JP2000352818A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JP2000352818A
JP2000352818A JP08009227A JP922796A JP2000352818A JP 2000352818 A JP2000352818 A JP 2000352818A JP 08009227 A JP08009227 A JP 08009227A JP 922796 A JP922796 A JP 922796A JP 2000352818 A JP2000352818 A JP 2000352818A
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JP
Japan
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acid
printing plate
lithographic printing
photosensitive
acrylate
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JP08009227A
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English (en)
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Katsuko Ota
勝子 太田
Shigeo Tsuji
成夫 辻
Toshiaki Yokoo
敏明 横尾
Mitsuru Sasaki
充 佐々木
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Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジアゾ樹脂を感光成分として用いたネガ型感
光性平版印刷版において、印刷時にインキ中の湿し水過
多による印刷不良(水負け)を防ぐようなネガ型感光性
平版印刷版を提供しようとするものである。 【解決手段】 支持体上に感光層を有する感光性平版印
刷版において、該感光層が、(a)アルカリ可溶性また
は膨潤性の高分子化合物、(b)ジアゾ樹脂、(c)重
量平均分子量が10万〜40万であり下記一般式(I)
で表されるモノマーから誘導される構造単位を有する高
分子化合物、から成る感光性平版印刷版。 【化1】 CH2 =C(R1 )COO−R2 (I) (式中R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数8
〜16のアルキル基を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版に
関する。詳しくは、支持体上に、アルカリ可溶性または
膨潤性の高分子化合物、ジアゾ樹脂、及び特定の感脂性
樹脂から成る感光層を有するネガ型感光性平版印刷版に
関する。
【0002】
【従来の技術】ネガ型の感光性平版印刷版は、光照射を
受けることにより、感光層の露光部が硬化し、この結
果、アルカリや溶剤に対して不溶となる性質を利用して
画像を形成するものである。このようなネガ型平版印刷
版をオフセット印刷機上で印刷を行う際、良好な印刷物
を得るために印刷インキは水分と乳化させて使用され
る。印刷時には、つねにこの湿し水が印刷インキに供給
されており、印刷枚数が増えるにつれて、印刷インキ中
の水の含水率は徐々に増え、このため、感脂性、つまり
は撥水性である感光層はインキをはじくようになり、し
いては印刷物上のベタ部の濃度が薄くなり、印刷不良と
なるトラブルが発生することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みなされたものであり、ジアゾ樹脂を感光成分として
用いたネガ型感光性平版印刷版において、印刷時にイン
キ中の湿し水過多による印刷不良(水負け)を防ぐよう
なネガ型感光性平版印刷版を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決した、支持体上に感光層を有する感光性平版印刷版に
おいて、該感光層が、(a)アルカリ可溶性または膨潤
性の高分子化合物、(b)ジアゾ樹脂、(c)重量平均
分子量が10万〜40万であり下記一般式(I)で表さ
れるモノマーから誘導される構造単位を有する高分子化
合物、から成る感光性平版印刷版
【0005】
【化2】 CH2 =C(R1 )COO−R2 (I)
【0006】(式中R1 は水素原子またはメチル基、R
2 は炭素数8〜16のアルキル基を表す)を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明記載中のアルカリ可溶性または膨潤性の高分
子化合物は感光層を構成する際のバインダーとして機能
しうるものである(以下この高分子化合物をバインダー
と称す)。本発明において、アルカリ可溶性または膨潤
性の高分子化合物とは、アルカリ可溶性であるかまたは
アルカリ膨潤性であるものである。このような高分子化
合物は、1種または2種以上、任意に用いることができ
る。
【0008】本発明において、アルカリ可溶性とは、ア
ルカリ性溶液、例えば25℃におけるpHが12.0以
