JP2000348895A - パルス状高輝度硬X線またはγ線の発生方法および装置 - Google Patents

パルス状高輝度硬X線またはγ線の発生方法および装置

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JP2000348895A
JP2000348895A JP15428399A JP15428399A JP2000348895A JP 2000348895 A JP2000348895 A JP 2000348895A JP 15428399 A JP15428399 A JP 15428399A JP 15428399 A JP15428399 A JP 15428399A JP 2000348895 A JP2000348895 A JP 2000348895A
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Kazuo Tanaka
和夫 田中
Yoneyoshi Kitagawa
米喜 北川
Ryosuke Kodama
了祐 児玉
Tatsuhiko Yamanaka
龍彦 山中
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Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高輝度で硬いX線またはγ線を発生し、厚い
金属材料などの被検査体14を透過して診断を行うこ
と。 【解決手段】 容器6内の真空室5において、レーザ源
1から、ターゲット材料4に、1018W/cm2以上の
パルス状レーザ光を発生して照射し、約0.1MeV〜
約1GeVの指向性を有する硬いX線またはγ線を発生
する。レーザ光のパルス幅は、約10-12secである。タ
ーゲット材料4は、原子番号1〜100の中から適当な
ものを選び、たとえば、金属、合成樹脂、常温で液体ま
たは気体である凝固した物質などであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス状高輝度の
硬いX線(硬X線と略称することがある)またはγ線を
発生して被検査体の診断などを行うことができる方法お
よび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、放射線撮影装置は医療用放射
線撮影、工業用非破壊放射線撮影等の分野で使用されて
いる。これらの撮影装置では、X線の光源として電子を
金属ターゲットに照射して発生する制動X線もしくは特
性X線が用いられている。これらのX線の輝度は低く、
厚さ1cmの金属部品の内部観察には10分から1時間
程度の長い露光時間が必要である。そのため、たとえば
自動車の生産ラインや電化製品の製造ライン内で数秒か
ら1回の露光もしくは数回以内での検査は不可能であ
る。従来のX線管から発生するX線は金属の内部構造を
観察できる波長であるが、輝度が低いために数cm厚さ
の物質を観察するのに数十分以上の露光時間を必要とす
る。これは実用的ではない。
【0003】高輝度のX線光源としてのシンクロトロン
放射光がある。この装置は大型設備であり、建物自体に
も規制があり、工場のラインでの使用は到底、不可能で
ある。上記X線光源は、その光源サイズが大きく、得ら
れる像の空間分解能が悪い。
【0004】さらに他の先行技術として、レーザプラズ
マ軟X線を用いたX線顕微鏡装置もしくは評価装置が提
案されている(特開平7−128500、特開平8−3
04311)。これらの先行技術の装置は、108W/
cm2から1013W/cm2までのレーザ光の照射強度で
発生したせいぜい10〜20keV未満の軟X線を用い
ており、波長が比較的長く、輝度は不充分である。この
ような先行技術では、レーザ光がターゲット材料に照射
されることによって、プラズマが発生し、熱的に電子が
動くことによって、X線が発生される。このようなX線
は、指向性を持たず、したがって単位面積当りのX線の
強度を高めることができず、上述のように輝度が不充分
である。レーザプラズマ軟X線では、波長1nm以上の
軟X線が主体である。そのため、X線の透過力が弱く、
サブミリ以下の薄い高分子材料および生体等しか観察す
ることができないので、利用範囲が小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高輝
度で、短い波長を有するいわゆる硬いX線またはγ線を
発生し、これによって各種の被検査体を高い空間分解
能、および高いスループットで、観察して診断すること
ができるようにするためのパルス状高輝度硬X線または
γ線の発生方法および装置、さらに硬X線またはγ線の
診断装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、1018〜10
22W/cm2のパルス状レーザ光を、ターゲット材料に
照射することによって、硬X線またはγ線を発生するこ
とを特徴とするパルス状高輝度硬X線またはγ線の発生
方法である。
