JP2000351370A - デジタル情報送信機能付変周式ats地上子 - Google Patents

デジタル情報送信機能付変周式ats地上子

Info

Publication number
JP2000351370A
JP2000351370A JP11162950A JP16295099A JP2000351370A JP 2000351370 A JP2000351370 A JP 2000351370A JP 11162950 A JP11162950 A JP 11162950A JP 16295099 A JP16295099 A JP 16295099A JP 2000351370 A JP2000351370 A JP 2000351370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
digital information
coil
variable
information transmission
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11162950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4140038B2 (ja
Inventor
Hideki Arai
英樹 新井
Kazutoshi Sato
和敏 佐藤
Yoji Suzuki
洋司 鈴木
Takeshi Jinguji
健 神宮寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Sankosha Co Ltd
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Sankosha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute, Sankosha Co Ltd filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP16295099A priority Critical patent/JP4140038B2/ja
Publication of JP2000351370A publication Critical patent/JP2000351370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4140038B2 publication Critical patent/JP4140038B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変周式ATS−S形システムに、運転手の注
意力に頼らない運転保安システムを構築する 【解決手段】 変周波送信による警報機能指令に加えて
デジタル情報波送信による防護機能指令を車上に送信す
る変周式ATS地上子である。警報機能は、進行する列
車の前方信号機の現示が停止現示であることを運転手に
警報する機能であり、防護機能は、警報機能が解除され
ても、車上子にブレーキパターンを作成させ、列車がこ
のパターン速度を超過して引き続き走行を続けるときに
は、車上において、自動的にブレーキ指令を出力する機
能である。車上に警報機能指令を送信するATS地上子
の変周コイル7に加え、車上に防護機能指令を送信する
デジタル情報波伝送コイル9を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転手の注意力に
は頼らない運転保安システムを実現するデジタル情報送
信機能付変周式ATS地上子に関する。
【0002】
【従来の技術】現行のJR各社の殆どの区間において
は、変周式ATS−S形システム(ATS−Autom
atic Train Stop自動列車停止装置)が
列車運行の保安装置として使用されている。
【0003】変周式ATS−S形システムは、地上子−
車上子間の変周作用を利用し、列車の前方信号機の現示
が停止現示であることを運転手に警報する機能を有する
ものである。本発明において、以下この機能を警報機能
と云う。
【0004】変周式ATS−S形システムの警報機能が
実行されたにも関わらず、運転手がその警報に気が付か
ず、停止信号機の内方に進入しようとした場合には、自
動的に非常ブレーキが作動する。
【0005】この変周式ATS−S形システムの導入に
より、列車の追突事故は激減した、といわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな変周式ATS−S形のシステムでは、警報に対し、
運転手が確認扱いを行った後は、もはやATSとしての
警報機能は失われ、列車の停止扱いは、専ら運転手の注
意力に委ねられることになる。
【0007】したがって、運転手が、確認扱いをしたに
も関わらず、うっかりブレーキ操作を失念した時や、不
測の事態が発生して運転手にブレーキ操作が出来ないよ
うなときには、列車を止めることができず、その結果、
列車が停止信号の内方区間に暴走し、追突事故を引き起
こすというような大きな危険がある。
【0008】この様な危険な事態の発生を回避するため
に、トランスポンダ式のATS−P形システム(以下ト
