JP2000354773A - 研米装置及び研米システム - Google Patents

研米装置及び研米システム

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JP2000354773A
JP2000354773A JP11168801A JP16880199A JP2000354773A JP 2000354773 A JP2000354773 A JP 2000354773A JP 11168801 A JP11168801 A JP 11168801A JP 16880199 A JP16880199 A JP 16880199A JP 2000354773 A JP2000354773 A JP 2000354773A
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rice
grain
bran
porous
polishing
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Ryozo Imanishi
良造 今西
Tadahiro Kuroda
忠宏 黒田
Yasuo Iwadou
保郎 岩堂
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穀粒を傷つけるおそれが少なく、糠を有効に
除去することが可能となる研米装置を提供する点にあ
る。 【解決手段】 多孔状筒体5の内部に、外周部に研米用
のブラシ42を備えたブラシ回転体Rが設けられ、それ
らの間に筒状の移送経路が、一端側を穀粒受入口1と
し、他端側を穀粒排出口2として形成され、穀粒受入口
1から穀粒排出口2に向けて且つ螺旋状に穀粒を移動さ
せながら、研米対象の穀粒を前記移送経路を通して移送
するに伴って、穀粒表面部の糠を除去するように構成さ
れ、多孔状筒体5の多孔部TBには、多数の糠排出孔1
3aが螺旋状に移動する穀粒の移動方向と交差する方向
に長い長孔状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除去された糠を外
部に排出させるための多孔部が形成された多孔状筒体の
内部に、それの長手方向に沿う軸心周りで駆動回転自在
に、外周部に研米用のブラシを備えたブラシ回転体が設
けられて、それらの間に、研米用の穀粒を移送する筒状
の移送経路が、一端側を穀粒受入口とし、他端側を穀粒
排出口として形成され、前記穀粒排出口からの穀粒の排
出に抵抗を付与した状態で、穀粒受入口から穀粒排出口
に向けて且つ螺旋状に移動させながら、研米対象の穀粒
を前記移送経路を通して移送する移送手段が設けられ
て、前記移送経路を通して研米対象の穀粒を移送するに
伴って、穀粒表面部の糠を除去するように構成された研
米装置及びその研米装置を複数接続させて構成される研
米システムに関する。
【0002】
【従来の技術】上記研米装置は、玄米が搗精処理された
後の穀粒の表面に残存している糠を除去することによっ
て、炊飯前に水で研ぐ必要がなくそのまま炊飯すること
が可能である無洗米になるように、研米処理するために
用いられるものである。つまり、上記搗精処理が行われ
た後の穀粒にも、その表層部に糠が残存しているが、糠
の残存状態としては、一般に澱粉を主成分とする穀粒本
体部分の全周囲を層状態で覆っており、しかも、穀粒本
体部分の表面部には筋状の凹溝部分が多数存在し、この
凹溝部分にも糠が入り込んでいるので、研米装置では、
穀粒本体部分の表層部の全周囲を覆っている糠層だけで
なく上記溝部分に入り込んでいる糠をも含めて残存する
糠を除去する必要がある。
【0003】前記研米システムは、前記研米装置にて前
記移送経路内を一度だけ移送させて上記したような穀粒
の表面に残存している糠をすべて除去することは難しい
ので、上記構成の研米装置を複数接続させてそれらによ
り順次処理することで適切に糠を除去することができる
ようにしたものである。
【0004】尚、搗精後の穀粒の表面に残存している糠
を除去する方法として、水洗によって糠を除去させる構
成も考えられるが、このような構成では、穀粒を水洗す
るための設備が大型化するとともに、温度や圧力の調整
が煩わしい等、運転管理も複雑化する等の不利な面があ
るが、上記構成の研米装置は、ブラシを用いた乾式の研
米装置であるから、このような不利がなく、簡素な構成
で対応できる利点を有している。
【0005】このようなブラシ式の研米装置において、
従来では、例えば、特開平11−90246号公報に示
される構成のものがあった。つまり、前記多孔部を備え
る前記多孔状筒体の周方向の一部に(具体的には周方向
に沿って適宜間隔をあけて分散される6箇所に)、穀粒
の表面に対して研削機能を発揮する砥石部材がその軸芯
方向のほぼ全長にわたる状態で設けられる構成となって
おり、前記多孔部には、前記多数の糠排出孔が、その長
手方向を螺旋状に移動する穀粒の移動方向に沿うように
向けた長孔状に形成されていた。そして、穀粒排出口か
ら排出される穀粒に排出の抵抗(排出抵抗)を付与しな
がら前記移送経路を通して研米対象の穀粒を螺旋状に移
動させながら移送するに伴って、砥石部材によって穀粒
表層部に残存する糠を削り取るようにしながら、回転す
るブラシにより穀粒の表面の凹溝部分に入り込んでいる
糠を擦り取るようにしている。尚、従来の研米システム
としては、例えば特開平11−90247号公報に示さ
れるように、上記したような従来構成の研米装置を複数
備えて、それら順次、研米処理を実行するように、それ
らを直列状態に接続する構成としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成では、上
述の如く、前記移送経路を通して穀粒を螺旋状に移動さ
せながら移送するに伴って、砥石部材によって穀粒表層
部に残存する糠を削り取るようにしながら、回転するブ
ラシにより穀粒の表面の凹溝部分に入り込んでいる糠を
擦り取るようにしている。図10を参照しながら説明を
加えると、多孔状筒体における多数の糠排出孔13aの
長手方向が螺旋状に移動する穀粒の移動方向Qに沿うよ
うに形成されて、穀粒の螺旋状の移動を円滑に行うよう
にしながら砥石部材による穀粒全周囲の表層部の糠層の
