JP2000354839A - 生ごみ処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、効率よく短時間で乾燥処理し、し
かも生ごみの変質による臭いを防ぐことを課題とする。 【解決手段】 本発明は、燃焼ガス７の熱で生ごみ１１
を乾燥処理する生ごみ処理装置１において、燃焼熱発生
部５には乾燥空気熱交換器８と処理ガス熱交換器９を配
置し、乾燥空気熱交換器８を介して乾燥空気を加熱し、
その乾燥空気を乾燥処理分２に導いて生ごみを乾燥処理
し、乾燥処理後の処理ガスは処理ガス熱交換器９によっ
て加熱脱臭する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼熱を利用して
生ごみを乾燥処理する生ごみ処理装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、燃焼熱を利用した生ごみ処理装置
は特開平７−３３２８５８号公報に記載されたものが知
られている。図３は従来の燃焼熱を利用した生ごみ処理
装置を示す。乾燥室１０１内の空気を強制循環加熱する
ための循環用通路１０２に排気回路１０３を分岐接続
し、前記循環用通路１０２内に、ガスバーナ１０４の燃
焼部１０５を設け、前記ガスバーナ１０４の一次空気口
を前記循環系の外部に設けて、前記循環系に生じる余剰
気体を前記排気回路１０３から排出させるようにしてい
る。その結果、凝縮装置を不要にして、生ごみ乾燥用の
加熱エネルギーの無駄な消費が防止できる。

【０００３】また、別の燃焼熱を利用した生ごみ処理装
置として特開平６−１１４３６７号公報に記載されたも
のが知られている。図４には従来の燃焼熱を利用した生
ごみ処理装置の別の例を示す。ガスバーナ１１０で発生
した燃焼ガスを生ごみを投入した処理容器１１１の外周
に形成した燃焼ガス通路１１２に通して、フィン１１３
を回転させながら乾燥、粉砕を行い、生ごみから発生し
た水蒸気は冷却筒１１４で冷却して気液に分離し、ドレ
ンはドレン排水口１１５から排出し、空気は空気口１１
６から燃焼室１１７内に導いて、ガスバーナ１１０の燃
焼に供すると同時に脱臭してしまう。その結果、小型で
悪臭がでない生ごみ処理装置を提供する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】特開平７−３３２８５
８号公報（以下、従来例１という）に記載されたものに
おいては、高温に加熱された高温の燃焼ガスは乾燥室と
循環用通路で循環し、燃焼ガスの水蒸気分圧が高い。そ
のため、生ごみ中の水分を短時間に蒸発せるためには、
生ごみの温度を高温に保持し、乾燥しなければならなか
った。

【０００５】特開平６−１１４３６７号公報（以下、従
来例２という）に記載されたものにおいては、生ごみを
乾燥処理する際には、処理容器内には生ごみから蒸発し
た水蒸気が充満しており、水蒸気分圧が高い。生ごみに
含まれる水分は、生ごみ周囲の水蒸気分圧が低いほど蒸
発しやすく、生ごみや周囲の温度が高いほど蒸発しやす
い。そこで、乾燥時間を低減するためには生ごみ中の水
分を高温に保持し、乾燥しなければならない。

【０００６】これらの従来例１，２では、乾燥時間を短
くすると高温で処理しなければならない。その結果、有
害ガスが発生したり、あるいは生ごみが変質する。ま
た、生ごみ及び生ごみ処理装置を高温にするため、生ご
み処理装置全体からの熱損失が多く、乾燥のために大量
のエネルギーを必要とする。また、乾燥後の気体には水
分を多く含むため、排出までの間に結露し、悪臭発生の
原因にもなっていた。

【０００７】さらに、ガスバーナをOFFにすると、処理
装置の熱容量が大きいため処理容器内の温度が下がりに
くく、処理した生ごみを出すことができるまでに温度を
下げるのに時間がかかる。従って、生ごみ処理装置に生
ごみを投入し、処理した生ごみを廃棄するまでの時間短
縮ができないという欠点があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明においては、燃焼
ガスの熱で生ごみを乾燥処理する生ごみ処理装置におい
て、燃焼熱発生部と乾燥処理部を設ける。そして燃焼熱
発生部には乾燥空気熱交換器と処理ガス熱交換器を配置
し、乾燥空気熱交換器で加熱した乾燥空気で生ごみを乾
燥し、乾燥後の処理ガスを処理ガス熱交換器で加熱して
脱臭処理することとした。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の目的は各請求項に記載し
た構成を実施形態として達成することができるので、以
下にはその構成と作用効果を併記して実施形態の説明と
する。

【００１０】請求項１記載のように、燃焼熱発生部と生
ごみ処理部を有する生ごみ乾燥処理装置において、燃焼
熱発生部には乾燥空気熱交換器と処理ガス熱交換器を配
置し、前記乾燥空気熱交換器を介して乾燥空気を加熱し
て、生ごみ処理部に導入し、乾燥処理後の乾燥処理ガス
は処理ガス熱交換器を介して加熱処理する構成とするこ
とにより効果的に低温で乾燥処理し、しかも脱臭ができ
る。

