JP2000351902A - シリカ系成形材料およびその成形方法 - Google Patents

シリカ系成形材料およびその成形方法

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JP2000351902A
JP2000351902A JP11166049A JP16604999A JP2000351902A JP 2000351902 A JP2000351902 A JP 2000351902A JP 11166049 A JP11166049 A JP 11166049A JP 16604999 A JP16604999 A JP 16604999A JP 2000351902 A JP2000351902 A JP 2000351902A
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meth
silica
acrylate
viscosity
molding material
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JP11166049A
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English (en)
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Kozo Nogi
幸三 野木
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型を磨耗させず、材料が黒化するという問
題がなく、美観が重要視される住設建材用途においても
好適に用いることができるシリカ系成形材料を提供す
る。 【解決手段】 マトリクス樹脂およびシリカ系充填剤を
含んでなるシリカ系成形材料であって、ヘリパス粘度計
のスピンドルFによって5rpmで測定される粘度(2
5℃)が10kPas〜80kPasであることを特徴
とするシリカ系成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカ系成形材料
およびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりマトリクス樹脂に充填剤を配合
した成形材料は各種分野で用いられており、充填剤とし
ては、シリカ系充填剤、水酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム等が知られている。シリカ系充填剤は、他の充填
剤と比べて、物理強度が強く、硬度が高く、また耐熱水
性にも優れるという利点を有するが、その反面、高硬度
であるために高粘度状態で成形を行うと金型を磨耗さ
せ、金型自身の損傷だけでなく、磨耗金属により材料が
黒くなるという問題(黒化と呼ぶ)を有する。そのた
め、実際には半導体の封止材等の色目や外観を要求され
ない用途でしか使用できず、他の分野ではシリカ系充填
剤の利点を生かしきれていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、金型を磨耗させず、材料が黒化するという問題
がなく、美観が重要視される住設建材用途においても好
適に用いることができるシリカ系成形材料を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、以下の構成を提供する。 (1) マトリクス樹脂およびシリカ系充填剤を含んでなる
シリカ系成形材料であって、ヘリパス粘度計のスピンド
ルFによって5rpmで測定される粘度(25℃)が1
0kPas〜80kPasであることを特徴とするシリ
カ系成形材料。 (2) マトリクス樹脂およびシリカ系充填剤を含んでなる
シリカ系成形材料の成形方法であって、該成形材料がヘ
リパス粘度計のスピンドルFによって5rpmで測定さ
れる粘度(25℃)が10kPas〜80kPasであ
ることを特徴とするシリカ系成形材料の成形方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、成形材料の成形
時の粘度(ヘリパス粘度計のスピンドルFによって5r
pmで測定される粘度(25℃))を10kPas〜8
0kPasの範囲内とすることである。より好ましい粘
度範囲は20kPas〜50kPasである。なお、ヘ
リパス粘度計とは回転粘度計にヘリパススタンドを付加
したものであり、高粘度を測定するのに適したものであ
る。
【0006】通常は数万〜数十万Pasというかなりの
高粘度の成形材料を用いて成形が行われているが、その
理由の一つは取扱性に優れるからであり、もう一つは高
粘度で成形を行った方がピンホールやかすれが生じにく
いということである。しかし、本発明者らは、金型の磨
耗はより低粘度である方が起こりにくいのではないかと
考え、両者のバランスを考慮して粘度条件を検討した。
その結果、成形材料の粘度を10kPas〜80kPa
sの範囲内とすることで、金型の磨耗の問題は解消でき
ること、また取扱性は多少劣るものの実用上問題はない
ことを見出した。ただし、成形材料の粘度が10kPa
s未満となると、取扱性が相当悪くなる上、ピンホール
やかすれの問題が顕著になる。
【0007】成形材料の粘度を上記範囲内のものとする
方法は、特に限定されるものではないが、例えば、マト
リクス樹脂の組成等で調節する方法、シリカ系充填材の
使用量、粒度、粒度分布、マトリクス樹脂成分中の高分
