JP5003542B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧側熱交換器で加熱された被加熱流体の熱量を用いて給湯、空調等を行う冷凍サイクル装置に関する。
従来の冷凍サイクル装置としては、例えば、特許文献1のような給湯装置に用いられるものが知られている。この特許文献1では、ヒートポンプ式冷凍サイクルを構成する各機器(圧縮機、絞り装置等)を制御する制御装置が下記の各種センサ(検出手段)の検出値に基づいて絞り装置の絞り開度を制御することで、冷媒回路の圧縮機の吐出圧力や吐出温度を低減し圧力上昇を防止している。各種センサは、圧縮機の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ、高圧側熱交換器に流入する水の温度を検出する入水温度センサ、高圧側熱交換器を流出する給湯水の温度を検出する出湯温度センサ、および外気温度を検出する外気温度センサである。
特開2007−155157号公報
しかしながら、各種センサの故障や故障以外の何らかの原因によって、実際の値からずれた検出値が出力された場合、実際の値とは異なる検出値に基づいて機器の制御が行われることになる。この場合、給湯装置を構成する機器に過剰な負荷がかかったり、当該機器が停止したりすることがある。このような状態で運転が行われると、当該機器の故障や、必要な熱量が得られないという不具合が起こる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、冷媒や空気の状態量(圧力、温度等)を検出する検出手段が誤った検出値を出力するようになった場合でも、機器を正常に作動させる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、第1の発明は、サイクル内に封入された冷媒を吸入し吐出する圧縮機(10)、圧縮機(10)によって吐出された冷媒と熱交換させて被加熱流体を加熱する高圧側熱交換器(20)、高圧側熱交換器から流出した冷媒を減圧する減圧装置(40)、および減圧装置によって減圧された冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる蒸発器(30)を少なくとも備える冷凍サイクル装置に係る発明であって、
サイクル内の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段(12,13,15,18,19,33)と、サイクル内の冷媒の圧力を検出する冷媒圧力検出手段(11,14)と、被加熱流体を加熱する加熱運転時に、加熱運転を制御するための目標となる目標値を算出し、目標値を満たすように冷凍サイクル装置の各機器の作動を制御する制御装置(70)と、を備えている。
制御装置(70)は、サイクル内に封入された冷媒固有の温度圧力、および複数個の等密度線に関する特性情報を記憶しており、加熱運転において、サイクル内の冷媒の封入量とサイクルの容積とから冷媒の密度を算出し、当該複数個の等密度線の情報の中から当該密度の算出値に対応する等密度線を選択し、加熱運転開始前の冷媒の定常状態で検出される温度検出値または圧力検出値と選択された等密度線とから推定される圧力推定値または温度推定値と、冷媒の定常状態で検出される圧力検出値または前記温度検出値とを比較し、比較した結果に応じて上記目標値を補正することを特徴とする。
この発明によれば、冷媒等の状態量を検出する検出手段に異常が生じた場合でも、冷媒固有の特性を活用した補正処理を実施することにより、機器を停止することなく、機器への負担を大きくしない状態で実際の状態に適した加熱運転を継続することができる。したがって、冷媒や空気の状態量(圧力、温度等)を検出する検出手段が誤った検出値を出力するようになった場合でも、引き続き機器を正常に作動させ、ユーザーに対して不具合を感じさせない冷凍サイクル装置を提供できる。
また、制御装置(70)は、加熱運転において、加熱運転開始前の冷媒の定常状態で検出される温度検出値および上記選択された等密度線から求められる圧力推定値と、当該定常状態で検出される圧力検出値とを比較し、当該比較した結果に応じて上記目標値を補正することが好ましい。この発明によれば、冷媒圧力検出手段の中に異常なものがあった場合にはこれを検出し、適切な補正を施した制御によって正常な運転を確保することができる。
また、制御装置は、上記のように比較した結果、圧力推定値と定常状態の圧力検出値との間に所定値以上の差があった場合には、上記目標値を補正し、所定値以上の差がなかった場合には目標値を補正しないことが好ましい。この発明によれば、推定値と検出値との差が大きくなく、補正を行うレベルにない場合には目標値の補正を実施しないので、過度な補正処理を抑制し、正常な運転を確保することができる。
また、制御装置は、上記圧力推定値と定常状態の圧力検出値との差を算出し、上記目標値を当該算出された差分、補正することが好ましい。この発明によれば、より冷媒固有の特性情報に適合した補正量を決定できるので、より適切な補正処理を施した制御を実施することができる。
また、加熱運転開始前の冷媒の定常状態における温度検出値および圧力検出値は、ヒートポンプ式冷凍サイクル装置の前回の作動停止時から所定時間が経過した後に検出される値であることが好ましい。この発明によれば、冷媒の安定状態を確保できる時間に所定時間を設定すれば、当該冷凍サイクル装置の形態に適した冷媒の定常状態を検出できるので、目標値の補正が必要な状況において当該補正処理を確実に実施することができる。
