JP2000343241A - ステンレス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方法

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JP2000343241A
JP2000343241A JP14959499A JP14959499A JP2000343241A JP 2000343241 A JP2000343241 A JP 2000343241A JP 14959499 A JP14959499 A JP 14959499A JP 14959499 A JP14959499 A JP 14959499A JP 2000343241 A JP2000343241 A JP 2000343241A
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stainless steel
carbon steel
steel
amorphous alloy
melting point
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Yuichi Sato
有一 佐藤
Shigekatsu Ozaki
茂克 尾崎
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して十分な接合強度を有し、汎用設備に
より製造可能で、労力、時間、製造コストを軽減可能な
ステンレス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ステンレス鋼と炭素鋼との間に、B:6
〜15at%、Si:6〜12at%、V:1〜10a
t%、残部FeとNiの少なくとも一方と不可避的不純
物からなるアモルファス合金を介在させて積層し、該積
層材を、該アモルファス合金の融点以上、かつ、該ステ
ンレス鋼及び炭素鋼の融点のうち低い方の融点以下の温
度で、5分以上3時間以下の範囲内の時間加熱すること
を特徴とするステンレス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼を母材と
し、ステンレス鋼を合わせ材として接合したステンレス
鋼と炭素鋼とのクラッド鋼板製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼と炭素鋼のクラッド鋼板
(以下単に、クラッド鋼板と称す)は、母材の炭素鋼ス
ラブと合わせ材のステンレス鋼スラブとを重ね合わせて
組み立てスラブとし、これを熱間圧延することにより製
造されていた。組立スラブは、爆者法により両スラブを
接合し、あるいは重ね合わせた両スラブを周囲溶接して
接合面を脱気した後加熱し、熱間圧延して製造されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、まず組立スラブを製造するために、爆着設備や排気
設備など特有の設備を必要とし、かつ過大な労力、時間
及びコストを要していた。そして、得られるクラッド鋼
板の製品は、必ずしも十分な接合強度を有するものでは
なかった。本発明は、炭素鋼を母材とし、ステンレス鋼
を合わせ材として接合したクラッド鋼板の製造方法であ
り、安定して十分な接合強度を有し、汎用設備により製
造可能で、労力、時間、製造コストを軽減することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を解
決するためのものであって、その要旨とするところは以
下の通りである。 (1) ステンレス鋼と炭素鋼との間に、B:6〜15
at%、Si:6〜12at%、V:1〜10at%、
残部FeとNiの少なくとも一方と不可避的不純物から
なるアモルファス合金を介在させて積層し、該積層材
を、該アモルファス合金の融点以上、かつ、該ステンレ
ス鋼及び炭素鋼の融点のうち低い方の融点以下の温度
で、5分以上3時間以下の範囲内の時間加熱することを
特徴とするステンレス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方
法。 (2) ステンレス鋼と炭素鋼との間に、P:10〜2
4at%、V:1〜10at%、残部FeとNiの少な
くとも一方と不可避的不純物からなるアモルファス合金
を介在させて積層し、該積層材を、該アモルファス合金
の融点以上、かつ、該ステンレス鋼及び炭素鋼の融点の
うち低い方の融点以下の温度で、5分以上3時間以下の
範囲内の時間加熱することを特徴とするステンレス鋼と
炭素鋼のクラッド材製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、中間材として所定のア
モルファス合金をステンレス鋼内炭素鋼の間に介在させ