【００１１】また、請求項２記載のように、処理ガス熱
交換器を乾燥空気熱交換器よりバーナの近くに配置する
構成とすることにより生ごみの臭いを高温処理すること
ができる。

【００１２】また、請求項３記載のように、乾燥処理部
内に撹拌部を装備する構成とすることにより生ごみの乾
燥を促進することができる。

【００１３】また、請求項４記載のように、乾燥空気の
噴出部を生ごみ処理分に配置したり、請求項５記載のよ
うに、処理ガス熱交換器の出口に冷却部を配置する構成
とすることにより効率的な加熱乾燥また乾燥後の処理ガ
スの低温化を図ることができる。

【００１４】また、請求項６記載のように、処理ガス熱
交換器の出口に乾燥空気を加熱する予熱熱交換器を配置
する構成とすることにより、乾燥を一層促進することが
できる。

【００１５】

【実施例】（実施例１）図１は本発明の実施例１の生ご
み処理装置の構成説明図である。１は生ごみ処理装置、
２は乾燥処理部、３は乾燥空気供給部、４は熱交換器で
あり、５は燃焼熱発生部、６はバーナである。この生ご
み処理装置１において、燃焼熱発生部５に装備されたバ
ーナ６で高温の燃焼ガス７が発生する。この燃焼ガス７
は、乾燥空気熱交換器８と処理ガス熱交換器９を構成す
る熱交換器４で熱交換され、低温になった燃焼ガス７は
排出部１０から排出される。

【００１６】生ごみ１１を乾燥処理部２に投入すると、
乾燥空気１２は乾燥ファン１３から供給され、乾燥空気
熱交換器８内で高温化される。噴出部１４から高温の乾
燥空気１２が噴出し、生ごみ１１に供給される。撹拌部
１５にはモータ１６が接続されており、モータ１６が回
転すると、撹拌部１５で生ごみ１１の撹拌が行われ、生
ごみ１１の乾燥が促進される。

【００１７】従来例１及び２において、撹拌は、生ごみ
温度を高温に保持したり、あるいは生ごみを細かく裁断
するために行われるが、本発明においては、これらの作
用のほかに、水分が少ない乾燥空気を直接生ごみ１１に
衝突させ、生ごみ１１の乾燥を促進させる作用をする。

【００１８】バーナ６に点火して噴出部１４から噴出す
る燃焼ガスの温度を一定で供給すると、しばらくすると
乾燥処理部２内の温度は一定温度となる。このとき、生
ごみの温度は１００℃以下の場合が多く、燃焼ガス温度
より低い。この一定温度の状況は、一般に恒率乾燥領域
と呼ばれる。生ごみの表面の水分が急速に蒸発するた
め、混合燃焼ガスから供給される熱量と生ごみから蒸発
で奪われる熱量がバランスし、一定温度となる。その
後、温度は次第に上昇を始める。この上昇部は減率乾燥
領域であり、生ごみから蒸発する水分量が次第に少なく
なる。そのため、生ごみの温度も雰囲気の温度も次第に
上昇し、生ごみの温度に近づいていく。バーナ６の燃焼
を止めると、低温の空気のみが供給されるため、生ごみ
も雰囲気の温度も急速に低下しはじめ、短時間で外気の
温度まで低下する。そのため、処理後の生ごみを早期に
取り出すことができる。

【００１９】一般に、生ごみは高温で長時間保持する
と、茶色に変色し変質するが、恒率乾燥領域では生ごみ
からの水の蒸発が激しく、生ごみ温度が１００℃以上に
はなりにくく、生ごみが茶色に変色することはほとんど
ない。また、減率乾燥領域になると生ごみの温度は上昇
し始めるが、混合燃焼ガス温度を低く設定することによ
り、生ごみの温度上昇を抑えることができる。このと
き、水分の乾燥を促進するため、混合燃焼ガスの風量を
増加させるとよい。

【００２０】混合燃焼ガスの温度を１４０℃とし、風量
を５００リットル／分とした場合、生ごみは約６０分で
水分が９０％程度乾燥し、生ごみの温度は１２０℃にな
っている。生ごみは、キャベツ、ミカン、ご飯、卵の殻
を混合しているが、ミカンの色に影響され、黄色化して
いる。この程度のゴミの仕上がりであると家畜や魚の飼
料としても利用することができる。生ごみの温度が１５
０℃を越えると乾燥した生ごみは黒くなり、臭いも焦げ
臭くなり、飼料としては適当ではない。

【００２１】従来例１の乾燥室１０１、従来例２の処理
容器１１１内では、生ごみから蒸発した水分が多く、１
００℃以下では飽和蒸気圧となりやすく、１００℃以上
に生ごみあるいは雰囲気の温度を保持しなければならな
い。

