JP4937729B2 - 電子線・x線源装置およびエアロゾル分析装置 - Google Patents

電子線・x線源装置およびエアロゾル分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子線とX線とを放出可能な電子線・X線源装置と、これを利用したエアロゾル分析装置とに関する。
従来、大気中から捕集したエアロゾル(大気中に浮遊する微粒子)の濃度と成分とを分析するエアロゾル分析装置として、例えば特許文献1に見られるものが知られている。
このエアロゾル分析装置は、電子線を放出する電子線源と、X線を放出するX線源と、電子線を検出する電子線検出器と、X線を検出するX線検出器とを備え、大気中から捕集したエアロゾルの試料の濃度や成分の分析が次のように行なわれる。
すなわち、大気中から捕集したエアロゾルの試料を巻取り式のエアロゾル捕集フィルタに付着させ、この捕集フィルタの移送によって、エアロゾル試料を前記電子線源の配置箇所とX線源の配置箇所とに順次供給する。そして、エアロゾル試料を電子線源の配置箇所に供給した状態で、該電子線源からエアロゾル試料に電子線を照射し、該エアロゾル試料を透過した電子線の強度を電子線検出器により検出する。このとき、その検出した電子線の強度と、エアロゾル試料への電子線の入射強度とからβ線吸収方式によって、エアロゾル試料の重量(単位面積当たりの重量)を計測する。また、エアロゾル試料をX線源の配置箇所に供給した状態で、該X線源からエアロゾル試料にX線を照射する。そして、このときに該エアロゾル試料から発生する特性X線をX線検出器により検出し、蛍光X線元素分析法により、エアロゾル試料の成分分析を行なう。
特開2004−144647号公報
前記特許文献1に見られるエアロゾル分析装置では、エアロゾル試料の重量分析と、成分分析とを行なうことが可能であるものの、電子線源とX線源とをそれぞれ構成する管体やエミッタ(電子線放出部)、電源が各別に必要となる。このため、エアロゾル分析装置が大型化し、また、高価なものとなりやすいという不都合があった。
そして、このような不都合を解消するために、単一の管体やエミッタ、電源を使用しつつ、小型且つ簡易な構造で電子線とX線との両者を放出することができる電子線・X線源装置の開発が望まれていた。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、小型且つ簡易な構造で電子線とX線との両者を放出することができる電子線・X線源装置を提供することを目的とする。そして、この電子線・X線源装置を使用して、小型で安価なエアロゾル分析装置を提供することを目的とする。
本発明の電子線・X線源装置は、かかる目的を達成するために、真空引きされた管体内に該管体の一端部に向かって電子線を放出する電子線放出部が該管体に固定して設けられると共に、前記電子線放出部から放出される電子線を照射可能な位置で前記管体の一端部にそれぞれ設けられ、該電子線放出部から照射された電子線を該管体の外部に透過させる電子線透過窓部と、照射された電子線によって励起されるX線を発生するX線発生用ターゲットとを備えることを基本構成とする。そして、前記電子線放出部から放出される電子線のビームは、そのビームの照射範囲に前記電子線透過窓部およびX線発生用ターゲットの両者を含むビームであり、前記管体をその軸心方向で移動させる管体移動手段を備えたことを特徴とする(第1発明)。
この第1発明によれば、前記電子線放出部から放出される電子線を照射可能な位置で前記管体の一端部に、前記電子線透過窓部と、X線発生用ターゲットとを設けたので、該電子線を電子線透過窓部を介して管体の外部に放出することができると共に、前記X線発生用ターゲットに電子線放出部から照射される電子線によって、X線を励起し、そのX線を該X線発生用ターゲットから、管体の外部に放出することができる。従って、第1発明の電子線・X線源装置は、電子線源としての機能とX線源としての機能を併せもつ。このため、管体や、電子線放出部、並びに、該電子線放出部から電子線を放出させるための電源を、電子線発生用とX線発生用とで各別に備える必要がなく、それらは単一のものでよい。よって、第1発明によれば、小型且つ簡易な構造で電子線とX線との両者を放出することができる電子線・X線源装置を提供できる
また、本発明の電子線・X線源装置では、前記電子線放出部から放出される電子線のビームが、そのビームの照射範囲に前記電子線透過窓部およびX線発生用ターゲットの両者を含むビームであることから、電子線透過窓部とX線発生用ターゲットとの両者に同時に電子線が照射される。このため、電子線透過窓部を透過した電子線と、X線発生用ターゲットで発生したX線とが、同時に管体の外部に放出される。この場合、管体の外部の大気中では、一般に、電子線はX線に比べて急速に減衰し、管体からの到達可能距離が、X線よりも短い。そして、第1発明では、管体をその軸心方向で移動させることができるので、例えば、ある対象物を管体の一端部に対向させて、該対象物に電子線やX線を照射する場合に、前記管体移動手段によって、該管体と対象物との距離を適宜変更することができる。これにより、該対象物に電子線と、X線との両者が照射される状態と、X線のみが照射される状態とを選択的に実現することが可能となる。ひいては、本発明の電子線・X線源装置の利用形態の自由度を高めることができる。
かかる第1発明においては、例えば、前記管体の一端部は、前記電子線およびX線を透過可能な膜状蓋部材により閉蓋されており、前記X線発生用ターゲットは、該膜状蓋部材の表裏面のうちの前記管体の内部側の面に固着された膜状のターゲットであると共に、その厚み方向に貫通する少なくとも1つの孔が形成されており、前記膜状蓋部材のうちの前記各孔に対向する部分が前記電子線透過窓部として構成されている(第2発明)。
この第2発明によれば、前記電子線放出部から前記各孔に向かって照射される電子線は、その孔を通過した後、前記膜状蓋部材のうちの、該孔に対向する部分である前記電子線透過窓部を透過して管体の外部に放出される。また、電子線放出部から前記X線発生用ターゲットの前記孔を除く箇所に照射させる電子線は、該X線発生用ターゲットの内部に進入して、X線を励起する。そして、この励起されたX線が、X線発生用ターゲットから前記膜状蓋部材を透過して、管体の外部に放出される。従って、膜状蓋部材とX線発生用ターゲットとを重ね合わせた簡単な構造で、電子線とX線とを管体の外部に放出することができる。
