JP2000338624A - 熱現像感光材料とその処理方法 - Google Patents

熱現像感光材料とその処理方法

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JP2000338624A
JP2000338624A JP15006499A JP15006499A JP2000338624A JP 2000338624 A JP2000338624 A JP 2000338624A JP 15006499 A JP15006499 A JP 15006499A JP 15006499 A JP15006499 A JP 15006499A JP 2000338624 A JP2000338624 A JP 2000338624A
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silver halide
photosensitive
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Kazuhiko Hirabayashi
和彦 平林
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 網点品質を劣化させずに軟調化させて、レー
ザー露光走査の走査ムラを改良した、硬調化剤を使用す
るところの製版用熱現像感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に有機銀粒子、感光性ハロゲン
化銀粒子、還元剤、硬調化剤及び/又は4級オニウム塩
化合物を含有する熱現像感光材料において、画像の階調
γが6.0以上、14.0以下であることを特徴とする
熱現像感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
し、更に詳しくはレーザー露光走査を行う製版用熱現像
感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷製版や医療の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が作業性の上で問題とな
っており、近年では環境保全、省スペースの観点からも
処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー
・イメージセッターやレーザー・イメージャーにより効
率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成
することができる写真用途の光熱写真材料に関する技術
が必要とされている。この技術として、例えば米国特許
第3,152,904号、同3,487,075号及び
D.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー
写真材料(DrySilver Photograph
ic Materials)」(Handbook o
f Imaging Materials,Marce
l Dekker,Inc.48,1991)等に記載
されているように、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲ
ン化銀粒子、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感
光材料が知られている。
【0003】これらの熱現像感光材料は、熱現像処理に
て写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀
塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀
の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマト
リックス中に分散した状態で含有している。該熱現像感
光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、8
0〜150℃)に加熱することで現像される。加熱する
ことで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との
間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元
反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用に
よって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によっ
て生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と
対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は外
部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0004】ところで、製版用感光材料は硬調であるこ
とが必須であるが、硬調化剤を使用する熱現像感光材料
の場合、硬調になり過ぎる為にレーザー露光走査で走査
ムラが生じるという欠点を有していた。該熱現像感光材
料は硬調化剤の量変化では軟調化させることが出来ず、
また単なる軟調化では網点品質が劣化してしまうという
事で、このようなレーザー露光走査での走査ムラの改良
と網点品質の維持という相反する性能を満足することが
望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は網点品質を劣化させずに軟調化させて、レーザー露光
走査の走査ムラを改良した、硬調化剤を使用するところ
の製版用熱現像感光材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記構成
により達成された。
【0007】1)支持体上に有機銀粒子、感光性ハロゲ
ン化銀粒子、還元剤、硬調化剤及び/又は4級オニウム
塩化合物を含有する熱現像感光材料において、画像の階
調γが6.0以上、14.0以下であることを特徴とす
る熱現像感光材料。
【0008】2)支持体上に有機銀粒子、感光性ハロゲ
ン化銀粒子、還元剤、硬調化剤及び/又は4級オニウム
塩化合物を含有する熱現像感光材料において、以下の条
件の少なくとも1つを満足することを特徴とする前記
1)に記載の熱現像感光材料。
【0009】(1)感光層の厚みが16μm以上、25
μm以下であること (2)感光層中に平均粒径0.02μm以上、1.0μ
m以下の微粒子を5mg/m2以上、50mg/m2以下
含有すること (3)感度差が0.03logE以上、0.15log
E以下のハロゲン化銀粒子を2種以上含有し、各々の粒
子がmol比で少なくとも10mol%以上であること (4)レドックス化合物を含有すること (5)支持体をはさんで感光層とは反対側の写真構成層
の露光波長における吸収が0.3以上、0.7未満であ
ること 3)熱現像自現機の熱現像部の前にプレヒート部を有
し、該プレヒート部の温度が80〜120℃であること
を特徴とする前記1)又は2)の熱現像感光材料の処理
方法。
【0010】4)支持体の厚みが110μm以上、15
0μm以下であることを特徴とする前記1)又は2)の
熱現像感光材料。
【0011】5)支持体の厚みが110μm以上、15
0μm以下であることを特徴とする前記3)に記載の熱
現像感光材料の処理方法。
【0012】以下、本発明について詳述する。
【0013】本発明の画像の階調γは、特性曲線のカブ
リ濃度(fog)を差し引いた濃度0.1と濃度1.5
の点を結ぶ直線の傾きとした。網点品質(DQ)と走査
ムラを両立させるには階調γは6.0以上、14.0以
下であり、7.0以上、12.0以下が好ましい。階調
γを6.0以上、14.0以下にするには、例えば以下
の手段がある。
【0014】本発明の感光層の厚みを16μm以上、2
5μm以下にすることであり、16μm以上、20μm
以下がより好ましい。16μm以下では薄すぎてDQが
よくなりすぎ、走査ムラが目立つ。一方、25μmより
大きい場合は所望の現像時間中に充分現像が進まず、現
像を進ませる為に温度を上げるとPET支持体の収縮が
大きくなったり、カブリが高くなってしまう。厚みは断
面を電子顕微鏡で撮影し、測定した。
【0015】また感光層中に平均粒径0.02μm以
上、1.0μm以下の微粒子を5mg/m2以上、50
mg/m2以下含有させることであり、10mg/m2
上、30mg/m2以下がより好ましい。粒径は0.0
3μm以上、0.08μm以下がより好ましい。粒径が
0.02μm未満になると感光層中に均一に分散せず、
凝集してピンホールになる。1.0μmより大きいとこ
れもピンホールとなる。
【0016】本発明の微粒子とは、スイス特許第33
0,158号に記載のシリカ、仏国特許第1,296,
995号に記載のガラス粉、英国特許第1,173,1
81号記載のアルカリ土類金属、亜鉛などの炭酸塩など
の無機物微粒子;米国特許第2,322,037号に記
載の澱粉、ベルギー特許第625,451号或いは英国
特許第981,198号に記載された澱粉誘導体、特公
昭44−3643号に記載のポリビニルアルコール、ス
イス特許第330,158号に記載されたポリスチレン
或いはポリメチルメタアクリレート、米国特許第3,0
79,257号に記載のポリアクリロニトリル、米国特
許第3,022,169号記載のポリカーボネートのよ
うな有機物粒子をさす。
【0017】好ましい微粒子としては、不定形シリカ、
窒化ホウ素、窒化アルミニウム、球形シリカ、二酸化チ
タン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸マグネシウム、
硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、ポリメチルメタク
リレート、ポリメチルアクリレート、ポリスチレン、ポ
リアクリロニトリル、セルロースアセテート、セルロー
