JP2000350480A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2000350480A
JP2000350480A JP11159398A JP15939899A JP2000350480A JP 2000350480 A JP2000350480 A JP 2000350480A JP 11159398 A JP11159398 A JP 11159398A JP 15939899 A JP15939899 A JP 15939899A JP 2000350480 A JP2000350480 A JP 2000350480A
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rotor
vibration
stator
resonance frequency
torsional
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JP11159398A
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English (en)
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Motoyasu Yano
元康 谷野
Masafumi Ishikawa
雅史 石川
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/0005Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing non-specific motion; Details common to machines covered by H02N2/02 - H02N2/16
    • H02N2/001Driving devices, e.g. vibrators
    • H02N2/0045Driving devices, e.g. vibrators using longitudinal or radial modes combined with torsion or shear modes
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/106Langevin motors

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化可能な超音波モータを提供する。 【解決手段】超音波モータは、ステータ1及び同ステー
タ1に圧接されたロータ2から構成されており、これら
ステータ1とロータ2との間にはライニング材23が介
装されている。ロータ2の外周面には、複数の突出片3
1が形成されている。ステータ1の電極板7,8に所定
の縦振動共振周波数を有する高周波交流電圧が印加され
ると、圧電素子5,6が縦振動を発生する。この圧電素
子5,6の縦振動に基づき、ステータ1(ライニング材
23)の上面に縦振動が発生し、ロータ2に伝搬され
る。ロータ2に伝搬された縦振動は、各突出部31ごと
に捩じり振動を発生する。この突出部31ごとの捩じり
振動により、ロータ2は回転駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定在波型の超音波
モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の定在波型の超音波モータは、圧電
素子等が配設されたステータと、同ステータに対して摺
動回転可能に圧接されたロータとから構成されている。
【0003】そして、このような超音波モータにおいて
は、ステータに所定の縦振動共振周波数が印加される
と、その圧電素子が縦振動を発生する。この圧電素子の
縦振動に基づき、ステータの上面に縦振動が発生され、
ロータに伝搬される。ロータに伝搬された縦振動は、同
ロータの全体に捩じり振動を発生させる。このロータの
捩じり振動により、同ロータは所定の方向に回転駆動さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
ロータに伝搬された縦振動に基づき同ロータの全体に発
生する捩じり振動の振幅は、大きいことが好ましい。こ
れは、振幅が大きくなるほど同ロータの駆動力が増大
し、効率的に回転させることができるためである。そこ
で、上記捩じり振動の振幅を大きくするために、例えば
図14に示す形状を有するロータ91を備えた超音波モ
ータが出願人らによって提案されている。
【0005】すなわち、上記ロータ91の外周面には、
複数のロータスリット92が形成されている。そして、
このロータスリット92により上記ロータ91の全体に
発生する捩じり振動は促進され、その振幅が増大され
る。これにより、ロータ91は効率的に回転される。
【0006】ところで、このようにロータ91に伝搬さ
れた縦振動に基づき、同ロータ91の全体に捩じり振動
を発生させて回転駆動する場合、同ロータ91が扁平に
なるに従い、十分な駆動力(回転力)が得られなくな
る。すなわち、上記ロータ91の軸線方向の高さを低減
して扁平とすると、上記のようにロータ91の全体に捩
じり振動を発生させることが困難となる。これは、ロー
タ91が扁平になることで、例えば板材の曲げ振動のよ
うな振動状態となり、捩じれにくくなるためである。こ
のような扁平化への制限は、ロータ91の小型化、ひい
ては超音波モータそのものの小型化を制限することとな
る。
【0007】本発明の目的は、小型化可能な超音波モー
タを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、圧電素子の駆動力によ
り振動するステータと、該ステータに摺動可能に圧接さ
れ、該ステータの振動に基づいて回転するロータとを備
えた超音波モータにおいて、前記ロータは複数の接触部
を備え、該ロータは該ステータの振動に基づき該接触部
ごとに発生する振動により回転駆動されることを要旨と
する。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波モータにおいて、前記接触部ごとに発生する振
動は、前記ロータの回転方向への捩じり振動であること
を要旨とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の超音波モータにおいて、前記接触部は、該接触部に発
生する前記ロータの回転方向への捩じり振動を助長する
ように傾斜していることを要旨とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1に記載の超音波モータにおいて、前記ロータ
の外径は、該ロータの高さ以上の大きさであることを要
旨とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか1に記載の超音波モータにおいて、前記接触部
の周方向の幅は、前記ロータの高さ以下の大きさである
ことを要旨とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか1に記載の超音波モータにおいて、前記接触部
の基端部の周方向の幅は、前記ロータの高さ以下の大き
さであることを要旨とする。
【0014】例えば、ロータの外周面に複数のロータス
リットを形成した場合には、各隣接するロータスリット
間には、それぞれ外周側に突出してステータと接触する
接触部が形成され、その基端側には同ステータと接触し
ない非接触部が形成される。請求項1〜4に記載の発明
の構成によれば、上記ロータは上記ステータの振動に基
づき上記接触部ごとに発生する振動により回転駆動され
る。従って、例えば上記ロータの非接触部を含む全体に
振動を発生させて回転駆動する場合に比べ、同ロータの
扁平化が可能となる。そして、このようなロータの扁平
化により、超音波モータそのものの小型化が図られる。
【0015】請求項5に記載の発明の構成によれば、上
記接触部の周方向の幅は、上記ロータの高さ以下の大き
さとされている。また、請求項6に記載の発明の構成に
