa(Ti,Vj),Pa
(Ti,Vj+1), Pa(Ti+1,Vj'), Pa(Ti+1,Vj'+1)を抽出す
る(Ti<T<Ti+1,Vj<V<Vj+1,Vj'<V<Vj'+1)。求めよう
とする圧力Pa(N)は、これら4つの既存データから、温
度と速度に対して1次の線形近似で、式(1)に示すよ
うに計算され、求められる。この方法では、射出速度と
樹脂温度に対して、データ数が多いほど近似精度は向上
する。Pi,j(N)=Pa(Ti,Vj),Pi,j+1(N)=,Pa(Ti,Vj+1),P
i+1,j'(N)=Pa(Ti+1,Vj'), Pi+1,j'+1(N)=Pa(Ti+1,Vj'+
1)とおくと Pa(N)=Pa2(N)+(Pa2(N)−Pa1(N))×(T−Ti+1)/(Ti−Ti+1) ・・・・(1) ここで、Pa1(N)=Pi,j(N)+(Pi,j+1(N)−Pi,j(N))×(V
−Vj)/(Vj+1−Vj) Pa2(N)=Pi+1,j'(N)+(Pi+1,j'+1(N)−Pi+1,j'(N))×(V
−Vj')/(Vj'+1−Vj') 図8は、本実施形態において、
圧縮性の低いナイロン樹脂を一定の射出速度で平板製品
の金型にサイドゲートで射出成形した場合における各射
出圧力を示す図で、図8におけるPsは、樹脂流動解析に
よって求められた金型1の樹脂流入口(ノズル12から
の樹脂の流入口)での樹脂圧力データ(樹脂圧力カー
ブ)である。又、図8においてPaはエアーショット時の
射出圧力データ(射出圧力カーブ)である。
【0048】こうして、エアーショットによる射出圧デ
ータ(射出圧力カーブ)Paが得られると、自動的に、若
しくは、圧力合成指令に基づいて、プロセッサ30は成
形条件としての射出圧力Pを求める圧力合成処理を開始
する。この射出圧力データPを求める圧力合成処理は、
エアーショットによる射出圧力データ(射出圧力カー
ブ)Pa及び樹脂流動解析によって求められた樹脂圧力Ps
に基づいて次の式(2)の演算を行って、射出圧力デー
タP1を求めるものである。
【0049】
【数1】 図7は、この圧力合成処理のフローチャートであり、こ
の処理のプログラムもメモリ31内に予め格納されてい
る。まずカウンタNを「0」にクリアし(ステップ30
0)、該カウンタNの値が設定されている遅れ時間に対
応する遅れサンプリングの数Ndelayより小さいか、判断
し、小さい場合には、エアーショットモニタ射出圧力デ
ータPa(N)のデータを量産時の目標圧力カーブの射出圧
力データP1(N)として格納し、カウンタNを「1」インク
リメントし、(ステップ302、303)、ステップ3
01に戻る。以下、カウンタNの値が遅れ時間に対応す
るサンプリング数Ndelay以上になるまで、ステップ30
1〜303に処理を繰り返し実行する。そして、カウン
タNの値がサンプリング数Ndelay以上になるとステップ
304に移行し、カウンタNの値が上述した樹脂流動解
析で得られた樹脂圧力のデータの数に遅れ分のサンプリ
ング数を加算した数Nmaxより小さいかを判断し、小さけ
れば、カウンタNの値に対応するエアーショットモニタ
射出圧力データPa(N)に、カウンタNの値から遅れ分のサ
ンプリング数Ndelayを減じた樹脂圧力データ(樹脂圧力
カーブ)Ps(N−Ndelay)を加算し、目標値としての射出
圧力データP1(N)を格納する(ステップ305)。次に
カウンタNに「1」加算し(ステップ306)、ステッ
プ304に戻る。以下、カウンタNの値が、Nmax以上に
なるまで、ステップ304〜306の処理を繰り返し実
行し、エアーショットによって得られた射出圧力データ
Pa(N)と金型内の樹脂流動解析により得られた樹脂圧力
データ(樹脂圧力カーブ)Ps(N)を加算して、目標射出
圧力カーブPとしての射出圧力データP1(N)を求める。こ
うして求められた射出圧力データP1(N)が図8のP1で示
すカーブである。
【0050】そして、実際に成形品を量産成形する場合
には、成形条件として、この射出圧力データP1(N)と、
樹脂流動解析時に使用した射出速度データ(速度カー
ブ)より求められた速度指令データ(速度カーブ)Vを
用い、且つ、図3のスイッチSW6をオンにして、従来と
同様に射出速度指令を射出圧力制御による補正を行いな
がら、射出速度制御を行う図3に示す動作を行う。