また、冷凍サイクル装置は冷媒温度検出手段を複数個備えており、制御装置は複数個の冷媒温度検出手段によって検出される各検出値を用いて冷媒の定常状態の温度検出値を求めることが好ましい。この発明によれば、当該定常状態の温度検出値の信頼性が向上するので、より実際の冷媒状態量に近くなるように補正処理を実施することができる。
また、制御装置は、複数個の冷媒温度検出手段によって検出される各検出値を比較し、他の検出値との間に所定の異常温度差がある異常な検出値があった場合には、当該異常な検出値を除いた他の検出値を用いて冷媒の定常状態の温度検出値を求めることが好ましい。この発明によれば、複数の検出値の中に所定の異常温度差が見られるものがある場合は、当該検出値を除いて当該定常状態の温度検出値を求めるため、故障等による明らかな異常が見られる検出手段を排除でき、温度検出値の精度を向上させることができる。
また、冷凍サイクル装置は異常状態であることを通知する通知手段を備えており、制御装置は、比較した結果、冷媒の定常状態の圧力検出値と圧力推定値との間に所定の許容値を超える圧力差があった場合には、異常状態とみなし当該通知手段に送信することが好ましい。この発明によれば、補正処理により機器の正常な作動が確保できるとともに、故障等の明らかに異常な状態の冷媒圧力検出手段をユーザーに知らせることにより、機器の異常状態の早期改善を図ることができる。
また、冷凍サイクル装置は冷媒圧力検出手段を複数個備えており、制御装置は、複数個の冷媒圧力検出手段が検出する冷媒の定常状態の各圧力検出値について圧力推定値と比較することが好ましい。この発明によれば、複数個の冷媒圧力検出手段のそれぞれについてその検出値にずれが生じているか否かを確認することができる。そして、ずれが生じている場合には正常な作動を確保する補正処理が行われることにより、冷凍サイクルの機器への悪影響を多面的に防ぐことができるとともに、複数の冷媒圧力検出手段に生じる不具合を回避できる運転を提供できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態について図1〜図5を用いて説明する。本実施形態で説明する給湯装置は、本発明に係る冷凍サイクル装置が適用される装置の一例である。本冷凍サイクル装置は、被加熱流体を温水に利用する給湯装置の他、被加熱流体を温風に利用する車両用冷凍装置、車両用空調装置、室内用空調装置、または暖房装置に適用することができる。
本実施形態の給湯装置は、給湯用水をつくる沸き上げ運転の際に、冷媒の状態量(温度、圧力等)を検出する検出手段による検出値に基づいて行われる制御に対して、後述する補正を行う補正処理を実施するものである。
図1は本実施形態に係る給湯装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、給湯装置は、蒸気圧縮式のヒートポンプ式冷凍サイクル装置であるヒートポンプユニット100と、ヒートポンプユニット100によって加熱された水を貯える貯湯タンク1、配管、各種弁等を含むタンクユニット80と、を備えている。給湯装置は制御装置70を備え、制御装置70は給湯操作リモコン(図示せず)から命令信号および各種センサの検出信号を受信してヒートポンプユニット100による沸き上げ運転を制御する。給湯操作リモコンは、ユーザーが給湯装置を使用するときに操作する操作盤であり、各操作スイッチや表示部が設けられ、浴室内やキッチンなどの湯を使用する場所の壁面に設置されている。また、給湯装置は、制御装置70の他に、給湯操作リモコンから命令信号を受信してタンクユニット80の各部の作動を制御するタンクユニット制御装置(図示せず)を備えてもよい。また、制御装置70がタンクユニット制御装置の機能も併せ持ち、給湯装置のシステム全体を制御する制御装置であってもよい。
ヒートポンプユニット100は、少なくとも圧縮機10、高圧側熱交換器である水・冷媒熱交換器20、減圧器40、蒸発器30、および気液分離器50等の冷凍サイクル機能部品が配管で環状に接続されて冷媒回路9と、貯湯タンク1側の給湯用水加熱回路3と、で構成されている。冷媒回路9には内部熱交換器60が設けられている。内部熱交換器60は水・冷媒熱交換器20から流出した高圧冷媒と、気液分離器50から流出して圧縮機10に吸入される低圧冷媒とを熱交換する熱交換器である。冷媒回路9内に所定量の冷媒が封入されている。この封入量と冷媒回路9(各機器も含む冷凍サイクル全体)の容積から算出された冷媒の密度が冷媒固有の特性情報の一つとして制御装置70に予め記憶されている。
さらに、蒸発器30の近傍には、蒸発器30に対して強制風を提供する送風機30aが設けられ、蒸発器30による強制風の温度(外気温度)を検出する外気温度センサ18が設けられている。前回の沸き上げ運転の停止後、予め定める所定時間が経過したときに、外気温度センサ18が検出する温度は、冷媒の温度と略等しくなっている。したがって、この場合には外気温度センサ18は、冷媒の温度を検出する他の下記センサとともに、冷媒温度検出手段として用いられる。