削り取り作用を発揮させるとともに、回転するブラシに
よって、穀粒本体部分の表面部における凹溝部分に入り
込んでいる糠を擦り取るようになっている。
【0007】このように移送経路内において穀粒の螺旋
状の移動を円滑に行わせるようにしながら、砥石部材に
て糠層を削り取るとともに、ブラシにより糠を擦り取る
構成としているので、表層部の糠層を削り取った後に、
凹溝の内部の糠を除去するときに、砥石部材による研削
作用によって、穀粒本体部分の凹凸のある表面のうち凸
部分を必要以上に削り過ぎて表面を傷つけてしまうおそ
れがあった。その結果、研米処理後に炊飯したときにお
ける食味が低下したり、表面が傷つくことで表面の光沢
がなくなり視感も低下する等の不利が生じるおそれがあ
る。
【0008】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、合理的な改良により、上記したよ
うな従来技術における不利を解消することが可能となる
研米装置を提供する点にある。
【0009】本発明の他の目的は、前記研米装置を用い
て、上記したような従来技術における不利を解消するこ
とが可能となる研米システムを提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の研米装
置の特徴構成は、前記多孔状筒体における前記多孔部
は、長手方向が前記穀粒の移動方向に対して交差する方
向に沿う長孔状の糠排出孔を多数形成して構成されてい
る点にある。
【0011】穀粒は、前記多孔状筒体と前記ブラシ回転
体との間の移送経路内において、移送抵抗が付与された
状態で螺旋状に移動しながら、回転するブラシによって
表面の糠が擦り取られるのであるが、前記多孔部を構成
する多数の長孔状の糠排出孔は、その長手方向が穀粒の
移動方向に対して交差する方向に沿うように形成されて
いるから、穀粒の移動に対してその移動に抵抗を与える
べく作用することになる。従って、前記移送経路の穀粒
排出での排出抵抗を大きくしなくても、前記糠排出孔に
よる穀粒係止作用によって移送抵抗が付与されるため、
螺旋状に移動する穀粒に対する移動抵抗が大きくなり、
このように移動に抵抗が付与された穀粒に対して、ブラ
シによる糠の擦り取り作用を充分に発揮させ易いものと
なる。ちなみに、穀粒の移動に抵抗付与するにあたり、
穀粒排出口からの穀粒の排出に抵抗を付与するようにす
ると、穀粒に対する加圧力が大きくなり、加えて、加圧
力が局所的に集中し異常な圧力の負荷や昇温のために穀
粒を損傷するおそれがあるが、上記したように移送経路
を構成する部材である多孔状筒体に多数形成される糠排
出孔にて抵抗を付与するものであるから、加圧力が移送
経路の全範囲にわたり均等化させやすいものとなり、穀
粒の移動に抵抗を付与するものでありながらも、穀粒の
損傷を抑制できる。
【0012】その結果、穀粒の損傷を抑制しながら、穀
粒の移送の抵抗を付与して、ブラシによる糠の擦り取り
作用を有効に発揮させて、糠が除去された後の穀粒本体
部分(澱粉層)の表面を傷つけることに起因して、研米
処理後に炊飯したときにおける食味が低下したり、表面
を傷つくことで表面の光沢がなくなり視感も低下する等
の不利を回避しながら、穀粒表面に残存する糠を適切に
擦り取ることが可能となる。
【0013】請求項2に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項1において、前記ブラシが合成樹脂にて構
成されている。
【0014】従って、合成樹脂は、例えば金属材等に比
べて硬度が低いので、金属材にて構成されたブラシで糠
を擦り取る構成に比べて、合成樹脂にて構成されるブラ
シで糠を擦り取る構成とすることで、穀粒の表面を傷つ
けるおそれが少ない状態で、良好に研米処理を行えるも
のとなった。
【0015】請求項3に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項1又は2において、前記ブラシが、前記合
成樹脂に砥粒を保持させて構成されている。
【0016】研米処理を実行すると、硬度が大きく微少
な大きさの砥粒により穀粒表面の糠、特に、穀粒の表面
の細かな凹溝内に残存している糠をも良好に擦り取るこ
とができるものとなり、糠を有効に除去することが可能
となる。
【0017】請求項4に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記多孔状筒
体が、前記多孔部を軸芯方向並びに周方向の略全範囲に
わたる状態で備えて構成されている。
【0018】従って、穀粒の移送経路の外方側壁部を構
成する多孔状筒体のほぼ全域が多孔部にて構成されるの
で、擦り取られた糠等がこの多孔部を通して外方側に排
出されやすいものとなり、それらが移送経路内に滞留し
て穀粒に再度、付着したり、穀粒表面を傷つけたりする
等の不利を回避しやすいものにできる。
【0019】請求項5に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項4において、前記多孔状筒体が、その周方
向の一部に滑性のある部材を備えて構成されている。
【0020】移送経路内にてブラシで研米する際に、多
孔状筒体の周方向の一部にある滑性のある部材によって
穀粒の表面が研磨されて表面に艶を出す状態にして光沢
のある仕上がり、即ち、表面に傷の少ない滑らかな仕上
がりにすることができる。しかも、この滑性のある部材
を用いて多孔部を構成する部材を基枠に取付け固定する
ための部材として兼用することができる。
【0021】請求項6に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記ブラシ回
転体の内部から径方向外方側に向けて通気させて、糠を
前記多孔状筒体の外部に排出するように構成されてい
る。
【0022】ブラシ回転体の内部から径方向外方側に向
けて通気させることで、気体が移送経路の内側から外方
側へ移送経路を横断するように通流移動することにな
り、移送経路内において研米処理により発生する糠を、
迅速に多孔状筒体の外部に排出させ易いものとなる。
【0023】請求項7に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記多孔状筒
