JP2000347377A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法及び装置 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法及び装置

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JP2000347377A
JP2000347377A JP11161242A JP16124299A JP2000347377A JP 2000347377 A JP2000347377 A JP 2000347377A JP 11161242 A JP11161242 A JP 11161242A JP 16124299 A JP16124299 A JP 16124299A JP 2000347377 A JP2000347377 A JP 2000347377A
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Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なったハロゲン化銀組成の乳剤を有する撮
影用感光材料を混合処理しても、双方の感光材料共に、
安定した写真特性を提供する。 【解決手段】 現像液を貯留する現像槽と、現像補充液
を濃縮した濃厚補充液を現像槽に供給する濃厚補充液供
給手段と、前記濃厚補充液を希釈する希釈水を前記現像
槽に供給する希釈水供給手段と、前記感光材料のそれぞ
れの既処理量を設定する処理量設定手段と、前記感光材
料のそれぞれの処理量に応じて、前記現像補充液の濃度
と単位処理面積当たりの前記現像補充液の補充量とを共
に変更するように、前記希釈水の供給量を変更する希釈
水供給制御手段と、を備えた処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の処理方法及び装置に関し、詳しくは、
ハロゲン化銀組成の異なった乳剤を有し、現像挙動の異
なる感光材料を混合処理しても、それぞれ優れた写真特
性を維持できる処理方法、及び、ハロゲン化銀組成の異
なる乳剤を有する感光材料を同時に処理可能な処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の中で
も写真撮影に使用する写真フィルム感光材料(以下単に
「フィルム」ともいう)はその塗布銀量がプリント材料
(以下単に「プリント」ともいう)に比較して多いの
で、現像工程や脱銀工程への負荷が大きく、したがって
現像処理時間が長いのが一般的である。他方、昨今のカ
ラーラボ(現像所)の分散化に伴い、市中の写真店など
の店頭で現像処理(以下単に「処理」ともいう)を行う
ミニラボと呼ばれる形の小型カラーラボが増加してお
り、ミニラボで行う店頭処理が従来の集配を前提とした
集配処理に置き替わる傾向が顕著である。店頭処理で
は、特に仕上がり納期の短時間化が重要な課題であり、
とりわけ時間の長いフィルムの処理時間を短縮すること
が望まれている。
【0003】このような、フィルム処理工程を短縮化す
る手段として、従来から使用されているハロゲン化銀の
主成分が臭化銀である高臭化銀乳剤を含有するフィルム
に替わり、ハロゲン化銀の主成分が塩化銀である高塩化
銀乳剤を含有するフィルムが開示されている。後者は前
者に比べ、現像時の反応速度が速く、また、定着処理時
に阻害となるようなヨウ素イオンの放出が殆どないため
に、処理の迅速化や補充量の低減に優れた乳剤と言えよ
う。このような高塩化銀乳剤の例としては、特開昭63
−2129932号公報に(111)面を有する高塩化
銀乳剤を含有する技術が開示されている。また、米国特
許第5264337号明細書には(100)面を有する
平板乳剤が開示されている。更にこのような高塩化銀乳
剤を用いた撮影材料(フィルム)は、同じ高塩化銀乳剤
を用いたカラーペーパー(プリント)と共通の処理液を
使用できる可能性があり、かかる技術については、EP
−617325A明細書や特開平7−270991号公
報等に開示されている。
【0004】このような高塩化銀型の撮影材料は、迅速
現像性に優れている利点を持つが、現在のカラー写真及
びカラーラボ市場は、高臭化銀型の撮影材料によって構
成されており、高塩化銀型の撮影材料を現像する体制は
存在しない。高塩化銀型の撮影材料が導入され、普及し
て、それが市場の中心的な撮影材料となり、専用の現像
サービス網が完備されると、ユーザーは多くのメリット
を得ることができるわけであるが、高塩化銀撮影材料の
導入当初は、導入撮影材料用の新処理の現像サービス網
が十分ではなく、既存の高臭化銀乳剤を用いたフィルム
用の処理システムを用いて現像サービスを行うという場
合が生じる。すなわち、高塩化銀撮影材料の導入当初
は、新旧感光材料の混合処理が行われると予想され、こ
の場合には、カラー現像液中の組成の変動とりわけ、臭
素イオン濃度の変動が激しく、沃臭化銀乳剤を有する感
光材料、高塩化銀乳剤を有する感光材料双方とも著しい
写真特性の変動(特に感度や階調)が生じ、写真性能の
維持が困難となるのでその対策が必要となることが判明
した。勿論、市場がすべて高塩化銀乳剤を有する撮影材
料に切り変われば、専用の現像処理ができるのでこのよ
うな問題は解消される。
【0005】高塩化銀撮影材料の導入段階において、従
来の高臭化銀撮影材料と共通の処理を行わざるを得ない
場合にも、従来の高臭化銀撮影材料用の補充液が共通に
使用できれば、新型の撮影材料の導入を阻む難点が解決
されるので、それを可能にする新たな補充方式の提案が
待たれている。
【0006】一方、撮影用感光材料の現像処理装置とし
ては、例えば特開平9−43806号公報に記載の装置
がある。この装置は、各種処理液を濃縮した濃厚補充液
を収容した補充タンクと、該濃厚処理液を希釈する希釈
水を収容した補水タンクとを備えている。各補充タンク
及び補水タンクには、処理槽に延びる流路管が設けられ
ている。補充時期になると、各流路管に設けられたポン
プを操作して、濃厚補充液および希釈水を処理槽に供給
して現像補充液を補充できるようになっている。この装
置によれば、処理槽内に貯留された処理液の、処理に伴
う液疲労を抑制できると共に、蒸発した水分を補充でき
るとされている。しかし、このような現像処理装置であ
っても、高塩化銀撮影材料の導入段階において、従来の