冷媒回路9には、高圧側温度センサ13、高圧側圧力センサ14、出口冷媒温度センサ15、蒸発器入口温度センサ33、蒸発器出口温度センサ19、低圧側圧力センサ11、吸入温度センサ12等の各種センサが設けられている。冷媒温度検出手段である高圧側温度センサ13と冷媒圧力検出手段である高圧側圧力センサ14は、それぞれ圧縮機10から吐出された冷媒の温度、圧力を検出し、冷媒回路9の高圧側である圧縮機10の出口から減圧器40の入口までに至る冷媒配管のどこに設けられてもよい。当該センサ13,14が圧縮機10の出口部と放熱器20の入口部との間の高圧側流路に設けられている場合には、精度の良い高圧の圧力を検出することができる。一方、当該センサ13,14が放熱器20の出口部と減圧器40の入口部との間の高圧側流路に設けられている場合には、冷凍サイクル装置の温度に対する耐久性(信頼性)を高くすることができる。
冷媒温度検出手段である出口冷媒温度センサ15は、水・冷媒熱交換器20の冷媒出口に設けられ、熱交換後の冷媒温度を検出する。冷媒温度検出手段である蒸発器入口温度センサ33は、減圧された後蒸発器30に流入する前の低圧側冷媒の温度を検出する。冷媒温度検出手段である蒸発器出口温度センサ19は蒸発器30で熱交換された後の冷媒の温度を検出する。冷媒圧力検出手段である低圧側圧力センサ11と冷媒温度検出手段である低圧側温度センサ12は、それぞれ圧縮機10に吸入される前の冷媒の圧力、温度を検出する。
圧縮機10は、内蔵する駆動モータと、吸引したガス冷媒を臨界圧力以上の高圧にまで昇圧して吐出する高圧圧縮部と、を備え、これらが密閉容器内に収納されて構成されている。そして、制御装置70によって通電制御される。圧縮機10は水・冷媒熱交換器20の加熱能力を大きくするときには圧縮機10の回転数を増大させて圧縮機10から吐出される冷媒流量を増大させ、一方、加熱能力を小さくするときには圧縮機10の回転数を低下させて、圧縮機10から吐出される冷媒流量を減少させる。
水・冷媒熱交換器20は、高圧圧縮部で昇圧された高温高圧のガス冷媒と給湯用水とを熱交換して給湯用水を加熱する。水・冷媒熱交換器20では、冷媒回路9の一部である高圧冷媒通路に隣接して給湯用水加熱回路3の一部である給湯水通路が設けられ、その高圧冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向と給湯水通路を流れる給湯用水の流れ方向とが対向するようになっている。本実施形態では、冷媒としてCOを用いているので、水・冷媒熱交換器20内の冷媒圧力は冷媒の臨界圧力以上となり、さらに冷媒水熱交換器20内で冷媒は凝縮することなく、冷媒入口側から冷媒出口側に向かうほど冷媒温度が低下するような温度分布を呈するようになる。
蒸発器30は、屋外空気と液相冷媒とを熱交換させ、液相冷媒を蒸発させることにより屋外空気から吸熱する熱交換器である。送風機30aは、蒸発器30へ外気を供給する送風手段であり、制御装置70によって通電されて送風量が制御される。減圧器40は冷媒を略エンタルピー的に減圧膨張させる可変式の膨張弁であり、制御装置70によってその絞り開度が可変的に制御される。また、減圧器40は、膨張弁の他、冷媒を略エントロピー的に減圧膨張するエジェクタで構成してもよい。
気液分離器50は、蒸発器30から流出した冷媒が流入するとともに、その流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液冷媒を蓄えるものである。気液分離器50の気相冷媒流出口は圧縮機10の吸引側に接続され、液相冷媒流出口は冷媒空気熱交換器30の流入側に接続される。
給湯用水加熱回路3は、給湯用水の加熱手段である水・冷媒熱交換器20の給湯水通路と、給湯用水を循環させるウォーターポンプ2と、給湯用水を貯留する貯湯タンク1とを環状に接続して構成される。ウォーターポンプ2は給湯用水加熱回路3のどこに配置してもよい。また給湯用水加熱回路3には、水・冷媒熱交換器20の給水入口の水温を検出する入口水温センサ16および水・冷媒熱交換器20で沸き上げられた水温を検出する出口水温センサ17が設けられている。ウォーターポンプ2は、貯湯タンク1内の下部に設けられた低温水流出部から水を水・冷媒熱交換器20の給湯水通路を通して貯湯タンク1の上部に設けられた高温水流入部に還流させるように循環流を発生させる。ウォーターポンプ2は内蔵するモータの回転数に応じて循環流量を調節することができ、ヒートポンプユニット100が沸き上げる湯温が目標とする値となるように、制御装置70によってその回転数が制御される。
貯湯タンク1は、耐蝕性に優れた金属製(例えばステンレス製)で断熱構造を有し、高温の給湯用水を長時間にわたって保温することができる。貯湯タンク1に貯留された給湯用水は、出湯時に低温水混合手段である混合弁(図示せず)で、貯湯タンク1上部の高温水流出部からの高温水と水道からの冷水とを混合して温度調節した後、主に台所や風呂などに給湯される。当該混合弁を含むタンクユニット80の各種弁も制御装置70により通電制御される。
冷媒回路9には冷媒の一例として臨界温度の低い二酸化炭素(以下、COとする)冷媒が所定量封入されている。制御装置70は、この封入量と冷媒回路9の容積から算出された冷媒の密度を特性情報の一つとして予め記憶されている。ヒートポンプユニット100は、本実施形態では冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用することにより、図1のモリエル線図上に示したように、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧以上になる超臨界ヒートポンプ式冷凍サイクルを構成する。ヒートポンプ式冷凍サイクル装置を超臨界ヒートポンプ式冷凍サイクルで構成した場合、一般的なヒートポンプ式冷凍サイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯を貯湯タンク1内に蓄えることができる。ヒートポンプユニット100は制御装置70からの制御信号により作動するとともに、その作動状態をヒートポンプ制御装置70に出力するように構成されている。ヒートポンプユニット100は、料金設定の安価な深夜時間帯の深夜電力を利用して貯湯タンク1内の湯を沸き上げる沸き上げ運転、および深夜時間帯以外の時間帯に行う沸き上げ運転を行う。