スプロピオネート、シリコーン、テフロン等がある。ま
た、微粒子にスベリ性を与えるためワックスやシリコー
ンオイルをしみこませたものや、シランカップリング剤
やチタンカップリング剤等を用いて表面を修飾したもの
を用いることもできる。
【0018】更に、本発明においては、感度差が0.0
3logE以上、0.15logE以下のハロゲン化銀
粒子を2種以上含有させることである。感度差は0.0
3logE以上、0.08logE以下がより好まし
い。0.03logE以下の感度差では、走査ムラ改良
の効果があまりみられず、0.15logEより大きい
場合は特性曲線がいわゆる2段カーブとなりDQの劣化
が大きくなってしまう。粒子に感度差をもたせるには粒
径変化、Rh等のドーピング等如何様な手段でも構わな
い。
【0019】バッキング層の露光波長における吸収を
0.3以上、0.7未満とすることも、階調γを6.0
以上、14.0以下とするための手段である。吸収は
0.5以上、0.7未満がより好ましい。バッキング層
の吸収極大を0.7未満にすることによりハレーション
を大きくし、軟調化させる。吸収極大が0.7以上では
ハレーションが充分ではなく、0.3未満になるとドラ
ム等の背面の模様や汚れの濃淡が90%以上の平網出力
で感光材料にうつりこむのが目立ってくる。
【0020】本発明においては、熱現像部の前にプレヒ
ート部を有しており、プレヒートの温度は80〜120
℃である。プレヒートにより現像が進み、濃度ムラが少
なくなるので走査ムラにも効果的である。
【0021】また、本発明の支持体は厚みが110μm
以上、150μm以下であり、110μm以上、130
μm以下がより好ましい。150μmより大きくなると
干渉縞が劣化する。110μm以上、150μm以下の
範囲ではよりDQの劣化が少なく、走査ムラが良い。支
持体としてはPETが好ましい。
【0022】本発明においてはレドックス化合物を含有
している。本発明に係る酸化されることにより現像抑制
剤を放出しうるレドックス化合物について説明する。
【0023】レドックス化合物は、レドックス基として
ハイドロキノン類、カテコール類、ナフトハイドロキノ
ン類、アミノフェノール類、ピラゾリドン類、ヒドラジ
ン類、レダクトン類などである。好ましいレドックス化
合物は、レドックス基として−NHNH−基を有する化
合物及び下記一般式〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、
〔7〕または〔8〕で表される化合物である。
【0024】レドックス基として−NHNH−基を有す
る化合物としては次の一般式〔RE−a〕または〔RE
−b〕である。
【0025】一般式〔RE−a〕 T−NHNHCO−(Time)−PUG 一般式〔RE−b〕 T−NHNHCOCO−(Time)−PUG 式中、Tは置換されてもよいアリール基または置換され
てもよいアルキル基を表す。Tで表されるアリール基と
してベンゼン環やナフタレン環を含むもので、この環は
種々の置換基で置換されてもよく、好ましい置換基とし
て直鎖、分岐のアルキル基(好ましくは炭素数2〜2
0、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ドデ
シル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数2〜2
1、例えばメトキシ基、エトキシ基等)、脂肪族アシル
アミノ基(好ましくは炭素数2〜21のアルキル基をも
つもの、例えばアセチルアミノ基、ヘプチルアミノ基
等)、芳香族アシルアミノ基等が挙げられ、これらの他
に、例えば上記のような置換または未置換の芳香族環が
−CONH−、−O−、−SO2NH−、−NHCON
H−、−CH2CH=N−のような連結基で結合してい
るものも含む。
【0026】PUGとして表される写真有用性基として
は、5−ニトロインダゾール、4−ニトロインダゾー
ル、1−フェニルテトラゾール、1−(3−スルホフェ
ニル)テトラゾール、5−ニトロベンズトリアゾール、
4−ニトロベンズトリアゾール、5−ニトロイミダゾー
ル、4−ニトロイミダゾール等が挙げられる。これらの
現像抑制化合物は、T−NHNH−基が結合する−CO
−又は−COCO−部位にNやSなどのヘテロ原子を介
して直接、またはTime(タイミング基)を介して、
NやSのヘテロ原子に接続することができる。その他
に、バラスト基がついたハイドロキノン化合物にトリア
ゾール、インダゾール、イミダゾール、チアゾール、チ
アジアゾールなどの現像抑制基を導入したものも使用で
きる。例えば、2−(ドデシルエチレンオキサイドチオ
プロピオン酸アミド)−5−(5−ニトロインダゾール
−2−イル)ハイドロキノン、2−(ステアリルアミ
ド)−5−(1−フェニルテトラゾール−5−チオ)ハ
イドロキノン、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキ
シプロピオン酸アミド)−5−(5−ニトロトリアゾー
ル−2−イル)ハイドロキノン、2−ドデシルチオ−5
−(2−メルカプトチオチアジアゾール−5−チオ)ハ
イドロキノン等が挙げられる。
【0027】式中、Timeはタイミング基を表し、好
ましくは−OCH2−またはその他の2価のタイミング
基、例えば、米国特許第4,248,962号、同4,
409,323号または同3,674,478号、リサ
ーチ・ディスクロージャー21228(1981年12
月)、または特開昭57−56837号、特開平4−4
38号等に記載のものが挙げられる。なお、Time基
はなくてもよい。
【0028】レドックス化合物は、米国特許第4,26
9,929号の記載を参考にして合成することができ
る。レドックス化合物は乳剤層中、または乳剤層に隣接
する親水性コロイド層中、更には中間層を介して親水性
コロイド層中に含有せしめることができる。
【0029】レドックス化合物の添加は、メタノールや
エタノール等のアルコール類、エチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグ
リコール類、エーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキサイド、テトラヒドロフラン、酢酸エチルな
どのエステル類、アセトンやメチルエチルケトンなどの
ケトン類に溶解してから添加することができる。また水
や有機溶媒に溶けにくいものは、高速インペラー分散、
サンドミル分散、超音波分散、ボールミル分散などによ
り平均粒子径が0.01から6μまで任意に分散するこ
とができる。分散には、アニオンやノニオンなどの表面
活性剤、増粘剤、ラテックスなどを添加して分散するこ
とができる。その添加量はハロゲン化銀1モルあたり1
-6から10-1モルまで、好ましくは10-4から10-2
モルの範囲である。
【0030】一般式〔RE−a〕または〔RE−b〕で
表される化合物のうち、特に好ましい化合物を下記に挙
げる。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】その他の好ましいレドックス化合物の具体
例としては、特開平4−245243号236(8)頁
「0053」〜250(22)頁「0068」に記載さ
れているR−1〜R−50である。
【0034】また下記一般式〔3〕、〔4〕、〔5〕、
〔6〕、〔7〕または〔8〕で表されるレドックス化合
物について説明する。
【0035】
【化3】
【0036】
【化4】
【0037】式中、R1はアルキル基、アリール基また
は複素環基を表す。R2およびR3は水素原子、アシル
基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル
基、アリール基、オキザリル基、複素環基、アルコキシ
カルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表
す。R4は水素原子を表す。R5〜R9は水素原子、アル
キル基、アリール基または複素環基を表す。r1、r2
びr3はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。X1、X
2はO又はNHを表わす。Z1は5〜6員の複素環を構成
するのに必要な原子群を表す。Z1で表される5〜6員
の複素環としては、単環でも縮合環でもよく、O、S及
びN原子の少なくとも1種を環内に有する5〜6員の複
素環が挙げられる。これらの環上には置換基を有しても
よい。
【0038】WはN(R10)R11、またはOHを表し、
10及びR11は水素原子、アルキル基、アリール基また
は複素環基を表す。
【0039】COUPは芳香族第1級アミン現像主薬の
酸化体とカップリング反応を起こし得るカプラー残基を
表し、★はカプラーのカップリング部位を表す。Tmは
タイミング基を表す。m1及びp1は0から3の整数を表
す。q1は0から4の整数を表す。nは0または1を表
す。PUGは現像抑制剤を表す。Tmで表されるタイミ
ング基として、好ましくは−OCH2−又はその他の2
価のタイミング基、例えば米国特許第4,248,96
2号、同4,409,323号又は同3,674,47
8号、Reserch Disclosure 212
28(1981年12月)、又は特開昭57−5683
7号、特開平4−438号等に記載のものが挙げられ
る。
【0040】PUGとして好ましい現像抑制剤は、例え
ば米国特許第4,477,563号、特開昭60−21
8644号、同60−221750号、同60−233
650号又は同61−11743号に記載のある現像抑
制剤が挙げられる。
【0041】R1およびR5〜R11で表されるアルキル
基、アリール基、複素環基として好ましくは、メチル
基、p−メトキシフェニル基、ピリジル基等が挙げられ
る。R2およびR3で表わされるアシル基、カルバモイル
基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アリール基、