子物質の分子量、分子量分布、添加量等が挙げられる。
本発明で使用されるシリカ系成形材料について説明す
る。
【0008】本発明で使用されるシリカ系充填剤として
は、結晶シリカ、溶融シリカ、クリストバライト等が挙
げられるが、溶融シリカ、クリストバライトが好まし
い。これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用して
もよい。シリカ系充填剤の使用量は、マトリクス樹脂1
00重量部に対し、100〜500重量部が好ましく、
より好ましくは100〜300重量部である。100重
量部未満では、クラック等により成形性が悪くなり、5
00重量部を越えると、成形材料の粘度が本発明の範囲
を超えて高粘度となる恐れがある。
【0009】本発明では本発明の効果を損なわない範囲
でシリカ系充填剤以外の充填剤(例えば、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、タルク、クレー等)を併用す
ることもできる。本発明のシリカ系成形材料が高硬度を
特徴とする場合、全充填剤量の20重量%以上のシリカ
系充填剤を用いることが好ましい。本発明のシリカ系成
形材料が高強度を特徴とする場合、全充填剤量の50重
量%以上のシリカ系充填剤を用いることが好ましい。
【0010】本発明で使用されるマトリクス樹脂は、特
に限定されるものではないが、ラジカル硬化性樹脂成
分、ポリマーポリオール、エポキシ樹脂等の公知の硬化
性樹脂を用いることができる。前記ポリマーポリオール
としては、水酸基を二個以上有するポリマーであれば良
く、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル系重合
体等を挙げることができる。該ポリマーポリオールを硬
化させるための硬化剤としては、ポリイソシアネート、
アルキルエーテル化メラミン等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよ
い。
【0011】前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA、ノボラック系、ビスフェノールF等のグリシジル
系エポキシ樹脂を挙げることができる。これらは単独で
用いてもよいし、二種以上併用してもよい。該エポキシ
樹脂を硬化させるための硬化剤としては、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マ
レイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
アルケニル無水コハク酸等の酸無水物を挙げることがで
きる。
【0012】前記ラジカル硬化性樹脂成分としては、メ
チルメタクリレート等の各種(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体等のビニル単量体;不飽和ポリエステル;ビ
ニルエステル等を挙げることができる。中でも、ビニル
単量体が好ましい。特にマトリクス樹脂が、熱可塑性
(メタ)アクリル系重合体、熱硬化性(メタ)アクリル
系重合体、ビニル単量体および架橋性多官能単量体を含
む(メタ)アクリルシラップであることが好ましい。
【0013】以下、この(メタ)アクリルシラップの各
成分について説明する。(メタ)アクリルシラップに含
まれるビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体を含むことが好ましい。(メタ)アクリレ
ート系単量体のアルキル基の炭素数は1〜18個が好ま
しく、1〜4個がより好ましい。具体的には、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
2−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、第三級ブチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ω−ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレート、N−(第三級ブ
チル)アミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用して
もよい。
【0014】また、(メタ)アクリレート系単量体以外
のビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の
不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノ
エステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、クロロスチレン等のスチレン系単量体;酢酸ビニ
ル等のビニルエステル系単量体;アリルアルコール、エ
チレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリ
コールモノアリルエーテル等のアリル化合物;(メタ)
アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、N−メト
キシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリ
ルアミド等のN−アルコキシ置換(メタ)アクリルアミ
ド;不飽和塩基性単量体;N−フェニルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイ
ミド等のマレイミド系単量体;ビニルアセテート、2−
ビニル及び4−ビニルピリジン等が挙げられるがこれに
限定されない。これらは単独で用いてもよいし、二種以
上併用してもよい。
【0015】(メタ)アクリルシラップに含まれる架橋
性多官能単量体としては、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリ
ントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルトルエン等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0016】(メタ)アクリルシラップに含まれる熱可
塑性(メタ)アクリル系重合体は、主鎖の50重量%以
上が(メタ)アクリル酸エステル系単位からなり、一分
子中に重合性二重結合を有しない重合体である。前記熱
可塑性(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、
10,000〜400,000の範囲内であることが好
ましく、30,000〜250,000の範囲内である
ことがより好ましく、50,000〜150,000の
範囲内であることが最も好ましい。熱可塑性(メタ)ア
クリル系重合体の重量平均分子量が10,000未満で
あると、得られる成形品の耐熱性が低下する。一方、熱
可塑性(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量が4
00,000を越えると、成形材料の粘度が本発明の範
囲を越えて高くなりすぎるおそれがある。
【0017】前記の熱可塑性(メタ)アクリル系重合体
は、(メタ)アクリル酸エステルを50重量%以上含有
する単量体成分を重合することにより得られる。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエス
テル;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の塩基性
(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0018】上記単量体成分は、カルボキシル基を含有
するビニル単量体を含んでいてもよく、これによりカル
ボキシル基を有する熱可塑性(メタ)アクリル系重合体
を得ることができる。カルボキシル基を有する熱可塑性
(メタ)アクリル系重合体を用いると、成形材料に増粘
剤としてアルカリ土類金属酸化物やアルカリ土類金属水
酸化物を用い、添加量をコントロールすることにより、
シリカ系成形材料の最終粘度を所望の値にコントロール
することができる。
【0019】このようなカルボキシル基を含有するビニ
ル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸;マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和
ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノエステ
ル等が挙げられる。上記の不飽和ジカルボン酸のモノエ
ステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モ
ノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオク
チル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマ
ル酸モノブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸
モノエチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
いし、二種以上併用してもよい。
【0020】カルボキシル基を有する単量体の使用量
は、(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシル基を有
する単量体との合計を100重量%として、0.5〜2
0重量%の範囲内が好ましく、1〜15重量%の範囲内
がより好ましく、3〜10重量%の範囲内が更に好まし
い。カルボキシル基を有する単量体の割合が0.5重量
%未満の場合は、成形材料の増粘を容易にする効果が得
られにくくなる。カルボキシル基を有する単量体の割合
が20重量%を越える場合には、得られる成形品の耐衝
撃性、耐汚染性、耐溶剤性等の物性が低下するおそれが
ある。
【0021】上記単量体成分は、さらに必要に応じて、
他の単量体を含んでいても良い。例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等
のスチレン系単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル系
単量体;アリルアルコール、エチレングリコールモノア
リルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテ
ル等のアリル化合物;(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリロニトリル、N−メトキシメチルアクリルア
ミド、N−エトキシメチルアクリルアミド等のN−アル
コキシ置換(メタ)アクリルアミド;不飽和塩基性単量
