JP2000347346A - クロメン化合物 - Google Patents
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Abstract
トクロミック化合物。 【解決手段】 基本構造としてナフトピラン環の6位の
置換基が、窒素原子で結合した複素環基である例えば下
記式で示されるような新規なクロメン化合物。 【化1】
Description
銀灯の光のような紫外線を含む光の照射で黄色〜赤色系
の色調に着色した形態に変化し、その変化が可逆的で優
れた退色速度を示し、さらに紫外線を含む光を照射する
前の着色(以下、初期着色と略す。)が少ない新規なク
ロメン化合物、及びその用途に関する。
されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物は
フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な化合
物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性は認
められない。
281号明細書には、下記式(A)
る。しかしながら、このクロメン化合物は、退色速度は
比較的速いものの、初期着色がが大きいという問題があ
る。
は、下記式(B)
しながら、この化合物は初期着色は改良されているもの
の、退色速度が今ひとつ満足のいくのものではなかっ
た。
で、今ひとつ満足のいくものではなかった。
は、上記した化合物に比べフォトクロミック特性をさら
に向上させ、退色速度が速く且つ初期着色が少ないクロ
メン化合物を提供することにある。
成するために提案されたもので、本発明の新規なクロメ
ン化合物の退色速度が速く且つ初期着色が少ない、とい
う本発明者らによって得られた知見に基づいて完成され
たものである。
をヘテロ原子として有し該窒素原子とナフトピラン環と
が結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素
環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合し
た縮合複素環基であり、R2、R3、及びR4は、それぞ
水素原子、置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として
有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換もしくは
非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環
もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり、
R2、R3、及びR4が同時に水素原子になることはな
く、R5及びR7は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基で
あり、R3が置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子とし
て有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換もしく
は非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素
環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である
場合には、R5およびR7のいずれも水素原子ではなく、
R6は、水素原子、アルコキシ基、又はトリフルオロメ
トキシ基であり、R3が置換アミノ基、窒素原子をヘテ
ロ原子として有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する
置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香
族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素
環基である場合には、R6はアルコキシ基ではなく、R8
は、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アラ
ルキル基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置
換のアリール基、ハロゲン原子、窒素原子をヘテロ原子
として有し該窒素原子とナフトピラン環とが結合する置
換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族
炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環
基であり、aは0〜3の整数である。}で示されるクロ
メン化合物である。
(1)中のR3が置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子
として有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換も
しくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化
水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基で
あるものは、退色速度が速くなるという点で特に優れる
という特徴を有する。
化合物よりなるフォトクロミック材、および該クロメン
化合物を含んでなるフォトクロミック光学材料である。
は、置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有し該
窒素原子とナフトピラン環とが結合する置換もしくは非
置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環も
しくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である。こ
こで、上記の置換もしくは非置換の複素環基において、
“窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とナフト
ピラン環とが結合する”とは、−R1の「−」を未結合
手と呼んだ場合、ヘテロ原子として含まれる窒素原子に
未結合手が存在し、該窒素原子がナフトピラン環に結合
するようになっていることを意味する。
れないが、アルキル基又はアリール基で置換されたアル
キルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ
基、ジアリールアミノ基が好ましい。好適な置換アミノ
基を具体的に例示すると、メチルアミノ基、エチルアミ
ノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、ジフェニルアミノ基、等を挙げることができ
る。
窒素原子とナフトピラン環とが結合する置換もしくは非
置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環も
しくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基としては、
特に制限されないが、該複素環基を構成する炭素原子の
数は一般的には2〜10、好ましくは2〜6である。ま
た、環内にはナフトピラン環と結合している窒素原子の
他に更にヘテロ原子が存在していてもよく、該ヘテロ原
子は特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、窒素原
子等が好適である。
子とナフトピラン環とが結合する置換もしくは非置換の
複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは
芳香族複素環が縮合した縮合複素環基の中で好適な基を
具体的に例示すると、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピ
ロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ
基、インドリニル基等を挙げることができる。
びR4は、それぞ水素原子、置換アミノ基、窒素原子を
ヘテロ原子として有し該窒素原子とベンゼン環とが結合
する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に
芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合
複素環基である。ただし、R2、R3、及びR4が同時に
水素原子になることはない。これら基が同時に水素原子
となるときには、退色速度が遅くなるため、本発明の効
果は得られない。
換アミノ基と同義であり、好適な置換アミノ基としても
同じものが例示される。また、“窒素原子をヘテロ原子
として有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換も
しくは非置換の複素環基、及び該複素環基に芳香族炭化
水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基”
についても、窒素原子が結合する環がベンゼン環である
以外は、R1にいてナフトピラン環に結合する置換もし
くは非置換の複素環基、及び同縮合複素環基と同じであ
る。
7は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロ
メチル基、又はトリフルオロメトキシ基である。ただ
し、R3が置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として
有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換もしくは
非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環
もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である場
合には、R5およびR7のいずれも水素原子となることは
ない。R3が上記のような基で且つR5、R7の少なくと
もいずれ一方が水素原子である場合には、初期着色が大
きくなってしまう。
されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好まし
い。中でも特にフッ素原子が好ましい。
原子、アルコキシ基、又はトリフルオロメトキシ基であ
る。但し、R3が置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子
として有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換も
しくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化
水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基で
ある場合には、R6はアルコキシ基となることはない。
R3が上記のような基で且つR6がアルコキシ基である場
合には、初期着色が大きくなってしまう。
が、一般的には炭素数1〜5のアルコキシ基が好まし
い。好適なアルコキシ基を具体的に例示すると、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、 sec−ブトキシ基、t−ブト
キシ基等を挙げることができる。
キル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アラルキル
基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のア
リール基、ハロゲン原子、窒素原子をヘテロ原子として
有し該窒素原子とナフトピラン環とが結合する置換もし
くは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水
素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であ
る。以下、これら各基について説明する。
が、一般的には炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
好適なアルキル基を例示すると、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
が、一般的には炭素数1〜5のアルコキシ基が好まし
い。好適なアルコキシ基を具体的に例示すると、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、 sec−ブトキシ基、t−ブト
キシ基等を挙げることができる。
いが、炭素数6〜10のアラルコキシ基が好ましい。好
適なアラルコキシ基を具体的に例示すると、フェノキシ
基、ナフトキシ基等を挙げることができる。
が、一般的には炭素数7〜11のアラルキル基が好まし
い。好適なアラルキル基を例示すると、ベンジル基、フ
ェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル
基等を挙げることができる。
が、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール
アミノ基、ジアリールアミノ基が好ましい。好適な置換
アミノ基を具体的に例示すると、メチルアミノ基、エチ
ルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、等を挙げること
ができる。
れないが、一般的には炭素数6〜10の非置換のアリー
ル基が好ましい。好適な非置換のアリール基を例示する
と、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
換のアリール基の水素原子の1又は2以上が、R2とし
て説明したのと同様のアルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基、アラルキル基、置換アミノ基、窒素原子をヘテ