ランスポンダ式ATSという)が新しく開発された。
【0009】このシステムは、トランスポンダを用い、
地上から車上に対し、停止信号機までの距離情報をデジ
タル符号として送信し、停止信号機までの距離情報をも
とに、車上にてブレーキパターンを作成し、列車速度が
このパターン速度を超過したときに、自動的にブレーキ
指令を出力する、というものである。
【0010】このように、トランスポンダ式ATSは、
運転手の注意力には頼らないという運転保安システムで
ある。トランスポンダ式ATSは、変周式ATS−S形
システムに比べ、システムとしての機能は勿論優れてい
る。
【0011】しかし、トランスポンダ式ATSは、その
地上設備および車上設備の導入コストが変周式ATS−
S形システムに比べて高いという問題があって、いま
だ、このシステムについては、広域的な拡張には至って
いないのが実状である。
【0012】これに対し、変周式ATS−S形システム
は、現在、JR各社の在来線の殆どの区間に設置されて
いるにも関わらず、システムとしてトランスポンダ式A
TSにみられるような運転保安システムは、確立されて
いない。
【0013】トランスポンダ式のATSのシステムと、
変周式のATS−S形システムとは、情報送信方式およ
び使用周波数帯域が全く異なるため、各々の地上設備設
置区間に跨って運行される列車に対しては、トランスポ
ンダ式のATSのシステムと、変周式のATS−S形シ
ステムとの2種類の車上子および、車上装置を搭載しな
ければならない。
【0014】本発明の目的は、在来線の大部分を占める
変周式ATS−S形システムにおいて、既存の設備を有
効に活用しながらデジタル情報を車上に送信して運転手
の注意力に頼らない運転保安システムを構築するデジタ
ル情報送信機能付変周式ATS地上子を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるデジタル情報送信機能付変周式ATS
地上子においては、変周波発信による警報機能指令に加
えてデジタル情報波発信による防護機能指令を車上に送
信するデジタル情報送信機能付変周式ATS地上子であ
って、警報機能は、進行する列車の前方信号機の現示が
停止現示であることを運転手に警報する機能であり、防
護機能は、警報機能が解除されても、車上にブレーキパ
ターンを作成させ、列車がこのパターン速度を超過して
引き続き走行を続けるときには、ブレーキ動作指令信号
となるデジタル情報を車上に発信する機能である。
【0016】また、車上に警報機能指令を発信するAT
S地上子の変周コイルに加え、車上に防護機能指令を送
信するデジタル情報波送信コイルを付加したものであ
る。
【0017】また、変周コイルに、デジタル情報送信コ
イルを併設した変周式地上子であって、変周コイルは、
車上子に変周周波数信号を出力するものであり、デジタ
ル情報送信コイルは、ブレーキパターンを車上に形成さ
せるデジタル情報波を出力するものであり、変周コイル
の上に重ねて地上子のケース内に収容されたものであ
る。
【0018】また、変周コイルは、数字の0の字を象っ
て巻かれたコイルであり、デジタル情報送信コイルは、
数字の8の字を象って巻かれたコイルであり、変周コイ
ルの0の字上に、外形をあわせて、重ねられているもの
である。
【0019】また、変周コイルは、外側面が開放された
0型の形枠内に巻かれ、形枠には、0の字を横切って8
の字を形成する横桟が取付けられ、デジタル情報送信コ
イルは、ループを形成する隣り合う巻線を、同一平面に
並列に並べつつ一定回数巻いて8の字の一方のループを
作り、同様に隣り合う巻線を同一平面に並列に並べつつ
一定回数巻いて他方のループを作り、ループの巻線は、
形枠の上面及び横桟の上面に横並びに配列され、変周コ
イルが巻かれた形枠とともに地上子のケース内に収納さ
れているものである。
【0020】また、8の字コイルの中心は、列車の進行
方向に対し、0の字コイルのQの変化が許容の範囲内で
の横方向のずれを許容して0の字コイルの中心に合致さ
せて重ねられているものである。
【0021】また、デジタル情報送信コイルの巻線が8
の字にクロスする位置を0の字コイルとともに車上子の
中心に対して軌道の中心線寄りにずらせることによっ
て、列車の横揺れの大小に関わらず、デジタル情報送信
コイルから発信されるデジタル情報波が車上子の二次コ
イルに受信されるようにしたものである。
【0022】また、リレー動作用電源部と、デジタル情
報送信用電源部とを電源回路に有するデジタル情報送信
機能付変周式ATS地上子であって、リレー動作用電源
部は、外部から供給された交流電源を整流して信号機器
具箱から主ケーブルを通して地上子に送電し、地上子の
変周コイルの共振回路切替用リレーに給電するものであ
り、デジタル情報送信用電源部は、外部から供給された
交流電源を降圧して信号機器具箱から主ケーブルを通し
て地上子に送電し、地上子側で分岐させた分岐配線上で
整流し、デジタル情報送信コイルにデジタル情報を発信
するデジタル情報送信器に、直流電源を給電するもので
あり、主ケーブルに通ずる信号機器具箱内のリレー動作
用電源部の配線には、信号機内のリレーによって制御さ
れ、信号現示が停止(赤)現示のときに接点を開放する
リレー接点が接続され、デジタル情報送信用電源部の配
