JP2000346447A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 ヒートポンプ給湯機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機、冷媒対水熱交換器、減圧装置、蒸発器を有する冷媒循環回路と、貯湯槽、循環ポンプ、前記冷媒対水熱交換器を有する給湯回路と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検出手段と、圧縮機の吐出温度が外気温度に対して予め設定された目標吐出温度になるように減圧装置の開度を制御する制御手段とを備え、前記給湯回路を流れる湯水の循環量を制御して、前記冷媒対水熱交換器の水側出口の温度がほぼ一定になるようにしたヒートポンプ給湯機。
【請求項2】 縮機の吐出圧力が、圧力検出手段からの信号によって予め設定された常用最大吐出圧力を越えないように、減圧装置の開度を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項3】 圧力検出手段として、外気温度検出手段と、吐出温度検出手段と、外気温度に対して目標吐出温度を記憶している第二の記憶手段とを備えていることを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項4】 縮機の吐出温度が、吐出温度検出手段からの信号によって予め設定された常用最大吐出温度を越えないように、減圧装置の開度を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項5】 制御手段は、減圧装置の開度の下限値を有することを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は貯湯式のヒートポンプ給湯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のヒートポンプ給湯機は特開昭60−164157号公報に示すようなものがある。図14は従来のヒートポンプ給湯機の構成説明図である。図14において、圧縮機1、冷媒対水熱交換器2、減圧装置3、蒸発器4からなる冷媒循環回路と、貯湯槽5、循環ポンプ6、前記冷媒対水熱交換器2、補助加熱器7を接続した給湯回路からなり前記圧縮機1より吐出された高温高圧の過熱ガス冷媒は前記冷媒対水熱交換器2に流入し、ここで前記循環ポンプ6から送られてきた水を加熱する。そして、凝縮液化した冷媒は前記減圧装置3で減圧され、前記蒸発器4に流入し、ここで大気熱を吸熱して蒸発ガス化し、前記圧縮機1に戻る。一方、前記冷媒対水熱交換器2で加熱された湯は前記貯湯槽5の上部に流入し、上から次第に貯湯されていく。そして、前記冷媒対水熱交換器2の入口水温が設定値に達すると水温度検出手段8が検知し、前記圧縮機1によるヒートポンプ運転を停止して、前記補助加熱器7の単独運転に切り換えるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記図14に示す従来例のヒートポンプ給湯機では、減圧装置3としてキャピラリーチューブや温度式膨張弁を用いていた。減圧装置3としてキャピラリーチューブを用いる場合、一般的に、冷媒循環量の多い夏季の温度条件を基準にキャピラリーチューブの仕様を設計する。そのため、夏季以外の特に給湯負荷の大きい冬季には運転の効率が悪くなるという課題を有していた。また、同様に夏季以外の特に外気温度の低い冬季には冷媒循環回路に必要以上の冷媒が循環するため、圧縮機1に液冷媒が吸い込まれ、その結果、液圧縮となり圧縮機の耐久性が悪くなるという課題を有していた。
【0004】
他方、減圧装置3として温度式膨張弁を用いる場合、一般的に、蒸発器4の出口の冷媒は過熱度がとれた過熱ガス状態となるように、減圧装置3としての温度式膨張弁の仕様を設計する。そのため、設計した外気温度よりも高い時には吐出圧力が上昇したり、外気温度の低い冬季には吐出温度が上昇したりして圧縮機の耐久性が悪くなるという課題を有していた。また、冬季において蒸発器4に着霜したときも、蒸発器4の出口の冷媒状態を過熱度がとれるように制御するため、いっそう着霜が進み、運転の効率が悪くなるという課題を有していた。
【0005】
本発明の目的は圧縮機の異常温度上昇ならびに異常圧力上昇がない、効率の良い給湯加熱運転を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、圧縮機、冷媒対水熱交換器、減圧装置、蒸発器を有する冷媒循環回路と、貯湯槽、循環ポンプ、前記冷媒対水熱交換器を有する給湯回路と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検出手段と、圧縮機の吐出温度が外気温度に対して予め設定された目標吐出温度になるように減圧装置の開度を制御する制御手段とを備え、前記給湯回路を流れる湯水の循環量を制御して、前記冷媒対水熱交換器の水側出口の温度がほぼ一定になるようにしたヒートポンプ給湯機とする。