体の外方側から吸気させて、糠を前記多孔状筒体の外部
に排出するように構成されている。
【0024】前記ブラシ回転体の内部から気体を圧送さ
せることで、糠を排出させることも考えられるが、この
ようにした場合には、糠が前記多孔状筒体の外方側に排
出されるだけでなく、外方側のあらゆる方向に糠が飛散
してしまうおそれがあるのに対して、前記多孔状筒体の
外方側から吸気させることによって、このような糠の飛
散を防止しながら、糠を確実に回収することができる。
【0025】請求項8に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記ブラシ回
転体の内部から径方向外方側に向けて通気させるととも
に、前記多孔状筒体の外方側から吸気させて、糠を多孔
状筒体の外部に排出するように構成されている。
【0026】前記多孔状筒体の外方側から吸気させるこ
とによって、前記ブラシ回転体の内部から気体を圧送さ
せる構成のように糠が外方側のあらゆる方向に飛散する
等の不利を回避して、糠を確実に回収することができる
とともに、ブラシ回転体の内部から径方向外方側に向け
て通気させることで、気体が移送経路の内側から外方側
へ移送経路を横断するように確実に通流移動することに
なり、移送経路内において発生する糠を、迅速、確実に
多孔状筒体の外部に排出させ易いものとなる。
【0027】請求項9に記載の研米装置の特徴構成によ
れば、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記移送経路
内を螺旋状に移動する前記穀粒の移動方向と、前記長孔
状の糠排出孔の長手方向との交差角度が、穀粒の処理量
の変化に対する駆動負荷の変動が少なくなるような角度
に設定されている。
【0028】前記穀粒の処理量が変化すると、穀粒の螺
旋状の移動方向が変化することになるが、このように穀
粒の処理量が変化しても、結果的に駆動負荷の変動が少
なくなるように、前記交差角度が設定されている。つま
り、穀粒の処理量が変化しても、上記したような長孔状
の糠排出孔による穀粒の移動に抵抗を付与する作用が有
効に発揮しやすいものとなるように前記交差角度が設定
されていることになる。その結果、処理量が大になって
も前記排出抵抗を大にして加圧力を大きくさせなくて
も、長孔状の糠排出孔による穀粒への移動抵抗付与作用
が有効に発揮して、適正な研米処理を行うことができ
る。
【0029】請求項10に記載の研米装置の特徴構成に
よれば、前記交差角度が変更自在に構成されているの
で、例えば、糠層が硬い種類であるか、軟かい種類であ
るか等、穀粒の性状の違いに応じて、適宜、交差角度を
変更させることで、常に適正な状態で研米処理を実行す
ることができる。
【0030】請求項11に記載の研米システムの特徴構
成によれば、請求項1〜10のいずれか1項に記載の研
米装置の複数が、研米処理を順次実行するように直列状
態で接続されている。
【0031】この研米システムでは、複数台の研米装置
の複数を、研米処理を順次実行するように直列状態で接
続させる構成とすることで、適切な研米処理を実行する
ことができる。
【0032】請求項12に記載の研米システムの特徴構
成によれば、除去された糠を外部に排出させるための多
孔部が形成された多孔状筒体の内部に、それの長手方向
に沿う軸心周りで駆動回転自在に、外周部に研米用のブ
ラシを備えたブラシ回転体が設けられて、それら間に、
研米用の穀粒を移送する筒状の移送経路が、一端側を穀
粒受入口とし、他端側を穀粒排出口として形成され、前
記穀粒排出口からの穀粒の排出に抵抗を付与した状態
で、穀粒受入口から穀粒排出口に向けて且つ螺旋状に移
動させながら、研米対象の穀粒を前記移送経路を通して
移送する移送手段が設けられて、前記移送経路を通して
研米対象の穀粒を移送するに伴って、穀粒表面部の糠を
除去するように構成され、前記多孔状筒体の前記多孔部
には、多数の糠排出孔が、前記螺旋状に移動する穀粒の
移動方向に沿う方向に長い長孔状に形成され、且つ、前
記多孔状筒体には、その周方向の一部に穀粒の表面に対
して研削機能を発揮する砥石部材を備えさせた順目式の
研米装置が設けられ、前記順目式の研米装置にて研米処
理された穀粒を、請求項1〜10のいずれか1項に記載
の研米装置にて研米処理するように、それらが直列状態
で接続されて構成されている。
【0033】例えば、糠層が厚い穀粒や糠層が硬い穀粒
等の研米処理を行うような場合であっても、先ず前記順
目式の研米装置により研米処理を実行することで、研削
機能が比較的強い砥石部材の研削機能によって、穀粒本
体部分の全周囲を層状態で覆っている厚い糠層や硬い糠
層を極力効率よく削り取ることができ、ある程度、糠層
が削り取られた後に、請求項1〜10のいずれか1項に
記載の研米装置にて研米処理を実行することにより、糠
が除去された後の穀粒本体部分(澱粉層)の表面を傷つ
ける等を不利を回避させながら、穀粒表面に残存する
糠、特に、凹溝内に入り込んでいる糠をも有効に擦り取
ることができ、全体として、極力、迅速に、且つ、研米
処理後に炊飯したときにおける食味が低下したり、表面
を傷つくことで表面の光沢がなくなり視感も低下する等
の不利を回避しながら、穀粒表面に残存する糠を有効に
擦り取ることが可能となる研米システムを提供できるに
至った。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図1に本発明に係る研米装
置を備えた研米システムとしての研米用処理設備を示し
ている。この研米用処理設備は、荷受け処理が行われる
荷受け部100、荷受けした穀粒の研米処理を実行する
研米処理部101、研米が終了した穀粒に含まれる異物
等を除去する選別部102、異物が除去された後の穀粒
を計量並びに出荷用の包装作業等を行う出荷部103等
を備えて構成されている。
【0035】前記荷受け部100は、運搬車両等にて搬
入される穀粒(精米処理が終了した後の穀粒)を受け入
れる荷受けホッパー104と、この荷受けホッパー10
4に供給された穀粒を上方に上揚搬送する荷受コンベア
105とを備えて構成されている。前記研米処理部10
1は、荷受コンベア105の搬送終端部から供給される
穀粒を一時貯留するとともに、その下端部に開閉自在な