この第2発明では、前記孔は、1つでもよいが、複数であってもよい。前記孔を複数備える場合には、例えば、前記X線発生用ターゲットは、メッシュ状に形成されたターゲットであり、その目開き部分を前記孔として有するようにしてもよい(第3発明)。
なお、前記基本構成の電子線・X線源装置において、前記電子線透過窓と、X線発生用ターゲットとが、前記管体の軸心方向で見たとき、該管体の一端部に互いに区画されて所定の位置に配置されるように設けられている場合には、前記電子線放出部から放出される電子線を前記電子線透過窓部と、X線発生用ターゲットとに選択的に照射させる電子レンズを備えるようにしてもよい(第5発明)。
この第5発明によれば、前記電子線放出部から放出される電子線を、前記電子レンズによって、前記電子線透過窓部に照射させるようにした場合には、該電子線透過窓部を介して電子線が管体の外部に放出される。そして、このとき、X線発生用ターゲットには電子線が照射されないので、該X線発生用ターゲットはX線を発生しない。従って、本発明の電子線・X線源装置を実質的に電子線源として機能させることができる。また、前記電子線放出部から放出される電子線を、前記電子レンズによって、前記X線発生用ターゲットに照射させるようにした場合には、その照射によってX線発生用ターゲットで発生するX線が、管体の外部に放出される。そして、このとき、電子線透過窓部には電子線が照射されないので、管体から外部に放出される電子線が無くなるか、もしくは微量なものとなる。従って、本発明の電子線・X線源装置を実質的にX線源として機能させることができる。このように、第5発明によれば、電子線・X線源装置を、選択的に電子線源、X線源として機能させることができ、該電子線・X線源装置の利用形態の自由度を高めることができる。
次に本発明のエアロゾル分析装置は、前記第1発明あるいは第5発明の電子線・X線源装置を用いて構成される。
その一方のエアロゾル分析装置は、前記第1発明の電子線・X線源装置を備えたエアロゾル分析装置であって、エアロゾルの試料を前記電子線・X線源装置の管体の一端部に対向する位置に供給するエアロゾル試料供給手段と、前記管体の軸心方向における該管体と前記エアロゾルの試料との距離を、該管体の一端部から放出される電子線が該エアロゾルの試料に到達可能な距離に前記管体移動手段により調整した状態で、該管体の一端部から放出されて該エアロゾルの試料を透過した電子線の強度を検出する電子線検出手段と、前記管体の軸心方向における該管体と前記エアロゾルの試料との距離を、該管体の一端部から放出される電子線が該エアロゾルの試料に到達不能となる距離に前記管体移動手段により調整した状態で、該管体の一端部のX線発生用ターゲットから放出されて該エアロゾルの試料に照射されるX線によって該エアロゾルの試料から発生する特性X線を検出するX線検出手段とを備えたことを特徴とする(第4発明)。
この第4発明のエアロゾル分析装置によれば、前記電子線検出手段により検出される電子線の強度によって、前記管体の一端部に対向する位置に供給されたエアロゾルの試料の重量を分析することが可能となる。この場合、前記管体移動手段により管体とエアロゾルの試料との距離を上記の如く調整しておくことによって、管体から放出される電子線を確実にエアロゾルの試料に到達させ、該エアロゾルの試料を透過した電子線の強度を適切な感度に検出することが可能となる。また、前記X線検出手段により検出される特性X線に基づいて前記エアロゾルの試料の成分を分析することが可能となる。この場合、前記管体移動手段により管体とエアロゾルの試料との距離を上記の如く調整しておくことによって、管体から放出される電子線がエアロゾルの試料に実質的に照射されないようにすることができる。このため、エアロゾルの試料で該電子線に起因するX線(該試料の成分分析上ではノイズとなる制動X線)が発生するのを防止して、そのようなX線がX線検出手段によって前記特性X線と共に検出されるのを防止することができる。ひいては、前記特性X線の検出に基づくエアロゾルの試料の成分分析を適切に行なうことができる。そして、第4発明のエアロゾル分析装置は、前記第1発明の電子線・X線源装置を使用するので、小型で安価なものとすることができる。
また、他方のエアロゾル分析装置は、前記第5発明の電子線・X線源装置を備えたエアロゾル分析装置であって、エアロゾルの試料を前記電子線・X線源装置の管体の一端部に対向する位置に供給するエアロゾル試料供給手段と、前記電子線放出部から放出される電子線を前記電子レンズによって前記電子線透過窓部に照射させた状態で、該管体の一端部から放出されて前記エアロゾルの試料を透過した電子線の強度を検出する電子線検出手段と、前記電子線放出部から放出される電子線を前記電子レンズによって前記X線発生用ターゲットに照射させた状態で、該管体の一端部のX線発生用ターゲットから放出されて前記エアロゾルの試料に照射されるX線によって該エアロゾルの試料から発生する特性X線を検出するX線検出手段とを備えたことを特徴とする(第7発明)。
この第7発明のエアロゾル分析装置によれば、前記電子線検出手段により検出される電子線の強度によって、前記管体の一端部に対向する位置に供給されたエアロゾルの試料の重量を分析することが可能となる。この場合、前記電子線放出部から放出される電子線を前記電子レンズによって前記電子線透過窓部に照射させた状態、すなわち、管体から電子線を放出させた状態で、電子線の検出を行なうので、管体とエアロゾルの試料とを適切な距離(管体から放出される電子線がエアロゾルの試料に到達し得る距離)に設定しておくことで、エアロゾルの試料に電子線を支障なく照射することができる。また、前記X線検出手段により検出される特性X線に基づいて前記エアロゾルの試料の成分を分析すること可能となる。この場合、前記電子線放出部から放出される電子線を前記電子レンズによって前記X線発生用ターゲットに照射させた状態、すなわち、該X線発生用ターゲットからX線を放出させた状態で、特性X線の検出を行なうので、管体からの電子線の放出は実質的になされず、エアロゾルの試料に電子線が照射されないこととなる。このため、管体とエアロゾルの試料とを調整せずとも、エアロゾルの試料で該電子線に起因するX線が発生するのを防止して、そのようなX線がX線検出手段によって前記特性X線と共に検出されるのを防止することができる。ひいては、前記特性X線の検出に基づくエアロゾルの試料の成分分析を適切に行なうことができる。そして、第7発明のエアロゾル分析装置は、前記第5発明の電子線・X線源装置を使用するので、小型で安価なものとすることができる。
