JP2000344968A - ポリオレフィン組成物及びこれを用いた光ファイバケーブル用スペーサ - Google Patents

ポリオレフィン組成物及びこれを用いた光ファイバケーブル用スペーサ

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JP2000344968A
JP2000344968A JP11155905A JP15590599A JP2000344968A JP 2000344968 A JP2000344968 A JP 2000344968A JP 11155905 A JP11155905 A JP 11155905A JP 15590599 A JP15590599 A JP 15590599A JP 2000344968 A JP2000344968 A JP 2000344968A
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propylene
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JP11155905A
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Yasuhisa Kamei
康央 亀井
Riyouei Oka
涼英 岡
Nobumasa Nirasawa
信昌 韮澤
Yutaka Kobayashi
裕 小林
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Ube Corp
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高製造線速において光ファイバケーブル用ス
ペーサを製造でき、かつ、スペーサの螺旋溝内部の表面
平滑性を確保できるポリオレフィン組成物を提供する。 【解決手段】 密度(d)が0.940(g/cm3
以上、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
ーレート(MFR2.16)が0.005〜10(g/10
分)の範囲内にある高密度ポリエチレン(A)、及びエ
チレン含有率が2〜20重量%、230℃、2.16k
g荷重におけるメルトフローレート(MFR2.16)が
0.1〜100(g/10分)の範囲内にあるプロピレ
ン−エチレン共重合体(B)を構成成分とし、高密度ポ
リエチレン(A)を50〜99重量%、プロピレン−エ
チレン共重合体(B)を50〜1重量%の比率で含有し
てなるポリオレフィン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ等を収
納するための螺旋溝を有する光ファイバケーブル用スペ
ーサの成形原料として好適に用いることができるポリオ
レフィン組成物及び当該ポリオレフィン組成物を用いた
光ファイバケーブル用スペーサに関し、詳しくは高製造
線速においてスペーサを製造でき、かつ、スペーサの表
面平滑性、成形性を確保できるポリオレフィン組成物及
び光ファイバがマイクロベンドロスを生ずることがな
く、光信号の伝送損失を抑制することが可能な光ファイ
バケーブル用スペーサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、伝送情報の大容量化を図ることが
できる光ファイバケーブルが通信ケーブルとして使用さ
れている。一般に、光ファイバケーブルは、中心部に配
置した鋼線などの抗張力線の外周を、長手方向に複数の
螺旋溝を有するスペーサで被覆し、当該螺旋溝に光ファ
イバ及び/又はテープ型光ファイバを複数本収納した状
態でケーブル化されている。
【0003】上述の光ファイバケーブル用スペーサは、
通常、成形原料となる熱可塑性樹脂を異形押出成形する
ことにより製造される。熱可塑性樹脂としては、剛性、
成形性、表面平滑性に優れる高密度ポリエチレンなどの
ポリオレフィン組成物が主として使用されている。
【0004】例えば、特開平6-258558号公報には、特定
配合比のポリブチレンテレフタレートとポリカーボネー
トからなる光ファイバケーブル用スペーサが、特開平8-
146263号公報には、特定密度範囲の直鎖状低密度ポリエ
チレン等からなる光ケーブル用スロットの製造方法が、
特開平10-10385号公報には、特定範囲のメルトフローレ
ート、流動インデックス、分子量分布、溶融張力及び密
度を有する光ファイバケーブルスペーサ用ポリエチレン
等が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来から、光ファイバ