高臭化銀撮影材料と共通の処理を行わざるを得ない場
合、写真特性の維持が困難となる。そこで、双方の撮影
材料を適正に処理できる新たな補充方法が望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、異なったハロゲン化銀組成の乳剤を有する撮影
用感光材料を混合処理しても、双方の感光材料共に、安
定した写真特性を有することができる処理方法及び装置
を提供することにある。とりわけ、従来から使用してい
た処理剤及び現像処理装置を共通に使用でき、かつ現像
処理装置の改造負荷が少ない処理方法及び装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成される。 (1) ハロゲン組成の大きく異なる2種の撮影用ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料を共通のカラー現像液にて
処理する方法において、現像補充液の補充方法が、前記
現像補充液を濃縮した濃厚補充液と、前記濃厚補充液を
希釈する希釈水とをそれぞれ現像槽に直接供給する方法
であり、双方の感光材料の処理量に応じて、前記希釈水
の供給量を変更することによって前記現像補充液の濃度
を変更すると共に単位処理面積当たりの前記現像補充液
の補充量を変更することを特徴とするハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の処理方法。 (2) 臭化銀含有率が50〜100モル%の高臭化銀
乳剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料
Aと、塩化銀含有率が50〜100モル%の高塩化銀乳
剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料B
とを共通のカラー現像液にて処理する方法において、現
像補充液の補充方法が、前記現像補充液を濃縮した濃厚
補充液と、前記濃厚補充液を希釈する希釈水とをそれぞ
れ現像槽に直接供給する方法であり、双方の感光材料の
処理量に応じて、前記希釈水の供給量を変更することに
よって前記現像補充液の濃度を変更すると共に単位処理
面積当たりの前記現像補充液の補充量を変更することを
特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
法。
【0009】(3) ハロゲン組成の大きく異なる2種
の撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料を共通のカラ
ー現像液にて処理する処理装置において、現像液を貯留
する現像槽と、現像補充液を濃縮した濃厚補充液を前記
現像槽に直接供給する濃厚補充液供給手段と、前記濃厚
補充液を希釈する希釈水を前記現像槽に供給する希釈水
供給手段と、前記感光材料のそれぞれの既処理量を設定
する処理量設定手段と、前記感光材料のそれぞれの処理
量に応じて、前記現像補充液の濃度と単位処理面積当た
りの前記現像補充液の補充量とを共に変更するように、
前記希釈水の供給量を変更する希釈水供給制御手段と、
を備えたことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料の処理装置。 (4) 臭化銀含有率が50〜100モル%の高臭化銀
乳剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料
Aと、塩化銀含有率が50〜100モル%の高塩化銀乳
剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料B
とを共通のカラー現像液にて処理する処理装置におい
て、現像液を貯留する現像槽と、現像補充液を濃縮した
濃厚補充液を前記現像槽に直接供給する濃厚補充液供給
手段と、前記濃厚補充液を希釈する希釈水を前記現像槽
に供給する希釈水供給手段と、前記感光材料のそれぞれ
の既処理量を設定する処理量設定手段と、前記感光材料
のそれぞれの処理量に応じて、前記現像補充液の濃度と
単位処理面積当たりの前記現像補充液の補充量とを共に
変更するように、前記希釈水の供給量を変更する希釈水
供給制御手段と、を備えたことを特徴とするハロゲン化
銀カラー写真感光材料の処理装置。
【0010】
【作用】本発明によれば、濃厚補充液(濃縮補充液とも
いう)を希釈する希釈水の供給量を変更することによ
り、現像補充液の濃度を調整できると共に、その現像補
充液の単位処理面積当たりの補充量を調整できる。高塩
化銀乳剤を含む感光材料の処理量が増えて行くと、現像
液中の臭素イオン濃度が次第に低くなって行き、本来必
要な臭素イオン濃度が得られなくなる。したがって、何
らかの方法で臭素イオン濃度を上昇させる必要がある。
そこで、本発明では、高塩化銀乳剤を含有する感光材料
の処理量が増加するに従って、現像補充液量をそれまで
の補充量より減量して現像槽内の現像液量を減らすこと
により、現像液中の臭素イオン濃度を高め、本来必要な
設定値を維持する。しかし、現像補充液の量を減らした
だけだと、必要な現像主薬やアルカリ等の量も減ってし
まうので、本発明では補充する現像補充液の濃度をそれ
までの濃度より高めている。したがって、現像補充液を
減量補充しても、現像補充液は濃縮化されているので、
主薬やアルカリ等は必要量が確保されており、適正な現
像性能を維持することができる。本発明において、ハロ
ゲン組成の大きく異なる2種の撮影用ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料とは、2種の各感光材料における主たる
ハロゲン化銀の含有率が50〜100モル%であり、2
種の各感光材料に含有される前記主たるハロゲン化銀が
相互に異なるものを意味する。
【0011】現在のカラー写真市場に流通している撮影
用ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、臭化銀含有率が
50〜100モル%の高臭化銀乳剤を含有する材料(以
下撮影用材料A、或いはフィルムAともいう)である。
グローバルなカラー写真市場では、感光材料メーカー各
社からこれに対応する高臭化銀乳剤を含有する感光材料
が供給されており、各カラーラボではメーカーのいずれ
かを問わず同じ現像処理を行っているので、本発明では