線には、信号機内のリレーによって制御され、信号現示
が停止(赤)現示のときに接点を閉じるリレー接点が接
続されているものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図によ
って説明する。図1は、本発明によるデジタル情報送信
機能付変周式ATS地上子を組み込んだATS−S形シ
ステムの構成を示す図である。図1において、列車は、
車上子1を搭載し、その車上子1からは常時、105k
Hzの周波数信号が帰還発振されている。
【0024】一方地上子(デジタル情報送信機能付変周
式ATS地上子)2は、信号機3から一定距離の地点
(通常、地上子の設置場所は、信号機の手前約800メ
ートルの地点である)に設置されており、当該信号機3
が停止現示である時に地上子2は、130kHzの共振
周波数を発振し、それ以外の現示の場合は、103kHz
共振周波数を発振している。
【0025】信号機3にさしかかる列車5の車上子1が
地上子2から発振された130kHzの変周周波数信号
を受信すると、105kHz常時発振周波数が変周され
ることになり、105kHz信号用フィルタ4の出力が
なくなり、リレー6が落下する。これをトリガとし、車
内警報が鳴り、前方信号機3が停止現示であることを報
知する。このような警報機能は、従来と同じである。
【0026】図2において、運転手がこの警報に気付か
ず、5秒以上確認扱いをしなかった場合には、ATS−
S形車上装置から非常ブレーキ指令が出力され、列車5
は、信号機3の手前で自動停車する。この機能が、AT
S機能と云われるものである。
【0027】しかし、運転手が確認扱いをした時には、
前述のようにその後、ATS機能は解除され、運転手が
ブレーキ操作を行わない限り、列車を止めることができ
ない。
【0028】本発明においては、変周式ATS−S形地
上子の警報機能が解除されても、列車が一定以上の速度
で走行を続ける限り、車上子1にブレーキパターンを作
成し、列車5がこのパターン速度を超過した時には、A
TS機能を復活させ、自動的にブレーキ指令を出力させ
るものである。本発明において、この機能を防護機能と
いう。
【0029】本発明は、変周式ATS−S形システムの
地上子2の有する警報機能指令の発信機能に加え、デジ
タル情報波発信による防護機能指令の発信機能を付加し
たものである。
【0030】防護機能指令に用いるデジタル情報は、た
とえば、信号機種別情報、信号現示情報および信号機ま
での距離情報などの情報であり、これらの情報は、デジ
タル信号を用いて車上に送信される。
【0031】したがって、本発明による地上子2上を列
車5が通過した場合には、従来通りの変周波による警報
機能指令の発信とは別に、防護機能指令が発信され、車
上においては、その指令をうけて、防護機能を実行する
ための照査ブレーキパターンを車上に作成することが可
能となる。
【0032】図1において、地上装置の地上子2は、変
周コイル7と、変周コイル7に並列に結線されたコンデ
ンサC1、又はコンデンサC1及びC2との共振回路であ
り、リレーRを有し、リレーRは共振回路切替用であ
り、制御信号によって動作し、そのリレー接点Crの開
放時は、変周コイル7とコンデンサC1との共振回路が
構成され、リレー接点Crが構成された時に、コンデン
サC1及びC2と変周コイル7との共振回路が形成され
る。
【0033】車上装置の車上子1は、105kHzで常
時発振し、フィルタ4を通してリレー6を動作させてい
るのは、前述の通りである。本発明においては、地上装
置にデジタル情報送信器8を設置し、デジタル情報送信
コイル9を変周コイル7に併設したものである。
【0034】デジタル情報送信コイル9は、変調器10
を介してデジタル情報送信器8に接続されている。一
方、車上装置には、車上子1のコイルを通じてデジタル
情報送信コイル9から発振された情報を受信するデジタ
ル情報受信器11が装備されている。
【0035】デジタル情報送信コイル9は、変周コイル
7のQに影響を与えないようにコイルの巻線を「8の
字」に巻いて変周コイル7の上にセットしている。図3
に地上子のコイル部の構造を示す。変周コイル7は、外
側面が開放された0型の形枠12内に「0の字」を象っ
て巻かれ、形枠12には、「0の字」を横切って8の字
を形成する横桟13が取付けられている。
【0036】図3(d)において、デジタル情報送信コ
イル9の巻線は、「8の字」の右側のループと左側のル
ープとに渡り、「8の字」を象って巻かれるが、その巻
き方については、例えば「8の字」の左側から巻き始
め、隣り合う線は、同一平面に並列に並べつつ一定回数
(たとえば15回)巻いて左側のループを作り、次いで
右側に移り、同様に隣り合う線を同一平面に並列に並べ
つつ一定回数(たとえばT=15回)巻いて右側のルー
プを作るように巻かれ、図3(b)および(c)に示す
ように、コイルの巻線は、形枠12の上面及び横桟13
の上面に横並びに配列され、形枠12と共に地上子2の
ケース14内に収納される。
【0037】また、デジタル情報送信コイル(8の字コ
イルという)9の巻き方を変えたときに、変周コイル
(0の字コイルという)7のQに影響を与えることがあ
る。図4において、8の字コイルの交差する部分を列車
