JP2000345449A - 編地の伏せ目処理方法 - Google Patents

編地の伏せ目処理方法

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JP2000345449A
JP2000345449A JP11156704A JP15670499A JP2000345449A JP 2000345449 A JP2000345449 A JP 2000345449A JP 11156704 A JP11156704 A JP 11156704A JP 15670499 A JP15670499 A JP 15670499A JP 2000345449 A JP2000345449 A JP 2000345449A
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stitch
needle
knitting
stitches
knitting needle
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JP11156704A
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English (en)
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Satoyuki Kurabou
智行 蔵坊
Masanori Kitamura
真紀 北村
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Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にシングル編地に伏せ目処理を施す際に形
成する編目がヤーンキャリアの動きによって収縮せず、
クリアリングによるノックオーバないし目移しが円滑で
確実に伏せ目処理を行える新方法を提供すること。 【解決手段】 端部の編目又は端部編目に隣接する編
目、ならびに二重の編目と次に処理対象となる編目を対
向位置の針床に保持させて新編目を形成し、また、ヤー
ンキャリアの一回の走行時に二つの編目を形成するとい
う手段を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、編地の伏せ目処理
方法の改良、さらに詳しくは、前回に形成された編目に
編糸を引き込んで新編目を形成しながら伏せ目処理を施
してゆくときに、旧編目が固定シンカー内に嵌り込ま
ず、そして編針には無理な抵抗を与えずに、円滑に目移
して確実に伏せ目処理が行える新規にして合理的な方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シングル編地の終端部に伏せ目処
理を施す方法としては、特開昭59−21758号公報
に記載のものが知られている。この従来の伏せ目処理方
法は、次のような操作を経て行われる(特開昭59-21758
号公報:Fig.4のa〜o参照)。 1) フロント針床の各編針に保持されている各々のウェ
ールの編目の中、端部の編目を、対向するバック針床の
編針に目移しする。 2) 次に、バック針床を一針分ラッキングさせて上記編
目を目移しされた編針を編目の次なるウェールの二番目
の編目に対向させ、対向するフロント針床の編針から二
番目の編目を、バック側の編針に目移しして上記一番目
の編目と二番目の編目を重ねる。 3) こうして重ねられた編目を保持しているバック側の
上記編針にヤーンキャリアにより給糸して新編目を形成
する。 4) 次に、バック針床を一針分ラッキングさせて三番目
の編目に対向させ、対向するフロント針床の編針から三
番目の編目を、バック側の編針に目移しゝて上記3)で形
成された新編目に重ねる。 5) 再び、ヤーンキャリアがバック側の編針に給糸する
ことによって更に新たな編目を形成する。 6) 次いで、バック針床を一針分ラッキングさせること
によって四番目の編目に対向させ、この四番目の編目を
対向するバック側の編針に目移しして上記5)で形成され
た新編目に重ね、以後、上記5)と6)の操作を繰り返す。
【0003】ところが、上記従来の伏せ目処理方法にお
いては、ヤーンキャリアが一回走行する毎に新編目は端