【0007】また本発明は、1018〜1022W/cm2
のパルス状レーザ光を、ターゲット材料に照射すること
によって、約0.1MeV〜約1GeVの指向性を有す
る硬X線またはγ線を発生することを特徴とするパルス
状高輝度硬X線またはγ線の発生方法である。
【0008】また本発明は、硬X線またはγ線の減衰率
が小さい材料から成る硬X線またはγ線の透過窓を有
し、真空室を形成する容器と、容器内に設けられ、10
18〜1022W/cm2 のパルス状レーザ光を発生するレ
ーザ源と、容器内に設けられ、レーザ源からのレーザ光
が照射され、発生した硬X線またはγ線が容器の硬X線
またはγ線の透過窓から容器外に透過するターゲット材
料とを含むことを特徴とするパルス状高輝度硬X線また
はγ線の発生装置である。
【0009】本発明に従えば、高強度である1018W/
cm2以上のレーザ光を、ターゲット材料に照射する。
このような高強度のレーザ光は、その光の圧力が大きい
ので、レーザ光の圧力によって、ターゲット材料の電子
が加速され、相対性理論の領域での現象が生じる。電子
が加速されることによって、電子の軌道が変わり、これ
によって指向性を持った硬いX線またはγ線がターゲッ
ト材料から発生される。レーザ光は、その強度が上述の
ように1018W/cm2以上であって大きいほど、好ま
しいけれども、たとえば1022W/cm2未満の範囲で
あってもよい。レーザ光の強度が1018W/cm2未満
では、レーザ光の光の圧力が小さく、電子の加速が不充
分となり、したがって指向性を有する硬いX線またはγ
線を発生することができない。こうして、指向性を持っ
た硬いX線またはγ線が、ターゲット材料から発生され
る。
【0010】この発生される硬X線またはγ線は、約
0.1MeV〜約1GeVのエネルギを有する。これに
よって鉄、ステンレス鋼などの金属材料から成るナイフ
および自動車部品などの被検査体が、約2〜7cmの厚
さを有し、硬X線またはγ線が透過することができ、従
来から不可能であった被検査体の観察が、初めて可能に
なる。レーザ光は、パルス状であり、したがって高強度
のレーザ光を発生することが比較的容易に可能である。
このようなパルス状レーザ光は、レーザ源から、たとえ
ば約0.0003(=1/3600)〜10Hzまたは
それ以上の繰返しレートで発生することができる。
【0011】1回もしくは数回以内の露光時間で数cm
厚さの物質を観察するためには、波長1nm以下の短波
長で輝度が高い硬X線またはγ線を発生させる必要があ
る。これを実現するために、パルス幅がフェムト秒から
ピコ秒、エネルギがサブジュールから数百kジュールの
高強度レーザ装置からのレーザ光を、ターゲット材料と
なる物質に、1018W/cm2以上の照射強度となるよ
うに集光照射し、高密度で高温のプラズマを生成する。
集光スポット径は、1〜50μmを用い、このスポット
径は、得られる像の空間分解能力を決定する。これより
波長1Å以下の短波長で輝度が高い硬X線またはγ線を
発生させる。これを光源とすることにより、1回もしく
は数回以内の露光で数cm厚さの物質を観察することが
実現される。
【0012】本発明に従えば、被検査体として、厚さが
数μmから数cmにわたる金属、合成樹脂、セラミック
ス、高分子、生体の内部構造、内部組織を、フェムト秒
からナノ秒の短時間で観察できる、広い分野の材料解
析、欠陥検査、医療診断等に使用できる装置が実現され
る。
【0013】レーザ源からのレーザ光が、ターゲット材
料に照射される空間は、容器内の真空室であり、したが
ってレーザ光が気体またはその他の物質に照射されてレ
ーザ光の強度が減衰されたり、不所望な硬X線またはγ
線が発生するなどの問題は生じない。
【0014】硬X線またはγ線の透過窓は、硬X線また
はγ線の減衰率が小さい材料から成り、たとえばアルミ
ニウムまたはベリリウムなどの金属材料から成ってもよ
く、またはその他の材料などから成ってもよい。
【0015】また本発明は、レーザ源が発生するパルス
状レーザ光は、0.1〜10μmの波長を有することを
特徴とする。
【0016】本発明に従えば、このような0.1〜10
μmの波長を有するパルス状レーザ光をターゲット材料
に照射することによって、硬X線またはγ線を発生する
ことができる。
【0017】また本発明は、レーザ源は、パルス状レー
ザ光を、0.0003〜10Hzの繰返しレートで発生
することを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、繰返しレートを、上述の
ように選ぶことによって、レーザ光の強度を高くして、
ターゲット材料に照射することができる。
【0019】また本発明は、レーザ源は、パルス幅約
0.1×10-12〜10×10-12secのレーザ光を発生
することを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、レーザ源から発生される
レーザ光のパルス幅を短い時間に選び、これによって高
強度のレーザ光を得ることができる。パルス幅が約0.