ロ原子として有し該窒素原子に未結合手が存在する置換
もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭
化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基
等で置換されたものを挙げることができる。
子、臭素原子又はヨウ素原子を挙げることができる。
子とナフトピラン環とが結合する置換もしくは非置換の
複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは
芳香族複素環が縮合した縮合複素環基としては、特に制
限されないが、該複素環基を構成する炭素原子の数は一
般的には2〜10、特に2〜6であるものが好ましい。
また、環内にはナフトピラン環と結合している窒素原子
の他に更にヘテロ原子が存在していてもよく、該ヘテロ
原子は特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、窒素
原子等が好適である。好適な窒素原子をヘテロ原子とし
て有し該窒素原子とナフトピラン環とが結合している置
換もしくは非置換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭
化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基
を具体的に例示すると、モルホリノ基、ピペリジノ基、
ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ
基、インドリニル基等を挙げることができる。
数である。aが2又は3のときには、各R8は互いに異
なっていても良い。これらの置換基が結合する位置はナ
フトピラン環の7位、8位、9位又は10位であれば特
に制限されず、その総数も特に限定されないが、これら
の位置に存在する置換基の総数は、2以下であるのが好
適である。
の点から下記式(2)
をヘテロ原子として有し該窒素原子とナフトピラン環と
が結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素
環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合し
た縮合複素環基であり、R10は、置換アミノ基、窒素原
子をヘテロ原子として有し該窒素原子とベンゼン環とが
結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基であり、R11及びR13は、それぞれ独立
に、水素原子、フッ素原子もしくはトリフルオロメチル
基であり、R12は、水素原子、アルコキシ基、又はトリ
フルオロメトキシ基である。}で示されるクロメン化合
物が特に好適である。
−モルホリノ−3−(4’−モルホリノフェニル)−3
−(3’−フルオロフェニル)−3H−ベンゾ(f)ク
ロメン;6−モルホリノ−3−(4’−モルホリノフェ
ニル)−3−(3’−トリフルオロメチルフェニル)−
3H−ベンゾ(f)クロメン;6−モルホリノ−3−
(4’−モルホリノフェニル)−3−(4’−トリフル
オロメトキシフェニル)−3H−ベンゾ(f)クロメ
ン;6−インドリノ−3−(3’−モルホリノフェニ
ル)−3−フェニル−3H−ベンゾ(f)クロメン;6
−モルホリノ−3−(4’−ピペリジノフェニル)−3
−(3’,5’−ジフルオロフェニル)−3H−ベンゾ
(f)クロメン等を挙げることが出来る。前記一般式
(1)で示されるクロメン化合物は、一般に常温常圧で
無色、あるいは淡黄色の固体または粘稠な液体として存
在し、次の(イ)〜(ハ)のような手段で確認できる。
1H−NMR)を測定することにより、δ5.9〜9.
0ppm付近にアロマティックなプロトン及びアルケン
のプロトンに基づくピーク、δ1.0〜4.0ppm付
近にアルキル基及びアルキレン基のプロトンに基づくピ
ークが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対
的に比較することにより、それぞれの結合基のプロトン
の個数を知ることができる。
の組成を決定することができる。
C−NMR)を測定することにより、δ110〜160
ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、
δ80〜140ppm付近にアルケンの炭素に基づくピ
ーク、δ20〜80ppm付近にアルキル基及びアルキ
レン基の炭素に基づくピークが現われる。
化合物の製造方法は、特に限定されず如何なる合成法に
よって得ても良い。一般に好適に採用される代表的な方
法を以下に説明する。
(1)における定義と同義である。}で示されるナフト
ール誘導体と、下記一般式(4)
びR7は、前記一般式(1)における定義と同義であ
る。}で示されるプロパギルアルコール誘導体とを酸触
媒存在下で反応させる方法である。
導体の合成法は特に限定されず、例えば、次のような方
法で好適に合成することができる。
により1,1−ジクロロ−2−ナフタレノンを合成し、
次いでトリエチルアミン等の塩基存在下で前記一般式
(1)の置換基R1に対応する二級あるいは一級アミン
とを反応させて1−クロロ−2−ナフトール誘導体を合
成し、さらにラネーニッケル等の還元剤と反応させるこ
とにより好適に合成できる。この時、2−ナフトールの
5位,6位,7位,8位に置換基を有する2−ナフトー
ルを使用した場合にはそれぞれナフトピラン環の7位、
8位、9位、10位に置換基を有するクロメン化合物が
合成可能である。
ギルアルコール誘導体は、例えば、前記一般式(4)に
対応するケトン誘導体とリチウムアセチリド等の金属ア
セチレン化合物と反応させることにより合成できる。
導体と前記一般式(4)で示されるプロパギルアルコー
ルとを酸触媒存在下で反応させる際の反応条件は、特に
限定されないが、次のような反応条件を採用するのが好
適である。
は、広い範囲から採用されるが、一般には1:10〜1
0:1(モル比)の範囲から選択するのが好適である。
また、酸触媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等が用いられ、上記
ナフトール誘導体とプロパギルアルコールとの総和に対
して0.1〜10重量部の範囲で用いるのが好適であ
る。さらに、反応温度は、通常0〜200℃が好まし
く、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、N
−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒ
ドロフラン、ベンゼン、トルエン等を使用するのが好適
である。
れず、例えば、シリカゲルカラムを用いた精製、さらに
これを再結晶する等の生成方法が採用できる。
メン化合物は、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン等の一般の有機溶媒によく溶ける。このような溶
媒に一般式(1)で示されるクロメン化合物を溶かした
とき、一般に溶液はほぼ無色透明であり、太陽光あるい
