JP2000346317A - 予混合式平面燃焼バーナにおける混合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼用空気と燃料ガスとを低圧損で均一に予
混合させ、この予混合気をバーナ燃焼面から均等な速度
で噴出させることができる予混合式平面燃焼バーナにお
ける混合装置を提供する。 【解決手段】 燃焼用空気と燃料ガスとの予混合気を生
成して平面燃焼バーナ１６に供給する混合装置１５にお
いて、平面燃焼バーナ１６の背面側に設けられた燃焼用
空気と燃料ガスとの混合部２１と、混合部２１から反転
して平面燃焼バーナ１６の裏面の全域に跨るように延
び、平面燃焼バーナ１６の裏面側で予混合気の流れ方向
に沿って流路断面積が徐々に減少する予混合気通路部２
２とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼用空気と燃料
ガスとの予混合気を生成して平面状に燃焼させる平面燃
焼バーナに係り、特に予混合式平面燃焼バーナに予混合
気を供給する混合装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】予混合式平面燃焼バーナは、希薄燃焼時
の低ＮＯｘ性、低騒音性が優れていることから、環境に
適したガス燃料または液体燃料の気化ガスの燃焼法とし
て、特にガス燃料を使用したボイラや温水器等に広く用
いられている。

【０００３】予混合式平面燃焼ガスバーナは、燃料ガス
と燃焼用空気とを予め混合した予混合気を生成し、この
予混合気を平面燃焼バーナで燃焼させるようにしたもの
であるが、予混合が不均一であったり、バーナ燃焼面か
らの予混合気の噴出速度が不均等であると、予混合式平
面燃焼バーナとしての本来の特徴を発揮することができ
ない。

【０００４】このため、均一な予混合気を得るようにし
た混合装置として、従来、例えば図５乃至図８に示すよ
うな混合装置が一般に知られている。図５に示す混合装
置は、送風ファン１から下方に延びる燃焼用空気ダクト
２の内部に燃料ガス供給配管３を該燃料ガス供給配管３
が十字型に分岐して上下方向に延びるように配置し、ダ
クト２の内部を流れる燃焼用空気と燃料ガス供給配管３
の先端から噴出される燃料ガスとが互いに直交する方向
に高速で衝突して混合し、開口端部に設けられた平面燃
焼バーナ４から噴出するようにしたものである。

【０００５】図６に示す混合装置は、ダクト２内を下方
に延びる燃料ガス供給配管３に多数のガス噴出口３ａを
設けるとともに、燃料ガス供給配管３と平面燃焼バーナ
４の間に、複数（図示では２枚）のパンチングメタル５
等を配置して、予混合気がパンチングメタル５の内部を
通過する際に効率良く混合して平面燃焼バーナ４から噴
出するようにしたものである。

【０００６】また、図７に示す混合装置は、ダクト２の
内部に複数の仕切板６を交互に配置してジグザグに延び
る予混合気通路部７を形成し、燃料ガス供給配管３の先
端から噴出した燃料ガスと燃焼用空気との予混合気が予
混合気通路部７に沿って乱流となってジグザグに流れる
間に混合して、平面燃焼バーナ４から噴出するようにし
たものである。

【０００７】更に、図８に示す混合装置は、ダクト２の
途中にベンチュリ形状の狭窄部２ａを設けるとともに、
この狭窄部２ａを燃料ガス供給配管３に連通するガス室
８で包囲し、更に狭窄部２ａに周壁に多数のガス噴出口
９を設けて、燃焼用空気が狭窄部２ａを流れる際に流速
を速めて、ガス噴出口９から噴出する燃料ガスに対する
大きな吸引力を得るようにしたものである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
５乃至図７に示す従来の技術にあっては、混合のための
圧力損失が大きくなり、必然的に燃料ガスの供給圧力を
高くしなければならないばかりでなく、バーナ燃焼面で
の予混合気の均等な噴出が困難であった。すなわち、燃
料ガスの供給圧力は、ボイラ等の通風抵抗と平面燃焼バ
ーナでの圧力損失および上述した予混合のための圧力損
失との総和に打ち勝たねばならず、特にバーナが大容量
化して燃焼量が大きくなるに伴い、一般に用いられる都
市ガスでの低圧ガス供給（１００〜２００ｍｍＡｑ）で
は不足するという問題が生じる。

【０００９】また、図８に示す従来例にあっては、燃料
ガスに対する大きな吸引力が得られるものの、狭窄部に
向けて燃料ガスを噴射させるためにガス室を設けるなど
して構造が複雑となり、かつ高価となるばかりでなく、
狭窄部後の混合距離を充分長くしなければ予混合気の十
分な圧力回復および均一な混合が得られず、小型化が困
難であるといった問題があった。

