JP2000338683A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法

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JP2000338683A
JP2000338683A JP11150734A JP15073499A JP2000338683A JP 2000338683 A JP2000338683 A JP 2000338683A JP 11150734 A JP11150734 A JP 11150734A JP 15073499 A JP15073499 A JP 15073499A JP 2000338683 A JP2000338683 A JP 2000338683A
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Kei Nara
圭 奈良
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アライメント光に対する補正光学系等を用い
ることなく、TTL方式で投影光学系の光軸方向に生じ
る色収差や焦点ずれを補正して、確実にマスクと基板と
の位置合わせを行う。 【解決手段】 位置合わせ用のアライメント照明部25
と露光用の露光光源部15との照明の切換えに応じて、
投影光学系14a〜14eの光軸方向におけるマスク1
0と基板11との間隔を間隔制御部16で変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクのパターン
を投影光学系を介して基板に焼き付ける露光装置および
露光方法に関し、例えば液晶ディスプレイパネルの製造
用の露光装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子製造や液晶ディス
プレイパネルの製造のためのフォトリソグラフィ工程で
は、マスク(またはレチクル)に形成されたパターンを
投影光学系を介して表面にフォトレジスト等の感光剤が
塗布された基板に焼き付ける投影露光装置が使用されて
いる。投影露光装置としては、レチクル上に形成された
パターンを基板の所定領域に転写した後、基板を一定領
域だけステッピングさせて、再びレチクルのパターンを
転写することを繰り返す、いわゆるステップアンドリピ
ート方式の装置や、マスク上でのスリット状(長方形
状、円弧状等)の照明領域を照明し、その照明領域に対
してマスクを走査するとともに、照明領域と共役な投影
領域に対してレジストが塗布された基板をマスクと同期
して走査することにより、マスク上のパターンを逐次基
板上に露光する一括走査型露光装置が知られている。
【0003】こうした投影露光装置で高精度に露光を行
うには、マスクと基板との相対的な位置合わせ(アライ
メント)を正確に行う必要がある。アライメントの方式
は、投影光学系から離れた位置で基板に形成されたマー
ク(プレートマーク)を検出するオフ・アクシス方式
と、投影光学系を介してプレートマークを検出するTT
L(スルー・ザ・レンズ)方式とに大別されており、こ
のうちTTL方式は、マスクに形成されたマーク(マス
クマーク)とプレートマークとを同じ投影光学系を介し
て検出するため、マークを検出する場所の違いによる誤
差が生じにくく、高精度のアライメントを実現しやすい
という利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、投影露光装
置では一般に、高い解像度を達成することを目的とし
て、露光に際して単色または狭い波長域に限定した比較
的波長の短い露光光が用いられ、この露光光に対してマ
スクと基板とが最適な結像状態となるように投影光学系
が設計されている。一方、アライメントに際しては、基
板に塗布されたレジストの感光を避けるために、露光光
とは異なる比較的波長の長いアライメント光が用いられ
ている。
【0005】ところが、上述したTTL方式を採用した
従来の投影露光装置では、アライメントに際し、投影光
学系を介してプレートマークを検出するため、投影光学
系で露光光とアライメント光との色収差が生じ、ベスト
フォーカス(合焦位置)からずれてプレートマークが検
出され、プレートマークの検出精度が低下してしまうと
いう不都合がある。このような傾向は、転写像の位置や
形状を補正するための位置補正ガラス(ハービング板)
や倍率補正機構を付加した場合にさらに大きくなりやす
い。また、従来、こうした色収差を補正することを目的
として、マスクと基板との間や投影レンズの内部に補正
光学系を設置するといったことが行われているが、これ
で全ての色収差を補正するとなると装置が複雑になって
しまうなどの問題があった。
【0006】また、TTL方式を採用した従来の投影露
光装置では、アライメントに際して、マスクを通してプ
レートマークを検出する場合が多く、使用されるマスク
ごとに板厚や材質が変化してマスクの光学特性が変化す
ると、ベストフォーカスからずれてプレートマークおよ
びマスクマークが検出されてしまう。したがって、正確
に各マークを検出しようとすると、マスクの板厚公差や
材質等への要求が厳しくなり、使用可能なマスクが比較
的高価なものに限定されてしまう。
【0007】さらに、TTL方式を採用した従来の投影
露光装置では、アライメントに際して、マスクマークと
プレートマークとを同一視野内で捉える場合が多い。そ
のため、成膜状態の違い等によって基板表面の反射率が
異なると、基板からの光の強さで各マークの見え方が大
きく変化して、同一の処理手順では精度よくマークの形
状を観察することができない場合が生じてしまう。例え
ば、基板の反射率が高いと、マスクマークの回折光が基
板で反射してマスクマークの周辺に影を形成し、この影
の影響でマークの検出位置がずれてアライメントを不正
確に行ってしまうといったことが起こる。
【0008】本発明は、上述する事情に鑑みてなされた
ものであり、TTL方式で投影光学系の光軸方向に生じ
る色収差を補正することができ、さらに、板厚や材質な
どによるマスクの光学特性の変化や、成膜状態等による
基板の反射率の変化にも対応して、確実にマスクと基板
との位置合わせを行うことができる露光装置および露光
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、次のような構成を有する露光装置を採