1×10-12sec未満であるとき、レーザ光の強度が不充
分になりやすく、また約10×10-12secを超える範囲
では、高強度のレーザ光を時間的に連続して発生するこ
とが困難となる。
【0021】また本発明は、ターゲット材料は、金属、
合成樹脂、または常温で液体もしくは気体であって常温
未満の低温度で凝固した物質であることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、ターゲット材料は、あら
ゆる材料が可能であり、たとえば原子番号1〜100の
各材料を用いることができ、それらが固体であることに
よって、高強度のレーザ光を照射して、指向性を有する
硬X線またはγ線を得ることができる。ターゲット材料
は、金属、合成樹脂などであってもよい。さらにターゲ
ット材料は、常温で液体または気体であっても、常温未
満の低温度で凝固した物質であってもよく、たとえば水
素H、重水素Dなどの極低温状態たとえば18K未満の
温度における固体などであってもよい。
【0023】また本発明は、容器内に設けられ、ターゲ
ット材料を移動する移動手段を含むことを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、容器の真空室内で、ター
ゲット材料を移動手段によってレーザ源からのレーザ光
が照射されるターゲット材料のレーザ光照射部分を移動
することによって、ターゲット材料のレーザ光照射部分
の消耗を防ぎ、硬X線またはγ線を確実に発生させるこ
とができる。
【0025】また本発明は、上記のパルス状高輝度硬X
線またはγ線の発生装置が設けられ、容器の外方で、硬
X線またはγ線の透過窓からの硬X線またはγ線が照射
される被検査体が、配置され、被検査体に関して硬X線
またはγ線の透過窓とは反対側に、被検査体による硬X
線またはγ線の透過像を2次元検出面で検出する検出手
段が配置されることを特徴とする硬X線またはγ線診断
装置である。
【0026】本発明に従えば、容器の真空室内における
ターゲット材料から発生された硬X線またはγ線は、硬
X線またはγ線の透過窓を経て被検査体に照射され、そ
の硬X線またはγ線の透過像が検出手段の2次元検出面
で検出される。こうして被検査体の観察を行うことがで
きる。
【0027】また本発明は、被検査体を、硬X線または
γ線の透過窓からの硬X線またはγ線が照射される位置
に、順次的に搬送する搬送手段が設けられ、レーザ源
は、パルス状レーザ光を、前記硬X線またはγ線照射位
置に、予め定める複数回、発生することを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、搬送手段によって被検査
体を、硬X線またはγ線の照射位置に順次的に搬送する
ことによって、たとえば大量生産される被検査体を、効
率よく検査することができる。レーザ光はパルス状であ
り、移動手段によって移動されてきた被検査体に硬X線
またはγ線を単一回または複数回照射して診断を行うこ
とができる。こうして大量の被検査体を、短時間で非破
壊検査することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
硬X線またはγ線診断装置24の全体の構成を簡略化し
て示す系統図である。この硬X線またはγ線診断装置2
4は基本的に、パルス状硬X線またはγ線の発生装置2
5と、硬X線またはγ線の診断が行われるべき被検査体
14を搬送する搬送手段13と、搬送手段13によって
搬送される被検査体14の硬X線またはγ線の透過像を
検出する検出手段17とを含む。パルス状硬X線または
γ線の発生装置25において、レーザ源1からのパルス
状レーザ光は、レーザ光を伝搬する真空の経路形成手段
2を経て真空チャンバ3内に導かれ、ターゲット材料4
に照射される。経路形成手段2と真空チャンバ3とは、
真空室5を形成する容器6を構成する。レーザ源1は、
経路形成手段2内に設けられる。
【0030】レーザ源1は、たとえば波長1053nm
のガラスレーザであり、たとえば1〜10Hzで間欠的
にレーザ光をパルス状に発生する。このレーザ光は、真
空チャンバ3内に設けられた凹面鏡7によって集光さ
れ、ターゲット材料4の表面の照射部分8に照射され
る。この照射部分8におけるレーザ光は、1018〜10
22W/cm2の強度を有し、その照射部分8でのレーザ光の
外径は、たとえば1〜50μmφである。凹面鏡7は、
いわゆる軸外し放物面鏡またはそれに代わる集光鏡であ