よれば、上記接触部の基端部の周方向の幅は、上記ロー
タの高さ以下の大きさとされている。従って、各接触部
ごとの振動の発生は容易なものとされる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
定在波型の超音波モータに具体化した第1実施形態を図
1〜図6に従って説明する。
【0017】図1は、超音波モータの全体の斜視図を示
す。図2は、超音波モータの分解斜視図を示す。図3
は、超音波モータの断面図を示す。超音波モータは、ス
テータ1及びロータ2を備えている。ステータ1は第1
及び第2ブロック3,4、第1及び第2圧電素子5,
6、第1及び第2電極板7,8を備えている。
【0018】第1ブロック3は導電性金属よりなり、本
実施形態ではアルミ合金にて形成されている。この第1
ブロック3は第1及び第2ブロック部11,12、フラ
ンジ13及びボルト14が一体に形成されている。
【0019】第1ブロック部11は円柱体であって、そ
の外周部上端には上記フランジ13が設けられている。
このフランジ13は、図示しないケースに超音波モータ
を固定するためのものである。
【0020】また、第1ブロック部11上には、上記第
2ブロック部12が設けられている。この第2ブロック
部12は上記第1ブロック部11と同等の外径を有する
略円柱体であって、その外周面には複数(6個)のステ
ータスリット15が形成されている。
【0021】図2に示されるように、このステータスリ
ット15は等角度間隔に形成されており、第2ブロック
部12(第1ブロック3)の上面12aからみた各ステ
ータスリット15の切り口は、外周面から中心軸線に向
かうほど時計回り方向に傾斜して上記ボルト14の外周
面近くまで延びている。また、第2ブロック部12(ス
テータスリット15)の外周面からみた各ステータスリ
ット15は、同ブロック部12の中心軸線に沿って下方
に向かうほど右側にそれぞれ同じ傾斜角度で傾斜してい
る。そして、第2ブロック部12(第1ブロック3)の
上面12aからみた各ステータスリット15の切り口
は、同ブロック部12の中心軸線に沿って下方に向かう
ほどに反時計回り方向に傾斜している。
【0022】上記第2ブロック部12の上面12aの中
心部には、上記ボルト14が立設されている。このボル
ト14は軸部16及び同軸部16の先端側において縮径
されたネジ部17からなり、同ネジ部17の外周面には
ネジ山が設けられている。
【0023】前記第1電極板7は、上記第2ブロック部
12の外径と同等の外径を有して略リング状に形成され
ており、その中心部には上記軸部16の外径より若干大
きい内径を有するボルト挿通孔18が形成されている。
この第1電極板7はそのボルト挿通孔18に上記ボルト
14が挿通されて上記第2ブロック部12の上面12a
に配置されている。なお、第1電極板7の外周面には端
子片7aが一体形成されている。
【0024】前記第1圧電素子5は上記第1電極板7
(第2ブロック部12)の外径よりも若干小さい外径を
有してリング状に形成されており、その中心部には上記
軸部16の外径より若干大きい内径を有するボルト挿通
孔19が形成されている。この第1圧電素子5はそのボ
ルト挿通孔19に上記ボルト14が挿通されて上記第1
電極板7の上面に配置されている。
【0025】前記第2電極板8は、その中心部にボルト
挿通孔20を有して上記第1電極板7と同様の形状に形
成されている。この第2電極板8はそのボルト挿通孔2
0に上記ボルト14が挿通されて上記第1圧電素子5の
上面に配置されている。なお、第2電極板8の外周面に
は端子片8aが一体形成されている。
【0026】因みに、上記第1及び第2電極板7,8の
端子片7a,8a間には所定の高周波交流電圧が印加さ
れるようになっている。前記第2圧電素子6は、その中
心部にボルト挿通孔21を有して上記第1圧電素子5と
同様の形状に形成されている。この第2圧電素子6はそ
のボルト挿通孔21に上記ボルト14が挿通されて上記
第2電極板8の上面に配置されている。
【0027】なお、上記第1及び第2圧電素子5,6
は、分極方向がそれぞれ上下逆になるように形成されて
いる。前記第2ブロック4も導電性金属よりなり、本実
施形態ではアルミ合金にて形成されている。この第2ブ
ロック4は、前記第1ブロック3の外径と同等の外径を
有して略有底円筒状に形成されており、その中心部には
軸線方向に貫通するボルト締結孔22が形成されてい
る。そして、第2ブロック4は上記ボルト14のネジ部
17がこのボルト締結孔22に螺合されて上記第2圧電
素子6の上面に固定されている。なお、上記ボルト14
のネジ部17の先端は、上記第2ブロック4の上方に突
出している(図3参照)。以上により、前記第1、第2
圧電素子5,6及び第1、第2電極板7,8は前記第1
ブロック3と第2ブロック4との間に挟まれてその軸線
方向の移動が規制されている。
【0028】ちなみに、上記第1、第2圧電素子5,6
及び第1、第2電極板7,8の各ボルト挿通孔18〜2
1とボルト14の軸部16との間には図示しない円筒状
の絶縁性カラーが介装されている。これにより、上記第
1、第2圧電素子5,6及び第1、第2電極板7,8の
内周側は、ボルト14(軸部16)に対してそれぞれ電
気的に絶縁状態とされている。
【0029】上記第2ブロック部4の上面には、同ブロ
ック4と同等の形状を有してリング状に形成されたライ
ニング材23が接着されている。そして、このライニン
グ材23の上面23aには、前記ロータ2が同心軸上に
載置されている。このロータ2は、ステンレス鋼にて扁
平な略円筒状に形成されており、その外径Dは上記ライ
ニング材23(第2ブロック4)の外径と同等となって
いる。なお、ここでいう扁平な円筒とは、上記ロータ2
の軸線方向の高さをH1とすると、上記外径Dとの間
に、 D≧H1 の関係を満たしていることをいう(図1参照)。ちなみ
に、上記ロータ2の高さH1は、後述する設計方法に基
づいて設定されているものである。
【0030】上記ロータ2の中心部は、軸線方向に貫通
する軸心孔24となっている。この軸心孔24は、段差
部24aを介して下方に縮径されており、同段差部24
aの上方を第1軸心孔25、同下方を第2軸心孔26と
している。なお、第2軸心孔26の内径は、上記第2ブ
ロック4の内径とボルト14(ネジ部17)の外径の中
間の内径となっている。
【0031】図2に示されるように、ロータ2の外周面
には、複数(12個)のロータスリット27が形成され
ている。このロータスリット27は等角度間隔に形成さ
れており、ロータ2の上面からみた各ロータスリット2
7の切り口は、外周面から中心軸線に向かうほど反時計
回り方向に傾斜して上記第1軸心孔25の内壁面近くま
で延びている。また、ロータ2(ロータスリット27)
の外周面からみた各ロータスリット27は、同ロータ2
の中心軸線に沿って下方に向かうほど左側にそれぞれ同
じ傾斜角度で傾斜している。そして、ロータ2の上面か
らみた各ロータスリット27の切り口は、ロータ2の中
心軸線に沿って下方に向かうほどに時計回り方向に傾斜
している。
【0032】各隣接するロータスリット27間は、それ
ぞれ外周側に向かって周方向の幅が広がって突出する略
扇形状の接触部としての突出片31となっている。そし
て、上記ロータ2を上記ライニング材23に載置した状
態において各突出片31と同ライニング材23との当接
面を接触面31aとしている。
【0033】なお、上記ロータ2(各突出片31)の高
さH1と上記突出片31の基端部(根本)の周方向の幅
W1との間には、 W1≦H1 の関係を有している(図1参照)。これは、各突出片3
1の基端部を中心に同突出片31ごとに捩じり振動を発
生しやすくするするためである。
【0034】図3に示されるように、上記ロータ2は、
加圧機構41によりステータ1(ライニング材23の上
面23a)に押圧接触されている。この加圧機構41
は、収納カップ42、皿ばね43、ボールベアリング4
4及びナット45を備えている。
【0035】上記収納カップ42は、ロータ2の軸心孔
24内に固定されている。この収納カップ42は、前記
第2軸心孔26の内径よりも若干小さい外径を有して略
