JP2000353344A - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
光磁気記録媒体の製造方法Info
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- JP2000353344A JP2000353344A JP11165003A JP16500399A JP2000353344A JP 2000353344 A JP2000353344 A JP 2000353344A JP 11165003 A JP11165003 A JP 11165003A JP 16500399 A JP16500399 A JP 16500399A JP 2000353344 A JP2000353344 A JP 2000353344A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 記録層により微小な磁区を安定に記録す
ることが可能となる光磁気記録媒体を得る。 【解決手段】 レーザー光照射によって作られた温度勾
配により磁壁の移動が生じる膜面に垂直な方向に磁化容
易軸を持つ第一の磁性層3と,室温に於いて安定に記録
マークが存在するに充分な保磁力を有し,レーザー光照
射による熱と外部磁界によって記録の行われる膜面に垂
直な方向に磁化容易軸を持つ第三の磁性層5と,前記第
一の磁性層3および第三の磁性層5間の交換相互作用を
制御する第二の磁性層4とを有してなる光磁気記録媒体
10に於いて、前記第三の磁性層5をArガス圧力7.5mTo
rr以上で成膜することを特徴とする光磁気記録媒体の製
造方法。
ることが可能となる光磁気記録媒体を得る。 【解決手段】 レーザー光照射によって作られた温度勾
配により磁壁の移動が生じる膜面に垂直な方向に磁化容
易軸を持つ第一の磁性層3と,室温に於いて安定に記録
マークが存在するに充分な保磁力を有し,レーザー光照
射による熱と外部磁界によって記録の行われる膜面に垂
直な方向に磁化容易軸を持つ第三の磁性層5と,前記第
一の磁性層3および第三の磁性層5間の交換相互作用を
制御する第二の磁性層4とを有してなる光磁気記録媒体
10に於いて、前記第三の磁性層5をArガス圧力7.5mTo
rr以上で成膜することを特徴とする光磁気記録媒体の製
造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,レーザー光等の光
を照射することにより情報の記録再生を行う光磁気記録
媒体及びその製造方法に関するものである。
を照射することにより情報の記録再生を行う光磁気記録
媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録方式は,フェリ磁性薄膜を局
部的にキュリ−点または補償点近傍にまで昇温し,この
部分の保磁力を減少させて,外部からの印加記録磁界の
方向に磁化の向きを反転させることを基本原理とするも
のである。磁化の反転した部分すなわち情報ビットは磁
区を形成し,それを磁気カ−効果によって読み出す光磁
気記録再生に於いては,記録密度の向上のためには,記
録ビット長の短縮化すなわち情報磁区の微小化を図るこ
とが必要となる。しかしながら,信号の再生分解能は,
ほとんど再生光学系の光源の波長λと対物レンズの開口
数NAで決まり,空間周波数2NA/λが再生限界とな
る。
部的にキュリ−点または補償点近傍にまで昇温し,この
部分の保磁力を減少させて,外部からの印加記録磁界の
方向に磁化の向きを反転させることを基本原理とするも
のである。磁化の反転した部分すなわち情報ビットは磁
区を形成し,それを磁気カ−効果によって読み出す光磁
気記録再生に於いては,記録密度の向上のためには,記
録ビット長の短縮化すなわち情報磁区の微小化を図るこ
とが必要となる。しかしながら,信号の再生分解能は,
ほとんど再生光学系の光源の波長λと対物レンズの開口
数NAで決まり,空間周波数2NA/λが再生限界とな
る。
【0003】そこで,記録密度を上げるために光源の波
長λを短くすることや,高NAレンズを用いて再生装置
のスポット光の径を小さくすることが考えられる。しか
しながら,現在実用レベルにあるレ−ザ−の波長は680n
m程度にすぎず,また、高NAレンズを用いると焦点深
度が浅くなり,レンズとディスクとの距離に精度が要求
され,光ディスクの製造精度が厳しくなる。したがっ