制御装置70は、沸き上げ運転時に、沸き上げ運転を制御するための目標となる目標値を算出し、目標値を満たすようにヒートポンプユニット100の作動を制御する。換言すれば、制御装置70は、給湯操作リモコンで命令された給湯運転情報を受信し、外気温度センサ18、入口水温センサ16、出口水温センサ17等からの温度情報に基づいてヒートポンプユニット100が沸き上げる湯が目標とする目標沸き上げ温度(上記目標値の一つでもある)となるようにヒートポンプユニット100の減圧器40の開度や圧縮機10の吐出容量、ウォーターポンプ2や送風機30aの回転数等を制御する。
制御装置70は、冷凍サイクル内に封入された冷媒固有の温度、圧力および冷媒の封入量に関する特性情報をROM等の記憶部に記憶している。制御装置70は、沸き上げ運転で、沸き上げ運転開始前の冷媒の定常状態において冷媒温度検出手段によって検出される温度検出値または冷媒圧力検出手段によって検出される圧力検出値と記憶されている特性情報とから圧力推定値または温度推定値を求める。さらに制御装置70は、求められた圧力推定値または温度推定値と、当該冷媒の定常状態において検出された圧力検出値または温度検出値とを比較し、この比較した結果に応じて目標値を補正する補正処理を実施する。この補正によって、冷媒温度検出手段または冷媒圧力検出手段が実際の冷媒状態量を正しく検出できないような状態であっても、機器を停止したり、機器に負担をかけたりすることなく、ヒートポンプユニット100の正常な作動を確保している。
次に、上記構成の給湯装置の沸き上げ運転における作動および制御について説明する。図2は本実施形態のヒートポンプ式冷凍サイクル装置に封入されるCO冷媒固有の特性情報を示す圧力、エンタルピー図である。
まず、制御装置70は、図2に示すCO冷媒固有の圧力P、エンタルピーh図を特性情報として記憶している。例えば制御装置70は、縦軸を絶対圧力Pとし横軸をエンタルピーhとするグラフにおいて記載されている、CO冷媒固有の飽和液線(図2の太い実線の左半分)、飽和蒸気線(図2の太い実線の右半分)、等温度線(図2の一点鎖線T1,T2,T3)、および等密度線(図2の細い実線ρ1,ρ2)といった特性情報を予め記憶している。制御装置70は、複数個記憶されている等密度線の中から、冷媒回路9に封入されている冷媒の封入量と冷媒回路9の容積とから算出される値、または実験的評価から得られた所定の値に応じて適切な等密度線を本装置特有の密度情報として選択する。制御装置70は、冷媒の封入量に関する特性情報として、冷媒の封入量と冷媒回路9の容積、選択する等密度線のいずれを予め記憶していてもよい。また、実験的評価から得られた所定の値とは、冷媒封入量または冷媒回路9の容積が分からない場合でも、正確な検出値が得られるヒートポンプユニット100と同様のマスターユニットにおいて予め実験によって評価された本装置特有の密度情報である。制御装置70はこの所定の密度情報を記憶しておくことにより、冷媒封入量等を記憶していなくても推定値を算出することができる。
制御装置70が沸き上げ運転の制御を行うときに、冷媒回路9内の冷媒の温度から特性情報を用いて冷媒圧力の推定値を求める場合について説明する。この場合、制御装置70は、沸き上げ運転開始前の冷媒の定常状態において冷媒温度検出手段によって冷媒の温度を検出する。この定常状態は、冷媒の状態が変動していない安定した状態であり、例えば、前回の冷凍サイクル装置の作動停止から所定時間、例えば1時間以上経過しているときの冷媒の状態である。冷媒温度の検出値は、特定の冷媒温度検出手段によって検出された値でもよいが、複数の検出手段による検出値を用いて求めることが好ましい。複数の検出手段を用いる場合は、複数の検出値を平均して求めるとよい。
ただし、このとき他の検出値と明らかに大きい異常な差のある検出値については、何らかの故障があるものとみなして温度検出値の算出から排除するものとする。さらに、制御装置70は、このように他の温度検出値との間に所定の異常温度差がみられた冷媒温度検出手段については、故障等による異常状態とみなし、異常状態であることを通知するために備えられた通知手段にその旨を送信する。同様に、制御装置70は、他の圧力検出値との間に所定の許容値を超える圧力差がみられた冷媒圧力検出手段については、故障等による異常状態とみなし、異常状態であることを通知するために通知手段にその旨を送信する。通知手段は、給湯操作リモコンに設けられた表示部や報知部で構成され、異常状態にある冷媒温度検出手段をユーザーに通知することができる。
制御装置70は、このようにして求めた温度検出値に対応する等温度線(図2のT1)を記憶済みの特性情報から選択し、前述のように選択された等密度線(図2のρ1)との交点(図2のP1)を求める。そして、制御装置70は、この交点P1が示す圧力を定常状態における冷媒固有の飽和圧力とみなし、これを冷媒温度から推定した冷媒の圧力推定値に決定する。さらに、制御装置70は、冷媒圧力検出手段によって定常状態の冷媒圧力を検出し、その圧力検出値と前述の圧力推定値とを比較してその差(図2のΔX)を算出する。そして、制御装置70は、この検出値と推定値の差であるΔXを沸き上げ運転制御の目標となる目標値(例えば、圧縮機10の目標高圧側圧力)の補正に使用する。