【００１０】本発明は上記事情に鑑みて為されたもの
で、燃焼用空気と燃料ガスとを低圧損で均一に予混合さ
せ、この予混合気をバーナ燃焼面から均等な速度で噴出
させることができる予混合式平面燃焼バーナにおける混
合装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の予混合式平面燃
焼バーナにおける混合装置は、燃焼用空気と燃料ガスと
の予混合気を生成して平面燃焼バーナに供給する混合装
置において、前記平面燃焼バーナの背面側に設けられた
前記燃焼用空気と燃料ガスとの混合部と、前記混合部か
ら反転して前記平面燃焼バーナの裏面のほぼ全域に跨る
ように延び、前記平面燃焼バーナの裏面側で予混合気の
流れ方向に沿って流路断面積が徐々に減少する予混合気
通路部とを有することを特徴とする。

【００１２】これにより、予混合気は、混合部では未だ
不十分な混合状態であっても、その後、予混合気通路部
に沿って反転することで充分に攪拌されて混合が促進さ
れる。そして、平面燃焼バーナの裏面に達してバーナ燃
焼面から順次噴出し、流れ方向に向かって流量を徐々に
減じるが、予混合気通路部は、予混合気の流れ方向に沿
ってその流路断面積が徐々に減少しているため、予混合
気の流速および静圧が予混合気の流れ方向に対して均一
になって、バーナ燃焼面からの予混合気の噴出速度がよ
り均等となる。

【００１３】また、前記混合部内に燃焼用空気と燃料ガ
スとが互いに平行な流れとなって流入し、かつ燃焼用空
気の流速が燃料ガスの流速の３〜１０倍以上であること
を特徴とする。これにより、燃焼用空気の高速の流れに
伴って燃料ガスを大きな吸引力で吸引して効率よく伴流
混合させることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
乃至図４を参照して説明する。図１乃至図３は、内部に
複数の水管１０を備えたボイラ１１に適用した本発明の
第１の実施の形態の混合装置を示すもので、このボイラ
１１には、水管１０で囲まれた燃焼室１２と、燃料ガス
を煙突に導く煙道１３が備えられている。前記ボイラ１
１の前記煙道１３と対向する位置に燃焼室１２に連通す
る開口部が設けられ、この開口部に混合装置固定板１４
を介して混合装置１５が取付けられている。

【００１５】前記混合装置１５には、前記固定板１４の
開口部に固定された平面燃焼バーナ１６と、ダクトボッ
クス１７とが備えられ、このダクトボックス１７の内部
には、仕切板１８が下方に垂下して、その自由端面とダ
クトボックス１７との間に空隙を有するように配置さ
れ、更に、燃料ガス供給配管１９が接続されている。

【００１６】これにより、ダクトボックス１７の内部に
は、燃焼用空気の流入部２０と、この流入部２０に連続
する混合部２１が仕切板１８で仕切られて上下に形成さ
れ、この混合部２１に連続して下降する予混合気通路部
２２は、仕切板１８に沿って１８０度反転して上昇し
て、平面燃焼バーナ１６の裏面に達するようになってい
る。

【００１７】前記平面燃焼バーナ１６の裏面側には、上
方に向かって平面燃焼バーナ１６側に徐々に傾斜する斜
平板２３が配置されている。これによって、前記予混合
気通路部２２は、混合部２１から流下して１８０°反転
した後、平面燃焼バーナ１６と斜平板２３とで区画さ
れ、上方に行くに従って、その流路断面積が徐々に減少
するように構成されている。

【００１８】前記燃料ガス供給配管１９は、例えば配管
用炭素鋼で構成され、その先端には、前記混合部２１の
内部に位置して流入部２０の下流に向けて開口するガス
噴出口２４が設けられている。更に、前記混合部２１の
前記ガス噴出口２４を挟んだ両側には、直線部２５ａと
下方に向けて拡がるテーバ部２５ｂとを有する、例えば
鉄板製の一対の縮流部材２５が配置されている。これに
より、この互いに対向する直線部２５ａで挟まれた流路
の断面積が他の流路よりも狭くなって、ここを燃焼用空
気が燃料ガスの流速の３〜１０倍以上の流速で流れ、こ
の燃焼用空気の高速の流れに伴って燃料ガスを大きな吸
引力で吸引して効率よく伴流混合させることができるよ
うになっている。