て,レンズのNAはあまり高くできず,実用化可能なレ
ンズNAはせいぜい0.6である。すなわち,光源の波長
λや対物レンズの開口数NAによる記録密度の向上には
限界がある。
長λを短くすることや,高NAレンズを用いて再生装置
のスポット光の径を小さくすることが考えられる。しか
しながら,現在実用レベルにあるレ−ザ−の波長は680n
m程度にすぎず,また、高NAレンズを用いると焦点深
度が浅くなり,レンズとディスクとの距離に精度が要求
され,光ディスクの製造精度が厳しくなる。したがっ
て,レンズのNAはあまり高くできず,実用化可能なレ
ンズNAはせいぜい0.6である。すなわち,光源の波長
λや対物レンズの開口数NAによる記録密度の向上には
限界がある。
【0004】そこで,この様な再生時の条件から規定さ
れる記録密度の問題点を解決するものとして,先に,特
開平6−290496号に於いて開示された記録媒体及
び信号の再生方法がある。この再生方法は,光磁気記録
媒体の記録層(第三の磁性層)の記録磁区を第二または
第二,第四の磁性層を介した交換結合力により第一の磁
性層である磁壁移動層に,室温に於いて転写し,再生時
のレ−ザ−光照射によるレーザースポット内の温度勾配
を利用してレーザースポット内での磁壁移動を起こし,
小さいマーク(磁区)を大きく拡大して再生することを
可能とし,これにより,上述の通常の再生分解能では再
生不可能な微小磁区の再生を行うことで,記録密度の飛
躍的な向上を図るものである。
れる記録密度の問題点を解決するものとして,先に,特
開平6−290496号に於いて開示された記録媒体及
び信号の再生方法がある。この再生方法は,光磁気記録
媒体の記録層(第三の磁性層)の記録磁区を第二または
第二,第四の磁性層を介した交換結合力により第一の磁
性層である磁壁移動層に,室温に於いて転写し,再生時
のレ−ザ−光照射によるレーザースポット内の温度勾配
を利用してレーザースポット内での磁壁移動を起こし,
小さいマーク(磁区)を大きく拡大して再生することを
可能とし,これにより,上述の通常の再生分解能では再
生不可能な微小磁区の再生を行うことで,記録密度の飛
躍的な向上を図るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,この磁
壁移動による磁区拡大再生を実現するためには,記録層
に微小マークが安定に記録保持されることが必要とな
る。しかるに,それに適した記録膜の作製方法につい
て,明確な指針は明らかにされていなかった。本発明
は,その成膜方法の具体的条件を明確化し,優れた磁壁
移動検出型光磁気記録媒体の製造方法を提供するもので
ある。
壁移動による磁区拡大再生を実現するためには,記録層
に微小マークが安定に記録保持されることが必要とな
る。しかるに,それに適した記録膜の作製方法につい
て,明確な指針は明らかにされていなかった。本発明
は,その成膜方法の具体的条件を明確化し,優れた磁壁
移動検出型光磁気記録媒体の製造方法を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は第1
の発明として、レーザー光照射によって作られた温度勾
配により磁壁の移動が生じる膜面に垂直な方向に磁化容
易軸を持つ第一の磁性層と,室温に於いて安定に記録マ
ーク(磁区)が存在するに充分な保磁力を有し,レーザ
ー光照射による熱と外部磁界によって記録の行われる膜
面に垂直な方向に磁化容易軸を持つ第三の磁性層と,前
記第一および第三の磁性層の間の交換相互作用(交換結
合力)を制御する第二の磁性層とを有してなる光磁気記
録媒体に於いて、前記第三の磁性層をArガス圧力7.5mTo
rr以上で成膜することを特徴とする光磁気記録媒体の製
造方法を、第2の発明として、レーザー光照射によって
作られた温度勾配により磁壁の移動が生じる膜面に垂直
な方向に磁化容易軸を持つ第一の磁性層と,室温に於い
て安定に記録マーク(磁区)が存在するに充分な保磁力
を有し,レーザー光照射による熱と外部磁界によって記
録の行われる膜面に垂直な方向に磁化容易軸を持つ第三
の磁性層と,前記第一および第三の磁性層の間の交換相
互作用(交換結合力)を制御する第二,第四の磁性層と
を有してなる光磁気記録媒体に於いて、前記第三の磁性
層をArガス圧力7.5mTorr以上で成膜することを特徴とす
る光磁気記録媒体の製造方法をそれぞれ提供するもので
ある。