の進行方向右にずらせて行くことによって、0の字コイ
ルのQの変化が大きくなる。Qの低下の許容限界を93
%としたときには、実用上のずれの限界は5cmであ
る。
【0038】図5に、本発明によるデジタル情報送信機
能付変周式ATS地上子に用いる電源回路17の一例を
示す。電源回路17は、共振回路切替用リレーRに制御
信号を給電する既存のリレー動作用電源部17aと、新
たに増設したデジタル情報送信用電源部17bとからな
っている。
【0039】リレー動作用電源部17aは、外部から供
給された交流電源20を整流し、直流電源を地上子2に
送電して共振回路切替用リレーRに給電するものであ
り、新たに増設したデジタル情報送信用電源部17b
は、外部から供給された交流電源20を降圧して地上子
2に送電し、地上子側で整流してデジタル情報送信器8
に、直流電源を給電するものである。
【0040】信号機器具箱18内には、リレー動作用電
源部17aの整流器19と、デジタル情報送信用電源部
17bのトランス21が収容されている。既存のリレー
動作用電源部17aの配線22は、主ケーブル23に接
続して信号機器具箱18から引き出されており、信号機
器具箱18と地上子2間は、主ケーブル23で接続さ
れ、主ケーブル23には、前記リレーRが結線されてい
る。
【0041】新たに増設したデジタル情報送信用電源部
17bの配線24は、信号機器具箱18内で主ケーブル
23に接続され、地上子2内で分岐してその分岐配線2
5に、整流器26を介し、前記デジタル情報送信器8が
接続されている。
【0042】前述のように、新たに増設したデジタル情
報送信用電源部17bに供給される交流電源20は、降
圧されて交流のまま地上子2に送電される。地上子2内
に送電された交流電源は、整流器26で整流され、その
直流電源をもって、デジタル情報送信器8が駆動され、
デジタル情報信号を発し、そのデジタル情報信号は、デ
ジタル情報送信コイル9より空中に発振される。
【0043】信号機器具箱18内の電源部17aの配線
22には、信号機内のリレー(図示略)によって制御さ
れるリレーHRの定位接点(HR1)が接続されてい
る。リレーHRの定位接点(HR1)は、信号機3の現
示が停止(赤)現示以外のときに動作して接点を構成
し、共振回路切替用リレーRへ直流電源を供給するが、
信号機3の現示が停止(赤)現示のときに接点を開放し
て、地上子2側への通電を絶つものである。
【0044】一方、新たに増設したデジタル情報送信用
電源部17bの配線24には、信号機内のリレー(図示
略)によって制御されるリレーHRの反位接点(HR
2)が接続されている。
【0045】リレーHRの反位接点(HR2)は、信号
機3の現示が停止(赤)現示以外のときに接点を開放
し、地上子2側への交流電源の供給を停止しているが、
信号機3の現示が停止(赤)現示のときに接点を閉じ
て、地上子2側へ交流電源を通電する。交流電源は、地
上子2内の整流器26で整流され、直流電源をデジタル
情報送信器8に給電する。
【0046】信号機3の現示が停止(赤)現示のときに
は、リレーHRの定位接点(HR1)は開放され、共振
回路切替用リレーRへの通電は遮断されるが、デジタル
情報送信用電源部17bに供給された交流電源電圧は、
地上子2に送電され、地上子2内で整流されてデジタル
情報送信器8に給電されるため、信号機が赤信号のとき
に、デジタル情報送信器8は、給電された直流電圧で動
作し、必要なデジタル情報をデジタル情報送信コイル9
に送り込む。
【0047】信号機3の現示が停止(赤)現示のとき、
共振回路切替用リレーRには、交流電源が供給される
が、デジタル情報送信用電源部17bの交流電源電圧を
共振回路切替用リレーRの許容値以下に降圧しておくこ
とによって、共振回路切替用リレーRの不正動作を防止
できる。
【0048】デジタル情報送信器8に記憶させる情報
は、防護機能指令である。防護機能指令は、デジタル情
報波として、デジタル情報送信コイルからデジタル情報
波として発信される。発信されたデジタル情報波は、地
上子2上を通過する列車5の車上子1のコイルに受信さ
れ、デジタル情報受信器11で復調され、防護機能を実
行する列車5の制御指令信号として出力される。
【0049】防護機能指令は、地上から車上に照査用ブ
レーキパターンを発生させさせる情報であり、この防護
機能指令は、このパターンを車上に送信し、車上におい
ては、運転手が確認扱いをした後においても、列車が予
め定められたブレーキパターンを越えるときに、ブレー
キ動作指令信号となるデジタル情報を出力し、車上で
は、自動的にブレーキ指令が出力されて防護機能が実行
される。
【0050】本発明において、地上子2上を通過する列
車5に対して、変周コイル7から発せられる警報機能指
令と共に、デジタル情報波による防護機能指令を発信す
るために、車上においては、この指令をうけて防護機能
を実行することによって、運転手の注意力に頼らない運
転保安システムが実現される。
【0051】なお、本発明において、防護機能のブレー
キ動作指令信号となるデジタル情報の符合伝送仕様の一
例を以下に示す。
【0052】デジタル符合伝送の仕様 搬送波 :465kHz 偏移周波数 :±12kHz 変調方式 :FSK変調 伝送速度 :48kbps 電文フォーマット:HDLC準拠 伝送情報内容 :1電文長54bit、情報部22b