本発明の第1実施形態を図1および図2を参照して説明する。図1は本実施形態の電子線・X線源装置を使用するエアロゾル分析装置の全体構成の概略を示す側面図、図2は図1のII−II線断面図である。なお、図2では、電子線・X線源装置の一部を破断して示している。
図1および図2を参照して、本実施形態のエアロゾル分析装置1は、検査対象のエアロゾル試料Aを搬送する長尺フィルタ2と、電子線・X線源装置3と、電子線検出器4と、X線検出器5とを備える。
長尺フィルタ2は、巻き取り式のものであり、図示しない搬送機構によってその長手方向に水平姿勢で移送されるようになっている。この長尺フィルタ2の上面部には、エアロゾル分析装置1の上流側で、大気中などから捕集されたエアロゾル試料Aが付着される。そして、そのエアロゾル試料Aが、長尺フィルタ2の移送によって、エアロゾル分析装置1に供給されるようになっている。なお、長尺フィルタ2の材質や厚さは、該長尺フィルタ2を電子線やX線が透過可能で、且つ、該電子線やX線の減衰が十分に小さなものとなるように選定されている。また、長尺フィルタ2は、その搬送機構と併せて本発明におけるエアロゾル試料供給手段として機能するものである。
電子線・X線源装置3は、管体6と、高圧電源7と、管体6を上下動させる(管体6をその軸心方向に動かす)駆動装置8とを備える。
管体6は、その一端部が開口され、且つ他端部が閉塞された有底筒状(図では釣鐘状)のものである。そして、該管体6は、その開口端部(一端部)を長尺フィルタ2の上面部に対向させ、且つ軸心を上下方向(長尺フィルタ2の法線方向)に向けて、長尺フィルタ2の上側に配置されている。
この管体6の内部の上端部寄りの位置には、該管体6の軸心上で、電子線放出部9(電子エミッタ)が設けられている。この場合、本実施形態では、電界放出方式によって電子線放出部9から電子線を放出させる。このため、該電子線放出部9は、カソード電極(冷陰極)として機能するものである。そして、該電子線放出部9の材質は例えばグラファイトである。なお、電子線放出部9の先端部は、電界放出方式による電子線の放出がし易いように、尖鋭に形成されると共に、微細な凹凸(図示省略)が形成されている。
管体6の開口端部には、これを閉蓋するように円形(管体6の横断面と同形状)の膜状蓋部材10が該管体6と同軸に装着されて、該管体6に固定されている。これにより、管体6の内部が密閉されている。そして、この密閉状態で、該管体6の真空引きが行なわれており、該管体6の内部空間が高真空に保たれている。
前記膜状蓋部材10は、本実施形態では、電子線放出部9から放出される電子線や後述するX線発生用ターゲット11で発生するX線を管体6の内部側から外部(大気中)に透過させる機能を有すると共に、前記電子線放出部9との間で電界を形成するためのアノード電極としての機能を有する。そのため、膜状蓋部材10は、本実施形態では、電子線およびX線を透過可能で、且つ、導電性を有する材質から成り、その材質は、例えばシリコンである。なお、膜状蓋部材10の材質は、シリコンに限らず、ダイヤモンド、チタン箔などを使用してもよい。
補足すると、膜状蓋部材10は、管体6の内部を密閉し、該管体6の内部をほぼ高真空状態に保つ機能も有している。従って、膜状蓋部材10の厚さは、管体6の内部を真空状態に保ち得る範囲内で、電子線およびX線を十分に透過させ得るように、できるだけ薄くすることが望ましい。本実施形態では、膜状蓋部材10の厚さは例えば3μm程度に設定されている。
この膜状蓋部材10の表裏面(上下面)のうちの、管体6の内部側の面(上面)には、そのほぼ全域にわたって薄膜状のX線発生用ターゲット11が固着されている。該X線発生用ターゲット11は、それに電子線を照射したときに、該電子線のエネルギーにより励起されるX線(励起X線)を発生させるものであり、その材質は、例えば銅である。本実施形態では、X線発生用ターゲット11は、膜状蓋部材10の上面に蒸着などにより固着され、その厚さは、1.5μm程度である。そして、図2に示すように、このX線発生用ターゲット11の局所部分、例えば、中央部(電子線放出部9の直下部分)に、該ターゲット11の厚み方向(上下方向に)に貫通する孔12が穿設されている。この孔12は、電子線放出部9から該孔12に向かって放出される電子線を通過させるものであり、その径は、例えば1mm程度に設定されている。この場合、前記膜状蓋部材10のうち、上記孔12に対向する部分10a(孔12の直下の部分)が、管体6の内部から外部に電子線を透過させる電子線透過窓部10aとなっている。
なお、X線発生用ターゲット11の孔12は、電子線放出部9から放出される電子線を照射可能な領域内であれば、X線発生用ターゲット11の中央部以外の局所部分に設けてもよい。また、電子線の照射可能領域内で複数の孔をX線発生用ターゲット11に散逸的に設けるようにしてもよい。また、膜状蓋部材10のうちの孔12に対向する部分(孔12の直下の部分)、すなわち、電子線透過窓部10aの箇所の厚さだけを、他の部分よりも薄くして、該電子線透過窓部10aを電子線が透過するときに、電子線の減衰ができるだけ小さくなるようにしてもよい。
補足すると、X線発生用ターゲット11の材質は、銅に限られるものではない。該X線発生用ターゲット11は、膜状蓋部材10よりも電子線を透過しにくく、電子線の照射によって該膜状蓋部材10よりも十分に高いエネルギー強度のX線を発生し得るものであればよい。この場合、一般的には、X線発生用ターゲット11の材質として、膜状蓋部材10の材質の原子番号よりも大きい原子番号を有する材質を使用することが望ましい。膜状蓋部材10の材質を本実施形態のようにシリコンとした場合には、X線発生用ターゲット11の材質としては、銅以外にも、例えばタングステン、ロジウム等が挙げられる。