用する。すなわち、本発明に係る露光装置は、マスク
(10)のパターンを投影光学系(14a〜14e)を
介して基板(11)に投影してパターンを基板(11)
に焼き付ける露光装置において、マスク(10)に設け
られた第1マークと基板(11)の第2マークとを投影
光学系(14a、14c)を介して位置合わせするアラ
イメント部(20、21)と、このアライメント部(2
0、21)に設けられ、第1マークと第2マークとを照
明するアライメント照明部(25)と、アライメント照
明部(25)の照明波長とは異なる波長で照明してマス
ク(10)のパターンを基板(11)に投影し露光する
露光光源部(15)と、アライメント照明部(25)と
露光光源部(15)との照明の切換えに応じて投影光学
系(14a〜14c)の光軸方向におけるマスク(1
0)と基板(11)との間隔を変える間隔制御部(1
6)とを備えることを特徴としている。
【0010】本発明に係る露光装置においては、位置合
わせ用のアライメント照明部(25)とパターン投影用
の露光光源部(15)との照明の切換えに応じて、投影
光学系(14a〜14e)の光軸方向におけるマスク
(10)と基板(11)との間隔を間隔制御部(16)
が変えるように構成されているので、適切にマスク(1
0)と基板(11)との間隔を変えることで、投影光学
系(14a〜14e)の光軸方向に生じる色収差を補正
することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる露光装置の
一実施形態について図1〜図10を参照して説明する。
本実施形態は、本発明を液晶用の一括走査型露光装置に
適用したものであり、図1にその概略構成を示す。なお
ここで、所定の回路パターンが形成されたマスク10と
ガラス基板上にレジストが塗布されたプレート11とが
一体的に移動(走査)される方向をX軸方向、マスク1
0の面内でX軸方向と直交する方向をY軸方向、マスク
10の面に対する法線方向をZ軸方向とする。
【0012】マスク10およびプレート11は、マスク
ホルダ12およびプレートホルダ13にそれぞれ載置さ
れ、この両ホルダ12,13は、Z軸方向に所定間隔を
隔てて配置されている。またマスクホルダ12とプレー
トホルダ13とは、図示しないコの字状のキャリッジに
よって連結されており、主制御部14によって駆動制御
されるキャリッジの移動に伴って、一体的にX軸方向へ
移動(走査)される構成となっている。さらにプレート
ホルダ13は、キャリッジのステージ上を図示しない駆
動系によって2次元X、Y軸方向へ微動可能であり、そ
の移動量または移動位置はレーザ干渉計等の図示しない
位置検出部によって逐次計測され、主制御部14によっ
てその位置が微調整されるようになっている。またプレ
ートホルダ13は、間隔制御部によってZ軸方向へも微
動可能になっており、これについては後述する。
【0013】ホルダ12、13間にはZ軸方向に光軸を
有する複数(ここでは5つ)の投影光学系14a〜14
eがいわゆる千鳥状に配置されている。超高圧水銀ラン
プ等の光源を有する露光光源部15からは、内部の照明
光学系によって所望の形状に整形された第1の波長特性
を有する露光光(例えばg+h線,g+h+i線)が射
出され、マスク10上の複数の台形状の小領域(照明領
域)S1〜S5を照明する。そしてマスク10を透過し
た複数の光束が、それぞれの投影光学系14a〜14e
を介してプレート11上の異なる台形状の投影領域T1
〜T5にマスク10の照明領域S1〜S5のパターン像
を結像する。投影光学系14a〜14eは、いずれも等
倍正立系とされ、ここでは、いわゆるダイソン型光学系
を2組用いた構成が採用されている。投影光学系には、
このダイソン型以外にも他の構成からなる光学系を適用
してもよいが、例えば2組のオフナー型光学系を用いた
ものなど色収差の少ないものが望ましい。これらによ
り、この露光装置は、マスクホルダ12とプレートホル
ダ13とが一体的に矢印A方向に走査されることによ
り、マスク10上のパターン領域の全面がプレート11
上の投影領域に焼き付けられるようになっている。
【0014】また、投影光学系14a〜14eには、プ
レート11に転写されるパターン像を補正するための図
示しない倍率補正機構が付加されている。そのため、露
光光と、後述するアライメント光との間で波長の違いに
よる若干の色収差が生じることがある。そこで本実施形
態では、マスクホルダ12とプレートホルダ13とのZ
軸方向(光軸方向)の間隔を変えてこの色収差を補正す
る間隔制御部16が設けられている。さらに、図1のB
−Bの断面図である図2(b)に示すように、投影光学
系(14a〜14c)と投影光学系(14d、14e)
との並びの間に挟まれるようにフォーカスセンサ8が複
数(ここでは4つ)設けられている。
【0015】フォーカスセンサ8は、マスク10とプレ
ート11との間隔を計測するものである。すなわち、フ
ォーカスセンサ8は、発光素子8Aと受光素子8Bとの
2つの光学素子によって構成され、発光素子8Aから照
射されるスリットの形状をした照明光をマスク10及び
プレート11の面上に照射し、各面上に結像させたスリ
ット像を受光素子8B上で再結像させ、各々の像の相対
距離を測定する。
【0016】間隔制御部16は、フォーカスセンサ8に
よって逐次計測されるマスク10とプレート11との間
隔の計測結果とともに、予め定められるZ軸方向のオフ
セット量に基づいて、モータ等からなる図示しない駆動
系を介してプレートホルダ13をZ軸方向に微動させ、
図2(a)のマスク10に設けられたマスクマークMM
i(第1マーク)とプレート11に設けられたプレート
マークPMi(第2マーク)とが共役関係となるよう
に、マスク10とプレート11との間隔を、後述する自
動合焦機構と連動して制御するように構成されている。
【0017】次に、マスクマークMMiとプレートマー
クPMiとを位置合わせ(アライメント)するアライメ
ント部について説明する。アライメント部は、図1の照
明領域S1および投影光学系14aに対応する第1のア
ライメント部20と、照明領域S3および投影光学系1
4cに対応する第2のアライメント部21との同じ2つ
の構成からなり、以下、第1のアライメント部20につ
いて述べる。
【0018】アライメント部20には、図2(a)に示
すように、高圧水銀ランプからなる光源22、光束を導
く光ファイバ23、光ファイバ23の射出端からの光束
の波長を選択するための光学フィルタ機構24で構成さ