it(図7参照)
【0053】なお、列車には、走行中に横揺れが生じ
る。横揺れの幅は、最大80mmと言われている。図6
において、車上子1が左に80mm変位したとき、地上
子2のデジタル情報送信コイル9の信号は、車上子1の
二次コイル15には受からなくなる。
【0054】このようなときに、デジタル情報送信コイ
ル9の信号を車上子1の一次コイル16に受け取らせる
ことも考えられるが、一次コイル16から常時発振され
る信号用の高調波に妨げられて一次コイル16で受信す
ることは困難にになる。
【0055】この様な問題は、デジタル情報送信コイル
が象る8の字がクロスする位置を調節することによって
解決できる。車上子1及び地上子2は、軌道の中心線か
ら、210±10mmの位置に中心がくるように設置さ
れる。
【0056】デジタル情報送信コイル9から車上子1の
二次コイル15に信号を確実に伝えるには、デジタル情
報送信コイルの8の字がクロスする位置を軌道の中心線
CL寄りに例えば10mmずらせることによって、列車
の横揺れの大小に関わらず、車上子1は、防護機能を実
行するためのデジタル情報の受信を確実に行うことが出
来る。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明によるときには、
変周式ATSの設備を有効に生かしながら地上からデジ
タル情報を車上に送信し、そのデジタル情報を用いて、
車上に速度照査パターンを作成し、列車速度がこのパタ
ーン速度を超過した場合に、自動的にブレーキ指令を出
力することが可能となり、変周式ATS−Sシステムに
おいても運転手の注意力には頼らない運転保安システム
を構築できる効果を有する。
【0058】また、本発明において、変周式地上子に
は、変周コイルのQに影響を殆ど与えることなくデジタ
ル情報送信コイルを組合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステムの構成図で
ある。
【図2】ATS保安システムのもとでの運転パターンを
示す図である。
【図3】地上子のコイル部を示す図であり、(a)は、
形枠の平面図、(b)は、(a)のB−B線断面図、
(c)は、(a)のC−C線断面図、(d)は、デジタ
ル情報送信コイルの巻き方を示す図である。
【図4】デジタル情報送信コイル(8の字コイル)の巻
方を変えたときに変周コイル(0の字コイル)に与える
Qの影響を調べるときの両コイルの配置関係を示す図で
ある。
【図5】本発明によるデジタル情報送信機能付変周式A
TS地上子に用いる電源回路の一例を示す図である。
【図6】地上子と、車上子との配置関係を示す図であ
る。
【図7】デジタル情報送信に用いるデジタル符合伝送仕
様の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 車上子 2 地上子 3 信号機 4 信号用フィルター 5 列車 6 リレー 7 変周コイル 8 デジタル情報送信器 9 デジタル情報送信コイル 10 変調器 11 デジタル情報受信器 12 枠体 13 横桟 14 地上子のケース 15 車上子の二次コイル 16 車上子の一次コイル 17 電源回路 17a リレー動作用電源部 17b デジタル情報送信用電源部 18 信号機器具箱 19 整流器 20 交流電源 21 トランス 22 信号機器具箱内のリレー動作用電源部の配線 23 主ケーブル 24 信号機器具箱内のデジタル情報送信用電源部 25 分岐配線 26 整流器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和敏 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 鈴木 洋司 山梨県甲府市堀の内町937−1 メゾンフ ァミーユ115号 (72)発明者 神宮寺 健 山梨県中巨摩郡昭和町紙漉阿原1928 Fターム(参考) 5H161 AA01 CC05 DD16 EE04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変周波発信による警報機能指令に加えて
    デジタル情報波発信による防護機能指令を車上に送信す
    るデジタル情報送信機能付変周式ATS地上子であっ
    て、 警報機能は、進行する列車の前方信号機の現示が停止現
    示であることを車上に警報する機能であり、 防護機能は、警報機能が解除されても、車上にブレーキ
    パターンを作成させ、列車がこのパターン速度を超過し
    て引き続き走行を続けるときには、ブレーキ動作指令信
    号となるデジタル情報を車上に送信する機能であること
    を特徴とするデジタル情報送信機能付変周式ATS地上
    子。
  2. 【請求項2】 車上に警報機能指令を発信するATS地
    上子の変周コイルに加え、車上に防護機能指令を送信す
    るデジタル情報波送信コイルを付加したことを特徴とす
    る請求項1に記載のデジタル情報送信機能付変周式AT
    S地上子。
  3. 【請求項3】 変周コイルに、デジタル情報送信コイル
    を併設したデジタル情報送信機能付変周式ATS地上子