体;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−イソプロピルマレイミド等のマレイミド系
単量体等が挙げられるが、これらに限定されない。これ
らは単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0022】(メタ)アクリルシラップに含まれる熱硬
化性(メタ)アクリル系重合体は、主鎖の50重量%以
上が(メタ)アクリル酸エステル系単位からなり、一分
子中に少なくとも1個以上の重合性二重結合を有する重
合体である。この熱硬化性(メタ)アクリル系重合体と
前記ビニル単量体とが共重合して生成する反応物は前記
熱可塑性(メタ)アクリル系重合体と相溶性を有するこ
とが好ましい。
【0023】前記熱硬化性(メタ)アクリル系重合体の
重量平均分子量は、10,000〜200,000の範
囲内であることが好ましく、30,000〜150,0
00の範囲内であることがより好ましく、40,000
〜100,000の範囲内であることが最も好ましい。
熱硬化性(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量が
10,000未満であると、得られる成形品の耐熱性が
低下する。一方、熱硬化性(メタ)アクリル系重合体の
重量平均分子量が200,000を越えると、成形材料
の粘度が本発明の範囲を越えて高くなりすぎるおそれが
ある。
【0024】本発明でマトリクス樹脂としてラジカル硬
化性樹脂成分を用いる場合、これを硬化させるためのラ
ジカル硬化剤を成形材料中に含むことが好ましい。この
ようなラジカル硬化剤としては、ベンゾイルパーオキサ
イド、ラウリルパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチル
パーオキシオクトエート、クメンヒドロパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ
−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等の
アゾ系化合物を挙げることができる。これらのラジカル
硬化剤は、硬化性樹脂成分100重量部に対し、0.1
〜5重量部の範囲で用いることが好ましい。また、一般
的な重合禁止剤を併用することもできる。
【0025】本発明において成形材料には、必要に応じ
て各種の添加剤を配合することができる。具体的には、
増粘剤、カップリング剤、内部離型剤、補強剤、加飾
剤、湿潤分散剤等である。増粘剤としては、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土
類金属水酸化物;酸化亜鉛等が挙げられるが、これらに
限定されない。
【0026】カップリング剤としては、シラン系カップ
リング剤、クロム系カップリング剤、チタン系カップリ
ング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム
系カップリング剤等が挙げられる。内部離型剤として
は、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ア
ルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸アミド、トリフェニルホスフェー
ト、アルキルホスフェート、一般に用いられているワッ
クス類、シリコーンオイル等の公知の離型剤を挙げるこ
とができる。
【0027】補強剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、
金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維;アラ
ミドやポリエステル等からなる有機繊維;天然繊維等が
挙げられる。繊維の形態は、例えば、ロービング、クロ
ス、マット、織物、チョップドロービング、チョップド
ストランド等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0028】加飾剤としては、透明でも不透明であって
もよく、着色物でも無着色物であってもよい。鉱物粒子
としては、か焼タルク、黒雲母、カーボランダム、硬石
膏、砂岩、ひる石、天然花崗岩、玄武岩、石英、孔雀
石、大理石、雲母、黒曜石、オパール、石英岩、岩石石
膏、砂、珪灰石(ウォラストナイト)等が挙げられる。
他の有用な物質としては、煉瓦、しっくい、陶器、鋸
屑、貝殻、ガラス、種々の不溶性または交叉結合重合体
(例えば、エポキシ樹脂、ポリエチレン、エチレン共重
合体、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアセター
ル、ポリエステル、ポリプロピレン、尿素/ホルムアル
デヒド樹脂、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリビニリデン
クロリド、ポリビニルエステル等)の、充填剤を含むま
たは含まない、あるいは顔料を添加または添加しないチ
ップが挙げられる。
【0029】なお、本発明において、充填剤と加飾剤と
は次のように区別されるものである。すなわち、充填剤
とは粒が肉眼で確認できないものであり、一般的に粒子
径が0.1mm未満のものである。一方、加飾剤とは粒
が肉眼で確認できるものであり、一般的に粒子径が0.
1mm以上のものであり、好ましくは0.5mm以上の
ものである。
【0030】湿潤分散剤は、マトリクス樹脂と充填剤と
