JP2000350497A - 携帯用発電機及び携帯用発電機の出力調整方法 - Google Patents

携帯用発電機及び携帯用発電機の出力調整方法

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JP2000350497A
JP2000350497A JP11158846A JP15884699A JP2000350497A JP 2000350497 A JP2000350497 A JP 2000350497A JP 11158846 A JP11158846 A JP 11158846A JP 15884699 A JP15884699 A JP 15884699A JP 2000350497 A JP2000350497 A JP 2000350497A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷の変動に合せてエンジンの回転数を調
整して発電を行う携帯用発電機は、負荷が急激に増大し
たとき、発電機の出力増加が追従できない場合があり、
エンジンが停止するという弊害が生じることもあった。 【解決手段】 交流発電機(50)を作動させて発生させ
た交流電圧を直流電圧発生回路(110)により一旦直流化
した後、インバータ回路(130)により単相交流電圧を形
成し、この単相交流電圧を出力端子(151,152)から出力
する携帯用発電機(100)において、直流電圧発生回路(11
0)の稼動率を所定とするようにエンジンのスロットル開
度を制御し、直流電圧発生回路(110)の稼動率が略最大
稼働率且つスロットルが全開近くなったとき、又は、ス
ロットル開度が全開近くであってエンジン回転数が所定
の規定値よりも低いとき、インバータ回路(130)の出力
電圧を降下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンにより発
電機を回転させることにより100ボルトなどの交流電
圧を出力させる携帯用発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、ガソリンエンジン又はディーゼル
エンジンを用い、所要の場所に移動させることが可能で
あり、且つ、数キロワット程度の出力を行うことのでき
る小型の発電機が多用されるようになってきた。この移
動させることを可能とした携帯用発電機としては、平均
出力電圧を100ボルト程度とし、エンジンの回転数を
一定回転数とすることにより50ヘルツ又は60ヘルツ
とする単相交流電圧を出力する発電機があった。
【0003】しかし、最近では、エンジンにより回転さ
せる交流発電機の出力電圧を一旦直流電圧に変換し、更
にインバータを用いて50ヘルツ又は60ヘルツの一定
周波数とする出力電圧を形成するものがある(例えば、
特開昭63−114527号、特開昭63−30272
4号)。尚、エンジンを用いて数キロワット乃至十キロ
ワット程度の出力を可能とされる小型の携帯用発電機
は、使用場所に持ち込み、常に移動可能な状態で発電作
動を行わせる場合のみでなく、特定の場所での使用期間
が継続する場合などは、固定的に据え付けて作動させる
こともある。
【0004】このインバータを採用した携帯用発電機で
は、図8に示すように、エンジンにより回転させる交流
発電機50、及び、整流用ダイオード115とサイリスタ111
を用いた直流電圧発生回路110、所要個数のコンデンサ
を並列とした大容量コンデンサ121による直流電源部12
0、更にパワートランジスタを用いたインバータ回路130
とローパスフィルタ140を有する。更に、この直流電圧
発生回路110やインバータ回路130などの電力回路を駆動
制御するための制御用回路として、PWM信号発生回路
250や電圧制限回路240、過負荷検出回路260、インバー
タドライブ回路255などを有する。又、この携帯用発電
機100は、これらの制御用回路を駆動する電源部として
の平滑回路210及び定電圧回路235なども有する。
【0005】このエンジンにより回転子を回転させる交
流発電機50は、三相出力巻線51と単相出力巻線55とを有
する発電機が多く利用される。三相出力巻線51は、最大
出力を数百ボルトとして数十アンペア程度の出力を可能
とし、単相出力巻線55は、数十ボルトにして数十アンペ
ア程度の出力を可能とするものが多い。この三相出力巻
線51の出力端子が接続される直流電圧発生回路110は、
3個の整流用ダイオード115と3個のサイリスタ111とを
用いた整流ブリッジ回路により構成され、この整流ブリ
ッジ回路の両出力端子を直流電源部120とする主平滑コ
ンデンサ121の両端に接続してコンデンサ121に充電を行
うものである。
【0006】尚、直流電圧発生回路110における各サイ
リスタ111のゲート端子は、電圧制限回路240に接続し、
各サイリスタ111の導通角を制御することにより直流電
源部120とした主平滑コンデンサ121の両端電圧を調整し
ている。そして、インバータ回路130は、4個のパワー
トランジスタを用いたブリッジ回路により構成してい
る。このインバータ回路130では、第1トランジスタ131
と第3トランジスタ133とを直列として直流電源部120に
接続し、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134と
を直列として直流電源部120に接続している。又、第1
トランジスタ131と第3トランジスタ133との中点はロー
パスフィルタ140を介して第1出力端子151に接続し、第
2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点はロ
ーパスフィルタ140を介して第2出力端子152に接続して
いる。更に、第1トランジスタ131のベースと第4トラ
ンジスタ134のベースとを共通としてインバータドライ
ブ回路255に接続し、第2トランジスタ132のベースと第
3トランジスタ133のベースとを共通としてインバータ
ドライブ回路255に接続している。
【0007】このインバータドライブ回路255から第1
トランジスタ131及び第4トランジスタ134に出力する第
1PWM信号、及び、第2トランジスタ132及び第3ト
ランジスタ133に出力する第2PWM信号は、数キロヘ
ルツ以上の高周波数としたパルス信号であり、各パルス
信号のパルス幅を50ヘルツ又は60ヘルツの周期で順
次変化させ、パルス幅の変化量は正弦波状に順次増加又
は減少させる信号としている。
【0008】そして、第1PWM信号と第2PWM信号
とを逆位相としている。このため、第1PWM信号によ
り第1トランジスタ131と第4トランジスタ134とを導通
させて第1トランジスタ131と第3トランジスタ133との
中点を直流電源部120の電圧VDとするとき、第2トラン
ジスタ132と第4トランジスタ134との中点は0ボルトと
され、又、第2PWM信号により第2トランジスタ132
と第3トランジスタ133とを導通させるとき、第1トラ
ンジスタ131と第3トランジスタ133との中点を0ボルト
とし、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との
中点を直流電源部120の電圧VDとされる。
【0009】この第1トランジスタ131と第3トランジ
スタ133との中点電位は、図9のAに示すように、0ボ
ルトと直流電源120の電圧VDとが高速で切り換わり、且
つ、直流電源電圧VDの持続時間が順次変化する。又、
第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点電
位も、図9のBに示すように、直流電源120の電圧VDと
0ボルトとが高速で切り換わり、直流電源電圧VDの持
続時間が順次変化する。
【0010】このため、ローパスフィルタ140を通過し
た第1出力電圧と第2出力電圧は、図9に示すように、
50ヘルツ又は60ヘルツの正弦波電圧とされ、且つ、
第1出力端子151の電圧と第2出力端子152の電圧とは、
最大値及び最小値を半周期ずらせた50ヘルツ又は60
ヘルツの交流出力電圧として形成される。又、交流発電
機50の単相出力巻線55は、図8に示したように、制御用
電源回路における平滑回路210に接続している。
【0011】この平滑回路210は、整流用ダイオード211
及び平滑用コンデンサ215で構成し、単相出力巻線55の
出力端子と平滑用コンデンサ215との間に整流用ダイオ
ード211を挿入し、単相出力巻線55の出力電圧により平
滑用コンデンサ215に充電して直流電圧を形成するもの
としている。尚、整流用ダイオード211は、図8に示し
たように1個に限るものでなく、4個の整流用ダイオー
ドを用いて全波整流ブリッジとして平滑用コンデンサを
充電することもある。
【0012】そして、平滑回路210の出力端子を定電圧
回路235に接続し、この定電圧回路235により制御回路を
駆動する所定の電圧を形成している。又、この定電圧回
路235は、−側の端子を直流電源部120の+側と接続し、
定電圧回路235の+側端子を電圧制限回路240やPWM信
号発生回路250、インバータドライブ回路240に接続して
いる。
【0013】この電圧制限回路240は、抵抗器や比較器
を用いて構成し、第1基準電圧用抵抗器245と第2基準
電圧用抵抗器246とを直列として定電圧回路235の+側端
子と直流電源部120の+側端子との間に挿入し、第1基
準電圧用抵抗器245と第2基準電圧用抵抗器246との中点
を比較器243の基準入力端子に接続している。又、第1
分圧抵抗器248と第2分圧抵抗器249とを直列として定電
圧回路235の+側端子と直流電源部120の−側端子との間
に挿入し、第1分圧抵抗器248と第2分圧抵抗器249との
中点を比較器243の比較入力端子に接続している。
【0014】更に、比較器243の出力端子は、制御用抵
抗器241を介して定電圧回路235の+側端子に接続すると
共に、直流電圧発生回路110における各サイリスタ111の
ゲート端子にも接続している。尚、各サイリスタ111の
ゲート端子に比較器243の出力端子を接続するに際して
は、保護抵抗器117を介して接続している。従って、こ
の電圧制限回路240では、制御用電源回路の定電圧回路2
35で形成された一定電圧を第1基準電圧用抵抗器245と
第2基準電圧用抵抗器246とにより分圧することによっ
て一定の基準電圧を形成し、この常に一定電圧とされた
基準電圧を比較器243の基準入力端子に入力することが
できる。
【0015】又、直流電源部120の出力電圧と定電圧回
路235で形成する一定電圧とを加算した電圧を第1分圧
抵抗器248と第2分圧抵抗器249とにより分圧して検出電
圧を形成し、この検出電圧を比較器243の比較入力端子
に入力することができる。このため、比較入力端子に入
力される検出電圧は直流電源部120の電圧変動により変
動し、この検出電圧が第1基準電圧用抵抗器245と第2
基準電圧用抵抗器246とにより形成した基準電圧よりも
低いときは、比較器243の出力は+電位とされる。
【0016】従って、サイリスタ111のゲート電位をサ
イリスタ111のカソード電位よりも高くすることがで
き、制御用抵抗器241を介してゲート電流を各サイリス
タ111に供給し、各サイリスタ111を導通状態とすること
になる。このため、三相出力巻線51の出力電圧が直流電
源部120の電圧よりも高電圧になると直流電源部120に電
力を供給し、直流電源部120の電圧を上昇させる。
【0017】又、直流電源部120の電圧が上昇して比較
器243に入力される検出電圧が基準電圧に等しくなる
と、比較器243の出力は0となり、各サイリスタ111のゲ
ート電位がカソード電位と等しくなり、各サイリスタ11
1は不導通状態となる。このように、電圧制限回路240に
より、直流電源部120で形成される電圧が一定電圧より
も低くなると交流発電機50から充電を行い、一定電圧に
達すると充電を停止させるため、直流電源部120の出力
電圧としては、170ボルト乃至200ボルト程度とし
て電圧制限回路240により設定する一定の電圧VDを常に
保持することができる。
【0018】そして、インバータ回路130により第1出
力端子151及び第2出力端子152の電位を50ヘルツ又は
60ヘルツの一定周期にて変化させ、第1出力端子151
の電圧と第2出力端子152の電圧との電位差の最大を1
41ボルトして平均電圧を100ボルトとする単相交流
電圧を出力させる。このインバータ回路130を制御する
PWM制御信号を形成するPWM信号発生回路250は、
50ヘルツ又は60ヘルツなどの基準正弦波と高周波数
の三角波とによりPWM制御信号を形成してインバータ
ドライブ回路255に出力するものである。
【0019】そして、PWM信号発生回路250の基準正
弦波は、出力端子から出力する電圧の周波数である50
ヘルツ又は60ヘルツなどの所定の周波数に合わせて形
成するものであり、この基準正弦波の電圧と三角波の電
圧の比率を調整し、インバータ回路130に入力する直流
電源部120の出力電圧VD及びインバータ回路130やロー
パスフィルタ140の特性によりPWM制御信号とするパ
ルス信号の周波数、及び、パルス幅とパルス幅の変化量
とを決定している。
【0020】更に、この携帯用発電機100では、直流電
源部120とインバータ回路130との間に検出用抵抗器261
を挿入した過負荷検出回路260を設けている。この過負
荷検出回路260は、検出用抵抗器261と演算回路部265と
により構成し、定格電流値を越える電流値を検出したと
き、定格を越えた大きさにより時間を加味して停止信号
をインバータドライブ回路255に出力するものである。
【0021】この演算回路部265は、比較器やコンデン
サ、及び、抵抗器を用いた種々の回路が用いられ、電力
回路を構成する素子の特性を加味し、多くの場合、定格
電流の2倍の電流が流れたときは直ちに停止信号を出力
してインバータドライブ回路255から出力している第1
PWM信号及び第2PWM信号の出力を停止させる。
又、定格電流を僅かに越える電流を検出したときは、数
秒乃至数分間の時間が持続したときに停止信号をインバ
ータドライブ回路255に出力するものとしている。
【0022】このように、直流電圧発生回路110により
三相交流を一旦整流し、直流電源部120で形成した直流
電圧をインバータ回路130により再度交流電圧とする携
帯用発電機100は、交流発電機50の回転数、即ちエンジ
ンの回転数を変化させて常に負荷に応じた電力を形成し
つつ、一定に安定させた周波数及び電圧の交流出力電圧
を形成することができる。
【0023】従って、負荷の変動に合わせてエンジンの
回転数を調整し、高負荷の場合には回転数を高くし、低
負荷の場合は回転数を低めとし、負荷に合わせて必要な
エネルギーをエンジンから発生させれば足りるため、負
荷に応じた出力調整が容易であり、且つ、効率の良い携
帯用発電機100とすることができる。そして、定格出力
を越える過負荷状態となったときは、過負荷の状態に合
わせて瞬時に、又は所定時間の経過によりインバータ回
路130の作動を停止させ、出力電圧を0として回路全体
などの安全を保ちつつ定格出力とされる数キロワット程
度の範囲内で負荷とされた各種電気機器を作動させるこ
とができる。
【0024】このように、インバータ回路130を用いた
エンジン付きの携帯用発電機100は、商用電源と同じ1
00ボルトの単相交流電力を出力できるため、近年、種
々の一般電気機器の電源として利用されるようになって
きた。そして、このような携帯用発電機100として、単
相交流電力の出力電圧値調整や電圧位相調整を行って並
列運転が可能とされるものもある。
【0025】この出力電圧値や電圧位相の調整を行うこ
とができる携帯用発電機100では、携帯用発電機100の第
1出力端子151及び第2出力端子152から出力する交流出
力電圧や交流出力電流を検出し、例えば並列運転を行う
他の発電機の出力電圧及び位相と当該携帯用発電機100
が出力する単相交流電力の電圧値及び位相とを一致させ
るようにした出力電圧を常に出力するようにPWM信号
発生回路250を制御するものである(例えば、特開平5
−49174号、特開平5−236658号、特開平5
−244726号)。
【0026】又、電圧値の調整は、並列運転を行う場合
のみでなく、単独運転を行う場合においても、出力端子
に接続する負荷の種類や負荷の大きさによる電圧変動を
防止するために行われることもある(例えば、特開平5
−211777号)。これらの携帯用発電機100では、
多くの場合、図10に示すように、ローパスフィルタ14
0の後段で第1出力端子151と第2出力端子152との間に
出力電圧検出回路340を挿入し、又、ローパスフィルタ1
40の後段に出力電流検出回路330を挿入し、第1出力端
子151及び第2出力端子152から出力する単相交流出力の
電圧及び電流を検出してPWM信号発生回路250を制御
している。
【0027】尚、この携帯用発電機100も、図8に示し