【0051】樹脂流動解析時に使用した射出速度データ
V(V0)で射出したときに(なお、スイッチSWはオ
フ)、金型内の樹脂流入部に取り付けた圧力センサで出
力される圧力が樹脂流動解析で出力された金型内の樹脂
流入部の圧力にほぼ等しくなった時の圧力センサ9で検
出される射出圧力データをPfとして図8に示す。この図
8に示すように、実際の射出圧力カーブPfは、射出成形
機の機械的な特性を含む射出成形機のシリンダ、ノズル
内での樹脂の圧縮挙動による実際の時間遅れが反映され
た射出圧力カーブとなる。
【0052】また、流動解析の範囲を金型内だけではな
く、金型内と成形機のノズル部とし、成形機側ノズル端
部での樹脂圧力Pn(N)を用いて式(3)に示すモデル式
にて射出圧力データP2(N)としても上記結果とほぼ同様
の圧力結果を得ることができる。
【0053】
【数2】 また、成形機のノズル部分を対象とした圧力損失解析を
別途実施し、金型内の樹脂流入口から成形機側のノズル
端部までの圧力損失Plossを求め、金型内の樹脂流入口
での樹脂圧力カーブPsと圧力損失Plossとを加えること
で、式(3)の成形機側のノズル端部の樹脂圧力カーブ
Pn(N)を求め、式(3)に代入した式(4)のモデル式
で射出圧力カーブP3(N)を得ることができ、上記式
(3)とほぼ同じ結果が得られる。
【0054】
【数3】 金型内とノズル部で解析領域を分けるメリットには、金
型は同一であるが成形機が変わった場合、ノズル形状を
変更してノズル部での圧力損失計算をするだけでPnが求
まることが挙げられる。実際の成形においては成形機の
圧力センサから金型の樹脂流入口までの圧力損失には、
ノズル部の他、シリンダ内の圧力損失が含まれている
が、シリンダ内での圧力損失がノズル部でのそれに比べ
て小さいこと、スクリュの前進によってシリンダ内の圧
力損失は小さくなっていくことなどから、シリンダ内の
圧力損失は無視し、成形機ノズル部の樹脂圧力損失のみ
を考慮する手法で代用することができる。
【0055】ノズル部をモデル化する際には、1次元要
素、あるいは3次元要素でモデル化してもよい。通常ノ
ズルは断面が円形の形状を有しているため、要素情報と
して断面の直径あるいは半径を属性として与えられた1
次元要素で離散化してモデル化することが、モデル化作
業の簡易化、解析時間の短縮に有効である。金型内を高
精度な3次元要素を用いた流動解析で解析し、構造が軸
対称的で単純なノズル部を1次元要素で解析するので、
高精度な解析を高速に実施でき、好ましい。
【0056】図9に1次元要素で離散化してモデル化さ
れたノズル形状を示す。n要素に分割されたノズル形状
の要素番号iは金型側が1で、成形機側がn、要素iは節
点番号iとi+1によって構成されるように番号付けしてお
くと整理しやすい。要素iの断面の半径をRiで表す。
【0057】図10に1次元要素でn分割してモデル化
されたノズル形状に対するノズル部での圧力損失解析の
フローチャートを示す。この圧力損失解析処理のプログ
ラムもメモリ31内に予め格納されている。
【0058】まず、ステップ400にて流動解析に使用さ
れた射出速度データV(V0)に成形機側ノズル端部の断
面積πRn2を掛け合わせた流量Qを計算する。ステップ40
1では、サンプリング周期で離散化された時間情報を表
すカウンタNを「1」に設定し、金型側のノズル端部の
樹脂圧力損失累積PN1を「0」とする(ステップ403)。
ノズル形状モデル内の要素番号カウンタiを「1」に設
定し(ステップ404)、要素iでのせん断速度γiを円管
内のモデル式(5)から求める(ステップ405)。 γi=4Q/(πRi3) ・・・・(5) ここでRiは要素iにおける半径 次にステップ406で、要素i内での溶融粘度ηiを樹脂温
度T(なお、この樹脂温度は、ノズルに設定された温度
より経験的に予想して求める。例えば、ノズル設定温度
に10度加算した温度とする。)、せん断速度γiか
ら、例えば式(6)に示す粘度モデル式などによって求
める。 ηi=A×γiB×Exp(C×T) ・・・・(6) ここで、A、B、C は定数 ステップ408は式(7)に示す円管内の流動圧力損失式
から要素i内での圧力損失ΔPiを求め、節点iの圧力損
失累計PNiにΔPiを加え節点i+1の圧力損失累計PNi+1を