【0007】
た、圧縮機の吐出圧力が、圧力検出手段からの信号によって予め設定された常用最大吐出圧力を越えないように、減圧装置の開度を制御する制御手段を具備したものである。
【0008】
た、圧縮機の吐出温度が、吐出温度検出手段からの信号によって予め設定された常用最大吐出温度を越えないように、減圧装置の開度を制御する制御手段を具備したものである。
【0009】
上記発明において、外気温度に対して給湯運転の効率が最も良い吐出温度を予め求めておいて、これを目標吐出温度として設定する。そして、給湯運転を行う場合に外気温度と圧縮機の吐出温度とを検出して、圧縮機の吐出温度をこの目標吐出温度になるように減圧装置の開度を制御するので、年間を通じて、効率の良い給湯加熱運転ができる。
【0010】
また、圧力検出手段からの信号によって、常用最大吐出圧力を越えないように、減圧装置の開度を制御するので、圧縮機の異常圧力上昇がない。また、吐出温度検出手段からの信号によって、常用最大吐出温度を越えないように、減圧装置の開度を制御するので、圧縮機の異常温度上昇がなくて、耐久性の高いヒートポンプ給湯機が実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は各請求項に記載の形態で実施できるものであり、請求項1記載のように、圧縮機、冷媒対水熱交換器、減圧装置、蒸発器を順次接続した冷媒循環回路と、貯湯槽、循環ポンプ、前記冷媒対水熱交換器を順次接続した給湯回路と、圧縮機の吐出温度が外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検出手段と、圧縮機の吐出温度が外気温度に対して予め設定された目標吐出温度になるように減圧装置の開度を制御する制御手段とを設けた構成とすることにより、外気温度に対して給湯運転の効率が最も良い吐出温度を予め求めておいて、これを目標吐出温度として設定するので、年間を通じて、効率の良い給湯加熱運転ができる。
【0012】
また、請求項2記載のように、外気温度が高いときには、圧縮機の吐出圧力が、圧力検出手段からの信号によって予め設定された常用最大吐出圧力を越えないように、減圧装置の開度を制御する制御手段を設けた構成とすることにより、圧縮機の異常圧力上昇がない、耐久性の高いヒートポンプ給湯機が実現できる。
【0013】
また、請求項3記載のように、圧力検出手段として、外気温度検出手段と、吐出温度検出手段と、外気温度に対する目標吐出温度を記憶している第二の記憶手段を有するようにすることができる。
【0014】
また、請求項4記載のように、外気温度が低いときには、圧縮機の吐出温度が、吐出温度検出手段からの信号によって予め設定された常用最大吐出温度を越えないように、減圧装置の開度を制御する制御手段を設けた構成とすることにより、圧縮機の異常温度上昇がない、耐久性の高いヒートポンプ給湯機が実現できる。
【0015】
また、請求項5記載のように、減圧装置の開度の下限値を有する制御手段を設けた構成とすることにより、着霜時にも減圧装置の最低の開度が維持されるので、蒸発器4の蒸発温度の低下が押さえられて、従来よりも効率の良い給湯加熱運転ができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0017】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のヒートポンプ給湯機の構成説明図、図2は同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図、図3は同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する目標吐出温度を示す説明図である。なお、従来例で説明した図14と同じ構成部材には同一符号を用い説明を省略する。
【0018】
図1において、冷媒対水熱交換器2の水側出口に設けられた沸き上げ温度検出手段9からの信号で回転数制御手段10は循環ポンプ6の回転数を制御して、冷媒対水熱交換器2の出口水温(沸き上げ温度)をほぼ一定になるように沸き上げる。また、制御手段11は、外気温度を検出する外気温度検出手段12と圧縮機1の吐出温度を検出する吐出温度検出手段13からの信号で減圧装置3を制御する。14は外気温度に対する目標吐出温度を記憶している第一の記憶手段である。なお、減圧装置3として電動膨張弁(図示せず)等がある。
【0019】
次に動作、作用について説明する。
【0020】
図2は横軸に減圧装置3の開度をとり、縦軸に吐出温度と吐出圧力と効率をとって、ある外気温度の時の減圧装置3の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率の関係を示したものである。同図からわかるように、効率は減圧装置3の開度に対して極大値がある。また、同図において、一点鎖線は圧縮機の通常使用時の最大温度である常用最大吐出温度を示しており、二点鎖線は圧縮機の通常使用時の最大圧力である常用最大吐出圧力を示している。ここで、効率が極大になる減圧装置3の開度Xに対する吐出温度を目標吐出温度Yとする。そして、各外気温度に対して、この目標吐出温度Yを求めると、図3のようになる。この外気温度に対する目標吐出温度の関係を第一の記憶手段14に予め記憶させる。