ケーブル用スペーサ(以下、単に「スペーサ」とい
う。)の製造にあっては、螺旋溝内部の表面平滑性をい
かに確保するかが特に重要な技術課題であった。螺旋溝
内部の表面平滑性が劣る場合には、光ファイバがマイク
ロベンドロスを生じ、光信号の伝送損失が大きくなって
しまうためである。具体的には、平均表面粗さ(JIS B
0601)が少なくとも1.5μm以下、好ましくは1.3
μm以下、更に好ましくは1.25μm以下となるよう
に表面平滑性を確保する必要がある。
【0006】しかしながら、既述のいずれのポリオレフ
ィン組成物も表面平滑性に限界があり、例えば15(m
/分)超の高い製造線速でスペーサを製造しようとする
と螺旋溝内部の表面平滑性が低下するため、生産性の向
上が困難であるという問題があった。即ち、高製造線速
においてスペーサを製造でき、かつ、スペーサの表面平
滑性を確保できるポリオレフィン組成物が切望されてい
る。
【0007】本発明は、上述のような従来技術の問題点
に鑑みてなされたものであって、高製造線速においてス
ペーサを製造でき、かつ、スペーサの螺旋溝内部の表面
平滑性を確保できるポリオレフィン組成物、及び光ファ
イバがマイクロベンドロスを生ずることがなく、光信号
の伝送損失を抑制することが可能なスペーサを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、所定の特性を有する高密度ポリエチレンと、所
定の特性を有するプロピレン−エチレン共重合体とを特
定の比率で含有してなるポリオレフィン組成物がスペー
サの成形原料として好ましい特性を備えることを見出し
て本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明によれば、光ファイバ及び/
又はテープ型光ファイバを収納するための螺旋溝を有す
る光ファイバケーブル用スペーサの成形原料となるポリ
オレフィン組成物であって、密度(d)が0.940
(g/cm3)以上、190℃、2.16kg荷重にお
けるメルトフローレート(MFR2.16)が0.005〜
10(g/10分)の範囲内にある高密度ポリエチレン
(A)、及びエチレン含有率が2〜20重量%、230
℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(M
FR2.16)が0.1〜100(g/10分)の範囲内に
あるプロピレン−エチレン共重合体(B)を構成成分と
し、高密度ポリエチレン(A)を50〜99重量%、プ
ロピレン−エチレン共重合体(B)を50〜1重量%の
比率で含有してなることを特徴とするポリオレフィン組
成物が提供される。本発明のポリオレフィン組成物は、
プロピレン−エチレン共重合体(B)が、プロピレン−
エチレンブロック共重合体であることが好ましい。
【0010】また、本発明によれば、上記のポリオレフ
ィン組成物からなることを特徴とする光ファイバケーブ
ル用スペーサが提供される。本発明の光ファイバケーブ
ル用スペーサは、15(m/分)超の線速で異形押出成
形されてなり、かつ、螺旋溝内部の平均表面粗さ(JIS
B 0601)が1.3μm未満の光ファイバケーブル用スペ
ーサである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィン組成物
は、所定の特性を有する高密度ポリエチレン(以下、
「高密度ポリエチレン(A)」という。)、及び所定の
特性を有するプロピレン−エチレン共重合体(以下、
「プロピレン−エチレン共重合体(B)」という。)を
構成成分とし、これらを特定の比率で含有してなること
を特徴とする。
【0012】本発明のポリオレフィン組成物は、高製造
線速においてスペーサを製造でき、かつ、スペーサの螺
旋溝内部の表面平滑性を確保できるため、光ファイバケ
ーブル用スペーサの成形原料として好適に用いることが
できる。以下、詳細に説明する。
【0013】(1) 高密度ポリエチレン(A) 高密度ポリエチレン(A)は、密度及びメルトフローレ
ートが以下に示す特性を有しているものである。
【0014】高密度ポリエチレン(A)は、光ケーブル
として必要な剛性を付与するため、密度(d)が少なく
とも0.940(g/cm3)以上であることを要す
る。光ケーブルの剛性を向上させるという観点からは、
密度(d)は0.943(g/cm3)以上であること
が好ましく、0.945(g/cm3)以上であること
が更に好ましい。一方、密度(d)が高過ぎる場合に
は、ケーブルが必要以上に硬化し、ケーブルの取り扱い
性が低下するおそれがある。従って、密度(d)は0.
970(g/cm3)以下であることが好ましく、0.