は紫外線を照射すると速やかに発色し、光を遮断すると
速やかに元の無色にもどる良好な可逆的なフォトクロミ
ック作用を呈する。そして、このようなフォトクロミッ
ク作用は、高分子固体マトリックス中でも同様に発現す
る。かかる対象となる高分子固体マトリックスとして
は、本発明の一般式(1)で示されるクロメン化合物が
均一に分散するものであればよく、光学的に好ましく
は、例えばポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロキサン、
ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げることができ
る。
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリ
シジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレ
ート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロ
モー4ーメタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロ
パン等の多価アクリル酸及び多価メタクリル酸エステル
化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキ
シこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド
酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボ
ネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチロ
ールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化
合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビ
ス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−
ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チ
オアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合
物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノ
ールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4
−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル
−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸
エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物;ジビ
ニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合し
てなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステ
ル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等の
フマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベ
ンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート
等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合
物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモス
チレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能単量
体との共重合体が挙げられる。
化合物を上記高分子固体マトリックス中へ分散させる方
法としては特に制限はなく、一般的な手法を用いること
ができる。例えば、上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物
を溶融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、また
は上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、
重合触媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散さ
せる方法、あるいは上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂
の表面にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に
分散させる方法等を挙げることができる。
ク材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代
る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管
用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感
光材料などの種々の記憶材料として利用できる。その
他、本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック
材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。
る場合には、本発明のクロメン化合物を均一に分散して
なるポリマーフィルムをレンズ中にサンドウイッチする
方法;該ポリマーフィルムでレンズ表面を覆い、その表
面をさらに硬化性物質で被覆する方法;本発明のクロメ
ン化合物を前記の重合性単量体中に分散させ、所定の手
法により重合する方法;本発明のクロメン化合物を例え
ばシリコーンオイル中に溶解させて150〜200℃で
10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さらにその
表面を硬化性物質で被覆する方法;などを採用して均一
な調光性能を有するフォトクロミックレンズを得ること
ができる。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
のプロパギルアルコール誘導体
エン50mlに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸
を0.05g加えて1時間還流した。反応後、溶媒を除
去し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製
することにより、淡黄色粉末状の生成物0.56gを得
た。収率は25%であった。
%、H6.0%、F3.63%、N5.33%、O9.