の混練時の粘度を低下させ、マトリクス樹脂に対する充
填剤のなじみ(濡れ性)を向上させるために使用され
る。湿潤分散剤としては、カルボキシル基を有する飽和
ポリエステル(例えば、BYKケミー(株)製の「W−
995」、「W−996」、「W−9010」、高分子
ポリカルボン酸のアルキルアンモニウム塩(例えば、B
YKケミー(株)製の「W−960」)、カルボキシル
基を有する極性のエステルと長鎖ポリアミノアミドとの
塩(例えば、BYKケミー(株)製の「W−96
5」)、カルボキシル基を有する飽和ポリエステルの部
分中和物(例えば、BYKケミー(株)製の「W−99
0」)等が挙げられる。
【0031】本発明の成形材料は、射出成形、圧縮成形
等の成形材料として好適に用いることができ、とりわけ
SMCやBMC等の圧縮成形材料として好適に用いるこ
とができる。特に本発明の成形材料は黒化の問題がない
ので、美観が重要視される住設建材用途において好適に
用いることができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実
施例中で「部」、「%」とは特にことわりがない限り、
それぞれ「重量部」、「重量%」を表すものとする。 [実施例1]側鎖に二重結合を有する熱硬化性(メタ)
アクリルシラップ(重量平均分子量4.3万、二重結合
当量6100、酸価21、固形分41%)15部、(メ
タ)アクリル単量体としてメチルメタクリレート75
部、架橋性単量体としてトリメチロールプロパントリメ
タアクリレート10部、重量平均分子量7万のポリメチ
ルメタクリレート(住友化学工業(株)製スミペックス
LG6A)136部、シリカ系充填剤として溶融シリカ
((株)龍森製ヒューズレックスZA20C)425
部、シランカップリング剤(信越化学(株)製KBM5
03)4.25部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛
2部、硬化剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本
油脂(株)製、パーヘキサTMH)1部をセラミック処
理を施した双腕型ニーダーで混練した。
【0033】得られた材料をビニロンフィルムで包装
し、40℃で1日熟成させた。熟成後の粘度はブルック
フィールド社製ヘリパス粘度計DV2 Fスピンドル5
rpmで測定したところ、25℃で21kPasであっ
た。次に、上記材料を110℃に温度調整したクロムメ
ッキを施した400×600のバスタブ形状の金型に充
填して圧力8MPaで型締めし、12分間、加熱加圧成
形することにより、厚さ10mmのバスタブ成形品を得
た。
【0034】得られた成形品は金型擦傷による黒化もな
く、乳白色半透明の美しい外観を有するバスタブ成形品
であった。更に、成形を行った金型を観察したところ、
クロムメッキ面に傷はなかった。また、曲げ強度は10
1MPa、鉛筆硬度は9H以上(9Hで傷つかず)であ
った。 [実施例2]実施例1において、使用するポリメチルメ
タクリレートをスミペックスLG6AからME−A(住
友化学工業(株)製、重量平均分子量8.1万)に変更
して、同様に材料を作成した。熟成後の粘度は35kP
asであった。
【0035】上記で得られた材料を用いて実施例1と同
様にしてバスタブ成形を行った。得られた成形品は金型
擦傷による黒化もなく、乳白色半透明の美しい外観を有
するバスタブ成形品であった。更に、成形を行った金型
を観察したところ、クロムメッキ面に傷はなかった。 [比較例1]実施例1において、使用するポリメチルメ
タクリレートをスミペックスLG6Aからスミペックス
MM−A(住友化学工業(株)製、重量平均分子量14
万)に変更して、同様に材料を作成した。熟成後の粘度
はヘリパス粘度計 Fスピンドル 5rpmでは測定不
能であった(最大測定値80kPas)。3rpmで測
定したところ、100kPasであった。
【0036】上記で得られた材料を用いて実施例1と同
様にしてバスタブ成形を行った。得られた成形品は金型
擦傷による黒化はなかったが、金型に放射状の傷が発生
していた。 [比較例2]カルボキシル基を含有するアクリルシラッ
プ(重量平均分子量3万、酸価20.5mgKOH/
g、固形分41%)100部に対して、内部離型剤とし
てのステアリン酸亜鉛1部、シリカ系充填材としての結
晶シリカ((株)山森土本鉱業所製、シルシックS1)
220部、シランカップリング剤(信越化学(株)製K
BM503)2.2部、硬化剤として1,1−ビス(t
−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサTMH)1
部、増粘剤として酸化マグネシウム1.5部をセラミッ
ク処理を施した双腕型ニーダーで混練した。
【0037】得られた材料をビニロンフィルムで包装
し、40℃で1日間熟成させた。熟成後の粘度はヘリパ
ス粘度計 Fスピンドル 5rpmでは測定不能であっ
た(最大測定値80kPas)。1rpmで測定したと
ころ、160kPasであった。上記で得られた材料を
用いて実施例1と同様にしてバスタブ成形を行った。
【0038】得られた成形品は金型擦傷により薄く黒化
しており、金型に放射状の傷が発生していた。 [比較例3]側鎖に二重結合を有する熱硬化性(メタ)
アクリルシラップ(重量平均分子量6万、二重結合当量
3400、酸価7.3、固形分40%)66部、芳香族
ビニル単量体としてスチレン4部、重量平均分子量約7
万のポリメチルメタクリレート30部、水酸化アルミニ