る。レーザ光の波長は、0.1〜10μmであってもよ
く、特に、0.1〜2.0μmが好ましい。
【0031】ターゲット材料4は、原子番号1〜100
の中から適当なものが選ばれ、たとえば金属、合成樹脂
でもよく、または常温で液体もしくは気体であって常温
未満の低温度で凝固した物質でもよい。移動手段9は、
真空室5内でターゲット材料4を移動し、これによって
ターゲット材料4のレーザ光による照射部分8が変化
し、ターゲット材料4の消耗を防ぐことができる。ター
ゲット材料4は、高繰り返しレーザ(たとえば繰り返し
レート約0.0003(=1/3600)Hz以上)の
照射に耐える。
【0032】ターゲット材料4に照射部分8で、集光さ
れたレーザ光が照射されることによって、レーザ光の光
の圧力によって加速された電子のターゲット材料4内の
制動輻射によって、レーザ照射方向11の延長線上の放
射方向11aに、短波長の指向性を有する約0.1Me
V〜約1GeVである硬いX線またはγ線が発生する。
発生する硬X線またはγ線のエネルギは、レーザ光の単
位面積当りの強度である凹面鏡7などによる集光強度を
制御することによって、またターゲット材料4の種類を
変えることによって、調整することができる。
【0033】ターゲット材料4から発生した硬X線また
はγ線は、硬X線またはγ線の透過窓12を透過して、
搬送手段13によって順次的に搬送される複数の各被検
査体14に、硬X線またはγ線の照射領域15で照射さ
れる。被検査体14は、搬送手段13によって矢符16
の方向に順次的に搬送される。
【0034】図2は、真空チャンバ3の硬X線またはγ
線の透過窓12付近の断面図である。真空チャンバ3の
外周壁18に形成された透孔19には、筒体21の基端
部が固定される。この筒体21の遊端部には、外向きフ
ランジ22が形成される。硬X線またはγ線の透過窓1
2は、フランジ22によってフランジ接合される。
【0035】硬X線またはγ線の透過窓12は、真空チ
ャンバ3の外周壁18の一部を構成する。硬X線または
γ線の透過窓12は、硬X線またはγ線の減衰率が小さ
い材料から成り、たとえばアルミニウムまたはベリリウ
ムなどの金属材料から成ってもよい。硬X線またはγ線
の透過窓12が前述のアルミニウムから成るとき、その
厚みは、たとえば12mmであってもよい。真空チャン
バ3の外周壁18は、たとえば鉄などの金属材料から成
り、その厚みはたとえば80mmであってもよい。
【0036】被検査体14の硬X線またはγ線の透過像
を検出する検出手段17は、被検査体14に関して硬X
線またはγ線の透過窓12とは反対側(図1の上方)に
配置される。この検出手段17は、被検査体14の硬X
線またはγ線の透過像を、2次元検出面で検出するため
に、多数の画素が行列状に配置されて構成される。各画
素は、硬X線またはγ線の強度に対応した信号レベルを
導出する。矢符11aで示される硬X線またはγ線は、
被検査体14を透過し、検出手段17によってその硬X
線またはγ線の透過像が撮像され、電気信号に変換され
る。
【0037】本発明の実施の他の形態では、検出手段1
7は、硬X線またはγ線に感光する写真フィルムまたは
イメージングプレート等であってもよい。検出手段17
はまた、被検査体14を透過した硬X線またはγ線の透
過像によって、その硬X線またはγ線の強度に対応した
発光強度で発光する発光板と、その発光板の光を受光
し、2次元検出面で発光画像を検出する撮像手段とを含
んでもよく、撮像手段は、前述の同様な行列状の多数の
画素を有してもよく、または感光写真フィルムなどであ
ってもよい。
【0038】上述の図1および図2に示される実施の形
態では、被検査体14は、2次元検出面を有する検出手
段17にほぼ接触する程に近く配置されているけれど
も、本発明の実施の他の形態では、被検査体14の硬X
線またはγ線の透過像を拡大して検出手段17によって
検出することができるようにするために、被検査体14
と、検出手段17とを、予め定める距離aだけ離して設
定する。硬X線またはγ線を発生するターゲット材料4
と被検査体14との距離をbとするとき、被検査体14
のγ線透過像の拡大倍率Mは、M=(a+b)/bとな
る。その際の空間分解能は、硬X線またはγ線の1〜5
0μmであるスポットサイズで決まる。
【0039】本件発明者の実験結果を述べる。図1およ
び図2の本発明の実施の一形態において、ターゲット材
料4は、重水素を含有したポリスチレンである。レーザ