前記高圧電源7は、直流高電圧を発生する電源であり、管体6の外部に配置されている。そして、図1に示すように、該高圧電源7の負極がカソード電極としての電子線放出部9に接続されている。また、本実施形態では、前記膜状蓋部材10をアノード電極として使用するため、高圧電源7の正極が該膜状蓋部材10に接続されると共に接地されている。そして、本実施形態では、この高圧電源7から、膜状蓋部材10(アノード電極)と、電子線放出部9(カソード電極)との間に直流高電圧(例えば30kV程度)を印加することにより、膜状蓋部材10と電子線放出部9との間で該電子線放出部9に集中する高圧電界を形成し、電界放出方式によって電子線放出部9から電子線を放出させるようにしている。この場合、本実施形態では、電子線放出部9から放出される電子線のビームは、図2に破線で示すように広がり、膜状蓋部材10の上面のX線発生用ターゲット11の薄膜のほぼ全域(膜状蓋部材10の上面とほぼ同等の面積を有する領域)に電子線が照射されるようになっている。従って、管体6の軸心方向で見たとき、電子線放出部9から放出される電子線のビームの照射領域に、X線発生用ターゲット11と電子線透過窓部10aとの両者が含まれるようになっている。
なお、電子線を膜状蓋部材10上のほぼ全域に電子線を照射する必要はなく、電子レンズなどを使用することで、前記孔12と、その周囲の領域(膜状蓋部材10の径よりも小さい領域)にのみ、電子線を照射するようにしてもよい。その場合、膜状蓋部材10の上面のうち、電子線の照射可能領域にだけ、X線発生用ターゲット11を固着するようにしてもよい。また、X線発生用ターゲット11が本実施形態のように導電性の材質から成る場合には、該X線発生用ターゲット11をアノード電極として用い、該X線発生用ターゲット11を高圧電源7の正極に接続するようにしてもよい。X線発生用ターゲット11が膜状蓋部材10に電気的に導通している場合には、高圧電源7の正極を、X線発生用ターゲット11と膜状蓋部材10とのどちらに接続しても、それらの両者がアノード電極として機能することとなる。
また、本実施形態では、アノード電極としての膜状蓋部材10とカソード電極としての電子線放出部9とを有する2極構造の管体6について説明を行なったが、電子線放出部9に掛かる電圧に対して電子線の放出電流量をより精度良く制御したい場合には、膜状蓋部材10と電子線放出部9の間に引き出し電極を設けるような構造にしてもよい。この場合には、電子線放出部9の近傍に引出し電極を配置することによって、より低電圧で電子線の放出電流量を制御することが可能となる。
前記駆動装置7は、本発明における管体移動手段に相当するものである。この駆動装置7は、管体6の外周に装着された環状の管体保持部13と、この管体保持部13を上下動可能に支持する支持部14とを備え、図示しない電動モータなどのアクチュエータによって管体保持部13を管体6と共に、上下動させる(管体6の軸心方向に移動させる)ようにしている。なお、支持部14は、長尺フィルタ2の側方に配置されている。
電子線検出器4は、図1に示すように、長尺フィルタ2の下側で、前記管体6の開口端部(一端部)に対面するように配置された薄板状の導電性検出部15と、この導電性検出部15に流れる微小電流を検出する電流検出器16とを備えている。導電性検出部15は、その材質が例えばグラファイトであり、これに電子線が照射されたときに、微小電流が流れるように設けられている。そして、電子線検出器4は、その微小電流を、該導電性検出部15に到達した電子線の強度を表すものとして、電流検出器16により検出するようにしている。なお、導電性検出部15は、後述するようにエアロゾル試料Aから発生する特性X線などのX線が透過可能なように十分に薄いものとされ、その厚さは、例えば1μm程度とされている。なお、電子線検出器4は本発明における電子線検出手段に相当する。
X線検出器5は、電子線検出器4の導電性検出部15の下側に配置されている。このX線検出器5は、そのX線検出部17(図2参照)が、管体6の直下に供給されるエアロゾル試料Aに臨むように設けられている。ただし、この場合、X線検出器5は、後述するようにX線発生用ターゲット11から発生する励起X線や制動X線がX線検出部17にほとんど入射せず、主に、エアロゾル試料Aで後述するように発生する特性X線が入射し得るように、図2に示す如く、管体6の軸心に対して傾けた姿勢で設けられると共に、該X線検出部17の周囲が、鉛等のX線が透過し難い材質からなる筒体18により覆われている。なお、X線検出器5は、本発明におけるX線検出手段に相当する。
次に、本実施形態の電子線・X線源装置3を含むエアロゾル分析装置1の作動を説明する。本実施形態のエアロゾル分析装置1によるエアロゾル試料Aの分析処理は、エアロゾル試料Aを電子線・X線源装置3の管体6の直下に配置しない状態で該管体6から放出される電子線の強度を基準強度I0として計測する電子線基準強度計測処理と、エアロゾル試料Aの重量分析を行なう重量分析処理と、エアロゾル試料Aの成分分析を行なう成分分析処理とから構成される。
まず、電子線基準強度計測処理が次のように実行される。すなわち、電子線・X線源装置3の管体6の直下にエアロゾル試料Aが無い状態(長尺フィルタ2のみが存在する状態)で、電子線・X線源装置3が起動される。この場合、電子線・X線源装置3の管体6から後述するように電子線を放出させたときに、電子線・X線源装置3の管体6の直下にエアロゾル試料Aが存在しても、該電子線の一部がエアロゾル試料Aを透過して、電子線検出器4の導電性検出部15に到達し、該電子線を電子線検出器4により適切な感度で検出し得るように、電子線・X線源装置3の管体6の高さ(管体6の開口端部と長尺フィルタ2との距離)が駆動装置8を介して調整される。そのような管体6の高さは、あらかじめ実験的に定められ、例えば、前記膜状蓋部材10と長尺フィルタ2との間隔が、500μm程度の間隔になるように、駆動装置8により、管体6の高さが調整される。