上である溶液中で、該溶液中に溶出して出ていくものを
いう。また、アルカリ膨潤性とは、アルカリ性の溶液中
において液分が浸透することにより体積が膨潤し、支持
体上に塗布形成した場合には、該支持体から剥離しやす
くなるものをいう。
【0009】上記のようなアルカリ可溶性または膨潤性
高分子化合物であれば、本発明において、任意に用いる
ことができる。例えば、ポリアミド、ポリエーテル、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウ
レタン、ポリビニルクロライド及びそのコポリマー、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、
シエラック、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル
樹脂等が挙げられる。
【0010】好ましくは、以下に示すモノマーの共重合
体であって、アルカリ可溶・膨潤性高分子化合物である
共重合体が挙げられる。芳香族水酸基を有するモノマ
ー、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルア
ミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリル
アミド、o−、m−、p−ヒドロキシスチレン、o−、
m−、p−ヒドロキシフェニル−アクリレートまたは−
メタクリレート。脂肪族水酸基を有するモノマー、例え
ば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは、2,2−
ジヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチ
ルアクリレート。アクリル酸、メタクリル酸、無水マレ
イン酸等のα,β−不飽和カルボン酸。アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル等の
アルキルアクリレート。メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル等のア
ルキルメタクリレート。アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、N−エチルアクリル
アミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−フェニルア
クリルアミド、N−ニトロフェニルアミド等の(メタ)
アクリルアミド類。エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。ビニル
アセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレー
ト、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。スチレン、
α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルス
チレン等のスチレン類。メチルビニルケトン、エチルビ
ニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケ
トン等のビニルケトン類。エチレン、プロピレン、イソ
ブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−
ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等。
【0011】更に好ましくは、N−(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタクリルアミド等のアクリルアミド類、アク
リロニトリル、アルキルアクリレート類、アクリル酸、
メタクリル酸が好ましい。尚、本発明の実施に際して、
用いる高分子化合物の分子量を特定するには、ポリスチ
レン標準によるGPCにより測定した分子量の値を用い
ることができる。即ち、重量平均分子量(Mw)の測定
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
法)によって行うことができ、数平均分子量(MN)お
よび重量平均分子量の算出は、“日本化学会誌”800
頁〜805頁(1972年)に記載の方法により、オリ
ゴマー領域のピークを均す(ピークの山と谷の中心線を
結ぶ)方法にて行うことができる。
【0012】本発明において用いることができるバイン
ダーの重量平均分子量は、1万以上10万未満のものが
好ましい。また、上記バインダーの酸価の値は、10〜
100が好ましい。本発明において、ジアゾ樹脂は、感
光性成分として用いられるものである。本発明において
使用できるジアゾ樹脂は、任意であるが、なかでも下記
一般式(II)または(III )で表される構造を有する感
光性化合物を用いるのが好ましい。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R3 は、水素原子、アルキル基、
またはフェニル基を表し、R4 、R5及びR6 は、それ
ぞれ、水素原子、アルコキシ基、またはアルキル基を表
し、Xは対アニオンを表し、Yは、−O−、−S−また