れるアライメント照明部25が設けられている。このう
ち光学フィルタ機構24は、前述した露光光源部15の
露光光と同じ第1の波長特性を有するアライメント用の
露光光(例えばg+h線,g+h+i線)のみを選択的
に透過する第1光学フィルタ26と、これとは異なる第
2の波長特性を有するアライメント光(例えばe,d
線)のみを選択的に透過する第2光学フィルタ27とを
有しており、主制御部14からの指示によってこれらの
光学フィルタ26、27が、矢印Dで示すように、光フ
ァイバ23からの光軸を横切る方向に沿って図示しない
駆動系を介して駆動され、照明光が切換えられるように
構成されている。光学フィルタ26、27を透過したア
ライメント照明部25からの照明光は、ダイクロイック
ミラー28、第1対物レンズ29およびプリズム30を
介して、マスク10上のマスクマークMMiを照明し、
さらに投影光学系14aを介してプレート11上のプレ
ートマークPMiを照明する。
【0019】図3は、マスクマークMMiおよびプレー
トマークPMiの一例を示している。図3(a)に示す
マスクマークMMiは、Y軸方向に延びた直線状のライ
ンパターンがX軸方向に所定ピッチで配列されたX軸方
向への位置決め用の2本のマスクマークMMxと、X軸
方向に延びた直線状のラインパターンがY軸方向に所定
ピッチで配列されたY軸方向への位置決め用の2本のマ
スクマークMMyとからなる。同様に図3(b)に示す
プレートマークPMiは、X軸方向への位置決め用の3
本のプレートマークPMxと、Y軸方向への位置決め用
の3本のプレートマークPMyとからなる。また、図1
に示すマスクホルダ12の一端には、石英板等の低膨張
係数の透明材料等から形成された第1の基準マーク板3
1がその表面の高さがマスク10のパターン面の高さと
ほぼ一致するように設けられ、その表面にはマスクマー
クMMiと同一形状の第1基準マークKM1が形成され
ている。さらに、プレートホルダ13の一端には、第2
の基準マーク板32がその表面の高さがプレート11の
露光面の高さとほぼ一致するように設けられ、その表面
にはプレートマークPMiと同一形状の第2基準マーク
KM2が形成されている。これら基準マーク板31、3
2の基準マークKM1、KM2の各位置決め方向のライ
ンパターン間隔は、サブミクロンの精度で正確に作られ
ている。
【0020】再び図2(a)において、アライメント照
明部25からの照明光に対するプレートマークPMiの
像およびマスクマークMMiの像は、プリズム30およ
び第1対物レンズ29を戻り、ダイクロイックミラー2
8、第2対物レンズ33を介した後、ハーフミラー34
で2つの領域に分割され、それぞれ2次元CCDカメラ
等による撮像素子35X及び撮像素子35Yの撮像面に
結像される。撮像素子35Xの水平走査線は、図3のマ
スクマークMMxのラインパターンと直交するX軸方向
に定められ、撮像素子35Yの水平走査線は、マスクマ
ークMMyのラインパターンと直交するY軸方向に定め
られる。図4(a)は、このとき撮像素子35Xで観察
される撮像領域AR1の様子の一例を示しており、マス
クマークMMxとプレートマークPMxとは、撮像領域
AR1に同時に観察される。同様に、図3の撮像素子3
5Yの撮像領域AR2には、マスクマークMMyとプレ
ートマークPMyとが同時に観察されるようになってい
る。
【0021】撮像素子35X及び35Yの各々からの画
像信号は、画素ごとに信号レベルをデジタルサンプリン
グする回路、複数の水平走査線ごとに得られる画像信号
(デジタル信号)を換算平均する回路、換算平均化され
た画像信号を波形処理する回路、そしてマスクマークM
MiとプレートマークPMiとのX軸方向、Y軸方向の
各位置ずれ量を高速に演算する回路等を含む画像処理部
36で処理される。図4(b)に、画像処理部36で演
算処理された撮像素子35Xからの画像信号(信号強
度)の波形の一例を示す。ここで、縦軸は信号の強度
(画像のコントラスト値)を表し、横軸はX軸方向の走
査位置を表している。この図4(b)では、撮像素子3
5Xからの画像信号は、マスクマークMMxの位置、お
よびプレートマークPMxのエッジに対応する位置(画
素位置)でコントラスト値が極小(ボトム)となる信号
波形となっている。また、ここで観察される各マーク
は、図2(a)のマスク10を通して観察されているた
め、使用されるマスク10が交換されるなどにより厚み
や材質の変化でマスク10の光学特性が異なると、同じ
形状のマークであっても例えば結像面の位置(フォーカ
ス)がずれるなどにより、結像特性が変わってコントラ
スト値が変化する。
【0022】そこで、本実施形態のアライメント部20
には、マスク10の光学特性に応じて各マークに焦点を
合わせるように制御する自動合焦機構37が設けられて
いる。すなわち、自動合焦機構37は、図示しない駆動
系を介して第2対物レンズ33を矢印Dで示すアライメ
ント光の光軸方向に一定量ずつステップ移動させ、この
ときの第2対物レンズ33の基準位置からの移動量と、
画像処理部36から送られるマスクマークMMiのコン
トラスト値とを対応づけた情報を内部メモリに記憶す
る。そして第2対物レンズ33の移動範囲内で最も大き
いコントラスト値(絶対値)が検出された位置に再び第
2対物レンズ33を移動させることで、マスクマークM
Miに焦点を合わせるようになっている。さらに、自動
合焦機構37では、マスクマークMMiに焦点を合わせ
た状態で、間隔制御部16に指示を送り、プレートホル
ダ13をZ軸方向にステップ移動させ、このときのプレ
ートホルダ13の基準位置からのZ軸方向への移動量と
画像処理部36から送られるプレートマークPMiのコ
ントラスト値とを対応づけた情報を内部メモリに記憶す
る。そして、再び間隔制御部16に指示を送って移動範
囲内で最も大きいコントラスト値(絶対値)が検出され
た位置にプレートホルダ13を移動させることで、プレ
ートマークPMiに焦点を合わせるように構成されてい
る。このように、マスクマークMMiに焦点を合わせた
状態でプレートマークPMiに焦点を合わせることで、
アライメント光に対してマスクマークMMiとプレート
マークPMiとが共役関係になる。
【0023】また、自動合焦機構37は、各マークに焦
点を合わせたときの第2対物レンズ33の移動量とZ方
向へのプレートホルダ13の移動量、すなわちオフセッ
ト量をマスク10の識別名とともに内部メモリに記憶す