有底円筒状に形成されている。そして、収納カップ42
の上部開口端には、前記第1軸心孔25と同等の外径を
有して径方向外側に突出するフランジ部42aが形成さ
れている。又、収納カップ42の底部中央には、前記ボ
ルト14(ネジ部17)の外径よりも若干大きい内径を
有する貫通孔42bが形成されている。このように形成
された収納カップ42は、上記貫通孔42bにボルト1
4(ネジ部17)が挿通され、そのフランジ部42aが
前記段差部24a上において同第1軸心孔25に嵌着さ
れることで固定されている。
【0036】上記収納カップ42内には、上記皿ばね4
3が収納されている。この皿ばね43はその中央孔43
aにボルト14(ネジ部17)が挿通され、同皿ばね4
3の円環状の下端は収納カップ42の底部と接触した状
態とされている。
【0037】上記皿ばね43が収容された収納カップ4
2内には、ボールベアリング44が収納されている。こ
のボールベアリング44は、その外輪44aが収納カッ
プ42の内壁面に嵌合され、その内輪44bが上記ボル
ト14のネジ部17に遊嵌されている。そして、外輪4
4aの下面には、皿ばね43の上端が接触している。
【0038】上記ボールベアリング44が遊嵌された上
記ボルト14のネジ部17の先端には、上記ナット45
が所定の位置まで螺合されている。なお、このナット4
5の外径は、外輪44aの内径より小さく設定されてい
る。従って、ボールベアリング44の内輪44bはナッ
ト45にて下方に押圧されている。これにより、皿ばね
43は外輪44aにて下方に押圧され、軸線方向に縮ん
だ状態とされている。そして、収納カップ42の底部は
皿ばね43にて下方に付勢され、ロータ2(突出片3
1)は、ステータ1の上面(ライニング材23の上面2
3a)と押圧接触している。又、このとき、ロータ2
は、ボールベアリング44によりボルト14(ステータ
1)に対して摺動回転可能に支持されている。
【0039】次に、上記のように構成された超音波モー
タの設計方法について説明する。 「ステータ1の縦1次振動共振周波数fs1の算出」ま
ず、ステータ1の縦1次振動共振周波数fs1を求め
る。本実施形態でいう縦振動共振周波数は圧電素子5,
6にて駆動されるステータ1の上面(ライニング材23
の上面23a)に発生する縦振動が発振する(振幅が極
値を持つ)ときの周波数をいい、縦1次振動共振周波数
fs1はその複数存在する縦振動共振周波数のなかの最
も周波数の低い縦振動共振周波数をいう。
【0040】本実施の形態では、ステータ1を構成する
第1ブロック3(第2ブロック部12)にステータスリ
ット15が形成されていて、その形状が複雑であるた
め、上記縦1次振動共振周波数fs1は、解析シミュレ
ーション技術の1つである有限要素法(FEM:finite
Elemente Method)を利用して求める(図4参照)。す
なわち、この有限要素法により、対象となる物体(ステ
ータ1)の全てをモデル化して解析シミュレーションを
行ない、同ステータ1の縦1次振動共振周波数fs1を
求める。
【0041】有限要素法にてステータ1の縦1次振動共
振周波数fs1が求められると、同周波数fs1に基づ
いて前記ロータ2の各突出片31の形状を特定する。 「ロータ2の各突出片31の形状の特定」各突出片31
の形状の特定は、上記同様に有限要素法にて特定する。
すなわち、各突出片31の捩じり振動の捩じり1次振動
共振周波数fr1が前記縦1次振動共振周波数fs1と
一致するように同突出片31の形状を特定する。本実施
形態でいう捩じり振動共振周波数は各突出片31に発生
するロータ2を反時計回り方向に回転させるように働く
捩じり振動が発振する(振幅が極値となる)ときの周波
数をいい、捩じり1次振動共振周波数fr1はその複数
存在する捩じり振動共振周波数のなかの最も周波数の低
い捩じり振動共振周波数をいう。
【0042】本実施形態では、各突出片31の数、幅、
突出長及び材料(ステンレス鋼)等の諸条件を予め設定
してロータ2(突出片31)の高さH1を有限要素法に
て求める(図5参照)。そして、上記により各突出片3
1の形状が設定されると、ステータ1が縦1次振動共振
周波数fs1で縦振動する時、各突出片31はその縦1
次振動共振周波数fs1の縦振動と共振して捩じり1次
振動共振周波数fr1の捩じり振動を行なう。
【0043】次に、上記のように設計されて構成された
超音波モータの駆動方法について説明する。図示しない
電圧印加装置により、前記ステータ1の第1及び第2電
極板7,8にステータ1の前記縦1次振動共振周波数f
s1の高周波交流電圧を印加する。すると、超音波モー
タの第1及び第2圧電素子5,6が縦振動を発生する。
詳述すると、第1電極板7は、第1ブロック3を介し、
ボルト14を経て第2ブロック4に電気的に接続されて
いるため、第2電極板8を共通にして、第1及び第2圧
電素子5,6には、上下逆の極性で高周波交流電圧が印
加される。そして、第1及び第2圧電素子5,6の分極
方向は上下が逆であるため、第1圧電素子5が伸びる場
合には、第2圧電素子6も伸び、第1圧電素子5が縮む
場合には、第2圧電素子6も縮む。従って、第1及び第
2圧電素子5,6が大きな振幅の縦振動を発生する(図
4及び図6参照)。この縦振動は縦1次振動共振周波数
fs1で振動する。従って、発生する縦振動の振幅は最
大となる。
【0044】そして、この縦振動はロータ2に伝搬さ
れ、各突出片31に捩じり振動を発生させる(図5及び
図6参照)。この時、前記縦振動の周波数は縦1次振動
共振周波数fs1であって、各突出片31の捩じり振動
の捩じり1次振動共振周波数fr1と一致する。従っ
て、各突出片31に発生する捩じり振動は捩じり1次振
動共振周波数fr1で振動し、その振幅は最大となる。
又、ステータ1の縦振動はロータ2に浮力を与える。
【0045】従って、ロータ2は各突出片31が発生す
る捩じり振動により高速・高トルクで反時計回り方向に
回転する。以上詳述したように、本実施形態によれば、
以下に示す効果が得られるようになる。
【0046】(1)本実施形態では、ロータ2の各突出
片31の捩じり1次振動共振周波数fr1がステータ1
の縦1次振動共振周波数fs1と一致するように同突出
片31の形状を特定して形成した。すなわち、各突出片
31の数、幅、突出長及び材料(ステンレス鋼)等の諸
条件を予め設定し、上記条件を満たすように有限要素法
にてロータ2(突出片31)の高さH1を求めて同突出
片31の形状を特定した。そして、ステータ1が縦1次
振動共振周波数fs1にて振動するとき、ロータ2の各
突出片31がそれぞれ捩じり1次振動共振周波数fr1
にて捩じり振動するようにした。この各突出片31の捩
じり振動により、ロータ2は回転駆動される。各突出片
31のみのこのような捩じり振動により、ロータ2が回
転駆動されることから、ロータ2を扁平とすることがで
きる。そして、このようなロータ2の扁平化により、超
音波モータそのものの小型化を図ることができる。
【0047】(2)本実施形態では、ロータ2の各突出
片31の捩じり1次振動共振周波数fr1がステータ1
の縦1次振動共振周波数fs1と一致するように同突出
片31の形状を特定して形成した。従って、ステータ1
が縦1次振動共振周波数fs1にて振動するとき、各突
出片31は捩じり1次振動共振周波数fr1で捩じり振
動することから、その振幅は最大(極値)となる。従っ
て、ロータ2を高速・高トルクで効率よく回転駆動する
ことができる。
【0048】(3)本実施形態では、各突出片31の基
端側の周方向の幅W1が高さH1よりも大きくならない
ように設定されている。従って、各突出片31の基端部
を中心とした同突出片31ごとの捩じり振動を発生しや
すくすることができる。
【0049】(4)本実施形態では、ステータ1の縦振
動は縦1次振動共振周波数fs1にて振動させるように
した。この縦1次振動共振周波数fs1は、複数存在す
るステータ1の縦振動共振周波数のなかの最も周波数の
低い縦振動共振周波数である。従って、第1及び第2電
極板7,8に印加する高周波交流電圧は、最も低い周波
数の交流電圧なので、高周波交流電圧を生成する生成回
路はその高周波対策が比較的簡単となる。
