JP2000351975A - コークス炉の燃焼室とその操業方法 - Google Patents
コークス炉の燃焼室とその操業方法Info
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Abstract
的な高温燃焼を無くして燃焼排ガス中のNOxを低減させ
ることができるコークス炉の燃焼室およびその操業方法
を提供する。 【解決手段】富ガス供給口2が燃焼室底部5の炭化室との
境をなす炉壁6寄りの位置に設置されるとともに、底部5
の空気供給口3の中心Pが燃焼室の中心線Lよりも富ガス
供給口2と反対側の位置にあるコークス炉の燃焼室、お
よび貧ガス供給口からも空気を供給する場合、貧ガス供
給口7の中心点P2と空気供給口3の中心点Pを結ぶ中点P3
が前記中心線Lよりも富ガス供給口と反対側の位置にあ
るコークス炉の燃焼室。更に、上記の燃焼室底部の中心
線Lよりも富ガス供給口2側にある貧ガス供給口または空
気供給口の開口部に開度調整部材を載置して空気の吐出
方向を富ガス供給口と反対方向に変え、富ガスと空気の
界合位置を調整するコークス炉の操業方法。
Description
向の燃焼温度を均一化して、燃焼に伴って発生するNOx
(窒素酸化物)を減らすことを可能としたコークス炉の
燃焼室およびその燃焼室を備える室炉式コークス炉の操
業方法に関する。
コークスを生産できること、燃料消費量を低減できるこ
と、煙道排ガス中のNOx が少ないこと、およびこれらを
低コストで達成することである。従来、これらを達成す
るため種々の手段が考えられ、燃焼に関して言えば、燃
焼を高さ方向について均一化させること、排ガス希釈に
よる長炎化、排ガス希釈による燃料ガスの低カロリー化
などにより達成することができる。
スの温度に最も影響されるため、燃焼室内の温度を高さ
方向に均一化することは、生成NOxを低減させることに
なる。コークス炉の煙道排ガス中のNOxの生成を低減さ
せる対策としては、燃焼室に燃料ガスのほかに燃焼排
ガスを再循環させることによって火炎温度を低下させる
方法があり、コッパースサーキュレーション方式のコー
クス炉において実施されている。また、燃焼用空気お
よび燃料ガス、または燃焼用空気のみを燃焼室の複数の
高さ位置に吐出口を設けて分割して供給し、高さ方向に
対して部分的に燃焼させる方法(特開昭61-133286号公
報、特開平1-306494号公報、特表平4-501876号公報な
ど、参照)が提案されている。この方法は、特に、富ガ
ス燃焼では燃焼用空気のみを多段にした構造が採用さ
れ、カールスチル型コークス炉、オットー型コークス
炉、および新日鉄式コークス炉において「多段燃焼法」
として採用されている。
る火炎温度の低下と、高さ方向の部分的燃焼による酸素
および窒素濃度の減少との組合せであるため、NOx発生
量の抑制には効果がある。しかし、コッパースサーキュ
レーション方式での燃焼排ガスの再循環方式では、排ガ
ス循環を任意に変更することができない。さらに燃焼排
ガスが増大するような操業では、循環口の断面積の制約
により、排ガス循環率を20%以上にすることができない
という問題がある。
方法は、富ガス量が大幅に増大した場合には、高さ方向
の富ガスまたは燃焼用空気の分配比の調整が必要とな
る。しかし、実際のコークス炉では、その調整箇所が数
多くあり、その調整には多大の時間を要するだけでな
く、調整箇所も最上段の供給口や底部の供給口に限ら
れ、充分なNOxの低減を得られないという問題がある。
要求は年々厳しさを増してきており、法規制の上でも新
設コークス炉のNOx排出規制値は既設炉のそれより相当
厳しく、従来技術ではコークス炉の建設ができなくなる
可能性さえあるといわれる。
されたものであり、コークス炉の燃焼室の高さ方向の局