源1はガラスレーザであり、レーザ光は、波長λ=1μ
m、パルス幅0.6×10-12secであり、ターゲット材
料4のレーザ光照射部分8におけるレーザ光の集光強度
は、図3の参照符27で示されるように、1019W/c
2である。図2に示されるように、被検査体14は、
ステンレス鋼製ナイフであり、肉厚2mmから肉厚20
mmまでの各部分を有する。単一のパルス状レーザ光を
ターゲット材料4に照射することによって、硬X線また
はγ線の透過像が検出手段17で得られた。検出手段1
7は、富士フィルム社製イメージングプレートであり、
高い強度ダイナミックレンジ約105を有する。こうし
て被検査体14の硬X線またはγ線の透過像は、0.1
mm以内の空間分解能が達成されることが、確認され
た。
【0040】図3における参照符27は、前述のよう
に、本件発明者による実験結果を示す発生された硬X線
またはγ線の特性を示す。図3における参照符28,2
9は、比較例であって、同一のターゲット材料4に、1
×1016〜2×1016W/cm2のレーザ光を照射した
ときに得られる硬X線またはγ線の特性を示す。このよ
うな特性28,29では、発生される硬X線またはγ線
のエネルギが明らかに低く、また指向性がなく、したが
って透過力が弱く、希望する厚い被検査体の検査は、不
可能である。
【0041】
【発明の効果】請求項1,2,3の本発明によれば、高
輝度で、短波長の硬X線またはγ線を発生することがで
き、したがって硬X線またはγ線の透過力が大きく、各
種の被検査体の硬X線またはγ線の透過像を得ることが
でき、非破壊検査を容易に行うことができるようにな
る。ここで発生する硬X線またはγ線は、指向性を有す
るので、単位面積当りの強度を高くし、このことによっ
てもまた、被検査体の透過力を高めることができる。
【0042】請求項4の本発明によれば、0.1〜10
μmの波長を有するパルス状レーザ光を、ターゲット材
料に照射することによって、硬X線またはγ線を確実に
発生することができる。
【0043】請求項5の本発明によれば、繰返しレート
0.0003〜10Hzに選ぶことによって、パルス状
レーザ光を、高強度で、繰返し、発生することができ
る。このような繰返しレートでパルス状レーザ光を発生
することによって、減衰率が大きい材料であっても、そ
の透過像を得ることができる。
【0044】請求項6の本発明によれば、レーザ源から
発生されるレーザ光のパルス幅を短い時間に選ぶので、
高強度のレーザ光を得ることができ、これによってパル
ス状高輝度硬X線またはγ線を発生することができる。
【0045】請求項7の本発明によれば、ターゲット材
料は、金属、合成樹脂などであってもよく、さらに常温
で液体または気体であってかつ低温度で凝固する物質な
どであってもよく、このようなあらゆるターゲット材料
を用いて各種の希望する短波長の硬X線またはγ線を得
ることができる。
【0046】請求項8の本発明によれば、容器内でター
ゲット材料を移動することによって、ターゲット材料の
レーザ光照射部分を常に新しく保ち、これによってレー
ザ光照射部分が消耗されてしまうことを防ぎ、硬X線ま
たはγ線を確実に発生させることができる。
【0047】請求項9の本発明によれば、硬X線または
γ線の透過窓からのγ線を被検査体に照射し、硬X線ま
たはγ線の透過像を、検出手段の2次元検出面で検出す
ることによって、各種の被検査体の非破壊検査を行うこ
とができる。
【0048】請求項10の本発明によれば、容器の硬X
線またはγ線の透過窓からの硬X線またはγ線が照射さ
れる位置に、搬送手段によって被検査体が順次的に搬送
される。これによってたとえば大量生産される被検査体
を順次的に硬X線またはγ線の透過による非破壊検査を
行うことができる。前記位置に搬送された被検査体に
は、パルス状レーザ光のターゲット材料への照射に対応
して、パルス状硬X線またはγ線を、単一回または複数
回、フラッシュ照射することができる。被検査体が、硬
X線またはγ線の減弱率が大きい厚い形状を有すると
き、複数回の硬X線またはγ線の照射によって、硬X線
またはγ線の透過像を、検出手段によって明瞭に得るこ
とができる。こうして本発明は、材料解析、欠陥検査、
医療診断などの広範囲の分野において実施されることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の硬X線またはγ線診断
装置24の全体の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】真空チャンバ3の硬X線またはγ線の透過窓1