オキザリル基、複素環基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基のなかで好ましくはアシル
基、カルバモイル基、シアノ基である。これらの基の炭
素数の合計は1〜20であることが好ましい。R1〜R
11はさらに置換基を有していてもよく、該置換基とし
て、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素原子等)、ア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、ヒドロキシエチル基、メトキメチル基、トリフルオ
ロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例
えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラ
ルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェネチル基
等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、
p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ
基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェ
ノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基(例えば、ア
セチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキル
チオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチル
チオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基
等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニル
アミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド
基(例えば、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチル
ウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルフ
ァモイルアミノ基(例えば、ジメチルスルファモイルア
ミノ基等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモ
イル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル
基等)、スルファモイル基(例えば、エチルスルファモ
イル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例え
ば、フェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例え
ば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニ
ルスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、
プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(例え
ば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ
基等)、ヒドロキシル基、ニトロ基、イミド基(例え
ば、フタルイミド基等)、複素環基(例えば、ピリジル
基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベン
ズオキサゾリル基等)が挙げられる。
【0042】COUPで表されるカプラー残基としては
以下のものを挙げることができる。シアンカプラー残基
としてはフェノールカプラー、ナフトールカプラー等が
ある。マゼンタカプラーとしてはピラゾロンカプラー、
ピラゾロトリアゾールカプラー、シアノアセチルクマロ
ンカプラー、開鎖アシルアセトニトリルカプラー、イン
ダゾロンカプラー等がある。イエローカプラー残基とし
てはベンゾイルアセトアニリドカプラー、ピバロイルア
セトアニリドカプラー、マロンジアニリドカプラー等が
ある。無呈色カプラー残基としては開鎖または環状活性
メチレン化合物(例えば、インダノン、シクロペンタノ
ン、マロン酸ジエステル、イミダゾリノン、オキサゾリ
ノン、チアゾリノン等)がある。さらにCoupで表さ
れるカプラー残基のうち本発明において好ましく用いら
れるものは、一般式(Coup−1)〜一般式(Cou
p−8)で表すことができる。
【0043】
【化5】
【0044】式中R16はアシルアミノ基、アニリノ基ま
たはウレイド基を表し、R17は1個またはそれ以上のハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはシアノ基
で置換されてもよいフェニル基を表す。
【0045】
【化6】
【0046】式中、R18、R19はハロゲン原子、アシル
アミノ基、アルコキシカルボニルアミド基、スルホウレ
イド基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基
または脂肪族基を表し、R20およびR21はおのおの脂肪
族基、芳香族基または複素環基を表す。またR20および
21の一方が水素原子であってもよい。aは1〜4の整
数、bは0〜5の整数を表す。a、bが複数の場合、R
18は同一でも異なっていてもよく、またR19は同一でも
異なっていてもよい。
【0047】
【化7】
【0048】式中、R22は3級アルキル基または芳香族
基を表し、R23は水素原子、ハロゲン原子またはアルコ
キシ基を表す。R24はアシルアミノ基、脂肪族基、アル
コキシカルボニル基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはスルホンアミド
基を表す。
【0049】
【化8】
【0050】式中、R25は脂肪族基、アルコキシ基、ア
シルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、
ジアシルアミノ基、R26は水素原子、ハロゲン原子、ニ
トロ基を表す。
【0051】
【化9】
【0052】R27、R28は水素原子、脂肪族基、芳香族
基、複素環基を表す。
【0053】以下に本発明で用いられる一般式〔3〕〜
一般式〔8〕で表される化合物の具体例を列挙するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
【化10】
【0055】
【化11】
【0056】
【化12】
【0057】
【化13】
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】
【化16】
【0061】
【化17】
【0062】本発明の一般式〔3〕〜一般式〔8〕で表
される化合物は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6
モルから5×10-2モル含有するのが好ましく、特に1
×10-4モルから2×10-2モルが好ましい。
【0063】本発明のレドックス化合物は適当な水混和
性有機溶媒、例えばアルコール類、ケトン類、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルセロソル
ブなどに溶解して用いることができる。また、既に公知
のオイルを用いた乳化分散物として添加することもでき
る。さらに、固体分散法として知られる方法によって、
化合物の粉末を水のなかにボールミル、コロイドミル、
インペラー分散機、あるいは超音波によって分散して用
いることもできる。
【0064】本発明のレドックス化合物は、ハロゲン化
銀乳剤層中、乳剤層の隣接層、隣接層を介した他の層な
どに存在させることができる。レドックス化合物から放
出される現像抑制剤の効果を高めるためには、レドック
ス化合物が存在する層を中間層を介して乳剤層に隣接さ
せるのが好ましい。具体的層構成は支持体から/接着層
/横断光遮断層またはハレーション防止層/乳剤層/中
間層/レドックス含有層/保護層の順である。また、支
持体から/接着層/横断光遮断層またはハレーション防
止層/レドックス含有層/中間層/乳剤層/保護層の順
にても使用できる。これらの層に使用するゼラチンは、
公知の架橋剤で膨潤させることができるが層別に架橋さ
せるには、分子量を調節したり架橋促進剤を使用するの
がよい。通常使用される各層のゼラチン量は0.1〜
2.0g/m2である。架橋剤はグラムゼラチン当たり
0.01ミリモルから1ミリモル使用するのが好まし
い。
【0065】本発明の熱現像感光材料は硬調化剤を含有
し、硬調化剤としては下記一般式〔G〕で示される化合
物及びヒドラジン誘導体が好ましい。
【0066】
【化18】
【0067】一般式〔G〕において、XとRはシスの形
で表示してあるが、XとRがトランスの形も一般式
〔G〕に含まれる。この事は具体的化合物の構造表示に
おいても同様である。
【0068】式中、Xはシアノ基を除く電子吸引性基を
表し、Wは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ア
シル基、チオアシル基、オキサリル基、オキシオキサリ
ル基、チオオキサリル基、オキサモイル基、オキシカル
ボニル基、チオカルボニル基、カルバモイル基、チオカ
ルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ
スルフィニル基、チオスルフィニル基、スルファモイル
基、オキシスルフィニル基、チオスルフィニル基、スル
フィナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イミノ基、
N−カルボニルイミノ基、N−スルホニルイミノ基、ジ
シアノエチレン基、アンモニウム基、スルホニウム基、