965(g/cm3)以下であることが更に好ましく、
0.960(g/cm3)以下であることが特に好まし
い。
【0015】また、高密度ポリエチレン(A)は、19
0℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート
(MFR2.16)が0.005〜10(g/10分)の範
囲内にあることを要する。この範囲よりメルトフローレ
ートが小さい場合には押出機に対する負荷が過大となる
ため生産性が低下し、逆に大きい場合には成形時におい
て成形品が変形するおそれがあるからである。より生産
性を高めるためには、メルトフローレート(MF
2.16)が0.01(g/10分)以上であることが好
ましく、0.03(g/10分)以上であることが更に
好ましい。一方、成形品の変形を防止する観点からは、
メルトフローレート(MFR2.16)が5(g/10分)
以下であることが好ましく、2(g/10分)以下であ
ることが更に好ましい。
【0016】更に、高密度ポリエチレン(A)の分子量
分布(Mw/Mn)は高速成形性及び機械特性を保持す
るため、10〜100の範囲内であることが好ましい。
高速成形性の観点からは、分子量分布(Mw/Mn)が
15以上であることが更に好ましく、20以上であるこ
とが特に好ましい。一方、機械特性の観点からは、分子
量分布(Mw/Mn)が90以下であることが更に好ま
しく、80以下であることが特に好ましい。
【0017】高密度ポリエチレン(A)の例としては、
アルミナ又はシリカ−アルミナに担持した酸化クロム等
の触媒によりエチレンを重合してなるフィリップス法ポ
リエチレン、アルミナに担持した酸化モリブデン等の触
媒によりエチレンを重合してなるスタンダードポリエチ
レン、繊維金属化合物と有機金属化合物よりなるチーグ
ラー系触媒によりエチレンを重合してなるポリエチレ
ン、メタロセン触媒などのシングルサイト触媒系により
エチレンを重合してなるポリエチレン等が挙げられる。
なお、高密度ポリエチレン(A)には、エチレンの単独
重合体の他、エチレンと5モル%以下のα−オレフィン
との共重合体も包含される。
【0018】(2) プロピレン−エチレン共重合体
(B) プロピレン−エチレン共重合体(B)は、エチレン含有
率及びメルトフローレートが以下に示す特性を有してい
るものである。ポリオレフィン組成物中にプロピレン−
エチレン共重合体(B)を含有せしめることにより、高
製造線速においてスペーサを製造でき、かつ、スペーサ
の表面平滑性を確保することが可能となる。
【0019】プロピレン−エチレン共重合体(B)は、
プロピレンの分散不良に起因する外観不良を防止するた
めエチレン含有量が少なくとも2重量%以上であること
を要する。プロピレンの分散性を向上させるという観点
からはエチレン含有量が3重量%以上であることが好ま
しく、4重量%以上であることが更に好ましい。一方、
エチレン含有量が高過ぎると、表面平滑性の改良効果が
低下する場合があるため、エチレン含有量は多くとも2
0重量%以下とする必要がある。より確実に表面平滑性
の改良効果を得るためには、エチレン含有量を15重量
%以下とすることが好ましく、10重量%以下とするこ
とが更に好ましい。
【0020】また、プロピレン−エチレン共重合体
(B)は、230℃、2.16kg荷重におけるメルト
フローレート(MFR2.16)が0.1〜100(g/1
0分)の範囲内にあることを要する。この範囲よりメル
トフローレートが小さい場合にはプロピレンの分散不良
による外観不良を起こす可能性があり、逆に大きい場合
には表面平滑性の改良効果が低下するおそれがあるから
である。プロピレンの分散性を向上させる観点からはメ
ルトフローレート(MFR2.16)は0.5(g/10
分)以上であることが好ましく、1(g/10分)以上
であることが更に好ましい。但し、メルトフローレート
(MFR2.16)が高過ぎると、表面平滑性の改良効果が
低下する場合があるため、メルトフローレート(MFR
2.16)は20(g/10分)以下であることが好まし
く、10(g/10分)以下であることが更に好まし
い。
【0021】プロピレン−エチレン共重合体(B)とし
ては、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピ
レン−エチレンブロック重合体のいずれでも用いること
ができるが、表面平滑性の改良効果が高い点においてプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体を用いることが好
ましい。
【0022】(3) ポリオレフィン組成物 本発明のポリオレフィン組成物は、高密度ポリエチレン
(A)については下限値を50重量%として、好ましく
は70重量%以上、更に好ましくは85重量%以上、上
限値を99重量%とする範囲内で、プロピレン−エチレ
ン共重合体(B)については上限値を50重量%とし
て、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは15重
量%以下、下限値を1重量%とする範囲内で含有するも
のである。
【0023】高密度ポリエチレン(A)、プロピレン−
エチレン共重合体(B)は、スペーサ成形に用いる押出
機に直接投入してブレンドしてもよく、各成分をバンバ
リーミキサー、ロールミキサー、ニーダー、高速回転ミ
キサー、押出機等の各種混練機を用いて混合・混練する
こともできるが、単軸若しくは2軸押出機を用いて混合