そして、この状態で、前記高圧電源7を作動させ、該高圧電源7から電子線放出部9と膜状蓋部材10との間に30kV程度の直流高電圧を印加する。これにより、電界放出方式によって、電子線放出部9の先端部から電子線が放出され、その電子線のビームが図2の破線で示す如く、X線発生用ターゲット11の孔12やその周囲の箇所に照射される。この場合、図2の矢印aで示す如く電子線放出部9から孔12に向かう電子線は、該孔12内からその直下の電子線透過窓部10aを透過し、管体6の外部(大気中)に放出される。そして、この電子線は、さらに長尺フィルタ2を透過した後、電子線検出器4の導電性検出部15に到達する。これにより、導電性検出部15に微小電流が流れ、その微小電流が、導電性検出部15に到達した電子線の強度を示すものとして、前記電流検出器16により検出される。
このように検出された電子線の強度は、電子線・X線源装置3の管体6から放出される電子線の基準強度I0として図示しないメモリなどに記録される。
次いで、エアロゾル分析装置1の上流側で、エアロゾル試料Aが上面に付着された長尺フィルタ2が移送され、該エアロゾル試料Aがエアロゾル分析装置1に供給される。このとき、電子線・X線源装置3の管体6の直下にエアロゾル試料Aが位置する状態で長尺フィルタ2の移送は中断される。
この状態で、管体6の直下のエアロゾル試料Aに対する前記重量分析処理と成分分析処理とが順次実行される。重量分析処理では、前記電子線基準強度計測処理の場合と同様に、前記高圧電源7を作動させることで、電子線放出部9から電子線を放出させ、その電子線をX線発生用ターゲット11の孔12および膜状蓋部材10の電子線透過窓部10aを介して、管体6の外部に放出させる。なお、このとき、管体6の高さは、前記電子線基準強度計測処理で調整した高さと同じ高さに設定される。
この場合、X線発生用ターゲット11の孔12および電子線透過窓部10aを通って管体6の外部に放出された電子線の一部は、管体6の直下に位置するエアロゾル試料Aおよび長尺フィルタ2を透過して、電子線検出器4の導電性検出部15に達するが、残部はエアロゾル試料Aで吸収される。そして、電子線検出器4の導電性検出部15に達した電子線の強度Iが、前記電子線基準強度計測処理の場合と同様に電子線検出器4により計測される。
ここで、このときに計測された電子線の強度Iと、前記基準強度I0(これはエアロゾル試料Aへの電子線の入射強度に相当する)との間には、次式(1)の関係が成立する。

I=I0・exp(−μ・X) ……(1)

この式(1)におけるexp( )は、自然対数の底eの指数関数を意味し、μは所定の定数である。また、Xはエアロゾル試料Aの単位面積当たりの質量[μg/cm2]である。
そこで、重量分析処理では、上記の如く計測した強度Iと基準強度I0とから式(1)により、エアロゾル試料Aの単位面積当たりの質量Xを計測する。これにより、エアロゾル試料Aの重量分析が行なわれる。
次いで、前記成分分析処理が実行される。この成分分析処理では、まず、前記駆動装置8により、管体6の高さ(管体6とエアロゾル試料Aとの距離)を変更する。この場合、変更後の高さは、X線発生用ターゲット11の孔12および電子線透過窓部10aを介して管体6の外部に放出された電子線がエアロゾル試料Aまで到達しないような高さに設定される。本実施形態では、電子線放出部9から放出される電子は、管体6内で30kVの電圧で加速されるが、この電子線は管体6から大気中に放出された後、1cm程度の距離で十分に減衰する。そこで、本実施形態では、前記膜状蓋部材10と長尺フィルタ2との間隔が、例えば2cm程度の間隔になるように、駆動装置8により、管体6の高さが変更される。このように、前記重量分析処理よりも、管体6をエアロゾル試料Aから遠ざけるのは、該エアロゾル試料Aに電子線が照射されたときに、該エアロゾル試料Aで発生する制動X線などの、該エアロゾル試料Aの成分分析に不要なX線がX線検出器5で検出さるのを防止するためである。
上記のように管体6の高さを変更した後、前記電子線基準強度計測処理の場合と同様に、前記高圧電源7を作動させることで、電子線放出部9から電子線を放出させ、その電子線がX線発生用ターゲット11の孔12やその周囲の箇所に照射される。
このとき、図2に矢印bで示す如くX線発生用ターゲット11に照射された電子線は、該X線発生用ターゲット11内で減衰しつつ、該ターゲット11の材質に応じた波長の励起X線を該ターゲット11の内部で発生させる。そして、この励起X線が、図2の矢印cで示す如く、X線発生用ターゲット11から膜状蓋部材10を通って、管体2の外部(大気中)に放出され、エアロゾル試料Aに照射される。このように、エアロゾル試料Aに励起X線が照射されることにより、該エアロゾル試料Aからその成分に応じた波長の特性X線が発生し、この特性X線が、図2の矢印dで示す如く、前記X線検出器5の筒体18を介してX線検出部17に入射する。なお、このとき、前記したようにX線検出器5が傾けられていると共に、筒体18が設けられているので、管体6から放出される励起X線がX線検出部17に入射するのが防止される。
これにより、X線検出器5のX線検出部17でエアロゾル試料Aから発生した特性X線が検出され、その波長に基づいてエアロゾル試料Aの成分分析が行なわれる。
上記のように成分分析処理が行なわれた後は、長尺フィルタ2が移送されて、エアロゾル試料Aが管体6の直下から下流側に移動される。そして、新たなエアロゾル試料が管体6の直下に供給される。
補足すると、前記電子線基準強度計測処理、重量分析処理および成分分析処理は、それらの実行順序を適宜変更してもよい。例えば、成分分析処理を重量分析処理よりも前に実行してもよい。また、例えば、重量分析処理では、エアロゾル試料Aを透過した電子線の強度Iの計測のみを行なっておき、その後に、電子線基準強度計測処理を実行して、エアロゾル試料Aの重量を算出するようにしてもよい。
以上説明した本実施形態のエアロゾル分析装置1の電子線・X線源装置3は、単一の管体6、電子線放出部9、高圧電源7を使用して、該管体6から、電子線とX線との両者を放出することができる。このため、電子線源およびX線源の両者の機能を有する電子線・X線源装置3を小型で簡易なものとすることができる。ひいては、従来のように電子線源とX線源とを各別に備える必要がなく、エアロゾル分析装置1を小型で簡易な構成とすることができると共に、該エアロゾル分析装置1を安価に提供できる。