【００２２】一方、本発明では、処理空気１７は処理ガ
ス熱交換器９内で温度上昇し、生ごみ１１が発生する臭
いを脱臭する。この時、７００〜７５０℃まで加熱する
とほとんど臭いを感じない。脱臭された処理空気１７は
乾燥ガス排出口１８から排出する。

【００２３】生ごみ表面付近の雰囲気の水蒸気分圧は、
温度が１００℃以下でも水の飽和蒸気圧よりも低く保持
できるため、生ごみからの水分の蒸発を十分に確保でき
る。また、噴出部を生ごみ処理部内に位置させると、混
合燃焼ガスが直接生ごみに衝突する。すなわち、水分分
圧が低い気体が直接生ごみに衝突するので乾燥を素早く
完了することができる。さらに、混合燃焼ガス中の水分
量は少なく、これが直接生ごみに衝突あるいは供給され
るため、乾燥がきわめて早い。

【００２４】（実施例２）図２には本発明の実施例２の
構成説明図である。２１は生ごみ処理装置、２２は乾燥
処理部、２３は燃焼熱発生部、２４はバーナ、２５は燃
焼用ファン、２６は供給空気である。燃焼用ファン２５
から供給された供給空気２６の一部はバーナ２４で、供
給された燃料（図示せず）とともに火炎２７を形成す
る。

【００２５】高温の燃焼ガス２８は乾燥空気熱交換器２
９と処理ガス熱交換器３０で熱交換され、燃焼ガス排出
口３１から排出される。

【００２６】乾燥空気３２は乾燥ファン３３から予熱熱
交換器３４に供給され、加熱後、乾燥空気熱交換器２９
に供給される。モータ３５と連結した撹拌部３６の回転
で生ごみ３７を撹拌し、生ごみの乾燥を促進する。水分
を含んだ処理ガス３８は予熱熱交換器３４を通して排出
口３９より、放出される。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は燃焼熱発
生部と生ごみ処理部を有する生ごみ乾燥処理装置におい
て、燃焼熱発生部には乾燥空気熱交換器と処理ガス熱交
換器を配置し、前記乾燥空気熱交換器を介して乾燥空気
を加熱して、生ごみ処理部に導入し、乾燥処理後の乾燥
処理ガスは処理ガス熱交換器を介して加熱処理されて脱
臭される。

【００２８】また、処理ガス熱交換器を乾燥空気熱交換
器よりバーナ近くに配置すれば、生ごみの臭いを高温処
理できる。

【００２９】乾燥処理部内に撹拌部を装備すれば、乾燥
を促進することができる。

【００３０】また、処理ガス熱交換器の出口に乾燥空気
を加熱する予熱熱交換器を配置すれば、乾燥を一層促進
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における生ごみ処理装置の全
体構成を示す説明図

【図２】本発明の実施例２における生ごみ処理装置の全
体構成を示す説明図

【図３】従来の生ごみ処理装置を示す構成説明図

【図４】別の従来の生ごみ処理装置を示す構成説明図

【符号の説明】

１、２１ 生ごみ処理装置 ２、２２ 乾燥処理部 ４ 熱交換器 ５、２３ 燃焼熱発生部 ６、２４ バーナ ７、２８ 燃焼ガス ８、２９ 乾燥空気熱交換器 ９、３０ 処理ガス熱交換器 １０ 排出部 １１、３７ 生ごみ １４ 噴出部 １５、３６ 撹拌部 ３４ 予備熱交換器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 引頭 正博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3L113 AA04 AB03 AC04 AC52 AC68 AC87 BA01 CB03 CB24 CB29 DA26 DA30 4D004 AA03 AB01 AC04 CA28 CA42 CA48 CB02 CB34 CB36 CB50

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃焼熱発生部と乾燥処理部を有する生ごみ
   処理装置において、燃焼熱発生部には乾燥空気熱交換器
   と処理ガス熱交換器を配置し、前記乾燥空気熱交換器を
   介して乾燥空気を加熱し、その乾燥空気を乾燥処理部に
   導入し、乾燥処理後の乾燥処理ガスは処理ガス熱交換器
   を介して加熱処理する生ごみ処理装置。
2. 【請求項２】処理ガス熱交換器を乾燥空気熱交換器より
   バーナ近くに配置した請求項１記載の生ごみ処理装置。
3. 【請求項３】乾燥処理部内に撹拌部を装備した請求項１
   または２記載の生ごみ処理装置。
4. 【請求項４】乾燥空気の噴出部を生ごみ処理部に配置す
   る請求項１ないし３のいずれか１項記載の生ごみ処理装
   置。
5. 【請求項５】処理ガス熱交換器の出口に冷却部を配置し
   た請求項１記載の生ごみ処理装置。
6. 【請求項６】処理ガス熱交換器の出口に乾燥空気を加熱
   する予熱熱交換器を配置した請求項１記載の生ごみ処理
   装置。