図2の交点P1は、機器が停止し、定常状態となった冷媒の圧力と温度とがバランスしている状態を示している。この冷媒は冷媒回路9内で液とガスが共存する飽和の状態にあることが分かる。また、制御装置70は,同様の処理により、選択された等密度線と圧力検出値とから温度推定値を推定することもできる。この場合は、温度推定値と温度検出値とを比較し、その差に応じた補正量で目標値を補正することになる。このように制御装置70は、予め記憶された冷媒固有の圧力と温度の相関関係を使用して、冷媒の圧力または温度を推定することができる。また、定常状態の冷媒が前述の液とガスが共存する飽和の状態にあるときは、圧力と温度の間に所定の関係が成り立つので、密度情報を用いることなく、温度から圧力を推定でき、または圧力からおんどを推定することができる。
そして、定常状態にある冷媒は、機器の環境、特に外気温度によって決まる。このため、温度検出値を求めるために使用する冷媒温度検出手段に外気温度センサ18を含むことが好ましく、機器の周辺環境を表す外気温度を冷媒の定常状態を検出するための指標として有効活用することができる。この場合、温度検出値の算出には、外気温度センサ18を含む複数の冷媒温度検出手段によって検出した温度を用いてもよいし、外気温度センサ18のみによって検出した温度を用いてもよい。
なお、図2において太い実線の飽和液線および飽和蒸気線よりも上方にある定常状態の冷媒の場合、例えば臨界点付近を通るT3の等温度線(約31℃の等温線)上にある冷媒の場合であっても同様に圧力を推定することができる。
次に、前述の沸き上げ運転の補正処理について、時間の経過と冷媒圧力の変動との関係の観点から図3にしたがって説明する。図3は沸き上げ運転における補正処理の概要を示す圧力のタイムチャートである。図3においては、縦軸を圧力とし、横軸を時間として、制御装置70が沸き上げ運転の指示を受けたとき、実際に運転を開始したとき、および沸き上げ運転中の、圧力に関する検出値、推定値および目標値の変化を示している。図中の実線は冷媒圧力検出手段によって検出された検出値の履歴であり、破線は推定値の履歴である。
制御装置70が沸き上げ運転の命令を認識してから各機器を作動させて運転を開始するまでの間は、補正処理を判定するエリアであり、短時間で行われる。このときの検出値と推定値との差はΔXであり、検出値の方が低い値を示している。このとき推定値よりも高い圧力を示す破線は、沸き上げ運転で目標とする補正前の当初の目標値、つまり推定値に基づく適正な目標値である。ここでは目標値は圧縮機10の高圧側圧力に係る目標値とし、制御装置70は高圧側圧力センサ14の検出値がこの目標値に近づくように沸き上げ運転を制御する。
しかしながら、目標値の補正を行わず、検出値に基づいて算出される目標値を満たすように沸き上げ運転が行われると、前述の検出値は低い値に検出されているため、実際の高圧側圧力はΔX分高くなり、各機器に過大な負荷がかかることがある。本装置ではこのような事態を未然に防ぐために、目標値を図3の一点鎖線で示す補正目標値に補正する補正処理を実施した後、給湯装置の各機器を起動する。この補正目標値は当初の目標値よりもΔX分低く設定されている。このように目標値の補正処理を行った上で機器を起動すると、沸き上げ運転において、破線で示した推定値は当初の目標値付近に近づくようになり、実際の値が適正な目標値を満たすようになる。これにより、正常な作動で沸き上げ運転が行われる。
次に、沸き上げ運転における制御の処理手順について図4のフローチャートにしたがって説明する。図4は沸き上げ運転の制御手順を示すフローチャートである。まず、制御装置70が沸き上げ運転の命令を認識すると、本制御がスタートし、まず、ステップ10で、前回の沸き上げ運転から所定時間(ここでは1時間)が経過しているか否かを判定する。ここで、沸き上げ運転の命令は、ユーザーの操作により給湯操作リモコンから沸き上げ運転命令が制御装置70に送信された場合、または1日の全時間帯の中で行われる自動給湯運転において制御装置70が過去の給湯実績、現在の貯湯熱量から沸き上げ運転を開始すべきとの判断をした場合に認識されるものである。
そして、ステップ10で、まだ所定時間が経過していないと判定された場合には、冷凍サイクル内の冷媒はまだ安定しておらず、定常状態になっていないため、補正処理はできないとして、補正を行わない目標値を満たすように各機器を制御する通常の沸き上げ運転制御を実施し(ステップ40)、必要な給湯用熱量が得られるまで沸き上げ運転を継続して終了する。
一方、ステップ10で、所定時間がすでに経過していると判定された場合には、制御装置70は、次に所定の冷媒圧力検出手段、例えば高圧側圧力センサ14によって検出された高圧側圧力(吐出圧力の圧力検出値)を読み込むとともに、所定の冷媒温度検出手段によって検出された温度を読み込む(ステップ20)。次に、制御装置70は、読み込んだ温度の検出値から高圧側圧力を推定するための温度検出値を算出し、前述のようにこの温度検出値と予め記憶している特性情報とから圧力推定値を求める。さらに読み込まれた高圧側圧力(圧力検出値)と圧力推定値とを比較し、その差が予め定められた所定値以上であるか否かを判定する(以上、ステップ30)。