部的な高温燃焼を無くし、炉高の高い大型コークス炉で
も高さ方向の温度を均一にし、煙道排ガス中のNOxを低
減させることのできる燃焼室を提供することを第1の目
的とする。また、第2の目的は、その燃焼室を備えるコ
ークス炉または既存のコークス炉を用い、貧ガス供給口
から燃焼用空気を供給して操業する場合に、その開口部
の開度を調整して燃焼用空気の吐出方向を変え、富ガス
と空気の界合位置を調整する方法を提供することにあ
る。ここで「富ガスと空気の界合位置」とは、吐出され
た燃料ガスと空気との流束が最初に衝突する燃焼室底部
からの高さ方向の位置である。
い大型コークス炉の炉高方向の温度を均一にし、煙道排
ガス中のNOxを低減させる方法についてモデル燃焼炉を
用いて燃焼実験を行った。その結果、貧ガス供給口から
貧ガスを供給せず、燃焼用空気のみを供給する場合に
は、燃焼室底部における燃料ガスおよび燃焼用空気の供
給口の配置を最適化することにより、高さ方向の燃焼温
度が均一化されて排ガス中のNOxを低減できることを見
いだし、本発明を完成した。
記およびのコークス炉の燃焼室とその燃焼室を備え
るコークス炉の下記の操業方法にある。
の境をなす炉壁6寄りの位置に設置されるとともに、底
部5の燃焼用空気供給口3の中心P、または2つの燃焼用
空気供給口の中心Pを結ぶ中点P1が燃焼室の炉団方向中
心線Lよりも富ガス供給口2と反対側の位置にあるコーク
ス炉の燃焼室1(図1、参照)。
から供給する構造の複式コークス炉の燃焼室であって、
富ガス供給口2が燃焼室底部の炭化室との境をなす炉壁6
寄りの位置に設置されるとともに、貧ガス供給口7の中
心点P2と底部の燃焼用空気供給口3の中心点Pを結ぶ中点
P3が燃焼室の炉団方向中心線Lよりも富ガス供給口2と反
対側の位置にあるコークス炉の燃焼室(図2、参照)。
ス炉を使用し、燃焼室底部の炉団方向中心線Lよりも富
ガス供給口2側にある貧ガス供給口または燃焼用空気供
給口の開口部に開度調整部材を載置して燃焼用空気の吐
出方向を富ガス供給口と反対方向に変え、富ガスと空気
の界合位置を調整するコークス炉の操業方法。
焼型であるとき、底部から供給する燃焼用空気量を全空
気量の50容積%以上として操業するのが望ましい。
ガスおよび燃焼用空気の一部または全部を燃焼室底部か
ら供給する構造の室炉式コークス炉に用いられる。即
ち、本発明の対象となるコークス炉では、燃料ガスは全
て燃焼室の底部から燃焼室内に供給されるが、燃焼用空
気(以下、これを単に「空気」と記載する)は、その全
部が燃焼室底部から供給される場合(単段型燃焼)と、
一部が底部から、残りが高さ方向の1カ所または複数カ
所から供給される場合(多段型燃焼)とがある。また、
燃料ガスとして富ガスのみを供給する場合(単式燃焼)
と、富ガスと貧ガスとを供給する場合(複式燃焼)とが
ある。
炉ガス(富ガス)のほかに、複式燃焼では貧ガスと呼ば
れるガスが使用される。富ガスとは、発熱量がおよそ40
00〜4800 kcal/Nm3の燃料ガスであり、貧ガスとは、高
炉ガスや高炉ガスとコークス炉ガスの混合ガスなどの発
熱量がおよそ800〜1300 kcal/Nm3の燃料ガスである。
たとえば特表平4-501876号公報やCokemaking Internat
ional Vol 4-2 P71-83(1992)には図5に示すように、富
ガス供給口をコークス炉の炉壁側に配置し、貧ガス供給
口および空気供給口を中央に並べて配置した図が、ある
いは特公平5-29678号公報には燃焼室のほぼ中央に貧ガ
ス供給口と空気供給口を炉長方向に並べて配置した図が
記載されている。しかし、炉高方向の燃焼温度を均一に
し、煙道排ガスのNOxを低減させるような供給口の配
置、構造などについては検討されていない。
体的には仕切壁で分割された複数の燃焼室、いわゆるフ
リューの列)と炭化室とが交互に多数並列している方向