ホスホニウム基、ピリリウム基、インモニウム基を表
す。
【0069】Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルケ
ニルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
オキシ基、アミノカルボニルオキシ基、メルカプト基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ア
ルケニルチオ基、アシルチオ基、アルコキシカルボニル
チオ基、アミノカルボニルチオ基、ヒドロキシ基又はメ
ルカプト基の有機又は無機の塩(例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩、銀塩等)、アミノ基、アルキルアミノ
基、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ基)、アシルア
ミノ基、オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環基(5〜
6員の含窒素ヘテロ環、例えばベンツトリアゾリル基、
イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基
等)、ウレイド基、スルホンアミド基を表す。XとW、
XとRは、それぞれ互いに結合して環状構造を形成して
もよい。XとWが形成する環としては、例えばピラゾロ
ン、ピラゾリジノン、シクロペンタンジオン、β−ケト
ラクトン、β−ケトラクタム等が挙げられる。
【0070】一般式〔G〕について更に説明すると、X
の表す電子吸引性基とは、シアノ基を除くハメットの置
換基定数σpが正の値をとりうる置換基のことである。
具体的には、置換アルキル基(ハロゲン置換アルキル
等)、置換アルケニル基(シアノビニル等)、置換・未
置換のアルキニル基(トリフルオロメチルアセチレニ
ル、シアノアセチレニル等)、置換アリール基(シアノ
フェニル等)、置換・未置換のヘテロ環基(ピリジル、
トリアジニル、ベンゾオキサゾリル等)、ハロゲン原
子、アシル基(アセチル、トリフルオロアセチル、ホル
ミル等)、チオアセチル基(チオアセチル、チオホルミ
ル等)、オキサリル基(メチルオキサリル等)、オキシ
オキサリル基(エトキサリル等)、チオオキサリル基
(エチルチオオキサリル等)、オキサモイル基(メチル
オキサモイル等)、オキシカルボニル基(エトキシカル
ボニル等)、カルボキシル基、チオカルボニル基(エチ
ルチオカルボニル等)、カルバモイル基、チオカルバモ
イル基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシスルホ
ニル基(エトキシスルホニル等)、チオスルホニル基
(エチルチオスルホニル等)、スルファモイル基、オキ
シスルフィニル基(メトキシスルフィニル等)、チオス
ルフィニル基(メチルチオスルフィニル等)、スルフィ
ナモイル基、スフィナモイル基、ホスホリル基、ニトロ
基、イミノ基、N−カルボニルイミノ基(N−アセチル
イミノ等)、N−スルホニルイミノ基(N−メタンスル
ホニルイミノ等)、ジシアノエチレン基、アンモニウム
基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ピリリウム基、
インモニウム基が挙げられるが、アンモニウム基、スル
ホニウム基、ホスホニウム基、インモニウム基等が環を
形成したヘテロ環状のものも含まれる。σp値として
0.30以上の置換基が特に好ましい。
【0071】Wとして表されるアルキル基としてはメチ
ル、エチル、トリフルオロメチル等が、アルケニル基と
してはビニル、ハロゲン置換ビニル、シアノビニル等
が、アルキニル基としてはアセチレニル、シアノアセチ
レニル等が、アリール基としてはニトロフェニル、シア
ノフェニル、ペンタフルオロフェニル等が、ヘテロ環基
としてはピリジル、ピリミジル、トリアジニル、スクシ
ンイミド、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル等が挙げられる。Wとしてはσ
p値が正の電子吸引性基が好ましく、更にはその値が
0.30以上のものが好ましい。
【0072】上記Rの置換基の内、好ましくはヒドロキ
シ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、
ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はメルカプト基の有機又
は無機の塩、ヘテロ環基が挙げられ、更に好ましくはヒ
ドロキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はメルカプ
ト基の有機又は無機の塩、ヘテロ環基が挙げられ、特に
好ましくはヒドロキシ基、ヒドロキシ基又はメルカプト
基の有機又は無機の塩が挙げられる。
【0073】また上記X及びWの置換基の内、置換基中
にチオエーテル結合を有するものが好ましい。
【0074】次に一般式〔G〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0075】
【化19】
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】
【化22】
【0079】
【化23】
【0080】
【化24】
【0081】
【化25】
【0082】
【化26】
【0083】
【化27】
【0084】
【化28】
【0085】
【化29】
【0086】
【化30】
【0087】
【化31】
【0088】
【化32】
【0089】
【化33】
【0090】
【化34】
【0091】
【化35】
【0092】
【化36】
【0093】
【化37】
【0094】
【化38】
【0095】
【化39】
【0096】
【化40】
【0097】
【化41】
【0098】
【化42】
【0099】ヒドラジン誘導体としては、下記一般式
〔H〕で表される化合物が挙げられる。
【0100】
【化43】
【0101】式中、A0はそれぞれ置換基を有してもよ
い脂肪族基、芳香族基、複素環基又は−G0−D0基を、
0はブロッキング基を表し、A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル
基又はオキザリル基を表す。ここで、G0は−CO−
基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG11
−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)(G1
1)−基を表し、G1は単なる結合手、−O−基、−S−
基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族
基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に複数のD1
が存在する場合、それらは同じであっても異なってもよ
い。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。好ましいD0としては
水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基等が挙
げられる。
【0102】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであり、特に
炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好
ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オ
クチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げられ、
これらは更に適当な置換基(例えば、アリール基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルファ
モイル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換され
ていてもよい。
【0103】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ
る。A0の芳香族基、複素環基及び−G0−D0基は置換
基を有していてもよい。A0として、特に好ましいもの
はアリール基及び−G0−D0基である。
【0104】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を少なくとも一つ含むことが
好ましい。耐拡散基としては、カプラー等の不動性写真
用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラス
ト基としては、写真的に不活性であるアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル基、
フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げられ、置
換基部分の炭素数の合計は8以上であることが好まし
い。
【0105】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプ
ト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミ
ド複素環基、メルカプト複素環基或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0106】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0107】次に一般式〔H〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0108】
【化44】
【0109】
【化45】
【0110】
【化46】
【0111】