た携帯用発電機100と同様に、交流発電機50の単相出力
巻線55を平滑回路210及び定電圧回路235で構成する制御
電源部201に接続し、単相出力巻線55の出力電圧を平滑
回路210で平滑化し、定電圧回路235により所定電圧の制
御用電圧Vccを形成している。尤も、制御回路を構成す
る素子に合わせ、制御電圧としては+Vcc電圧と、−V
cc電圧とを制御電源部201により形成することがある。
【0028】又、三相出力巻線51の出力端子は、サイリ
スタと整流ダイオードとを用いた整流ブリッジ回路であ
る直流電圧発生回路110に接続し、三相出力巻線51の出
力電圧を整流して直流電源部120である大容量コンデン
サを充電することにより直流電圧を形成し、この直流電
圧をインバータ回路130に入力して単相交流電圧を形成
することも前述の従来技術と同様である。
【0029】そして、PWM信号発生回路250は、基準
正弦波を形成する正弦波発生回路270と、三角波発生回
路281、及び、PWM制御信号を形成するPWM制御信
号発生回路285とで構成され、正弦波発生回路270では正
確な50ヘルツ又は60ヘルツの基準正弦波を形成し、
三角波発生回路281では数キロヘルツ乃至十数キロヘル
ツ程度の高周波数の三角波を形成し、PWM制御信号発
生回路285では基準正弦波と三角波とを合成してパルス
幅が順次変化するパルス列とされたPWM制御信号を形
成するものである。
【0030】更に、この正弦波発生回路270は、数メガ
ヘルツ乃至十数メガヘルツの高周波信号を出力する発振
回路271と、発振回路271が出力する高周波信号を分周し
て10キロヘルツ程度のクロック信号を形成する分周回
路273、多段分圧抵抗器により多数の異なる電位を形成
し、且つ、クロック信号により作動するマルチプレクサ
で異なる電位を順次選択して50ヘルツ又は60ヘルツ
の階段状正弦波を形成して出力する疑似正弦波形成回路
275、及び、疑似正弦波形成回路275が出力する階段状正
弦波のピーク電圧を調整する電圧調整回路277と階段状
正弦波から滑らかな正弦波を形成するローパスフィルタ
279とで形成されている。
【0031】又、出力電圧検出回路340から出力される
電圧検出信号は、矩形波形成回路291に入力して交流出
力電圧のゼロクロスポイントを立ち上がりエッジ及び立
ち下りエッジとする矩形波信号を形成し、この矩形波信
号とされたゼロクロス信号を始動タイミング回路293及
び位相比較回路297に入力するものとしている。この始
動タイミング回路293は、正弦波発生回路270における疑
似正弦波形成回路275のリセットを解除することによ
り、疑似正弦波形成回路275から疑似正弦波の出力を行
わせるものである。
【0032】そして、疑似正弦波形成回路275をリセッ
ト状態として正弦波発生回路270から基準正弦波を出力
していない状態、即ちインバータ回路130が作動してい
ないときに出力電圧検出回路340が第1出力端子151及び
第2出力端子152間の電圧変化を検出すれば、始動タイ
ミング回路293は矩形波形成回路291からのゼロクロス信
号に合わせて疑似正弦波形成回路275のリセットを解除
し、正弦波発生回路270が出力する基準正弦波の位相と
第1出力端子151及び第2出力端子152との間に発生して
いる電圧の位相とを一致させるものである。
【0033】尚、疑似正弦波形成回路275の作動開始に
際し、所定時間内に始動タイミング回路293にゼロクロ
ス信号が入力されないときも、疑似正弦波形成回路275
のリセットを解除して正弦波発生回路270から基準正弦
波の出力を開始させる。そして、出力電流検出回路330
からの電流検出信号は、矩形波形成回路295、過負荷検
出回路269、及び、限界値検出回路299に入力し、矩形波
形成回路295では出力電流の位相に合わせたゼロクロス
信号を、過負荷検出回路269では定格電流を越えたとき
に停止信号を、限界値検出回路299では定格電流以下の
電流値で所定の下限値及び上限値の範囲を越える電流値
のときに電圧調整信号を形成するものとしている。
【0034】この矩形波形成回路295は、出力電流検出
回路330から出力される電流検出信号に基づき、交流出
力電流のゼロクロスポイントを立ち上がりエッジ及び立
ち下りエッジとする矩形波信号を形成し、この矩形波信
号をゼロクロス信号として位相比較回路297に入力する
ものである。この位相比較回路297は、電流検出信号に
基づくゼロクロス信号と電圧検出信号に基づくゼロクロ
ス信号とにより出力電流の位相と出力電圧の位相とを比
較し、電流位相が電圧位相よりも遅相状態の場合は加算
信号を位相調整信号として分周回路273に出力し、又、
電流位相が電圧位相よりも進相状態の場合は減算信号を
位相調整信号として分周回路273に出力する。
【0035】そして、正弦波発生回路270における分周
回路273では、高周波信号を分周して数キロヘルツ乃至
十数キロヘルツのクロック信号を形成するに際し、位相
比較回路297から加算信号が入力されるとクロック信号
の数百パルス毎に1パルスを追加する。又、位相比較回
路297から減算信号が入力されるとクロック信号の数百
パルス毎に1パルスを間引くようにしてクロック信号を
形成する。
【0036】このように、電流位相が電圧位相よりも遅
れているときはクロック信号のパルスを増加させて疑似
正弦波ひいては基準正弦波の位相を僅かに進め、電流位
相が電圧位相よりも進んでいるときはクロック信号のパ
ルスを間引くことにより基準正弦波の位相を僅かに遅ら
し、PWM制御信号の位相を調整して当該携帯用発電機
100が出力する単相交流電圧の位相を調整する。
【0037】又、出力電流検出回路330から出力される
電流検出信号が入力される過負荷検出回路269は、出力
電流検出回路330から出力される電流検出信号に基づ
き、定格電流を大きく越えるときは直ちに停止信号を出
力し、定格電流を小さく越えるときは時間積分を行って
所用時間後に停止信号を出力するものである。そして、
この停止信号は電圧制御回路240及びインバータドライ
ブ回路255に入力し、電圧制御回路240が出力するゲート
電流を遮断して直流電圧発生回路110の作動を停止さ
せ、且つ、インバータドライブ回路255が出力している
第1PWM信号及び第2PWM信号の出力を停止させて
インバータ回路130の作動も停止させるものである。
【0038】更に、出力電流検出回路330から出力され
る電流検出信号が入力される限界値検出回路299は、電
流上限値と電流下限値とが設定されている回路であり、
電流検出信号の電流値が電流下限値以下になると第1出
力端子151及び第2出力端子152間の電圧である出力電圧
を僅かに増加させるように基準正弦波のピーク値(振
幅)を減少又は増加させる電圧調整信号を電圧調整回路
277に出力する。又、電流検出信号の電流値が電流電流
上限値以上になると第1出力端子151及び第2出力端子1
52間の電圧である出力電圧を僅かに減少させるように基
準正弦波のピーク値を増加又は減少させる電圧調整信号
を電圧調整回路277に出力するものである。
【0039】このように、定格電流の範囲内で電流上限
値と電流下限値とを設定し、出力電圧の微調整を可能と
しているため、発電機を並列運転している状態におい
て、負荷の分担が少ない場合には出力電圧を僅かに上昇
させて出力電流を増大させ、又、負荷への供給電流が定
格電流の限界に近い場合は出力電圧を僅かに降下させて
各携帯用発電機100に負荷の分担を効果的に行ってい
る。
【0040】又、並列運転を行わない場合、即ち、携帯
用発電機100を単独運転によって単機で使用する場合、
負荷の容量や種類によって出力電圧が変動するため、出
力電圧検出回路340で検出するピーク電圧に基づき、電
圧調整回路277の増幅率又は三角波発生回路281から出力
させる三角波の電圧などを調整し、出力電圧である単相
交流電圧の電圧値を安定させるようにしているものがあ
る。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、負荷の
変動に合せてエンジンの回転数を調整して発電を行う携
帯用発電機は、効率の良い発電のための運転を行うこと
ができる。しかし、負荷が急激に増大したとき、エンジ
ンの回転数上昇即ち発電機の出力増加が追従できない場
合があり、又、極端な場合はエンジンが停止するという
弊害が生じることもあった。
【0042】そして、並列運転に際しては、この携帯用
発電機の性能に微妙な差異が生じていることがあり、他
の発電機からの電力が特定の携帯用発電機に流入し、並
列運転を行っている各発電機の出力を効率的に負荷に供
給することができない欠点が有った。本発明は、このよ
うな弊害や欠点を排除し、より効率的に携帯用発電機を
運転制御する方法及びこの制御を採用した携帯用発電機
を提供するものである。
【0043】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した本発
明は、エンジンにより交流発電機(50)を作動させて交流
電圧を発生させ、この交流電圧を直流電圧発生回路(11
0)により一旦直流化して所定電圧の直流電圧を形成した
後、インバータ回路(130)により所定の周波数であって
且つ一定の電圧とする単相交流電圧を形成し、この単相
交流電圧を出力端子(151,152)から出力する携帯用発電
機(100)において、直流電圧発生回路(110)の稼動率を所
定とするようにエンジンのスロットル開度を制御し、直
流電圧発生回路(110)の稼動率が略最大稼働率となり且
つのスロットル開度が全開近くなったとき、又は、スロ
ットル開度が全開近くであってエンジン回転数が所定の
規定値よりも低いとき、インバータ回路(130)の出力電
圧を降下させる制御を行う携帯用発電機(100)の出力調
整方法とするものである。
【0044】このように、直流電圧発生回路(110)の稼
動率を所定とするようにスロットル開度を制御すれば、
交流発電機(50)を効率的に発電させる安定させた状態で
回転させることができる。特に、交流発電機(50)の出力
特性に合わせ、直流電圧発生回路(110)の稼動率を65
%乃至85%余りとするように80%近くの特定の値に
設定すれば、交流発電機(50)及びエンジンを効率的に駆
動することができる。
【0045】そして、負荷の増大により直流電圧発生回
路(110)の稼働率が上昇し、スロットル開度を大きくし
てエンジン即ち交流発電機(50)の回転数を上昇させ、直
流電圧発生回路(110)の稼動率が略最大(100%又は
100%近く)になり、且つ、スロットル開度が全開近
くなったとき、又は、スロットル開度が全開近くであっ
てエンジン回転数が所定の規定値よりも低いときは、イ
ンバータ回路(130)の出力電圧即ち出力端子(151,152)か
らの出力電圧を降下させる制御を行うことにより、当該
携帯用発電機(100)の負荷を一時的に軽くし、エンジン
の回転数ひいては交流発電機(50)の回転数を速やかに上
昇させ、発電量を素早く上昇させて負荷に応じた出力電
力が得られるようにすることができる。
【0046】又、請求項2に記載した本発明は、エンジ
ンにより交流発電機(50)を作動させて交流電圧を発生さ
せ、この交流電圧を直流電圧発生回路(110)により一旦
直流化して所定電圧の直流電圧を形成した後、インバー
タ回路(130)により所定の周波数であって且つ一定の電
圧とする単相交流電圧を形成し、この単相交流電圧を出
力端子(151,152)から出力する携帯用発電機(100)におい
て、インバータ回路(130)を制御するPWM制御信号の
テーブルであるPWM基準テーブルを設け、PWM基準
テーブルの各PWM基準値と出力電圧値とを比較した差
の値に基づく補正値を算出し、PWM基準値にこの補正
値を加算又は減算して修正基準値を算出し、次回はこの
修正基準値に基づくPWM制御信号を形成して出力端子
(151,152)からの出力電圧を安定させ、直流電圧発生回
路(110)の稼動率が略最大稼動率となり、且つ、スロッ
トル開度が全開近くなったとき、又は、スロットル開度
が全開近くでエンジン回転数が所定の設定値よりも低い
ときは、補正値を大きく又は小さくすることによってイ
ンバータ回路(130)の出力電圧を降下させる携帯用発電
機(100)の出力調整方法とする。
【0047】このように、PWM基準値に基づくPWM
制御信号を形成する方法は、マイクロコンピュータを用
いてインバータ回路(130)を制御することが容易であ
り、PWM基準値に補正値を加算又は減算することによ
り、複数のPWM基準テーブルを用いることなく出力電
圧の調整を行うことができる。そして、負荷の増大によ
り直流電圧発生回路(110)の稼働率が上昇し、スロット
ル開度を大きくしてエンジン即ち交流発電機(50)の回転
数を上昇させ、直流電圧発生回路(110)の稼動率が略最
大(100%又は100%近く)になり、且つ、スロッ
トル開度が全開近くなったとき、又は、スロットル開度
が大きいにも拘わらずエンジンの回転数が低いときは、
インバータ回路(130)の出力電圧即ち出力端子(151,152)
からの出力電圧を降下させることにより、当該携帯用発
電機(100)の負荷を軽くし、エンジンの回転数ひいては
交流発電機(50)の回転数を速やかに上昇させ、発電量を
素早く上昇させて負荷に応じた出力電力が得られるよう
にすることができる。
【0048】尚、請求項3に記載した本発明は、補正値
は、出力電流値と所定の値を選択した変数値との積を係
数とし、選択する変数値の値を大きな値に置き換えるこ
とによって補正値を変化させる請求項2に記載した携帯
用発電機(100)の出力調整方法とする。このように、出
力電圧を調整するための補正値であって、インバータ回
路(130)の出力電圧を降下させることができる補正値を
変数値と出力電流値との積を係数とする値とすることに
より、変数値の値を変更することによっても出力電圧を
調整することができ、且つ、変数値の値における変化率
が一定であっても、出力電流値が大きいときは修正値を
大きく変更することができる。
【0049】従って、負荷が大きいときには出力電圧の
変動幅を大きくし、負荷に合せた運転状態に素早く対応
させることができる。そして、請求項4に記載した本発
明は、交流電圧を発生させる交流発電機(50)を有し、こ
の交流発電機(50)を回転させることにより交流電圧を形
成し、この交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回路
(110)とこの直流電圧発生回路(110)が出力する直流電圧
を保持する直流電源部(120)とを有し、更に、直流電源
部(120)の出力電圧を所定の周波数であって一定の電圧
とする単相交流電圧に変換するインバータ回路(130)を
有し、インバータ回路(130)の出力から高調波を除去し
た交流出力電圧を出力端子(151,152)から出力する携帯
用発電機(100)であって、直流電圧発生回路(110)の稼動
率を検出する導通率検出部(419)やインバータ回路(130)
を制御するPWM信号生成部(441)及び単独運転制御部
(435)や同期運転制御部(437)とスロットル開度制御部(4
23)とを備えた中央制御手段(310)を有し、又、出力端子
(151,152)間の電圧を検出して出力電圧信号を出力し、
且つ、出力電圧における0ボルトのタイミングに合わせ
たゼロクロス信号も出力する出力電圧検出手段を有し、
単独運転制御部(435)は出力端子(151,152)から単相交流
電圧の出力を開始する前の所定短時間内に出力電圧検出
手段からのゼロクロス信号が入力されないときに単相交
流電圧の出力を開始させる単独運転制御部(435)であ
り、同期運転制御部(437)は、出力端子(151,152)から単
相交流電圧の出力を開始する前の所定短時間内にゼロク
ロス信号が入力されたときはゼロクロス信号のタイミン
グに合わせて単相交流電圧の出力を開始させるものであ
って、且つ、単独運転制御部(435)及び同期運転制御部
(437)は、直流電圧発生回路(110)の稼動率が最大稼動率
となり、且つ、スロットル開度が全開近くなったとき、
PWM信号生成部(441)にPWM制御信号のパルス幅を
変更させることによってインバータ回路(130)の出力電
圧を降下させる制御を行う携帯用発電機(100)とする。
【0050】このように、直流電圧発生回路(110)の稼
動率が略最大稼動率となり、且、スロットル開度が全開
近くなったとき、インバータ回路(130)の出力電圧即ち
出力端子(151,152)からの出力電圧を降下させる単独運
転制御部(435)や同期運転制御部(437)により、負荷が急
激に増大してスロットルを全開又は全開近くするとき、
出力電圧を低下させて当該携帯用発電機(100)の負荷を
軽くし、エンジンの回転数ひいては交流発電機(50)の回
転数を速やかに上昇させ、発電量を素早く上昇させて負
荷に応じた出力電力が得られるようにすることができ
る。
【0051】更に、請求項5に記載した本発明は、交流