である。また、炉長方向というのは、炉団方向に直角な
方向で、室炉式コークス炉においてコークスの押出側と
排出側とを結ぶ方向である。
概念図である。図1の(a)は、炉長方向に並ぶ燃焼室の
一部を炉団方向からみた立面断面図であり、同図(b)のB
-B矢視断面図である。図1の(b)は、炉長方向に並ぶ燃
焼室の一部を示す平面図であり、本発明の燃焼室底部の
富ガス供給口および空気供給口の配置を示し、同図(a)
のA-A矢視断面図である。図1の(c)は、燃焼室底部の一
部を炉長方向からみた立面断面図である。図1に示す燃
焼室は、底部に富ガス供給口と2つの空気供給口を備え
る単式単段燃焼式であるが、貧ガス供給口をともに備え
る複式単段燃焼式であってもよい。
は、燃焼室底部5に設けられた富ガス供給口2から燃焼室
1-1および1-3に供給され、空気供給口3から供給された
空気aと混合されて燃焼し、上昇して炉壁6を加熱する。
燃焼排ガスeは、仕切壁4-1を矢印で示すように迂回して
燃焼室1-2および1-4を降下して空気供給口3から蓄熱室
(図示せず)に排出される。図において、矢印はガスの
流れを示す方向であり、燃焼方向が切り替えられると逆
方向になる。空気aは、燃焼室底部5に設けられたダクト
3-1を介して空気供給口3から燃焼室に供給される。図で
は、燃焼室底部5に設けられる空気供給口は2つである
が、1つであってもよい。
うに富ガス供給口2が炭化室(図示せず)との境をなす
炉壁6寄りの位置に設置され、2つの空気供給口3の中心
点P,Pを結ぶ中点P1が燃焼室の炉団方向中心線Lよりも富
ガス供給口2と反対側の位置にある。これにより、吐出
された富ガスgおよび空気aは、その界合位置が上方に移
動し、燃焼室の下部で空気の一部が混合されて燃焼し、
大部分は高さ方向に徐々に混合されながら燃焼し、高さ
方向の燃焼温度を均一化してNOxの発生を低減させるこ
とができる。
室の一例を示す概念図である。図2の(a)は、炉長方向
に並ぶ燃焼室の一部を炉団方向からみた立面断面図であ
り、同図(b)のD-D矢視立面断面図である。図2の(b)
は、炉長方向に並ぶ燃焼室の一部を示す平面図であり、
同図(a)のC-C矢視平面図である。図2(b)に示す燃焼室群
は、炉壁6を介して石炭の反応炉(図示せず)に挟まれ
ている。図2の(c)は、燃焼室の底部の一部を炉長方向
からみた立面断面図である。図示する燃焼室は、富ガス
および貧ガス、またはいずれかの一方を燃料とする複式
多段燃焼型コークス炉の燃焼室である。
は、富ガス供給口2から燃焼室1-1および1-3に供給さ
れ、貧ガス供給口7および空気供給口3から供給された空
気aと混合されて燃焼し、上昇して炉壁6を加熱する。燃
焼排ガスeは、仕切壁4-1を矢印で示すように迂回して燃
焼室1-2および1-4を降下して仕切壁4に設けられた空気
供給口8および燃焼室底部5に設けられた空気供給口3お
よび貧ガス供給口7から蓄熱室(図示せず)に排出され
る。仕切壁4の内部にはダクト8-1が設けられ、空気供給
口8と蓄熱室とを連結している。また、燃焼室底部5に
は、ダクト3-1が設けられ、空気供給口3と蓄熱室とを連
結している。図において、空気供給口3と貧ガス供給口7
は、炉団方向にずらせて千鳥に配設されているが、炉長
方向に並べて配設してもよい。
に設けられた空気供給口3、同貧ガス供給口7および仕切
壁4に設けられた空気供給口8から燃焼室1に供給され
る。ガスの流れは、図1の場合と同様である。
ように富ガス供給口2が炭化室(図示せず)との境をな
す炉壁6寄りの位置に設置され、貧ガス供給口7の中心点
P2と空気供給口の中心点Pとを結ぶ中点P3が燃焼室の炉
団方向中心線Lよりも富ガス供給口2と反対側の位置にあ
る。空気は空気供給口3と貧ガス供給口7から供給される
と、空気aの吐出方向は富ガスgの吐出方向と反対方向と