部編目に対してのみ形成される。即ち、一目しか形成し
ないことから、新編目の大きさが小さくなるという欠点
を有する。ヤーンキャリアの走行中、ヤーンキャリアと
これに挿通された編糸との間には摩擦抵抗が生じてお
り、編針は編目を形成する際に摩擦抵抗力に抗しながら
編糸を引き込む。従来の伏せ目処理方法のように一本の
編針だけで引き込むと上記摩擦抵抗力がまともに当該編
針に作用して、新編目を形成すべき編糸の張力が過剰に
増大して弾性で伸び、新編目は復元したとき小さく縮ん
でしまうからである。したがって、目移しが不確実にな
って伏せ目処理に障害が生じ易くなるばかりでなく、伏
せ目処理後の編地が歪み、美観を損なうことにもなる。
【0004】別の方法としては、特開平9−228200号公
報に記載される如きシングル編地に対する伏せ目処理方
法が提案されている。この伏せ目処理方法では、伏せ目
処理が施される編地の起点側を針床上に保持したまゝ順
次伏せ目処理を施してゆき、その後で起点側の編目を針
床から解放するという処置を採る。しかし、この方法に
よっても、ヤーンキャリアが一回走行する毎に新編目が
端部にしか形成されないため、同様の問題が生ずる。し
かも、伏せ目処理が施される間、編目起点側の編糸が針
床上に保持されることになるため、当該部分の編糸が引
っ張られて弛んでしまい、これを補正するための後処理
が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、編地、特に
シングル編地を対象とする従来の伏せ目処理技術に前述
の如き欠点があったのに鑑みて為されたものであって、
特にシングル編地に伏せ目処理を施す際に形成される編
目がヤーンキャリアの動きによって収縮することがな
く、クリアリング(clearing)によるノックオーバ(knock
over)ないし目移しが円滑で確実に伏せ目処理を行える
新方法を提供することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するために採用した手段】本発明者が、上
記技術的課題を解決するために採用した手段は、次のと
おりである。
【0007】即ち、本発明は、前後一対の針床を少なく
とも備えた横編み機の何れか一方の針床で編成される編
地の編針に係止される終端部の編目に対し、所定の区間
の一端から他端に向けて順次伏せ目処理を施す方法であ
って、所定区間における一端側の端部編目、またはこの
端部編目に隣接する編目の何れか一方を他方側の針床に
目移しゝ、前記端部編目と端部編目に隣接対向する編目
とに各々新編目を編成した後、これら二つの新編目を同
一の編針に係止させることにより二重の編目を形成し、
この二重の編目と次の伏せ目処理の対象となる編目とを
各々異なる針床上に保持した状態で各々に新編目を編成
し、こうして編成された二つの新編目を同一の編針に係
止せしめることにより二重の編目を形成し、以後、前記
二重の編目を形成した後の操作を適宜繰り返すように構
成した点に特徴がある。ちなみに云えば、上記にいう
「端部編目に隣接対向する編目」とは、端部編目と最も
近傍で対向する編目のことであって、目移し前に端部編
目に隣接していた編目がこれに該当する。
【0008】ちなみに、上記方法における一端側の端部
編目またはその隣接編目を何れの側の針床に位置させて
伏せ目処理を開始するかについては、端部編目以外の全
編目を反対側の針床に目移しさせてもよく、端部編目だ
けを反対側の針床に目移ししてもよく、さらに端部編目
に隣接する編目のみを目移しして他の全編目を動かさず
に処理操作を行ってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添附図面に図示す
る好ましい実施形態に基いて、さらに詳しく説明する。
【0010】〔第1実施形態〕 本発明の第1実施形
態は、次の操作を行うことによって伏せ目処理を行う。 1) まず、フロント側の針床の編針F1 ・F2 ・F3
4 ・・・・に伏せ目処理を施すべき編目L1 ・L2 ・L3
・L4 ・・・・を所定区間に亘って編成する(図1)。これら
の編目L1 ・L2 ・L3 ・L4 ・・・・が、編地の編針に係
止される終端部の編目となる。 2) こうして編成されたフロント側の針列の編針F1
2 ・F3 ・F4 ・・・・に係止された編目L1 ・L2 ・L