電圧を発生させる交流発電機(50)を有し、この交流発電
機(50)を回転させることにより交流電圧を形成し、この
交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回路(110)とこ
の直流電圧発生回路(110)が出力する直流電圧を保持す
る直流電源部(120)とを有し、更に、直流電源部(120)の
出力電圧を所定の周波数であって一定の電圧とする単相
交流電圧に変換するインバータ回路(130)を有し、イン
バータ回路(130)の出力から高調波を除去した交流出力
電圧を出力端子(151,152)から出力する携帯用発電機(10
0)であって、直流電圧発生回路(110)の稼動率を検出す
る導通率検出部(419)やインバータ回路(130)を制御する
PWM信号生成部(441)及び単独運転制御部(435)や同期
運転制御部(437)、更にスロットル開度制御部(423)やエ
ンジン回転速度検出部(421)を備えた中央制御手段(310)
を有し、又、出力端子(151,152)間の電圧を検出して出
力電圧信号を出力し、且つ、出力電圧における0ボルト
のタイミングに合わせたゼロクロス信号も出力する出力
電圧検出手段を有し、単独運転制御部(435)は出力端子
(151,152)から単相交流電圧の出力を開始する前の所定
短時間内に出力電圧検出手段からゼロクロス信号が入力
されないときに単相交流電圧の出力を開始させる単独運
転制御部(435)であり、同期運転制御部(437)は、出力端
子(151,152)から単相交流電圧の出力を開始する前の所
定短時間内にゼロクロス信号が入力されたときはゼロク
ロス信号のタイミングに合わせて単相交流電圧の出力を
開始させるものであって、且つ、単独運転制御部(435)
及び同期運転制御部(437)は、スロットル開度制御部(42
3)による開度制御がスロットル全開に近く且つエンジン
回転速度が所定の規定値よりも低いとき、PWM信号生
成部(441)にPWM制御信号のパルス幅を変更させるこ
とによってインバータ回路(130)の出力電圧を降下させ
る制御を行う携帯用発電機(100)とする。
【0052】このように、スロットル開度制御部(423)
による開度制御がスロットル全開に近く且つエンジン回
転速度が所定の規定値よりも低いとき、PWM信号生成
部(441)にPWM制御信号のパルス幅を変更させること
によってインバータ回路(130)の出力電圧を降下させる
制御を行う単独運転制御部(435)や同期運転制御部(437)
とすることにより、スロットル開度が全開であるにも拘
わらず、エンジンの回転速度が低いとき、即ち携帯用発
電機(100)の負荷が大きくエンジンの回転速度が素早く
上昇しないとき、出力電圧を低下させることによって負
荷を軽減し、迅速にエンジンの回転数即ち交流発電機(5
0)回転数を上昇させ、発電電力を素早く増大させて負荷
に応じた出力電力を出力させることができる。
【0053】又、請求項6に記載した本発明は、交流電
圧を発生させる交流発電機(50)を有してこの交流発電機
(50)を回転させることにより交流電圧を形成し、この交
流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回路(110)とこの
直流電圧発生回路(110)が出力する直流電圧を保持する
直流電源部(120)とを有し、更に、直流電源部(120)の出
力電圧を所定の周波数であって一定の電圧とする単相交
流電圧に変換するインバータ回路(130)を有し、インバ
ータ回路(130)の出力から高調波を除去した交流出力電
圧を出力端子(151,152)から出力する携帯用発電機(100)
であって、直流電圧発生回路(110)の稼動率を検出する
導通率検出部(419)とインバータ回路(130)を制御するP
WM信号生成部(441)及び単独運転制御部(435)や同期運
転制御部(437)、更に、スロットル開度制御部(423)及び
エンジン回転速度検出部(421)や検出した出力電圧及び
出力電流の値に基づいて演算を行う出力電圧波形監視部
(433)とを備えた中央制御手段(310)を有し、PWM信号
生成部(441)は、PWM基準テーブルに記憶されたPW
M基準値に順次対応したパルス幅のPWM制御信号を形
成し、出力電圧波形監視部(433)は、各PWM基準値に
対応した出力電圧を示す電圧テーブル値と検出した出力
電圧の値との差を求め、この差の値から検出した出力電
流値に係数を掛けた値を減算又は加算した補正値を算出
して各PWM基準値に対応した補正値を記憶し、且つ、
次回のPWM基準値に基づいたPWM制御信号をPWM
信号生成部(441)が形成するに際し、PWM基準値から
補正値を減算又は加算した修正基準値に基づいてPWM
制御信号を形成させ、又、単独運転制御部(435)や同期
運転制御部(437)は、直流電圧発生回路(110)の稼働率を
所定するようにスロットル開度制御部(423)によってス
ロットルの開度制御を行い、直流電圧発生回路(110)の
稼動率が略最大稼動率であって且つスロットル開度が全
開近くなったとき、又は、スロットル開度制御部(423)
による開度制御がスロットル全開に近く且つエンジン回
転速度が所定の規定値よりも低いとき、出力電圧波形監
視部(433)で補正値を算出させる係数の値を大きな値に
変更させ、又はPWM基準値や修正基準値に掛ける係数
の値を小さくして単相交流電圧の電圧値を降下させる携
帯用発電機(100)とする。
【0054】このように、直流電圧発生回路(110)の稼
動率に合わせてスロットルの開度制御を行い、負荷の増
大によって直流電圧発生回路(110)の稼動率が上昇し、
直流電圧発生回路(110)の稼動率が略最大になり且つス
ロットル開度が全開近くなったときには、又は、スロッ
トル開度が大きいにも拘わらずエンジンの回転数が低い
ときには、補正値の係数を大きくするか又はPWM基準
値や修正基準値に掛ける係数の値を小さくする単独運転
制御部(435)や同期運転制御部(437)とすることにより、
直流電圧発生回路(110)の稼動率やスロットル開度が大
きくなって携帯用発電機(100)の出力が負荷に追従しな
いとき、出力電圧を降下させて携帯用発電機(100)の負
荷を一旦軽減して出力を負荷に対応させることができ
る。そして、補正値の係数を変更するときは、補正値は
出力電流値と係数とを掛けた値を減算又は加算して求め
るため、出力電流値が大きいとき、即ち負荷が大きいと
きは修正値を大きく変更し、負荷を大きく軽減させるこ
とによって迅速なエンジンの回転数上昇を行うことがで
きる。
【0055】そして、請求項7に記載した本発明は、エ
ンジンにより交流発電機(50)を作動させて交流電圧を発
生させ、この交流電圧を直流電圧発生回路(110)により
直流化して所定電圧の直流電圧を形成した後、インバー
タ回路(130)により所定の周波数であって且つ一定の電
圧とする単相交流電圧を形成し、この単相交流電圧を出
力端子(151,152)から出力する携帯用発電機(100)におい
て、直流電圧発生回路(110)の稼動率が特定の値よりも
低く、且つ、直流化した直流電圧の値が所定の電圧値よ
りも高いとき、インバータ回路(130)の出力電圧を上昇
させる携帯用発電機(100)の出力調整方法とするもので
ある。
【0056】このように、直流電圧発生回路(110)の稼
動率が低いにも拘わらず、直流電圧値が所定の電圧値よ
りも高いときは、出力端子(151,152)間の電圧が高く、
外部電力の流入又は出力端子(151,152)からの出力がほ
とんど行われていない状態となっているため、インバー
タ回路(130)の出力電圧即ち当該携帯用発電機(100)の出
力電圧を上昇させることにより当該携帯用発電機(100)
からの出力を増大させて適正負荷状態とすることができ
る。
【0057】又、請求項8に記載した本発明は、エンジ
ンにより交流発電機(50)を作動させて交流電圧を発生さ
せ、この交流電圧を直流電圧発生回路(110)により直流
化して所定電圧の直流電圧を形成した後、インバータ回
路(130)により所定の周波数であって且つ一定の電圧と
する単相交流電圧を形成し、この単相交流電圧を出力端
子(151,152)から出力する携帯用発電機(100)において、
インバータ回路(130)を制御するPWM制御信号の基準
テーブルであるPWM基準テーブルを設け、PWM基準
テーブルの各PWM基準値と出力電圧値とを比較した差
の値に基づく補正値を算出し、PWM基準値にこの補正
値を加算又は減算して修正基準値を算出し、次回はこの
修正基準値に基づくPWM制御信号を形成し、直流電圧
発生回路(110)の稼動率が特定の値よりも低く且つ直流
化した直流電圧の値が所定の電圧値よりも高いとき、P
WM基準値又は修正基準値を小さく又は大きくすること
によりインバータ回路(130)の出力電圧を上昇させる携
帯用発電機(100)の出力調整方法とする。
【0058】このように、PWM基準値に基づくPWM
制御信号を形成する方法は、マイクロコンピュータを用
いてインバータ回路(130)を制御することが容易であ
り、PWM基準値に補正値を加算又は減算することによ
り、複数のPWM基準テーブルを用いることなく出力電
圧の調整を行うことができる。そして、直流電圧発生回
路(110)の稼動率が低いにも拘わらず、直流電圧値が所
定の電圧値よりも高いときは、インバータ回路(130)の
出力電圧即ち当該携帯用発電機(100)の出力電圧を上昇
させることにより、当該携帯用発電機(100)を適正な負
荷状態とすることができる。
【0059】更に、請求項9に記載した本発明は、交流
電圧を発生させる交流発電機(50)を有し、この交流発電
機(50)を回転させることにより交流電圧を形成し、この
交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回路(110)とこ
の直流電圧発生回路(110)が出力する直流電圧を保持す
る直流電源部(120)とを有し、更に、直流電源部(120)の
出力電圧を所定の周波数であって一定の電圧とする単相
交流電圧に変換するインバータ回路(130)を有し、イン
バータ回路(130)の出力から高調波を除去した交流出力
電圧を出力端子(151,152)から出力する携帯用発電機(10
0)であって、直流電圧発生回路(110)の稼動率を検出す
る導通率検出部(419)やインバータ回路(130)を制御する
PWM信号生成部(441)及び単独運転制御部(435)や同期
運転制御部(437)を備えた中央制御手段(310)を有し、
又、直流電源部(120)の出力電圧を検出して直流電圧信
号を出力する直流電圧検出回路と、出力端子(151,152)
間の電圧を検出して出力電圧信号を出力し且つ出力電圧
における0ボルトのタイミングに合わせたゼロクロス信
号も出力する出力電圧検出手段とを有し、単独運転制御
部(435)は出力端子(151,152)から単相交流電圧の出力を
開始する前の所定短時間内にゼロクロス信号が入力され
ないときに単相交流電圧の出力を開始させる単独運転制
御部(435)であり、同期運転制御部(437)は、出力端子(1
51,152)から単相交流電圧の出力を開始する前の所定短
時間内にゼロクロス信号が入力されたときはゼロクロス
信号のタイミングに合わせて単相交流電圧の出力を開始
させ、更に、導通率検出部(419)で検出した直流電圧発
生回路(110)の稼動率が特定の値よりも低く且つ直流電
源部(120)の出力電圧が所定の電圧値よりも高いとき、
PWM信号生成部(441)にPWM制御信号のパルス幅を
変更させることによってインバータ回路(130)の出力電
圧を上昇させる制御も行う携帯用発電機(100)とする。
【0060】このように、出力端子(151,152)から単相
交流電圧の出力を開始する前の所定短時間内にゼロクロ
ス信号が入力されたときはゼロクロス信号のタイミング
に合わせて単相交流電圧の出力を開始させる同期運転制
御部(437)であって、導通率検出部(419)で検出した直流
電圧発生回路(110)の稼動率が特定の値よりも低く且つ
直流電源部(120)の出力電圧が所定の電圧値よりも高い
とき、PWM信号生成部(441)にPWM制御信号のパル
ス幅を変更させることによってインバータ回路(130)の
出力電圧を上昇させる制御も行う同期運転制御部(437)
を備えた携帯用発電機(100)とするから、直流電圧発生
回路(110)の稼動率が低いにも拘わらず、直流電圧値が
所定の電圧値よりも高いときは、外部電力の流入又は出
力端子(151,152)からの出力がほとんど行われていない
状態となっていることが有るため、インバータ回路(13
0)の出力電圧即ち当該携帯用発電機(100)の出力電圧を
上昇させることにより、当該携帯用発電機(100)の出力
を増大させて適正負荷状態とし、安定した並列運転を行
うことができる。
【0061】そして、請求項10に記載した本発明は、
交流電圧を発生させる交流発電機(50)を有してこの交流
発電機(50)を回転させることにより交流電圧を形成し、
この交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回路(110)
とこの直流電圧発生回路(110)が出力する直流電圧を保
持する直流電源部(120)とを有し、更に、直流電源部(12
0)の出力電圧を所定の周波数であって一定の電圧とする
単相交流電圧に変換するインバータ回路(130)を有し、
インバータ回路(130)の出力から高調波を除去した交流
出力電圧を出力端子(151,152)から出力する携帯用発電
機(100)であって、直流電圧発生回路(110)の稼動率を検
出する導通率検出部(419)とインバータ回路(130)を制御
するPWM信号生成部(441)及び単独運転制御部(435)や
同期運転制御部(437)、更に、検出した出力電圧及び出
力電流の値に基づいて演算を行う出力電圧波形監視部(4
33)とを備えた中央制御手段(310)を有し、PWM信号生
成部(441)は、PWM基準テーブルに記憶されたPWM
基準値に順次対応したパルス幅のPWM制御信号を形成
し、出力電圧波形監視部(433)は、各PWM基準値に対
応した出力電圧を示す電圧テーブル値と検出した出力電
圧の値との差を求め、この差の値に係数を掛けた値を加
算又は減算した補正値を算出して各PWM基準値に対応
した補正値を記憶し、且つ、次回のPWM基準値に基づ
いたPWM制御信号をPWM信号生成部(441)が形成す
るに際し、PWM基準値から補正値を減算又は加算した
修正基準値に基づいてPWM制御信号を形成させ、同期
運転制御部(437)は、導通率検出部(419)で検出した直流
電圧発生回路(110)の稼動率が所定の値よりも低く、且
つ、直流電源部(120)の出力電圧が所定の電圧値よりも
高いとき、出力電圧波形監視部(433)で算出する修正基
準値やPWM基準値に掛ける係数の値を変更させて単相
交流電圧の電圧値を上昇させる携帯用発電機(100)とす
る。
【0062】このように、出力端子(151,152)から単相
交流電圧の出力を開始する前の所定短時間内にゼロクロ
ス信号が入力されたときはゼロクロス信号のタイミング
に合わせて単相交流電圧の出力を開始させる同期運転制
御部(437)であって、導通率検出部(419)で検出した直流
電圧発生回路(110)の稼動率が特定の値よりも低く且つ
直流電源部(120)の出力電圧が所定の電圧値よりも高い
とき、PWM信号生成部(441)にPWM制御信号のパル
ス幅を変更させることによってインバータ回路(130)の
出力電圧を上昇させる制御も行う同期運転制御部(437)
を備えた携帯用発電機(100)とするから、直流電圧発生
回路(110)の稼動率が低いにも拘わらず、直流電圧値が
所定の電圧値よりも高いときは、インバータ回路(130)
の出力電圧即ち当該携帯用発電機(100)の出力電圧を上
昇させることにより、当該携帯用発電機(100)の出力を
増大させて適正な負荷状態として安定した並列運転を行
うことができる。
【0063】
【発明の実施の形態】本発明に係る携帯用発電機は、数
キロワット乃至十キロワット程度の出力を有するエンジ
ンにより交流発電機を回転させ、交流発電機の三相出力
電圧を一旦直流化し、インバータ回路により交流化して
単相交流出力電圧を形成するものであり、使用場所でこ
まめに移動させて使用し、又、使用場所に持ち込んで固
定した据え付け状態として作動させることもある携帯用
発電機である。
【0064】この携帯用発電機は、エンジンにより回転
子を回転させる交流発電機50を有し、図1に示すよう
に、直流電圧発生回路110や直流電源部120及びインバー
タ回路130を主とする電力回路101を有し、電力回路101
の出力端子から出力する出力電圧の周波数を設定し、且
つ、各部に設けた検出回路からの検出信号に基づいて携
帯用発電機100の全体を制御する中央制御手段310として
のマイクロコンピュータを有し、この制御手段や検出回
路などの動作電力を形成する制御電源部201を有する携
帯用発電機100としている。