【0050】(第2実施形態)以下、本発明を定在波型
の超音波モータに具体化した第2実施形態を図7〜図9
に従って説明する。尚、本実施形態においては、ステー
タに縦振動成分と捩じり振動成分とが合成された複合振
動を発生させ、各成分がそれぞれロータを正転・逆転さ
せるように作用する超音波モータとしたことが前記第1
実施形態と異なる。このため、本実施形態の超音波モー
タは、前記第1実施形態と同様の構成を有し、軸線方向
の高さがH2(図8参照)となるロータ51を採用した
ことのみが異なる。なお、このロータ51の高さH2と
外径Dとの間に、 D≧H2 の関係を満たしていることは前記第1実施形態と同様で
ある。このロータ51の高さH2は、後述する設計方法
に基づいて設定されている。
【0051】図8において上記ロータ51には、前記第
1実施形態と同様のロータスリット52にて区画された
複数の突出片53が配設されている。そして、上記ロー
タ51(各突出片53)の高さH2と上記突出片53の
基端部(根本)の周方向の幅W2(図8参照)との間に
は、 W2≦H2 の関係を有していることも前記第1実施形態と同様であ
る。
【0052】本実施形態においては、前記ステータスリ
ット15により、第1、第2圧電素子5,6にて駆動さ
れるステータ1の上面(ライニング材23の上面23
a)に縦振動成分と捩じり振動成分とが合成された複合
振動を発生するようになっている。なお、このときに発
生する捩じり振動成分は、上記ロータ51を図8におい
て時計回り方向に回転させるものとなっている。
【0053】この場合の超音波モータの設計方法につい
て以下に説明する。 「ステータ1の捩じり2次振動共振周波数fs2の算
出」まず、ステータ1の捩じり2次振動共振周波数fs
2を求める。本実施形態でいう捩じり振動共振周波数は
圧電素子5,6にて駆動されるステータ1の上面(ライ
ニング材23の上面23a)に発生する縦振動成分と捩
じり振動成分が合成されてなる複合振動が発振するとき
の周波数であって、ロータ51を時計回り方向に回転さ
せるように働く捩じり振動の振幅が極値を持つときの周
波数をいう。そして、捩じり2次振動共振周波数fs2
はその複数存在する捩じり振動共振周波数のなかで2番
目に低い周波数の捩じり振動共振周波数をいう。従っ
て、この捩じり2次振動共振周波数fs2にてステータ
1が振動するとき、捩じり振動の振幅は最大(極値)と
なる。このときの縦振動の成分はこの捩じり2次振動共
振周波数fs2と同じ周波数で振動するが、その振幅は
最大(極値)とはならない。
【0054】本実施の形態では、第1実施形態に準じて
ステータ1の捩じり2次振動共振周波数fs2は、有限
要素法を利用して求める(図7参照)。ちなみに、図7
において矢印Xは縦振動成分を示し、矢印Yは捩じり振
動成分を示し、矢印Zはその複合振動を示す。
【0055】「ステータ1の縦1次振動共振周波数fs
3の算出」次に、ステータ1の縦1次振動共振周波数f
s3を求める。本実施形態でいう縦振動共振周波数は圧
電素子5,6にて駆動されるステータ1の上面(ライニ
ング材23の上面23a)に発生する縦振動成分と捩じ
り振動成分が合成されてなる複合振動が発振するときの
周波数であって、捩じり振動成分がロータ51を時計回
り方向に回転させず、縦振動成分の振幅が極値を持つと
きの周波数をいう。そして、縦1次振動共振周波数fs
3はその複数存在する縦振動共振周波数のなかの最も周
波数の低い縦振動共振周波数をいう。従って、この縦1
次振動共振周波数fs3にてステータ1が振動すると
き、縦振動成分の振幅は最大(極値)となる。また、こ
のときの捩じり振動の成分はこの縦1次振動共振周波数
fs3と同じ周波数で振動するが、その振幅は最大(極
値)とはならない。
【0056】本実施の形態では、第1実施形態と同様
に、ステータ1の縦1次振動共振周波数fs3は、有限
要素法を利用して求める(図7参照)。有限要素法にて
ステータ1の縦1次振動共振周波数fs3が求められる
と、同周波数fs3に基づいてロータ51の各突出片5
3の形状を特定する。
【0057】「ロータ51の各突出片53の形状の特
定」各突出片53の形状の特定は、上記同様に有限要素
法にて特定する。すなわち、各突出片53の捩じり振動
の捩じり1次振動共振周波数fr2が前記縦1次振動共
振周波数fs3と一致するように同突出片53の形状を
特定する。又、このとき、各突出片53の捩じり振動の
捩じり振動共振周波数が前記ステータ1の捩じり2次振
動共振周波数fs2と一致しないように同突出片53の
形状を特定する。本実施形態でいう捩じり振動共振周波
数は各突出片53に発生するロータ51を反時計回り方
向に回転させるように働く捩じり振動が発振する(振幅
が極値となる)ときの周波数をいい、捩じり1次振動共
振周波数fr2はその複数存在する捩じり振動共振周波
数のなかの最も周波数の低い捩じり振動共振周波数をい
う。
【0058】本実施形態では、前記第1実施形態と同
様、各突出片53の数、幅、突出長及び材料(ステンレ
ス鋼)等の諸条件を予め設定してロータ51(突出片5
3)の高さH2を有限要素法にて求める。そして、上記
により各突出片53の形状が設定されると、ステータ1
が縦1次振動共振周波数fs3で捩じり振動する時、各
突出片53はその縦1次振動共振周波数fs3の縦振動
成分と共振して捩じり1次振動共振周波数fr2の捩じ
り振動を行なう。
【0059】そして、上記のように構成することにより
ロータ51を時計回り方向に回転(正転)させることが
できるとともに反時計回り方向に回転(逆転)させるこ
とができる。
【0060】次に、上記のように設計されて構成された
超音波モータの駆動方法について説明する。 「ロータ51を正転させる場合」図示しない電圧印加装
置により、前記ステータ1の第1及び第2電極板7,8
にステータ1の前記捩じり2次振動共振周波数fs2の
高周波交流電圧を印加する。すると、超音波モータの第
1及び第2圧電素子5,6が縦振動を発生する。この縦
振動は、前記ステータスリット15によりステータ1に
捩じり振動を発生する。そして、両振動が合成されるこ
とによりステータ1の上面(ライニング材23の上面2
3a)に、図8に矢印Aで示すような捩じり振動を主と
した複合振動が発生する。このとき、発生するステータ
1の捩じり振動成分(図8に矢印A1で示す)は捩じり
2次振動共振周波数fs2で振動し、その振幅は最大
(極値)となる。又、ステータ1の前記複合振動の縦振
動成分(図8に矢印A2で示す)はロータ51に浮力を
与える。このときにステータ1に発生する縦振動成分が
ロータ51の各突出片53に捩じり振動を発生させるこ
とはない。つまり、ロータ51を逆転させる捩じり振動
が各突出片53に生じることはない。
【0061】従って、ロータ51はステータ1が発生す
る捩じり振動成分により高速・高トルクで正転する。 「ロータ51を逆転させる場合」図示しない電圧印加装
置により、前記ステータ1の第1及び第2電極板7,8
に縦1次振動共振周波数fs3の高周波交流電圧を印加
する。すると、超音波モータの第1及び第2圧電素子
5,6が縦振動を発生する。この縦振動は、前記ステー
タスリット15によりステータ1に捩じり振動を発生す
る。そして、両振動が合成されることによりステータ1
の上面(ライニング材23の上面23a)に図9に矢印
Bに示すような縦振動を主とした複合振動が発生する。
このときにステータ1に発生する捩じり振動成分(図9
に矢印B1で示す)がロータ51を正転させることはな
い。一方、ステータ1に発生する縦振動成分(図9に矢
印B2で示す)は縦1次振動共振周波数fs3で振動
し、その振幅は最大(極値)となる。このステータ1の
縦振動成分はロータ51に浮力を与えるとともに、各突
出片53に伝搬されて同突出片53に捩じり振動を発生
させる。このとき発生する各突出片53の捩じり振動は
捩じり1次振動共振周波数fr2で振動し、その振幅は
最大(極値)となる。そして、このときに発生する捩じ
り振動は、ロータ51を逆転させるように働く。
【0062】従って、ロータ51は各突出片53が発生
する捩じり振動により高速・高トルクで逆転する。以上
詳述したように、本実施形態によれば、前記第1実施形