の発明として、レーザー光照射によって作られた温度勾
配により磁壁の移動が生じる膜面に垂直な方向に磁化容
易軸を持つ第一の磁性層と,室温に於いて安定に記録マ
ーク(磁区)が存在するに充分な保磁力を有し,レーザ
ー光照射による熱と外部磁界によって記録の行われる膜
面に垂直な方向に磁化容易軸を持つ第三の磁性層と,前
記第一および第三の磁性層の間の交換相互作用(交換結
合力)を制御する第二の磁性層とを有してなる光磁気記
録媒体に於いて、前記第三の磁性層をArガス圧力7.5mTo
rr以上で成膜することを特徴とする光磁気記録媒体の製
造方法を、第2の発明として、レーザー光照射によって
作られた温度勾配により磁壁の移動が生じる膜面に垂直
な方向に磁化容易軸を持つ第一の磁性層と,室温に於い
て安定に記録マーク(磁区)が存在するに充分な保磁力
を有し,レーザー光照射による熱と外部磁界によって記
録の行われる膜面に垂直な方向に磁化容易軸を持つ第三
の磁性層と,前記第一および第三の磁性層の間の交換相
互作用(交換結合力)を制御する第二,第四の磁性層と
を有してなる光磁気記録媒体に於いて、前記第三の磁性
層をArガス圧力7.5mTorr以上で成膜することを特徴とす
る光磁気記録媒体の製造方法をそれぞれ提供するもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,図面を用いて本発明を詳し
く説明する。図1、図2は、本発明になる光磁気記録媒
体の製造方法で製造された光磁気記録媒体の層構成の一
実施態様を示す模式的断面図である。本発明に於ける光
磁気記録媒体10は,図1または図2に示すように,ガ
ラス板またはポリカーボネイト等の光透過性基板1上
(同図中ではその下面)に,保護膜または多重干渉膜と
なる透明な第1の誘電体層(膜)2を介して第一,第
二,第三または第一,第二,第三,第四の磁性層(薄
膜)3,4,5または3,4,6,5を,真空中で例え
ば連続スパッタリング等により順次積層した三層3,
4,5または四層3,4,6,5の磁性層(膜)を形成
し,さらにこの第三の磁性層5または6上(同図中では
その下面)に保護膜となる非磁性金属膜あるいは誘電体
層(膜)より成る第2の誘電体層6または7を形成し,
さらに,必要に応じてその上(同図中ではその下面)
に,UV硬化樹脂等による保護層(膜)7または8を形
成してなるものである。レーザー光等の照射は光透過性
基板1側から行われる。
く説明する。図1、図2は、本発明になる光磁気記録媒
体の製造方法で製造された光磁気記録媒体の層構成の一
実施態様を示す模式的断面図である。本発明に於ける光
磁気記録媒体10は,図1または図2に示すように,ガ
ラス板またはポリカーボネイト等の光透過性基板1上
(同図中ではその下面)に,保護膜または多重干渉膜と
なる透明な第1の誘電体層(膜)2を介して第一,第
二,第三または第一,第二,第三,第四の磁性層(薄
膜)3,4,5または3,4,6,5を,真空中で例え
ば連続スパッタリング等により順次積層した三層3,
4,5または四層3,4,6,5の磁性層(膜)を形成
し,さらにこの第三の磁性層5または6上(同図中では
その下面)に保護膜となる非磁性金属膜あるいは誘電体
層(膜)より成る第2の誘電体層6または7を形成し,
さらに,必要に応じてその上(同図中ではその下面)
に,UV硬化樹脂等による保護層(膜)7または8を形
成してなるものである。レーザー光等の照射は光透過性
基板1側から行われる。
【0008】第一,第二,第三または第一,第二,第
三,第四の磁性層3,4,5または3,4,6,5は,
垂直方向(膜面に垂直な方向)に磁化容易軸を持つ膜,
いわゆる垂直磁化膜で,重希土類-鉄族金属から成るア
モルファス薄膜である。レーザー光に依る記録および再
生時の昇温状態を考慮して,第一,第二,第三の磁性層
3,4,5のキュリー温度は,それぞれ,約500K,約44
0K,約550K,または第一,第二,第三,第四の磁性層
3,4,6,5のキュリー温度は,それぞれ,約530K,
約420K,約580K,約430Kであることが望ましい。磁壁移
動層となる第一の磁性層3は,磁壁移動が容易に起こり
得るために,異方性および保磁力が小さい膜であること
が必要で,そのためにGd(ガドリュウム)-Fe膜をベー
スとする材料を使用することが望ましい。なお,第一の
磁性層3のキュリー温度の調節は,これらの磁気特性を
大きく変化させることのない非磁性元素の添加により行