【0065】この中央制御手段310は、設定スイッチ318
により出力電圧の周波数を50ヘルツ又は60ヘルツな
どの所定の一定周波数に設定し、電力回路101に設けた
直流電圧検出回路320や出力電流検出回路330及び出力電
圧検出回路340からの検出信号に基づいてインバータ回
路130の動作を制御し、更に、サイリスタ制御回路170の
動作状態を示す導通率検出信号や回転数検出回路319か
らの検出信号及びスロットル制御機構315からの開度信
号に基づいてエンジンスロットルの開閉制御も行う。
【0066】尚、設定スイッチ318としては、周波数の
設定の他、出力電圧の調整設定も可能としている。この
携帯用発電機100における交流発電機50は、三相出力巻
線51と単相出力巻線55とを有し、三相出力巻線51は電力
回路101に接続し、単相出力巻線55は制御電源部201に接
続している。
【0067】そして、三相出力巻線51の出力端子は、図
1に示したように、3個の整流用ダイオード115と3個
のサイリスタ111とを用いた整流ブリッジによる直流電
圧発生回路110に接続すると共に、ゲート電圧発生回路1
60にも接続している。この直流電圧発生回路110は、各
整流用ダイオード115のカソードと各サイリスタ111のア
ノードとの接続点を各々三相出力巻線51の各出力端子に
接続し、各整流用ダイオード115のアノードをまとめて
直流電源部120の−側端子とインバータ回路130とに接続
し、各サイリスタ111のカソードをまとめて直流電源部1
20の+側端子とインバータ回路130とに接続している。
【0068】又、三相出力巻線51の出力端子に接続され
るゲート電圧発生回路160は、整流用ダイオードや制限
抵抗器、電源用コンデンサとツェナーダイオードを用い
て形成している。即ち、三相出力巻線51の各出力端子を
各々整流用ダイオード161のアノードに接続し、各整流
用ダイオード161のカソードを共通として制限用抵抗器1
63を介して電源用コンデンサ165の+端子に接続し、電
源用コンデンサ165の−端子を直流電源部120の+側に接
続すると共にツェナーダイオード167を電源用コンデン
サ165と並列に接続している。
【0069】従って、このゲート電圧発生回路160は、
直流電源部120の+側端子の電圧よりもツェナーダイオ
ード167の規定電圧だけ高い電圧を形成して出力するこ
とができる。そして、このゲート電圧発生回路160の出
力端子は、サイリスタ制御回路170を介して直流電圧発
生回路110における各サイリスタ111の各ゲート端子に接
続する。
【0070】このサイリスタ制御回路170は、スイッチ
ングトランジスタ173とスイッチ制御抵抗器171及びフォ
トカプラ175で形成している。即ち、スイッチングトラ
ンジスタ173とするPNP形トランジスタのコレクタを
ゲート電圧発生回路160の出力端子に接続し、スイッチ
ングトランジスタ173のエミッタを各サイリスタ111のゲ
ート端子に接続する。尚、エミッタを各サイリスタ111
のゲート端子に接続するに際し、保護抵抗器117を用い
てゲート端子に接続している。
【0071】そして、スイッチングトランジスタ173の
ベースは、スイッチ制御抵抗器171を介してゲート電圧
発生回路160の出力端子に接続し、スイッチ制御抵抗器1
71の中点をフォトカプラ175のフォトトランジスタ176を
介して直流電源部120の+側端子に接続している。尚、
フォトカプラ175のフォトトランジスタ176は、コレクタ
をスイッチ制御抵抗器171の中点に接続し、エミッタを
直流電源部120の+側端子に接続し、フォトカプラ175の
発光ダイオード177は、アノードを制御電源部201におけ
る第2制御電圧Vccの出力端子に接続し、発光ダイオー
ド177のカソードは、定電圧検出回路180や停止回路36
0、過電流検出回路350などに接続している。
【0072】従って、このサイリスタ制御回路170は、
フォトカプラ175の発光ダイオード177が点灯したとき、
フォトトランジスタ176が導通状態となり、スイッチ制
御抵抗器171の中点電位を直流電源部120の+側端子電圧
まで降下させ、スイッチングトランジスタ173を不導通
状態とする。そして、発光ダイオード177が点灯しない
ときは、スイッチングトランジスタ173を導通状態とし
てゲート電圧発生回路160の出力電流をサイリスタ111の
ゲート電流として各サイリスタ111に供給し、この導通
信号としたゲート電流により直流電圧発生回路110の各
サイリスタ111を導通状態とする。
【0073】このため、直流電圧発生回路110の両出力
端子に接続される直流電源部120に三相出力巻線51の出
力電力を供給することができる。又、直流電圧発生回路
110の両出力端子に接続されるインバータ回路130は、パ
ワートランジスタによるブリッジ回路と平滑コンデンサ
173とで構成している。このインバータ回路130は、第1
トランジスタ131と第3トランジスタ133とを直列として
直流電源部120に接続し、又、第2トランジスタ132と第
4トランジスタ134とを直列として直流電源部120に接続
し、第1トランジスタ131と第3トランジスタ133との中
点はローパスフィルタ140を介して第1出力端子151に、
第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点は
ローパスフィルタ140を介して第2出力端子152に接続し
ている。
【0074】又、交流発電機50の単相出力巻線55は、図
2に示すように、制御電源部201の平滑回路210に接続し
ている。この平滑回路210は、4個の整流用ダイオード2
11を用いたブリッジ整流回路により全波整流を行って平
滑用コンデンサ215に充電を行うものである。この制御
電源部201は、平滑回路210の他に第1定電圧回路221及
び第2定電圧回路225とレギュレータ230とを有し、平滑
回路210の出力電圧を第1定電圧回路221によって15ボ
ルト程度の一定電圧とし、第1逆流阻止ダイオード233
を介してレギュレータ230に印加し、又、直流電源部120
の+側端子の電圧を第2定電圧回路225によって12ボ
ルト程度の一定電圧とし、第2逆流阻止ダイオード234
を介してレギュレータ230に印加している。
【0075】そして、レギュレータ230では、10ボル
ト程度の第1制御電圧Vssと5ボルト程度の第2制御電
圧Vccとを形成し、第1制御電圧Vssにより後述するエ
ンジンのスロットル制御用モータの駆動などを行い、第
2制御電圧Vccは中央制御手段310やその他の制御回路
素子に供給している。尚、この制御電源部201は、通
常、単相出力巻線55が出力する交流電圧から平滑回路21
0及び第1定電圧回路221で形成した直流電圧をレギュレ
ータ230に供給し、レギュレータ230によって第1制御電
圧Vssと第2制御電圧Vccを形成して各回路素子に供給
する。そして、単相出力巻線55などに断線などの故障が
発生したとき、直流電源部120が作動していれば第2定
電圧回路225によってレギュレータ230に電力を供給し、
レギュレータ230から第1制御電圧Vss及び第2制御電
圧Vccを出力させて当該携帯用発電機100の動作を持続
させるものとしている。
【0076】又、第1定電圧回路221の出力電圧を検知
して切り換えを行うスイッチ回路を第1逆流阻止ダイオ
ード233及び第2逆流阻止ダイオード234に換えてレギュ
レータ230の入力側に配置することがある。この場合
は、第1定電圧回路221の出力電圧と第2定電圧回路225
の出力電圧とを同一としつつ第1定電圧回路221からの
電力を通常はレギュレータ230に供給し、第1定電圧回
路221の出力が停止したときに第2定電圧回路225からの
出力電圧をレギュレータ230に供給するようにスイッチ
回路を切り換えることもある。更に、単相出力巻線55を
有しない交流発電機50を使用し、平滑回路210及び第1
定電圧回路221を省略して直流電源部120の電圧を第2定
電圧回路225で降圧し、常に直流電源部120の電力をレギ
ュレータ230に供給して制御電圧を形成することもあ
る。
【0077】そして、直流電源部120の電圧を制御する
定電圧検出回路180は、図3に示すように、抵抗器とツ
ェナーダイオードやスイッチングトランジスタを用い、
2個の抵抗器を直列とした分圧抵抗器181,182により直
流電源部120の電圧を分圧し、分圧抵抗器181,182の中点
電位を更にツェナーダイオード183と検出抵抗器184とに
より降下させ、検出抵抗器184の電位をシュミット回路1
85に入力してスイッチングトランジスタ187の導通を制
御している。
【0078】更に、このスイッチングトランジスタ187
はサイリスタ制御回路170におけるフォトカプラ175の発
光ダイオード177と直列とし、直列とした発光ダイオー
ド177に第2制御電圧Vccを印加してスイッチングトラ
ンジスタ187の導通遮断によって発光ダイオード177の点
灯制御をしている。従って、この定電圧検出回路180
は、直流電源部120の出力電圧が上昇すると検出抵抗器1
84の検出電位が上昇し、スイッチングトランジスタ187
を導通させることにより発光ダイオード177を点灯させ
る。このため、サイリスタ制御回路170は、直流電圧発
生回路110への導通信号の出力を停止し、直流電圧発生
回路110の各サイリスタ111を不導通状態として交流発電
機50から直流電源部120への電力供給を停止させる。
【0079】又、直流電源部120の電圧が降下するとス
イッチングトランジスタ187を不導通状態とし、サイリ
スタ制御回路170から導通信号を出力させて直流電圧発
生回路110の各サイリスタ111を導通状態とする。このよ
うにして、定電圧検出回路180により直流電源部120の電
位を常に一定とすることができる。
【0080】そして、直流電圧検出回路320は、分圧抵
抗器325を直流電源部120の両端子間に挿入するように接
続するものであり、この分圧抵抗器325により直流電源
部120の出力電圧を分圧して中央制御手段310に直流電源
部120の出力電圧値を直流電圧信号として入力してい
る。又、インバータ回路130とローパスフィルタ140との
間に挿入された出力電圧検出回路340は、インバータ回
路130の第1出力電圧及び第2出力電圧を各々分圧抵抗
器により分圧降下させて電圧検出を行うものであり、第
1出力電圧を分圧抵抗器341,342で分圧した第1検出電
圧、及び、第2出力電圧を分圧抵抗器343,344で分圧降
下させた第2検出電圧を、各々検出用のローパスフィル
タ347,348を介して中央制御手段310に出力電圧信号とし
て入力している。
【0081】そして、この出力電圧検出回路340と矩形
波形成回路317とを出力電圧検出手段とし、出力電圧検
出回路340から出力される出力電圧信号を中央制御手段3
10に入力するに際し、アナログ信号である第1出力電圧
信号と第2出力電圧信号とを中央制御手段310に入力す
ると共に、この第1出力電圧信号と第2出力電圧信号と
を矩形波形成回路317にも入力し、矩形波形成回路317か
らのゼロクロス信号も中央制御手段310に入力する。
【0082】この矩形波形成回路317は、正弦波を形成
する第1出力電圧と第2出力電圧との差電圧に基づく矩
形波を形成し、正弦波を形成する第1出力電圧と第2出力
電圧との差電圧におけるゼロクロスポイントをこの矩形
波のエッジとし、携帯用発電機100から出力される出力
電圧におけるゼロクロスポイントのタイミングを示すゼ
ロクロス信号を中央制御手段310に入力している。
【0083】更に、出力電流検出回路330は、インバー
タ回路130からローパスフィルタ140に流れる電流を検出
用抵抗器331で検出し、検出用ローパスフィルター335を
用いて高調波成分を除去した出力電流信号を中央制御手
段310と過電流検出回路350とに入力している。尚、出力
電流検出回路330は、インバータ回路130の入力側に設け
ることもある。この出力電流検出回路330をインバータ
回路130の入力側に設ける場合、特に直流電源部120の−
側端子とインバータ回路130の間に出力電流検出回路330
を設ける場合は、出力電流検出回路330から出力される
出力電流信号の絶対電圧を低くすることが容易となる。
【0084】又、出力電流検出回路330としては、検出
用抵抗器331を用いる場合のみでなく、誘導コイルを用
いた電流検出器を使用することもある。そして、過電流
検出回路350は、抵抗器351,352と比較器355及びスイッ
チングトランジスタ357で形成し、制御電源部201で形成
した第2制御電圧Vccを基準電圧用分圧抵抗器351,352
により分圧して基準電圧を形成し、出力電流検出回路33
0が出力する出力電流信号の電位が基準電圧よりも高く
なるとスイッチングトランジスタ357を導通させるもの
としている。
【0085】更に、このスイッチングトランジスタ357
は、エミッタを接地し、コレクタをフォトカプラ175に
おける発光ダイオード177のカソードに接続するもので
ある。従って、この過電流検出回路350は、スイッチン
グトランジスタ357が導通するとサイリスタ制御回路170
に導通信号の出力を停止させる。尚、中央制御手段310
には、直流電圧検出回路320からの直流電圧信号、出力
電流検出回路330からの出力電流信号、及び、出力電圧
検出手段の内の出力電圧検出回路340からの出力電圧信
号とこの出力電圧信号に基づく出力電圧検出手段の内の
矩形波形成回路317からのゼロクロス信号が検出信号と
して入力される他、三相出力巻線51が出力する出力電圧
の周波数の検出信号も回転数検出回路319から回転数信
号として入力され、又、発光ダイオード177のカソード
電位も導通率検出信号として入力され、更に、スロット
ル制御機構315からはスロットルの開度信号も入力され
る。もっとも、スロットル制御機構315からの開度信号
は省略し、スロットル開度制御部423でスロットルの開
度量を記憶しておくこともある。
【0086】これらの検出信号が入力される中央制御手
段310は、その動作として、図4に示すように、PWM
制御信号をPWMドライバーに出力するPWM信号生成
部441の他、出力電圧検出回路340からの出力電圧信号及
び矩形波形成回路317からのゼロクロス信号により制御
の開始に際して単独か並列かを判断してPWM信号生成
部441を制御する単独運転制御部435及び同期運転制御部
437、更に設定スイッチ318からの信号により単相交流電
圧の周波数を設定する出力周波数設定部415や設定スイ
ッチ318からの信号により単相交流電圧の出力電圧を調
整設定する出力電圧設定部417、及び、出力電圧検出回
路340からの出力電圧信号により第1出力端子151及び第
2出力端子152から出力する単相交流電圧を監視する電
圧波形監視部433、又、回転数検出回路319からの回転数
信号によりエンジン回転数を判断するエンジン回転速度
検出部421や出力電流信号及び回転数信号やスロットル
制御機構315からの開度信号に基づいてスロットルドラ
イバー313に回転制御信号を出力するスロットル開度制
御部423、そして、出力電流検出回路330からの出力電流
信号や直流電圧検出回路230からの直流電圧信号に基づ
いて停止制御信号を停止回路360に出力する回路保護部4
31、サイリスタ制御回路170における発光ダイオード177
のカソード電位により直流電圧発生回路110の稼働率即
ち直流電圧発生回路110におけるサイリスタ111の導通率
を検出する導通率検出部419、更に、中央制御手段310の
制御動作状態に応じて携帯用発電機100の作動状況を運
転状態表示部427に表示させる信号を出力する表示制御
部425を形成している。
【0087】尚、このマイクロコンピュータである中央
制御手段310は、図示していないが、十数メガヘルツと
される水晶発振器を有し、この水晶発振器の出力を基準
クロックとして作動するものであり、制御プログラムや
制御データテーブルなどが記録されているリードオンリ
メモリ及び演算処理を行うためのランダムアクセスメモ
リ、更に、基準クロックを分周して所要のクロック信号
を形成する分周回路を有するものである。又、入力され
るアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジ
タル変換器411も備えているものである。
【0088】又、スロットル制御機構315において、パ
ルスモータを用いてスロットルバルブを回転制御する場
合は、スロットル開度制御部423にパルスカウンタを内
蔵させ、スロットル開度制御部423からスロットルドラ
イバー313に出力する回転制御信号に合わせてカウント
値をアップカウント又はダウンカウントし、スロットル
制御機構315からの開度信号を省略してスロットル開度
制御部423でスロットルの開度データを記憶させること
もある。
【0089】この、スロットル開度制御部423は、回転
数検出回路319からの回転数信号に基づくエンジン回転