る。そして、同一のマスク10が用いられる場合には、
記憶された情報に基づいて第2対物レンズ33およびプ
レートホルダ13を移動させ、マスクマークMMiおよ
びプレートマークPMiに焦点を合わせるようになって
いる。さらに、自動合焦機構37は、基準マーク板3
1、32に設けられている基準マークKM1、KM2を
検出する際にも、上述したものと同様にして、各マーク
に焦点を合わせるようになっている。
【0024】マスクマークMMiおよびプレートマーク
PMiに焦点が合うと、画像処理部36では、マスクマ
ークMMiおよびプレートマークPMiの中心位置を求
める。本実施形態では、コントラスト値の信号波形を一
次微分演算した信号波形、すなわち微分波形を用いて各
マークの中心位置を求めるようになっている。なお、微
分波形を用いるのは、成膜状態の違い等によってプレー
ト11表面の反射率が異なると撮像素子35X、35Y
で観察される各マークのコントラスト値の信号波形が大
きく変化するので、この変化にも対応して各マークの中
心位置を正確に求めるためである。以下に、微分波形を
用いてマークの中心位置を求める手順について、撮像素
子35Xで観察される1本のマークをもとに説明する。
【0025】まず、画像処理部36では、1つのマーク
に対してコントラスト値(信号強度)の信号波形を一次
微分演算してその微分波形を求める。次に、その微分波
形から得られる所定値以上の極大(ピーク)値および極
小(ボトム)値を取り出し、矢印Dで示す撮像素子35
Xの水平走査線の方向に向かって、極大、極小の順とな
るピークとボトムとのペアを見つける。そのペアのう
ち、ピークとボトムとの水平走査線方向の距離が、予め
入力されているマークの幅に近いペアを選択し、そのペ
アのピークとボトムとの水平走査線方向の中心座標をそ
のマークの中心位置とする。
【0026】ここで例として、図5(a)に、プレート
11表面の反射率が高い場合に撮像素子35Xで観察さ
れるマスクマークMMxの様子を示し、図5(b)にそ
の信号強度の波形を示す。この例の場合、図5(c)で
示す微分波形では、K(1)〜K(4)までの4つのピ
ークおよびボトムが得られ、矢印Dで示す水平走査線の
方向に極大、極小の順となるピークとボトムとのペア
[K(2),K(3)]が1つ見つかる。そしてこのペ
ア[K(2),K(3)]の走査線方向の距離が、予め
入力されているマスクマークMMxのラインパターンの
幅に近いことを確認し、ペアの中心をこのマークのX軸
方向の中心位置とする。また別の例として、図6(a)
に、プレート11表面の反射率が高く、さらにマスクマ
ークMMxの回折光がプレート11上で反射して戻り、
本来のマスクマークMMxの周辺に影SHを作った様子
を示す。この場合、図6(c)に示す信号波形からはK
(1)〜K(6)の6つのピークおよびボトムが得ら
れ、さらに、水平走査線の方向に極大、極小の順となる
2つのペア[K(2),K(3)]、[K(4),K
(5)]が見つかる。この2つのペアのうち、予め入力
されているラインパターン幅に対してピークとボトムと
の水平走査線方向の距離が近いのはペア[K(4),K
(5)]であるので、このペアを選択して中心位置を求
める。さらに別の例として、図7(a)に、プレート1
1の反射率が低い場合に観察されるマスクマークMMx
の様子を示す。この図では、マスクマークMMxより外
の領域は暗部となり図7(b)に示すコントラスト値の
信号が山形の波形となっている。この場合も、図7
(c)で示す微分波形から、上述した手順で1つのペア
[K(1),K(2)]が見つかり、そのペアからマー
クの中心位置を求めることができる。
【0027】次に画像処理部36では、上述した手順で
ピークとボトムとのペアが見つからない場合、代わりに
撮像素子35Xの水平走査線の方向に極小、極大の順と
なるボトムとピークとのペアを見つける。そして、その
ペアのうち、予め入力されているマークのラインパター
ンの幅に対して、ボトムとピークとの走査線方向の距離
が近いペアを選択し、そのペアのボトムとピークとの中
心をそのマークの中心位置とする。例として、図8
(a)に、ラインパターン領域が暗くエッジによる暗線
も認められないプレートマークPMiを撮像素子35X
で観察した様子を示す。この例の場合、図8(b)に示
す信号波形にはピークもしくはボトムは検出されず、図
8(c)で示す微分波形から、K(1)、K(2)の2
つのボトムおよびピークが取り出される。この場合、前
述した手順での極大、極小の順となるペアは見つから
ず、代わって本手順の水平走査線の方向に極小、極大の
順となる1つのペア[K(1),K(2)]が見つか
る。そしてこのペア[K(2),K(3)]の走査線方
向の距離が、予め入力されているそのマークのラインパ
ターンの幅に近いことを確認し、ペア[K(2),K
(3)]の中心をそのマークのX軸方向の中心位置とす
る。
【0028】こうして画像処理部36は、各マークのラ
インパターンのそれぞれの中心位置を複数求めた平均か
らマスクマークMMiおよびプレートマークPMiの2
次元XY軸方向の中心位置を求める。また、基準マーク
板31、32に設けられている基準マークKM1、KM
2を検出する際にも、同様の手順で各マークの中心位置
を求めるようになっている。さらに、画像処理部36
は、後述するように、この中心位置からマスクマークM
MiとプレートマークPMiとの位置ずれ量を算出し、
その位置ずれ量の情報を、図2(a)の主制御部14に
送るようになっている。
【0029】他方、アライメント部21は、上述したア
ライメント部20と同一の構成であり、マスク10及び
第1の基準マーク板31上にはアライメント部21によ
り検出可能な位置にマスクマークMMi及び第1基準マ
ークKM1が設けられ、プレート11及び第2の基準マ
ーク板32上にはアライメント部21により検出可能位
置にプレートマークPMi及び第2基準マークKM2が
設けられている。なお、アライメント部20、21は、
露光動作時には、露光光源部15の照明範囲に入らない
ように移動可能な構成となっている。このアライメント
部20、21の移動は主制御部14の指示により行われ
る。
【0030】次に、上述のように構成された露光装置の
動作について説明する。本実施形態の動作シーケンス
は、主制御部14によって統括制御されており、ここで
はその代表的な2つのステップ、すなわち、マスクマー
クMMiとプレートマークPMiとを位置決めするアラ