なるので、富ガスと空気の界合位置が上方に移動する。
このため、燃焼室の下部では、空気の一部分が混合され
て燃焼し、大部分は高さ方向に徐々に混合されながら燃
焼し、高さ方向の燃焼温度を均一化してNOxの発生を低
減させる。
た場合、空気供給口3および貧ガス供給口7の両方または
どちらか一方の一部が炉団方向中心線Lよりも富ガス供
給口側にあるとき、本発明では、図3に示すように、そ
の供給口の一部に開度調整部材9を載置し、空気の吐出
方向を富ガスの吐出方向と反対側に離れるように変え、
富ガスと空気の界合位置を上方部に移動させるのが望ま
しい。
方向中心線Lから富ガス供給口側にある開口部を開度調
整部材で閉塞した例を示す図であり、図3(a)は一部平面
図、図3(b)は一部立面断面図である。図3(a)では、空気
供給口3と貧ガス供給口7とが並行配置され、それぞれの
中心点P、P2およびそれらの中心点を結ぶ中点P3が燃焼室
底部の炉団方向中心線Lよりも富ガス供給口2と反対側に
ある。しかし、それぞれの開口部の一部が燃焼室底部の
炉団方向中心線よりも富ガス供給口側にある。このよう
な場合、開口部の一部に開度調整部材9を載置し、それ
ぞれの開度を調整する。これにより、空気の吐出方向は
図3(b)の矢印で示すように富ガス供給口と反対側方向に
吐出されて燃焼室の下部での富ガスと空気との界面位置
が上方に移動し、高さ方向の燃焼温度が均一化されてNO
xの発生を低減させる。
から供給される空気量が全供給空気量の50容積%以下で
は、燃焼室下部での燃焼が不十分となり、炭化室の下部
では温度低下を招き易く、燃焼室の底部から供給される
空気量は全空気量の50容積%以上とするのが望ましい。
長い構造の中で燃料ガスと空気が接触するため高さ方向
の燃焼温度が不均一になる。この対策として、前述した
ように多段燃焼法、または燃焼排ガス再循環法が用いら
れている。本発明者らは、このような燃焼室内での燃焼
状況を調査するため、モデル燃焼炉による燃焼実験を行
った。
スと空気は、拡散燃焼しながら上昇する。その最高燃焼
温度を示す位置は、富ガス燃焼では燃焼速度が高いた
め、通常、燃焼室底部で燃焼が促進される。そして、そ
こに高温域が生成して、NOxの生成率が高まるだけでな
く、その他の領域(燃焼室の上部)には逆に低温域が生
じて、炉内温度の均一性が失われる。
局部的高温域の発生を抑えるためには、燃焼室底部では
富ガスと空気の混合割合を小さくすること、言い換えれ
ば部分的に混合することが重要であると考えた。そし
て、その部分混合を達成する具体的な手段について種々
検討した結果、図1および図2に示すように、富ガス
供給口2が炭化室との境をなす炉壁6寄りの位置に設置さ
れていること、底部の空気供給口3の中心点P、2つの
空気供給口の中心点P,Pを結ぶ中点P1、または貧ガス供
給口7の中心点P2と空気供給口の中心点Pとを結ぶ中点P3
が燃焼室の炉団方向中心線Lよりも富ガス供給口2と反対
側の位置にあること、で達成できることを見いだした。
いて貧ガス供給口から空気を供給した場合、空気の吐出
中心は、貧ガス供給口7の中心点P2と空気供給口3の中心
点Pとを結ぶ中点P3にある。
空気の吐出方向を燃焼室の炉団方向中心線よりも富ガス
供給口と反対の方向に変えることである。なお、図2で
は、空気供給口3は、燃焼室の炉団方向中心線よりも富
ガス供給口の反対側にあるが、空気供給口の一部が燃焼
室の炉団方向中心線よりも富ガス供給口側にあってもよ
い。
室底部から供給する空気量は、燃焼室内に供給する全空
気量の50容積%以上とし、残りは燃焼室の仕切壁に設け
た1カ所以上の空気供給口から供給する操業方法」を実
施する。
る空気量比率が50容積%以下では、燃焼室下部での燃焼
が不十分となり、温度低下を招く。しかし、燃焼室底部