    であって、 変周コイルは、車上子に変周周波数信号を出力するもの
    であり、 デジタル情報送信コイルは、ブレーキパターンを車上に
    形成させるデジタル情報波を出力するものであり、変周
    コイルの上に重ねて地上子のケース内に収容されたもの
    であることを特徴とするデジタル情報送信機能付変周式
    ATS地上子。
  4. 【請求項4】 変周コイルは、数字の0の字を象って巻
    かれたコイルであり、 デジタル情報送信コイルは、数字の8の字を象って巻か
    れたコイルであり、変周コイルの0の字上に、外形をあ
    わせて、重ねられているものであることを特徴とする請
    求項3に記載のデジタル情報送信機能付変周式ATS地
    上子。
  5. 【請求項5】 変周コイルは、外側面が開放された0型
    の形枠内に巻かれ、形枠には、0の字を横切って8の字
    を形成する横桟が取付けられ、 デジタル情報送信コイルは、ループを形成する隣り合う
    巻線を、同一平面に並列に並べつつ一定回数巻いて8の
    字の一方のループを作り、同様に隣り合う巻線を同一平
    面に並列に並べつつ一定回数巻いて他方のループを作
    り、ループの巻線は、形枠の上面及び横桟の上面に横並
    びに配列され、変周コイルが巻かれた形枠とともに地上
    子のケース内に収納されていることを特徴とする請求項
    4に記載のデジタル情報送信機能付変周式ATS地上
    子。
  6. 【請求項6】 8の字コイルの中心は、列車の進行方向
    に対し、0の字コイルのQの変化が許範囲内での横方向
    のずれを許容して0の字コイルの中心に合致させて重ね
    られていることを特徴とする請求項4に記載のデジタル
    情報送信機能付変周式ATS地上子。
  7. 【請求項7】 デジタル情報送信コイルの巻線が8の字
    にクロスする位置を0の字コイルとともに車上子の中心
    に対して軌道の中心線寄りにずらせることによって、列
    車の横揺れの大小に関わらず、デジタル情報送信コイル
    から発信されるデジタル情報波が車上子の二次コイルに
    受信されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載
    のデジタル情報送信機能付変周式ATS地上子。
  8. 【請求項8】 リレー動作用電源部と、デジタル情報送
    信用電源部とを電源回路に有するデジタル情報送信機能
    付変周式ATS地上子であって、 リレー動作用電源部は、外部から供給された交流電源を
    整流して信号機器具箱から主ケーブルを通して地上子に
    送電し、地上子の変周コイルの共振回路切替用リレーに
    給電するものであり、 デジタル情報送信用電源部は、外部から供給された交流
    電源を降圧して信号機器具箱から主ケーブルを通して地
    上子に送電し、地上子側で分岐させた分岐配線上で整流
    し、デジタル情報送信コイルにデジタル情報を発信する
    デジタル情報送信器に、直流電源を給電するものであ
    り、 主ケーブルに通ずる信号機器具箱内のリレー動作用電源
    部の配線には、信号機内のリレーによって制御され、信
    号現示が停止(赤)現示のときに接点を開放するリレー
    接点が接続され、デジタル情報送信用電源部の配線に
    は、信号機内のリレーによって制御され、信号現示が停
    止(赤)現示のときに接点を閉じるリレー接点が接続さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載のデジタル情
    報送信機能付変周式ATS地上子。
JP16295099A 1999-06-09 1999-06-09 デジタル情報送信機能付変周式ats地上子 Expired - Lifetime JP4140038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16295099A JP4140038B2 (ja) 1999-06-09 1999-06-09 デジタル情報送信機能付変周式ats地上子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16295099A JP4140038B2 (ja) 1999-06-09 1999-06-09 デジタル情報送信機能付変周式ats地上子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000351370A true JP2000351370A (ja) 2000-12-19
JP4140038B2 JP4140038B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=15764354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16295099A Expired - Lifetime JP4140038B2 (ja) 1999-06-09 1999-06-09 デジタル情報送信機能付変周式ats地上子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4140038B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276688A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Mitsubishi Electric Corp 車上アンテナおよび自動列車停止システム