態の(1)〜(4)と同様の効果に加えて以下に示す効
果が得られるようになる。
【0063】(1)本実施形態では、ステータ1が捩じ
り2次振動共振周波数fs2で振動するとき、同ステー
タ1の捩じり振動成分は捩じり2次振動共振周波数fs
2で捩じり振動し、その振幅は最大(極値)となる。こ
のステータ1に発生する捩じり振動成分により、ロータ
51を高速・高トルクで効率よく回転(正転)駆動する
ことができる。
【0064】(2)本実施形態では、正・逆回転可能な
超音波モータを提供することができる。 (第3実施形態)以下、本発明を定在波型の超音波モー
タに具体化した第3実施形態を図10に従って説明す
る。尚、本実施形態においては、ステータに縦振動成分
と捩じり振動成分とが合成された複合振動を発生させ、
これら両成分がロータの一方向への回転を協働する超音
波モータとしたことが前記第1実施形態と異なる。この
ため、本実施形態の超音波モータは、前記第1実施形態
と同様の構成を有し、軸線方向の高さがH3となるロー
タ61を採用したこと、そして、このロータ61は放射
状に伸びるロータスリット62にて区画された複数の突
出片63を有することのみが異なる。すなわち、上記ロ
ータスリット62は、ロータ61の外周面に等角度間隔
に放射状に形成されている。そして、ロータ61(ロー
タスリット62)の外周面からみた各ロータスリット6
2は、同ロータ61の中心軸線と平行に形成されてい
る。
【0065】なお、このロータ61の高さH3と外径D
との間に、 D≧H3 の関係を満たしていることは前記第1実施形態と同様で
ある。なお、上記ロータ61の高さH3は、後述する設
計方法に基づいて設定されている。
【0066】また、上記ロータ61(各突出片63)の
高さH3と上記突出片63の基端部(根本)の周方向の
幅W3との間には、 W3≦H3 の関係を有していることも前記第1実施形態と同様であ
る。
【0067】本実施形態においては、前記ステータスリ
ット15により、第1、第2圧電素子5,6にて駆動さ
れるステータ1の上面(第2ブロック4の上面)に縦振
動成分と捩じり振動成分とが合成された複合振動を発生
するようになっている。なお、このときに発生する捩じ
り振動成分は、上記ロータ61を図10において時計回
り方向に回転させるものとなっている。
【0068】この場合の超音波モータの設計方法につい
て以下に説明する。 「ステータ1の捩じり2次振動共振周波数fs4の算
出」まず、ステータ1の捩じり2次振動共振周波数fs
4を求める。本実施形態でいう捩じり振動共振周波数は
圧電素子5,6にて駆動されるステータ1の上面(ライ
ニング材23の上面23a)に発生する縦振動成分と捩
じり振動成分が合成されてなる複合振動が発振するとき
の周波数であって、ロータ61を時計回り方向に回転さ
せるように働く捩じり振動の振幅が極値を持つときの周
波数をいう。そして、捩じり2次振動共振周波数fs4
はその複数存在する捩じり振動共振周波数のなかで2番
目に低い周波数の捩じり振動共振周波数をいう。従っ
て、この捩じり2次振動共振周波数fs4にてステータ
1が振動するとき、捩じり振動の振幅は最大(極値)と
なる。このときの縦振動の成分はこの捩じり2次振動共
振周波数fs4と同じ周波数で振動するが、その振幅は
最大(極値)とはならない。
【0069】本実施の形態でも、第1実施形態に準じて
ステータ1の捩じり2次振動共振周波数fs4は、有限
要素法を利用して求める。有限要素法にてステータ1の
捩じり2次振動共振周波数fs4が求められると、同周
波数fs4に基づいてロータ61の各突出片63の形状
を特定する。
【0070】「ロータ61の各突出片63の形状の特
定」各突出片63の形状の特定は、上記同様に有限要素
法にて特定する。すなわち、各突出片63の捩じり振動
の捩じり1次振動共振周波数fr3が前記捩じり2次振
動共振周波数fs4と一致するように同突出片63の形
状を特定する。本実施形態でいう捩じり振動共振周波数
は各突出片63に発生するロータ61を時計回り方向に
回転させるように働く捩じり振動が発振する(振幅が極
値となる)ときの周波数をいい、捩じり1次振動共振周
波数fr3はその複数存在する捩じり振動共振周波数の
なかの最も周波数の低い捩じり振動共振周波数をいう。
【0071】本実施形態では、前記第1実施形態と同
様、各突出片63の数、幅、突出長及び材料(ステンレ
ス鋼)等の諸条件を予め設定してロータ61(突出片6
3)の高さH3を有限要素法にて求める。そして、上記
により各突出片63の形状が設定されると、ステータ1
が捩じり2次振動共振周波数fs4で捩じり振動する
時、各突出片63はその捩じり2次振動共振周波数fs
4と同じ周波数の縦振動成分と共振して捩じり1次振動
共振周波数fr3の捩じり振動を行なう。
【0072】次に、上記のように設計されて構成された
超音波モータの駆動方法について説明する。図示しない
電圧印加装置により、前記ステータ1の第1及び第2電
極板7,8にステータ1の前記捩じり2次振動共振周波
数fs4の高周波交流電圧を印加する。すると、超音波
モータの第1及び第2圧電素子5,6が縦振動を発生す
る。この縦振動は、前記ステータスリット15によりス
テータ1に捩じり振動を発生する。そして、両振動が合
成されることによりステータ1の上面(ライニング材2
3の上面23a)に、図10に矢印Cで示すような捩じ
り振動を主とした複合振動が発生する。このとき、発生
するステータ1の捩じり振動成分(図10に矢印C1で
示す)は捩じり2次振動共振周波数fs4で振動し、そ
の振幅は最大(極値)となる。又、ステータ1の前記複
合振動の縦振動成分(図10に矢印C2で示す)はロー
タ61に浮力を与える。
【0073】従って、ロータ61はステータ1が発生す
る複合振動の捩じり振動成分により高速・高トルクで時
計回り方向に回転する。一方、ステータ1の複合振動の
縦振動成分(図10に矢印C2で示す)は、ロータ61
に伝達され、各突出片63に捩じり振動を発生させる。
このとき、発生する各突出片53の捩じり振動は捩じり
1次振動共振周波数fr3で振動するため、その振幅は
最大(極値)となる。尚、このとき発生する捩じり振動
は、ロータ61の時計回り方向の回転を助長するように
働く。
【0074】従って、ロータ61はステータ1が発生す
る複合振動の捩じり振動成分と、各突出片63が発生す
る捩じり振動により更に高速・高トルクで時計回り方向
に回転する。
【0075】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、前記第1実施形態の(1)〜(4)と同様の効果に
加えて以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、ステータ1が発生する複合振動
の捩じり振動成分と、各突出片63が発生する捩じり振
動により、ロータ61を更に高速・高トルクで効率よく
回転(正転)駆動することができる。
【0076】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ・前記第1実施形態における第1ブロック3の第2ブロ
ック部12を単純な円柱体に形成してもよい。
【0077】・前記第1実施形態においては、ステータ
1の縦1次振動共振周波数fs1と各突出片31の捩じ
り1次振動共振周波数fr1とが一致するようにロータ
2の形状を特定したが、ステータ1の縦1次振動共振周
波数領域と各突出片31の捩じり1次振動共振周波数領
域とが少なくとも一部重なる範囲で特定してもよい。
尚、ステータ1の縦1次振動共振周波数領域とは、前記
縦1次振動共振周波数fs1を中心として予め定めた周
辺に位置する周波数の領域であって、ステータ1の上面
(ライニング材23の上面23a)に発生する縦振動が
少なくとも半共振する(振幅が極値を持たないが所定の
振幅値を有する)周波数の領域である。一方、各突出片
31の捩じり1次振動共振周波数領域とは、前記捩じり
1次振動共振周波数fr1を中心として予め定めた周辺
に位置する周波数領域であって、各突出片31に発生す
る捩じり振動が少なくとも半共振する(振幅が極値を持