【化47】
【0112】
【化48】
【0113】
【化49】
【0114】その他に好ましく用いることのできるヒド
ラジン誘導体は、米国特許第5,545,505号カラ
ム11〜20に記載の化合物H−1〜H−29、米国特
許第5,464,738号カラム9〜11に記載の化合
物1〜12である。これらのヒドラジン誘導体は公知の
方法で合成することができる。
【0115】一般式〔G〕で表される化合物又はヒドラ
ジン誘導体の添加層は、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層
及び/又は感光層に隣接した層である。また添加量はハ
ロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程
度、抑制剤の種類等により最適量は一様ではないが、ハ
ロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モル程度、特に
10-5〜10-2モルの範囲が好ましい。
【0116】また本発明の熱現像感光材料には、米国特
許第5,545,505号に記載のヒドロキシルアミン
化合物、アルカノールアミン化合物やフタル酸アンモニ
ウム化合物、米国特許第5,545,507号に記載の
ヒドロキサム酸化合物、米国特許第5,558,983
号に記載のN−アシル−ヒドラジン化合物、米国特許第
5,545,515号に記載のアクリロニトリロ化合
物、米国特許第5,937,449号に記載のベンズヒ
ドロールやジフェニルフォスフィンやジアルキルピペリ
ジンやアルキル−β−ケトエステルなどの水素原子ドナ
ー化合物、などの硬調化促進剤を添加することが好まし
い。その中でも下記一般式(P)で表される4級オニウ
ム化合物が好ましく用いられる。
【0117】
【化50】
【0118】式中、Qは窒素原子又は燐原子を表し、R
1、R2、R3及びR4は各々、水素原子又は置換基を表
し、X-はアニオンを表す。尚、R1〜R4は互いに連結
して環を形成してもよい。
【0119】一般式(P)において、R1〜R4で表され
る置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基
等)、アルケニル基(アリル基、ブテニル基等)、アル
キニル基(プロパルギル基、ブチニル基等)、アリール
基(フェニル基、ナフチル基等)、複素環基(ピペリジ
ニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ピリジル
基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフリル基、テ
トラヒドロチエニル基、スルホラニル基等)、アミノ基
等が挙げられる。
【0120】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、
キヌクリジン環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられ
る。
【0121】R1〜R4で表される基はヒドロキシル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、ス
ルホ基、アルキル基、アリール基等の置換基を有しても
よい。
【0122】R1、R2、R3及びR4としては、水素原子
及びアルキル基が好ましい。
【0123】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0124】更に好ましくは下記一般式(Pa)、(P
b)又は(Pc)で表される化合物、及び下記一般式
〔T〕で表される化合物である。
【0125】
【化51】
【0126】式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、含
窒素複素環を完成させるための非金属原子群を表し、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベンゼン
環が縮合しても構わない。A1、A2、A3、A4及びA5
で構成される複素環は置換基を有してもよく、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。置換基としては、アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、カル
ボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、
ウレイド基、アミノ基、スルホンアミド基、スルホニル
基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ
基、アリールチオ基を表す。A1、A2、A3、A4及びA
5の好ましい例としては、5〜6員環(ピリジン、イミ
ダゾール、チオゾール、オキサゾール、ピラジン、ピリ
ミジン等の各環)を挙げることができ、更に好ましい例
として、ピリジン環が挙げられる。
【0127】BPは2価の連結基を表し、mは0又は1
を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリー
レン基、アルケニレン基、−SO2−、−SO−、−O
−、−S−、−CO−、−N(R6)−(R6はアルキル
基、アリール基、水素原子を表す)を単独又は組み合わ
せて構成されるものを表す。Bpとして好ましくは、ア
ルキレン基、アルケニレン基を挙げることができる。
【0128】R1、R2及びR5は各々、炭素数1〜20
のアルキル基を表す。又、R1及びR2は同一でも異って
いてもよい。アルキル基とは、置換或いは無置換のアル
キル基を表し、置換基としては、A1、A2、A3、A4
びA5の置換基として挙げた置換基と同様である。
【0129】R1、R2及びR5の好ましい例としては、
それぞれ炭素数4〜10のアルキル基である。更に好ま
しい例としては、置換或いは無置換のアリール置換アル
キル基が挙げられる。
【0130】Xp -は分子全体の電荷を均衡させるのに必
要な対イオンを表し、例えば塩素イオン、臭素イオン、
沃素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンス
ルホナート、オキザラート等を表す。npは分子全体の
電荷を均衡さすに必要な対イオンの数を表し、分子内塩
の場合にはnpは0である。
【0131】
【化52】
【0132】上記一般式〔T〕で表されるトリフェニル
テトラゾリウム化合物のフェニル基の置換基R5、R6
7は、水素原子もしくは電子吸引性度を示すハメット
のシグマ値(σP)が負のものが好ましい。
【0133】フェニル基におけるハメットのシグマ値は
多くの文献、例えばジャーナル・オブ・メディカルケミ
ストリー(Journal of Medical C
hemistry)20巻、304頁、1977年に記
載のC.ハンシュ(C.Hansch)等の報文等に見
ることが出来、特に好ましい負のシグマ値を有する基と
しては、例えばメチル基(σP=−0.17以下何れも
σP値)、エチル基(−0.15)、シクロプロピル基
(−0.21)、n−プロピル基(−0.13)、is
o−プロピル基(−0.15)、シクロブチル基(−
0.15)、n−ブチル基(−0.16)、iso−ブ
チル基(−0.20)、n−ペンチル基(−0.1
5)、シクロヘキシル基(−0.22)、アミノ基(−
0.66)、アセチルアミノ基(−0.15)、ヒドロ
キシ基(−0.37)、メトキシ基(−0.27)、エ
トキシ基(−0.24)、プロポキシ基(−0.2
5)、ブトキシ基(−0.32)、ペントキシ基(−
0.34)等が挙げられ、これらは何れも一般式〔T〕
の化合物の置換基として有用である。
【0134】nは1或いは2を表し、XT n-で表される
アニオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオ
ン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、硝酸、硫酸、
過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等
の有機酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp−
トルエンスルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼン
スルホン酸アニオン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン等の高級アルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ラウリルスルフェートアニオン等の高級アルキル硫
酸エステルアニオン、テトラフェニルボロン等の硼酸系
アニオン、ジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート
アニオン等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、
セチルポリエテノキシサルフェートアニオン等の高級脂
肪酸アニオン、ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに
酸根のついたもの等を挙げることができる。
【0135】以下、4級オニウム化合物の具体例を下記
に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0136】
【化53】
【0137】
【化54】
【0138】
【化55】
【0139】
【化56】
【0140】
【化57】
【0141】
【化58】
【0142】
【化59】
【0143】
【化60】
【0144】
【化61】
【0145】
【化62】
【0146】上記4級オニウム化合物は公知の方法に従
って容易に合成でき、例えば上記テトラゾリウム化合物
はChemical Reviews 55 p.33
5〜483に記載の方法を参考にできる。