から供給される空気量比率が100容積%(単段燃焼)の
場合でも、空気の吐出中心を富ガス供給口と反対側とす
るため、空気の吐出方向が富ガス供給口と反対方向に向
けられ、炉下部での過剰燃焼が抑制されて高さ方向の燃
焼温度が均一化され、低NOx化が達成できる。
上記の説明では長方形であるが、楕円形などでもよい。
コークス炉を用いて燃焼試験を行った。
さが0.35m、炉団方向の長さが0.91m、高さが6.6mで
あり、仕切壁の高さ方向の2カ所に空気供給口を備えて
いる。なお、仕切壁に設けた空気供給口は、単段燃焼を
行う場合には閉塞した。燃焼室底部には、富ガス供給口
が炭化室との境をなす炉壁寄りに設けられ、貧ガス供給
口および空気供給口は、表1に示すように位置を変えて
設けた。
1燃焼室あたり28Nm3/hrを供給した。
ら100容積%、多段燃焼の場合には燃焼室底部から主に7
0容積%、仕切壁の2段目の空気供給口から10容積%、
3段目空気供給口から20容積%を供給した。燃焼室底部
から70容積%を供給する場合においては、貧ガス供給口
から50容積%、空気供給口から20容積%をそれぞれ供給
した。また、多段燃焼で燃焼室底部からの空気量を変更
させた場合には、2段目・3段目の空気供給口から供給
される空気量比率は1:2とした。空気量としては、い
ずれも1燃焼室あたり160Nm3/hrを供給した。
符号6を参照)の温度と、煙道排ガス中のNOx濃度の測定
を実施した。それらの結果を表1に示す。
示すように貧ガス供給口および空気供給口を並行配置
し、それぞれの中心点P2とPとの中点P3を燃焼室の炉団
方向中心線Lから離間させた発明例の燃焼室である。ま
た、試験番号3〜5、8〜13は、図4(c)に示すように貧
ガス供給口および空気供給口を千鳥配置し、それぞれの
中心点P2とPとの中点P3を燃焼室の炉団方向中心線Lから
離間させた発明例の燃焼室である。
部から行う単段燃焼であり、試験番号6〜13は、空気の
供給を燃焼室底部および仕切壁から行う多段燃焼であ
る。
の発明例の場合は、炉壁部の高さ方向の温度差が40〜83
℃、NOx発生量が72〜125ppmと良好である。
比較すると、燃焼室の炉団方向中心線Lから富ガス供給
口側にある開口部に開度調整部材を載置した試験番号
4、10および11は、炉壁部の高さ方向の温度差が小さ
く、NOxの発生量が少ない。また、試験番号1と2、4
と5、6と7、8と9および10と11とを比較すると、排
ガスを再循環させた試験番号2、5、7、9および11
は、炉壁部の高さ方向の温度差が小さく、特にNOxの発
生量が少ない。
の空気量を変えた例で、底部からの空気量が50容積%以
上であれば高さ方向の温度差が小さく、NOxの発生量が
少ない。
(b)に示すように貧ガス供給口の中心点P2および空気供
給口の中心点Pを燃焼室の炉団方向中心線Lの線上に並行
配置した従来の燃焼室であるので、炉壁部の高さ方向の
温度差が150℃と高く、NOxの発生量が225ppmと多い。試
験番号15は、排ガスを再循環させるほかは試験番号14と
同様であるので、炉壁部の高さ方向の温度差が135℃と
高く、NOxの発生量が190ppmと多い。
供給口および空気供給口を並行配置し、それぞれの中心
点P2とPとの中点P3を燃焼室の炉団方向中心線Lから富ガ
ス供給口側に離間させ、開口部に開度調整部材を載置し
たが、炉壁部の高さ方向の温度差は130℃と高く、NOxの
発生量が186ppmと多い。
供給口および空気供給口を千鳥配置し、それぞれの中心
点P2とPとの中点P3を燃焼室の炉団方向中心線Lから富ガ
ス供給口と反対側に離間させ、開口部に開度調整部材を
載置したが、燃焼室底部からの空気供給量が全供給量の
40容積%のため、炉壁部の高さ方向の温度差は95℃と高
く、NOxの発生量が162ppmと多い。また、試験番号18