求める(ステップ409)。 ΔPi=Li×Q×8ηi/(πRi4) ・・・・(7) ここでLiは要素iの長さ、Riは要素iにおける半径、ηi
は要素iにおける溶融粘度であり、予め入力されてい
る。
【0059】次に要素番号iをi+1として(ステップ41
0)、ステップ405に戻り、iがnを超えるまで406〜410の
操作を実行して求められた成形機側のノズル端部の節点
での圧力損失累計PNn+1をPloss(N)として記憶する(ス
テップ411)。ステップ412は、カウンタNを「1」加算
し、カウンタNの値が樹脂流動解析で得られた樹脂流入
口の樹脂圧力のデータの数N0になるまでステップ402〜4
12の演算を繰り返し、圧力損失カーブPloss(N)を計算す
る。
【0060】なお、前述のとおり、成形機のスクリュに
設けられた圧力センサで検出される圧力と金型の樹脂流
入口における圧力との差異は、圧力センサで樹脂圧力を
検出する点と樹脂流入口との間で圧力ロスにより生じ
る。本発明者らの知見によると、この圧力ロスの大きな
部分を占めるのは、シリンダ部よりも位置による径の変
化が急激なノズル部での圧力損失である。さらに、シリ
ンダ部での圧力損失はスクリュの前進につれて影響が小
さくなるがノズル部での損失は常に存在する。したがっ
て、式(3)や式(4)を用いて成形機のノズル部での
圧力損失を加味した解析を行うことにより、その影響を
小さくすることができるものである。もちろん、シリン
ダ部他のノズル部以外の部位の圧力損失をさらに加味し
た解析を行えば解析精度が向上することは言うまでもな
い。
【0061】式(2)〜(4)で得られた射出圧力デー
タP1〜P3と実測の射出圧力データPfとは、樹脂の圧縮性
が小さく、溶融粘度ηの圧力依存性が小さいときは、図
8に示したとおりよく一致する。しかし、樹脂の圧縮性
が大きく、溶融粘度ηの圧力依存性が大きいときは必ず
しもよく一致するとはいえないことがある。これは、ノ
ズル部先端から金型内へ樹脂が流入する部分など急激に
断面が絞られる縮流部に生じる圧力損失や加圧によって
流動性が悪くなる現象(粘度の圧力依存性)などが考慮
されていないためである。
【0062】そこで、圧縮性の大きな樹脂の場合には、
式(3)の金型内から成形機のノズル部までを解析領域
として樹脂流動解析を実施する際、または式(4)にお
ける成形機側のノズル端部の圧力を求める流動解析を実
施する際、少なくともノズル部の解析にはノズル部先端
などの縮流部に生じる圧力損失や溶融粘度の圧力依存性
を考慮し、成形機側のノズル端部の樹脂圧力カーブPnを
求めることが有効である。これらの現象は、急激に断面
が絞られ縮流部が生じ、なおかつ、金型よりも圧力が高
くなるノズル部で影響が大きくなる。従って、式(4)
に示す方法において、これらの影響を考慮しない金型内
の樹脂流動解析により金型内樹脂流入口の樹脂圧力Psを
求めておき、ノズル部の圧力損失Plossを求める際に
は、縮流部での圧力損失や粘度の圧力依存性を考慮した
ノズル部での圧力損失解析を金型内樹脂流入口の樹脂圧
力Psを境界条件として実施し、成形機側のノズル端部の
樹脂圧力カーブPnを求めて、射出圧力Pとする方法は、
金型内を含めた全解析領域の内で縮流部での圧力損失や
粘度の圧力依存性を考慮した解析を式(3)を用いて行
う方法よりも精度的には劣るが、解析時間の効率化の面
から有効である。式(8)に縮流部での圧力損失ΔPの
モデル式の1例を示す。 ΔP=C1×τC2 ・・・・(8) ここでC1,C2は定数、τはせん断応力でτ=η×γで計
算される。
【0063】また式(9)に圧力依存性を考慮した溶融
粘度のモデル式の1例を示す。式(9)において、Tは
樹脂温度、Pは圧力である。又、D3は粘度の圧力依存性
を示す係数であり、値が大きいほど圧力依存が大きいこ
とを表す。 η(T,γ,P)=η0(T,P)/{1+(η0×γ/τ*)1-n ・・・・(9) ここで η0(T,P) = D1×Exp{-A1(T-D2-D3×P)/(A2+T-D
2)} A1 , A2 , D1 , D2 , D3 ,τ* , nは定数 そこで、溶融粘度ηの圧力依存性が大きい樹脂を使用す
るときは、図10の処理の場合、ステップ403の金型
側のノズル端部の圧力に樹脂流動解析により求められた
樹脂流入口の圧力を適用し、ステップ407において、