イメントステップと、このアライメントステップの結果
に応じてマスク10のパターンをプレート11上に投影
して露光する露光ステップとについて述べる。本実施形
態では、まず、露光ステップに進み、露光光に対するZ
軸方向のオフセット量を求めるためのテスト露光を行
う。なお、Z軸方向のオフセット量がすでに定められて
いる場合には、アライメントステップに進む。
【0031】テスト露光では、解像力を評価するための
パターンを有するマスク10を用いて、マスク10とプ
レート11との間隔と、露光量とをともに所定量ずつ変
化させながらテスト露光を行う。そして、一枚のプレー
ト11に対してマトリクス状の解像力チャートを作成
し、作成された解像力チャートから露光光に対するZ方
向のオフセット量と露光量との最適値をそれぞれ求め
る。図9(a)は、チャート作成用のマスク10Aの一
例を示しており、このマスク10Aは、評価用パターン
ESPが設けられた所定領域外を遮光部として形成され
ている。評価用パターンESPは、例えば基板中央付近
に長さL1=500μm、幅L2=250μm程度の開
口領域内に設けられ、3μmのL/S(ラインアンドス
ペース)からなる直線状パターンと、φ1.5μm〜φ
4μmまで大きさが徐々に変化するドットパターンとか
らなる。テスト露光に際し、図1の主制御部14では、
プレートホルダ13を微動可能範囲内でXY軸方向に所
定量ずつステップ移動させながら、マスク10Aとプレ
ート11との間隔(フォーカス)を予め定められている
基準間隔に対して例えば−20μm〜+20μmまで5
μmずつ、また、露光量(ドーズ)を基準露光量に対し
て例えば−20%〜+20%まで10%ずつそれぞれ変
化させて露光を行う。これにより、図9(b)に示すよ
うなマトリクス状の解像力チャートが一枚のプレート1
1(ガラス基板)上に作成される。
【0032】この作成された解像力チャートをSEM
(走査型顕微鏡)や光学顕微鏡を用いて測定・観察する
ことにより、例えば、最も小さなドットパターンが残っ
ているフォーカス条件を最適な間隔(ベストフォーカ
ス)とし、また、このベストフォーカスで露光されたパ
ターン列の中で直線状パターンのL/Sがほぼ1:1で
形成されているドーズ条件を最適な露光量(ベストドー
ズ)とする。そしてベストフォーカスの間隔から露光光
に対するZ方向のオフセット量を求め、このオフセット
量とベストドーズとを内部メモリに記憶する。こうした
一連のテスト露光により、露光光に対するZ方向のオフ
セット量が求まると、次のアライメントステップに進
む。
【0033】アライメントステップでは、まず、図1の
基準マークKM1、KM2を用いてアライメント光と露
光光との色収差に対する2次元X、Y軸方向のオフセッ
ト量を求める。これに際してまず、主制御部14では、
第1の基準マーク板31上の一対の第1基準マークKM
1と第2の基準マーク板32上の一対の第2基準マーク
KM2とが、アライメント部20、21の視野領域内に
位置するように、コの字状のキャリッジを駆動してマス
クホルダ12とプレートホルダ13とを図1矢印A方向
へ移動させる。なお、マスクホルダ12に載置されてい
るマスク10は、図示しないマスク交換機構によって、
上述したテスト露光用のマスク10Aから回路パターン
焼き付け用のマスク10にすでに交換されているものと
する。
【0034】続いて主制御部14では、光学フィルタ機
構24を駆動して、露光光用の第1光学フィルタ26が
光ファイバ23からの光軸上に位置するように設定した
後、光源22をオンする。第1光学フィルタ26を通過
した照明光は、第1基準マークKM1を含む第1マーク
領域及び投影光学系14a、14cを介して第2基準マ
ークKM2を含む第2マーク領域に照射され、第1基準
マークKM1および第2基準マークKM2の像が撮像素
子35X、35Yの撮像面にそれぞれ結像する。このと
き、自動合焦機構37では、画像処理部36から送られ
る第1基準マークKM1のコントラスト値に基づいて、
第1基準マークKM1に焦点を合わせるように第2対物
レンズ33を光軸方向に移動させる。また、間隔制御部
16では、内部メモリに記憶された露光光に対するZ方
向のオフセット量に基づいて、図示しない駆動系を介し
てプレートホルダ13を移動させて、露光光に対して第
1基準マークKM1と第2基準マークKM2とが共役関
係になるようにマスク10とプレート11との間隔を制
御する。これにより、図10(a)に示すように、撮像
素子35Xの撮像領域の基準マークKM1、KM2が領
域AR1に、撮像素子35Yの撮像領域の各マークKM
1、KM2が領域AR2に、それぞれ露光光に対してベ
ストフォーカスで観察される。画像処理部36では、画
像信号の微分波形のピークおよびボトムに基づいた前述
した手順に従って、基準マークKM1、KM2のX、Y
軸方向それぞれの中心位置を求める。そして、第1基準
マークKM1と第2基準マークKM2との位置ずれ量
(dx0、dy0)を算出し、この露光光で検出される
基準マークKM1、KM2の位置ずれ量(dx0、dy
0)を内部メモリに記憶する。
【0035】次に、主制御部14では、光学フィルタ機
構24を駆動して、アライメント光用の第2光学フィル
タ27が光ファイバ23からの光軸上に位置するように
設定する。このとき、露光光とアライメント光との波長
の違いによって色収差が生じ、撮像素子35X、35Y
に観察される基準マークKM1、KM2の像がベストフ
ォーカスからずれて観察される。そのため、自動合焦機
構37では、上述した露光光の場合と同様に、画像処理
部36から送られる第1基準マークKM1のコントラス
ト値に基づいて、第1基準マークKM1に焦点を合わせ
るように第2対物レンズ33を光軸方向に移動させる。
さらに、自動合焦機構37では、画像処理部36からの
第2基準マークKM2のコントラスト値に基づいて、第
2基準マークKM2に焦点を合わせるように間隔制御部
16に指示を送り、プレートホルダ13をZ方向に移動
させる。これにより、アライメント光に対して第1基準
マークKM1と第2基準マークKM2とが共役関係にな
り、図10(b)に示すように、撮像素子35X、35
Yの撮像領域AR1、AR2に各基準マークKM1、K
M2がそれぞれベストフォーカスで観察される。画像処
理部36では、画像信号の微分波形に基づいて、基準マ
ークKM1、KM2のX、Y軸方向それぞれの中心位置
を求め、第1基準マークKM1と第2基準マークKM2