は、排ガスを再循環させるほかは試験番号17と同様であ
るので、炉壁部の高さ方向の温度差は81℃と高く、NOx
の発生量が137ppmと多い。
供給口および空気供給口を千鳥配置し、それぞれの中心
点P2とPとの中点P3が燃焼室の炉団方向中心線Lから富ガ
ス供給口側にあるので、炉壁部の高さ方向の温度差は14
2℃と高く、NOxの発生量が205ppmと多い。
部の空気供給口の配置を最適にしたので、炉高方向に均
一な燃焼が可能となる。その結果、局部的な高温燃焼が
防止され、NOxの発生量が減少する。また、炭化室内の
加熱温度も均一になるので良質のコークスが得られる。
本発明は、新設のコークス炉への適用は勿論のこと、貧
ガス供給口または/および空気供給口に開度調整部材を
設置するという簡単な方法で既設炉にも適用できる。
る。
す概念図である。
ある。
置を示す平面図である。
置を示す平面図である。
口 3.空気供給口 4.仕切壁 5.燃焼室底部 6.炉壁 7.貧ガス供給口 8.空気供給口 9.開度調整部材
Claims (4)
- 【請求項1】コークス炉の燃焼室であって、富ガス供給
口が燃焼室底部の炭化室との境をなす炉壁寄りに設置さ
れるとともに、底部の燃焼用空気供給口の中心、または
2つの燃焼用空気供給口の中心を結ぶ中点が燃焼室の炉
団方向中心線よりも富ガス供給口と反対側の位置にある
ことを特徴とするコークス炉の燃焼室。 - 【請求項2】燃料として富ガスおよび貧ガスを底部から
供給する構造の複式コークス炉の燃焼室であって、富ガ
ス供給口が燃焼室底部の炭化室との境をなす炉壁寄りに
設置されるとともに、貧ガス供給口の中心点と底部の燃
焼用空気供給口の中心点を結ぶ中点が燃焼室の炉団方向
中心線よりも富ガス供給口と反対側の位置にあることを
特徴とするコークス炉の燃焼室。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の燃焼室を備える
コークス炉の富ガス燃焼において、燃焼室底部の炉団方
向中心線よりも富ガス供給口側にある貧ガス供給口また
は燃焼用空気供給口の開口部に開度調整部材を載置して
燃焼用空気の吐出方向を富ガス供給口と反対の方向に変
え、富ガスと空気の界合位置を調整することを特徴とす
るコークス炉の操業方法。 - 【請求項4】請求項1または2に記載の燃焼用空気の一
部を底部から供給する構造の燃焼室を備える多段燃焼型
コークス炉の富ガス燃焼において、底部から供給する燃
焼用空気量を全空気量の50容積%以上とすることを特徴
とする請求項3に記載のコークス炉の操業方法。
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JP2007254553A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Nippon Steel Corp | コークス炉の操業方法 |
CN108753314A (zh) * | 2018-05-22 | 2018-11-06 | 北京科技大学 | 一种焦炉立火道的燃烧装置及燃烧方法 |
JP2022534669A (ja) * | 2019-05-08 | 2022-08-03 | ティッセンクルップ インダストリアル ソリューションズ アクツィエンゲゼルシャフト | コークスを製造するコークス炉装置、コークス炉装置を運転する方法、及び使用 |
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1999
- 1999-06-10 JP JP16354999A patent/JP3821995B2/ja not_active Expired - Lifetime
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