これらすべてを撮影用材料A、或いはフィルムAと呼
ぶ。
【0012】この材料に対して迅速現像性などの利点を
有して導入が望まれている撮影用ハロゲン化銀カラー写
真感光材料は、塩化銀含有率が50〜100モル%の高
塩化銀乳剤を含有する材料(以下撮影用材料B、或いは
フィルムBともいう)である。フィルムBに対しても上
記フィルムA同様、供給元の感光材料メーカーのいずれ
かを問わず、この種のフィルムをフィルムBと呼ぶ。
【0013】このフィルムAとフィルムBとを共通のカ
ラー現像液にて処理する方法として、特開平9−204
030号公報では両者の臭化銀含有率と処理量に基づい
て臭素イオン濃度の異なる2種の現像補充液を用意して
処理を行うことが開示されている。それに対して本発明
では、両者の処理量に応じてカラー現像補充液の補充量
だけでなく、現像補充液の濃度も変更することによって
一層安定でかつ処理量の小変動毎の調節も不要となる簡
易な現像処理を可能にする方法である。しかも補充量と
濃度を共に変更することによって、補充量を高く設定す
る必要も無くなり、経済的でかつ廃液量も少ない実際的
な補充を行うことができる。
【0014】ここに、現像補充液の濃度とは、濃厚補充
液処方における構成薬品を溶解及び/又は希釈する水の
量と濃厚補充液の量の合計に対する構成薬品の濃度を指
している。言い換えれば、濃厚補充液の個々の構成薬品
間の相対的な量比関係を一定に保ったまま希釈水の量を
変えて得られる濃度を指す。
【0015】本発明において、フィルムAとフィルムB
の共通処理におけるカラー現像補充液の補充量と濃度と
の変更は、現像槽中の臭素イオン濃度を標準濃度を中心
とする許容範囲内に保つように行われる。ここにいう標
準濃度という意味は、フィルムの写真特性を標準の仕上
がりにするために定められた濃度である。標準濃度は、
現像処理設計の段階で定められ、現像操作はこの標準濃
度を維持するように行われる。また、現像槽中の濃度の
標準濃度を中心とする濃度変動に対する許容範囲は、写
真特性の変動が許容できる範囲内になるように定められ
る。写真特性の変動が許容できる範囲内とは、大多数の
ユーザーが満足する仕上がりが得られる範囲内であっ
て、具体的には国際規格ISO10977などに解説さ
れている。本発明では、臭素イオン濃度の変動がこの範
囲内に保たれるように現像補充液の補充量と濃度とを設
定する。
【0016】カラー現像補充液の補充量と濃度とを共に
変更することの具体的内容について説明を加えておく。
フィルムAを現像処理している現像装置にフィルムBを
同時に混合処理すると、フィルムBは現像中に現像液に
放出される臭素イオン量が少ないために、そのままでは
現像槽中の臭素イオン濃度が低下して仕上がりフィルム
の写真特性が不満足なものになる。そこで、一般的には
補充液組成を変更する必要が生じる。しかしながら、本
発明の方法では、現像槽に添加される補充量を低減し
て、現像槽中の臭素イオン濃度の維持を図る(補充液は
臭素イオンを含まないか、含んでいても現像槽中の濃度
より低い)。補充量を低減すると、臭素イオン濃度を維
持することができても、発色現像主薬をはじめとする他
の構成薬品の濃度を維持できなくなる。そこで、本発明
では補充液の濃度も変更して、他の構成薬品の現像槽中
の濃度も維持できるようにする。これが補充量と濃度と
を共に変更して2種類のフィルムを同時に現像できるよ
うにした本発明の要諦である。この方法によって、フィ
ルムBの混合比率が変化しても基本となる補充液の処方
を変更する必要がなく、使用中の補充液の補充量と濃度
(つまり調製に用いる希釈用の水の量)の変更だけで対
応することが可能となる。
【0017】とりわけ、補充量と濃度の変更が、臭素イ
オンのみでなく、発色現像主薬もその標準濃度を中心と
する許容範囲内に保つように変更されることが更に好ま
しい。通常の撮影用カラー感光材料の現像の目安として
は、現像槽内の臭素イオン濃度が処方の設定濃度に対し
て、個々のブランドの製品により多少の差はあるが、±
10%(通常±0.14g/リットル程度)までは、写
真特性がほぼ許容できる。また、発色現像主薬の濃度も
設定濃度に対して±10%(通常±0.5g/リットル
程度)までは、ほぼ許容できる。また、現像液のpHに
関しては±0.05の変動範囲が許容できる。したがっ
て本発明は、双方の感光材料の混合率の変化に応じて、
現像補充液の濃度と補充量の両方を変更して、現像槽内
のこれらの濃度値やpH値、特に臭素イオン濃度値を双
方の感光材料の写真特性が維持される許容範囲内に維持
する方法でもある。
【0018】以上が、本発明の基本的方法であるが、以
下に個々の主なカラー現像方法へ適用する場合の具体的
な態様について述べる。多くのカラーラボ、特にミニラ
ボでは、現像補充液の調製には処理剤メーカーから供給
されるカラー現像補充液を定められた割合で水希釈して
いる。この現像補充液の濃度の変更は、希釈用の水の量
を変更することによって行う。
【0019】現像補充液の調合処理剤は、単一の組成物
のこともあり、また、幾つかの複数の組成物(通常個々
の組成物をパートと呼んでいる)から構成されているこ
ともある。いずれにしてもこれらが水で希釈されて現像
補充液が調製される場合において、本発明では、希釈水
の量を変更することによって現像補充液の濃度を変更す
るので、単純であり、実際的である。また必要に応じ
て、単位処理面積当たりの濃厚補充液の投入量や投入間
隔を変更してもよい。
【0020】例えば特開平7−295190号公報に
は、各パートと水を別個に現像槽に投入し、現像槽内で
実質的に希釈がなされる方式が開示されている。本発明
の現像処理方法をこの方式に適用する場合には、各パー
トの投入量に対する水の投入量を変化させることによっ
て、現像補充液の濃度を変更するとともに補充量を変更
するのが、実際的な好ましい態様となる。すなわち、高
臭化銀感光材料の中に高塩化銀感光材料が混合処理され
る場合に、各パートの注入速度に対して水の注入速度を
遅くすることによって、添加される現像補充液の濃度を
高くし、同時に補充速度を遅くするのである。なお、本
発明の現像処理方法は、前述した特開平9−43806
号公報に記載の現像処理装置にも適用できる。
【0021】次に、本発明におけるハロゲン組成の大き
く異なる2種類の撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の好ましい実施態様について説明する。本発明におい