【0021】
つまり、給湯運転が始まり圧縮機1が起動すると、制御手段11は外気温度検出手段12と吐出温度検出手段13からの信号で外気温度と吐出温度とを検出する。そして、外気温度と目標吐出温度との関係を記憶している第一の記憶手段14からの情報で、今の吐出温度が目標吐出温度よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。逆に、今の吐出温度が目標吐出温度よりも低ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を小さくする(閉じる方向)ように制御する。
【0022】
上記のように、制御手段11による吐出温度制御をある時間毎に行えば、外気温度が変化しても常に効率の良い給湯運転が可能となる。
【0023】
(実施例2)
図4は本発明の実施例2のヒートポンプ給湯機の構成説明図、図5は同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図、図6は同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する吐出圧力と減圧装置の開度を示す説明図である。
【0024】
本実施例において、実施例1と異なる点は、圧縮機1の吐出側に圧力検出手段15を設けた構成としている点である。
【0025】
なお、実施例1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
【0026】
次に動作、作用について説明する。
【0027】
図5は横軸に減圧装置3の開度をとり、縦軸に吐出温度と吐出圧力と効率をとって、ある外気温度の高い場合の減圧装置3の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率の関係を示したものである。同図に示すように、外気温度がかなり高くなると、効率が極大値になる減圧装置3の開度において吐出圧力が常用最大吐出圧力(例えば2.4MPa)を越えるときがある。この場合、減圧装置3の開度をAからBに変更すると吐出圧力はCからDに減少することになる。
【0028】
つまり、給湯運転が始まり圧縮機1が起動すると、制御手段11は圧力検出手段15からの信号で吐出圧力を検出する。この吐出圧力が常用最大吐出圧力(例えば2.4MPa)よりも低ければ、制御手段11は外気温度検出手段12と吐出温度検出手段13からの信号で外気温度と吐出温度とを検出し、そして、外気温度と目標吐出温度との関係を記憶している第一の記憶手段14からの情報で、今の吐出温度が目標吐出温度よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。逆に、今の吐出温度が目標吐出温度よりも低ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を小さくする(閉じる方向)ように制御する。
【0029】
他方、圧力検出手段15からの信号で検出した吐出圧力が常用最大吐出圧力(例えば2.4MPa)よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。
【0030】
図6は横軸に外気温度をとり、縦軸に吐出圧力と減圧装置3の開度をとって、外気温度に対する吐出圧力と減圧装置3の開度の変化を示したものである。同図において、外気温度が高くなれば、上記説明のように吐出圧力による制御を行うことによって吐出圧力が常用最大吐出圧力を越えないようにすることができるので、この吐出圧力制御をある時間毎に行えば、異常圧力上昇のない給湯運転が可能となる。なお、図中の点線は実施例1で説明した吐出温度による制御の場合であり、記号A、B、C、Dは図5の同記号に対応する。
【0031】
(実施例3)
図7は本発明の実施例3のヒートポンプ給湯機の構成説明図、図8は同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図、図9は同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する目標吐出温度を示す説明図である。
【0032】
本実施例において、実施例2と異なる点は、圧力検出手段として外気温度検出手段12と吐出温度検出手段13を用い、さらに第二の記憶手段16を設けた構成としている点である。
【0033】
なお、実施例2と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
【0034】
次に動作、作用について説明する。
【0035】
