JP2000346139A - 無端状金属ベルトの製造方法 - Google Patents

無端状金属ベルトの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐疲労強度を得ることができる無端状金
属ベルトの製造方法を提供する。 【解決手段】前記無端状金属ベルトを、アンモニアガス
に対して変成露点+4℃のRXガスを体積比0.05〜
0.5の範囲で混合した混合雰囲気中、480〜520
℃の範囲の温度下、45〜60分間の範囲でガス軟窒化
処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の動力
伝達ベルトに用いられる無端状金属ベルトの製造方法に
関し、さらに詳しくはガス軟窒化処理を用いる前記無端
状金属ベルトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】V溝間隔を変換できる1対のプーリと、
両プーリ間に張設された動力伝達ベルトからなる無段変
速機が知られている。前記無段変速機では、前記動力伝
達ベルトとして複数の無端状金属ベルトを重ね合わせた
状態で保持したものが用いられている。
【0003】前記無端状金属ベルトは、前記プーリ間を
走行するときには直線状態を呈する一方、前記プーリに
沿って走行するときには湾曲状態を呈し、前記直線状態
と湾曲状態との繰り返しによる過酷な曲げ変形が加えら
れる。そこで、前記無端状金属ベルトは、前記過酷な曲
げ変形に耐える強度を備えることが必要とされる。
【0004】前記過酷な曲げ変形に耐える強度を備える
材料としてマルエージング鋼が知られている。前記マル
エージング鋼は、17〜19%のNiの他、Co,M
o,Tiを含む低炭素鋼であり、溶体化後、適温に加熱
することによりマルテンサイト状態において時効硬化を
生じ、高強度、高靱性を兼ね備える超強力鋼であるの
で、前記無端状金属ベルトに賞用される。
【0005】前記無端状金属ベルトは、前記マルエージ
ング鋼の薄板の端部同士を溶接してリング状に形成し、
所定の長さに圧延した後、時効処理を施して時効硬度を
発現させることにより形成されている。しかし、前記動
力伝達ベルト用無端状金属ベルトに用いる場合には、さ
らに、耐摩耗性、耐疲労強度を備えることが望まれるの
で、前記マルエージング鋼に表面硬化処理を施すことが
行われている。
【0006】前記時効処理後の表面硬化処理として、例
えばガス軟窒化処理により、前記マルエージング鋼の表
層部に窒化層を形成することが行われている。前記ガス
軟窒化処理は、前記無端状金属ベルトを、RXガスとア
ンモニアガスとの混合雰囲気下に加熱することにより行
われる。前記RXガスは、メタン、エタン、プロパン等
に空気を混合してNi触媒を用いた吸熱型変成炉中で変
成したガスであり、CO、H2 、N2 を主成分とし、微
量のCO2 等を含む。
【0007】前記マルエージング鋼は、前記のように低
炭素鋼でありしかも多量のNiを含むので、純粋のアン
モニアのみによるガス窒化処理によっては窒化が不安定
である。しかし、無端状金属ベルトは、前記RXガスと
アンモニアガスとの混合雰囲気下に加熱することによ
り、前記RXガス中のCOの分解により生じるCが前記
マルエージング鋼の表層部に吸着し、浸透する浸炭を生
じる。この結果、前記マルエージング鋼の組織中に前記
Cを核としてセメンタイト(Fe3 C)が形成され、ア
ンモニアガスによる前記無端状金属ベルトの窒化を容易
にすることができる。
【0008】従来、前記無端状金属ベルトのガス軟窒化
処理は、変成露点0〜+2℃の範囲のRXガスは一般に
CO24%、H2 31%、CO2 0.18〜0.25
%、残部N2 からなり、そのRXガスとアンモニアガス
とをRXガス/アンモニアガスの体積比0.6〜1.0
の範囲、例えば0.7で混合した混合雰囲気中、570
〜580℃の範囲の温度に1〜3時間保持することによ
り行われている。
【0009】次に、前記ガス軟窒化に関与する化学反応
を示す。
【0010】
【化1】