は−NH−を表す。)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R7 、R8 はそれぞれ、水素原
子、アルキル基、またはフェニル基を表し、R9
10、R11は、それぞれ水素原子、アルコキシ基、また
はアルキル基を表し、Xは対アニオンを表し、Yは、−
O−、−S−または−NH−を表し、Aは芳香族性基を
表す。)
【0017】上記一般式(III )において、Aで表され
る芳香族性基を与えるために用いることができる芳香族
化合物の具体例としては、m−クロロ安息香酸、ジフェ
ニル酢酸、フェノキシ酢酸、p−メトキシフェニル酢
酸、p−メトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香
酸、2,4−ジメチル安息香酸、p−フェノキシ安息香
酸、4−アニリノ安息香酸、4−(m−メトキシアニリ
ノ)安息香酸、4−(p−メチルベンゾイル)安息香
酸、4−(p−メチルアニリノ)安息香酸、フェノー
ル、(o,m,p)−クレゾール、キシレノール、レゾ
ルシン、2−メチルレゾルシン、(o,m,p)−メト
キシフェノール、m−メトキシフェノール、カテコー
ル、フロログルシン、p−ヒドロキシエチルフェノー
ル、ナフトール、ピロガロール、ヒドロキノン、p−ヒ
ドロキシベンジルアルコール、4−クロロレゾルシン、
ビフェニル−4,4′−ジオール、1,2,4−ベンゼ
ントリオール、ビスフェノールA、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン、p−ヒドロキシアセトフェノン、4,4−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルアミン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、クミルフェノール、(o,m,p)−ク
ロロフェノール、(o,m,p)−ブロモフェノール、
サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−メチル−4
−ヒドロキシ安息香酸、6−メチル−4−ヒドロキシ安
息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒ
ドロキシ安息香酸、4−クロロ−2,6−ジヒドロキシ
安息香酸、4−メトキシ−2,6−ジヒドロキシ安息香
酸、没食子酸、フロログルシンカルボン酸、p−ヒドロ
キシフェニル(メタ)アクリルアミド、桂皮酸、桂皮酸
エチル、p−ヒドロキシ桂皮酸、スチレン、(o,p)
−ヒドロキシスチレン、スチルベン、4−ヒドロキシス
チルベン、4−カルボキシスチルベン、4,4′−ジカ
ルボキシスチルベン、ジフェニルエーテル、ジフェニル
アミン、ジフェニルチオエーテル、4−メトキシジフェ
ニルエーテル、4−メトキシジフェニルアミン、4−メ
トキシジフェニルチオエーテル等を挙げることができ
る。
【0018】このうち特に好ましいものは、p−ヒドロ
キシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−ヒドロキシ
桂皮酸、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミ
ド、ジフェニルエーテル、4−メトキシジフェニルエー
テル、ジフェニルアミンである。上記一般式(II)及び
(III )で表されるジアゾ樹脂の構成単位とする芳香ア
ゾニウム化合物には、例えば特公昭49−48001号
に挙げられるようなジアゾニウム塩をもちいることがで
きるが、特に、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩
類が好ましい。ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩
類は、ジフェニルアミン類から誘導されるが、このよう
な4−アミノ−ジフェニルアミン類としては、4−アミ
ノジフェニルアミン、4−アミノ−3−メトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−2−メトキシジフェニルアミ
ン、4′−アミノ−2−メトキシジフェニルアミン、
4′−アミノ−4−メトキシジフェニルアミン、4−ア
ミノ−3−メチルジフェニルアミン、4−アミノ−3−
エトキシジフェニルアミン、4−アミノ−3(β−ヒド
ロキシエトキシ)ジフェニルアミン、4−アミノジフェ
ニルアミン−2−スルホン酸、4−アミノジフェニルア
ミン−2−カルボン酸、4−アミノジフェニルアミン−
2′−カルボン酸等を挙げることができる。
【0019】上記ジアゾ樹脂は、公知の方法、例えば、
フォトグラフィック・サイエンス・エンジニアリング
(Photo.Sci.Eng.)第17巻、第33頁
(1973)、米国特許第2063631号明細書に記
載の方法に従い、硫酸やリン酸あるいは塩酸中で芳香族
ジアゾニウム塩、Aで表される芳香族基を与える芳香族
化合物および活性カルボニル化合物、例えばパラホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドある
いはアセトン、アセトフェノンとを重合させることによ
って得られる。
【0020】また、一般式(III )においてAで表され
る芳香族性基を与える芳香族化合物と芳香族ジアゾ化合