そして、ステップ30で、高圧側圧力(圧力検出値)と圧力推定値との差が所定値未満であると判定された場合には、補正処理を行う必要があるほど機器に高負荷がかかることはないとみなし、ステップ40に飛び、補正を行わない目標値を満たすように各機器を制御する通常の沸き上げ運転制御を実施し、必要な給湯用熱量が得られるまで沸き上げ運転を継続して終了する。
一方、ステップ30で、高圧側圧力(圧力検出値)と圧力推定値との差が所定値以上であると判定された場合には、制御装置70は、比較結果に応じて目標高圧側圧力(目標値)を補正する処理を行う。具体的には、高圧側圧力(圧力検出値)と圧力推定値との差分に等しい補正量を目標高圧側圧力に与えるようにする(ステップ50)。そして、制御装置70は、補正処理を行った目標高圧側圧力(補正済み目標値)を満たすように各機器を制御する沸き上げ運転制御を実施し(ステップ60)、必要な給湯用熱量が得られるまで沸き上げ運転を継続して終了する。
次に、沸き上げ運転における制御の処理手順について他の形態を図5のフローチャートにしたがって説明する。図5は図4に示す沸き上げ運転の制御手順に対して、他の例を示したフローチャートである。図5に示すフローチャートは、前述の図4のフローに対して、検出値と推定値の差の大きさにかかわらず、必ず目標値を補正する点が異なっている。
このフローでは、ステップ20で、高圧側圧力センサ14によって検出された高圧側圧力(吐出圧力の圧力検出値)を読み込むとともに、所定の冷媒温度検出手段によって検出された温度を読み込む処理を行う。次に、ステップ30aで、読み込んだ温度の検出値から温度検出値を算出し、この温度検出値と予め記憶している特性情報とから圧力推定値を求め、さらに読み込まれた高圧側圧力(圧力検出値)と圧力推定値との差を算出する。
そして、制御装置70は、ステップ30aで算出された高圧側圧力(圧力検出値)と圧力推定値との差分に等しい補正量を目標高圧側圧力に与えて、目標高圧側圧力(目標値)を補正する処理を行う(ステップ50)。そして、補正処理を行った目標高圧側圧力(補正済み目標値)を満たすように各機器を制御する沸き上げ運転制御を実施し(ステップ60)、必要な給湯用熱量が得られるまで沸き上げ運転を継続して終了する。このようにして、検出値と推定値と差の大きさにかかわらず、必ず目標値に補正量を与えることにより、検出手段にに想定外の不具合が起こった場合でも、機器を常に正常状態に近づけて作動させることができる。
本実施形態に係る給湯装置がもたらす作用効果を以下に述べる。給湯装置は、給湯用水をつくる沸き上げ運転時に、当該沸き上げ運転を制御するための目標となる目標値を算出し、目標値を満たすようにヒートポンプユニット100の作動を制御する。さらに、沸き上げ運転において、沸き上げ運転開始前の冷媒の定常状態において冷媒圧力検出手段によって検出される温度検出値および記憶されている特性情報から求められる圧力推定値と、上記定常状態において検出される圧力検出値とを比較し、比較した結果に応じて目標値を補正する。
これによれば、冷媒圧力検出手段に異常が生じた場合でも、冷媒固有の特性を活用した補正処理を実施することにより、冷凍サイクル装置の機器を停止することなく、機器への負担を大きくしない状態で実際の状態に適した給湯運転を継続することができる。このため、検出手段に不具合が生じた場合でも引き続き機器を正常に作動させて、ユーザーに対して不具合を感じさせないで給湯を供給することができる。これは検出値が実際の値から異常な程度に大きくずれている場合はセンサの故障であると認識できるが、実際の値から大きくずれていない検出値が検出された場合には故障と判断されずにそのまま運転されることなく、補正処理が行われるため、特に有用である。
また、制御装置70は、複数個の冷媒圧力検出手段が検出する冷媒の定常状態の各圧力検出値について圧力推定値と比較し、当該比較した結果に応じて目標値を補正することが好ましい。これによれば、複数個の冷媒圧力検出手段のそれぞれについてその検出値にずれが生じているか否かを確認することができる。そして、ずれが生じている場合には正常な作動を確保する補正処理が行われることにより、機器への悪影響を多面的に防ぎ、この状態を補完しながら運転を正常に継続することができる。
また、制御装置70は、圧力推定値と定常状態の圧力検出値との間に所定値以上の差があった場合には、補正した目標値を満たすように沸き上げ運転を実施し、所定値以上の差がなかった場合には目標値を補正しないで沸き上げ運転を実施する。これによれば、推定値と検出値との差が大きくなく補正を必要とする不具合が生じていない場合には、過度な補正処理を抑制して沸き上げ運転の制御を簡単化することができる。
また、制御装置70は、圧力推定値と定常状態の圧力検出値との差を算出し、目標値を当該算出された差分、補正する。これによれば、冷媒固有の特性情報により適合した補正量が与えることができる。
また、沸き上げ運転開始前の冷媒の定常状態における温度検出値および圧力検出値は、ヒートポンプ式冷凍サイクル装置の前回の作動停止時から所定時間(例えば1時間)が経過した後に検出されるようにしている。これによれば、冷媒の安定状態が確実に得られる時間に所定時間を設定すれば、冷媒の定常状態を確実に検出できるので、目標値の補正が必要な状況において補正処理を確実に実施できる。