2付近の断面図である。
【図3】本件発明者の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 レーザ源 2 経路形成手段 3 真空チャンバ 4 ターゲット材料 5 真空室 6 容器 7 凹面鏡 8 レーザ光照射部分 9 移動手段 11 レーザ照射方向 12 硬X線またはγ線の透過窓 13 搬送手段 14 被検査体 15 硬X線またはγ線の照射領域 17 検出手段 24 硬X線またはγ線診断装置 25 パルス状硬X線またはγ線の発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 AA02 AA09 AA10 BA11 CA01 CA02 DA01 DA02 DA09 HA12 JA09 PA11 SA10 4C092 AA20 AB21 AC01 AC08 BD01 BD19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1018〜1022W/cm2のパルス状レ
    ーザ光を、ターゲット材料に照射することによって、硬
    X線またはγ線を発生することを特徴とするパルス状高
    輝度硬X線またはγ線の発生方法。
  2. 【請求項2】 1018〜1022W/cm2のパルス状レ
    ーザ光を、ターゲット材料に照射することによって、約
    0.1MeV〜約1GeVの指向性を有する硬X線また
    はγ線を発生することを特徴とするパルス状高輝度硬X
    線またはγ線の発生方法。
  3. 【請求項3】 硬X線またはγ線の減衰率が小さい材料
    から成る硬X線またはγ線の透過窓を有し、真空室を形
    成する容器と、 容器内に設けられ、1018〜1022W/cm2 のパルス
    状レーザ光を発生するレーザ源と、 容器内に設けられ、レーザ源からのレーザ光が照射さ
    れ、発生した硬X線またはγ線が容器の硬X線またはγ
    線の透過窓から容器外に透過するターゲット材料とを含
    むことを特徴とするパルス状高輝度硬X線またはγ線の
    発生装置。
  4. 【請求項4】 レーザ源が発生するパルス状レーザ光
    は、0.1〜10μmの波長を有することを特徴とする
    請求項3記載のパルス状高輝度硬X線またはγ線の発生
    装置。
  5. 【請求項5】 レーザ源は、パルス状レーザ光を、0.
    0003〜10Hzの繰返しレートで発生することを特
    徴とする請求項3または4記載のパルス状高輝度硬X線
    またはγ線の発生装置。
  6. 【請求項6】 レーザ源は、パルス幅約0.1×10
    -12〜10×10-12secのレーザ光を発生することを特
    徴とする請求項3〜5のうちの1つに記載のパルス状高
    輝度硬X線またはγ線の発生装置。
  7. 【請求項7】 ターゲット材料は、金属、合成樹脂、ま
    たは常温で液体もしくは気体であって常温未満の低温度
    で凝固した物質であることを特徴とする請求項3〜6の
    うちの1つに記載のパルス状高輝度硬X線またはγ線の
    発生装置。
  8. 【請求項8】 容器内に設けられ、ターゲット材料を移
    動する移動手段を含むことを特徴とする請求項3〜7の
    うちの1つに記載のパルス状高輝度硬X線またはγ線の
    発生装置。
  9. 【請求項9】 請求項3〜7のうちの1つに記載のパル
    ス状高輝度硬X線またはγ線の発生装置が設けられ、 容器の外方で、硬X線またはγ線の透過窓からの硬X線
    またはγ線が照射される被検査体が、配置され、 被検査体に関して硬X線またはγ線の透過窓とは反対側
    に、被検査体による硬X線またはγ線の透過像を2次元
    検出面で検出する検出手段が配置されることを特徴とす
    る硬X線またはγ線診断装置。
  10. 【請求項10】 被検査体を、硬X線またはγ線の透過
    窓からの硬X線またはγ線が照射される位置に、順次的
    に搬送する搬送手段が設けられ、 レーザ源は、パルス状レーザ光を、前記硬X線またはγ
    線照射位置に、予め定める複数回、発生することを特徴
    とする請求項9記載の硬X線またはγ線診断装置。
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