上記式(9)の演算を行って、溶融粘度η(T,γ,P)を求
める。この場合、Tは溶融樹脂温度であり、Pはステッ
プ403、409で求められている圧力損失累計PNi
を使用すればよい。さらにステップ408で圧力損失を
求める際、射出成形機の構造上ノズルの断面が急激に変
化する部分で発生するノズル先端(i=1)に上記式
(8)の演算を実行し、断面が急激に変化する部分で発
生する圧力損失とし、ステップ8において式(7)で求
められた圧力損失にこれを加えることで、粘度の圧力依
存性と断面の急激に変化する部分の圧力損失が計算され
る。
【0064】この場合、上記したようにステップ403
において、金型側のノズル端部の圧力に樹脂流動解析に
より求められた樹脂流入口の圧力を適用しているため、
ノズル部の圧力損失だけでなく、金型1を装着した場合
のノズル部の成形機側の端部の全圧力損失を求めている
ことになる。
【0065】図11は、本実施形態において、ABS樹脂
を所定一定速度の条件にて平板製品の金型にサイドゲー
トで射出成形した場合における各射出圧力を示す図であ
る。ナイロン樹脂に比べ樹脂の圧縮性が大きく、溶融粘
度ηの圧力依存性が大きいABS樹脂などの場合は、ノズ
ル部先端から金型内へ樹脂が流入する部分など急激に断
面が絞られる縮流部に生じる圧力損失や加圧によって流
動性が悪くなる現象(粘度の圧力依存性)を考慮した樹
脂流動解析や圧力損失解析結果を使って、式(3)ある
いは式(4)のモデル式によって求められた射出圧力カ
ーブは、図11に示すように、実際の射出圧力カーブPf
にほぼ等しい形で得ることができる。
【0066】なお、本発明の射出成形条件の作成方法の
各ステップは、上記のとおり、射出成形機に備え付けら
れたか独立のコンピュータでプログラムを実行すること
により実現するのが好ましい。
【0067】係るプログラム(エアショット時の処理プ
ログラム、圧力剛性処理プログラム、圧力損失解析処理
プログラムさらには樹脂流動解析プログラム等)は、固
定磁気ディスク、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能
な記憶媒体に記憶されていたり、有線または無線の伝送
媒体を経て電子的に配信されることにより流通される。
【0068】
【発明の効果】本発明は、樹脂やシリンダなどの射出成
形機の機械特性が加味されたエアーショットデータを得
ることで、CAEによる樹脂流動解析結果を量産成形の成
形条件として得ることができるので、簡単に成形条件を
作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の射出成形機機構部の概要
図である。
【図2】同実施形態における制御装置の要部概要図であ
る。
【図3】同実施形態における射出工程における制御ブロ
ック図である。
【図4】樹脂流動解析のフローチャートである。
【図5】エアーショット時の射出圧力の波形である。
【図6】エアーショットによる射出圧モニタ処理のフロ
ーチャートである。
【図7】量産時の成形条件の射出圧力指定データ(射出
圧力指令カーブ)を得るための処理のフローチャートで
ある。
【図8】同実施形態における各種射出圧力の波形を示す
図である。
【図9】ノズルの1次元要素での離散化モデルの例であ
る。
【図10】ノズル部の圧力損失解析のフローチャートで
ある。
【図11】同実施形態における各種射出圧力の波形を示
す図である。
【符号の説明】
1 金型 2 シリンダ 3 スクリュー 8 プレッシャープレート 9 圧力センサ(ロードセル) 10 ボールナット 11 ボールネジ 12 ノズル M2 射出用サーボモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上口 賢男 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 内山 辰宏 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 西山 秀作 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 高崎 育史 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 坂場 克哉 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 2F055 AA39 BB12 CC60 DD20 EE40 FF28 GG31 4F202 AM23 AP02 AP03 AP05 AP07 AP10 AP13 AP16 CA11 CS00 4F206 AM23 AP026 AP036 AP055 AP073 AP10 AP13 AP16 JA07 JL09 JM03 JM04 JN14 JN25 JP13 JP18 JP30 JQ81 JQ88 JT33 JT35