物及び活性カルボニル化合物等はその相互の組み合わせ
は自由であり、さらに各々2種以上を混ぜて縮合するこ
とも可能である。Aで表される芳香族性基を与える芳香
族化合物と芳香族ジアゾニウム化合物の仕込みモル比
は、好ましくは、1:0.1〜0.1:1、より好まし
くは1:0.5〜0.2:1、さらに好ましくは1:1
〜0.2:1である。またこの場合Aで表される芳香族
性基を与える芳香族化合物及び芳香族ジアゾニウム化合
物の合計とアルデヒド類またはケトン類とをモル比で通
常好ましくは1:0.6〜1:1.5、より好ましく
は、1:0.7〜1:1.2で仕込み、低温で短時間、
たとえば3時間程度反応させることにより、ジアゾ樹脂
が得られる。
【0021】上記ジアゾ樹脂の対アニオンは、該ジアゾ
樹脂と安定に塩を形成し、かつ該樹脂を有機溶媒に可溶
となすアニオンを含む。このようなアニオンを形成する
ものとしては、デカン酸及び安息香酸等の有機カルボン
酸、フェニルリン酸等の有機リン酸及びスルホン酸を含
み、典型的な例としては、メタンスルホン酸、クロロエ
タンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、及
びアントラキノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒドロキシス
ルホン酸、4−アセチルベンゼンスルホン酸、ジメチル
−5−スルホイソフタレート等の脂肪族並びに芳香族ス
ルホン酸、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン等の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロリン
酸、テトラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス酸、過
塩素酸、過ヨウ素酸等の過ハロゲン酸等を挙げることが
できる。但しこれに限られるものではない。これらの中
で特に好ましいものは、ヘキサフルオロリン酸、メシチ
レンスルホン酸である。
【0022】本発明において、用いるジアゾ樹脂の分子
量には特に限定はなく、例えば、上記の共縮合ジアゾ樹
脂は、各単量体のモル比及び縮合条件を種々変えること
により、その分子量は任意の値として得ることができ
る。本発明においては、一般に、好ましくは、分子量が
約400乃至10000のものが有効使用でき、より好
ましくは、約800乃至5000のものが適当である。
【0023】本発明における成分(c)は下記一般式
(I)で表されるモノマーから誘導される構造単位を有
し、その重量平均分子量が10万〜40万である高分子
化合物であり、一般式(I)に表されるモノマーは、先
に述べた本発明の目的、すなわち印刷時に発生する水負
けと呼ばれる印刷不良を解消するためにもっとも重要な
構成成分である。
【0024】
【化5】 CH2 =C(R1 )COO−R2 (I)
【0025】(式中R1 は水素原子またはメチル基、R
2 は炭素数8〜16のアルキル基を表す) 上記一般式(I)のモノマーを用いて合成された共重合
体を感光層中に用いて平版印刷版を作成した場合に平版
印刷版の水負けと呼ばれる印刷不良の発生を防ぐことが
できる。本発明が前記した優れた効果を奏する理由は必
ずしも明らかではないが、一般的にアルキル基は炭素数
が増加するほど感脂性が向上することから、長鎖アルキ
ル基を有する上記モノマーを用いて合成された共重合体
も感脂性が十分保持され、しいては、水をよりはじき易
くすることにより、印刷インキ中に過多の水分が含まれ
てもトラブルなく印刷物を得ることができるものと推測
される。
【0026】この良好な性質を十分に発現させるために
上記記載のR2 は炭素数8〜16のアルキル基であり、
好ましくは炭素数8〜12のアルキル基である。また、
本発明に用いられるモノマーのアルキル鎖は、直鎖のも
のに限られるのでなく、側鎖を有するもので有っても良
い。これらのモノマーの具体例としては、n−オクチル
(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレー
ト、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル
(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレ
ート、n−ヘキサデシルアクリレート、7−メチルオク
チル(メタ)アクリレート、8−メチルノニルアクリレ
ート、6−メチルオクチルアクリレート、13−メチル
ペンタデシルアクリレート等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0027】本発明に好適に用いられる共重合体は上記
モノマーに重合可能な付加重合性不飽和化合物を共重合
させて得ることができる。付加重合性不飽和化合物とし
ては、上記一般式(I)の構造単位をもつモノマーと共
重合可能なもので、本発明を達成する限りにおいて特に
限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸アミド、炭素数7以下のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、ビニルエ