【0147】これら4級オニウム化合物の添加量は、ハ
ロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1モル程度、好ま
しくは1×10-7〜1×10-1モルである。これらはハ
ロゲン化銀粒子形成時から塗布までの任意の時期に感光
材料中に添加できる。
【0148】4級オニウム化合物は、単独で用いても2
種以上を適宜併用して用いてもよい。また感光材料の構
成層中のいかなる層に添加してもよいが、好ましくは感
光層を有する側の構成層の少なくとも1層、更には感光
層及び/又はその隣接層に添加する。
【0149】本発明において、有機銀塩は還元可能な銀
源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及び
ヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましく
は15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含
窒素複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の
銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀
塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Resear
ch Disclosure第17029及び2996
3に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例
えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、
パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシア
ルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロ
ピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−
3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキ
シ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯
体(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブ
チルアルデヒドのようなアルデヒド類とサリチル酸、ベ
ンジル酸3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオ
ジサリチル酸のようなヒドロキシ置換酸類);チオエン
類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチ
ル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チ
オエン及び3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チ
アゾリン−2−チオエン);イミダゾール、ピラゾー
ル、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テ
トラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,
4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択され
る窒素酸と銀との錯体または塩;サッカリン、5−クロ
ロサリチルアルドキシム等の銀塩;メルカプチド類の銀
塩等が挙げられる。好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキ
ジン酸銀および/またはステアリン酸銀である。
【0150】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、
前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作
製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよ
い。
【0151】本発明におけるハロゲン化銀粒子は光セン
サーとして機能するものである。本発明においては、画
像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得
るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒
子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01〜
0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好ましい。
ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体
或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲ
ン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、
例えば、球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、
ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径
をいう。またハロゲン化銀は単分散であることが好まし
い。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散
度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であ
り、特に好ましくは0.1%以上20%以下となる粒子
である。
【0152】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 本発明においては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1
μm以下で、かつ単分散粒子であることがより好まし
く、この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0153】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラ
ー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における
〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用した
T.Tani;J.Imaging Sci.,29,
165(1985)により求めることができる。
【0154】またもう一つの好ましいハロゲン化銀の形
状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、投影
面積の平方根を粒径rμmとして、垂直方向の厚みをh
μmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のもの
をいう。その中でも好ましくは、アスペクト比が3以上
50以下である。また粒径は0.1μm以下であること
が好ましく、さらに0.01〜0.08μmが好まし
い。これらは米国特許第5,264,337号、同5,
314,798号、同5,320,958号等に記載さ
れており、容易に目的の平板状粒子を得ることができ
る。本発明においてこれらの平板状粒子を用いた場合、
さらに画像の鮮鋭性も向上する。
【0155】ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳
剤は、P.Glafkides著Chimie et
Physique Photographique(P
aul Montel社刊、1967年)、G.F.D
uffin著 Photographic Emuls
ion Chemistry(The Focal P
ress刊、1966年)、V.L.Zelikman
et al著Making and Coating
Photographic Emulsion(Th
e Focal Press刊、1964年)等に記載
された方法を用いて調製することができる。
【0156】本発明に用いられるハロゲン化銀には、照
度不軌改良や改良調整のために、元素周期律表の6族か
ら10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有す
ることが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、C
o、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、I
r、Pt、Auが好ましい。
【0157】感光性ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、
フロキュレーション法等、当業界で知られている方法の
水洗により脱塩することができるが、本発明においては
脱塩してもしなくてもよい。
【0158】本発明における感光性ハロゲン化銀粒子
は、化学増感されていることが好ましい。好ましい化学
増感法としては、当業界でよく知られているように硫黄
増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白
金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や
還元増感法を用いることができる。
【0159】本発明においては感光材料の失透を防ぐた
めには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換