たないが所定の振幅値を有する)周波数の領域である。
【0078】このようにすれば、ステータ1の縦振動は
縦1次振動共振周波数領域内の重なった周波数にて振動
する。この周波数は、各突出片31の捩じり1次振動共
振周波数領域内の重なった周波数と一致する。従って、
各突出片31は重なった周波数で捩じり振動する。その
結果、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0079】また、ステータ1の縦振動共振周波数領域
と各突出片31の捩じり振動共振周波数領域とが少なく
とも一部重なる範囲でロータ2の形状を特定してもよ
い。尚、ステータ1の縦振動共振周波数領域とは、例え
ばステータ1の縦1次振動共振周波数領域、縦2次振動
共振周波数領域、縦3次振動共振周波数領域等、複数存
在する縦振動共振周波数のそれぞれを中心として予め定
めた周辺に位置する周波数領域の全てであって、ステー
タ1の上面(ライニング材23の上面23a)に発生す
る縦振動が少なくとも半共振する(振幅が極値を持たな
いが所定の振幅値を有する)周波数の領域の全てであ
る。又、各突出片31の捩じり振動共振周波数領域と
は、例えば各突出片31の捩じり1次振動共振周波数領
域、捩じり2次振動共振周波数領域、捩じり3次振動共
振周波数領域等、複数存在する捩じり振動共振周波数の
それぞれを中心として予め定めた周辺に位置する周波数
領域の全てであって、各突出片31に発生する捩じり振
動が少なくとも半共振する(振幅が極値を持たないが所
定の振幅値を有する)周波数の領域の全てである。この
ようにすれば、ステータ1の縦振動は重なった周波数に
て振動する。この周波数は、各突出片31の捩じり振動
共振周波数領域内の重なった周波数と一致する。従っ
て、各突出片31は重なった周波数で捩じり振動する。
【0080】更に、例えば、ステータ1の縦1次振動共
振周波数fs1と各突出片31の捩じり2次振動共振周
波数領域とが重なるようにロータ2の形状を特定した
り、ステータ1の縦2次振動共振周波数領域内の一部と
各突出片31の捩じり1次振動共振周波数fr1とが重
なるようにロータ2の形状を特定したり、ステータ1の
縦1次振動共振周波数領域と各突出片31の捩じり2次
振動共振周波数領域とが重なる範囲でロータ2の形状を
特定したり、或いはステータ1の縦3次振動共振周波数
と各突出片31の捩じり2次振動共振周波数とが一致す
るようにロータ2の形状を特定したりしてもよい。
【0081】・前記第1実施形態においては、ステータ
1の第1及び第2電極板7,8にステータ1の縦1次振
動共振周波数fs1の高周波交流電圧を印加したが、ス
テータ1の前記縦1次振動共振周波数領域と各突出片3
1の前記捩じり1次振動共振周波数領域とが重なった範
囲内の周波数の高周波交流電圧を印加してもよい。この
ようにすれば、ステータ1の縦振動は前記重なった範囲
内の周波数にて振動する。この周波数は、各突出片31
の捩じり1次振動共振周波数領域内の周波数と一致す
る。従って、各突出片31は前記重なった範囲内の周波
数で捩じり振動する。その結果、上記第1実施形態と同
様の効果を得ることができる。
【0082】・前記第2実施形態においては、ステータ
1の縦1次振動共振周波数fs3と各突出片53の捩じ
り1次振動共振周波数fr2とが一致するようにロータ
51の形状を特定したが、ステータ1の縦1次振動共振
周波数領域と各突出片53の捩じり1次振動共振周波数
領域とが少なくとも一部重なる範囲で特定してもよい。
尚、ステータ1の縦1次振動共振周波数領域とは、前記
縦1次振動共振周波数fs3を中心として予め定めた周
辺に位置する周波数の領域であって、ステータ1の上面
(ライニング材23の上面23a)に発生する複合振動
が少なくとも半共振する(縦振動成分の振幅が極値を持
たないが所定の振幅値を有する)周波数の領域である。
一方、各突出片53の捩じり1次振動共振周波数領域と
は、前記捩じり1次振動共振周波数fr2を中心として
予め定めた周辺に位置する周波数領域であって、各突出
片53に発生する捩じり振動が少なくとも半共振する
(振幅が極値を持たないが所定の振幅値を有する)周波
数の領域である。
【0083】このようにすれば、ステータ1の複合振動
における縦振動成分は縦1次振動共振周波数領域内の重
なった周波数にて振動する。この周波数は、各突出片5
3の捩じり1次振動共振周波数領域内の重なった周波数
と一致する。従って、各突出片53は重なった周波数で
捩じり振動する。その結果、上記第2実施形態と同様の
効果を得ることができる。
【0084】また、ステータ1の縦振動共振周波数領域
と各突出片53の捩じり振動共振周波数領域とが少なく
とも一部重なる範囲でロータ51の形状を特定してもよ
い。尚、ステータ1の縦振動共振周波数領域とは、例え
ばステータ1の縦1次振動共振周波数領域、縦2次振動
共振周波数領域、縦3次振動共振周波数領域等、複数存
在する縦振動共振周波数のそれぞれを中心として予め定
めた周辺に位置する周波数領域の全てであって、ステー
タ1の上面(ライニング材23の上面23a)に発生す
る複合振動が少なくとも半共振する(縦振動成分の振幅
が極値を持たないが所定の振幅値を有する)周波数の領
域の全てである。又、各突出片53の捩じり振動共振周
波数領域とは、例えば各突出片53の捩じり1次振動共
振周波数領域、捩じり2次振動共振周波数領域、捩じり
3次振動共振周波数領域等、複数存在する捩じり振動共
振周波数のそれぞれを中心として予め定めた周辺に位置
する周波数領域の全てであって、各突出片53に発生す
る捩じり振動が少なくとも半共振する(振幅が極値を持
たないが所定の振幅値を有する)周波数の領域の全てで
ある。このようにすれば、ステータ1の複合振動におけ
る縦振動成分は重なった周波数にて振動する。この周波
数は、各突出片53の捩じり振動共振周波数領域内の重
なった周波数と一致する。従って、各突出片53は重な
った周波数で捩じり振動する。
【0085】更に、例えば、ステータ1の縦1次振動共
振周波数fs3と各突出片53の捩じり2次振動共振周
波数領域とが重なるようにロータ51の形状を特定した
り、ステータ1の縦2次振動共振周波数領域内の一部と
各突出片53の捩じり1次振動共振周波数fr2とが重
なるようにロータ51の形状を特定したり、ステータ1
の縦1次振動共振周波数領域と各突出片53の捩じり2
次振動共振周波数領域とが重なる範囲でロータ51の形
状を特定したり、或いはステータ1の縦3次振動共振周
波数と各突出片53の捩じり2次振動共振周波数とが一
致するようにロータ51の形状を特定したりしてもよ
い。
【0086】・前記第2実施形態においては、ステータ
1の第1及び第2電極板7,8にステータ1の縦1次振
動共振周波数fs3の高周波交流電圧を印加したが、ス
テータ1の前記縦1次振動共振周波数領域と各突出片5
3の前記捩じり1次振動共振周波数領域とが重なった範
囲内の周波数の高周波交流電圧を印加してもよい。この
ようにすれば、ステータ1の複合振動における縦振動成
分は前記重なった範囲内の周波数にて振動する。この周
波数は、各突出片53の捩じり1次振動共振周波数領域
内の周波数と一致する。従って、各突出片53は前記重
なった範囲内の周波数で捩じり振動する。その結果、上
記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】・前記第3実施形態においては、ステータ
1の捩じり2次振動共振周波数fs4と各突出片63の
捩じり1次振動共振周波数fr3とが一致するようにロ
ータ61の形状を特定したが、ステータ1の捩じり2次
振動共振周波数領域と各突出片63の捩じり1次振動共
振周波数領域とが少なくとも一部重なる範囲で特定して
もよい。尚、ステータ1の捩じり2次振動共振周波数領
域とは、前記捩じり2次振動共振周波数fs4を中心と
して予め定めた周辺に位置する周波数の領域であって、
ステータ1の上面(ライニング材23の上面23a)に
発生する複合振動が少なくとも半共振する(捩じり振動
成分の振幅が極値を持たないが所定の振幅値を有する)
周波数の領域である。一方、各突出片63の捩じり1次
振動共振周波数領域とは、前記捩じり1次振動共振周波