ーテル類、ビニルケトン類、スチレン類、オレフィン類
等の付加重合性不飽和結合を有する化合物から選ばれ
る。具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロ
キシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘ
キシル(メタ)アクリレート、o−、m−、p−ヒドロ
キシフェニル(メタ)アクリレート、o−、m−、p−
ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、o−、m
−、p−ヒドロキシ安息香酸ビニル、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、エチル
ビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、スチレン、メチルスチレン、メチ
ルビニルケトン、エチルビニルケトン、エチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、N−ビニルピロリドン、(メ
タ)アクリロニトリル等が挙げられる。
【0028】このうち、特に好ましいものは、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリル
アミドである。上記モノマーは、公知の合成法により容
易に得られる。公知の公報としては、例えば、西ドイツ
特許第1518572号、特公昭50−083320号
公報、特開昭63−37791号公報に記載の方法等が
挙げられる。
【0029】本発明においては、上記モノマーを用いて
合成された重量平均分子量10万から40万の共重合体
を使用する。重量平均分子量が10万以下であると、印
刷版として十分な撥水効果が得られず、また40万より
も大きくなるとアルカリ現像液に対する現像性が悪くな
るからである。また、上記一般式(I)で表される構造
単位の共重合体中に含まれる割合は3〜10モル%であ
ることが好ましい。
【0030】本発明の請求項(1)記載の感光性平版印
刷版(以下PS版と略す)の感光液中の成分(a)、
(b)、及び(c)の含有量は固形分濃度として、各々
75〜90、7〜15、3〜10重量%含まれているこ
とが望ましい。これは成分(a)は75重量%以上であ
ると印刷版としての塗膜性、耐久性に優れ、90重量%
以下であるとほかの諸成分との配合バランスにより、製
版性能が良好となるためである。また、成分(b)につ
いて7重量%以上であると感度が高く、作業性に優れ、
15重量%以下であると現像性が良好となるためであ
る。また成分(c)においては3重量%以上であると、
撥水効果が高く、10重量%以下であると、現像性が良
好となるためである。
【0031】本発明のPS版の感光層には、酸及び/ま
たは、酸無水物を含有することができる。この場合、感
光層に含有される酸は任意の有機酸、無機酸の中から任
意に選択できる。有機酸としては、モノカルボン酸、ポ
リカルボン酸等のカルボキシル基を少なくとも1個有す
る酸が好ましい。クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石
酸や、ポリアクリル酸(商品名ジュリマーとして市販さ
れているもの等)を好ましく用いることができる。
【0032】酸無水物を用いる場合の、酸無水物の種類
も任意であり、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息
香酸など、脂肪族あるいは芳香族モノカルボン酸から誘
導されるもの、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グ
ルタル酸、無水フタル酸など、脂肪族あるいは芳香族ジ
カルボン酸から誘導されるもの等を挙げることができ
る。
【0033】本発明の感光性平版印刷版に使用される感
光層には、色素、特に処理により有色から無色になる、
または変色する色素を含有させることができる。好まし
くは、有色から無色になる色素を含有させる。すなわ
ち、例えば、ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷
化学社製)、オイルブルー#603 (オリエント化学工
業社製)、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリ
ーン、エチルバイオレット、等に代表されるトリフェニ
ルメタン系、ジフェニルメタン系色素が、有色から無
色、あるいは無色から有色へと変色する色素の例として
挙げることができる。
【0034】とくに好ましくは、トリフェニルメタン
系、ジフェニルメタン系が有効に用いられ、さらに好ま
しくは、トリフェニルメタン系のビクトリアピュアブル
ーBOHが好ましい。上記変色剤は、感光層中に通常約
0.5〜10重量%含有することが望ましく、より好ま
しくは、約1〜5重量%含有させる。また本発明のPS
版中の感光層には、更に種々の添加剤を加えることがで
きる。
【0035】添加剤としては、例えば、塗布性を改良す
るためのアルキルエーテル類、フッ素界面活性剤類や、
露光時の可視画性を向上させるためにトリアジン系色素
などがあるが、これらの添加剤の添加量は、その使用対
象、目的によって異なるが、一般に好ましくは全固形分