てフィルムAは、ヨウ素イオンを0.1〜15モル%含
有する沃臭化銀乳剤を含有するフィルムであり、従来型
の汎用フィルムを代表するものと位置付けている。一
方、フィルムBは、塩化銀含有率が50〜100モル%
の平板状ハロゲン化銀粒子からなる高塩化銀乳剤を含有
するフィルムであり、将来型の汎用フィルムとなるもの
と期待されるフィルムを想定している。特にフィルムB
は(100)又は(111)面を主平面として有する平
板状の塩化銀含有率が80%以上の高塩化銀粒子からな
る乳剤を含有することが好ましい。
【0022】以上の説明からも判るように、本発明の処
理方法及び装置に用いられる現像補充液は、フィルムA
用として市場に供給或いは処方提示される現像補充液で
あることが、望ましい。この現像補充液であれば、処理
薬品や処理剤の供給が確保されており、現像処理方法も
フィルムA用としては確立しているので、この方法に準
拠してフィルムBの同時処理量に応じて、上記した本発
明の方法に従って変更してゆくことができる。したがっ
て、混合処理においても現像用の調合処理剤や現像補充
液処方を変更する必要はなく、現像処理装置の改造も不
要或いはごく僅かに留めることができる。
【0023】以上に述べたことの一部繰り返しとなる
が、フィルムAが主体の現在の市場における現像処理か
らフィルムBが導入されて混合処理がされて、やがてほ
ぼフィルムBが市場の主体となるに至る間の本発明の現
像処理方法の態様を具体的に示すこととする。フィルム
Aが主体である現在のカラーラボでは、フィルムAの専
用処理が行われている。この処理では、現像補充量は、
補充液処方によって異なるが、通常200〜1500ミ
リリットル/m2 であり、現像槽中の臭素イオン濃度が
8×10-3〜13×10-3モル/リットル含有する場合
が好ましく、更に好ましくは1×10-2〜1.2×10
-2モル/リットルの範囲である。
【0024】例えば現像濃厚補充液の汎用の形態として
は、A剤,B剤,C剤などと呼ばれる3剤構成のパーツ
から構成されていて、これに水を加える場合,D剤,E
剤と呼ばれる2剤構成のパーツからなり、これに水を加
える場合,F剤と呼ばれる1剤構成のパーツからなり、
これに水を加える場合などがある。また、これらの各パ
ーツと水は、それぞれ定量ポンプで送液されて自動調合
されてもよい。また、前記したようにそれぞれが現像槽
に自動的に送液されて現像槽中で実質的な調合と補充が
なされるのが好ましい態様である。
【0025】ここで、フィルムBが市場導入されて混合
処理を行う段階で本発明の方法が開始される。補充量
は、フィルムBの混合比率に応じて変更されるが、例え
ばフィルムBが臭化銀を含まないフィルムであってその
比率が20%である場合、現像中に現像槽に放出される
臭素イオン量は20%減少するので、それに見合うよう
に補充量を20%減量すると現像中にフィルムAから現
像槽に放出される臭素イオンと補充液とによって一定の
臭素イオン濃度が維持される。フィルムBが導入されて
も、フィルムの仕上がり品質保持のためにこの臭素イオ
ン濃度を維持する必要がある。一方、補充量を低減する
と、発色現像主薬などの現像液中で消費される構成薬品
の濃度がそのままでは維持できなくなるので、補充量の
低減に見合う分、つまり消費される構成薬品の濃度をほ
ぼ20%高めることにより濃度維持が可能となり、補充
液を調製する場合の水の量を20%減量することによっ
て対応できる。
【0026】より一般的にいえば、フィルムA及びフィ
ルムBの乳剤の臭化銀含有率が、それぞれaモル%、b
モル%であり、フィルムBの混合比率がx%であるとす
ると、混合処理の際の補充量V1は、下記の式で表され
る。 V1=V×〔a×(1−0.01x)+b×0.01
x〕/a また、補充液の濃縮率は、大略V/V1となる。ここに
Vは、フィルムAのみを現像処理する場合の補充量であ
る。補充量と補充液の濃度の変更は、混合比率xの変化
に応じて、連続的に行うこともできるが、より実際的に
はxの増加に伴って段階的に変更してもよい。例えば、
下記の形体が考えられる。カラーラボには、フィルムA
及びフィルムBと呼んでいる感光材料は、いろいろの感
光材料メーカーから感度などの異なるいろいろのブラン
ド名のものが現像依頼されるので、それらがすべて同じ
現像処方で好ましい仕上がりになるように、許容度の広
い現像処理処方が設計さている。したがって、下記した
ような段階的な変更を行っても、実質的な写真特性の低
下は避けられるのが普通である。
【0027】 xが0〜10%の間: V1=95%とする。 xが11〜20%の間:V1=85%とする。 xが21〜30%の間:V1=75%とする。
【0028】この方法でフィルムBの混合比率の増加に
伴って補充量を100%から95%、85%に、そして
更に75%に低減して、それに見合って高濃度化させた
補充液を用いて処理を行う。この方法でフィルムBの混
合比率が50%までは、仕上がりフィルムの写真特性を
許容範囲内に維持して現像処理することができる。フィ
ルムBの混合比率が更に増えてきた場合には、それに応
じて補充量を更に低減してもよいが、特開平9−204
030号公報で提案した臭素イオンを別途添加する方法
を併用する方がより好ましい。
【0029】フィルムAとフィルムBとの混合比率を知
るには、ユーザーからの現像依頼の注文の受け付け本数
によって知ることもできるが、より簡便な方法としては
現像処理装置にDXコードの読み取り装置を付属させる
ことによってフィルムAとフィルムBのそれぞれのフィ
ルムタイプをカウントしてその積算値から知ることもで
きる。また、現像液の分析管理を行うような大型現像所
では、現像槽のタンク液の組成を監視してその比率が標
準値を中心とする許容範囲から外れるようになったとき
に、フィルムBの混合比率が高い段階に補充量と補充液
濃度の設定を変更するという方法を取ることもできる。
【0030】上記した現像処理方法に用いる共通のカラ
ー現像補充液は、現在各処理薬品メーカーや処理剤メー
カーが供給している薬品や調合処理剤を引き続き使用す
ることができる。なお、本発明は、希釈水の量を変更す
ることで現像補充液の濃度を変更するものであるが、濃
厚補充液は、個々のブランドの製品により多少の差があ
るので、必要に応じて、希釈水の量を変更すると共に濃
厚補充液の量を変更してもよい。