シャッター106を備えて、このシャッター106を開
作動させることで穀粒を下方に供給する貯留ホッパー1
07が設けられ、この貯留ホッパー107から供給され
る穀粒を、順次、研米処理する3つの研米装置KSが直
列接続状態で設けられている。前記選別部102は、研
米処理が終了した後の穀粒を搬送コンベア108により
上揚搬送して、2口切換弁109を介してロータリーシ
フター110に供給して、このロータリーシフター11
0にて例えば糠の塊(糠玉)や破砕された小粒の穀粒等
を分離して取り除くようにしている。そして、再度、搬
送コンベア111により上揚搬送した後、金属検出器1
12によって穀粒に含まれる金属の小片等を取り除くよ
うにしている。尚、研米処理が充分でない場合には、2
口切換弁109を切り換えて、再度、研米処理部101
に戻して再度研米処理を行うこともできるようになって
いる。前記出荷部103は、選別処理された後の穀粒を
一時貯留するとともに、その下端部に開閉自在なシャッ
ター113を備えて、このシャッター113を開作動さ
せることで穀粒を下方に供給する出荷用ホッパー114
が設けられ、その下方には穀粒を出荷のために所定量づ
つ袋詰め包装する包装装置115が設けられている。
尚、前記研米処理部101にて発生する糠等を吸引作用
によって回収する図示しない吸引ファンを備えた吸引装
置116が設けられている。
【0036】次に、前記研米処理部101の構成につい
て説明する。この研米処理部における3つの研米装置K
Sは夫々同一構成であるからその一つについて以下に構
成を説明し、その他については説明を省略する。
【0037】つまり、研米装置KSは、図2に示すよう
に、略円筒形状の基枠4により全体を支持する構造とな
っており、研米すべき穀粒を供給する供給部A、その供
給部Aにより下部の穀粒受入口1から供給された穀粒を
研米室40を通して上部の穀粒排出口2へ移送しながら
後述するようにブラシ42により穀粒表面に付着する糠
を擦り取るブラシ式の研米部B、研米室40を移動して
排出口から排出される穀粒に対して抵抗を与える抵抗付
与部E、研米部Bで研米された穀粒を排出する排出部
D、研米室40にて穀粒から分離された糠の吸引及び穀
粒冷却のため空気を通風する通風部Fを主な構成要素と
して構成してある。
【0038】前記供給部Aは、穀粒受入口1に連通接続
した穀粒供給路15と、その穀粒供給路15内に回転自
在に支持して設けた横送りスクリュー16と、その横送
りスクリュー16を回転駆動する供給用電動モータM1
と、穀粒供給路15に連通接続したホッパ17と、その
ホッパ17の排出口に介装したシャッタ18とを備え
て、供給用電動モータM1は所定の一定の回転数で回転
させ、シャッタ18の開度調整により、穀粒受入口1へ
の穀粒の供給量を調整するように構成してある。このよ
うに、供給量を調整しながら穀粒受入口1から研米室内
に穀粒を供給することができるように構成している。
【0039】前記排出部Dは、研米室の上部に位置する
排出室形成用の円筒状ケーシング部19の内部に排出室
20を形成し、その円筒状ケーシング19に排出されて
くる穀粒を外部へ排出するための排出シュート21を連
通接続して構成してある。
【0040】図5に示すように、前記抵抗付与部Eは、
円筒状ケーシング19の上部に連結した円筒形状の支持
枠案内部23に対して、研米室40の内部から排出口2
に向かって移動する穀粒の移動方向、即ち、上下方向に
往復移動自在に支持して設けた支持枠24と、その支持
枠24に対して、上下方向に往復移動自在に支持して設
けた抵抗体25と、その抵抗体25を排出口2に近づく
方向、即ち、下方に付勢するように支持枠24に対して
設けたバネ体26と、支持枠24を上下方向に往復移動
駆動するバネ圧調整用電動モータM3とを備えて構成し
てある。
【0041】支持枠24は円筒形状に形成し、その軸芯
を上下方向に向けた状態で、支持枠案内部23に対し
て、上下方向に往復移動自在に支持して設けてある。抵
抗体25は抵抗盤25aとその抵抗盤25aの上面部に
垂直に立設した丸棒体25bとから構成してあり、抵抗
盤25aを排出口2に対向配置した状態で、丸棒体25
bを、支持枠24に対して摺動自在に内嵌してある。バ
ネ体26は、丸棒体25bに外嵌した状態で、抵抗盤2
5aと支持枠24とにより挟持してある。支持枠24の
外周面にラックギア27を固着し、そのラックギア27
を、バネ圧調整用電動モータM3の出力軸に固着したピ
ニオンギア28に噛合してあり、バネ圧調整用電動モー
タM3の正方向及び逆方向回転により、支持枠24を上
下方向に往復移動駆動するように構成してある。つま
り、バネ圧調整用電動モータM3の作動により、抵抗体
25と支持枠24との相対位置関係の調整することによ
り、バネ体26の長さを調整して抵抗力を調整できるよ
うになっている。
【0042】次に、前記研米部Bの構成について説明す
る。図2、図3に示すように、基枠4の研米部形成用の
円筒状部4aの内部にその円筒状部4aとほぼ同軸状に
上下方向に連結した多角形状の研米用の多孔状筒体5を
搬送スクリューの外筒体6に連なる状態で配設し、多孔
状筒体5の内部に、駆動回転自在に設けられてその外周
部にブラシ42を備えたブラシ回転体としての研米ロー
ルRが設けられ、この多孔状筒体5と研米ロールRとの
間の通路にて移送経路としての研米室40を形成し、多
孔状筒体5の外側に糠回収室7を形成してある。多孔状
筒体5の上端部にフランジ付円筒体3を着脱自在に連結
し、そのフランジ付円筒体3の上部開口を穀粒排出口2
とし、搬送スクリューの下端側に穀粒受入口1を形成し
てある。フランジ付円筒体3のフランジ部と基枠4の円
筒状部4aとの嵌合部には、糠回収室7から外部に対し
て開口する通気孔22を形成してある。又、円筒状部4
aの下端側には糠回収室7に連通する状態で糠排出シュ
ート部4bを設けてある。
【0043】次に、研米ロールの構成について説明す
る。この研米ロールRは、その外周部にブラシ42を設
けたブラシベース44の4個を、筒状回転体41の周方
向に等間隔で分散した状態で、且つ、夫々が前記周方向
に反転可能な状態で、ボルト43にて着脱自在に設けて
ある。つまり、ブラシ42を、筒状回転体41の軸芯方
向視において、筒状回転体41の周方向に部分的に設け