に対して、0.01〜5重量%である。本発明のPS版
を得るためには、例えば、ジアゾ樹脂、バインダーとし
ての高分子化合物、撥水効果向上を目的に添加した特許
請求第1項記載の成分(c)たる高分子化合物、並びに
必要に応じ各種の添加剤の所定量を、適当な溶媒(メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブア
セテート、アセトン、メチルエチルケトン、メタノー
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、乳
酸メチル、水またはこれらの混合物等)中に溶解させ感
光液を調整し、これを支持体上に塗布、乾燥すればよ
い。塗布する際の感光液に固形分濃度は全塗布液の1〜
50重量%の範囲とすることが望ましい。
【0036】この場合、感光液の塗布量は、好ましくは
おおむね0.2〜10g/m2 程度とすれば良い。本発
明の感光層の支持体としては、種々のものが使用でき
る。例えば、アルミニウム板(砂目立てしたアルミニウ
ム板等)、鉄板、アルミ箔を接着したポリエチレンテレ
フタレートベース紙などを用いることができる。特にア
ルミニウム板が好ましい。しかし、アルミニウム板を無
処理のまま使用すると、感光性組成物の接着性が悪く、
また、感光性組成物が分解するという問題がある。
【0037】この問題をなくすために、従来、数々の提
案がなされている。例えば、アルミニウム板の表面を砂
目立てした後、ケイ酸塩で処理する方法(米国特許第2
714066号)、有機酸塩で処理する方法(米国特許
第2714066号)、ホスホン酸及びそれらの誘導体
で処理する方法(米国特許第3220832号)、ヘキ
サフルオロジルコン酸カリウムで処理する方法(米国特
許第2946683号)、陽極酸化する方法及び陽極酸
化後、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液で処理する方法
(米国特許第3181461号)等がある。
【0038】本発明の好ましい実施の態様においては、
アルミニウム板(アルミナ積層板を含む。以下同じ)
は、表面を脱脂した後、ブラシ研磨法、ボール研磨法、
化学研磨法、電解エッチング法等による砂目立てが施さ
れ、好ましくは、深くて均質な砂目の得られる電解エッ
チングで砂目立てされる。陽極酸化処理は例えばリン
酸、クロム酸、ホウ酸、硫酸等の無機塩もしくはシュウ
酸等の有機塩の単独、あるいはこれらの酸2種以上を混
合した水溶液中で、好ましくは硫酸水溶液中で、アルミ
ニウム板を陽極として電流を通じることによって行われ
る。陽極酸化被膜量は5〜60mg/dm2 が好まし
く、更に好ましくは5〜30mg/dm2 である。
【0039】本発明の実施に際し、封孔処理を行う場
合、好ましくは濃度0.1〜3%のケイ酸ナトリウム水
溶液に、温度80〜95℃で10秒〜2分間浸漬してこ
の処理を行う。より好ましくはその後に40〜95℃の
水に10秒〜2分間浸漬して処理する。本発明のPS版
は、従来の方法により感光され現像することができる。
すなわち、例えば、線画像、網点画像等を有する透明原
画を通して感光し、次いで、水性現像液で現像すること
により、原画に対してネガのリーフ像を得ることができ
る。露光に好適な光源としては、カーボンアーク灯、水
銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ストロ
ボ等が挙げられる。
【0040】画像露光されたPS版を現像する方法は任
意であり、例えば従来公知の様々な方法を用いることが
可能である。具体的には、画像露光されたPS版を現像
液中に浸漬する方法、PS版の感光層に対して多数のノ
ズルから現像液を噴出する方法、現像液が湿潤されたス
ポンジでPS版の感光層を拭う方法、PS版の感光層の
表面に現像液をローラー塗布する方法等、様々な方法を
用いることができる。またこのようにしてPS版の感光
層に現像液を与えた後、感光層の表面をブラシなどで軽
く擦ることもできる。PS版を現像処理する現像液は、
これを現像しうるものであれば、任意である。
【0041】好ましくは、特定の有機溶媒と、アルカリ
剤と、水とを必須成分として含有する現像液を用いるこ
とができる。ここに特定の有機溶媒とは、現像液中に含
有させたとき、感光層の非露光部(非画線部)を溶解な
いしは膨潤することができるものをいい、しかも常温
(20℃)において水に対する溶解度が10重量%以下
の有機溶媒が好ましい。このような有機溶媒としては、
上記のような特性を有するものでありさえすればよく、
以下のもののみに限定されるものではないが、これらを
例示するならば、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリ
コールモノブチルアセテート、酢酸ブチルのようなカル
ボン酸エステル;エチルブチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサンのようなケトン類;エチレン
グリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、n−アミル
アルコール、メチルアミルアルコールのようなアルコー
ル類;キシレンのようなアルキル置換芳香族炭化水素;
メチレンジクロライド、モノクロロベンゼンのようなハ