ウム(アルコア化成(株)製B−808)250部、シ
ランカップリング剤(信越化学(株)製KBM503)
3.8部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛1部、硬
化剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂
(株)製、パーヘキサTMH)1部、増粘剤として酸化
マグネシウム0.5部を双腕型ニーダーで混練した。
【0039】得られた材料をビニロンフィルムで包装
し、40℃で1日熟成させた。熟成後の粘度は30kP
asであった。上記で得られた材料を用いて実施例1と
同様にしてバスタブ成形を行った。得られた成形品は所
々にクラックを発生しており、満足な成形品ではなかっ
た。
【0040】曲げ強度は40MPa、鉛筆硬度は6Hで
あった。 [比較例4]側鎖に二重結合を有する(メタ)アクリル
シラップ(重量平均分子量4.3万、二重結合当量61
00、酸価21、固形分41%)15部、(メタ)アク
リル単量体としてメチルメタクリレート85部、架橋性
単量体としてトリメチロールプロパントリメタアクリレ
ート15部、重量平均分子量7万のポリメチルメタクリ
レート(住友化学工業(株)製スミペックスLG6A)
120部、シリカ系充填剤として溶融シリカ((株)龍
森製ヒューズレックスZA20C)420部、シランカ
ップリング剤(信越化学(株)製KBM503)4.2
部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛2部、硬化剤と
して1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂(株)
製、パーヘキサTMH)1部をセラミック処理を施した
双腕型ニーダーで混練した。
【0041】得られた材料をビニロンフィルムで包装
し、40℃で1日熟成させた。熟成後の粘度はブルック
フィールド社製ヘリパス粘度計DV2 Fスピンドル5
rpmで測定したところ、25℃で8kPasであっ
た。次に、上記材料を110℃に温度調整したクロムメ
ッキを施した400×600のバスタブ形状の金型に充
填して圧力8MPaで型締めし、12分間、加熱加圧成
形することにより、厚さ10mmのバスタブ成形品を得
た。
【0042】得られた成形品は金型擦傷による黒化はな
く、クラックも無かったが、ピンホール、かすれが多数
発生しており、満足な成形品ではなかった。成形を行っ
た金型を観察したところ、クロムメッキ面に傷はなかっ
た。実施例1〜2では成形材料の粘度が10〜80kP
asの範囲内であるので、金型の擦傷がなく、黒化の問
題もない。一方、比較例1〜2では成形材料の粘度が8
0kPasよりも高いために、金型の擦傷が見られ、成
形品が黒化する場合がある。
【0043】また、比較例3では、充填剤としてシリカ
系充填剤ではなく水酸化アルミニウムを用いたものであ
る。水酸化アルミニウムを含む組成物はシリカ系充填剤
を含む組成物よりも強度が低いため、比較例3の成形材
料は実施例1の成形材料と比べると鉛筆硬度が低く、曲
げ強度も低い。そのため、成形時の硬化収縮に耐えるこ
とができず、成形品にクラックが生じている。この結果
から、シリカ系充填剤は強度的にも有利であることがわ
かる。
【0044】
【発明の効果】本発明によると、シリカ系充填剤を用い
ているにもかかわらず、成形時に金型を磨耗させず、材
料が黒化するという問題がない。したがって、通常のク
ロムメッキ金型を使用して成形することができ、美観が
重要視される住設建材用途においても好適に用いること
ができる。そして、シリカ系充填剤を用いているので、
物理強度が強く、耐擦傷性に優れ、また耐熱水性にも優
れるので、物性的にも一般的な成形材料よりも有利であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA03 AA33 AA88 AB26 AE17 AH03 AH12 BA03 BB01 BB12 4J002 BC031 BC081 BC091 BC111 BE011 BF021 BG011 BG041 BG051 BG061 BG071 BG091 BG101 BG131 BH001 BH021 BJ001 CD051 CD061 CF001 CG001 CK031 DJ016 EU187 FD016 FD147 HA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス樹脂およびシリカ系充填剤を
    含んでなるシリカ系成形材料であって、ヘリパス粘度計
    のスピンドルFによって5rpmで測定される粘度(2
    5℃)が10kPas〜80kPasであることを特徴
    とするシリカ系成形材料。
  2. 【請求項2】 マトリクス樹脂およびシリカ系充填剤を
    含んでなるシリカ系成形材料の成形方法であって、該成
    形材料がヘリパス粘度計のスピンドルFによって5rp
    mで測定される粘度(25℃)が10kPas〜80k
    Pasであることを特徴とするシリカ系成形材料の成形
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2669336A4 (en) * 2011-01-25 2013-12-04 Panasonic Corp FORM STRUCTURE AND MOTOR
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