【0011】前記式(1)〜(3)は、いずれも平衡状
態を示しており、ギブスの自由エネルギー(ΔG)の値
がマイナスであれば右に、プラスであればに左に反応が
進み易い。各反応のΔGを図2に示す。
【0012】前記式(1)はブルドワ反応と呼ばれてお
り、前記570〜580℃の範囲の温度では、ΔGの値
がプラスであるために、反応が左に進み易くCを生成
し、このCが前記マルエージング鋼(無端状金属ベル
ト)の表層部に吸着する。前記式(2)はアンモニア反
応と呼ばれており、前記570〜580℃の範囲の温度
では、ΔGの値がマイナスであるために、反応が右に進
み易く、アンモニアが分解してNを生成する。この結
果、前記マルエージング鋼の組織中に前記Cを核として
形成されるセメンタイト(Fe3 C)が、前記Nを取り
込んで、安定な窒化層が形成される。
【0013】また、式(3)は水性ガス反応と呼ばれて
おり、反応が右に進むと、水を生成して前記窒化層の形
成を阻害する。式(3)はRXガス中のH2 が多いと、
反応が右に進み易いので、RXガスの組成に占めるH2
の量に注意することが必要である。
【0014】かかる従来のガス軟窒化処理によれば、前
記無端状金属ベルトの表面に前記窒化層を形成すること
により前記無端状金属ベルトを硬化させ、耐摩耗性及び
耐疲労強度を向上させることができる。
【0015】しかしながら、前記従来のガス軟窒化で
は、前記無端状金属ベルトの表面に過剰のCが吸着して
煤が付着するために、窒化層が均一に形成されず、所要
の耐疲労強度が得られにくいとの不都合がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、優れた耐疲労強度を得ることができる無
端状金属ベルトの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題を解決するために種々検討を行った。
【0018】まず、前記無端状金属ベルトのガス軟窒化
処理において、前記無端状金属ベルトの表面に吸着する
Cの量を低減するために、アンモニアガスに対するRX
ガスの体積比(RXガス/アンモニアガス)を小さくす
ることが考えられる。ところが、この様にすると、相対
的にガス軟窒化処理においてアンモニアガスの比率が高
くなり、前記窒化層の形成に伴って前記無端状金属ベル
トの表面に化合物層が形成されるとの問題がある。前記
化合物層は、前記無端状金属ベルトに亀裂等の欠陥を発
生させる虞がある。
【0019】そこで、次に、前記化合物層の形成を防止
する技術について検討したところ、前記体積比(RXガ
ス/アンモニアガス)を小さくすると共に、前記ガス軟
窒化処理の温度を従来の570〜580℃から480〜
520℃と低くすればよいことが判明した。しかし、前
記480〜520℃の範囲の温度では、アンモニアガス
の窒化能力が低減する上、前記体積比(RXガス/アン
モニアガス)を小さくしてもなお前記無端状金属ベルト
の表面のCが過剰になって、窒化層が均一に形成されな
いとの問題がある。
【0020】前記無端状金属ベルトの表面のCについて
式(1)を勘案すると、図2から、前記480〜520
℃の範囲の温度では、ΔGの値がプラスであり、しかも
絶対値が大であるため、左に進む反応が促進され、前記
の様に前記体積比を小さくしても、前記Cが過剰に生成
するものと考えられる。
【0021】本発明者らは、前記知見に基づいてさらに
検討を重ねた結果、RXガスの変成露点を高くしてCO
2 を増大させることにより、式(1)の反応が左に進ん
でCを生成することを抑制し、前記無端状金属ベルトの
表層部に吸着するCを低減することができることを見出
し、本発明に到達した。
【0022】即ち、本発明の無端状金属ベルトの製造方
法は、マルエージング鋼の鋼板の端部同士を溶接してリ
ング状に形成した後、所定の長さに圧延して得られた無
端状金属ベルトにガス軟窒化処理を施して、無段変速機
の動力伝達ベルトに用いられる無端状金属ベルトを製造
する方法において、前記無端状金属ベルトを、アンモニ
アガスに対して変成露点+4℃のRXガスを体積比0.