うことが望ましい。
三,第四の磁性層3,4,5または3,4,6,5は,
垂直方向(膜面に垂直な方向)に磁化容易軸を持つ膜,
いわゆる垂直磁化膜で,重希土類-鉄族金属から成るア
モルファス薄膜である。レーザー光に依る記録および再
生時の昇温状態を考慮して,第一,第二,第三の磁性層
3,4,5のキュリー温度は,それぞれ,約500K,約44
0K,約550K,または第一,第二,第三,第四の磁性層
3,4,6,5のキュリー温度は,それぞれ,約530K,
約420K,約580K,約430Kであることが望ましい。磁壁移
動層となる第一の磁性層3は,磁壁移動が容易に起こり
得るために,異方性および保磁力が小さい膜であること
が必要で,そのためにGd(ガドリュウム)-Fe膜をベー
スとする材料を使用することが望ましい。なお,第一の
磁性層3のキュリー温度の調節は,これらの磁気特性を
大きく変化させることのない非磁性元素の添加により行
うことが望ましい。
【0009】また、第二,第四の磁性層4,5は,Tb
(テルビュウム)-Fe膜、またはDy(ディスプロシュウ
ム)-Feをベースとして構成される垂直磁化膜であり,
本出願人の先願である特願平10-216920号明細書に開示
した理由により、その組成が補償組成近傍の組成である
ことが望ましい。なお,第二,第四の磁性層4,5のキ
ュリー温度の調節は,これらの磁気特性を大きく変化さ
せることのない非磁性元素の添加により行うことが望ま
しい。
(テルビュウム)-Fe膜、またはDy(ディスプロシュウ
ム)-Feをベースとして構成される垂直磁化膜であり,
本出願人の先願である特願平10-216920号明細書に開示
した理由により、その組成が補償組成近傍の組成である
ことが望ましい。なお,第二,第四の磁性層4,5のキ
ュリー温度の調節は,これらの磁気特性を大きく変化さ
せることのない非磁性元素の添加により行うことが望ま
しい。
【0010】それに対し,記録情報を保持するメモリー
層となる第三の磁性層5または6は,室温に於いて安定
に記録マーク(磁区)が存在するに充分な保磁力を有
し,かつ記録に適したキュリー温度を持つ膜であること
が必要で,そのためにTb-Fe-Co膜をベースとする材料を
使用することが望ましい。また,第三の磁性層5または
6のキュリー温度の調節は,これらの磁気特性を大きく
変化させることのない非磁性元素の添加により行うこと
が望ましい。
層となる第三の磁性層5または6は,室温に於いて安定
に記録マーク(磁区)が存在するに充分な保磁力を有
し,かつ記録に適したキュリー温度を持つ膜であること
が必要で,そのためにTb-Fe-Co膜をベースとする材料を
使用することが望ましい。また,第三の磁性層5または
6のキュリー温度の調節は,これらの磁気特性を大きく
変化させることのない非磁性元素の添加により行うこと
が望ましい。
【0011】図3は,Tb-Fe-Co膜の保磁力エネルギーの
成膜Arガス圧依存性をいくつかの下地誘電体層の成膜条
件に対し比較したグラフである。成膜Arガス圧が高くな
るにつれて保磁力エネルギーが大きくなることがわか
る。記録された微小磁区が,安定に存在するためには,
保磁力エネルギーが大きいことが必要であり,そのため
には,成膜時のArガス圧を高くすることが,必要である
ことがわかる。
成膜Arガス圧依存性をいくつかの下地誘電体層の成膜条
件に対し比較したグラフである。成膜Arガス圧が高くな
るにつれて保磁力エネルギーが大きくなることがわか
る。記録された微小磁区が,安定に存在するためには,
保磁力エネルギーが大きいことが必要であり,そのため
には,成膜時のArガス圧を高くすることが,必要である
ことがわかる。
【0012】図4は,Tb-Fe-Co膜の実効的異方性の成膜A
rガス圧依存性をいくつかの下地誘電体層の成膜条件に
対し比較したグラフである。成膜Arガス圧が高くなるに
つれて実効的異方性は,若干小さくなる傾向にあること
がわかる。記録された微小磁区が,より安定に存在する
ためには,記録された磁区の磁壁厚さが薄いことが望ま
しいと言える。磁壁厚さは,異方性の平方根の逆数に比
例するため,異方性は大きいほうが望ましいことにな
る。しかしながら,保磁力エネルギーと異方性は,独立
に制御できるファクターではないため,最適条件を議論
するためには,異方性と保磁力エネルギーの比に注目す
べきである。
rガス圧依存性をいくつかの下地誘電体層の成膜条件に