3 ・L4 ・・・・のうち、所定区間の一端に位置する端部編
針F1 に係止された編目L1 (端部編目)を残して、他
の全ての編目L2 ・L3 ・L4 ・・・・をバック側の針床の
編針B2 ・B3 ・B4 ・・・・に各々目移しゝて保持させる
(図2)。 3) ついで、フロント側針床とバック側針床とを1×1
出会いにした状態で、端部編目L1 を保持する編針F1
および端部編目L1 に隣接対向する編目L2を保持する
編針B2 に対して順に、ヤーンキャリアCが給糸して、
これらの編目L1 ・L2 に挿し通すことにより、二つの
新編目(ニット編目)L10・L20を編成する(図3)。
このように、ヤーンキャリアCの1回の走行時に二つの
新編目を形成するとき、編針F1 が新編目L10を形成す
べく編糸を引き込む間に、編針B2 も若干遅れるものゝ
ほゞ同時に新編目L20を形成すべく編糸を引き込む動作
を行っている。これによって、ヤーンキャリアCと編糸
との間に生じる摩擦抵抗力が二本の編針に分散されるか
ら、それぞれの新編目を形成すべき編糸の張力アップが
それだけ軽減される。それゆえ、これら二つの編目は復
元の際に小さく縮むこともなく、以後行われる目移しを
安定して行うことができる。また、編針F1 と編針B2
とが隣接対向しているから、形成された二つの新編目L
10・L20は、少なくともフロント側針床とバック側の針
床との間隔に相当する長さの編糸を介して繋がってい
る。 4) フロント側針床の端部編針F1 に形成された新編目
10を、バック側針床の端部編針B1 に目移しする(図
4)。 5) つぎに、バック側針床全体を一針分だけ右へラッキ
ングさせ、バック側編針B1 とフロント側編針F2 、B
2 とF3 、B3 とF4 、B4 とF5 といった編針対向状
態にする(図5)。 6) バック側針床の端部編針B1 に保持されている新編
目L10を、対向位置にあるフロント側針床における編針
2 へ目移しする(図6)。 7) そして、バック側の針床全体を一針分だけ左へラッ
キングさせバック側編針B2 と新編目L10を保持してい
るフロント側の編針F2 とを対向させたうえで、バック
側針床の端部の編針B2 の保持している新編目L20を、
対向位置のフロント側編針F2 の新編目L10に重ねるこ
とによって二重の編目を形成する(図7)。この場合、編
目L10・L20が小さく縮んでいないから目移し動作が安
定し、確実に二重の編目を形成することができる。さら
に、上記のように編目L10と編目L20とを繋ぐ編糸が少
なくともフロント側の針床とバック側の針床との間隔に
相当する長さを有していることから、二重の編目が形成
された状態において編目L10が無理に引き伸ばされると
いったことがない。このときの状態は、図8に示され
る。 8) ついで、ヤーンキャリアCを左に走行させて図2に
示す位置まで移動させた後、図3と同様にヤーンキャリ
アCを右へ走行させ、二重の編目を係止するフロント側
編針F2 と次に伏せ目処理の対象となる編目L3 を係止
するバック側編針B3 に編糸を供給する。これにより、
それぞれの編目に対し新編目(ニット編目)を形成す
る。なお、このとき、二重の編目および編目L3 は各々
異なる針床に保持されている。 9) つぎに、図3から図7に示す目移し工程と同様に、
二重の編目に形成された新編目を編針F3 に目移しゝ、
更に編目L3 に形成された新編目も編針F3に目移しす
ることによって二重の編目を新たに形成する。 上記8)9)の糸処理操作を繰り返して伏せ目処理を施す場
合には、図3〜図7の場合と同様に一方の新編目を他方
の新編目へ確実に重ねることが可能であり、整然とした
伏せ目処理を全体に均一に施すことができるのである。
【0011】〔第2実施形態〕本発明の第2実施形態に
おいては、次の操作を行うことによって編地の伏せ目処
理を行う。 1) まず、フロント側の針床の編針F1 ・F2 ・F3
4 ・・・・に伏せ目処理を施すべき編目を所定区間に亘っ
て編成する(図9)。 2) こうして編成されたフロント側の針列の編針F1
2 ・F3 ・F4 ・・・・に係止された編目のうち、端部編
針F1 に係止された端部編目をバック側編針B1 に目移
しし、他の編目はフロント側編針F2 ・F3 ・F4 ・・・・