速度検出部421からの回転速度データとスロットル開度
信号又はスロットル開度データとに基づいてスロットル
開度を制御するものであるも、このスロットル開度制御
部423でスロットルの開度を制御するに際し、交流発電
機50の最大効率などに合わせ、直流電圧発生回路110の
稼働率を80パーセント前後とするように制御する。
【0090】即ち、導通率検出部419に入力される導通
率検出信号としたサイリスタ制御回路170における発光
ダイオード177のカソード電位がグランドレベルか否か
の割合による直流電圧発生回路110の稼働率に基づき、
直流電圧発生回路110の稼働率であるサイリスタ111の導
通率が70パーセントなどの所定の値よりも低いときは
導通率の値に合わせてスロットルを閉じる方向に開度を
変更する制御を行って交流発電機50の発電量を減少させ
る。又、導通率が90パーセントなどの所定の値を越え
るときはスロットルを大きく開く方向に開度を変更する
制御をしてエンジンの回転数を上昇させ、交流発電機50
の発電量を増加させるようにしている。
【0091】従って、負荷の状態に合わせ、当該携帯用
発電機100からの出力電力が大きい場合には交流発電機5
0の発電量を増大させることにより、負荷に合わせた発
電を行うことができる。そして、PWM信号生成部441
は、PWM基準テーブルを有し、このPWM基準テーブ
ルに基づいてPWM制御信号をPWMドライバー311に
出力し、インバータ回路130における第1トランジスタ1
31乃至第4トランジスタ134である各トランジスタの導
通遮断を制御する。
【0092】このPWM基準テーブルは、多数のPWM
基準値を記憶するテーブルであり、各PWM基準値は、
正弦波曲線の1周期を形成する曲線の値に相当する百個
乃至数百個程度の数値としている。そして、中央制御手
段310のPWM信号生成部441は、一定の周期でこのPW
M基準テーブルからPWM基準値を順次読み出してPW
M制御信号を形成し、このPWM制御信号をPWMドラ
イバー311に出力する。
【0093】このPWM制御信号は、PWM基準テーブ
ルの先頭値が0の場合は、PWM基準値を読み出す読み
出しクロックにおける1クロック時間の2分の1時間に
相当する値を読み出した各PWM基準値に加え、PWM
基準値が0のときにデューティー比が50パーセントと
なるパルス信号を形成している。このため、PWM制御
信号の各パルスは、図5の(1)に示すように、デュー
ティー比を正弦波形状に合わせて順次変化させ、デュー
ティー比が50パーセントを中心として数十パーセント
から100パーセントの数十パーセント手前までの範囲
の値で順次変化する基準正弦波を形成するパルス信号列
とされる。
【0094】そして、PWMドライバー311は、このP
WM制御信号を電流増幅して第1トランジスタ131及び
第4トランジスタ134に出力する第1PWM信号と、こ
のPWM制御信号を反転増幅して第2トランジスタ132
及び第3トランジスタ133に出力する第2PWM信号と
を形成し、この第1PWM信号及び第2PWM信号をイ
ンバータ回路130に出力する。
【0095】更に、中央制御手段310の電圧波形監視部4
33は、各PWM基準値に対応させた多数の電圧テーブル
値を記憶する出力電圧値テーブルを有し、PWM基準テ
ーブルからPWM基準値の読み出しを行うタイミングに
合わせて出力電圧値テーブルから電圧テーブル値を読み
出し、この読み出した電圧テーブル値と出力電圧検出回
路340から入力される出力電圧の値とを比較し、PWM
信号生成部441から出力されるPWM制御信号を形成す
る各パルス信号のパルス幅を修正させ、出力電圧の調整
を行っている。
【0096】そして、図示していない始動スイッチが操
作され、PWM制御信号をPWM信号生成部441から出
力して第1出力端子151及び第2出力端子152から単相交
流電圧の出力を開始するに際し、中央制御手段310は出
力電圧検出手段の内の矩形波形成回路317からのゼロク
ロス信号が入力されているか否かの判断を行い、ゼロク
ロス信号が入力されていないときは単独運転制御部435
の作動を開始する。
【0097】この単独運転制御部435の作動が開始され
ることにより、中央制御手段310のPWM信号生成部441
は、第1出力端子151と第2出力端子152との間の平均出
力電圧が設定スイッチ318により設定された100ボル
トなどであって、周波数を設定された50ヘルツ又は6
0ヘルツとする電圧を形成するPWM制御信号を出力す
る。
【0098】この出力電圧の周波数は、PWM信号生成
部441のPWM基準テーブルに記録されている単相交流
電圧の一周期分を形成する100個乃至数百個のPWM
基準値を20ミリ秒で読み出すクロックを選択するか又
は16.66ミリ秒で読み出すクロックを選択するかに
より、当該携帯用発電機100から出力する単相交流電圧
の周波数を50ヘルツや60ヘルツに定めるものであ
る。
【0099】又、出力電圧の設定は、設定スイッチ318
における電圧調整スイッチからの信号に基づいてPWM
基準テーブルに記録されているPWM基準値に補正値を
乗算や加算して修正基準値を形成し、この修正基準値に
基づいてPWM制御信号とするパルス信号の各パルス幅
を定めるものである。そして、このPWM基準値から修
正基準値を算出する補正値を出力電圧設定部417で形成
し、この補正値を出力電圧設定部417から単独運転制御
部435が読み取り、この補正値をPWM信号生成部441に
受け渡すことにより行っている。
【0100】更に、PWM信号生成部441からPWM制
御信号が出力された後は、出力電圧検出回路340からの
出力電圧信号に基づいて出力電圧波形監視部433でピー
ク電圧及び正弦波の歪みを監視し、ピーク電圧が設定値
から変動したときは、設定電圧との差を修正する補正値
を出力電圧波形監視部433からPWM信号生成部441に読
み込ませるようにする。又、正弦波の歪みが持続すると
きも、補正値をPWM信号生成部441に読み込ませて設
定された電圧であって滑らかな正弦波とした単相交流電
圧を出力させるようにしている。
【0101】そして、負荷の容量や種類によっても単相
交流電圧の波形が歪むため、出力電流値に合わせてPW
M制御信号を補正することにより、常に出力電圧が所定
の正弦波形状となる制御を行うものとしている。この補
正は、電力回路101の内部インピーダンスと出力電流値
及び出力電流値とにより、PWM基準値に補正を加える
補正値Yを各PWM基準値に対応させて記憶し、各PW
M基準値に基づいて次回にPWM制御信号をPWM信号
生成部441で形成する際、各PWM基準値に対応した補
正値Yを加算又は減算するようにして補正する。そし
て、この補正したPWM基準値である修正基準値によっ
てPWM制御信号を形成させるものである。
【0102】この補正値Yは、PWM基準テーブルのN
番目のPWM基準値Pnを読み出してPWM制御信号を
PWM信号生成部441から出力し、このPWM制御信号
による第1出力端子151と第2出力端子152との間の電位
差である出力電圧値がVボルトにして、この時の出力電
流値がIアンペアであれば、定数M、T、Z、S、及び
変数Kを係数とすることにより、各PWM基準値Pnに
対応する補正値Ynを各々求めるものであって Yn=[(Qn−V/M)/T]−I・Z・S・K とした補正値YnをN番目のPWM基準値Pnについて算
出し、この補正値Ynを記憶して一周期後の次回のPW
M基準値Pnとしては、 Pn+Yn 又は Pn−Yn とする補正により算出した修正基準値であるPWM基準
値に基づいてPWM制御信号をPWM信号生成部441か
ら出力するものである。
【0103】この補正値Ynを算出する際のQnは、N番
目のPWM基準値Pnに基づくPWM制御信号としての
パスル信号をPWM信号生成部441から出力したときに
当該携帯用発電機100が無負荷状態で第1出力端子151と
第2出力端子152との間に発生すべき出力電圧を示す電
圧テーブル値であって、Mは出力電圧の1ボルト変化に
対応する電圧テーブル値の変化値である。又、Zは電力
回路101の内部インピーダンス即ち、主としてローパス
フィルタ140のインピーダンスであって、Sは第1出力
端子151と第2出力端子152との間に1ボルトの変化を発
生させるPWM基準値の変化値であり、Tは、出力電圧
の1ボルト変化に対応したPWM基準値の変化値と電圧
テーブル値の変化値との比である。
【0104】そして、変数Kは、通常の正常値を「1」
とし、直流電源部120の出力電圧である直流電圧が所定
の設定範囲を僅かに超えた場合やスロットル開度に対し
て交流発電機50の回転数即ちエンジンの回転数が低い場
合など、当該携帯用発電機100の正常動作からずれた状
態が発生したときに数パーセント乃至十パーセント程度
の増減を行って数値を変更する変数としているものであ
る。
【0105】従って、この携帯用発電機100では、その
中央制御手段310において、所定パルス幅のPWM制御
信号をPWM信号生成部441から出力したときの無負荷
出力電圧に対応させた電圧テーブル値Qnと、このPW
M制御信号に基づいた出力電圧を現実に検出した出力電
圧の値Vとの差による電圧補正項である(Qn−V/
M)/T、及び、内部インピーダンスZ及びこのときの
出力電流による電流補正項であるI・Z・S・Kによっ
てN番目のPWM基準値Pnを修正するように各PWM
基準値を補正してPWM制御信号を形成することができ
る。
【0106】このため、図6に示すように、出力電圧V
と出力電流Iとの間に位相差が生じる進相負荷が接続さ
れたとき、又は遅相負荷が第1出力端子151及び第2出
力端子152に接続されることにより、出力電圧と出力電
流との位相差及び電流値などによって出力電圧が歪む場
合であっても、瞬時瞬時の電流値Iに応じて出力電圧を
補正する電流補正項(I・Z・S・K)を有する補正値
Ynであって、且つ、無負荷出力電圧とする電圧テーブ
ル値Qnと検出した出力電圧Vとの差をも修正する電圧
補正項を備えた補正値Ynによって各PWM基準値Pnを
修正するから、出力電圧と出力電流との位相差に拘わら
ず、常に出力電流の値が如何なる値であっても出力電圧
の波形を適正な正弦波に近づける補正を行うことができ
る。
【0107】そして、この携帯用発電機100では、イン
バータ回路130及びローパスフィルタ140の特性によりP
WM基準値の値が1だけ変化したときに第1出力端子15
1と第2出力端子152との間にSボルトの電圧変化が生じ
るも、この出力電圧の変化値であるSボルトに対応する
電圧テーブル値Qnが1だけ変化するように出力電圧検
出回路340の分圧比及び出力電圧信号をアナログ信号か
らデジタル信号に変換する際のAD変換比率を定めてお
けば、PWM基準テーブルに記憶される各PWM基準値
と出力電圧値テーブルに記憶される各電圧テーブル値と
を等しくしておくことができる。更に、PWM基準値と
電圧テーブル値とを等しくするように出力電圧検出回路
340の分圧比やAD変換比率を定めれば、前述の補正値
Ynを求める際の定数M及び定数Tも1とすることによ
り、 Yn=(Qn−V)−I・Z・S・K となり、又、Kは正常値が1であるため、 Yn=(Qn−V)−I・Z・S とすることができ、検出した出力電圧値V及び検出した
出力電流値Iに基づいた中央制御手段310における演算
の処理することができる。
【0108】又、更に出力電流検出回路330が出力する
出力電流信号の値と出力電流自体の値との比、及び、出
力電流信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する
際のAD変換比率を所定とし、出力電流の値に対するデ
ジタル出力電流信号の値の比を電力回路101の内部イン
ピーダンスZとPWM基準値の値が1だけ変化したとき
の出力電圧の変化値であるSとの積に等しくしておけ
ば、中央制御手段310のアナログデジタル変換器411でデ
ジタル信号とした出力電流信号の値を直接に電流補正項
(I・Z・S・K)の内のI・Z・Sの値として演算処
理することができる。
【0109】従って、PWM基準テーブルに記憶するP
WM基準値の先頭値を0とし、このPWM基準値の0に
基づいてデューティー比を50パーセントとするPWM
制御信号を形成するPWM信号生成部441を有する中央
制御手段310では、変数Kが1の場合は出力電流信号の
値を電流補正項の値とし、又、変数Kの値が1以外の場
合は、出力電圧波形監視部433において、PWM基準テ
ーブルに記憶されているPWM基準値と出力電圧波形監
視部433に入力される出力電圧信号の値との差から出力
電圧波形監視部433に入力される出力電流信号の値に変
数Kを掛けた値を減算するだけで各PWM基準値Pnに
対応した各補正値Ynを算出して記憶することができ、
この場合の各補正値Ynは、 Yn=(Qn−V)−I・K として電圧テーブル値Qnと検出した出力電圧値Vとの
差、及び検出した出力電流値Iと変数Kとにより容易に
算出して出力電圧波形監視部433に記憶することができ
る。
【0110】そして、変数Kは、正常値として「1」を
設定し、スロットル開度制御部423からの制御信号によ
りスロットル開度を全開近くに大きくしたにも拘わら
ず、回転数信号により検出するエンジン回転数が上昇し
ないとき、変数Kの値を数パーセント程度大きな値に変
更するものである。又、算出記憶した各補正値Ynによ
りPWM制御信号を形成するに際しては、先頭値の0に
合わせてデューティー比を50パーセントとし、1周期
の前半半周期となる前半周期では各PWM基準値Pnを
正の値とし、後半の半周期となる後半周期では各PWM
基準値Pnを負の値としてPWM制御信号の各パルスを
形成する場合、前半周期では各PWM基準値Pnにこの
補正値Ynを加算し、後半周期では各PWM基準値Pnか
らこの補正値Ynを減算するものとしている。
【0111】このため、この制御により形成される出力
電圧は、図7に示すように、第1出力端子151の出力電
圧である第1出力電圧V1が第2出力端子152の出力電圧
である第2出力電圧V2よりも大きな半周期では、補正
値YnをPWM基準値Pnに加算すれば、理想出力電圧の
値である電圧テーブル値Qnよりも検出した出力電圧V
が大きく、補正値Ynが負の値となる場合、修正基準値
(Pn+Yn)は、 Pn+{(Qn−V)−I・K} として算出できるため、修正基準値(Pn+Yn)がPW
M基準値Pnよりも小さくなり、この修正基準値に基づ
くPWM制御信号のパルス幅を変更し、第1出力電圧V
1は小さく修正し、且つ、第2出力電圧V2は大きく修正
することになるため、第1出力電圧V1と第2出力電圧
V2との差である出力電圧Vを小さくすることができ
る。
【0112】又、第1出力電圧V1が第2出力電圧V2よ
りも小さくなる半周期では、補正値YnをPWM基準値
Pnの絶対値から減算することにより、 Pn−{(Qn−V)−I・K} とすれば、検出した出力電圧Vが理想出力電圧の値であ
る電圧テーブル値Qnよりも大きく、補正値Ynが負の値
の場合に、第1出力電圧V1を大きくするように修正
し、且つ、第2出力電圧V2を小さく修正して第1出力
電圧V1と第2出力電圧V2との差である出力電圧Vを小
さくすることができる。
【0113】そして、この補正値Ynは、出力電圧値V
と電圧テーブル値Qnによる電圧補正項の他、内部イン
ピーダンスZを加味した出力電流値Iに基づく電流補正
項も有しているから、出力電流が大きい場合には、イン
バータ回路130が出力する単相交流電圧の修正量を大き
く補正し、第1出力端子151及び第2出力端子152から出
力する出力電圧Vの補正量を適性とすることができる。
【0114】更に、この出力電圧波形監視部433では、
スロットル制御機構315からのスロットル開度信号又は
スロットル開度制御部423に記憶しているスロットル開
度データに基づいて、スロットル開度が全開に近い状態
とされているときにエンジン回転速度検出部421で検出
する回転数が低いときは、変数Kの値を大きな値に変更
するものとしている。
【0115】従って、負荷状態に合わせてスロットル開
度制御部423でスロットルの開度、即ちエンジンや交流
発電機50の回転数を制御し、負荷の増加に合わせてスロ
ットル開を大きくし、スロットル開度が全開又は全開近
くになったにも拘わらず、エンジンの回転数が高回転と
ならないとき、変数Kを減算係数に含む補正値Ynにお
ける負の値を大きくし、出力電圧Vを小さくすることが
できる。
【0116】このため、当該携帯用発電機100からの出
力電圧は小さくなり、交流発電機50の負荷が小さくなる
ためにエンジンや交流発電機50の回転数がスロットル開
度に合わせるように短時間で上昇し、交流発電機50の出
力を負荷の急増に合わせて素早く追従させることができ
る。従って、正常な運転時には必要のない大きなトルク
を有するエンジンを使用することなく、効率の良い発電
を行うことができ、負荷が急激に増加したときには、交
流発電機50の回転数を素早く上昇させて負荷の状態に合