てある。そして、研米ロール41が図3の白抜き矢符に
示す如く回転すると、その外周部に設けたブラシ42の
先端が穀粒の表面に押し付けられて、そのブラッシング
作用によって糠が擦り取られて、研米が行われるように
構成してある。
【0044】前記ブラシベース44は、樹脂にて概ね蒲
鉾形状に形成してあり、そのブラシベース44を、蒲鉾
形状の長手方向が筒状回転体41の軸芯方向と平行にな
る姿勢で、且つ、その表面が筒状回転体41の外周部よ
りも突出する状態で、筒状回転体41の外周部に形成し
た溝に嵌め込んで、ボルト43にて取り付ける。
【0045】ブラシベース44の表面は、図4、図6に
示すように、筒状回転体41の外周面の半径と同一中心
の曲率半径R1 の曲面に形成してある。ブラシベース4
4の表面には、その周縁部に沿って、矩形枠状に連なる
状態で、突起部44aを備えさせてあり、更に、ブラシ
ベース44の幅方向の中央部に位置し、且つ、両端が突
起部44aに連なる直線状の突起部44cを備えさせて
ある。突起部44a,44cの表面は、研米ロール41
の外周面の半径と同一中心の曲率半径R2 の曲面に形成
してある。ブラシベース44の表面における突起部44
a,44c形成部分以外の部分には、横断面形状が円形
の凹部44dの多数を、夫々の軸芯を、筒状回転体41
の軸芯方向視において筒状回転体41の径方向に沿わし
た状態で、千鳥状に配置して形成してある。突起部44
a,44c夫々における内方側の端面は、各凹部44d
の中心と同一中心で、凹部44dの半径よりも大きい曲
率半径の湾曲面が連なった状態の凹凸形状に形成してあ
る。
【0046】筒状回転体41の内部には通気路Hが形成
され、後述するように、空気が通気路Hから通気孔41
a及び凹部44hを通じて、通気孔44fから径方向外
方側に向けて通風することになる。通気孔44fの周部
にも、ブラシ42を設ける部分よりもブラシ先端側に突
出する状態の突起部44cを設けてある。従って、その
突起部44cによって、穀粒がブラシ先端側に案内され
るので、通気路Hの周部のブラシ42に対しては、穀粒
は、ブラシ42の根元には当たらずに先端側の側部に当
たるようになる。又、突起部44cによって、穀粒が当
たることにより、通気路Hの周部のブラシ42が倒れる
のを、受け止めることができる。
【0047】尚、凹部44dの直径を、例えば4.0m
m程度としてある。又、通気孔として機能させる孔44
fの直径を、孔44f内に穀粒が入るのを防止できるよ
うに、例えば3.8mm程度としてある。又、ブラシ4
2の毛足の長さ(外側ベース部材44の表面から突出し
ている部分の長さ)を、例えば、5mm程度としてあ
る。又、突起部44a,44cの表面の曲率半径R2
は、ブラシベース44の表面の曲率半径R1 よりも3m
m程度大にしてある。ブラシ42を形成するブラシ形成
用の毛様体は、合成樹脂の一例である6−12ナイロン
に800メッシュ程度の大きさの炭化ケイ素の砥粒を保
持させて、太さが0.4mm以下、例えば、0.25m
m程度に形成してある。例えば、溶融している合成樹脂
材に砥粒を混ぜ込んで固まらせたり、あるいは、合成樹
脂材の表面に砥粒を付着させる構成等、各種の形態で実
施することができる。
【0048】前記筒状回転体41の下方側には、それと
同一軸芯で一体回転自在に、搬送スクリュー、及び、筒
状軸部が連設されており、それらが、一対の軸受け9を
用いて、基枠4の軸支用円筒状部4cに上下方向の軸芯
周りで回転自在に支持され、前記筒状回転体41、搬送
スクリュー11、筒状軸部8の夫々が互いに連通する状
態で連結して、研米用電動モータM2にてそれらを一体
的に回転駆動するように構成してある。前記筒状軸部8
には、筒内部から外周部に対して開口する通気孔8aを
多数形成している。
【0049】筒状回転体41、搬送スクリュー11及び
筒状軸部8夫々の筒内部が一連に連なって形成される通
路を通気路Hとして機能させるように構成してあり、筒
状回転体41に形成した通気孔41aを通じて通気路H
に入り込んだ穀粒を取り出すために、筒状軸部8の下端
部の開口にボルト34を螺着して、このボルト34の着
脱により、筒状軸部8の下端部の開口を開閉するように
構成してある。尚、円筒状部4aにおける多孔状筒体5
と対向する部分は、透明な部材で形成してあり、糠回収
室7が外部から透視できるように構成してある。
【0050】次に多孔状筒体5の構成について説明す
る。多孔状筒体5は、研米に伴って穀粒から剥離した糠
を糠回収室7に排出するための糠排出孔13aを多数穿
設してなる多孔部TBが、その軸芯方向並びに周方向の
略全範囲にわたって形成され、且つ、その周方向の一部
には、軸芯方向のほぼ全長にわたる状態で、滑らか面を
有する鉄製の取付部材50(滑性のある部材の一例)が
設けられている。つまり、図3に示すように、多孔状筒
体5は、板金材を用いてその軸芯方向並びに周方向の略
全範囲にわたって、多数の糠排出孔13aを形成して構
成してある。詳述すると、図8に示すように、矩形状の
板金材を、保持用の枠体51に対する連結用の取付け部
を除くほぼ全域に例えばプレス加工やレーザ加工等によ
る穿孔加工にて、多数の糠排出孔13aを形成するとと
もに、多角形状筒体の半割り形状となるように屈曲形成
した左右一対の板材5Aを、それらの端縁同士を合わせ
状態で、その外周部を枠体51にて保持する構成として
いる。つまり、前記枠体51は、内周縁が多角形状の一
対の環状部材51A,51Bが軸芯方向両側部に設けら
れ、これらの環状部材51A,51B同士を複数の連結
具51C,51Dで連結して構成され、それらの連結具
51C,51Dのうちの180度位相を異ならせた位置
に設けられる2つのもの51Dが、断面形状がコの字形
の板体にて構成されている。そして、この枠体51の内
部側に前記各板材5Aを多角形状の筒を形成するように
挿入させて、それらの端縁部が前記コの字形の連結部5
1Dにはまり込んだ状態で、このコの字形の連結部51
Dの内部に、角柱状の取付部材50がはめ込まれて、ボ
ルト52とナット53で締め付けることで、前記各板材
5Aを挟み込み固定するように構成されている。多孔状
筒体5が多角形状に構成されているので、研米ロールR
の回転によって移送される穀粒に対しては脈動運動が生