に残して其処に保持せしめる(図10)。 3) ついで、針床を1×1出会いにした状態で、バック
側の端部編針B1 に目移しされた端部編目と、フロント
側針床の編針F2 に係止された編目に対し編針B1 と編
針F2 とが、右へ走行するヤーンキャリアCの給糸する
編糸を挿し通し、二つの新編目を編成する(図11)。こ
のときも第1実施形態における上記糸操作2)と同様、形
成された二つの新編目は小さく縮むことはない。なお、
図11において、二つの新編目と編針F3 ・・・・F7 ・・・・
に係止されたその他の編目とは1コース分ずれているの
で編針F2 に係止された編目と編針F3 に係止された編
目とを分離して示している。 4) バック側針床を一針分だけ右へラッキングさせて、
バック側の端部編針B1とフロント側編針F2 とを対向
させる(図12)。 5) フロント側編針F2 が保持する新編目を、対向する
バック側編針B1 が保持している新編目に重ねることに
よって二重の編目を形成する(図13)。 6) こうして編成される伏せ目組織は、図14のような
態様になる。このときも第1実施形態における糸処理操
作7)と同様に、二重の編目が形成された状態において、
1 によって形成された新編目が無理に引き伸ばされる
といったことがない。それゆえ、編地が歪むことがな
い。 7) ついで、図15に示すように、針床を1×1出会い
にした状態で、ヤーンキャリアーCをUターンさせて右
へ走行させ、二重の編目を係止するバック側編針B1
次に伏せ目処理の対象となる編目を係止するフロント側
編針F3に編糸を順に供給することにより、各々の編目
に対し新編目(ニット編目)を形成する。なお、このと
き、二重の編目および上記次に伏せ目処理対象となる編
目は異なる針床上に保持されている。 8) つぎに、図12、図13に示す工程と同様に、編針
1 に係止された上記新編目に編針F3 に係止された新
編目を重ねることによって二重の編目を新たに形成す
る。 なお、上記の第2実施形態においては、図9に示すごと
く、フロント側の編針F1 ・F2 ・F3 ・・・・とバック側
の編針B1 ・B2 ・B3 ・・・・とを、対向させた状態でフ
ロント側編針F1 ・F2 ・F3 ・・・・に編目を形成して伏
せ目処理を開始した。しかしながら、必ずしも図9の状
態から開始しなければならないわけではなく、図15に
示すように、バック側針床Bを一針分だけ右にラッキン
グさせ、バック側編針B1 、およびフロント側編針F2
・F3 ・・・・にヤーンキャリアCで給糸しながら編目を編
成して開始することも可能であり、そうすれば、図10
の編針F1 からB1 への目移し操作を省略できる。
【0012】〔第3実施形態〕本発明の第3実施形態に
おいては、次の操作を行うことによって編地の伏せ目処
理を行う。 1) まず、フロント側の針床の編針F1 ・F2 ・F3
4 ・・・・に伏せ目処理を施すべき編目を所定区間に亘っ
て編成する(図16)。 2) こうして編成されたフロント側の針列の編針F1
2 ・F3 ・F4 ・・・・に係止された編目のうち、端部か
ら2番目の編針F2 に係止された編目つまり所定区間の
一端に位置する編針F1 に係止された端部編目に隣接す
る編目をバック側編針B2 に目移しゝ、他の編目はフロ
ント側編針F1 とF3 ・F4・・・・に残して其処に保持せ
しめる(図17)。 3) ついで、フロント側針床の編針F1 に保持されてい
る編目とバック側の端部編針B2 に目移しされた編目の
各々に対し、ヤーンキャリアCの給糸する編糸を挿し通
し、二つの新編目(ニット編目)を編成する(図1
8)。 4) バック側編針B2 の新編目を、フロント側の対向す
る編針F2 に目移しする(図19)。 5) フロント側の端部編針F1 の保持する新編目を、バ
ック側の対向する端部編針B1 に目移しする(図2
0)。 6) 次に、バック側針床を一針分だけ右へラッキングさ
せ、バック側の編針B1とフロント側編針F2、バック側
編針B2 とフロント側編針F3、バック側編針B3 とフロ
ント側編針F4 といった具合に一針違いに対向させる
(図21)。 7) ついで、バック側編針B1 の保持している新編目
を、対向するバック側編針F2 の保持する新編目に重ね
ることにより二重の編目を形成する(図22)。 8) こうして編成される伏せ目組織は、図23のような