との位置ずれ量(dx1、dy1)を算出し、このアラ
イメント光で検出される基準マークKM1、KM2の位
置ずれ量(dx1、dy1)を内部メモリに記憶する。
【0036】画像処理部36では、内部メモリに記憶さ
れたこれらの位置ずれ量(dx0、dy0)、(dx
1、dy1)から、アライメント光と露光光との色収差
に対するX軸方向のオフセット量Δdx(=dx0−d
x1)と、Y軸方向のオフセット量Δdy(=dy0−
dy1)とを算出してこれを内部メモリに記憶する。
【0037】アライメントステップでは、続いて図1の
マスク10上のマスクマークMMiとプレート11上の
プレートマークPMiとの位置合わせを行う。この位置
合わせ(アライメント)に際してまず、主制御部14で
は、マスクマークMMiとプレートマークPMiとが投
影光学系14a、14cをそれぞれ介してアライメント
部20、21での視野領域内に位置するように、コの字
状のキャリッジを駆動してマスクホルダ12とプレート
ホルダ13とを図1の反矢印A方向へ移動させる。この
とき光学フィルタ機構24では、アライメント光用の第
2光学フィルタ27が引き続き設定されており、プレー
ト11上のレジストを感光させないようになっている。
【0038】またこのとき、マスク10の光学特性の違
いによって、アライメント光で図2(a)の撮像素子3
5X、35Yに観察されるマスクマークMMiおよびプ
レートマークPMiの像がベストフォーカスからずれて
観察される場合がある。そこで自動合焦機構37では、
まず、画像処理部36から送られるマスクマークMMi
のコントラスト値に基づいて、マスクマークMMiに焦
点を合わせるように第2対物レンズ33を光軸方向に移
動させる。さらに、自動合焦機構37では、画像処理部
36からのプレートマークPMiのコントラスト値に基
づいて、第2基準マークKM2に焦点を合わせるように
間隔制御部16に指示を送り、プレートホルダ13をZ
方向に移動させる。これにより、アライメント光に対し
てマスクマークMMiとプレートマークPMiとが共役
関係になり、図10(c)に示すように、撮像素子35
X、35Yの撮像領域AR1、AR2に各マークMM
i、PMiがそれぞれベストフォーカスで観察される。
このときの第2対物レンズ33の移動量とプレートホル
ダ13のZ方向への移動量とは、アライメント光に対す
るZ方向へのオフセット量として内部メモリに記憶さ
れ、以後同じマスク10が使用される際には記憶された
オフセット量を用いて各マークに対して焦点が合わせら
れる。そして、画像処理部36では、コントラスト値の
微分波形のピークおよびボトムをもとに前述した手順に
従って、マスクマークMMiおよびプレートマークPM
iのX、Y軸方向それぞれの中心位置を求め、マスクマ
ークMMiとプレートマークPMiとの位置ずれ量(d
x2、dy2)を算出する。
【0039】続いて、画像処理部36では、このアライ
メント光に対しての位置ずれ量(dx2、dy2)を実
際の露光光に対しての位置ずれ量に換算する。すなわ
ち、内部メモリに記憶されたX軸方向のオフセット量Δ
dx(=dx0−dx1)と、Y軸方向のオフセット量
Δdy(=dy0−dy1)とから、実際の露光光に対
してのマスクマークMMiとプレートマークPMiとの
X軸方向の位置ずれ量dx3(=dx2+Δdx)と、
Y軸方向の位置ずれ量dy3(=dy3+Δdy)とに
換算する。また、アライメント用のマスクマークMMi
およびプレートマークPMiが各基板に複数組設けられ
ている場合には、それらすべてについて上述したマスク
マークMMiとプレートマークPMiとの位置ずれ量の
検出を繰り返して行う。そして、主制御部14では、検
出したすべての位置ずれ量(dx3、dy3)に基づい
て、プレートホルダ13を図示しない駆動系を介して
X、Y軸方向に微動させ、マスク10とプレート11と
の位置合わせ(アライメント)を行う。その後、主制御
部14では、アライメント用の光源22をオフするとと
もに、アライメント部20、21を露光光源部15の照
明領域外に退避させ、露光ステップに進む。
【0040】露光ステップでは、露光光源部15内の露
光光源をオンして一括走査露光を開始する。具体的に
は、マスク10及びプレート11の図1における左端が
投影光学系14a〜14eの右端にほぼ一致するまでコ
の字状の図示しないキャリッジを駆動した後、このキャ
リッジをX軸方向に沿った矢印Aで示す方向に所定の走
査速度で駆動する。これにより、マスク10上のパター
ン像が5つの投影光学系14a〜14eにより、隣合う
像同士がわずかに重なり合うように分割されて、プレー
ト11に転写される。そしてマスク10の右端が投影光
学系14a〜14eの左端にほぼ一致する位置までキャ
リッジを移動させることにより、マスク10の全パター
ンがプレート11に転写される。
【0041】以上説明したように、本実施形態の露光装
置によれば、アライメント光を用いる場合と露光光を用
いる場合とで、投影光学系14a〜14eの光軸方向
(Z軸方向)におけるマスク10とプレート11との間
隔を間隔制御部16によって適切に変えるので、投影光
学系14a〜14eのZ軸方向の色収差を容易に補正す
ることができる。しかも、間隔制御部16は、Z方向の
オフセット量に基づいて、マスクマークMMiとプレー
トマークPMiとが共役関係になるようにマスク10と
プレート11との間隔を制御するため、プレートマーク
PMiを高精度に検出してマスクマークMMiとプレー
トマークPMiとを正確に位置合わせすることができ
る。
【0042】また、使用されるマスク10によって厚さ
や材質などの光学特性が変化しても、自動合焦機構37
が各マークに焦点を合わせるように制御するので、正確
に各マークを検出して精度よく位置合わせをすることが
できる。
【0043】さらに、本実施形態の露光装置では、撮像
素子35X、35Yで同時に観察されるマスクマークM
MiとプレートマークPMiとのそれぞれの画像コント
ラスト値の微分波形を用いて、自動合焦機構37が各マ
ークに焦点を合わせるので、コントラスト値の弱いエッ
ジ信号でも取り扱うことが可能となり、各マークのパタ
ーンエッジを確実に検出することができる。しかも、そ
の微分波形のピークおよびボトムから所定の手順に従っ
てマークの中心位置を求めることで、プレート11の反
射率の変化による検出状態の変化にも確実に対応してマ
ークの中心位置を求めることが可能となり、マスクマー