じて、穀粒同士が揉み合うこととになり、このような穀
粒同士の揉み合いにより、研米機能が促進する効果があ
る。
【0051】そして、多孔状筒体5において多孔部TB
を構成する多数の糠排出孔13aは、長孔形状に設けら
れており、多孔状筒体5と研米ロールとの間の通路(研
米室)内を螺旋状に移動する穀粒の移動方向に対して、
その長手方向が交差する方向となるように、所謂、逆目
式に形成されている。詳述すると、研米室内において、
穀粒は、抵抗付与部Eにより移送に抵抗が付与された状
態で搬送スクリュー11による上方に向かう搬送作用が
加わり、且つ、上下軸芯周りで回転駆動される研米ロー
ルRの回転作用によって、図9に示すように、回転方向
に対して斜め上方に向かう成分を有する螺旋状の移動方
向となる状態で移送されることになる。従って、研米用
電動モータM2、搬送スクリュー11、抵抗付与部E等
により移送手段が構成されることになる。そして、この
ような穀粒の移動方向に対して、前記糠排出孔13a
は、その長手方向が穀粒移動方向に対して交差する方向
となるように形成され、且つ、長手方向と穀粒移動方向
との交差角度が穀粒の処理量の変化に対する駆動負荷の
変動が少なくなるような角度に設定されている。このよ
うに、多数の長孔状の糠排出孔13aは、その長手方向
が穀粒の移動方向に対して交差する方向に沿うように形
成されているから、穀粒の移動に対してその移動に抵抗
を与えるべく作用することになる。従って、前記排出抵
抗を大きくさせなくても、前記糠排出孔13aによる作
用によって移送抵抗が付与されて螺旋状に移動する穀粒
に対する移動抵抗が大きくなり、このように移動に抵抗
が付与されて穀粒の移動が停止保持されやすい状態でブ
ラシによる研米機能を充分に発揮しやすいものにでき
る。しかも、前記交差角度が、穀粒の処理量の変化に対
する駆動負荷の変動が少なくなるような角度に設定され
ているので、つまり、穀粒の処理量が変化しても、上記
したような長孔状の糠排出孔による穀粒の移動を抑制す
る作用が有効に発揮しやすいものとして前記交差角度が
設定されていることになる。その結果、処理量が大にな
っても前記排出抵抗を大にして加圧力を大きくさせなく
ても、長孔状の糠排出孔による穀粒への移動抑制作用が
有効に発揮して、適正な研米処理を行うことができる。
【0052】本出願人の実験結果による具体的な数値を
用いて説明すると、図9において、研米ロールの回転方
向(水平方向)の角度を「0°」として、回転軸芯に沿
う方向の角度を「90°」とすると、例えば、概ね「4
5°」〜「60°」の範囲の角度になるように糠排出孔
13aの長手方向の向きを設定すると、良好な結果が得
られた。尚、穀粒の移動方向としては、概ね「135
°」〜「150°」程度の角度が想定され、結果的に、
前記交差角度としては、ほぼ直交する方向に設定すると
良好な結果が得られたことになる。尚、図9では「60
°」のものを示している。移動方向に交差する角度と
は、穀粒の移動方向として、「90°」〜「180°」
の角度範囲として、「0°」〜「90°」の角度範囲に
対応するようにしている。但し、上記数値は例示であ
り、本願発明は例示した具体的な数値に限定されるもの
ではない。
【0053】尚、研米対象となる穀粒の種類、例えば、
糠層が硬い種類であるか、軟かい種類であるか等、穀粒
の性状の違いに応じて、適宜、前記糠排出孔13aの長
手方向の向きが異なる多孔状筒体5、例えば、上記角度
が「45°」〜「60°」のうちのいずれかに設定され
た複数の多孔状筒体5を用意して、それらの中から適切
なものに付け替えて組み付ける構成としている。又、前
記糠排出孔13aの長手方向の向きは一定としながら、
つまり、多孔状筒体5を付け替えることなく、抵抗付与
部Eの加圧力を変更させることで、穀粒の移動方向その
ものを変更させて相対的な交差角度を変更させるように
してもよい。
【0054】前記各糠排出孔13aにおける研米室40
側の孔周縁部は、図7に示すように、断面形状が丸みを
帯びた形状となるように形成されており、例えば、この
孔周縁部が尖った角部にて構成されていると、この角部
にて穀粒表面を削り取る作用が生じるおそれがあるが、
このような作用が生じないようにしている。尚、前記各
糠排出孔13aは、その長手方向の幅が約13mmであ
り、横幅は約1mmの大きさに形成されており、1mm
より少し大きめである穀粒の短方向の幅よりも少しだけ
狭くなるように構成して、穀粒に有効に移動抵抗を付与
することができるようにしている。
【0055】次に、通風部Fについて説明する。糠排出
シュート部4bに対して、前記吸引装置116の吸引口
を接続してあり、軸支用円筒状部4cに給気路30を連
通接続し、圧送ファン31の吐き出し口を給気路30に
接続してある。給気路30には、圧送ファン31にて圧
送する風量を調整するダンパ32を介装してある。そし
て、吸引装置116及び圧送ファン31を作動させる
と、吸引装置116及び圧送ファン31の協働により、
図2中において実線矢符にて示すように、圧送ファン3
1から圧送された空気は、給気路30、空気溜まり部3
3、通気孔8a、通気路H、通気孔41a、44fを順
次通流して、ブラシ42に対してその植毛方向に噴出
し、更に、研米室40、糠排出孔13aが形成されてい
る多孔部TB、糠回収室7、糠排出シュート部4bを順
次通流して、吸引装置116の吐き出し口から外部に排
出され、それと並行して、研米室3にて搗精処理に伴っ
て米粒から分離された糠及びブラシ42が磨耗して分離
された残滓等も排出される。従って、前記研米ロールR
の内部から径方向外方側に向けて通気させるとともに、
前記多孔状筒体5の外方側から吸気させて、糠を多孔状
筒体の外部に排出する構成となっている。
【0056】次に、研米処理の手順について次に説明す
る。供給部Aから供給された穀粒は、抵抗付与部Eによ
り移送に抵抗が付与された状態で、搬送スクリュー11
によって研米ロール41と多孔状筒体5との間の研米用
通路に沿って移送されながら、研米ロール41の外周部
に設けたブラシ42の先端が穀粒の表面に押し付けられ
て、そのブラッシング作用によって糠が擦り取られて研
米が行われることになる。尚、このとき、研米室内を螺
旋状に移送される穀粒に対して、その長手方向が穀粒移