数fr3を中心として予め定めた周辺に位置する周波数
領域であって、各突出片63に発生する捩じり振動が少
なくとも半共振する(振幅が極値を持たないが所定の振
幅値を有する)周波数の領域である。
【0088】このようにすれば、ステータ1の複合振動
における捩じり振動成分は捩じり2次振動共振周波数領
域内の重なった周波数にて振動する。この周波数は、各
突出片63の捩じり1次振動共振周波数領域内の重なっ
た周波数と一致する。従って、各突出片63は重なった
周波数で捩じり振動する。その結果、上記第3実施形態
と同様の効果を得ることができる。
【0089】また、ステータ1の捩じり振動共振周波数
領域と各突出片63の捩じり振動共振周波数領域とが少
なくとも一部重なる範囲でロータ61の形状を特定して
もよい。尚、ステータ1の捩じり振動共振周波数領域と
は、例えばステータ1の捩じり1次振動共振周波数領
域、捩じり2次振動共振周波数領域、捩じり3次振動共
振周波数領域等、複数存在する捩じり振動共振周波数の
それぞれを中心として予め定めた周辺に位置する周波数
領域の全てであって、ステータ1の上面(ライニング材
23の上面23a)に発生する複合振動が少なくとも半
共振する(捩じり振動成分の振幅が極値を持たないが所
定の振幅値を有する)周波数の領域の全てである。又、
各突出片63の捩じり振動共振周波数領域とは、例えば
各突出片63の捩じり1次振動共振周波数領域、捩じり
2次振動共振周波数領域、捩じり3次振動共振周波数領
域等、複数存在する捩じり振動共振周波数のそれぞれを
中心として予め定めた周辺に位置する周波数領域の全て
であって、各突出片63に発生する捩じり振動が少なく
とも半共振する(振幅が極値を持たないが所定の振幅値
を有する)周波数の領域の全てである。このようにすれ
ば、ステータ1の複合振動における捩じり振動成分は重
なった周波数にて振動する。この周波数は、各突出片6
3の捩じり振動共振周波数領域内の重なった周波数と一
致する。従って、各突出片63は重なった周波数で捩じ
り振動する。
【0090】更に、例えば、ステータ1の捩じり2次振
動共振周波数fs4と各突出片63の捩じり2次振動共
振周波数領域とが重なるようにロータ61の形状を特定
したり、ステータ1の捩じり1次振動共振周波数領域内
の一部と各突出片63の捩じり1次振動共振周波数fr
3とが重なるようにロータ61の形状を特定したり、ス
テータ1の捩じり2次振動共振周波数領域と各突出片6
3の捩じり2次振動共振周波数領域とが重なる範囲でロ
ータ61の形状を特定したり、或いはステータ1の捩じ
り3次振動共振周波数と各突出片63の捩じり2次振動
共振周波数とが一致するようにロータ61の形状を特定
したりしてもよい。
【0091】・前記第3実施形態においては、ステータ
1の第1及び第2電極板7,8にステータ1の捩じり2
次振動共振周波数fs4の高周波交流電圧を印加した
が、ステータ1の前記捩じり2次振動共振周波数領域と
各突出片63の前記捩じり1次振動共振周波数領域とが
重なった範囲内の周波数の高周波交流電圧を印加しても
よい。このようにすれば、ステータ1の複合振動におけ
る捩じり振動成分は前記重なった範囲内の周波数にて振
動する。この周波数は、各突出片63の捩じり1次振動
共振周波数領域内の周波数と一致する。従って、各突出
片63は前記重なった範囲内の周波数で捩じり振動す
る。その結果、上記第3実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0092】・前記各実施形態におけるロータ2,5
1,61に代えて、例えば図11に示すロータ71を採
用してもよい。すなわち、このロータ71の外周面に
は、複数のロータスリット72が形成されている。この
ロータスリット72は等角度間隔に形成されており、ロ
ータ71の上面からみた各ロータスリット72の切り口
は、外周面から中心軸線に向かうほど時計回り方向に傾
斜して延びている。また、ロータ71(ロータスリット
72)の外周面からみた各ロータスリット72は、同ロ
ータ71の中心軸線に沿って下方に向かうほど右側にそ
れぞれ同じ傾斜角度で傾斜している。そして、ロータ7
1の上面からみた各ロータスリット72の切り口は、ロ
ータ71の中心軸線に沿って下方に向かうほど反時計回
り方向に傾斜している。そして、各隣接するロータスリ
ット72間には、それぞれ外周側に向かって周方向の幅
が広がって突出する略扇形状の接触部としての突出片7
3が形成されている。このような突出片73の形状の特
定を前記各実施形態に準じて行うことにより、同実施形
態と同様な効果が得られる。
【0093】・前記各実施形態においては、突出片3
1,53,63が一体に形成されたロータ2,51,6
1としたが、例えば図12に示すように、別体となる突
出片76を備えたロータ77としてもよい。この場合、
別体で形成された突出片76を、例えば接合するなどし
てロータ77を形成する。
【0094】・前記第1及び第2実施形態においては、
ロータスリット27,52の切り口が外周面から中心軸
線に向かうほど反時計回り方向に傾斜して延びているよ
うなロータ2,51としたが、例えば図13のようなロ
ータ81であってもよい。なお、図13(a)はロータ
81の平面図を、図13(b)はロータ81の斜視図
を、図13(c)はロータ81の底面図をそれぞれ示し
ている。このようなヘリカルギヤのようなロータ81と
し、そのロータスリット82は上面・下面とも外周面か
ら中心軸線に向かって延ばして形成されている。なお、
各隣接するロータスリット82間は、接触部としての突
出片83となっている。このようなロータスリット82
とすることで、焼結、鍛造などによりロータ81の成形
が可能となり、安価に製造することができる。
【0095】・前記各実施形態においては、ロータ2,
51,61の各突出片31,53,63の数を12個と
したが、複数であればいくつでもよい。 ・前記各実施形態においては、ロータ2,51,61の
各突出片31,53,63の周方向の幅が外周側に向か
って広がるように形成したが、外周側に向かって一定の
周方向の幅で伸びる突出片や、外周側に向かって周方向
の幅が狭くなる突出片であってもよい。要は、このよう
な突出片の高さがその基端部の周方向の幅よりも小さく
ならなければよい。
【0096】・前記各実施形態においては、ロータ2,
51,61がそれぞれ有する複数の突出片31,53,
63の形状を同一の形状としたがこのようにする必要は
必ずしもない。例えば、ロータの外周側に異なる2種類
の形状を有する突出片が互い違いに配設されたロータで
あってもよい。この場合、例えば、一方の突出片の形状
を所定の周波数でロータを正転させる捩じり振動が発生
するように特定し、他方の突出片の形状を上記とは異な
る所定の周波数でロータを逆転させる捩じり振動が発生
するように特定しておくことで、正・逆回転可能な超音
波モータとすることができる。
【0097】・前記各実施形態においては、ロータ2,
51,61の突出片31,53,63の高さH1,H
2,H3がそれぞれ突出片31,53,63の基端部の
周方向の幅W1,W2,W3以上となるように設定した
が、同高さH1,H2,H3がそれぞれ突出片31,5
3,63の基端部以外のその他の位置での周方向の幅以
上となるように設定してもよい。また、このような設定
をする必要は必ずしもない。
【0098】・前記各実施形態においては、ロータ2,
51,61の高さH1,H2,H3が外径D以下となる
ように設定したが、このように設定する必要は必ずしも
ない。
【0099】・前記各実施形態においては、各突出片3
1,53,63のの数、幅、突出長及び材料(ステンレ
ス鋼)等の諸条件を予め設定し、「ロータ2,51,6
1の各突出片31,53,63の形状の特定」にて各突
出片31,53,63の高さH1,H2,H3を特定し
たが、同高さを予め設定しておいて、「ロータ2,5
1,61の各突出片31,53,63の形状の特定」に
て各突出片31,53,63の数、幅、突出長及び材料
等を特定するようにしてもよい。
【0100】・前記各実施形態においては、解析シミュ
レーション技術のうちの有限要素法を利用したが、振動