05〜0.5の範囲で混合した混合雰囲気中、480〜
520℃の範囲の温度下、45〜60分間の範囲でガス
軟窒化処理することを特徴とする。
【0023】本発明の製造方法によれば、前記条件でガ
ス軟窒化処理を行うことにより、前記式(1)のブルド
ワ反応においてCの過剰な生成が抑制されるので、式
(2)のアンモニア反応による前記無端状金属ベルトを
窒化する能力が高められる。この結果、前記無端状金属
ベルトの表面に均一な窒化層を形成することができ、優
れた耐疲労強度を得ることができる。
【0024】前記RXガスは、変成露点の値によりCO
2 の含有量が異なり、変成露点が+4℃未満では、前記
式(1)においてCの過剰な生成を十分に抑制すること
ができない。一方、変成露点が+4℃を超えると、前記
式(3)の水性ガス反応が盛んになり、該反応により生
成する水が配管内に結露するので、操業上好ましくな
い。また、C濃度を抑制させる為のCO2 (酸化性ガ
ス)の増加、露点(H2 O)の増加は、マルエージング
鋼に含有されるTi及びMoの最表面での酸化を発生さ
せる為に、表面硬度低下、窒化層深さのバラツキが確認
され、好ましくない。
【0025】前記アンモニアガスに対する前記RXガス
の体積比(RXガス/アンモニアガス)が0.05未満
であるときには、前記無端状金属ベルトの表面に対する
浸炭が不十分になり、窒化処理に長時間を要する。ま
た、前記無端状金属ベルトの表面に化合物層が形成され
やすくなる。
【0026】一方、前記アンモニアガスに対する前記R
Xガスの体積比が0.5を超えると、前記無端状金属ベ
ルトの表面及びガス軟窒化処理を行う装置内に煤が付着
しやすくなる。また、前記RXガスの体積比が0.5を
超えると混合雰囲気中のH2の量が増加し、窒化能力が
低減する。
【0027】前記ガス軟窒化処理の処理温度が480℃
未満であるときには、前記アンモニアガスによる窒化能
力が十分に得られない。また、前記処理温度が520℃
を超えると、前記化合物層が形成される。
【0028】また、前記ガス軟窒化処理により形成され
る窒化層は、前記無端状金属ベルトの最表層部で最も硬
度が大であり、前記無端状金属ベルトの内部に向かうほ
ど硬度が小になる硬度勾配を形成する。前記無段階変速
機の動力伝達ベルトに好適な耐摩耗性及び耐疲労強度を
得るために、前記無端状金属ベルトは前記硬度勾配が高
からず低からず、中程度となることが望まれる。
【0029】前記ガス軟窒化処理では、処理温度が45
分間未満では前記硬度勾配が低く緩やかになり、60分
間を超えると前記硬度勾配が高く急峻になって、いずれ
も前記無段階変速機の動力伝達ベルトに好適な耐摩耗性
及び耐疲労強度が得られない。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本実施形態の製造方法により得られた無端状金属ベ
ルトの耐疲労強度を示すグラフである。
【0031】本実施形態に用いるマルエージング鋼は、
Cが0.03%以下、Siが0.10%以下、Mnが
0.10%以下、Pが0.01%以下、Sが0.01%
以下の低炭素鋼であり、18〜19%のNi、4.7〜
5.2%のMo、0.05〜0.15%のAl、0.5
0〜0.70%のTi、8.5〜9.5%のCoを含む
18%のNi鋼である。
【0032】本実施形態の製造方法では、まず、前記組
成を有するマルエージング鋼の薄板をベンディングして
ループ化したのち、端部を溶接して円筒状体を形成す
る。次に、これを真空炉中、820〜830℃に20〜
60分間保持して溶体化処理する。前記溶体化処理によ
り、結晶を再配列し、溶接歪を除去することができる。
【0033】次に、前記円筒状体を所定の幅に切断し、
リング状体を形成する。前記リング状体は前記切断によ
り、その端部にエッジが立っているので、バレル研磨に
より面取りしたのち、圧下率40〜50%で冷間圧延
し、無端状金属ベルトを形成する。
【0034】次に、前記無端状金属ベルトを熱処理装置
に収容して、時効処理及びガス軟窒化処理を行う。前記
熱処理装置は、時効処理室とガス軟窒化処理室とが直線
的に配置されて開閉自在の扉を介して連通される様にな
っていてもよく、時効処理室とガス軟窒化処理室とが全
く分離して備えられていてもよい。また、時効処理とガ
ス軟窒化処理とを1室で逐次行うようにしてもよい。
【0035】本実施形態では、まず480〜520℃の
範囲の温度で、60分間未満の時効処理行い、次いで4
80〜520℃の範囲の温度で、45〜60分間のガス
軟窒化処理を行う。
【0036】本実施形態のガス軟窒化処理では、変成露
点が+4℃のRXガスを用いる。前記RXガスの組成
は、変成露点が+4℃の場合にはCO約24%、H2
31%、CO2 0.30〜0.34%で、残部がN2
ある。
【0037】本実施形態のガス軟窒化処理は、アンモニ
アガスに対する前記RXガスの体積比(RXガス/アン
モニアガス)が0.05〜0.5である雰囲気下に行
う。
【0038】次に、変成露点がそれぞれ+2℃、+4℃
の2種のRXガスを用い、アンモニアガスに対するRX
ガスの体積比(RXガス/アンモニアガス)0.14、
処理温度500℃、処理時間60分の条件でガス軟窒化
処理を行って、無端状金属ベルトを製造した。前記RX
ガスの変成露点と無端状金属ベルトの物性との関係を表
1に示す。表1において、無端状金属ベルト表面のC及
びNの濃度は、オージエ分析により表面から深さ1.3
μmの位置の部分について測定した。また、窒化層の厚
さについては目視により測定した。
【0039】
【表1】