動方向に対して交差する方向となるように各糠排出孔1
3aが形成された多孔部によって、局所的に圧力が上昇
することなく、圧力分布を均一化させた状態で研米室の
ほぼ全域において移送の抵抗が付与されることになり、
ブラシによる研米作用が有効に行われることになる。
尚、研米作用によってブラシ42が磨耗して残滓が生じ
るが、その残滓は、吸引装置116及び圧送ファン31
による通風により糠とともに排出される。又、ダンパ3
2の調整によって、吸引装置116にて吸引される風量
が、圧送ファン31にて圧送される風量よりも大になる
ように調整して、研米室3内を負圧に保つように構成し
てあり、通気孔22やその他の溝間からも空気が吸い込
まれるようになっている。
【0057】〔別実施形態〕 (1)上記実施形態では、研米システムとして、前記3
台の研米装置がすべて同じ構成としたが、このような構
成に代えて次のように構成してもよい。
【0058】例えば、図1に示す3台の研米装置のうち
先に研米処理するもの、例えば、第1番目に研米処理す
る1台の研米装置、あるいは、第1番目及び第2番目に
研米処理する2台の研米装置を次のように構成してもよ
い。この研米装置は、上記実施形態の研米装置とは、多
孔状筒体5の構成だけが異なり、その他の構成は同じで
あるから、異なる部分(多孔状筒体)だけについて構成
を説明する。この多孔状筒体5は、除去された糠を外部
に排出させるための多孔部TBを備えるとともに、多孔
状筒体の軸芯方向及び周方向の一部に穀粒の表面に対し
て研削機能を発揮する砥石部材60を備えさせた状態で
構成されている。つまり、図11に示すように、前記多
孔部TBと砥石部材60とが周方向に交互に配置して構
成され、その多孔部TB及び砥石部材60は軸芯方向の
ほぼ全域にわたる状態で形成されている。しかも、前記
多孔部TBは、図10に示すように、多数の糠排出孔1
3aが、前記螺旋状に移動する穀粒の移動方向Qに沿う
方向に長い長孔状に形成される、所謂、順目式の多孔部
として構成されている。
【0059】そして、このような順目式の研米装置にて
研米処理された穀粒を、上記実施形態にて説明したよう
な研米装置にて研米処理するように、それらが直列状態
で接続されている。このような構成により、例えば、糠
層が厚い穀粒や糠層が硬い穀粒等を研米する場合、糠層
を砥石部材によって削り取ることで効率よく研米処理を
実行した後に、上記実施形態にて説明したように研米処
理を行うことができる。
【0060】(2)上記実施形態では、ブラシとして合
成樹脂に砥粒を保持させた材料にて構成する場合を例示
したが、このような構成に限らず、例えば、ステンレス
等の金属材を用いて0.4mm以下の直径の細長い形状
としてブラシを構成するものであってもよく、その他の
材質で構成してもよい。要するに、穀粒表面の糠を擦り
取る作用を発揮できる構成であればよい。
【0061】(3)上記実施形態では、多孔状筒体が、
多角形状に構成されて、その周方向の一部に滑性のある
部材として鉄製の取付部材50を備える構成としたが、
このような鉄製の取付部材50に代えて、例えば、表面
を研磨した木材や他の材質の部材でもよく、材質は限定
されない。又、このような滑性のある部材を設けずに、
例えば、図13に示すように、全周囲にわたり多孔部T
Bを備えて構成されるものでもよい。
【0062】(4)上記実施形態では、多孔状筒体5
が、多角形状に構成される場合を例示したが、例えば、
図12に示すように、円筒形状に構成するものでもよ
い。このように構成すると、研米ロールRの回転に伴っ
て脈動が発生せず、振動等が発生せず運転状態が安定す
るとともに、穀粒の移動するに対する摩擦抵抗が少なく
なり、しかも、交差させた糠排出孔13aによる抵抗付
与の作用を全周にわたり均等に作用させやすい利点があ
る。
【0063】(5)上記実施形態では、多孔状筒体5が
半筒形状の部材5Aを2つ合わせる構成としたが、一体
的に筒形状に構成されるものでもよく、あるいは、3個
以上の部材を合わせて構成するものでもよい。
【0064】(6)上記実施形態では、研米システムと
して、上記構成の研米装置を3台、直列接続させて構成
する場合を例示したが、2台あるいは4台以上、直列接
続する構成でもよく、あるいは、研米装置を1台だけで
構成してもよい。この場合、図14に示すように、穀粒
排出部Dに、外部への排出用シュート21の反対側箇所
に、供給部Aにおけるホッパ17に再度、還元させるた
めの還元用シュート61を備えさせ、排出室形成用の円
筒状ケーシング部19に、前記排出用シュート21への
穀粒を排出を許容する状態と、還元用シュート61への
穀粒を排出を許容する状態とに切り換え自在なシャッタ
ー板62を設ける構成とし、研米処理が充分でなけれ
ば、還元させて再度、研米処理を行うような構成として
もよい。
【0065】(7)上記実施形態では、抵抗付与部が、
電動モータを用いて付勢力を変更調節する構成とした
が、このような構成に代えて、手動調節にて調節する構
成としてもよい。
【0066】(8)上記実施形態では、圧送ファンと、
吸引装置とを備えて、前記研米ロールの内部から径方向
外方側に向けて通気させるとともに、多孔状筒体の外方
側から吸気させて糠を多孔状筒体の外部に排出するよう
に構成したが、このような構成に限らず、圧送ファン
と、吸引装置のうちいずれか一方だけを備えて、前記研
米ロールの内部から径方向外方側に向けて通気させるだ
けで糠を多孔状筒体の外部に排出する構成や、前記多孔
状筒体の外方側から吸気させるだけで糠を前記多孔状筒
体の外部に排出する構成等であってもよい。又、このよ
うな構成に関連して、前記研米ロールの内部から径方向
外方側に向けて送気させる通気孔として、ブラシの間に
形成する上記実施形態に限らず、図15に示すように、
筒状回転体41のブラシベース44配設箇所の中間位置
に通気孔70を形成してもよく、図16に示すように、
ブラシの間に形成する通気孔41aとブラシ中間位置に
形成する通気孔70とを両方設けるものでもよい。
【0067】(9)上記実施形態では、前記多孔状筒体
がその筒軸芯が上下方向に沿うように設けられ、前記ブ
ラシ回転体が上下軸芯周りで回転駆動される構成とした
が、このような構成に限らず、前記前記多孔状筒体がそ