次に、本発明の第2実施形態を図3および図4を参照して説明する。図3は本実施形態における電子線・X線源装置の構成を示す図、図4は該電子線・X線源装置に備えたX線発生用ターゲットおよび膜状蓋部材の平面図である。なお、本実施形態は、第1実施形態で説明したエアロゾル分析装置1の電子線・X線源装置3と、一部の構成のみが相違するので、第1実施形態と同一構成部分については第1実施形態と同一の参照符号を用い、説明を省略する。
図3および図4を参照して、本実施形態における電子線・X線源装置21は、前記第1実施形態の電子線・X線源装置3と、X線発生用ターゲット22の構成のみが相違する。すなわち、本実施形態では、膜状のX線発生用ターゲット22は、メッシュ状に形成されており、これが管体6の開口端部に装着された膜状蓋部材10の上面(管体6の内部側の面)に蒸着などにより固着されている。この場合、メッシュ状のX線発生用ターゲット22は、その目開き部分が、該X線発生用ターゲット22をその厚さ方向に貫通する孔23となっている。従って、X線発生用ターゲット22には、複数の孔23が格子状に配列されていることとなる。そして、膜状蓋部材10のうちの、各孔23(X線発生用ターゲット22の各目開き部分)に対向する部分10b(各孔23の直下の部分)が、電子線透過窓部10bとなっている。なお、膜状蓋部材10およびX線発生用ターゲット22のそれぞれの材質および厚さは、前記第1実施形態のものと同じでよい。
以上説明した以外の構成は、前記第1実施形態と同一である。そして、本実施形態の電子線・X線源装置21は、前記第1実施形態の電子線・X線源装置3の代わりに、前記エアロゾル分析装置1に備えられる。
かかる本実施形態の電子線・X線源装置21にあっても、単一の管体6から、電子線とX線との両者を放出することができる。すなわち、電子線放出部9から電界放出方式によって電子線を放出させると、その電子線のうち、図3の矢印eで示す如くX線発生用ターゲット22の孔23(目開き部分)に向かう電子線は、該孔23およびその直下の電子線透過窓部10bを通って管体6の外部に放出される。また、電子線放出部9から放出された電子線のうち、図3の矢印fで示す如く、X線発生用ターゲット22の孔23(目開き部分)以外の部位(X線発生用ターゲット22の存在部位)に向かう電子線は、X線発生用ターゲット22の内部に進入して、その部分から励起X線を発生させ、その励起X線が図3の矢印gで示す如く膜状蓋部材10を通って管体6の外部に放出されることとなる。
このように、本実施形態の電子線・X線源装置21にあっても、前記第1実施形態と同様に、単一の管体6、電子線放出部9、高圧電源7を使用して、該管体6から、電子線とX線との両者を放出することができる。このため、電子線源およびX線源の両者の機能を有する電子線・X線源装置3を小型で簡易なものとすることができる。ひいては、従来のように電子線源とX線源とを各別に備える必要がなく、エアロゾル分析装置1を小型で簡易な構成とすることができると共に、該エアロゾル分析装置1を安価に提供できる。
なお、本実施形態の電子線・X線源装置21を使用したエアロゾル試料Aの検査は、前記第1実施形態で説明した場合と全く同じ手法で行なうことができる。
次に、本発明の第3実施形態を図5および図6を参照して説明する。図5は本実施形態におけるエアロゾル分析装置の要部構成(電子線・X線源装置を含む)を示す図、図6は該エアロゾル分析装置の電子線・X線源装置に備えたX線発生用ターゲットおよび電子線透過窓部を示す平面図である。なお、本実施形態は、第1実施形態で説明したエアロゾル分析装置1の電子線・X線源装置3と、一部の構成のみが相違するので、第1実施形態と同一構成部分については第1実施形態と同一の参照符号を用い、説明を省略する。
図5および図6を参照して、本実施形態における電子線・X線源装置31は、前記第1実施形態の電子線・X線源装置3と異なる構成の膜状蓋部材32およびX線発生用ターゲット33が備えられると共に、電子線放出部9から放出される電子線を収束させつつ、その向きを変更するための電子レンズ34が備えられている。
さらに詳細には、本実施形態では、管体6の開口端部に、これを閉蓋するように装着された膜状蓋部材32の中心部と周縁との間の一つの局所部分に、該電子透過膜32の厚さ方向(法線方向)に貫通する一つの貫通穴32aが形成されている。該貫通穴32aは、円形の穴である。そして、この貫通穴32aには、これを埋めるように円形膜状のX線発生用ターゲット33が装着されている。該X線発生用ターゲット33は、その外周面が貫通穴32aの内周面に固着されている。また、膜状蓋部材32には、その中心に対して貫通穴32aと対称となる局所部分に、電子線透過窓部32aとしての円形の凹部32bが形成されている。従って、膜状蓋部材32の厚さは、電子線透過窓部32bの箇所で、他の部位よりも薄くなっている。なお、膜状蓋部材32の電子線透過窓部32bを除く部位の厚さと、X線発生用ターゲット33の厚さは、ほぼ同一で、例えば500μm程度である。また、電子線透過窓部32bの厚さは、例えば3μm程度である。また、本実施形態では、電子線透過膜32の材質として、電子線の照射によってX線が発生しにくく、且つ、電子線を透過可能な材質、例えばアルミニウムが使用される。ただし、その材質は、前記第1実施形態の膜状蓋部材10と同じであってもよい。
上記のように電子線透過窓部32bとX線発生用ターゲット33とを設けることにより、これらの電子線透過窓部32bとX線発生用ターゲット33とは、管体6の軸心方向で見たとき、図6に示すように、管体6の開口端部の位置で、互いに区画されて所定の位置に配置されるように設けられている。
補足すると、膜状蓋部材32に貫通穴32aを形成せずに、該膜状蓋部材32の上面の局所部分にX線発生用ターゲット33を固着するようにしてもよい。また、膜状蓋部材32の全体を、電子線を十分に透過可能な程度に薄く形成してもよく、この場合には、凹部32bを形成せずともよい。この場合には、膜状蓋部材32のうちの、X線発生用ターゲット33を配置した箇所以外の全体が、電子線透過窓部として機能する。