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内樹脂の流動を解析する樹脂流動解
    析によって金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブを得る工
    程と、エアーショット時の射出圧力カーブを得る工程
    と、前記エアーショット時の射出圧力カーブと前記樹脂
    流動解析による樹脂圧力カーブとに基づいて成形条件と
    なる射出圧力カーブを求める工程とを有することを特徴
    とする射出成形条件作成方法。
  2. 【請求項2】 前記成形条件となる射出圧力カーブを求
    める工程は、成形機で射出を開始してノズル先端から樹
    脂が射出されるまでの遅れ時間分は、前記エアーショッ
    ト時の射出圧力カーブを成形条件となる射出圧力カーブ
    とし、以後は、前記金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブ
    と前記エアーショット時の射出圧力カーブとを加算し
    て、成形条件となる射出圧力カーブとしたことを特徴と
    する請求項1に記載の射出成形機における射出成形条件
    作成方法。
  3. 【請求項3】 圧力センサから金型の樹脂流入口までの
    圧力損失カーブを樹脂流動解析により得る工程を有し、
    前記成形条件となる射出圧力カーブを求める工程は、成
    形機で射出を開始してノズル先端から樹脂が射出される
    までの遅れ時間分は、前記エアーショット時の射出圧力
    カーブを成形条件となる射出圧力カーブとし、以後は、
    前記金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブと前記圧力セン
    サから金型の樹脂流入口までの圧力損失カーブとを加算
    して、成形条件となる射出圧力カーブとしたことを特徴
    とする請求項1に記載の射出成形機における射出成形条
    件作成方法。
  4. 【請求項4】 金型内の樹脂流路と成形機のノズル部を
    解析対象とした樹脂流動解析によって成形機ノズル部の
    シリンダ側端部の樹脂圧力カーブを得る工程と、エアー
    ショット時の射出圧力カーブを得る工程と、前記エアー
    ショット時の射出圧力カーブと前記樹脂流動解析による
    樹脂圧力カーブとに基づいて成形条件となる射出圧力カ
    ーブを求める工程とを有することを特徴とする射出成形
    機における射出成形条件作成方法。
  5. 【請求項5】 前記成形条件となる射出圧力カーブを求
    める工程は、成形機で射出を開始してノズル先端から樹
    脂が射出されるまでの遅れ時間分は、前記エアーショッ
    ト時の射出圧力カーブを成形条件となる射出圧力カーブ
    とし、以後は、前記樹脂流動解析による樹脂圧力カーブ
    を成形条件となる射出圧力カーブとする請求項4に記載
    の射出成形機における射出成形条件作成方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記ノズル部の樹脂流動解析
    において、樹脂粘度の圧力依存性を考慮した解析を行う
    ことを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記
    載の射出成形条件作成方法。
  7. 【請求項7】 前記エアーショット時の射出圧力カーブ
    を得る工程は、種々の条件の下で実測したエアーショッ
    ト時の射出圧力カーブデータを記憶した記憶手段に記憶
    された既知エアーショット射出圧力カーブデータに基づ