・混練することが好ましい。また、適当な良溶媒を用い
た溶液ブレンドにより混合してもよい。
【0024】なお、高密度ポリエチレン(A)、プロピ
レン−エチレン共重合体(B)、或いは本発明のポリオ
レフィン組成物には、公知の耐熱安定剤、老化防止剤、
耐侯安定剤、塩酸吸収剤、滑剤、有機系又は無機系の顔
料、カーボンブラック、目やに防止剤、難燃剤、帯電防
止剤、充填剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で添
加することができる。
【0025】本発明のポリオレフィン組成物は、高製造
線速、例えば15(m/分)超の線速度、更には18
(m/分)以上の線速度、特に20(m/分)以上の線
速度において、螺旋溝内部の平均表面粗さ(JIS B 060
1)が1.3μm未満、更には1.25μm以下、特に
1.2μm以下である光ファイバケーブル用スペーサを
成形することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明のポリオレフィン組成物につい
て、スペーサを製造した実施例により更に詳細に説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0027】(1) ポリオレフィンの特性評価 実施例、比較例におけるポリオレフィンの特性値につい
ては、以下に示す方法により評価した。
【0028】密度:JIS K7112に記載の方法に準拠
し、密度勾配法により測定した。ポリエチレンの密度測
定用サンプルは、JIS K6760に記載の試験片作製方法に
準拠して作製したプレスシートを切り出して使用した。
【0029】メルトフローレート(MFR2.16):JI
S K7210に記載の方法に準拠し、メルトインデクサによ
り測定した。190℃又は230℃における2.16k
g荷重での10分間にストランド状に押し出される樹脂
の重量を測定することにより算出した。
【0030】分子量及び分子量分布:ゲル浸透クロマ
トグラフ(以下、「GPC」という。)法により以下に
示す条件で測定した。WATERS社製の150CV(商品名)を
測定装置として使用し、成形原料となるポリオレフィン
組成物を温度135℃でo−ジクロロベンゼンに溶解
し、濃度を1mg/mlに調製したものを測定サンプル
として使用した。
【0031】上記測定サンプル0.4mlをPLラボラ
トリー社製のGPCカラム Mixed-gel typeB(商品名)
2本に注入し、溶媒:o−ジクロロベンゼン、温度:1
35℃、流速:1.0(ml/分)の条件で40分間の
測定を行った。示差屈折計(RI)を用いてGPCカラ
ムにより分離されたサンプル中のポリオレフィン濃度を
測定した。分子量はポリスチレンスタンダードにより換
算した。
【0032】測定データは、WATERS社製のMAXIMA820
(商品名)を用いてデータ処理を行った。上記測定によ
り得られたGPCクロマトグラムにベースラインを引く
と、装置付属のデータ処理ソフトにより面積が積分さ
れ、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、
Mw/Mnが自動的に計算される。
【0033】なお、GPCクロマトグラムは、装置の画
面上、横軸が測定時間20分当たり125mm、縦軸は
全積分溶出量を100とし、20当たり13mmとなる
ように図の大きさを設定した。
【0034】(2) ポリオレフィン組成物 ポリオレフィン組成物の構成成分としては、以下に掲げ
るもののいずれかを使用した。
【0035】高密度ポリエチレン:密度が0.949
(g/cm3)、190℃,2.16kg荷重における
メルトフローインデックス(MFR2.16)が0.10
(g/10分)、重量平均分子量/数平均分子量(Mw
/Mn)が35という特性を有する高密度ポリエチレン
(以下、「ポリマーA」という。)。
【0036】プロピレン−エチレン共重合体:エチレ
ン含有率が8重量%、230℃,2.16kg荷重にお
けるメルトフローインデックス(MFR2.16)が3(g
/10分)という特性を有するプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体(以下、「ポリマーB」という。)。
【0037】(3) スペーサの製造 図1に示す製造装置を用い、以下に示す方法により製造
した。スペーサ形状は、図2に示す断面形状を有するも
のとし、設計値は螺旋ピッチ500mm、溝幅1.5m
m、外径8.5mmとした。
【0038】まず、押出機42に付設したクロスヘッド
41を通過させることにより、外径2.6mmの鋼線の
外周に外径が3mmとなるように接着性ポリエチレン1
2を被覆し、冷却装置43によって冷却した(1層
目)。
【0039】次いで、押出機46に付設したクロスヘッ
ド44及び回転ダイ45により接着性ポリエチレン12
を被覆した鋼線の更に外周にポリオレフィン組成物13
からなるスペーサを異形押出成形により被覆した(2層
目)。当該スペーサは冷却装置20によって冷却し、巻
取装置47によりドラムに巻き取った。
【0040】(4) スペーサの評価 製造したスペーサについては、表面粗さ測定器により測
定した平均表面粗さ、及びスペーサの断面形状により評
価した。平均表面粗さは図2に示すスペーサ13の螺旋
溝14の底部分14aにおいて測定し、スペーサの断面
形状については、スペーサの溝幅が1.5mm±0.1
mmの精度で成形された場合には○、1.5mm±0.