前記電子レンズ34は、電子線放出部9と膜状蓋部材32との間で管体6内に設けられている。この電子レンズ34は、電界あるいは磁界を発生し、その電界あるいは磁界によって、電子線放出部9から放出される電子線のビームを収束させながら、該ビームの向きを偏向するものである。この場合、本実施形態では、電子線放出部9から放出される電子線のビームは、図5に破線b1で示すように、膜状蓋部材32の電子線透過窓部32bに向かうビームと、図5に破線b2で示すように、X線発生用ターゲット33に向かうビームとに選択的に偏向される。
以上説明した以外の構成は、前記第1実施形態と同じである。そして、本実施形態の電子線・X線源装置31は、前記第1実施形態の電子線・X線源装置3の代わりに、前記エアロゾル分析装置1に備えられる。ただし、本実施形態では、管体6を上下動させる駆動装置8は必ずしも必要ではなく、管体6の外周に装着された環状の管体保持部13が支持部14に固定的に保持されていてもよい。
かかる本実施形態の電子線・X線源装置31にあっては、単一の管体6から、電子線とX線との両者を選択的に放出することができる。すなわち、電子線放出部9から電界放出方式によって放出される電子線のビームを前記電子レンズ34によって、膜状蓋部材32の電子線透過窓部32bに向けることによって、その電子線は、図5の矢印hで示す如く、電子線透過窓部32bを透過して、管体6の外部に放出される。また、電子線放出部9から放出される電子線のビームを前記電子レンズ34によって、X線発生用ターゲット33に向けることによって、その電子線は、図5の矢印iで示す如く,X線発生用ターゲット33の内部に進入して、その部分から励起X線を発生させ、その励起X線が図5の矢印jで示す如くX線発生用ターゲット33から管体6の外部に放出されることとなる。
このような電子線・X線源装置31を前記第1実施形態の電子線・X線源装置3の代わりに備えたエアロゾル分析装置による分析処理は次のように行なわれる。
すなわち、本実施形態のエアロゾル分析装置によるエアロゾル試料Aの分析処理は、前記第1実施形態と同様に、電子線基準強度計測処理と、重量分析処理と、成分分析処理とから構成される。
本実施形態のエアロゾル分析装置では、電子線・X線源装置31の管体6から後述するように電子線を放出させたときに、電子線・X線源装置31の管体6の直下にエアロゾル試料Aが存在しても、該電子線の一部がエアロゾル試料Aを透過して、電子線検出器4の導電性検出部15に到達し、該電子線を電子線検出器4により適切な感度で検出し得るように、電子線・X線源装置3の管体6の高さ(管体6の開口端部と長尺フィルタ2との距離)があらかじめ設定されている。そして、管体6の高さは、その設定された高さに固定される。例えば、膜状蓋部材32と長尺フィルタ2との間隔が、500μm程度の間隔になるように、管体6の高さが設定されている。
そして、電子線基準強度計測処理が次のように実行される。すなわち、電子線・X線源装置31の管体6の直下にエアロゾル試料Aが無い状態(長尺フィルタ2のみが存在する状態)で、電子線・X線源装置31が起動される。そして、この状態で、前記高圧電源7から電子線放出部9と膜状蓋部材31との間に30kV程度の直流高電圧を印加し、電子線放出部9の先端部から電子線を放出させる。同時に、電子線放出部9から放出される電子線のビームを、図5のb1で示す如く、前記電子線透過窓部32bに向かわせるように電子レンズ34を作動させ、該電子線透過窓部32bに電子線のビームb1を照射する。なお、このとき、電子線のビームb1は、X線発生用ターゲット33には照射されない。
この場合、電子線透過窓部32bに照射された電子線は、図5の矢印hで示す如く電子線透過窓部32bを透過し、管体6の外部(大気中)に放出される。そして、この電子線は、さらに長尺フィルタ2を透過した後、電子線検出器4の導電性検出部15に到達する。これにより、導電性検出部15に微小電流が流れ、その微小電流によって、前記第1実施形態と同様に、電子線の基準強度I0が検出される。
また、エアロゾル試料Aの重量分析処理および成分分析処理は、長尺フィルタ2の移送によって、エアロゾル試料Aを電子線・X線源装置31の管体6の直下に供給した状態で次のように行なわれる。
すなわち、重量分析処理では、前記電子線基準強度計測処理の場合と同様に、前記高圧電源7を作動させることで、電子線放出部9から電子線を放出させ、その電子線のビームb1を電子レンズ34によって膜状蓋部材32の電子線透過窓部32bに照射させる。
この場合、電子線透過窓部32bを通って管体6の外部に放出された電子線の一部が、管体6の直下に位置するエアロゾル試料Aおよび長尺フィルタ2を透過して、電子線検出器4の導電性検出部15に達する。そして、電子線検出器4の導電性検出部15に達した電子線の強度Iが、前記電子線基準強度計測処理の場合と同様に計測される。さらに、この強度Iの計測値と、前記基準強度I0とから前記式(1)の関係に基づいて、エアロゾル試料Aの単位面積当たりの質量Xを計測する。これにより、エアロゾル試料Aの重量分析が行なわれる。
また、成分分析処理では、前記高圧電源7を作動させることで、電子線放出部9から電子線を放出させる。そして、この場合には、電子線放出部9から放出される電子線のビームを、図5のb2で示す如く、前記X線発生用ターゲット33に向かわせるように電子レンズ34を作動させ、該X線発生用ターゲット33に電子線のビームb2を照射する。なお、このとき、電子線のビームb2は、X線発生用ターゲット33にのみ照射され、電子線透過窓部32bを含む膜状蓋部材32には照射されない。
この場合、図5に矢印iで示す如くX線発生用ターゲット33に照射された電子線は、該X線発生用ターゲット33内で減衰しつつ、該ターゲット33の材質に応じた波長の励起X線を該ターゲット33の内部で発生させる。そして、この励起X線が、図5の矢印jで示す如く、X線発生用ターゲット33から管体2の外部(大気中)に放出され、エアロゾル試料Aに照射される。これにより、該エアロゾル試料Aからその成分に応じた波長の特性X線が発生し、この特性X線が、図5の矢印kで示す如く、前記X線検出器5の筒体18を介してX線検出部17に入射する。そして、前記第1実施形態と同様に、X線検出器5のX線検出部17でエアロゾル試料Aから発生した特性X線が検出され、その波長に基づいてエアロゾル試料Aの成分分析が行なわれる。