    いて新規な条件下での射出圧力カーブを作成することを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の射出成形機
    における成形条件作成方法。
  8. 【請求項8】 前記エアーショット時の射出圧力カーブ
    を得る工程は、使用樹脂及び成形機のシリンダとノズル
    形状が同一で、複数のレベルの樹脂温度と射出速度によ
    って行われたエアーショット時の実測射出圧力カーブデ
    ータを内挿することによって、当該成形時の成形条件の
    樹脂温度と射出速度に対するエアーショット時の射出圧
    力カーブを作成することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の射出成形機における成形条件作成方法。
  9. 【請求項9】 金型内樹脂の流動を解析する樹脂流動解
    析によって得られた金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブ
    を記憶する手段と、エアーショット時の射出圧力カーブ
    を得る手段と、前記エアーショット時の射出圧力カーブ
    と前記樹脂流動解析による樹脂圧力カーブとに基づいて
    成形条件となる射出圧力カーブを求める手段とを有する
    ことを特徴とする射出成形機。
  10. 【請求項10】 成形条件となる射出圧力カーブを求め
    る手段は、設定された成形機で射出を開始してノズル先
    端から樹脂が射出されるまでの遅れ時間分は、前記エア
    ーショット時の射出圧力カーブを成形条件となる射出圧
    力カーブとし、以後は、前記金型の樹脂流入口の樹脂圧
    力カーブと前記エアーショット時の射出圧力カーブとを
    加算して、成形条件となる射出圧力カーブとして生成す
    る請求項9記載の射出成形機。
  11. 【請求項11】 圧力センサから金型の樹脂流入口まで
    の圧力損失カーブを樹脂流動解析する手段を備え、成形
    条件となる射出圧力カーブを求める手段は、設定された
    射出を開始してノズル先端から樹脂が射出されるまでの
    遅れ時間分は、前記エアーショット時の射出圧力カーブ
    を成形条件となる射出圧力カーブとし、以後は、前記金
    型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブと前記圧力センサから
    金型の樹脂流入口までの圧力損失カーブとを加算して、
    成形条件となる射出圧力カーブとして生成する請求項9
    に記載の射出成形機。
  12. 【請求項12】 金型内の樹脂流路と成形機のノズル部
    を解析対象とした樹脂流動解析によって得られた成形機
    ノズル部のシリンダ側端部の樹脂圧力カーブを記憶する
    手段と、エアーショット時の射出圧力カーブを得る手段
    と、前記エアーショット時の射出圧力カーブと前記樹脂
    流動解析による樹脂圧力カーブとに基づいて成形条件と
    なる射出圧力カーブを求める手段とを有することを特徴
    とする射出成形機。
  13. 【請求項13】 前記成形条件となる射出圧力カーブを
    求める手段は、射出を開始してノズル先端から樹脂が射
    出されるまでの遅れとして設定された遅れ時間分は、前
    記エアーショット時の射出圧力カーブを成形条件となる
    射出圧力カーブとし、以後は、前記樹脂流動解析による
    樹脂圧力カーブを成形条件として射出圧力カーブを生成
    する請求項12に記載の射出成形機。
  14. 【請求項14】 種々の条件の下で実測したエアーショ
    ット時の射出圧力カーブデータを記憶する記憶手段を備
    え、前記エアーショット時の射出圧力カーブを得る手段
    は、前記記憶手段に記憶された既知エアーショット射出
    圧力カーブデータに基づいて新規な条件下での射出圧力
    カーブを作成することを特徴とする請求項9〜13のい
    ずれかに記載の射出成形機。
  15. 【請求項15】 使用樹脂及び成形機のシリンダとノズ
    ル形状が同一で、複数のレベルの樹脂温度と射出速度に
    よって行われたエアーショット時の実測射出圧力カーブ