物体の表面だけをモデル化する境界要素法(BEM:Bo
undary Element Method )等の他の解析シミュレーショ
ン技術を利用してもよい。
【0101】・前記各実施形態の設計方法では、ステー
タ1の形状を設定し、そのステータ1の共振周波数に応
じてロータ2,51,61の形状を特定したが、先にロ
ータ2,51,61の形状を設定し、そのロータ2,5
1,61の共振周波数に応じてステータ1の形状を特定
するようにしてもよい。
【0102】・前記各実施形態においては、ライニング
材23はステータ1側に配置したが、ロータ2,51,
61側に配置してもよい。次に、以上の実施形態から把
握することができる請求項以外の技術的思想を、その効
果とともに以下に記載する。
【0103】(イ)圧電素子(5,6)の駆動力により
振動するステータ(1)と、該ステータ(1)に摺動可
能に圧接され、該ステータ(1)の振動に基づいて回転
するロータ(2,51,61,71,77)とを備えた
超音波モータにおいて、前記ロータ(2,51,61,
71,77)は、前記ステータ(1)の振動共振周波数
領域と少なくとも一部重なる振動共振周波数領域を有す
る複数の接触部(31,53,63,73,76)を備
え、該ロータ(2,51,61,71,77)は、該重
なった周波数を有する交流電圧を前記圧電素子(5,
6)に印加して該ステータ(1)に振動を発生させ、該
振動に基づき該接触部(31,53,63,73,7
6)ごとに発生する振動により回転駆動されることを特
徴とする超音波モータ。
【0104】同構成によれば、上記ロータは、重なった
周波数を有する交流電圧を上記圧電素子に印加して上記
ステータに振動を発生させ、この振動に基づき上記接触
部のみに発生する振動により回転駆動される。従って、
例えば上記ロータの全体に振動を発生させて回転駆動す
る場合に比べ、同ロータの扁平化が可能となる。そし
て、このようなロータの扁平化により、超音波モータそ
のものの小型化が図られる。
【0105】(ロ)上記(イ)に記載の超音波モータに
おいて、前記接触部(31,53,63,73,76)
の振動共振周波数領域は、振幅が極値となる振動が発生
する振動共振周波数であることを特徴とする超音波モー
タ。
【0106】同構成によれば、上記接触部に振幅が極値
となる振動が発生される。 (ハ)上記(イ)又は(ロ)に記載の超音波モータにお
いて、前記ステータ(1)の振動共振周波数領域は、複
数存在する振動共振周波数領域のうち、最も周波数が低
い振動共振周波数領域であることを特徴とする超音波モ
ータ。
【0107】同構成によれば、上記ステータの振動共振
周波数領域は、複数存在する振動共振周波数領域のう
ち、最も周波数が低い振動共振周波数領域であるため、
前記重なった周波数の交流電圧を生成する生成回路の高
周波対策が比較的簡単となる。
【0108】(ニ)上記(イ)〜(ハ)のいずれか1に
記載の超音波モータにおいて、前記接触部(31,5
3,63,73,76)の振動共振周波数領域は、複数
存在する振動共振周波数領域のうち、最も周波数が低い
振動共振周波数領域であることを特徴とする超音波モー
タ。
【0109】同構成によれば、上記接触部の振動共振周
波数領域は、複数存在する振動共振周波数領域のうち、
最も周波数が低い振動共振周波数領域であるため、前記
重なった周波数の交流電圧を生成する生成回路の高周波
対策が比較的簡単となる。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜4に記
載の発明では、小型化可能な超音波モータを提供するこ
とができる。
【0111】請求項5及び6に記載の発明では、各接触
部ごとの振動の発生を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波モータの第1実施形態を示
す斜視図。
【図2】同実施形態の分解斜視図。
【図3】同実施形態の断面図。
【図4】有限要素法によるステータの解析を説明するた
めの説明図。
【図5】有限要素法によるロータの解析を説明するため
の説明図。
【図6】同実施形態における振動を説明するための説明
図。
【図7】本発明に係る超音波モータの第2実施形態が備
えるステータの有限要素法による解析を説明するための
説明図。
【図8】同実施形態における振動を説明するための説明
図。
【図9】同実施形態における振動を説明するための説明
図。
【図10】本発明に係る超音波モータの第3実施形態に
おける振動を説明するための説明図。
【図11】ロータの別例を示す斜視図。
【図12】ロータの別例を示す斜視図。
【図13】ロータの別例を示す平面図、斜視図及び底面
図。
【図14】従来の超音波モータを示す斜視図。
【符号の説明】
1…ステータ、2,51,61,71,77,81…ロ
ータ、5…第1圧電素子、6…第2圧電素子、31,5
3,63,73,76,83…接触部としての突出片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H680 AA01 AA04 AA06 AA19 BB04 BB15 CC03 CC06 DD01 DD11 DD23 DD39 DD55 DD65 DD75 DD87 DD88 DD92 FF04 FF26 FF36 GG25 GG27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子(5,6)の駆動力により振動
    するステータ(1)と、該ステータ(1)に摺動可能に
    圧接され、該ステータ(1)の振動に基づいて回転する
    ロータ(2,51,61,71,77,81)とを備え
    た超音波モータにおいて、 前記ロータ(2,51,61,71,77,81)は複
    数の接触部(31,53,63,73,76,83)を
    備え、該ロータ(2,51,61,71,77,81)
    は該ステータ(1)の振動に基づき該接触部(31,5
    3,63,73,76,83)ごとに発生する振動によ
    り回転駆動されることを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波モータにおい
    て、 前記接触部(31,53,63,73,76,83)ご
    とに発生する振動は、前記ロータ(2,51,61,7
    1,77,81)の回転方向への捩じり振動であること
    を特徴とする超音波モータ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の超音波モータにおい
    て、 前記接触部(31,53,73,76,83)は、該接
    触部(31,53,73,76,83)に発生する前記
    ロータ(2,51,71,77,81)の回転方向への
    捩じり振動を助長するように傾斜していることを特徴と
    する超音波モータ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1に記載の超音
    波モータにおいて、 前記ロータ(2,51,61,71,77,81)の外
    径は、該ロータ(2,51,61,71,77,81)
    の高さ以上の大きさであることを特徴とする超音波モー
    タ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1に記載の超音
    波モータにおいて、 前記接触部(31,53,63,73,76,83)の
    周方向の幅は、前記ロータ(2,51,61,71,7
    7,81)の高さ以下の大きさであることを特徴とする
    超音波モータ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1に記載の超音
    波モータにおいて、 前記接触部(31,53,63,73,76,83)の
    基端部の周方向の幅は、前記ロータ(2,51,61,
    71,77,81)の高さ以下の大きさであることを特
    徴とする超音波モータ。
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