態様になる。このときも第1実施形態の糸処理操作7)と
同様に、二重の編目が形成された状態において編針B1
によって形成された新編目が無理に引き伸ばされるとい
ったことがない。それゆえ、編地が歪むことがない。 9) ついで、ヤーンキャリアCを左へ走行させて、図1
6と同様の位置へ移動させる。更に図17と同様に、次
に伏せ目処理対象となるフロント側編針F3に係止され
た編目をバック側編針B2 に目移しする。 10) その後、図18と同様に、ヤーンキャリアCを右へ
走行させてフロント側編針F2 とバック側編針B2 に編
糸を供給することによって、各々の編目に対して新編目
(ニット編目)を形成する。 11) 図19から図22に示す目移し工程と同様、バック
側編針B2 に係止された上記新編目を編針F3 に目移し
ゝ、当該新編目に編針F2 に係止された新編目を重ねる
ことによって二重の編目を新たに形成する。
【0013】〔第4実施形態〕本発明の第4実施形態に
おいては、次の操作を行うことによって編地の伏せ目処
理を行う。 1) まず、フロント側の針床の編針F1 ・F2 ・F3
4 ・・・・に伏せ目処理を施すべき編目を所定区間に亘っ
て編成する(図24)。 2) こうして編成されたフロント側の針列の編針F1
2 ・F3 ・F4 ・・・・に係止された編目のうち、端部編
針F1 に係止された端部編目をバック側編針B1 に目移
しゝ、他の編目はフロント側編針F2 ・F3 ・F4 ・・・・
に残して其処に保持せしめる(図25)。 3) バック側の端部編針B1 に目移しされた編目と、フ
ロント側針床の編針F2に係止された編目に対し、編針
1 と編針F2 とが右へ走行するヤーンキャリアCの給
糸する編糸を挿し通して、二つの新編目(ニット編目)
を編成する(図26)。 4) フロント側編針F2 が係止している所定区間の端部
から二番目の新編目を、バック側の端部から二番目の編
針B2 に目移しする(図27)。 5) バック側の針床を一針分だけ右へラッキングさせる
ことによって、バック側の編針B1 とフロント側編針F
2、バック側編針B2 とフロント側編針F3 、バック側編
針B3 とフロント側編針F4 、といった具合に一針違い
に対向せしめる(図28)。 6) バック側の端部編針B1 に係止されている新編目
を、対向位置にあるフロント側編針F2 に目移しする
(図29)。 7) バック側の針床を、一針分だけ左へラッキングさせ
てフロント側編針F1 ・F2 ・F3 ・・・・とバック側編針
1 ・B2 ・B3 ・・・・とを元の対向状態に戻す(図3
0)。 8) バック側編針B2 に保持されている新編目を、対向
するフロント側編針F2の新編目に重ねることよって二
重の編目を形成する(図31)。 9) こうして編成される伏せ目組織は、図32のような
態様になる。このときも第1実施形態の糸処理操作7)と
同様、二重の編目が形成された状態において編針B1
よって形成された新編目が無理に引き伸ばされたりはし
ない。それゆえ、編地が歪むことはない。 10) ついで、ヤーンキャリアCを左へ走行させて、図2
4と同様の位置へ移動させる。更に、図25と同様に、
フロント側編針F2 に係止された編目(二重の編目)を
バック側編針B2 へ目移しする。こうして、二重の編目
と次に伏せ目処理の対象となる編目とを互いに異なる針
床に保持した状態とする。 11) そして、図26に示す如く、針床を1×1出会いに
した状態で、ヤーンキャリアCを右に走行させ、二重の
編目を係止するバック側編針B2 と順に供給することに
よって各々の編目に対して新編目(ニット編目)を形成
する。 12) 次に、図27〜図31に示す目移し工程と同様に、
編針B2 に係止された上記新編目に編針F3 に係止され
た新編目を重ねることによって二重の編目を新たに形成
する。
【0014】以上、本発明の好ましい実施の形態を、第
1〜第4の実施形態例を掲げて説明してきたが、本発明
は前述の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特
許請求の範囲」の記載内で種々の変形実施が可能であっ
て、例えば形成された2つの新編目の重ね方(どの編針
に重ねるか、あるいは何れの新編目を上にし下にするの
か)については様々な組み合わせが可能であり、このよ