【0031】現像補充液或いは補充剤は、芳香族第一級
アミン系発色現像主薬を必須の成分として含んでいる。
この発色現像主薬としては、アミノフェノール系化合物
も有用であるが、p-フェニレンジアミン系化合物が好ま
しく使用され、その代表例としては、3-メチル-4- アミ
ノ-N,Nジエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N- β- ヒドロキシエチルアニリン、3-メチル-4- ア
ミノ-N- エチル-N- β-メタンスルホンアミドエチルア
ニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル- β-メトキシ
エチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミ
ノ-3- メチル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)ア
ニリン、4-アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキ
シプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピ
ル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3-
プロピル -N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブ
チル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-
ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-
プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ
-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロ
ピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒ
ドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N-
ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブ
チル)アニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N- エチル-N-
(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキ
シ-N,N- ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-ア
ミノ-3- プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、
及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホ
ン酸塩、或いはそれらの塩の水和物などが挙げられる。
これらの中で、特に、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N
-β- ヒドロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル
-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、及びこれらの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩
もしくは硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応
じ2種以上併用することもできる。
【0032】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は、
カラー現像液1リットル当たり好ましくは0.0002
モル〜0.2モル、更に好ましくは0.001モル〜
0.1モルであり、調製した補充液として、或いは直接
現像槽に投入する形で補充する場合に現像槽の中の濃度
が上記の範囲を維持するように設計されている。
【0033】カラー現像補充液(以下の組成に記載は、
カラー現像補充液用の調合処理剤の組成にも当てはま
る)には、必要に応じて、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ
酸塩もしくはリン酸塩、5−スルフォサリチル酸塩など
のアルカリ剤とpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物
塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしく
はメルカプト化合物のような現像抑制剤又はカブリ防止
剤、イソチアゾロン類、サイアベンダゾール類、ベンゾ
トリアゾール類、ベンゾイソチアゾロン類などの防黴
剤、保恒剤や酸化防止剤、キレート剤等を含有してい
る。
【0034】必要に応じて用いられる保恒剤には、ヒド
ロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミンのほか、
特開平3−144446号の一般式(I)で表されるヒ
ドロキシルアミン類、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメ
チルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミカル
バジド類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン
酸類など、現像促進剤には、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類など、補助現像主薬には、1-フェニル-3-ピラゾ
リドンなど、香水軟化剤、すなわちキレート剤には、ア
ミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキル
ホスホン酸、ホスホノカルボン酸、エチレンジアミン四
酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、
シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミ
ノジ酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン
酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレ
ンジアミン-N,N,N,N- テトラメチレンホスホン酸、エチ
レンジアミン- ジ(o- ヒドロキシフェニル酢酸) 及び
それらの塩など、を代表例として挙げることができる。
そのほか色素形成カプラー(いわゆる外型現像液)、競
争カプラー、粘性付与剤なども必要により現像液、現像
補充液、これらの調合処理剤に用いられる。
【0035】上記の内、保恒剤としては無置換ヒドロキ
シルアミンや置換ヒドロキシルアミンが最も好ましく、
中でもジエチルヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロ
キシルアミン或いはスルホ基やカルボキシ基、水酸基な
どの水溶性基で置換されたアルキル基を置換基として有
するものが好ましい。最も好ましい例としては、N,N
−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキシルアミン及びそ
のアルカリ金属塩である。
【0036】また、現像液には鉄分の混入の際に被る悪
影響を防止したり、現像用水が硬水である場合に写真性
に悪影響を及ぼさないように、キレート剤を添加するこ
とが好ましく、特に生分解性を有するキレート化合物の
添加が好ましい。この例としては、特開昭63−146
998号、特開昭63−199295号、特開昭63−
267750号、特開昭63−267751号、特開平
2−229146号、特開平3−186841号、独国
特許3739610、欧州特許468325号等に記載
のキレート剤を挙げることができる。
【0037】発色現像液の補充タンクや処理槽中の処理
液は高沸点有機溶剤などの液剤でシールドし、空気との
接触面積を減少させることが好ましい。この液体シール
ド剤としては流動パラフィンが最も好ましい。また、補
充液に用いるのが特に好ましい。本発明における発色現
像液での処理温度は20〜55℃、好ましくは30〜5
5℃である。処理時間は30秒〜5分、好ましくは60
秒〜3分20秒である。
【0038】本発明の処理方法は撮影用の各種感光材料
に適用することができる。カラーネガフィルム、カラー
反転フィルム、映画用ネガフィルム、等を挙げることが
できるが、とりわけ、カラーネガフィルムやカラー反転
フィルムへの適用が好ましい。中でもカラーネガフィル
ムへの適用が好ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は現像槽2へ現像補充液を補
充する補充装置の構成図である。なお、図示しないが、
現像槽に連続して、漂白槽、定着槽、安定槽、乾燥部等
が設置され、これらの各処理部により現像処理装置が構
成されている。
【0040】現像処理装置は、高臭化銀感光材料と高塩
化銀感光材料の両方を現像処理でき、現像槽2に対して
は高塩化銀感光材料の処理量(処理比率)が増えるに従
って、現像補充液の量を減らすと共に濃度を高めて補充
するようになっている。補充液の補充量及び濃縮率は、
前記式により算出される。
【0041】現像槽2に隣接して、補充タンク6a〜6
c及び希釈水槽8が設置されている。補充タンク6a〜
6cには、希釈水14で希釈され、互いに調合されるこ
とで所定濃度の現像補充液となる濃厚補充液4a,4
b,4c(A剤,B剤,C剤)がそれぞれ貯留されてい
る。補充タンク6a〜6c内の濃厚補充液4a〜4c
は、現像槽2で処理される感光材料16の処理量に応じ
て、ポンプ18,19,20により所定量が現像槽2内
に補充される。また、希釈水槽8内の水14は、ポンプ
22により現像槽2に供給される。
【0042】補充制御装置24は、感光材料16の処理
量を検出するセンサ26と、感光材料16の処理量に応
じた希釈水14の供給量を記憶したメモリ28と、時間
を測定するタイマ30と、各種演算を行う演算手段31
と、これらに接続され、処理量に従ってポンプ18〜2
0,22の駆動を制御する制御手段32とを備えてい
る。
【0043】また、制御手段32には、入力手段34が
接続されており、感光材料16の処理量をマニュアル入
力できるようになっている。例えば、入力手段34から
感光材料16の本数や種別をキー入力できるようになっ
ており、これらの情報から処理量を設定することができ
る。
【0044】センサ26は現像槽2に搬入される感光材
料16の近傍に設置され、感光材料16の搬送量を接触
式又は非接触で検出する。センサ26は、感光材料16
の幅も検出することができ、感光材料16の幅と搬送量
とから、感光材料16の処理面積を検出することができ
る。センサ26としては、赤外線センサを用いることが
好ましい。
【0045】メモリ28には、高塩化銀感光材料16の
処理量に応じた適正な現像補充液の補充量及び濃度を得
るための、現像槽2への希釈水14の供給量が、ルック
アップテーブル(LUT)として記憶されている。
【0046】現像槽2への希釈水14の供給量は、高塩
化銀感光材料16の処理比が高くなるほど少なくなるよ
うに設定されている。例えば、高臭化銀感光材料16だ
けを処理する場合の現像補充液の補充量を1m2 あた
り、A剤24ml、B剤3.4ml、C剤12.6m
l、水328ml、(合計368ml)、濃度を1とす
ると、高塩化銀感光材料16の処理比が5%になったと
きの適正な現像補充液の補充量は368×0.95=3
50ml/m2 、濃度は1.05となるので、調合時に
濃度が1.05となる希釈水14の供給量(310ml
/m2 )が記憶されている。
【0047】同様に、高塩化銀感光材料16の処理比が
10%になったときの適正な現像補充液の補充量は33
1ml/m2 、濃度は1.18となるので、調合時に濃
度が1.18となる希釈水14の供給量(291ml/
2 )が記憶されている。
【0048】また、メモリ28には、高塩化銀感光材料
16の処理比に応じた、現像補充液4の適正な濃度を算
出するための計算式が記憶されている。
【0049】制御手段32は、センサ26により検出し
た高塩化銀感光材料16の幅と搬送量とから、演算手段