算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であるこ
とが好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得ら
れる。また銀総量に対するハロゲン化銀の量は、重量比
で50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは
0.1%〜15%の間である。
【0160】本発明の熱現像材料には還元剤を内蔵させ
ることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国特許第
3,770,448号、同3,773,512号、同
3,593,863号、及びResearch Dis
closure第17029及び29963に記載され
ており、次のものが挙げられる。
【0161】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノ−2−シク
ロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノレダクト
ン類(reductones)エステル(例えば、ピペ
リジノヘキソースレダクトンモノアセテート);N−ヒ
ドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル
−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒド
ラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒ
ドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファ
ーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例え
ば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプ
ロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェ
ニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例
えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミ
ドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシム類;アジン類;脂肪族カルボ
ン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合
わせ;ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの
組み合わせ;レダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロ
キサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の
組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β
−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の
組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノ
ール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン
等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、
2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,
4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メ
シトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチ
リデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノー
ル)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体;ヒンダード
フェノール類;3−ピラゾリドン類。中でも特に好まし
い還元剤は、ヒンダードフェノール類である。ヒンダー
ドフェノール類としては、下記一般式(A)で表される
化合物が挙げられる。
【0162】
【化63】
【0163】式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−ト
リメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数
1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブ
チル)を表す。
【0164】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定さ
れるものではない。
【0165】
【化64】
【0166】
【化65】
【0167】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×
10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルであ
る。
【0168】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、
ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。
【0169】親水性でも疎水性でもよいが、本発明にお
いては、熱現像後のカブリを低減させるために、疎水性
透明バインダーを使用することが好ましい。好ましいバ
インダーとしては、ポリビニルブチラール、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレ
タンなどがあげられる。その中でもポリビニルブチラー
ル、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリエステルは特に好ましく用いられる。
【0170】感光材料の表面を保護したり擦り傷を防止
するために、感光層の外側に非感光層を有することがで
きる。これらの非感光層に用いられるバインダーは感光
層に用いられるバインダーと同じ種類でも異なった種類
でもよい。
【0171】本発明においては、熱現像の速度を速める
ために、感光性層のバインダー量が1.5〜10g/m
2であることが好ましい。さらに好ましくは1.7〜8
g/m2である。1.5g/m2未満では、未露光部の濃
度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0172】本発明においては、感光性層側にマット剤
を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防
止のためには、感光材料の表面にマット剤を配すること
が好ましく、そのマット剤を感光層側の全バインダーに
対し、重量比で0.5〜30%含有することが好まし
い。また、支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を
設ける場合は、非感光層側の少なくとも1層中にマット
剤を含有することが好ましく、感光材料のすべり性や指
紋付着防止のためにも感光材料の表面にマット剤を配す
ることが好ましく、そのマット剤を感光層側の反対側の
層の全バインダーに対し、重量比で0.5〜40%含有
することが好ましい。
【0173】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。
【0174】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少
なくとも一層の感光層を有している。支持体の上に感光
層のみを形成しても良いが、感光層の上に少なくとも1
層の非感光層を形成することが好ましい。感光層に通過
する光の量又は波長分布を制御するために感光層と同じ
側にフィルター染料層および/又は反対側にアンチハレ
ーション染料層、いわゆるバッキング層を形成しても良
いし、感光層に染料又は顔料を含ませても良い。
【0175】これらの非感光性層には前記のバインダー
やマット剤を含有することが好ましく、さらにポリシロ
キサン化合物やワックスや流動パラフィンのようなスベ
リ剤を含有してもよい。
【0176】また、本発明の熱現像感光材料には、塗布
助剤として各種の界面活性剤が用いられる。その中でも
フッ素系界面活性剤が、帯電特性を改良したり、斑点状
の塗布故障を防ぐために好ましく用いられる。
【0177】感光層は複数層にしても良く、また階調の
調節のため感度を高感層/低感層又は低感層/高感層に
しても良い。
【0178】本発明に用いられる好適な色調剤の例は、
Research Disclosure第17029
号に開示されている。
【0179】本発明の熱現像感光材料には、現像を制御
するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の
保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジス
ルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ
る。
【0180】本発明の熱現像感光材料中には、かぶり防
止剤が含まれて良い。各種の添加剤は感光層、非感光
層、又はその他の形成層のいずれに添加しても良い。本
発明の熱現像感光材料には、例えば界面活性剤、酸化防
止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を
用いても良い。これらの添加剤及び上述したその他の添