対し比較したグラフである。成膜Arガス圧が高くなるに
つれて実効的異方性は,若干小さくなる傾向にあること
がわかる。記録された微小磁区が,より安定に存在する
ためには,記録された磁区の磁壁厚さが薄いことが望ま
しいと言える。磁壁厚さは,異方性の平方根の逆数に比
例するため,異方性は大きいほうが望ましいことにな
る。しかしながら,保磁力エネルギーと異方性は,独立
に制御できるファクターではないため,最適条件を議論
するためには,異方性と保磁力エネルギーの比に注目す
べきである。
【0013】図5は,Tb-Fe-Co膜の保磁力エネルギーと
実効的異方性の比と成膜Arガス圧の関係をいくつかの下
地誘電体層の成膜条件に対し比較したグラフである。成
膜Arガス圧が高くなるにつれて保磁力エネルギーと実効
的異方性の比が大きくなることがわかる。したがって,
記録された微小磁区が,安定に存在するためには,成膜
時のArガス圧を高くすることが有効であることがわか
る。
実効的異方性の比と成膜Arガス圧の関係をいくつかの下
地誘電体層の成膜条件に対し比較したグラフである。成
膜Arガス圧が高くなるにつれて保磁力エネルギーと実効
的異方性の比が大きくなることがわかる。したがって,
記録された微小磁区が,安定に存在するためには,成膜
時のArガス圧を高くすることが有効であることがわか
る。
【0014】図6は,Tb-Fe-Co膜に0.4μmの記録マーク
を光変調記録し,通常の再生系で読み出した際のCNRを
成膜Arガス圧に対しプロットしたグラフである。CNR
が,成膜Arガス圧約7.5mTorr以上で上昇し,ほぼ一定の
値を示していることがわかる。以上より,記録層に微小
マークが安定に記録保持されるためには,記録層の成膜
ガス圧を7.5mTorr以上にすることが,好ましいと言え
る。
を光変調記録し,通常の再生系で読み出した際のCNRを
成膜Arガス圧に対しプロットしたグラフである。CNR
が,成膜Arガス圧約7.5mTorr以上で上昇し,ほぼ一定の
値を示していることがわかる。以上より,記録層に微小
マークが安定に記録保持されるためには,記録層の成膜
ガス圧を7.5mTorr以上にすることが,好ましいと言え
る。
【0015】
【発明の効果】上述の如く,本発明によれば,ビームス
ポット径より小さい磁区の再生を可能とする磁壁移動に
よる磁区拡大再生媒体の製造方法に於いて,記録層によ
り微小な磁区を安定に記録することが可能となる高密度
記録のための高性能な光磁気記録媒体を提供することが
可能となる。
ポット径より小さい磁区の再生を可能とする磁壁移動に
よる磁区拡大再生媒体の製造方法に於いて,記録層によ
り微小な磁区を安定に記録することが可能となる高密度
記録のための高性能な光磁気記録媒体を提供することが
可能となる。
【図1】本発明になる光磁気記録媒体の製造方法で製造
された光磁気記録媒体の層構成の一実施態様を示す模式
的断面図である。
された光磁気記録媒体の層構成の一実施態様を示す模式
的断面図である。
【図2】本発明になる光磁気記録媒体の製造方法で製造
された他の光磁気記録媒体の層構成の一実施態様を示す
模式的断面図である。
された他の光磁気記録媒体の層構成の一実施態様を示す
模式的断面図である。
【図3】Tb-Fe-Co膜の保磁力エネルギーの成膜Arガス圧
依存性をいくつかの下地誘電体層の成膜条件に対し比較
したグラフである。
依存性をいくつかの下地誘電体層の成膜条件に対し比較
したグラフである。
【図4】Tb-Fe-Co膜の実効的異方性の成膜Arガス圧依存
性をいくつかの下地誘電体層の成膜条件に対し比較した
グラフである。
性をいくつかの下地誘電体層の成膜条件に対し比較した
グラフである。
【図5】Tb-Fe-Co膜の保磁力エネルギーと実効的異方性
の比と成膜Arガス圧の関係をいくつかの下地誘電体層の
成膜条件に対し比較したグラフである。
の比と成膜Arガス圧の関係をいくつかの下地誘電体層の
成膜条件に対し比較したグラフである。
【図6】Tb-Fe-Co膜に0.4μmの記録マークを光変調記録
し,通常の再生系で読み出した際のCNRを成膜Arガス圧
に対しプロットしたグラフである。
し,通常の再生系で読み出した際のCNRを成膜Arガス圧
に対しプロットしたグラフである。
1 基板 2 第1の誘電体層 3 第1の磁性層 4 第2の磁性層 5 第3の磁性層 6 第2の誘電体層 7 保護層 10 光磁気記録媒体
Claims (2)