【0040】表1から、本実施形態のように変成露点+
4℃のRXガスを用いることにより、従来の変成露点+
2℃のRXガスを用いる場合に比較して、無端状金属ベ
ルトの表面のC濃度が低くなり、N濃度が高くなること
が明らかである。この結果、本実施形態で得られた無端
状金属ベルトは、従来の変成露点+2℃のRXガスを用
いて得られたものに比較して、表面硬度及び圧縮残留応
力が大であり、耐摩耗性及び耐疲労強度に優れているこ
とが明らかである。
【0041】次に、表1の場合と同一条件でガス軟窒化
処理して製造した無端状金属ベルトを可動プーリと固定
プーリとの間に巻き回し、前記可動プーリに4000N
の引張荷重を掛けて回転させた。このとき、前記RXガ
スの変成露点と無端状金属ベルトが破損するまでの回転
回数との関係を図1に示す。
【0042】図1から、本実施形態のように変成露点+
4℃のRXガスを用いる場合には無端状金属ベルトが破
損するまでの回転回数を107 回以上とすることがで
き、従来の変成露点+2℃のRXガスを用いる場合の1
5 回に比較して、格段に優れた耐疲労強度が得られる
ことが明らかである。
【0043】次に、変成露点+4℃のRXガスを用い、
アンモニアガスに対する前記RXガスの体積比(RXガ
ス/アンモニアガス)を変えて、処理温度500℃、処
理時間60分の条件でガス軟窒化処理を行い、無端状金
属ベルトを製造した。アンモニアガスに対する前記RX
ガスの体積比(RXガス/アンモニアガス)と無端状金
属ベルトの物性との関係を表2に示す。表2において、
窒化層の厚さについては目視により測定した。
【0044】
【表2】
【0045】表2から、本実施形態のようにアンモニア
ガスに対する前記RXガスの体積比(RXガス/アンモ
ニアガス)を0.05〜0.5とする(例として0.2
の場合を示す)ことにより、前記範囲を超える0.7の
場合(従来例)よりも無端状金属ベルトの表面の硬度が
大になることが明らかである。
【0046】また、表2から、本実施形態の0.05〜
0.5の範囲未満の0の場合(アンモニアガスのみを用
いるガス窒化処理)によれば、本実施形態よりも無端状
金属ベルトの表面の硬度は大になるものの、無端状金属
ベルトの表面に化合物層が形成されるとともに、本実施
形態の半分の厚さの窒化層の形成に本実施形態の2倍の
時間を要することが明らかである。
【0047】次に、変成露点+4℃のRXガスを用い、
アンモニアガスに対する前記RXガスの体積比(RXガ
ス/アンモニアガス)を0.14として、処理温度及び
処理時間を変えてガス軟窒化処理を行い、無端状金属ベ
ルトを製造した。ガス軟窒化処理の時間及び温度と無端
状金属ベルトに形成される硬度勾配の状態との関係を表
3に示す。表3において、AAは無段階変速機の動力伝
達ベルトに最適な硬度勾配、BBは適用可能な硬度勾
配、CCは勾配が低く不適当な硬度勾配、DDは勾配が
高く不適当な硬度勾配をそれぞれ示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3から、ガス軟窒化処理の処理温度を4
80〜520℃の範囲とし、加熱時間を45〜60分の
範囲とすることにより、無段階変速機の動力伝達ベルト
に最適な硬度勾配を得ることができることが明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】RXガスの変成露点と無端状金属ベルトの耐疲
労強度との関係を示すグラフ。
【図2】ガス軟窒化処理に関与する反応のギブスの自由
エネルギーを示すグラフ。
【符号の説明】
符号なし。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 克幸 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 唐沢 均 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4K028 AA03 AB01 AB06 AC08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルエージング鋼の鋼板の端部同士を溶接
    してリング状に形成した後、所定の長さに圧延して得ら
    れた無端状金属ベルトにガス軟窒化処理を施して、無段
    変速機の動力伝達ベルトに用いられる無端状金属ベルト
    を製造する方法において、 前記無端状金属ベルトを、アンモニアガスに対して変成
    露点+4℃のRXガスを体積比0.05〜0.5の範囲
    で混合した混合雰囲気中、480〜520℃の範囲の温
    度下、45〜60分間の範囲でガス軟窒化処理すること
    を特徴とする無端状金属ベルトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2119800A1 (en) * 1999-05-28 2009-11-18 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method of manufacturing laminated ring and heat treatment apparatus for use in such method
JP2014176900A (ja) * 2014-03-18 2014-09-25 Robert Bosch Gmbh 駆動ベルトのリングコンポーネントの製造方法

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