【００１９】次に、この実施の形態の混合装置の作用に
ついて説明する。図示しない送風ファンより送られてき
た燃焼用空気は、ダクトボックス１７内の流入部２０内
に流入し、この燃焼用空気と燃料ガス供給配管１９から
供給される燃料ガスとが混合部２１で混合される。この
時、燃焼用空気は、一対の縮流部材２５で挟まれた空間
内を燃料ガスの流速の３〜１０倍以上の流速で流れるた
め、この流速を速めた燃焼用空気でガス噴出口２４から
噴出される燃料ガスに対する大きな吸引力を得つつ、燃
料ガスを燃焼用空気の流れに乗せて吸引することができ
る。

【００２０】この混合部２１で混合された予混合気は、
混合部２１に連続する予混合気通路部２２に沿って下方
に流れた後、１８０°反転する。これにより、予混合気
は、混合部２１では未だ不十分な混合状態であっても、
その後、予混合気通路部２２に沿って反転することで充
分に攪拌されて混合が促進される。そして、平面燃焼バ
ーナ１６と斜平板２３とで区画された予混合気通路部２
２に沿って上昇し、この上昇の過程で平面燃焼バーナ１
６のバーナ燃焼面から順次噴出して燃焼室１２で燃焼す
る。このため、予混合気は、この流れ方向に沿って流量
を減じるが、予混合気通路部２２は、予混合気の流れ方
向に沿ってその流路断面積が徐々に減少しているため、
予混合気の流速および静圧が予混合気の流れ方向に対し
て均一になって、バーナ燃焼面からの予混合気の噴出速
度がより均等となる。

【００２１】図４は、本発明の第２の実施の形態の混合
装置を示すもので、これは、ダクトボックス１７内に下
方から燃焼用空気を導入するようにしたもので、燃焼用
空気の流入部２０の上方に混合部２１を形成し、予混合
気通路部２２は、一旦上昇した後に１８０°反転して下
降し、かつ斜平板２３を下方に行くに従って平面燃焼バ
ーナ１６の方向に徐々に傾斜するように配置して、平面
燃焼バーナ１６と斜平板２３とで区画された予混合気通
路部２２の流路断面積が下方に向かって徐々に減少する
ようにしたものである。その他の構成は、前記第１の実
施の形態と同様である。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予混合のための圧力損失を小さくしながら、完全な予混
合気を生成してバーナ燃焼面から均一な流速で噴出させ
ることができ、理想的な予混合式バーナを実現できる。
これにより、大容量のバーナであっても、低圧ガス供給
に対応でき、低ＮＯｘ性、低騒音性の優れたボイラーや
温水器等の製作が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の混合装置を示す断
面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】本発明の第２の実施の形態の混合装置の要部を
示す断面図である。

【図５】従来の混合装置を示す概要図である。

【図６】従来の他の混合装置を示す概要図である。

【図７】従来の更に他の混合装置を示す概要図である。

【図８】従来の更に他の混合装置を示す概要図である。

【符号の説明】

１１ ボイラ １２ 燃焼室 １５ 混合装置 １６ 平面燃焼バーナ １７ ダクトボックス １８ 仕切板 １９ 燃料ガス供給配管 ２０ 流入部 ２１ 混合部 ２２ 予混合気流路部 ２３ 斜平板 ２４ ガス噴出口 ２５ｂ テーバ部 ２５ 縮流部材 ２５ａ 直線部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃焼用空気と燃料ガスとの予混合気を
   生成して平面燃焼バーナに供給する混合装置において、 前記平面燃焼バーナの背面側に設けられた前記燃焼用空
   気と燃料ガスとの混合部と、 前記混合部から反転して前記平面燃焼バーナの裏面の全
   域に跨るように延び、前記平面燃焼バーナの裏面側で予
   混合気の流れ方向に沿って流路断面積が徐々に減少する
   予混合気通路部とを有することを特徴とする予混合式平
   面燃焼バーナにおける混合装置。
2. 【請求項２】 前記混合部内に燃焼用空気と燃料ガスと
   が互いに平行な流れとなって流入し、かつ燃焼用空気の
   流速が燃料ガスの流速の３〜１０倍以上であることを特
   徴とする請求項１記載の予混合式平面燃焼バーナにおけ
   る混合装置。
3. 【請求項３】 前記請求項１又は２記載の混合装置を備
   えたことを特徴とする予混合式平面燃焼バーナ。
4. 【請求項４】 前記請求項３記載の予混合式平面燃焼バ
   ーナを備えたことを特徴とするボイラ。