31を用いて処理面積を算出する。算出した処理面積
は、累積してメモリ28に記憶される。そして、制御装
置32は、高塩化銀感光材料16の処理面積すなわち処
理量に応じて、現像補充液の適正な濃度及び補充量を得
るための希釈水14の情報をメモリ28から読み出し
て、適正な量の希釈水14を供給するようにポンプ22
を駆動する。
【0050】現像補充液の濃度変更制御および補充量変
更制御は、濃厚補充液4および希釈水14を現像槽2へ
補充するときに、希釈水14の補充量を変更することに
より行われる。したがって、一回の補充量の合計は、補
充タンク6a〜6cから現像槽2へ補充される濃厚補充
液4a〜4cの量と、希釈水槽8から現像槽2へ補充さ
れる水14の量との合計量である。
【0051】以下、制御手段32による、濃度・補充量
変更制御を含む補充制御を図2を参照して説明する。濃
厚補充液4と希釈水14は、感光材料を所定量処理する
ごとに現像槽2に供給される。
【0052】先ず、濃厚補充液4を貯留した補充タンク
6a〜6cを設置し、流路途中にポンプ18,19,2
0がそれぞれ配設された流路管により補充タンク6a〜
6cと現像槽2とを接続する(S2)。次いで、高塩化
銀感光材料16の既処理量が、センサ26又は入力手段
34により設定される(S4)。次いで、センサ26又
は入力手段34により設定された処理量に対応した適正
な現像補充液の濃度を得るための希釈水14の供給量
を、メモリ28から読み出す(S6)。そして、現像処
理された感光材料16が所定量検出されると、前記メモ
リ28から読み出した供給量を得られるようにポンプ2
2を駆動して、希釈水14を現像槽2に供給すると共
に、ポンプ18〜20を駆動して濃厚補充液4a,4
b,4cを現像槽2に供給する(S8)。その後、高塩
化銀感光材料16の処理量に変化があったかを判断し、
変化があった場合は高塩化銀感光材料の既処理量を設定
するステップS4に戻り、変化が無かった場合はステッ
プ濃厚補充液を現像槽に供給するステップS8に戻る
(S9)。
【0053】この制御によれば、高塩化銀感光材料16
の処理比が高くなるほど、現像槽2に実質的に補充され
る現像補充液の、濃度が高められると共に補充量が少な
くなる。補充タンク6a〜6cから供給された濃厚補充
液4a〜4cの量と、希釈水槽8から供給された水14
の量の合計量が、現像補充液の一回の補充量である。
【0054】現像補充液の補充量と濃度との関係は図3
のグラフに示す通りであり、高塩化銀感光材料16の処
理比が高くなるほど、一回の補充量は少なくなり、その
ときの現像補充液の濃度は高くなる。したがって、補充
量が少なくなることにより、現像槽2内での液量が減
り、現像液36中の臭素イオン濃度が低下せずに必要な
値を維持される。また、現像補充液の補充量を少なくし
ても濃度が高まっているので、現像主薬等は適正な必要
量が補充される。
【0055】したがって、高塩化銀感光材料16の処理
比が高まっていく過程であっても、現像液36中の臭素
イオン濃度及び現像主薬等の濃度は、適正な値に維持さ
れるので、高臭化銀感光材料及び高塩化銀感光材料の両
方を良好に処理することができる。
【0056】なお、図3に示す特性は一例であり、補充
量の減少率や濃度の上昇率は図示の特性に限定されず、
また、補充量及び濃度は段階的に減少又は上昇しなくて
もよく、リニアに減少又は上昇してもよい。
【0057】
【実施例】ノーリツ鋼機(株)製フイルムプロセッサQ
SF−V30SMにより、処理液としてイーストマンコ
ダック社製F1/C−41SM,F2/C−41SMを
用いて、高臭化銀感光材料として特開平9−20403
0号公報の実施例1に記載の試料101A、高塩化銀感
光材料として特開平9−204030号公報の実施例1
に記載の試料101Bを用い、特開平9−204030
号公報の実施例1に記載の処理工程に従い、両方の感光
材料の処理を行った。補充液の補充制御は前述の実施形
態の内容に従い、混合比(高塩化銀感光材料の処理比)
が5%、15%、25%、50%となるに従って、補充
液の濃度を高めると共に水の補充量を少なくして、補充
液及び水を補充した(試験2,3,4,5)。これに対
し、比較例として、補充量及び補充液濃度の少なくとも
一方を変えずに、補充液を補充して処理した(試験6,
7,8,9,10)。詳細は下記の通りである。
【0058】現像試験及び写真特性評価 上記した試料を用いてランニング試験すなわち大量連続
現像試験の処理用にポートレートを撮影した。また、写
真特性を評価するために、色温度4800Kで20cm
sにてセンシトメトリー用灰色光楔を通して露光を与え
たセンシトメトリー用試料を準備し、前記特開平9−2
04030号公報の実施例1に記載の処理工程を使用し
てノーリツ鋼機(株)製フイルムプロセッサQSF−V
30SMにより補充を行いながら、連続処理を行った。
現像処理には、イーストマンコダック社製F1/C−4
1SM,F2/C−41SMを基準処方として、これを
表1に示すように高塩化銀化合物材料(試料101B)
の混合比率に応じて補充量と補充液の濃度を変化させて
現像処理を行った。現像処理は、試料101A及び試料
101Bを合計500本処理するいわゆるランニング処
理を行って実際同様の定常的な連続大量現像処理作業の
間の仕上がり写真特性のチェックをセンシトメトリーに
よって行った。センシトメトリーは、現像済みのセンシ
トメトリー用試料を、国際規格(ISO5−2及びIS
O5−3)に準拠した濃度測定装置によって濃度を測定
し、国際規格(ISO5800)に定められたカラーネ
ガフィルムのセンシトメトリー方法にしたがって感度測
定と最小濃度(Dmin)の測定を行うという方法によ
った。
【0059】
【表1】
【0060】高臭化銀乳剤を用いた試料101Aと、高
塩化銀乳剤を用いた試料101Bとは、表1に示したよ
うに比率を変えて、混合処理した。また、写真特性の変
化は、ランニング試験のスタート時と、終了時に上記セ
ンシトメトリー用試料を現像処理し、イエローの最小濃
度の変化(ΔDBmin) 及びマゼンタの感度変化(Δlog
E) にて示した。
【0061】なお、現像補充液は、試料101A用に設
計した特開平9−204030号公報の実施例1に記載
の処方の基準現像液を基本にして、補充量と補充液の濃
度を表1に示したように変更した各水準で試験した。得