- 【請求項1】レーザー光照射によって作られた温度勾配
により磁壁の移動が生じる膜面に垂直な方向に磁化容易
軸を持つ第一の磁性層と,室温に於いて安定に記録マー
クが存在するに充分な保磁力を有し,レーザー光照射に
よる熱と外部磁界によって記録の行われる膜面に垂直な
方向に磁化容易軸を持つ第三の磁性層と,前記第一およ
び第三の磁性層の間の交換相互作用を制御する第二の磁
性層とを有してなる光磁気記録媒体に於いて、前記第三
の磁性層をArガス圧力7.5mTorr以上で成膜することを特
徴とする光磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】レーザー光照射によって作られた温度勾配
により磁壁の移動が生じる膜面に垂直な方向に磁化容易
軸を持つ第一の磁性層と,室温に於いて安定に記録マー
クが存在するに充分な保磁力を有し,レーザー光照射に
よる熱と外部磁界によって記録の行われる膜面に垂直な
方向に磁化容易軸を持つ第三の磁性層と,前記第一およ
び第三の磁性層の間の交換相互作用を制御する第二,第
四の磁性層とを有してなる光磁気記録媒体に於いて、前
記第三の磁性層をArガス圧力7.5mTorr以上で成膜するこ
とを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11165003A JP2000353344A (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 光磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11165003A JP2000353344A (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 光磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000353344A true JP2000353344A (ja) | 2000-12-19 |
Family
ID=15804006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11165003A Pending JP2000353344A (ja) | 1999-06-11 | 1999-06-11 | 光磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000353344A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002077987A1 (fr) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Hitachi Maxell, Ltd. | Support d'enregistrement magneto-optique et procede de reproduction |
US7092318B2 (en) | 2002-01-11 | 2006-08-15 | Victor Company Of Japan, Limited | Magneto-optical recording medium having a plurality of magnetic layers |
US7126884B2 (en) | 2002-01-11 | 2006-10-24 | Victor Company Of Japan, Limited | Magneto-optical recording medium having multiple magnetic layers |
-
1999
- 1999-06-11 JP JP11165003A patent/JP2000353344A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7092318B2 (en) | 2002-01-11 | 2006-08-15 | Victor Company Of Japan, Limited | Magneto-optical recording medium having a plurality of magnetic layers |
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