    データを記憶する記憶手段を備え、前記エアーショット
    時の射出圧力カーブを得る手段は、前記記憶手段に記憶
    された実測射出圧力カーブデータを内挿することによっ
    て、当該成形時の成形条件の樹脂温度と射出速度に対す
    るエアーショット時の射出圧力カーブを作成することを
    特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の射出成形
    機。
  16. 【請求項16】 金型内樹脂の流動を解析する樹脂流動
    解析によって金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブを得る
    ための樹脂流動解析装置と、エアーショット時の射出圧
    力カーブを得るための射出成形機とから構成され、該射
    出成形機は前記樹脂流動解析装置の樹脂圧力カーブと前
    記エアーショット時の射出圧力カーブとに基づいて成形
    条件となる射出圧力カーブを求めることを特徴とする射
    出成形条件作成装置。
  17. 【請求項17】 金型内の樹脂流路と成形機のノズル部
    を解析対象とした樹脂流動解析によって成形機ノズル部
    のシリンダ側端部の樹脂圧力カーブを得るための樹脂流
    動解析装置と、エアーショット時の射出圧力カーブを得
    るための射出成形機とから構成され、該射出成形機は前
    記樹脂流動解析装置の樹脂圧力カーブと前記エアーショ
    ット時の射出圧力カーブとに基づいて成形条件となる射
    出圧力カーブを求めることを特徴とする射出成形条件作
    成装置。
  18. 【請求項18】 金型内樹脂の流動を解析する樹脂流動
    解析によって金型の樹脂流入口の樹脂圧力カーブを得る
    工程と、エアーショット時の射出圧力カーブを得る工程
    と、前記樹脂流動解析による樹脂圧力カーブと前記エア
    ーショット時の射出圧力カーブとに基づいて成形条件と
    なる射出圧力カーブを求める工程の各ステップを射出成
    形機を制御する制御装置のコンピュータに実施させるプ
    ログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒
    体。
  19. 【請求項19】 エアーショット時の射出圧力カーブを
    得る工程と、該工程で得られたエアーショット時の射出
    圧力カーブと、入力される金型内樹脂の流動を解析する
    樹脂流動解析によって得られた金型の樹脂流入口の樹脂
    圧力カーブとに基づいて、成形条件となる射出圧力カー
    ブを求める工程の各ステップを射出成形機を制御する制
    御装置のコンピュータに実施させるプログラムを記憶し
    たコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  20. 【請求項20】 金型内の樹脂流路と成形機のノズル部
    を解析対象とした樹脂流動解析によって成形機ノズル部
    のシリンダ側端部の樹脂圧力カーブを得る工程と、エア
    ーショット時の射出圧力カーブを得る工程と、前記樹脂
    流動解析による樹脂圧力カーブと前記エアーショット時
    の射出圧力カーブとに基づいて成形条件となる射出圧力
    カーブを求める工程の各ステップを射出成形機を制御す
    る制御装置のコンピュータに実施させるプログラムを記
    憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  21. 【請求項21】 エアーショット時の射出圧力カーブを
    得る工程と、該工程で得られたエアーショット時の射出
    圧力カーブと、入力される金型内の樹脂流路と成形機の
    ノズル部を解析対象とした樹脂流動解析によって得られ
    た成形機ノズル部のシリンダ側端部の樹脂圧力カーブと
    に基づいて、成形条件となる射出圧力カーブを求める工
    程の各ステップを射出成形機を制御する制御装置のコン
    ピュータに実施させるプログラムを記憶したコンピュー
    タ読み取り可能な記憶媒体。
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