の筒軸芯が水平方向に沿うように設けて、その内部で前
記ブラシ回転体が水平軸芯周りで回転駆動される、所
謂、横型の研米装置にて実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】研米システムを示す概略構成図
【図2】研米装置の縦断正面図
【図3】研米部の横断平面図
【図4】ブラシベースの側面図
【図5】抵抗付与部の縦断側面図
【図6】研米部の要部の横断平面図
【図7】多孔状筒体の一部断面図
【図8】多孔状筒体の分解斜視図
【図9】糠排出孔と穀粒移動方向との関係を示す図(逆
目式)
【図10】糠排出孔と穀粒移動方向との関係を示す図
(順目式)
【図11】別実施形態の研米部の横断平面図
【図12】別実施形態の研米部の横断平面図
【図13】別実施形態の研米部の横断平面図
【図14】別実施形態の排出部の側面図
【図15】別実施形態の研米ロールの横断平面図
【図16】別実施形態の研米ロールの横断平面図
【符号の説明】
1 穀粒受入口 2 穀粒排出口 5 多孔状筒体 13a 糠排出孔 42 ブラシ 50 滑性のある部材 R ブラシ回転体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩堂 保郎 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 4D043 DA06 DK02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除去された糠を外部に排出させるための
    多孔部が形成された多孔状筒体の内部に、それの長手方
    向に沿う軸心周りで駆動回転自在に、外周部に研米用の
    ブラシを備えたブラシ回転体が設けられて、それらの間
    に、研米用の穀粒を移送する筒状の移送経路が、一端側
    を穀粒受入口とし、他端側を穀粒排出口として形成さ
    れ、 前記穀粒排出口からの穀粒の排出に抵抗を付与した状態
    で、穀粒受入口から穀粒排出口に向けて且つ螺旋状に移
    動させながら、研米対象の穀粒を前記移送経路を通して
    移送する移送手段が設けられて、 前記移送経路を通して研米対象の穀粒を移送するに伴っ
    て、穀粒表面部の糠を除去するように構成された研米装
    置であって、 前記多孔状筒体の前記多孔部には、多数の糠排出孔が、
    前記螺旋状に移動する穀粒の移動方向と交差する方向に
    長い長孔状に形成されている研米装置。
  2. 【請求項2】 前記ブラシが合成樹脂にて構成されてい
    る請求項1記載の研米装置。
  3. 【請求項3】 前記ブラシが、前記合成樹脂に砥粒を保
    持させて構成されている請求項2記載の研米装置。
  4. 【請求項4】 前記多孔状筒体が、前記多孔部を軸芯方
    向並びに周方向の略全範囲にわたる状態で備えて構成さ
    れている請求項1〜3のいずれか1項に記載の研米装
    置。
  5. 【請求項5】 前記多孔状筒体が、その周方向の一部に
    滑性のある部材を備えて構成されている請求項4記載の
    研米装置。
  6. 【請求項6】 前記ブラシ回転体の内部から径方向外方
    側に向けて通気させて、糠を前記多孔状筒体の外部に排
    出するように構成されている請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の研米装置。
  7. 【請求項7】 前記多孔状筒体の外方側から吸気させ
    て、糠を前記多孔状筒体の外部に排出するように構成さ
    れている請求項1〜5のいずれか1項に記載の研米装
    置。
  8. 【請求項8】 前記ブラシ回転体の内部から径方向外方
    側に向けて通気させるとともに、前記多孔状筒体の外方
    側から吸気させて、糠を多孔状筒体の外部に排出するよ
    うに構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の研米装置。
  9. 【請求項9】 前記移送経路内を螺旋状に移動する前記
    穀粒の移動方向と、前記長孔状の糠排出孔の長手方向と
    の交差角度が、穀粒の処理量の変化に対する駆動負荷の
    変動が少なくなるような角度に設定されている請求項1
    〜8のいずれか1項に記載の研米装置。
  10. 【請求項10】 前記交差角度が変更自在に構成されて
    いる請求項9記載の研米装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の研米装置の複数が、研米処理を順次実行するように直
    列状態で接続されている研米システム。
  12. 【請求項12】 除去された糠を外部に排出させるため
    の多孔部が形成された多孔状筒体の内部に、それの長手
    方向に沿う軸心周りで駆動回転自在に、外周部に研米用
    のブラシを備えたブラシ回転体が設けられて、それらの
    間に、研米用の穀粒を移送する筒状の移送経路が、一端
    側を穀粒受入口とし、他端側を穀粒排出口として形成さ
    れ、前記穀粒排出口からの穀粒の排出に抵抗を付与した
    状態で、穀粒受入口から穀粒排出口に向けて且つ螺旋状
    に移動させながら、研米対象の穀粒を前記移送経路を通
    して移送する移送手段が設けられて、前記移送経路を通
    して研米対象の穀粒を移送するに伴って、穀粒表面部の
    糠を除去するように構成され、前記多孔状筒体の前記多
    孔部には、多数の糠排出孔が、前記螺旋状に移動する穀
    粒の移動方向に沿う方向に長い長孔状に形成され、且
    つ、前記多孔状筒体には、その周方向の一部に穀粒の表
    面に対して研削機能を発揮する砥石部材を備えさせた順
    目式の研米装置が設けられ、 前記順目式の研米装置にて研米処理された穀粒を、請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の研米装置にて研米処
    理するように、それらが直列状態で接続されて構成され
    ている研米システム。
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