また、制御装置70は複数個の冷媒温度検出手段によって検出される各検出値を用いて冷媒の定常状態の温度検出値を求める。同様に、制御装置70は複数個の冷媒圧力検出手段によって検出される各検出値を用いて冷媒の定常状態の圧力検出値を求める。これによれば、当該定常状態のそれぞれの検出値の信頼性が向上し、より実際の冷媒状態量に適合した正常な運転を実施することができる。
また、制御装置70は、複数個の冷媒温度検出手段によって検出される各検出値を比較し、他の検出値との間に所定の異常温度差がある異常な検出値があった場合には、当該異常な検出値を除いた他の検出値を用いて冷媒の定常状態の温度検出値を求める。同様に、制御装置70は、複数個の冷媒圧力検出手段によって検出される各検出値を比較し、他の検出値との間に所定の異常圧力差がある異常な検出値があった場合には、当該異常な検出値を除いた他の検出値を用いて冷媒の定常状態の圧力検出値を求める。これによれば、複数の検出値の中に所定の異常レベルの差が見られるものがある場合は、当該検出値を除いて当該定常状態の検出値を求めるため、故障等による明らかな異常が見られる検出手段を確実に排除できるとともに、算出される検出値の精度が向上する。
また、制御装置70は、冷媒の定常状態の圧力検出値と圧力推定値との間に所定の許容値を超える圧力差があった場合には、異常状態とみなし通知手段に送信する。同様に、冷媒の定常状態の温度検出値と温度推定値との間に所定の異常温度差があった場合には、異常状態とみなし通知手段に送信する。これによれば、故障等の明らかに異常な状態の冷媒圧力検出手段や冷媒温度検出手段をユーザーに知らせることにより、機器の異常状態の早期改善(部品の交換等)を図ることができる。
また、使用する冷媒はCOを主成分とする冷媒であることが好ましい。これによれば、CO冷媒においては、定常状態の冷媒が臨界圧力以上となることがある。これは、例えば外気が高温となる夏期等に見られる。このときには、冷媒の状態は図2に示す飽和液線および飽和蒸気線の外側にあることになるので、本実施形態のように等密度線といった密度情報を用いて圧力または温度を推定することができる点で有用である。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上述の実施形態では、COと冷媒回路9内に所定量封入し、冷凍サイクルの高圧側圧力を臨界圧力以上としているが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、CO以外の冷媒(例えば、エチレン、エタン、酸化窒素等)を用いる冷凍サイクルであってよいし、高圧側圧力が臨界圧力以下となるものであってもよい。また、上述の実施形態では、貯湯式の給湯装置を例に説明したが、この実施形態に限定されるものではなく、直接出湯式の給湯装置であってもよい。
また、上述の実施形態では、補正処理を行う際に、推定値と検出値との差に応じて目標高圧側圧力等の目標値を補正している。本発明はこのように目標値そのものに補正量を与えて目標値を補正することに限定するものではなく、図6に示すように、検出値自身に直接補正量(例えばΔX)を与えて補正済みの検出値を算出し、この補正された検出値を用いて目標値を算出し、その目標値を満たすように運転を行うようにしてもよい。これにより、実際の値(実際の高圧側圧力)は、補正された検出値によって求められた目標値に近づくようになる。本発明はこのような補正処理を行うことにより、結果的に目標値を補正することも含んでいる。図6は補正処理の他の処理例についてその概要を示す圧力のタイムチャートである。
また、上述の実施形態では、補正処理を行う対象の目標値として、目標高圧側圧力を採用しているが、これに限定するものではなく、例えば、他の各部における目標高圧側圧力、目標高圧側温度、目標沸き上げ温度等であってもよい。
また、上記実施形態では、制御装置70の内部で補正処理が行われるように説明しているが、この形態に限定するものではない。例えば、当該補正処理を行う別部品の補正手段が制御装置70とは別個にあって、この補正手段と制御装置70が一体または別体となり、相互に通信しながら、補正された目標値に基づいて冷凍サイクル装置の作動制御を行うように構成してもよい。
また、上述の実施形態では、水・冷媒熱交換器20で加熱される被加熱流体は水であり、これを貯湯タンク1に貯めるとともに、貯湯タンク1内に貯めた湯を給湯用水として出湯しているが、この形態に限定するものではない。例えば、被加熱流体を給湯用水としてそのまま出湯するのではなく、当該被加熱流体を高温側の熱輸送媒体として使用し、さらに熱交換器等で当該被加熱流体と水を熱交換して、生成した湯を給湯用水として出湯するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、圧縮機10はモータ駆動式であるが、これに限定するものではなく、エンジン駆動式であってもよい。また、内部熱交換器60を備えていない冷凍サイクルであってもよい。また、気液分離器50を備えていない冷凍サイクル装置であってもよい。
第1実施形態に係る給湯装置の構成をモリエル線図上に示す模式図である。 第1実施形態の冷凍サイクルに封入されるCO冷媒固有の特性情報を示す圧力、エンタルピー図である。 第1実施形態に係る給湯装置における沸き上げ運転における補正処理の概要を示す圧力のタイムチャートである。 第1実施形態に係る給湯装置における沸き上げ運転の制御手順を示すフローチャートである。 図4に示す沸き上げ運転の制御手順に対して、他の例を示したフローチャートである。 補正処理の他の処理例についてその概要を示す圧力のタイムチャートである。