1mmの精度を確保できなかった場合を×として評価し
た。
【0041】(実施例1)90重量%のポリマーAと、
10重量%のポリマーBとを含有してなるポリオレフィ
ン組成物を使用し、製造線速を30m/分としてスペー
サを製造した。螺旋溝は溝幅1.5mm±0.1mmの
精度で成形され、スペーサの螺旋溝の平均表面粗さは
1.2μmであった。その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】(実施例2)実施例1と同一組成のポリオ
レフィン組成物を使用し、製造線速を20(m/分)と
してスペーサを製造した。螺旋溝は溝幅1.5mm±
0.1mmの精度で成形され、スペーサの螺旋溝の平均
表面粗さは1.1μmであった。その結果を表1に示
す。
【0044】(比較例1)ポリマーAのみからなるポリ
オレフィン組成物を使用し、製造線速を30(m/分)
としてスペーサを製造した。螺旋溝は溝幅1.5mm±
0.1mmの精度で成形され、スペーサの螺旋溝の平均
表面粗さは1.8μmであった。その結果を表1に示
す。
【0045】(比較例2)比較例1と同様にポリマーA
のみからなるポリオレフィン組成物を使用し、製造線速
を20m/分としてスペーサを製造した。螺旋溝は溝幅
1.5mm±0.1mmの精度で成形され、スペーサの
螺旋溝の平均表面粗さは1.6μmであった。その結果
を表1に示す。
【0046】(評価)表1に示すように本発明のポリオ
レフィン組成物を使用したスペーサは、20〜30(m
/分)という高製造線速においてもスペーサの螺旋溝に
おける平均表面粗さを1.2μm以下とすることがで
き、高い表面平滑性を確保できた。また、スペーサの断
面形状も問題なく、良好な成形性を示した。
【0047】一方、比較例のように高密度ポリエチレン
のみからなるポリオレフィン組成物を使用したスペーサ
は、スペーサの断面形状については問題なく、良好な成
形性を示したものの、20〜30(m/分)という高い
製造線速ではスペーサの螺旋溝における平均表面粗さを
1.5μm以下に保つことができなかった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリオレ
フィン組成物は、高製造線速においてスペーサを製造で
き、かつ、スペーサの表面平滑性、成形性を確保でき
る。即ち、高い生産性で、優れた品質のスペーサを成形
可能であるため、光ファイバケーブル用スペーサの成形
原料として好適に用いることができる。また、本発明の
光ファイバケーブル用スペーサは、螺旋溝内部の表面平
滑性に優れるため、光ファイバがマイクロベンドロスを
生ずることがなく、光信号の伝送損失を抑制することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ファイバケーブル用スペーサ製造装置の一
の実施態様を示す概略説明図である。
【図2】 光ファイバケーブル用スペーサの一の実施態
様を示す概略断面図である。
【符号の説明】
11…鋼線、12…接着性ポリエチレン、13…ポリオ
レフィン組成物(スペーサ)、14…螺旋溝、14a…
螺旋溝の底部分、20…冷却装置、40…鋼線サプラ
イ、41…クロスヘッド(1層目)、42…押出機(1
層目)、43…冷却装置(1層目)、44…クロスヘッ
ド(2層目)、45…回転ダイ、46…押出機(2層
目)、47…巻き取り装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 涼英 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 韮澤 信昌 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 小林 裕 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 2H001 BB09 KK12 MM01 4J002 BB03W BB14X BP02X GP02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ及び/又はテープ型光ファイ
    バを収納するための螺旋溝を有する光ファイバケーブル
    用スペーサの成形原料となるポリオレフィン組成物であ
    って、 密度(d)が0.940(g/cm3)以上、190
    ℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(M
    FR2.16)が0.005〜10(g/10分)の範囲内
    にある高密度ポリエチレン(A)、及びエチレン含有率
    が2〜20重量%、230℃、2.16kg荷重におけ
    るメルトフローレート(MFR2.16)が0.1〜100
    (g/10分)の範囲内にあるプロピレン−エチレン共
    重合体(B)を構成成分とし、 高密度ポリエチレン(A)を50〜99重量%、プロピ
    レン−エチレン共重合体(B)を50〜1重量%の比率
    で含有してなることを特徴とするポリオレフィン組成
    物。
  2. 【請求項2】 プロピレン−エチレン共重合体(B)
    が、プロピレン−エチレンブロック共重合体である請求
    項1に記載のポリオレフィン組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリオレフィン
    組成物からなることを特徴とする光ファイバケーブル用
    スペーサ。
  4. 【請求項4】 15(m/分)超の線速で異形押出成形
    されてなり、かつ、螺旋溝内部の平均表面粗さ(JIS B
    0601)が1.3μm未満である請求項3に記載の光ファ
    イバケーブル用スペーサ。
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