て積層し、この積層材を加熱してアモルファス合金だけ
を溶融させて液相拡散接合させることにより、クラッド
鋼板を得る方法である。
【0006】アモルファス合金による液相拡散接合を実
現するためには、ステンレス鋼と炭素鋼の積層材を加熱
し、アモルファス合金が溶ける温度以上に加熱する必要
がある。但し、加熱温度はステンレス鋼と炭素鋼のいず
れもが溶解しないようにするために、両者の融点の低い
方の温度を加熱温度の上限とする。
【0007】さらに、十分な強度を有する液相拡散接合
を得るためには、上記加熱温度の領域においてある程度
保持する必要がある。アモルファス合金による液相拡散
接合はアモルファス合金中の溶質元素が被接合材中に拡
散し、アモルファス合金自体の融点が上昇して凝固を起
こすことにより接合が発現するため、溶質元素の拡散に
ある程度の時間を要するからである。
【0008】本発明においては、この時間を5分以上3
時間以下とする。この保持時間限定の理由について説明
すると、保持温度が高いほど保持時間を短くできるが、
安定した接合強度を得るには最低でも5分は必要であ
る。逆に、保持時間は長くする程良いが、過度の保持時
間は時間、製造コストの点から不利で、本発明で用いる
アモルファス合金の場合、融点直上の温度で保持したと
しても3時間保持すれば充分である。
【0009】本発明において中間材として用いるアモル
ファス合金は、B:6〜15at%、Si:6〜12a
t%、V:1〜10at%、残部がFeとNiの少なく
とも一方と不可避的不純物からなる合金、あるいは、
P:10〜24at%、V:1〜10at%、残部がF
eとNiの少なくとも一方と不可避的不純物からなる合
金である。これらのアモルファス合金を用いることにと
り、安定して充分な接合強度が得られる。
【0010】これらの合金において、それぞれの構成元
素の含有量を限定した理由は、以下の通りである。基本
的に液相拡散接合に用いる中間材は、融点が低く、均一
な組成であることが望ましいから、本発明においてはア
モルファス合金を用いることが好ましい。よって、上記
構成元素中、B,Si,Pに関しては良好なアモルファ
ス合金となる成分範囲とするために、これらの構成元素
の含有量に下限を設けた。但し、これらの元素を過度に
含有すると、クラッド材の機械的性質に劣化を招く恐れ
が生じるため前記の通りの上限とした。
【0011】一方、Vはむしろアモルファス相形成には
不利となるが、Vを添加することにより、大気中での液
相拡散接合に有利に働くために添加する。すなわち、大
気中で加熱すると接合界面に酸化物が形成し、これがア
モルファス合金の溶質元素(B,P,Si)の拡散を阻
害するが、Vを1%以上添加することにより、アモルフ
ァス合金が溶けた際に、この酸化物がVを含有する低融
点の複合酸化物となり、加熱保持中に酸化物が溶け溶質
元素の拡散を容易にする。但し、含有量が10%を超え
るとアモルファス相が形成しにくくなるため上限を設け
た。
【0012】また、ステンレス鋼と炭素鋼からなる積層
材を本発明の加熱条件範囲で保持する際は、10kPa
程度以上の加圧をすることが好ましい。もちろん、この
程度の加圧は母材の自重によっても実現できる。アモル
ファス合金中の溶質元素が拡散するためには、被接合材
同士が接触していなければならず、これを実現するため
にはある程度の加圧が必要なためである。
【0013】なお、本発明の方法によれば、母材および
合わせ材は板形状の他、管や任意の形状とすることがで
き、その表面形状に合わせた合わせ材を、アモルファス
合金を介在させて液相拡散できる。しかも、得られたク
ラッド材は強固な接合強度を有し、そのままの形状で製
品とすることができる。
【0014】本発明の方法において加熱は大気中で行う
ことができ、従来のような真空排気装置や非酸化性雰囲
気とするための雰囲気調整装置を有しない汎用の各種加
熱装置を使用できる。大気中での加熱は、具体的には大
気開放型の電気抵抗加熱炉や誘導加熱炉、さらには、バ
ーナーをもうけた各種燃焼炉等が対象となる。
【0015】さらに、本発明の方法で用いる合わせ材の
ステンレス鋼はその成分等に制限はなく、オーステナイ
ト系、フェライト系、さらにはマルテンサイト系のいず
れでもよい。一方、母材となる炭素鋼に関しても特に制
限はなく、ここでは極低炭材から高炭材、さらには鋳鉄
や低合金鋼も含む。
【0016】
【実施例】[実施例−1]母材をJIS G 3101
に規定されるSS400の厚さ10mmの炭素鋼板と
し、合わせ材はJIS G 4303に規定されるオー
ステナイト系鋼SUS304の厚さ6mmのステンレス
鋼板とし、中間材として表1中のNo.1〜7に示すア
モルファス合金箔を介在させて、図1のように重ね、上
部に耐火レンガを乗せて所定の圧力で加圧しつつ、大気
開放型の電気抵抗加熱炉に挿入し、約5℃/秒の昇温速