図8は横軸に減圧装置3の開度をとり、縦軸に吐出温度と吐出圧力と効率をとって、ある外気温度の高い場合の減圧装置3の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率の関係を示したものである。同図に示すように、外気温度がかなり高くなると、効率が極大値になる減圧装置3の開度において吐出圧力が常用最大吐出圧力(例えば2.4MPa)を越えるときがある。この場合、減圧装置3の開度をAからBに変更すると吐出圧力はCからDに減少し、吐出温度はEからFに減少する。結局、同図に示す外気温度の場合には吐出圧力をDにするためには吐出温度をFにすればよいことになる。この減圧装置3の開度Bに対する吐出温度を目標吐出温度Zとする。そして、各外気温度に対して、この目標吐出温度Zを求めると、図9の実線のようになる。この外気温度に対する目標吐出温度Zの関係を第二の記憶手段16に予め記憶させる。同図において、点線は実施例1で説明した吐出温度による制御の場合であり、実線と点線の交点の外気温度を高温側限界外気温度Tuとする。
【0036】
つまり、給湯運転が始まり圧縮機1が起動すると、制御手段11は外気温度検出手段12からの信号で外気温度を検出する。この外気温度が高温側限界外気温度Tuよりも低ければ、さらに、制御手段11は外気温度検出手段12と吐出温度検出手段13からの信号で外気温度と吐出温度とを検出し、そして、外気温度と目標吐出温度との関係を記憶している第一の記憶手段14からの情報で、今の吐出温度が目標吐出温度よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。逆に、今の吐出温度が目標吐出温度よりも低ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を小さくする(閉じる方向)ように制御する。
【0037】
他方、外気温度検出手段12からの信号で検出した外気温度が高温側限界外気温度Tuよりも高ければ、吐出温度検出手段13からの信号で吐出温度を検出し、そして、第二の記憶手段16からの情報で、今の吐出温度が目標吐出温度よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。逆に、今の吐出温度が目標吐出温度よりも低ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を小さくする(閉じる方向)ように制御する。
【0038】
上記のように制御手段11による吐出温度制御をある時間毎に行えば、吐出温度による制御を行うことによって吐出圧力が常用最大吐出圧力を越えないようにすることができるので、異常圧力上昇のない給湯運転が可能となる。
【0039】
(実施例4)
図10は本発明の実施例4のヒートポンプ給湯機の構成説明図、図11は同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図、図12は同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する目標吐出温度を示す説明図である。
【0040】
本実施例において、実施例1と異なる点は第三の記憶手段17を設けた構成としている点である。
【0041】
なお、実施例1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
【0042】
次に動作、作用について説明する。
【0043】
図11は横軸に減圧装置3の開度をとり、縦軸に吐出温度と吐出圧力と効率をとって、ある外気温度の低い場合の減圧装置3の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率の関係を示したものである。同図に示すように、外気温度がかなり低くなると、効率が極大値になる減圧装置3の開度において吐出温度が常用最大吐出温度(例えば105゜C)を越えるときがある。この場合、減圧装置3の開度をAからBに変更すると吐出温度はCからDに減少することになる。また、図12は横軸に外気温度をとり、縦軸に目標吐出温度をとって、外気温度に対する目標吐出温度Wの関係を示したものである。同図中の実線で示すように、低外気温度の場合の目標吐出温度Wは常用最大吐出温度(例えば105゜C)が一定となる。この外気温度に対する目標吐出温度Wの関係を第三の記憶手段17に予め記憶させる。また、同図の点線は実施例1で説明した吐出温度による制御の場合であり、実線と点線の交点の外気温度を低温側限界外気温度Tlとする。
【0044】
つまり、給湯運転が始まり圧縮機1が起動すると、制御手段11は外気温度検出手段12からの信号で外気温度を検出する。この外気温度が低温側限界外気温度Tlよりも高ければ、制御手段11は吐出温度検出手段13からの信号で吐出温度を検出し、そして、外気温度と目標吐出温度との関係を記憶している第一の記憶手段14からの情報で、今の吐出温度が目標吐出温度よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。逆に、今の吐出温度が目標吐出温度よりも低ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を小さくする(閉じる方向)ように制御する。