JP2010089647A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Nippon Signal Co Ltd:The 車両制御装置
JP2010208385A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Railway Technical Res Inst 電源ケーブルレス地上子
JP2018188045A (ja) * 2017-05-10 2018-11-29 株式会社京三製作所 地上子
JP7437284B2 (ja) 2020-10-26 2024-02-22 株式会社京三製作所 地上子

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276688A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Mitsubishi Electric Corp 車上アンテナおよび自動列車停止システム
JP2010089647A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Nippon Signal Co Ltd:The 車両制御装置
JP2010208385A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Railway Technical Res Inst 電源ケーブルレス地上子
JP2018188045A (ja) * 2017-05-10 2018-11-29 株式会社京三製作所 地上子
JP7437284B2 (ja) 2020-10-26 2024-02-22 株式会社京三製作所 地上子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4140038B2 (ja) 2008-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103991465A (zh) 有轨电车安全式无线道岔控制系统及控制方法
JP7181048B2 (ja) 列車自動運転システム
JP7219047B2 (ja) 列車自動運転システム
JP2000351370A (ja) デジタル情報送信機能付変周式ats地上子
KR101456531B1 (ko) 철로 절연구간 운행 자동제어방법
JP5649393B2 (ja) 無線式踏切警報システム
JP2018207687A (ja) 自動列車防護システム
JP2002240715A (ja) 保安システムの選択システム、列車制御装置、地上制御装置および車上制御装置
JPH10320689A (ja) 緊急車両の優先通過信号システム
JP3053806B1 (ja) 車両制御装置
JP3577022B2 (ja) 駅・ホームから鉄道車両への非常停止警報システム
JP2000318611A (ja) 自動列車停止装置
JP3570965B2 (ja) 信号冒進警報装置
KR100638679B1 (ko) 무선 통신을 이용한 철도 차량의 건널목 정시간 제어시스템
KR102217872B1 (ko) Rfid를 이용한 철도차량용 정차역 무정차통과 방지 시스템
KR100415840B1 (ko) 3, 4, 5현시 겸용 열차자동 정지장치
JP4447119B2 (ja) ディジタルatcシステム、及びディジタルatcシステムにおける列車への情報伝送方法
JP4076425B2 (ja) 連続制御式ats−p装置
JP3969486B2 (ja) 踏切制御システム
JP6814050B2 (ja) 列車制御システム及び地上制御装置
JP2938596B2 (ja) 光送信式自動閉塞装置
KR101375573B1 (ko) Ats 모드에서의 열차 과주 방지 시스템
CN118144842A (zh) 用于车辆防护的地面装置、车载装置、方法和系统
JPH0747959A (ja) 踏切内状態検知システム
US2255192A (en) Coded continuous train control and cab signaling system for railroads

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080530

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4140038

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140620

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term