度で所産の温度まで昇温し、該温度で所定の時間保持し
た後、大気中で放冷してクラッド材とした。
【0017】得られたクラッド鋼板について母材と合わ
せ材の間の接合強度を求めた結果、JIS G 360
1によるせん断強度が表1に示すように、すべてのサン
プルで280MPa以上と高い接合強度を示した。な
お、せん断強度は、図2に示す試験片を作製し、矢印の
ように加圧し破断応力を測定して求めた。本発明の方法
により、高い接合強度を示すクラッド鋼材が得られるこ
とがわかった。
【0018】[実施例−2]母材をJIS G 310
1規定されるSS400の厚さ40mmの炭素鋼板と
し、合わせ材はJIS G 4303に規定されるフェ
ライト系鋼SUS430の厚さ6mmのステンレス鋼板
とし、中間材として表1中のNo.8〜11に示すアモ
ルファス合金箔を介在させて、図1のように重ね、バー
ナー型大気中加熱炉に挿入し、約20℃/分の昇温速度
で所定の温度まで昇温し、該温度で所定の時間保持した
後、大気中で放冷してクラッド材とした。
【0019】得られたクラッド鋼板について母材と合わ
せ材の間の接合強度を求めた結果、JIS G 360
1によるせん断強度が表1に示すように、すべてのサン
プルで300MPa以上と高い接合強度を示した。な
お、せん断強度は、図2に示す試験片を作製し、矢印の
ように加圧し破断応力を測定して求めた。本発明の方法
により、高い接合強度を示出クラッド鋼材が碍られるこ
とがわかった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来のような爆
着設備、真空排気設備など特定の設備を必要とせず、汎
用設備により、安定した接合強度を有するステンレス鋼
と炭素鋼のクラッド鋼材が製造可能で、労力、時間、製
造コストが軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の例を示す斜視図である。
【図2】クラッド材のせん断強度を測定する方法の説明
図である。
【符号の説明】
1 :母材 2 :合わせ材 3 :中間材
フロントページの続き Fターム(参考) 4E067 AA02 AA03 AC03 AD02 AD03 BB02 DC06 DC07 EB11 4F100 AB02B AB04A AB07C AB11B AB16B AB24B AB31B AB40B BA03 BA07 BA10A BA10C BA14 EJ202 EJ422 JA12B JK06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼と炭素鋼との間に、B:6
    〜15at%、Si:6〜12at%、V:1〜10a
    t%、残部FeとNiの少なくとも一方と不可避的不純
    物からなるアモルファス合金を介在させて積層し、該積
    層材を、該アモルファス合金の融点以上、かつ、該ステ
    ンレス鋼及び炭素鋼の融点のうち低い方の融点以下の温
    度で、5分以上3時間以下の範囲内の時間加熱すること
    を特徴とするステンレス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼と炭素鋼との間に、P:1
    0〜24at%、V:1〜10at%、残部FeとNi
    の少なくとも一方と不可避的不純物からなるアモルファ
    ス合金を介在させて積層し、該積層材を、該アモルファ
    ス合金の融点以上、かつ、該ステンレス鋼及び炭素鋼の
    融点のうち低い方の融点以下の温度で、5分以上3時間
    以下の範囲内の時間加熱することを特徴とするステンレ
    ス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方法。
JP14959499A 1999-05-28 1999-05-28 ステンレス鋼と炭素鋼のクラッド材製造方法 Withdrawn JP2000343241A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN102671942A (zh) * 2012-03-05 2012-09-19 江苏大学 一种铜-钢复合材料的制备方法
US20130040163A1 (en) * 2011-08-11 2013-02-14 Hon Hai Precision Industry Co., Ltd. Stainless steel-and-amorphous alloy composite and method for manufacturing
CN105345252A (zh) * 2015-12-04 2016-02-24 南京理工大学 一种高氮钢的焊接方法

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