わせた出力電力とすることが可能となる。
【0117】又、上記実施の形態では、補正値Ynの電
流補正項にスロットル開度とエンジン回転数とを条件に
数値を変更する変数Kを用いているも、補正値Ynは、
電圧テーブル値Qnと内部インピーダンスZ、出力電圧
の変化量と電圧テーブル値の変化量との比であるM、出
力電圧の変化量とPWM基準値の変化量との比である
S、PWM基準値の変化量と電圧テーブル値の変化量と
の比であるTにより検出電圧値Vと検出電流値Iとによ
って、 Yn=[(Qn−V/M)/T]−I・Z・S としておき、各PWM基準値Pnそのものに変数Kを掛
ける場合や、PWM基準値Pnに補正値Ynを加算又は減
算した修正基準値に変数Kを掛ける演算を行うことも有
る。
【0118】この変数KをPWM基準値や修正基準値の
係数としてPWM基準値や修正基準値に変数Kを掛ける
場合は、スロットル開度が大きいにも拘わらずエンジン
の回転数が低いときに正常値「1」よりも小さな値に変
更するものであり、この変数Kの数値決定は、出力電圧
波形監視部433で行う場合に限ることなく、単独運転制
御部435で係数とした変数Kの数値を決定し、このPW
M基準値や修正基準値の係数とする変数KをPWM信号
生成部441に読み込ませ、PWM信号生成部441でPWM
制御信号を形成する際に演算させることも有る。
【0119】又、前述のように、電流補正項の係数とし
た変数Kの値を大きく変更する場合や、PWM基準値や
修正基準値の係数とした変数Kの値を小さく変更する場
合において、スロットルの開度が全開の90パーセント
に達すると0.数パーセントだけ変数Kの値を大きく又
は小さく変更し、スロットルの開度が90パーセントを
越えて大きくなると順次段階的に変数Kの値を大きく又
は小さくするものとし、スロットルの全開で変数Kの値
を正常値の「1」に対して3乃至5パーセント程度の大
きな値又は小さな値とするように多段階に数値を変更す
ることも有る。
【0120】そして、このようにスロットルの開度が全
開又は全開に近くなったときに変数Kの値を変更するに
際して、スロットル開度とエンジン即ち交流発電機50の
回転数に基づいて数値を変更する場合の他、スロットル
開度と導通率検出信号による直流電圧発生回路110の稼
働率とに基づいて変数Kの値を順次変更することもあ
る。
【0121】このスロットル開度と直流電圧発生回路11
0の稼働率とに基づいて変数Kの値を変更する場合は、
直流電圧発生回路110の稼働率が95パーセントや98
パーセントなどの所定の値を越えたときを直流電圧発生
回路110が略最大稼働率に達しているものとし、この直
流電圧発生回路110が略最大稼働率のときにスロットル
の開度が90パーセント以上などの全開又は全開に近い
ときに変数Kの値を正常値の「1」から変更することに
より、急激な負荷の増加時に素早くエンジンの回転数を
上昇させて出力電圧を増大させるものである。
【0122】尚、デューティー比を50パーセントとす
るパルス信号をPWM制御信号として中央制御手段310
から出力し、このパルス信号により出力電圧の0を示す
出力電圧値信号が中央制御手段310に入力されるまでの
微小時間は、インバータ回路130などの回路特性により
予めプリセットして電圧テーブル値と検出された出力電
圧値とを比較しているも、この微小時間差を矩形波形成
回路317から入力されるゼロクロス信号に基づいて修正
し、PWM制御信号と第1出力端子151及び第2出力端
子152に出力する出力電圧との関係を正しく調整するこ
ともある。
【0123】又、PWM信号生成部441からPWM制御
信号の出力を開始させるに際し、矩形波形成回路317か
らゼロクロス信号が中央制御手段310に入力されたとき
は、中央制御手段310は、同期運転制御部437の作動を開
始する。この同期運転制御部437は、ゼロクロス信号の
入力間隔により第1出力端子151及び第2出力端子152間
に発生している電圧の周波数が設定スイッチ318で設定
された周波数と一致しているか否かを先ず判断する。
【0124】そして、周波数が一致していれば、出力電
圧信号によりピーク電圧が設定スイッチ318で設定され
た電圧のピーク値と略等しいか否かの判断を行う。この
ようにして、第1出力端子151と第2出力端子152との間
に発生している電圧の状態と設定スイッチ318により設
定された周波数及び電圧とを比較し、設定値と一致しな
いと判断したときはPWM信号生成部441の作動を開始
させることなく表示制御部425に異常信号を出力し、表
示制御部425から運転状態表示部427に所要の表示信号を
出力させる。
【0125】又、検出した電圧の周波数及び電圧が設定
値の周波数及び電圧と一致しているときは、矩形波形成
回路317からのゼロクロス信号の立ち上がりに合わせて
PWM信号生成部441に作動を開始させ、PWM基準テ
ーブルのPWM基準値を先頭から読み出してPWM制御
信号の出力を開始させる。尚、PWM信号生成部441の
作動が開始すれば、前述の単独運転と同様に出力電圧波
形監視部433によってPWM基準値を補正値Yで修正し
た修正基準値に基づいてPWM制御信号を形成する。
【0126】このようにして、インバータ回路130の作
動が開始され、ローパスフィルタ140を介して単相交流
電圧が第1出力端子151及び第2出力端子152の間に出力
され、この単相交流電圧と第1出力端子151及び第2出
力端子152の間に入力されている交流電圧との位相及び
電圧を一致させつつ正しい正弦波形状の単相交流電圧を
交流電源装置である当該携帯用発電機100から出力する
ことができる。
【0127】そして、同期運転を開始した後、同期運転
制御部437は、PWM信号生成部441がPWM基準値の先
頭値である0に基づくPWM制御信号を出力する毎に当
該中央制御手段310に入力されるゼロクロス信号の判定
を行い、当該携帯用発電機100と他の発電機との位相調
整制御を行う。この同期運転時の出力電圧である単相交
流電圧は、図5の(1)に示したように、PWM基準値
に基づいたPWM制御信号を出力すると、図5の(3)
にaの正弦波として示すPWM基準信号の0と略一致し
たゼロクロス点を有する正弦波をローパスフィルタ140
から出力させることになる。しかし、このローパスフィ
ルタ140を介して当該携帯用発電機100が出力する電圧と
他の発電機が出力する正弦波電圧との位相が図5の
(3)にcとして示すようにずれているとき、第1出力
端子151及び第2出力端子152の間に発生する電圧は図5
の(3)にbとして示すように両電圧が合成された電圧
となる。即ち、図5の(1)に示した基準正弦波のゼロ
クロス点に対して図5の(2)に示す正弦波となって出
力電圧信号のゼロクロス点が基準正弦波のゼロクロス点
とがずれることになる。
【0128】従って、PWM基準値の0に基づくPWM
制御信号を出力したタイミングで、出力電圧のゼロクロ
ス信号とされる矩形波がLレベルであれば当該携帯用発
電機100が出力する単相交流電圧が並列運転を行ってい
る他の発電機が出力する電圧よりも位相が進んでいると
判断し、PWM制御信号とする基準正弦波の周期を長く
する制御を同期運転制御部437は行う。
【0129】又、PWM基準値の0に基づくPWM制御
信号を出力したタイミングで、出力電圧のゼロクロス信
号とされる矩形波がHレベルであれば、同期運転制御部
437は基準正弦波の周期を短くする制御を行う。このP
WM制御信号により形成する基準正弦波の周期を調整す
るに際し、同期運転制御部437は、PWM基準値をPW
M基準テーブルから読み出すクロックの間隔を変更させ
るものである。
【0130】このクロックの間隔は、PWM基準値の読
み出しクロックを形成する分周回路を制御し、1クロッ
クの時間(PWM変調周期における1ステップの時間間
隔)を数パーセント乃至十パーセント程度長く又は短く
したクロック信号を、1周期を形成する百乃至数百クロ
ックの内に数個乃至十個程度形成するものである。この
ように、PWM信号生成部441で形成するPWM制御信
号による基準正弦波のゼロクロス点のタイミングで第1
出力端子151及び第2出力端子152の間に発生している電
圧の正負、即ち基準正弦波と出力電圧とのゼロクロス点
のずれを検出し、基準正弦波の出力タイミングを調整す
るため、負荷の種類による出力電圧と出力電流との位相
差に基づく影響を無くし、他の発電機と当該携帯用発電
機100との出力電圧の位相差を正確に修正することがで
きる。
【0131】又、この基準正弦波の修正に際し、1ステ
ップの時間間隔を数パーセント乃至十パーセント程度変
更するクロック信号のパルスを数個乃至十個程度形成す
るため、基準正弦波の1周期の変動率を0.3パーセン
ト程度以下とし、50ヘルツ又は60ヘルツに対して変
動量を0.2ヘルツ未満とした調整を行うことができ
る。
【0132】更に、このPWM制御信号による基準正弦
波の周波数調整は、クロック信号のパルス間隔、即ちP
WM制御信号の出力間隔を数パーセント乃至十パーセン
ト程度変更するのみであり、PWM制御信号とするパル
ス信号の個数及び各PWM制御信号の値であるPWM制
御信号とした各パルスのパルス幅を変更しないため、P
WM制御信号が形成する基準正弦波や当該携帯用発電機
100が出力する単相交流電圧の波形を滑らかに変化させ
つつ周期を調整変更することができる。
【0133】尚、クロックパルスの間隔を数パーセント
乃至十パーセント程度変更したクロックパルスの数個乃
至十個程度を形成するに際し、クロックパルスの間隔を
変更したクロックパルスを連続して形成することもあ
る。又、クロックパルスの間隔を変更した各クロックパ
ルスを基準正弦波の1周期内に分散させ、1周期の間に
形成するクロックパルスの内の所要個数のクロックパル
スについてパルス間隔を変更することもある。
【0134】そして、この同期運転制御部437によって
PWM信号生成部441を作動させるときも、単独運転制
御部435によってPWM信号生成部441を作動させたとき
と同様に、出力電圧波形監視部433によって出力電圧の
調整及び波形の整形を行い、又、急激な負荷の増加に交
流発電機50の回転数上昇が追従しないときは、電流補正
項の係数とした変数Kの値を大きく変更する制御を出力
電圧波形監視部433で行いつつPWM信号生成部441を作
動させ、又はPWM基準値や修正基準値の係数とした変
数Kの値を小さく変更する制御を同期運転制御部437で
行ってPWM信号生成部441を作動させ、出力電圧を降
下させる。
【0135】更に、この同期運転制御部437は、直流電
圧検出回路320からの直流電圧信号と導通率検出部419に
入力される導通率検出信号とに基づき、PWM基準値や
修正基準値の係数としての変数K’の値を大きな値に変
更する制御も行うものである。このPWM基準値や修正
基準値の係数とする変数K’も、正常値を「1」とし、
導通率検出信号に基づく直流電圧発生回路110の稼働率
が数十パーセントなどの低い所定の規定値以下となり、
直流電圧が定電圧検出回路180の設定電圧近く又は稼働
率が略0パーセントであって直流電圧が定電圧検出回路
180の設定電圧を越えているときなどには、変数K’と
して1よりも数パーセント程度大きな値に変更してPW
M制御信号のパルス幅を大きくするように変更するもの
である。
【0136】このように、当該携帯用発電機100におけ
る直流電圧発生回路110の稼働率が低いにも拘わらず、
直流電源部120の電圧が高いときは、第1出力端子151と
第2出力端子152との間に生じる出力電圧が高く、当該
携帯用発電機100の出力電力が小さい状態であり、並列
運転を行っている他の発電機の出力が大きいために直流
電圧が高電位に維持されているものであるから、PWM
基準値又は修正基準値の係数とした変数K’の値を大き
くし、インバータ回路130の出力電圧を上昇させること
により、当該携帯用発電機100の出力を増大させて当該
携帯用発電機100の負荷分担を大きくすることができ
る。
【0137】尚、変数K’の値を大きな値に切り換える
に際しては、直流電圧の検出値が高いほど大きな値とな
るように直流電圧の電圧値に合わせて順次段階的に大き
くしていくことが好ましい。又、この同期運転制御部43
7では、出力電流検出回路330からの出力電流値に基づい
ても、PWM制御信号のパルス幅の値を調整して出力電
圧の調整も行うものとしている。
【0138】この出力電流値に基づく出力電圧の調整
は、出力電流信号により第1出力端子151又は第2出力
端子152から出力する電流値が定格電流値の85パーセ
ント乃至90パーセントとする所定の値を越えたとき、
単相交流電圧の値を1パーセント程度低下させるように
PWM基準値又は修正基準値に掛ける係数の値を変更す
ることによって、PWM制御信号とするパルス信号のパ
ルス幅を僅かに小さくする変更と電圧テーブル値の修正
変更とを行うものである。
【0139】このように、出力電流値が定格電流値の近
くまで大きくなったときは、出力電圧を僅かに低下させ
ることにより、当該携帯用発電機100の出力電圧を僅か
に小さくし、並列運転を行っている発電機の負荷分担を
一方の発電機に片寄り過ぎないようにすることができ
る。尚、中央制御手段310では、単独運転制御部435や並
列運転制御部437と合わせて出力電圧波形監視部433及び
PWM信号生成部441により第1出力端子151と第2出力
端子152との間に生じる出力電圧が所定の正弦波形状と
なるようにPWM制御信号を形成しているも、このPW
M制御信号を形成するためのPWM基準値の補正は、P
WM基準テーブルの前半周期のPWM基準値に対して加
算又は掛け算を行うとき、PWM基準テーブルの後半周
期のPWM基準値に対しては減算又は割り算を行うこと
がある。
【0140】このように、PWM基準値や修正基準値の
値が0のときに出力電圧Vが0となる電圧変換を行って
いるか否か、又は、PWM基準値を常に正の値とするか
PWM基準値を正及び負の値とするかなどの演算手法に
合わせて前半周期と後半周期とで加算と減算又は掛算と
割算とを切り換え、又は、一周期を通して加算又は減算
や掛算又は割算を行うことにより、図7に示すように、
第1出力端子151の出力電圧である第1出力電圧V1が第
2出力端子152の出力電圧である第2出力電圧V2よりも
大きい半周期では、第1出力電圧V1を下方修正した第
1出力電圧v1により両端子間の差電圧となる出力電圧
Vを小さくし、第1出力電圧V1が第2出力電圧V2より
も小さい半周期においては第1出力電圧V1を大きくす
る修正を行って前半周期と同様に出力電圧Vを小さくす
ることができる。
【0141】更に、この中央制御手段310は、回路保護
部431により直流電圧発生回路110の制御を、又、スロッ
トル開度制御部423によりエンジンの回転数制御を行っ
ている。この回路保護部431による直流電圧発生回路110
の制御は、停止回路360によりサイリスタ制御回路170を
介して行うものである。この停止回路360は、図3に示
したように、ベースを中央制御手段310に接続したスイ
ッチングトランジスタ361で構成し、スイッチングトラ
ンジスタ361のエミッタを接地し、このスイッチングト
ランジスタ361のコレクタをフォトカプラ175における発
光ダイオード177のカソードに接続しているものであ
る。
【0142】この停止回路360によって直流電圧発生回
路110の制御を行うに際しては、エンジンの始動時、回
転数検出回路319から入力される回転数信号が安定して
維持されるまでは回路保護部431から停止制御信号を停
止回路360に出力し、発光ダイオード177を点灯させてサ
イリスタ制御回路170から導通信号を出力させないよう
にする。
【0143】そして、エンジンの回転数が安定したと
き、停止制御信号の出力を停止し、直流電圧検出回路32
0からの直流電圧信号により直流電源部120の電圧が16
0ボルト乃至200ボルトの所定の電圧に達しているこ
とを確認し、単独運転制御部435又は同期運転制御部437
の制御に基づきPWM信号生成部441からPWM制御信
号の出力を開始する。
【0144】更に、エンジンの制御は、エンジン回転速
度検出部421及びスロットル開度制御部423によってスロ
ットルドライバー313を介してスロットル制御機構315の
パルスモータを正回転又は逆回転させることにより行
う。このエンジン回転数制御は、前述のように、フォト
カプラ175における発光ダイオード177のカソード電位に
より直流電圧発生回路110に導通信号を出力している時
間の割合、即ちサイリスタ111の導通率に合わせてスロ
ットル制御機構315から入力される開度信号を所定の値
とし、又は、スロットル制御機構315のパルスカウンタ
のカウント値を所定の値とし、出力に合わせて所定のエ
ンジン回転数をするものである。
【0145】従って、直流電圧発生回路110の稼働率に
合わせてスロットル開度を修正し、高効率の電圧変換を
行うことができる。尚、出力電流検出回路330からの出
力電流信号に合わせてスロットル制御機構315から入力