クMMiとプレートマークPMiとの位置合わせを正確
に行うことができる。
【0044】また、本実施形態では、露光ステップにお
いて、マスク10Aとプレート11との間隔と露光量と
をともに所定量ずつ変化させて露光を行い、一枚のプレ
ート11に対してマトリクス状の解像力チャートを作成
する。そのため、露光光に対するZ方向のオフセット量
と露光量との最適値を容易に求めて解像力を評価するこ
とができる。そして間隔および露光量を適切な値に設定
することで、高解像度の露光を実現できる。
【0045】なお、本実施形態では、プレートホルダ1
3をZ軸方向に微動させるように構成しているが、マス
クホルダ12をZ軸方向に駆動するようにしてマスク1
0とプレート11との間隔を調整してもよく、さらに
は、プレートホルダ13とマスクホルダ12との両方を
動かすように構成してもよい。また、本実施形態では、
マスクホルダ12とプレートホルダ13とがキャリッジ
によって連結されているが、これに限らず、それぞれ独
立ステージに載置するようにして、各々を独立に制御す
るように構成してもよい。
【0046】また、図1では、一対の第1基準マークK
M1を第1の基準マーク板31上に設けたものを示した
が、一対の第1基準マークKM1をチャート作成用のマ
スク10A上に設けてもよい。
【0047】また、本実施形態では、フォーカスセンサ
8を4組使用する構成としているが、これに限らず、投
影光学系の数に合わせてフォーカスセンサ8の使用数を
定めてもよく、さらに、プレートホルダ13の形状に合
わせてフォーカスセンサ8の数を決定してもよい。ま
た、本実施形態では、フォーカスセンサ8でマスク10
とプレート11との間隔を計測しながらその間隔を調整
しているが、マスク10とプレート11との間隔を調整
する構成はこれに限るものではなく、例えば、マスク1
0とプレート11との位置関係を予め2通り定めてお
き、この2通りの位置関係になるようにリミットスイッ
チなどの機械的な位置決め機構を用いてマスク10また
はプレート11を動作ごとに位置決めし、露光時とアラ
イメント時とでマスク10とプレート11との間隔を切
り換える構成とすることも可能である。
【0048】さらに、本実施形態では、マスク10とプ
レート11との間隔を調整することで、露光時とアライ
メント時とでの照明光の波長の違いによる色収差を補正
する構成としたが、例えばこれに加えてマスク10とプ
レート11との間や投影レンズの内部に補正光学系を設
け、この補正光学系と前述した間隔の調整との組み合わ
せによって、投影光学系の色収差を補正する構成として
もよい。
【0049】また、自動合焦機構37は、第2対物レン
ズ33を移動させることでマスク10のマークに焦点を
合わせているが、新たにフォーカス用のレンズをアライ
メント部20、21に追加したり、あるいはアライメン
ト部20、21とは別の光学系を設けて各マークに焦点
を合わせるようにしてもよい。また、本実施形態では、
画像処理部36からのマークの画像コントラスト値を用
いて合焦位置を求めているが、合焦位置を求める方法は
これに限るものではなく、一般的なフォーカス機構を適
用してもよい。
【0050】また、本実施形態では、露光時のZ軸方向
のオフセット量を求めるために、解像力チャートを用い
てテスト露光を行っているが、露光時におけるZ軸方向
のオフセット量を求める方法はこれに限らない。例えば
アライメントステップにおいて、第1光学フィルタ26
を透過させた露光波長の照明光に対するオフセット量を
自動合焦機構37ですでに求めている場合には、このと
きのオフセット量を露光時に用いてもよい。
【0051】さらに、本実施形態では、本発明を液晶用
の一括走査型露光装置に適用したが、これ以外にも半導
体、薄膜磁気ヘッド等の製造用としても適用可能であ
り、さらにステップアンドリピート方式あるいはステッ
プアンドスキャン方式といったTTL方式を用いて位置
合わせを行う他の露光装置にも適用可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
以下の効果を得ることができる。請求項1に係る露光装
置は、位置合わせ用のアライメント照明部とパターン投
影用の露光光源部との照明の切換えに応じて、投影光学
系の光軸方向におけるマスクと基板との間隔を間隔制御
部が変えるように構成されている。したがって、投影光
学系を介した位置合わせで生じる光軸方向の色収差を補
正するができ、補正光学系を用いることなく、基板に設
けられたマークを高精度に検出して、マスクと基板とを
正確に位置合わせすることができる。
【0053】請求項2に係る露光装置では、マスクのマ
ークと基板のマークとが共役関係になるようにマスクと
基板との間隔を間隔制御部が制御するので、基板のマー
クを投影光学系を介して高精度に検出して正確に位置合
わせをすることができるとともに、マスクのパターンを
精度よく基板に焼き付けることができる。
【0054】請求項3に係る露光装置では、マスクを通
して検出する第1マーク及び第2マークに、自動合焦機
構がマスクの光学特性に応じて焦点を合わせる。したが
って、使用されるマスクによって光学特性が変化しても
正確に各マークを検出して位置合わせすることができ
る。さらに、板厚公差や材質といったマスクに対する精
度要求を緩めることが可能となり、比較的廉価なマスク
を使用することが可能となる。
【0055】請求項4に係る露光装置では、第1マーク
及び第2マークの位置関係を変化させた複数の画像のコ
ントラスト値から求めた微分波形を用いて自動合焦機構
が焦点を合わせるので、基板の反射率の変化などによっ
て第1マーク及び第2マークの検出状態が変化しても、
そのマークのパターンエッジを確実に検出することが可
能となり、正確に位置合わせを行うことができる。
【0056】請求項5に係る露光装置では、第1マーク
と第2マークとを同時に観察して位置合わせを行うの
で、第1マークに対する第2マークの位置ずれ量を容易
に求めることができる。
【0057】請求項6に係る露光方法では、位置合わせ
を行うアライメントステップと、パターンを基板に露光
する露光ステップとでマスクと基板との間隔を変更する
ので、投影光学系を介した位置合わせで生じる光軸方向
の色収差を補正するができ、基板に設けられたマークを
高精度に検出して、マスクと基板とを正確に位置合わせ
することができる。
【0058】請求項7に係る露光方法では、露光ステッ
