JP2000341063A - 高周波電力増幅器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力増幅器により増幅された信号は、増幅器
の非直線性により歪が出るため、補正する必要がある。 【解決手段】 非直線歪を改善するため、電力増幅素子
のバイアス電圧により直線性が変化する特性に着目し、
入力電力を基準とし補償をかける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高周波電力増幅器の
電力増幅応答の直線性の改善に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術をもちいた高周波電力増幅器
の電力増幅応答の直線性の改善の方法としては、ダイオ
ードを使ったプリディストーションによる方法及びフィ
ードフォワード（ＦＦ）増幅器による方法、カーテシャ
ン負帰還方式等が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のプリディストー
ションによる方法や、ＦＦ増幅器による方法、カーテシ
ャン負帰還方式等では、それら方法を実現するための回
路の構成が複雑で、かつ、部品点数が多く、高価になる
欠点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、電力増幅素子
のバイアス電圧により直線性が変化することを利用し
た、安価でシンプルな構成の電力増幅器を提供するもの
である。また、複数段の電力増幅素子で構成されるよう
な電力増幅器では、おのおのの段で補償をかけたり、ま
たは、励振部のみで補償をかけたりすることで、あらゆ
る種類の増幅器に利用できる。さらに、プッシュプル増
幅回路の場合、片側の素子の制御でも非直線性歪は補償
できる。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施例を図１
により説明する。入力された高周波信号は方向性結合器
１を通り、電力増幅素子２，３により増幅され方向性結
合器４を通って出力される。この時、方向性結合器１に
より入力電力の進行波の一部を、また、方向性結合器４
により出力電力の進行波の一部を、それぞれ検出信号と
して取り出し、おのおのの検波電圧が同じになるように
可変減衰器５，６により調整する。さらに、可変減衰器
５，６で調整された検出信号はそれぞれ検波器７，８に
より検波され、それら検波された結果得られた入力電力
信号及び出力電力信号は差動増幅器９により直線性の歪
成分のみ取出され、制御信号に変換される。差動増幅器
９から出力されたその制御信号は、制御回路１０を介し
て電力素子２，３のバイアス電圧又は電流を制御し、そ
うすることで高周波電力増幅器の直線性を補償できる。
図２にＦＥＴのバイアス電流による直線性のデータを示
す。電流が０．１Ａ〜０．５Ａで大幅に変化することが
分かる。点線は理想カーブを示してあり、本発明によれ
ばこのカーブに増幅器の特性が近づくように制御するこ
とができる。

【０００６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えば、ＴＶ放送機において微分利得特性、下側帯波再生
量というような特性が改善される。また、複数波を同時
増幅する場合は相互変調歪が改善できるため、シンプル
で安価な電力増幅器を得られる。さらに、直線性を改善
することで、電力増幅器の動作レベルが上がり、補償の
ない場合の増幅器と比較するとより高効率とすることが
できる。通常、バックオフ１０ｄＢで使用の増幅器の場
合、効率は１０〜１５％程度である。これが、直線性を
補償することで、例えば、バックオフ４ｄＢまで改善で
きたとすると、効率は３０〜３５％となり、２０ポイン
ト改善できる。また、ランニングコストの大幅削減を実
現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のブロック図

【図２】ＦＥＴの直線性データを表す図

【符号の説明】

１，４：方向性結合器、２，３：電力増幅素子、５，
６：可変減衰器、７，８：検波器、９：差動増幅器、１
０：制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力電力信号を電力増幅する電力増幅素
   子と、前記入力電力信号と前記電力増幅素子からの出力
   電力信号とをそれぞれ検波する検波器と、該検波器から
   それぞれ取り出された入力電力検波信号および出力電力
   検波信号でもって差動増幅を行う差動増幅器と、前記差
   動増幅器からの差動増幅信号に応じて前記電力増幅素子
   のバイアス電圧又は電流を制御する制御信号を出力する
   制御器と、前記制御信号を入力する前記増幅素子とを有
   し、前記制御信号により前記電力増幅素子のバイアス電
   圧又は電流を制御することで電力増幅応答の直線性を改
   善できるようにすることを特徴とした高周波電力増幅
   器。