ロゲン化炭化水素などがある。これらの有機溶媒は1種
用いるのでも2種以上用いるのでも良い。これら有機溶
媒の中では、エチレングリコールモノフェニルエーテル
とベンジルアルコールが特に有効である。また、これら
有機溶媒の現像液中における含有量は、好ましくはおお
むね1〜20重量%であり、特に2〜10重量%にする
とより好ましい結果を得る。
【0042】他方、現像液中に含有される好ましいアル
カリ剤としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、
第二または第三リン酸ナトリウムまたはアンモニウム
塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたはアン
モニウム等の無機アルカリ剤;モノ、ジまたはトリメチ
ルアミン、モノ、ジ、またはトリエチルアミン、モノま
たはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、エチレ
ンイミン、エチレンジアミン等の有機アミン化合物等が
挙げられる。
【0043】これらアルカリ剤の現像液中における含有
量は0.05〜4重量%であることが好ましく、より好
ましくは0.5〜2重量%である。また、保存安定性、
耐刷性等をより向上させるためには、水溶性亜硫酸塩を
現像液中に含有させることが好ましい。このような水溶
性亜硫酸塩としては、亜硫酸のアルカリまたはアルカリ
土類金属塩が好ましく、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫
酸カリウム、亜硫酸イチウム、亜硫酸マグネシウム等が
ある。これらの亜硫酸塩の現像液組成物における含有量
は通常好ましくは0.05〜4重量%で、より好ましく
は0.1〜1重量%である。
【0044】かかる現像液を、現像露光後の感光性平版
印刷版と接触させたり、あるいは現像液により擦ったり
すれば、約10〜40℃にて10〜60秒後には、感光
層の露光部に悪影響を及ぼすことなく、非露光部の感光
層が完全に除去される。現像条件については、現像方法
に応じて適宜選ぶことができる。一例を示すと、例え
ば、浸漬による方法では、約10〜40℃の現像液に約
10〜80秒間浸漬させる方法を用いることができる。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実
施例に限定されるものではない。支持体の作成: 厚さ0.24mmのアルミニウム板(材
質1050、調質H16)を3重量%苛性ソーダ水溶液
中で脱脂処理を行った後、水洗し、2%塩酸水溶液中で
25℃、電流密度30A/dm2 の条件下で電解エッチ
ング処理を行った。水洗後、30重量%硫酸水溶液中
で、温度30℃、電流密度6A/dm2 、の条件下で2
分間陽極酸化処理をおこなった。更に水洗し、90℃の
亜硝酸ソーダ1%水溶液で10秒間、続いて85℃の珪
酸ソーダ1%水溶液で30秒間封孔処理を行い、支持体
を作成した。
【0046】共重合体1〔成分(c)〕の合成:温度
計、還流冷却管、撹拌装置、加熱装置、窒素気流導入管
を備えた500mlの四口フラスコ中に、アセトン70
mlとメタノール70mlの混合溶媒を入れ、モノマー
として4−ヒドロキシブチルアクリレート7.2g
(0.05mol)、ヘキシルメタアクリレート15.
6g(0.1mol)、エチルメタアクリレート11.
4g(0.1mol)、4−ヒドロキシフェニルメタク
リルアミド8.85g(0.05mol)メタクリル酸
3.01g(0.035mol)、ブチルアクリレート
17.92g(0.14mol)、ラウリルアクリレー
ト6g(0.025mol)を溶解した。更に重合開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル2g(0.012
2mol)を溶解し、窒素気流下で強撹拌しながら加熱
し、約60℃で6時間還流させた。反応終了後、窒素気
流導入管をはずし、メチルセロソルブ150mlを加
え、温度を100℃まであげ、さらに1時間30分撹拌
させ、その後、冷却管を取り付け、減圧しながら、溶媒
(アセトン及びメタノール)、残留モノマーを除去した
後、室温に戻したところ、共重合体1のメチルセロソル
ブ溶液(約40%)170gを得た。モノマー仕込み量
からの収率は94%であった。得られた共重合体1の重
量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)によりポリスチレン標準、テトラヒドロ
フラン(THF)溶媒で測定したところ、15万であっ
た。
【0047】共重合体2〜8の合成:上記と同様の合成
条件で、モノマー組成比を下記表−1に示すモル比及び
重量平均分子量として共重合体を得た。
【0048】
【表1】
【0049】バインダー1〔成分(a)〕の合成:温度
計、還流冷却管、撹拌装置、加熱装置、窒素気流導入管
を備えた500mlの四口フラスコ中に、アセトン70
mlとメタノール70mlの混合溶媒を入れ、モノマー
としてアクリロニトリル6.36g(0.12mo
l)、エチルアクリレート30.25g(0.3025
mol)、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド
6.12g(0.0425mol)、メタクリル酸3.