られた現像済みセンシトメトリー試料の評価結果も表1
に併せて示した。
【0062】また、表1における試料101Aを基準現
像条件で処理した試験1が試料101Bと試料101A
のそれぞれの基準現像条件であり、評価結果は、この試
料の評価値に対する相対値によって示してある。
【0063】結果を表1に示す。なお、表中、最小濃度
(Dmin)は、最も顕著に現れる青フィルター光濃度
で測定する(すなわちDB min)が、通例にならって
その値を「Dmin)と記述している。
【0064】表1の結果より明らかなように、本発明の
補充方法においては、高臭化銀の試料101Aも高塩化
銀の試料101Bも、ランニングに伴う写真特性の変動
が殆ど無く、試験1同様に安定した性能を得ることがで
きた。一方、試験6、7及び8の比較例に示すように補
充量及び補充液の濃度を変更しなければ、最小濃度(D
min)及び感度の変化が大きくなる。また、試験9に
示すように補充量を変えるのみでは2種のフィルムの混
合処理に対応できない。さらに試験10のように補充液
の濃度を変えるのみでも性能維持ができない。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、異なったハロゲン化銀
組成の乳剤を有する撮影用感光材料を混合処理しても、
双方の感光材料共に、安定した写真特性を有することが
でき、従来から使用していた処理剤及び現像処理装置を
共通に使用でき、かつ現像処理装置の改造負荷を少なく
して処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】補充装置の構成図である。
【図2】補充制御のフローチャートである。
【図3】高塩化銀感光材料の処理比に応じた補充量及び
濃度の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
2 現像槽 4a,4b,4c A剤、B剤、C剤(濃厚補充
液) 6 補充タンク 8 希釈水槽 14 希釈水 16 感光材料 18,19,20,22 ポンプ 24 補充制御装置 26 センサ 28 メモリ 30 タイマ 31 演算手段 34 入力手段 36 現像液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03D 3/00 G03D 3/00 J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン組成の大きく異なる2種の撮影
    用ハロゲン化銀カラー写真感光材料を共通のカラー現像
    液にて処理する方法において、 現像補充液の補充方法が、前記現像補充液を濃縮した濃
    厚補充液と、前記濃厚補充液を希釈する希釈水とをそれ
    ぞれ現像槽に直接供給する方法であり、双方の感光材料
    の処理量に応じて、前記希釈水の供給量を変更すること
    によって前記現像補充液の濃度を変更すると共に単位処
    理面積当たりの前記現像補充液の補充量を変更すること
    を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 臭化銀含有率が50〜100モル%の高
    臭化銀乳剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感
    光材料Aと、塩化銀含有率が50〜100モル%の高塩
    化銀乳剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光
    材料Bとを共通のカラー現像液にて処理する方法におい
    て、 現像補充液の補充方法が、前記現像補充液を濃縮した濃
    厚補充液と、前記濃厚補充液を希釈する希釈水とをそれ
    ぞれ現像槽に直接供給する方法であり、双方の感光材料
    の処理量に応じて、前記希釈水の供給量を変更すること
    によって前記現像補充液の濃度を変更すると共に単位処
    理面積当たりの前記現像補充液の補充量を変更すること
    を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン組成の大きく異なる2種の撮影
    用ハロゲン化銀カラー写真感光材料を共通のカラー現像
    液にて処理する処理装置において、 現像液を貯留する現像槽と、 現像補充液を濃縮した濃厚補充液を前記現像槽に直接供
    給する濃厚補充液供給手段と、 前記濃厚補充液を希釈する希釈水を前記現像槽に供給す
    る希釈水供給手段と、 前記感光材料のそれぞれの既処理量を設定する処理量設
    定手段と、 前記感光材料のそれぞれの処理量に応じて、前記現像補
    充液の濃度と単位処理面積当たりの前記現像補充液の補
    充量とを共に変更するように、前記希釈水の供給量を変
    更する希釈水供給制御手段と、 を備えたことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
    材料の処理装置。
  4. 【請求項4】 臭化銀含有率が50〜100モル%の高
    臭化銀乳剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感
    光材料Aと、塩化銀含有率が50〜100モル%の高塩
    化銀乳剤を含有する撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光
    材料Bとを共通のカラー現像液にて処理する処理装置に
    おいて、 現像液を貯留する現像槽と、 現像補充液を濃縮した濃厚補充液を前記現像槽に直接供
    給する濃厚補充液供給手段と、 前記濃厚補充液を希釈する希釈水を前記現像槽に供給す
    る希釈水供給手段と、 前記感光材料のそれぞれの既処理量を設定する処理量設
    定手段と、 前記感光材料のそれぞれの処理量に応じて、前記現像補
    充液の濃度と単位処理面積当たりの前記現像補充液の補
    充量とを共に変更するように、前記希釈水の供給量を変
    更する希釈水供給制御手段と、を備えたことを特徴とす
    るハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理装置。
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