以上のように、本実施形態では、電子線・X線源装置31から、電子線とX線とを選択的に放出させることができる。このため、管体6をその軸心方向に移動させる駆動装置8を必要とすることなく、エアロゾル試料Aの重量分析および成分分析を行なうことができる。
また、本実施形態の電子線・X線源装置31にあっても、単一の管体6、電子線放出部9、高圧電源7を使用して、電子線とX線とを放出することができるため、電子線源およびX線源の両者の機能を有する電子線・X線源装置3を小型で簡易なものとすることができる。ひいては、エアロゾル分析装置を小型で簡易な構成とすることができると共に、該エアロゾル分析装置を安価に提供できる。
なお、本実施形態で説明した膜状蓋部材32(電子線透過窓部32aを含む)とX線発生用ターゲット33とを合わせた構造形態(管体6の開口端部への装着物の構造形態)は、前記第1実施形態で説明した膜状蓋部材10(電子線透過窓部10aを含む)およびX線発生用ターゲット11(孔12を含む)を合わせた構造形態の代わりに、該第1実施形態の電子線・X線源装置3(電子レンズを備えないもの)で採用するようにしてもよい。また、電子線放出部9から放出される電子ビームを電子レンズ34によって、より細い所望の径のビームに絞ることができるようにした場合には、前記第1実施形態あるいは第2実施形態で説明した膜状蓋部材(電子線透過窓部を含む)とX線発生用ターゲットとのを合わせた構造形態を、第3実施形態で説明した膜状蓋部材32(電子線透過窓部32aを含む)とX線発生用ターゲット33とを合わせた構造形態の代わりに、第3実施形態の電子線・X線源装置31(電子レンズ34を備えるもの)で採用し、その電子レンズ34によって、電子線透過窓部とX線発生用ターゲットとに選択的に電子ビームを照射させるようにしてもよい。
また、前記第3実施形態では、電子線基準強度計測処理と、重量分析処理と、成分分析処理とのいずれの処理でも、管体6の上下方向の位置(長尺フィルタ2あるいはエアロゾル試料Aからの距離)は一定でよいが、電子線・X線源装置31のメンテナンスや、前記重量分析処理および成分分析処理における電子線やX線の検出感度の初期調整などを目的として、駆動装置8によって管体6をその軸心方向に動かすようにしてもよい。
本発明の第1実施形態の電子線・X線源装置を使用するエアロゾル分析装置の全体構成の概略を示す側面図。 図1のII−II線断面図。 本発明の第2実施形態における電子線・X線源装置の構成を示す図。 図3の電子線・X線源装置に備えたX線発生用ターゲットおよび膜状蓋部材の平面図。 本発明の第3実施形態におけるエアロゾル分析装置の要部構成(電子線・X線源装置を含む)を示す図。 図5のエアロゾル分析装置の電子線・X線源装置に備えたX線発生用ターゲットおよび電子線透過窓部を示す平面図である。
符号の説明
1…エアロゾル分析装置、2…長尺フィルタ(エアロゾル供給手段)、3,21,31…電子線・X線源装置、4…電子線検出器(電子線検出手段)、5…X線検出器(X線検出手段)、6…管体、8…駆動装置(管体移動手段)、9…電子線放出部、10…膜状蓋部材、10a,10b,32b…電子線透過窓部、11,22,33…X線発生用ターゲット、12,23…孔、A…エアロゾル試料。

Claims (4)

  1. 真空引きされた管体内に該管体の一端部に向かって電子線を放出する電子線放出部が該管体に固定して設けられると共に、前記電子線放出部から放出される電子線を照射可能な位置で前記管体の一端部にそれぞれ設けられ、該電子線放出部から照射された電子線を該管体の外部に透過させる電子線透過窓部と、照射された電子線によって励起されるX線を発生するX線発生用ターゲットとを備え、前記電子線放出部から放出される電子線のビームは、そのビームの照射範囲に前記電子線透過窓部およびX線発生用ターゲットの両者を含むビームであり、前記管体をその軸心方向で移動させる管体移動手段を備えたことを特徴とするたことを特徴とする電子線・X線源装置。
  2. 前記管体の一端部は、前記電子線およびX線を透過可能な膜状蓋部材により閉蓋されており、前記X線発生用ターゲットは、該膜状蓋部材の表裏面のうちの前記管体の内部側の面に固着された膜状のターゲットであると共に、その厚み方向に貫通する少なくとも1つの孔が形成されており、前記膜状蓋部材のうちの前記各孔に対向する部分が前記電子線透過窓部として構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子線・X線源装置。
  3. 前記X線発生用ターゲットは、メッシュ状に形成されたターゲットであり、その目開き部分を前記孔として有することを特徴とする請求項2記載の電子線・X線源装置。
  4. 請求項1記載の電子線・X線源装置を備えたエアロゾル分析装置であって、
    エアロゾルの試料を前記電子線・X線源装置の管体の一端部に対向する位置に供給するエアロゾル試料供給手段と、前記管体の軸心方向における該管体と前記供給されたエアロゾル試料との距離を、該管体の一端部から放出される電子線が該エアロゾルの試料に到達可能な距離に前記管体移動手段により調整した状態で、該管体の一端部から放出されて該エアロゾル試料を透過した電子線を検出する電子線検出手段と、前記管体の軸心方向における該管体と前記供給されたエアロゾル試料との距離を、該管体の一端部から放出される電子線が該エアロゾルの試料に到達不能となる距離に前記管体移動手段により調整した状態で、該管体の一端部のX線発生用ターゲットから放出されて該エアロゾルの試料に照射されるX線によって該エアロゾルの試料から発生する特性X線を検出するX線検出手段とを備えたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
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