うに推考容易な変更形態は本発明の技術的範囲に属する
ものと云うべきである。
【0015】
【発明の効果】以上、実施形態を挙げて説明したとお
り、本発明方法にあっては、端部の編目又は端部編目に
隣接する編目、ならびに二重の編目と次に処理対象とな
る編目を対向位置にある針床に保持させて新たな編目を
形成する方式を採っているから、対向する針床を跨ぐ分
だけ当該部位における編目を繋ぐ編糸が長くなり、編目
を重ねたときに編地全体が局部的に撓曲することも殆ど
なく、スッキリとした伏せ目処理が行える。
【0016】また、本発明方法によれば、ヤーンキャリ
アの一回の走行時に二つの編目を形成するから、編目を
潜る編糸に対する抵抗も小さくなり、ヤーンキャリア給
糸口からの編糸の繰り出しも滑らかとなって、適度な大
きさの編目が得られるから、伏せ目処理が安定して行え
る。
【0017】このように本発明は、特開昭59-21758号公
報や特開平9−228200号公報に開示される伏せ目処理方
法では対応できなかった技術上の隘路を巧みな編目の目
移し操作によって解決し得たのであって、編機に複雑な
機構を付加することもなく、経済的かつ合理的に目的を
達成するものであって、その産業上の利用価値は頗る大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態における伏せ目
処理を開始するフロント側針床とバック側針床の状態を
示す説明図である。
【図2】図2は、端部編目以外の編目をバック側の編針
に全て目移しする状態を表わす第1実施形態の説明図で
ある。
【図3】図3は、フロント側の端部編針の編目およびバ
ック側の編針列に保持されている編目に新編目を編成す
る状態を表わす第1実施形態の説明図である。
【図4】図4は、フロント側の端部編針に保持していた
新・旧編目をバック側の端部編針に目移しする状態を表
わす第1実施形態の説明図である。
【図5】図5は、バック側の針床を右ラッキングさせる
状態を表わす第1実施形態の説明図である。
【図6】図6は、バック側の端部編針に保持の新・旧編
目を、フロント側の対向する2番目の編針に目移しする
状態を表わす第1実施形態の説明図である。
【図7】図7は、フロント側の二番目の編針が保持して
いる編目にバック側の2番目の編針が保持している編目
を挿し通して重ね繋がせる状態を表わす第1実施形態の
説明図である。
【図8】図8は、第1実施形態の方法が形成してゆく伏
せ目組織の平面図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態における伏せ目
処理を開始する状態を示す編成コース図である。
【図10】図10は、フロント側の端部編針の保持する
編目をバック側の端部編針に目移しする状態を示した第
2実施形態の編成コース図である。
【図11】図11は、編目上に新編目を編成してゆく状
態を示した第2実施形態の編成コース図である。
【図12】図12は、バック側の針床を一針右ラッキン
グさせた状態を示した第2実施形態の編成コース図であ
る。
【図13】図13は、フロント側の2番目の編針F2
保持する編目をバック側の1番目の編針が保持している
編目に挿し通して重ね繋がせる状態を示した第2実施形
態の編成コース図である。
【図14】図14は、第2実施形態の方法が形成してゆ
く伏せ目組織の平面図である。
【図15】図15は、第2実施形態の変更例であって、
バック側の針床を一針右ラッキングさせて、バック側の
端部編針とフロント側の2番目以降の編針に編目を形成
して伏せ目処理を開始する状態を表わす編成コース図で
ある。
【図16】図16は、本発明の第3実施形態における伏
せ目処理を開始する状態を示す編成コース図である。
【図17】図17は、フロント側の2番目の編針に保持
されている編目をバック側の2番目の編針に目移しする
状態を示した第3実施形態の編成コース図である。
【図18】図18は、各編針に保持されている編目上に
新編目を形成してゆく状態を示した第3実施形態の編成
コース図である。
【図19】図19は、バック側の2番目の編針に保持さ
れていた編目をフロント側の2番目の編針に目移しする
状態を示した第3実施形態の編成コース図である。
【図20】図20は、フロント側の端部編針に保持して
いた編目をバック側の1番目の編針に目移しする状態を