される開度信号、又は、スロットル制御機構315のパル
スカウンタのカウント値を所定の値とし、出力に合わせ
たスロットル開度の制御を行うことも有る。
【0146】又、この携帯用発電機100では、定格電流
を越える過電流が流れるとき、中央制御手段310の回路
保護部431によって直流電圧発生回路110やインバータ回
路130の動作を停止させる制御を行い、単相交流電圧の
出力を停止することにより電力回路101の保護を図ると
共に、過電流検出回路350により直流電圧発生回路110の
動作を停止させる制御とを行っている。
【0147】この電力回路101を保護する回路保護部431
による制御は、出力電流値が定格電圧の1.2倍を越え
たときは、数秒乃至数分間の持続時間が経過するとPW
M信号生成部441から出力しているPWM制御信号の出
力を停止させると共に、停止回路360に停止制御信号の
出力を開始するものとしている。そして、定格電流の
1.2倍を越えた値に応じて出力電流値が大きいとき
は、短い持続時間で停止制御信号の出力を開始すると共
にPWM信号生成部441にPWM制御信号の出力を停止
させ、定格電流を越えた値が小さいときは、多少長い持
続時間で停止制御信号の出力開始及びPWM制御信号の
出力停止制御を行い、単相交流電圧の出力を停止させ
る。又、出力電流の値が定格電圧の2倍余りに達したと
きは、直ちにPWM制御信号の出力を停止させると共に
停止制御信号の出力を開始して単相交流電圧の出力を停
止させる。
【0148】更に、直流電圧検出回路320で検出する直
流電圧の値や出力電圧検出回路340で検出する出力電圧
の値が異常に高くなったとき、又、出力電圧が設定され
ている値である例えば100ボルトよりも大きく低下し
たときや100ボルトよりも低い電圧が持続したときな
ど、電力回路101に異常電圧が発生したことを検出した
ときも回路保護部431は停止制御信号を停止回路360に出
力し、且つ、PWM信号生成部441にPWM制御信号の
出力を停止させることによって第1出力端子151及び第
2出力端子152からの単相交流電圧の出力を停止させ
る。
【0149】又、中央制御手段310とは別に設けている
過電流検出回路350は、出力電流の値が定格電圧の2倍
近くに達したとき、フォトカプラ175にLレベルの停止
信号を出力してサイリスタ制御回路170が直流電圧発生
回路110に出力している導通信号の出力を停止させる。
このため、出力電流の値が定格電圧の2倍近くに達した
ときは、直流電圧発生回路110の各サイリスタ111が不導
通状態とされ、直流電源部120への交流発電機50からの
電力供給が停止される。従って、直流電源部120の出力
電圧は降下する。
【0150】従って、直流電源部120の出力電圧をPW
M制御によって交流電圧とし、一定のデューティー比と
されたPWM制御信号による第1PWM信号及び第2P
WM信号により形成される第1出力端子151と第2出力
端子152の電位差である出力電圧は低下し、負荷電流も
減少させて出力電流が定格電流の2倍余りを越えて直ち
に単相交流電圧の出力が停止されることや、出力電流値
が定格電流の1.2倍を大きく越えて極めて短時間で単
相交流電圧の出力が停止されることが防止できる。
【0151】尚、過電流検出回路350は、出力電流検出
回路330で定格電流値の2倍近くの電流値を検出したと
きに停止信号を出力するように基準電圧を設定する場合
に限るものでなく、定格電流値の1.5倍を越える電流
が流れようとするときに直流電圧発生回路110の整流動
作を停止させ、直流電源部120への交流発電機50からの
電力供給を停止し、出力電圧を低下させるようにする場
合など、電力回路101を形成する素子の特性や耐久性、
及び、安全基準に合わせ、中央制御手段310に停止制御
信号を出力させる際の出力電流値と共に適宜の値として
設定するものである。
【0152】
【発明の効果】請求項1に記載した本発明は、交流電圧
を直流電圧発生回路で一旦直流化して所定電圧の直流電
圧を形成した後単相交流電圧をインバータ回路で形成し
て出力する携帯用発電機において、直流電圧発生回路の
稼動率が略最大稼働率となり且つスロットル開度が全開
近くなったとき、又は、スロットル開度が全開近くであ
ってエンジン回転数が所定の規定値よりも低いとき、イ
ンバータ回路からの出力電圧を降下させる携帯用発電機
の出力調整方法とするものである。
【0153】従って、負荷が急激に増大したときは、イ
ンバータ回路の出力電圧即ち出力端子からの出力電圧を
降下させるから、携帯用発電機の負荷を一旦軽くし、交
流発電機の回転数を速やかに上昇させて素早く負荷に応
じた出力電力を得ることができることになる。又、請求
項2に記載した本発明は、交流電圧を直流電圧発生回路
で一旦直流化した後にインバータ回路で単相交流電圧を
形成して出力する携帯用発電機において、インバータ回
路を制御するのに必要なPWM基準テーブルを設け、P
WM基準テーブルの各PWM基準値と出力電圧値とを比
較した差の値に基づく補正値を算出し、この補正値によ
り修正基準値を求めてPWM制御信号を形成することに
より出力電圧を安定させることにより、直流電圧発生回
路の稼動率が略最大稼動率となり且つスロットル開度が
全開近くなったとき、又は、スロットル開度が全開近く
でエンジン回転数が所定の規定値よりも低いときは、補
正値を大きく又は小さくすることによって出力電圧を降
下させる携帯用発電機の出力調整方法とするものであ
る。
【0154】従って、マイクロコンピュータを用いて複
数のPWM基準テーブルを用いることなく出力電圧の調
整を行うことができる。そして、負荷が急激に増大した
ときは、出力端子からの出力電圧を降下させることによ
り、負荷を一旦軽くしてエンジンの回転数即ち発電量を
素早く上昇させ、負荷に応じた出力電力が得られるよう
にすることができる。
【0155】尚、請求項3に記載した本発明は、補正値
は、出力電流値と所定の値を選択した変数値との積を係
数とし、選択する変数値の値を大きな値に置き換えるこ
とによって補正値を変化させる請求項2に記載した携帯
用発電機の出力調整方法とする。従って、出力電流値が
大きいときは変数値が一定でも修正値を大きく変更する
ことができ、負荷が大きいときには出力電圧の変動幅を
多少大きくし、負荷に合せた運転状態に素早く対応させ
ることができる。
【0156】そして、請求項4に記載した本発明は、交
流発電機と、交流発電機で形成する交流電圧を直流化す
る直流電圧発生回路とこの直流電圧を保持する直流電源
部とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を単相交流電
圧に変換するインバータ回路をする携帯用発電機であっ
て、直流電圧発生回路の稼動率を検出する導通率検出部
やインバータ回路を制御するPWM信号生成部及び単独
運転制御部や同期運転制御部とスロットル開度制御部と
を備えた中央制御手段を有し、又、出力端子間の電圧を
検出して出力電圧信号を出力し且つ出力電圧に合わせた
ゼロクロス信号も出力する出力電圧検出手段を有し、単
独運転制御部及び同期運転制御部は、直流電圧発生回路
の稼動率が略最大稼動率となり、且つ、スロットル開度
が全開近くなったとき、PWM制御信号のパルス幅を変
更させることによって出力電圧を降下させる制御を行う
携帯用発電機とするものである。
【0157】従って、負荷が急激に増大したとき、出力
電圧を低下させて当該携帯用発電機の負荷を一旦軽く
し、交流発電機の回転数を速やかに上昇させて発電量を
素早く上昇させ、負荷に応じた出力電力が得られるよう
にすることができる。更に、請求項5に記載した本発明
は、交流発電機を有し、交流発電機で形成する交流電圧
を直流化する直流電圧発生回路とこの直流電圧を保持す
る直流電源部とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を
単相交流電圧に変換するインバータ回路をする携帯用発
電機であって、直流電圧発生回路の稼動率を検出する導
通率検出部やインバータ回路を制御するPWM信号生成
部及び単独運転制御部や同期運転制御部、更にスロット
ル開度制御部やエンジン回転速度検出部を備えた中央制
御手段を有し、又、出力端子間の電圧を検出して出力電
圧信号を出力し且つ出力電圧に合わせたゼロクロス信号
も出力する出力電圧検出手段を有し、単独運転制御部及
び同期運転制御部は、スロットル開度制御がスロットル
全開に近く且つエンジン回転速度が所定の規定値よりも
低いとき、PWM制御信号のパルス幅を変更させること
によって出力電圧を降下させる制御を行う携帯用発電機
とするものである。
【0158】従って、負荷が急激に大きくなってエンジ
ンの回転速度が負荷の増加に追従して素早く上昇しない
とき、出力電圧を低下させることによって負荷を一旦軽
減し、迅速にエンジンの回転数を上昇させ、発電電力を
素早く増大させて負荷に応じた出力電力を出力させるこ
とができる。又、請求項6に記載した本発明は、交流発
電機と、交流発電機で形成する交流電圧を直流化する直
流電圧発生回路及びこの直流電圧を保持する直流電源部
とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を単相交流電圧
に変換するインバータ回路を有し、インバータ回路の出
力を出力端子から出力する携帯用発電機であって、直流
電圧発生回路の稼動率を検出する導通率検出部とインバ
ータ回路を制御するPWM信号生成部及び単独運転制御
部や同期運転制御部、更に、スロットル開度制御部及び
エンジン回転速度検出部や検出した出力電圧及び出力電
流の値に基づいて演算を行う出力電圧波形監視部とを備
えた中央制御手段を有し、PWM信号生成部は、PWM
基準値に対応したPWM制御信号を形成し、出力電圧波
形監視部は、各電圧テーブル値と検出した出力電圧の値
との差から検出した出力電流値に係数を掛けた値を減算
又は加算した補正値を算出して記憶し、且つ、次回のP
WM基準値に基づいたPWM制御信号をPWM信号生成
部が形成するに際し、PWM基準値から補正値を減算又
は加算した修正基準値に基づいてPWM制御信号を形成
させ、又、単独運転制御部や同期運転制御部は、直流電
圧発生回路の稼動率が略最大稼動率であって且つスロッ
トル開度が全開近くなったとき、又は、スロットル開度
制御部による開度制御がスロットル全開に近く且つエン
ジン回転速度が所定の規定値よりも低いとき、出力電圧
波形監視部で補正値を算出させる係数の値を大きな値に
変更させ、又はPWM基準値や修正基準値に掛ける係数
の値を小さくして単相交流電圧の電圧値を降下させる携
帯用発電機とするものである。
【0159】従って、負荷が急激に増大し、携帯用発電
機の出力が負荷に追従しないとき、出力電圧を降下させ
て携帯用発電機の負荷を一旦軽減して出力を負荷に対応
させることができる。そして、補正値の係数を変更する
ときは、補正値は出力電流値と係数とを掛けた値を減算
又は加算して求めるため、出力電流値が大きいとき、負
荷を大きく軽減させることによって迅速なエンジンの回
転数上昇を行うことができる。
【0160】そして、請求項7に記載した本発明は、交
流電圧を直流電圧発生回路で直流化して所定電圧の直流
電圧を形成した後に単相交流電圧を形成して出力する携
帯用発電機において、直流電圧発生回路の稼動率が特定
の値よりも低く、且つ、直流化した直流電圧の値が所定
の電圧値よりも高いとき、出力電圧を上昇させる携帯用
発電機の出力調整方法とするものである。
【0161】従って、出力端子間の電圧が高く、外部電
力の流入又は出力端子からの出力がほとんど行われてい
ない状態となっているとき、当該携帯用発電機の出力電
圧を上昇させることにより当該携帯用発電機を適正負荷
状態とすることができる。又、請求項8に記載した本発
明は、交流電圧を直流電圧発生回路により直流化した
後、インバータ回路により単相交流電圧を形成して出力
する携帯用発電機において、PWM基準テーブルを設
け、各PWM基準値と出力電圧値とを比較した差の値に
基づく補正値を算出し、PWM基準値にこの補正値を加
算又は減算して修正基準値を算出し、次回はこの修正基
準値に基づくPWM制御信号を形成してインバータ回路
を制御し、直流電圧発生回路の稼動率が特定の値よりも
低く且つ直流化した直流電圧の値が所定の電圧値よりも
高いとき、PWM基準値又は修正基準値を小さく又は大
きくすることによりインバータ回路の出力電圧を上昇さ
せる携帯用発電機の出力調整方法とするものである。
【0162】従って、複数のPWM基準テーブルを用い
ることなく、マイクロコンピュータを用いて容易に出力
電圧の調整を行うことができ、並列運転時に当該携帯用
発電機の出力電圧が高く維持され且つ出力電力が極めて
少ないとき、出力電圧を上昇させることにより出力電力
を増大させ、当該携帯用発電機を適正負荷状態とするこ
とができる。
【0163】更に、請求項9に記載した本発明は、交流
電圧を一旦直流化する直流電圧発生回路とこの直流電圧
を保持する直流電源部とを有し、更に、直流電源部の出
力電圧を単相交流電圧に変換するインバータ回路を有
し、インバータ回路の出力を出力端子から出力する携帯
用発電機であって、直流電圧発生回路の稼動率を検出す
る導通率検出部やインバータ回路を制御するPWM信号
生成部及び単独運転制御部や同期運転制御部を備えた中
央制御手段を有し、又、直流電源部の出力電圧を検出し
て直流電圧信号を出力する直流電圧検出回路と、出力電
圧を検出して出力電圧信号を出力し且つ出力電圧のタイ
ミングに合わせたゼロクロス信号も出力する出力電圧検
出手段とを有し、同期運転制御部は、導通率検出部で検
出した直流電圧発生回路の稼動率が特定の値よりも低く
且つ直流電源部の出力電圧が所定の電圧値よりも高いと
き、PWM信号生成部に出力電圧を上昇させる制御も行
う携帯用発電機とするものである。
【0164】従って、当該携帯用発電機の出力電圧が高
く維持され且つ出力電力が極めて少ないとき、当該携帯
用発電機の出力電圧を上昇させることにより、当該携帯
用発電機の出力を増大させて適正負荷状態とし、安定し
た並列運転を行うことができる。そして、請求項10に
記載した本発明は、交流電圧を一旦直流化する直流電圧
発生回路と直流電圧を保持する直流電源部とを有し、更
に、直流電源部の出力電圧を単相交流電圧に変換するイ
ンバータ回路を有し、インバータ回路の出力電圧を出力
端子から出力する携帯用発電機であって、直流電圧発生
回路の稼動率を検出する導通率検出部とインバータ回路
を制御するPWM信号生成部及び単独運転制御部や同期
運転制御部、更に、検出した出力電圧及び出力電流の値
に基づいて演算を行う出力電圧波形監視部とを備えた中
央制御手段を有し、PWM信号生成部はPWM基準値に
順次対応したPWM制御信号を形成し、出力電圧波形監
視部は、電圧テーブル値と出力電圧の値との差に係数を
掛けた値を加算又は減算した補正値を算出して各PWM
基準値に対応した補正値を記憶し、且つ、次回のPWM
制御信号をPWM信号生成部が形成するに際し、PWM
基準値から補正値を減算又は加算した修正基準値に基づ
いてPWM制御信号を形成させ、同期運転制御部は、導
通率検出部で検出した直流電圧発生回路の稼動率が所定
の値よりも低く、且つ、直流電源部の出力電圧が所定の
電圧値よりも高いとき、出力電圧波形監視部で算出する
修正基準値又はPWM基準値に掛ける係数の値を変更さ
せて単相交流電圧の電圧値を上昇させる携帯用発電機と
するものである。
【0165】従って、当該携帯用発電機の出力電圧が高
く維持され且つ出力電力が極めて少ないときは、該携帯
用発電機の出力電圧を上昇させることにより、当該携帯
用発電機の出力を増大させて適正負荷状態とし、安定し
た並列運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯用発電機の全体を示すブロッ
ク図。
【図2】本発明に係る携帯用発電機の電源部を主とする
回路ブロック図。
【図3】本発明に係る携帯用発電機の検出回路を主とす
る回路ブロック図。
【図4】本発明に係る携帯用発電機の中央制御手段の概
要を示すブロック図。
【図5】本発明に係る携帯用発電機の電圧出力状態を示
すグラフ。
【図6】出力電圧と出力電流との位相差の一例を示すグ
ラフ。
【図7】出力電圧の修正状態を示すグラフ。
【図8】従来の携帯用発電機の一例を示す回路ブロック
図。
【図9】出力電圧を示す模式図。
【図10】従来の他の携帯用発電機の例を示す回路ブロ
ック図。
【符号の説明】
50 交流発電機 51 三相出力巻線 55 単相出
力巻線 100 携帯用発電機 101 電力回路 110 直流電圧発生回路 111 サイリスタ 115 整流
ダイオード 120 直流電源部 121 主平
滑コンデンサ 130 インバータ回路 140 ローパスフィルタ 151 第1出力端子 152 第2
出力端子 160 ゲート電圧発生回路 170 サイリスタ制御回路 180 定電圧検出回路 201 制御電源部 210 平滑回路 221 第1定電圧回路 225 第2