01g(0.035mol)を溶解した。更に重合開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.478g
(0.009mol)を溶解し、窒素気流下で強撹拌し
ながら加熱し、約60℃で6時間還流させた。反応終了
後、窒素気流導入管をはずし、メチルセロソルブ150
mlを加え、温度を100℃まであげ、さらに1時間3
0分撹拌させ、その後、冷却管を取り付け、減圧しなが
ら、溶媒(アセトン及びメタノール)、残留モノマーを
除去した後、室温に戻し、バインダー1のメチルセロソ
ルブ溶液得、同溶媒で固形分20%溶液に調整した。モ
ノマー仕込み量からの収率は95%であった。得られた
バインダー1の重量平均分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン標
準、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で測定したとこ
ろ、8万であった。
【0050】ジアゾ樹脂1〔成分(b)〕の合成:p−
ヒドロキシ安息香酸3.5g(25ミリモル)、及びp
−ジアゾフェニルアミン硫酸塩21.75g(75ミリ
モル)を、氷冷下で90gの濃硫酸に溶解した。この溶
液に、2.7g(90ミリモル)のパラホルムアルデヒ
ドをゆっくり添加した。この際、反応温度が10℃を越
えないように添加した。2時間反応溶液を撹拌した後、
1リットルのエタノールに滴下し、生じた沈澱を濾別
し、エタノールで洗浄した。沈澱を200mlの純水に
溶解し、10.5gの塩化亜鉛を溶解した水溶液を加え
た。生じた沈澱を濾過し、エタノールで洗浄したのち、
300mlの純水に溶解した。この溶液に、メシチレン
スルホン酸17.7g(0.075mol)、水酸化ナ
トリウム3g(0.075mol)を溶解した水溶液を
添加した。生じた沈澱を濾別し、水、エタノールで洗浄
した後、25℃で、一日乾燥して、ジアゾ樹脂1を得
た。
【0051】感光液および感光性平版印刷版の作製:
数は各固形分重量比を示す。 ・バインダー1 (20%メチルセロソルブ溶液) 100部 ・ジアゾ樹脂1 15部 ・ジュリマーAC−10L 3部 ・ビクトリアピュアブルーBOH 2部 以上の成分と、表−2に示す1〜8の共重合体を、それ
ぞれ固形分濃度が7%となるようにメチルセロソルブに
溶解して感光液を作成した。作成した各感光液は、前記
記載の方法で得たアルミニウム版に、乾燥後の塗膜重量
が15mg/dm2 になるようにワイヤーバーを用いて
塗布し、表−2に示す各感光性平版印刷版を得た。
【0052】
【表2】
【0053】上記の方法により作成された感光性平版印
刷版は以下に示す条件のもとで露光、現像された。 評価条件 露光量:コダックステップタブレット・ベタ3段相当 光源:4kWメタルハライドランプ 現像:SDN−21(コニカ社製)現像液(標準4倍希
釈、アンダー現像8倍希釈) 25℃、40秒 評価項目 撥水性:上記露光量で露光、現像した後、版面上にシリ
ンジで水を滴下し、その水滴の接触角を測定した。水を
撥きやすいほど、この接触角は高い値を示す。印刷機上
の評価との相関もとれており、この接触角が75度以上
で撥水効果(インキ着肉性不良すなわち水負けが起こり
にくい)が認められた。 現像性:未露光の各PS版をアンダー現像条件で現像
し、現像インキSPO−1 (コニカ社製)でインキ盛り
したあと目視で版面上のよごれ易さを評価した。 ○:全く汚れを生じない。 ○△:中間レベル △:部分的に汚れを生ずる。 ×:全面によごれを生ずる。 印刷評価:作成した印刷版を印刷機にて評価し、印刷物
での水負け及び汚れやすさ(非画線部)を目視評価し
た。 結果を表−3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版は、製版性能
上問題なく、しかも印刷時にインキ中の湿し水過多によ
る印刷不良(水負け)を起こさない良好な性能を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 成夫 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 横尾 敏明 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 佐々木 充 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB03 AC01 AD01 BA03 CB14 CB52 CB55 2H096 AA07 BA03 BA20 2H114 AA04 AA23 BA02 DA34 DA41 DA52 DA53 DA64 FA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層を有する感光性平版印
    刷版において、該感光層が、(a)アルカリ可溶性また
    は膨潤性の高分子化合物(b)ジアゾ樹脂(c)重量平
    均分子量が10万〜40万であり下記一般式(I)で表
    されるモノマーから誘導される構造単位を有する高分子
    化合物から成る感光性平版印刷版。 【化1】 CH2 =C(R1 )COO−R2 (I) (式中R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数8
    〜16のアルキル基を表す)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成分(c)において、一
    般式(I)で表されるモノマーから誘導される構造単位
    を3〜10モル%含む請求項1記載の感光性平版印刷
    版。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の成分(a)、(b)およ
    び(c)を、その感光層中の固形分濃度としてそれぞれ
    75〜90、7〜15、3〜10重量%含む請求項1記
    載の感光性平版印刷版。
JP08009227A 1996-01-23 1996-01-23 感光性平版印刷版 Pending JP2000352818A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112008001332T5 (de) 2007-05-22 2010-03-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi Festpolymer-Elektrolyt, Verfahren zum Herstellen desselben und Festpolymer-Brennstoffzelle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112008001332T5 (de) 2007-05-22 2010-03-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi Festpolymer-Elektrolyt, Verfahren zum Herstellen desselben und Festpolymer-Brennstoffzelle

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