示した第3実施形態の編成コース図である。
【図21】図21は、バック側の針床を一針右ラッキン
グさせた状態を示した第3実施形態の編成コース図であ
る。
【図22】図22は、バック側の端部編針が保持してい
た編目を、フロント側の2番目の編針が保持している編
目に挿し通して重ね繋がせる状態を示した第3実施形態
の編成コース図である。
【図23】図23は、第3実施形態の方法が形成してゆ
く伏せ目組織の平面図である。
【図24】図24は、本発明の第4実施形態における伏
せ目処理を開始する状態を示す編成コース図である。
【図25】図25は、フロント側の端部編針の保持する
編目をバック側の端部編針に目移しする状態を示した第
4実施形態の編成コース図である。
【図26】図26は、各編針に保持されている編目上に
新編目を形成してゆく状態を示した第4実施形態の編成
コース図である。
【図27】図27は、フロント側の2番目の編針が保持
していた編目を対向するバック側の2番目の編針に目移
しした状態を示した第4実施形態の編成コース図であ
る。
【図28】図28は、バック側針床を一針右ラッキング
させた状態を示した第4実施形態の編成コース図であ
る。
【図29】図29は、バック側の端部編針が保持してい
た編目をフロント側の2番目の編針に目移しした状態を
示した第4実施形態の編成コース図である。
【図30】図30は、バック側針床を一針左ラッキング
させた状態を示した第4実施形態の編成コース図であ
る。
【図31】図31は、バック側の2番目の編針が保持し
ていた編目をフロント側の2番目の編針に目移しした状
態を示した第4実施形態の編成コース図である。
【図32】図32は、第4実施形態の方法が形成してゆ
く伏せ目組織の平面図である。
【符号の説明】
B バック側針床 B1 ・B2 ・B3 ・・・・ (バック側の)編針 C ヤーンキャリア F フロント側針床 F1 ・F2 ・F3 ・・・・ (フロント側の)編針 L 編目

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後一対の針床を少なくとも備えた横編
    み機の何れか一方の針床で編成される編地の編針に係止
    される終端部の編目に対し、所定の区間の一端から他端
    に向けて順次伏せ目処理を施す方法であって、所定区間
    における一端側の端部編目、またはこの端部編目に隣接
    する編目の何れか一方を他方側の針床に目移しゝ、前記
    端部編目と端部編目に隣接対向する編目とに各々新編目
    を編成した後、これら二つの新編目を同一の編針に係止
    させることにより二重の編目を形成し、この二重の編目
    と次の伏せ目処理の対象となる編目とを各々異なる針床
    上に保持した状態で各々に新編目を編成し、こうして編
    成された二つの新編目を同一の編針に係止せしめること
    により二重の編目を形成し、以後、前記二重の編目を形
    成した後の操作を適宜繰り返すことを特徴とする編地の
    伏せ目処理方法。
  2. 【請求項2】 所定区間における一端側の端部編目を残
    して、当該区間における他の全ての編目を他方側の針床
    に目移しすることを特徴とする請求項1記載の、編地の
    伏せ目処理方法。
  3. 【請求項3】 所定区間における端部編目だけを他方側
    の針床に目移しすることを特徴とする請求項1記載の、
    編地の伏せ目処理方法。
  4. 【請求項4】 所定区間における端部編目に隣接する編
    目だけを目移しすることを特徴とする請求項1記載の、
    編地の伏せ目処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5306997B2 (ja) * 2007-04-27 2013-10-02 株式会社島精機製作所 編地の編成方法および編地
JP2017218707A (ja) * 2016-06-10 2017-12-14 株式会社島精機製作所 編地の終端領域の編成方法および終端領域を備える編地
CN115538018A (zh) * 2022-10-21 2022-12-30 上官金辉 一种电脑横机的锁口方法

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