符号の説明
10…圧縮機
11…低圧側圧力センサ(冷媒圧力検出手段)
12…低圧側温度センサ(冷媒温度検出手段)
13…高圧側温度センサ(冷媒温度検出手段)
14…高圧側圧力センサ(冷媒圧力検出手段)
15…出口冷媒温度センサ(冷媒温度検出手段)
18…外気温度センサ(冷媒温度検出手段)
19…蒸発器出口温度センサ(冷媒温度検出手段)
20…水・冷媒熱交換器(高圧側熱交換器)
30…蒸発器
33…蒸発器入口温度センサ(冷媒温度検出手段)
40…減圧器(減圧装置)
70…制御装置
100…ヒートポンプユニット(ヒートポンプ式冷凍サイクル装置)

Claims (9)

  1. サイクル内に封入された冷媒を吸入し吐出する圧縮機(10)、前記圧縮機(10)によって吐出された冷媒と熱交換させて被加熱流体を加熱する高圧側熱交換器(20)、前記高圧側熱交換器から流出した冷媒を減圧する減圧装置(40)、および前記減圧装置によって減圧された冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる蒸発器(30)を少なくとも備える冷凍サイクル装置であって、
    前記サイクル内の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段(12,13,15,18,19,33)と、
    前記サイクル内の冷媒の圧力を検出する冷媒圧力検出手段(11,14)と、
    前記被加熱流体を加熱する加熱運転時に、前記加熱運転を制御するための目標となる目標値を算出し、前記目標値を満たすように前記冷凍サイクル装置の前記各機器の作動を制御する制御装置(70)と、を備え、
    前記制御装置(70)は、
    前記サイクル内に封入された冷媒固有の温度圧力、および複数個の等密度線に関する特性情報を記憶しており、
    前記加熱運転において、前記サイクル内の冷媒の封入量と前記サイクルの容積とから冷媒の密度を算出し、前記複数個の等密度線の情報の中から当該密度の算出値に対応する等密度線を選択し、
    前記加熱運転開始前の冷媒の定常状態で検出される前記温度検出値または前記圧力検出値と前記選択された等密度線とから推定される圧力推定値または温度推定値と、前記冷媒の定常状態で検出される前記圧力検出値または前記温度検出値とを比較し、前記比較した結果に応じて前記目標値を補正することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記制御装置(70)は、
    前記加熱運転において、前記冷媒の定常状態で検出される前記温度検出値および前記選択された等密度線の情報から求められる圧力推定値と、前記冷媒の定常状態で検出される前記圧力検出値とを比較し、前記比較した結果に応じて前記目標値を補正することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記制御装置は、前記比較した結果、前記圧力推定値と前記定常状態の圧力検出値との間に所定値以上の差があった場合には、前記目標値を補正し、前記所定値以上の差がなかった場合には前記目標値を補正しないことを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記制御装置は、前記圧力推定値と前記定常状態の圧力検出値との差を算出し、前記目標値を前記算出された差分、補正することを特徴とする請求項2または3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記冷媒の定常状態における前記温度検出値および前記圧力検出値は、前記ヒートポンプ式冷凍サイクル装置の前回の作動停止時から所定時間が経過した後に検出される値であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記冷媒温度検出手段は複数個備えられており、
    前記制御装置は、前記複数個の冷媒温度検出手段によって検出される各検出値を用いて前記定常状態の温度検出値を求めることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記制御装置は、前記複数個の冷媒温度検出手段によって検出される各検出値を比較し、他の検出値との間に所定の異常温度差がある異常な検出値があった場合には、前記異常な検出値を除いた他の検出値を用いて前記定常状態の温度検出値を求めることを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 異常状態であることを通知する通知手段を備え、
    前記制御装置(70)は、前記比較した結果、前記圧力推定値と前記定常状態の圧力検出値との間に所定の許容値を超える圧力差があった場合には、異常状態とみなし前記通知手段に送信することを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記冷媒圧力検出手段は複数個備えられており、
    前記制御装置は、前記複数個の冷媒圧力検出手段が検出する前記定常状態の各圧力検出値について前記圧力推定値と比較することを特徴とする請求項2からのいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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