定電圧回路 230 レギュレータ 235 定電
圧回路 240 電圧制御回路 250 PWM信号発生回路 255 インバータドライブ回路 260 過負荷検出回路 265 演算
回路部 269 過負荷検出回路 270 正弦波発生回路 281 三角
波発生回路 285 PWM制御信号発生回路 291 矩形波発生回路 293 始動
タイミング回路 295 矩形波発生回路 297 位相
比較回路 299 限界値検出回路 310 中央制御手段 311 PWMドライバー 313 スロ
ットルドライバー 315 スロットル制御機構 317 矩形波検出回路 319 回転
数検出回路 320 直流電圧検出回路 330 出力
電流検出回路 340 出力電圧検出回路 350 過電
流検出回路 432 スロットル開度制御部 431 回路
保護部 433 出力電圧監視部 435 単独
運転制御部 435 同期運転制御部 441 PW
M信号生成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 淳 宮城県角田市佐倉字宮谷地4番地3号 株 式会社ケーヒン第三事業所内 Fターム(参考) 5H007 AA04 AA08 CA02 CB02 CB05 CC12 DB12 DC05 EA02 FA03 5H590 AA16 AA21 AB02 CA07 CA24 CC01 CC22 CC24 CD01 CD03 EA13 EB07 EB12 EB29 FA01 FA08 FB02 FB03 FB05 FC12 FC15 FC21 FC22 FC26 GA02 GA10 GB02 GB05 HA02 HA09 HA27 HB06 HB14 JA02 JA15 JA19 JB02 JB04 JB09 JB14 JB15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより交流発電機を作動させて
    交流電圧を発生させ、この交流電圧を直流電圧発生回路
    により一旦直流化して所定電圧の直流電圧を形成した
    後、インバータ回路により所定の周波数であって且つ一
    定の電圧とする単相交流電圧を形成し、この単相交流電
    圧を出力端子から出力する携帯用発電機において、直流
    電圧発生回路の稼動率を検出し、この稼動率を所定とす
    るようにエンジンのスロットル開度を制御し、直流電圧
    発生回路の稼動率が略最大稼働率であって且つスロット
    ル開度が全開近くとなったとき、又は、スロットル開度
    が全開近くでエンジン回転数が所定の規定値よりも低い
    とき、インバータ回路の出力電圧を降下させる制御を行
    うことを特徴とする携帯用発電機の出力調整方法。
  2. 【請求項2】 エンジンにより交流発電機を作動させて
    交流電圧を発生させ、この交流電圧を直流電圧発生回路
    により一旦直流化して所定電圧の直流電圧を形成した
    後、インバータ回路により所定の周波数であって且つ一
    定の電圧とする単相交流電圧を形成し、この単相交流電
    圧を出力端子から出力する携帯用発電機において、イン
    バータ回路を制御するPWM制御信号の基準テーブルで
    あるPWM基準テーブルを設け、PWM基準テーブルの
    各PWM基準値と出力電圧値とを比較した差の値に基づ
    く補正値を算出し、PWM基準値にこの補正値を加算又
    は減算して修正基準値を算出し、次回はこの修正基準値
    に基づくPWM制御信号を形成して出力電圧を安定さ
    せ、直流電圧発生回路の稼動率が略最大稼働率であって
    且スロットル開度が全開近くとなったとき、又は、スロ
    ットル開度が全開近くでエンジン回転数が所定の規定値
    よりも低いとき、補正値を大きく又は小さくすることに
    よりインバータ回路の出力電圧を降下させることを特徴
    とする携帯用発電機の出力調整方法。
  3. 【請求項3】 補正値は、出力電流値と所定の値を選択
    した変数値との積を係数とし、選択する変数値の値を大
    きくすることによって補正値の値を変化させることを特
    徴とする請求項2に記載した携帯用発電機の出力調整方
    法。
  4. 【請求項4】 交流電圧を発生させる交流発電機を有
    し、この交流発電機を回転させることにより交流電圧を
    形成し、この交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回
    路とこの直流電圧発生回路が出力する直流電圧を保持す
    る直流電源部とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を
    所定の周波数であって一定の電圧とする単相交流電圧に
    変換するインバータ回路を有し、インバータ回路の出力
    から高調波を除去した交流出力電圧を出力端子から出力
    する携帯用発電機であって、直流電圧発生回路の稼動率
    を検出する導通率検出部やインバータ回路を制御するP
    WM信号生成部及び単独運転制御部や同期運転制御部と
    スロットル開度制御部とを備えた中央制御手段を有し、
    又、出力端子間の電圧を検出して出力電圧信号を出力し
    且つ出力電圧における0ボルトのタイミングに合わせた
    ゼロクロス信号も出力する出力電圧検出手段を有し、単
    独運転制御部は、出力端子から単相交流電圧の出力を開
    始する前の所定短時間内に出力電圧検出手段からのゼロ
    クロス信号が入力されないときに単相交流電圧の出力を
    開始させる単独運転制御部であり、同期運転制御部は、
    出力端子から単相交流電圧の出力を開始する前の所定短
    時間内にゼロクロス信号が入力されたときはゼロクロス
    信号のタイミングに合わせて単相交流電圧の出力を開始
    させるものであって、且つ、単独運転制御部及び同期運
    転制御部は、直流電圧発生回路の稼動率が略最大稼働率
    であって且つスロットル開度が全開近くとなったとき、
    PWM信号生成部にPWM制御信号のパルス幅を変更さ
    せることによってインバータ回路の出力電圧を降下させ
    る制御を行うことを特徴とする携帯用発電機。
  5. 【請求項5】 交流電圧を発生させる交流発電機を有
    し、この交流発電機を回転させることにより交流電圧を
    形成し、この交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回
    路とこの直流電圧発生回路が出力する直流電圧を保持す
    る直流電源部とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を
    所定の周波数であって一定の電圧とする単相交流電圧に
    変換するインバータ回路を有し、インバータ回路の出力
    から高調波を除去した交流出力電圧を出力端子から出力
    する携帯用発電機であって、直流電圧発生回路の稼動率
    を検出する導通率検出部やインバータ回路を制御するP
    WM信号生成部及び単独運転制御部や同期運転制御部、
    更にエンジン回転速度検出部やスロットル開度制御部を
    備えた中央制御手段を有し、又、出力端子間の電圧を検
    出して出力電圧信号を出力し且つ出力電圧における0ボ
    ルトのタイミングに合わせたゼロクロス信号も出力する
    出力電圧検出手段を有し、単独運転制御部は出力端子か
    ら単相交流電圧の出力を開始する前の所定短時間内に出
    力電圧検出手段からゼロクロス信号が入力されないとき
    に単相交流電圧の出力を開始させる単独運転制御部であ
    り、同期運転制御部は、出力端子から単相交流電圧の出
    力を開始する前の所定短時間内にゼロクロス信号が入力
    されたときはゼロクロス信号のタイミングに合わせて単
    相交流電圧の出力を開始させるものであって、且つ、単
    独運転制御部及び同期運転制御部は、スロットル開度制
    御部による開度制御がスロットル全開に近く且つエンジ
    ン回転速度が所定の規定値よりも低いとき、PWM信号
    生成部にPWM制御信号のパルス幅を変更させることに
    よってインバータ回路の出力電圧を降下させる制御を行
    うことを特徴とする携帯用発電機。
  6. 【請求項6】 交流電圧を発生させる交流発電機を有し
    てこの交流発電機を回転させることにより交流電圧を形
    成し、この交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回路
    とこの直流電圧発生回路が出力する直流電圧を保持する
    直流電源部とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を所
    定の周波数であって一定の電圧とする単相交流電圧に変
    換するインバータ回路を有し、インバータ回路の出力か
    ら高調波を除去した交流出力電圧を出力端子から出力す
    る携帯用発電機であって、直流電圧発生回路の稼動率を
    検出する導通率検出部とインバータ回路を制御するPW
    M信号生成部及び単独運転制御部や同期運転制御部、更
    に、エンジン回転速度検出部及びスロットル開度制御部
    や検出した出力電圧及び出力電流の値に基づいて演算を
    行う出力電圧波形監視部とを備えた中央制御手段を有
    し、PWM信号生成部は、PWM基準テーブルに記憶さ
    れたPWM基準値に順次対応したパルス幅のPWM制御
    信号を形成し、出力電圧波形監視部は、各PWM基準値
    に対応した出力電圧を示す電圧テーブル値と検出した出
    力電圧の値との差を求め、この差の値から検出した出力
    電流値に係数を掛けた値を減算又は加算した補正値を算
    出して各PWM基準値に対応した補正値を記憶し、且
    つ、次回のPWM基準値に基づいたPWM制御信号をP
    WM信号生成部が形成するに際し、PWM基準値から補
    正値を減算又は加算した修正基準値に基づいてPWM制
    御信号をPWM信号生成部に形成させ、又、単独運転制
    御部や同期運転制御部は、直流電圧発生回路の稼動率を
    所定とするようにスロットル開度制御部によってスロッ
    トルの開度制御を行い、直流電圧発生回路の稼動率が略
    最大稼働率であって且つスロットル開度が全開近くとな
    ったとき、又は、スロットル開度制御部による開度制御
    がスロットル全開に近く且つエンジン回転速度が所定の
    規定値よりも低いとき、出力電圧波形監視部で補正値を
    算出させる係数の値を大きな値に変更させ、又はPWM
    基準値や修正基準値に掛ける係数の値を小さくして単相
    交流電圧の電圧値を降下させることを特徴とする携帯用
    発電機。
  7. 【請求項7】 エンジンにより交流発電機を作動させて
    交流電圧を発生させ、この交流電圧を直流電圧発生回路
    により直流化して所定電圧の直流電圧を形成した後、イ
    ンバータ回路により所定の周波数であって且つ一定の電
    圧とする単相交流電圧を形成し、この単相交流電圧を出
    力端子から出力する携帯用発電機において、直流電圧発
    生回路の稼動率が特定の値よりも低く、且つ、直流化し
    た直流電圧の値が所定の電圧値よりも高いとき、インバ
    ータ回路の出力電圧を上昇させることを特徴とする携帯
    用発電機の出力調整方法。
  8. 【請求項8】 エンジンにより交流発電機を作動させて
    交流電圧を発生させ、この交流電圧を直流電圧発生回路
    により直流化して所定電圧の直流電圧を形成した後、イ
    ンバータ回路により所定の周波数であって且つ一定の電
    圧とする単相交流電圧を形成し、この単相交流電圧を出
    力端子から出力する携帯用発電機において、インバータ
    回路を制御するPWM制御信号の基準テーブルであるP
    WM基準テーブルを設け、PWM基準テーブルの各PW
    M基準値と出力電圧値とを比較した差の値に基づく補正
    値を算出し、PWM基準値にこの補正値を加算又は減算
    して修正基準値を算出し、次回はこの修正基準値に基づ
    くPWM制御信号を形成し、直流電圧発生回路の稼動率
    が特定の値よりも低く且つ直流化した直流電圧の値が所
    定の電圧値よりも高いとき、PWM基準値又は修正基準
    値を小さく又は大きくすることによりインバータ回路の
    出力電圧を上昇させることを特徴とする携帯用発電機の
    出力調整方法。
  9. 【請求項9】 交流電圧を発生させる交流発電機を有
    し、この交流発電機を回転させることにより交流電圧を
    形成し、この交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回
    路とこの直流電圧発生回路が出力する直流電圧を保持す
    る直流電源部とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を
    所定の周波数であって一定の電圧とする単相交流電圧に
    変換するインバータ回路を有し、インバータ回路の出力
    から高調波を除去した交流出力電圧を出力端子から出力
    する携帯用発電機であって、直流電圧発生回路の稼動率
    を検出する導通率検出部やインバータ回路を制御するP
    WM信号生成部及び単独運転制御部や同期運転制御部を
    備えた中央制御手段を有し、又、直流電源部の出力電圧
    を検出して直流電圧信号を出力する直流電圧検出回路
    と、出力端子間の電圧を検出して出力電圧信号を出力し
    且つ出力電圧における0ボルトのタイミングに合わせた
    ゼロクロス信号も出力する出力電圧検出手段とを有し、
    単独運転制御部は、出力端子から単相交流電圧の出力を
    開始する前の所定短時間内にゼロクロス信号が入力され
    ないときに単相交流電圧の出力を開始させる単独運転制
    御部であり、同期運転制御部は、出力端子から単相交流
    電圧の出力を開始する前の所定短時間内にゼロクロス信
    号が入力されたときはゼロクロス信号のタイミングに合
    わせて単相交流電圧の出力を開始させ、更に、導通率検
    出部で検出した直流電圧発生回路の稼動率が特定の値よ
    りも低く且つ直流電源部の出力電圧が所定の電圧値より
    も高いとき、PWM信号生成部にPWM制御信号のパル
    ス幅を変更させることによってインバータ回路の出力電
    圧を上昇させる制御も行うことを特徴とする携帯用発電
    機。
  10. 【請求項10】 交流電圧を発生させる交流発電機を有
    してこの交流発電機を回転させることにより交流電圧を
    形成し、この交流電圧を一旦直流化する直流電圧発生回
    路とこの直流電圧発生回路が出力する直流電圧を保持す
    る直流電源部とを有し、更に、直流電源部の出力電圧を
    所定の周波数であって一定の電圧とする単相交流電圧に
    変換するインバータ回路を有し、インバータ回路の出力
    から高調波を除去した交流出力電圧を出力端子から出力
    する携帯用発電機であって、直流電圧発生回路の稼動率
    を検出する導通率検出部とインバータ回路を制御するP
    WM信号生成部及び単独運転制御部や同期運転制御部、
    更に、検出した出力電圧及び出力電流の値に基づいて演
    算を行う出力電圧波形監視部とを備えた中央制御手段を
    有し、PWM信号生成部は、PWM基準テーブルに記憶
    されたPWM基準値に順次対応したパルス幅のPWM制
    御信号を形成し、出力電圧波形監視部は、各PWM基準
    値に対応した出力電圧を示す電圧テーブル値と検出した
    出力電圧の値との差を求め、この差の値に係数を掛けた
    値を減算した補正値を算出して各PWM基準値に対応し
    た補正値を記憶し、且つ、次回のPWM基準値に基づい
    たPWM制御信号をPWM信号生成部が形成するに際
    し、PWM基準値から補正値を減算又は加算した修正基
    準値に基づいてPWM信号生成部にPWM制御信号を形
    成させ、同期運転制御部は、導通率検出部で検出した直
    流電圧発生回路の稼動率が特定の値よりも低く、且つ、
    直流電源部の出力電圧が所定の電圧値よりも高いとき、
    出力電圧波形監視部で算出する修正基準値又はPWM基
    準値に掛ける係数の値を変更させて単相交流電圧の電圧
    値を上昇させる同期運転制御部としたことを特徴とする
    携帯用発電機。
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