プにおいて、マスクおよび基板の間隔と基板の露光量と
の少なくとも一方を変化させて一枚の基板に解像力チャ
ートを作成するので、間隔および露光量による解像力を
容易に評価することができる。しかも得られた結果から
間隔および露光量を適切な値に設定することで、高解像
度の露光を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る露光装置の一実施形態を示す概
略構成図である。
【図2】 (a)は図1のアライメント部を示す構成
図、(b)は図1のB−Bでの断面でフォーカスセンサ
を示す構成図である。
【図3】 (a)はマスクマークを示す図、(b)はプ
レートマークを示す平面図である。
【図4】 (a)は撮像素子にて観察されるマークの様
子を示す平面図、(b)は画像信号を示す波形図であ
る。
【図5】 (a)はマークの一例を示す拡大図、(b)
は画像信号を示す波形図、(c)は微分信号を示す波形
図である。
【図6】 (a)はマークの一例を示す拡大図、(b)
は画像信号を示す波形図、(c)は微分信号を示す波形
図である。
【図7】 (a)はマークの一例を示す拡大図、(b)
は画像信号を示す波形図、(c)は微分信号を示す波形
図である。
【図8】 (a)はマークの一例を示す拡大図、(b)
は画像信号を示す波形図、(c)は微分信号を示す波形
図である。
【図9】 (a)は評価パターンを有するマスクを示す
図、(b)は解像力チャートを示す平面図である。
【図10】 アライメント方法を説明するための説明図
である。
【符号の説明】
8 フォーカスセンサ 8A 発光素子 8B 受光素子 10 マスク 11 プレート(基板) 14 主制御部 14a〜14e 投影光学系 15 露光光源部 16 間隔制御部 20 第1のアライメント部 21 第2のアライメント部 25 アライメント照明部 26 第1光学フィルタ 27 第2光学フィルタ MMi マスクマーク PMi プレートマーク KM1、KM2 基準マーク 36 画像処理部 37 自動合焦機構
フロントページの続き Fターム(参考) 2H097 BA01 BB01 KA03 KA12 KA13 KA20 KA29 KA38 LA12 5F046 BA05 CA02 CA07 CB17 CB25 CC01 CC02 CC05 DA02 DA14 DB05 DC06 DD06 EA03 EB03 EC05 ED01 FA03 FA10 FA16 FB13 FB17 FC04 FC05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクのパターンを投影光学系を介して
    基板に投影して前記パターンを基板に焼き付ける露光装
    置において、 前記マスクに設けられた第1マークと前記基板の第2マ
    ークとを前記投影光学系を介して位置合わせするアライ
    メント部と、 前記アライメント部に設けられ、前記第1マークと前記
    第2マークとを照明するアライメント照明部と、 前記アライメント照明部の照明波長とは異なる波長で照
    明して前記マスクのパターンを前記基板に投影し露光す
    る露光光源部と、 前記アライメント照明部と前記露光光源部との照明の切
    換えに応じて前記投影光学系の光軸方向における前記マ
    スクと前記基板との間隔を変える間隔制御部とを備える
    ことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記アライメント部は、前記第2マーク
    を前記投影光学系を介して検出し、 前記間隔制御部は、前記第1マークと前記第2マークと
    が共役関係になるように前記マスクと前記基板との間隔
    を制御することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記アライメント部は、前記間隔制御部
    と連動し、前記第2マークを前記投影光学系及び前記マ
    スクを通して検出し、前記マスクの光学特性に応じて前
    記第1マーク及び前記第2マークに焦点を合わせるよう
    に制御する自動合焦機構を有することを特徴とする請求
    項1または2記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記自動合焦機構は、前記第1マーク及
    び前記第2マークの位置関係を変化させた画像のコント
    ラスト値を複数記憶し、該複数のコントラスト値から求
    めた微分波形を用いて焦点を合わせるように制御するこ
    とを特徴とする請求項3記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記アライメント部は、前記第1マーク
    と前記第2マークとを同時に観察し、前記第1マークと
    前記第2マークとの位置合わせを行うことを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 マスクのパターンを投影光学系を介して
    基板に投影して前記パターンを基板に焼き付ける露光方
    法において、 前記マスクを通して観察される前記基板に設けられたア
    ライメントマークと前記マスクに設けられたアライメン
    トマークとを位置合わせするアライメントステップと、 前記アライメントステップの結果に応じてマスクのパタ
    ーンを前記基板上に投影し該基板上に前記パターンを露
    光する露光ステップとを有し、 前記アライメントステップでのアライメント光と露光光
    との波長が互いに異なり、前記アライメントステップと
    前記露光ステップとの切換えに応じて前記投影光学系の
    光軸方向における前記マスクと前記基板との間隔を変更
    することを特徴とする露光方法。
  7. 【請求項7】 前記露光ステップは、前記基板一枚に対
    して前記間隔と前記基板の露光量との少なくとも一方を
    変化させて解像力チャートを作成することを特徴とする
    請求項6記載の露光方法。
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JP2012235065A (ja) * 2011-05-09 2012-11-29 Canon Inc 露光装置、および、デバイス製造方法
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