【0045】
他方、外気温度検出手段12からの信号で検出した外気温度が低温側限界外気温度Tlよりも低ければ、制御手段11は吐出温度検出手段13からの信号で吐出温度を検出し、そして、外気温度と目標吐出温度との関係を記憶している第三の記憶手段17からの情報で、今の吐出温度が目標吐出温度よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。逆に、今の吐出温度が目標吐出温度よりも低ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を小さくする(閉じる方向)ように制御する。
【0046】
上記のように制御手段11による吐出温度制御をある時間毎に行えば、吐出温度が常用最大吐出温度を越えないようにすることができるので、異常温度上昇のない給湯運転が可能となる。
【0047】
(実施例5)
図13は本発明の実施例5のヒートポンプ給湯機の構成説明図である。
【0048】
本実施例において、実施例1と異なる点は減圧装置3の最小開度を記憶している最小開度記憶手段18を設けた構成としている点である。
【0049】
なお、実施例1と同符号の部分は同一構成を有し、説明は省略する。
【0050】
次に動作、作用について説明する。
【0051】
給湯運転が始まり圧縮機1が起動すると、制御手段11は外気温度検出手段12と吐出温度検出手段13からの信号で外気温度と吐出温度とを検出する。そして、外気温度と目標吐出温度との関係を記憶している第一の記憶手段14からの情報で、今の吐出温度が目標吐出温度よりも高ければ、制御手段11は減圧装置3の開度を大きくする(開く方向)ように制御する。逆に、今の吐出温度が目標吐出温度よりも低ければ、制御手段11は最小開度記憶手段18からの信号で得た減圧装置3の最小開度と現在の減圧装置3の開度とを比較する。そして、現在の減圧装置3の開度のほうが前記最小開度よりも大きければ、減圧装置3の開度を前記最小開度を下まわらない範囲で小さくする(閉じる方向)ように制御する。また、現在の減圧装置3の開度のほうが前記最小開度よりも小さいか等しければ、減圧装置3の開度を前記最小開度になるように制御する。
【0052】
このようにすれば、外気温度が低い場合に蒸発器4に霜が付着して吐出温度や蒸発温度が低下しても減圧装置3の開度を必要以上に小さくすることがないので、効率の良い給湯加熱運転が維持できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のヒートポンプ給湯機は、年間を通じて、効率の良い給湯加熱運転ができるという効果を有する。
【0054】
また、圧縮機の異常圧力上昇がない、或いは液圧縮のない、耐久性の高いヒートポンプ給湯機が実現できる。
【0055】
た、着霜時にも減圧装置の最低の開度が維持されるため、蒸発器の蒸発温度の低下が押さえられて、従来よりも効率の良い給湯加熱運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例1のヒートポンプ給湯機を示す構成説明図
【図2】
同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図
【図3】
同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する目標吐出温度を示す説明図
【図4】
本発明の実施例2のヒートポンプ給湯機の構成説明図
【図5】
同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図
【図6】
同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する吐出圧力と減圧装置の開度を示す説明図
【図7】
本発明の実施例3のヒートポンプ給湯機の構成説明図
【図8】
同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図
【図9】
同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する目標吐出温度を示す説明図
【図10】
本発明の実施例4のヒートポンプ給湯機の構成説明図
【図11】
同ヒートポンプ給湯機の減圧装置の開度に対する吐出温度と吐出圧力と効率を示す説明図
【図12】
同ヒートポンプ給湯機の外気温度に対する目標吐出温度を示す説明図
【図13】
本発明の実施例5のヒートポンプ給湯機の構成説明図
【図14】
従来例におけるヒートポンプ給湯機の構成説明図
【符号の説明】
1 圧縮機
2 冷媒対水熱交換器
3 減圧装置
4 蒸発器
5 貯湯槽
6 循環ポンプ
11 制御手段
12 外気温度検出手段
13 吐出温度検出手段
14 第一の記憶手段
15 圧力検知手段
16 第二の記憶手段
17 第三の記憶手段
18 最小開度記憶手段
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