16%であって、C33H31FN2O3の計算値であるC7
5.84%、H5.98%、F3.64%、N5.36
%、O9.18%に極めてよく一致した。
定したところ、図1に示すように、δ3.0〜3.2、
δ3.7〜3.8ppm付近にモルホリノ基のメチレン
プロトンに基づく16Hのピーク、δ6.0〜8.4p
pm付近にアロマティックなプロトン及びアルケンのプ
ロトンに基づく15Hのピークを示した。さらに13C−
核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ110〜1
60ppm付近に芳香環の炭素に基づくピーク、δ80
〜140ppm付近にアルケンの炭素に基づくピーク、
δ20〜60ppmにアルキルの炭素に基づくピークを
示した。上記の結果から単離生成物は、下記構造式
(5)で示される化合物であることを確認した。
成した。得られた生成物について、実施例1と同様な構
造確認の手段を用いて構造解析した結果、表1及び表2
に示す構造式で示される化合物であることを確認した。
また、表3にこれらの化合物の元素分析値、各化合物の
構造式から求めた計算値及び1H−NMRスペクトルの
特徴的なスペクトルを示した。
エチレングリコールジメタクリレート70部、トリエチ
レングリコールジメタクリレート15部、グリシジルメ
タクリレート10部、2−ヒドロエチルメタクリレート
5部に添加し十分に混合した。この混合液をガラス板と
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構
成された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は
空気炉を用い、30℃〜90℃まで18時間かけ徐々に
温度を上げていき、90℃で2時間保持した。重合終了
後、重合体を鋳型のガラス型から取り外した。得られた
重合体(厚み2mm)に、浜松ホトニクス製のキセノン
ランプL−2480(300W)SHL−100をエア
ロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±
1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4m
W/cm2,245nm=24μW/cm2で120秒
間照射して発色させ、フォトクロミック特性を測定し
た。フォトクロミック特性は次のようなもので評価し
た。
大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフ
ォトディテクターMCPD1000)により求めた発色
後の最大吸収波長である。該最大吸収波長は、発色時の
色調に関係する。
収波長における光未照射状態の吸光度。例えばメガネレ
ンズのような光学材料においては、この値が低いほどフ
ォトクロミック性が優れているといえる。
(0)}: 前記最大吸収波長における、120秒間光
照射した後の吸光度{ε(120)}と上記ε(0)と
の差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れてい
るといえる。
0秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記
最大は長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}
の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短い
ほどフォトクロミック性が優れているといえる。
し9で得られた化合物を用いた以外は、上記と同様にし
てフォトクロミック重合体を得、その特性を評価した。
その結果をまとめて表4に示す。
(B)
てフォトクロミック重合体を得、その特性を表5に示し
た。
着色が大きい。また、比較例2のフォトクロミック重合
体は劣化時の着色は少ないが、退色速度が遅い。これに
対し、本発明のクロメン化合物を用いた実施例10〜1
8では、フォトクロミック重合体は、退色速度が速く且
つ初期着色が少ない。
は高分子固体マトリックス中で速い退色速度を示し且つ
初期着色が少ない。例えば、本発明のクロメン化合物を
用いたフォトクロミックレンズは、初期着色が少なく、
さらに屋外から室内に戻った時にすばやく元の色調に戻
るり、良好なフォトクロミック特性を示す。
クトルである。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 {式中、 R1は、置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有
し該窒素原子とナフトピラン環とが結合する置換もしく
は非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素
環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であ
り、 R2、R3、及びR4は、それぞ水素原子、置換アミノ
基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とベン
ゼン環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又
は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環
が縮合した縮合複素環基であり、R2、R3、及びR4が
同時に水素原子になることはなく、 R5及びR7は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリ
フルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基であ
り、R3が置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として
有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換もしくは
非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環
もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である場
合には、R5およびR7のいずれも水素原子ではなく、 R6は、水素原子、アルコキシ基、又はトリフルオロメ
トキシ基であり、R3が置換アミノ基、窒素原子をヘテ
ロ原子として有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する
置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香
族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素
環基である場合には、R6はアルコキシ基ではなく、 R8は、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、
アラルキル基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは
非置換のアリール基、ハロゲン原子、窒素原子をヘテロ
原子として有し該窒素原子とナフトピラン環とが結合す
る置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳
香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
素環基であり、aは0〜3の整数である。}で示される
クロメン化合物。 - 【請求項2】 請求項1における前記一般式(1)にお
いて、R3が置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子とし
て有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換もしく
は非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素
環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である
請求項1記載のクロメン化合物。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のクロメン化
合物からなるフォトクロミック材。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載のクロメン化
合物を含有してなるフォトクロミック光学材料。
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