加剤はResearch Disclosure It
em17029(1978年6月p.9〜15)に記載
されている化合物を好ましく用いることができる。
【0181】本発明で用いられる支持体は、現像処理後
に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の
変形を防ぐためにプラスチックフィルム(例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレ
ンナフタレート)であることが好ましい。
【0182】その中でも好ましい支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下、PETと略す)及びシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含む
プラスチック(以下、SPSと略す)の支持体が挙げら
れる。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好
ましくは70〜180μmである。
【0183】また熱処理したプラスチック支持体を用い
ることもできる。採用するプラスチックとしては、前記
のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれ
らの支持体を製膜後、感光性層が塗布されるまでの間
に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、
好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40
℃以上高い温度で加熱することがよい。但し、支持体の
融点を超えた温度で加熱しては本発明の効果は得られな
い。
【0184】本発明においては、帯電性を改良するため
に金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導電
性化合物を構成層中に含ませることができる。これらは
いずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、
バッキング層、感光層と下引の間の層などである。
【0185】
【実施例】
実施例1 (PET支持体の作製)PETペレットを130℃で4
時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイから押し出
した後急冷し、未延伸のフィルムを作製した。これを周
速の異なるロールを用い3.0倍に縦延伸、ついでテン
ターで4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそ
れぞれ110℃、130℃であった。この後、240℃
で20秒間熱固定後、これと同じ温度で横方向に4%緩
和した。この後テンターのチャック部をスリッターした
後、両端にナール加工を行い、4kg/cm2で巻き取
った。このようにして巾2.4m、長さ800m、厚み
100μmのロールを得た。110、120、150、
175μm等の厚みをもったPET支持体は、未延伸時
のフィルムの膜厚調整を行い、あとは100μm支持体
作製時と同様に行った。膜厚は断面を電子顕微鏡で撮影
し長さを測定した。どの厚みのPETもガラス転移点は
79℃であった。
【0186】(下引済みPET支持体の作製)PETフ
ィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施
し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.3
μmになるように塗設し、乾燥させて下引層A−1と
し、また反対側の面に下記帯電防止加工した下引塗布液
b−1を乾燥膜厚0.3μmになるように塗設し、乾燥
させて帯電防止加工下引層B−1とした。
【0187】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30重量%) t−ブチルアクリレート(20重量%) スチレン(25重量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25重量%)の共重合体ラテックス液 (固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g 水で1Lに仕上げる 《下引塗布液b−1》 SnO2/Sb(9/1 重量比、平均粒径0.18μm) 200mg/m2になる量 ブチルアクリレート(30重量%) スチレン(20重量%) グリシジルアクリレート(40重量%)の共重合体ラテックス液 (固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる 引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、
8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上
には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μm
になる様に、下引層A−2として、下引層B−1の上に
は下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmにな
る様に、帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設
した。
【0188】 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.08g/m2になる重量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1Lに仕上げる 《下引上層塗布液b−2》 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1Lに仕上げる。
【0189】
【化66】
【0190】
【化67】
【0191】(支持体の熱処理)上記の下引済み支持体
の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、
その後徐々に冷却した。下引の膜厚として、0.12μ
mとなるようにした。
【0192】(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水900m
l中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10
mgを溶解して、温度35℃、pHを3.0に合わせた
後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(60/3
8/2)のモル比の塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃
化カリウムを含む水溶液及び〔Ir(NO)Cl5〕塩
を、銀1モル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩
を銀1モル当たり1×10-6モルを、pAg7.7に保
ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。
その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7
−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを8.
0、pAgを6.5に調整することで還元増感を行い、
ハロゲン化銀乳剤Aを得た。この乳剤Aは平均粒子サイ
ズ0.06μm、単分散度10%の投影直径面積の変動
係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒
子であった。この乳剤Aにゼラチン凝集剤を用いて凝集
沈降させ脱塩処理を行った。
【0193】(ベヘン酸Na溶液の調製)945mlの
純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ス
テアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で撹
拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98ml
を添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55
℃に冷却して30分撹拌させてベヘン酸Na溶液を得
た。
【0194】(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレ
フォーム乳剤の調製)上記のベヘン酸Na溶液に、前記
ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し、水酸化ナトリ
ウム溶液でpH8.1に調整した後に、1Mの硝酸銀溶
液147mlを7分間かけて加え、さらに20分撹拌
し、限外濾過により水溶性塩類を除去した。できたベヘ
ン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒
子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除
き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させた。
【0195】(感光性乳剤の調製)できあがったプレフ
ォーム乳剤を分割し、それにポリビニルブチラール(平
均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17w
t%)を表1に示す膜厚となる量とトルエン107g
を、徐々に添加して混合した後に、0.5mmサイズZ
rO2のビーズミルを用いたメディア分散機で、400
0psiで30℃、10分間の分散を行った。
【0196】前記支持体上に以下の各層を両面同時塗布
し、試料を作製した。尚、乾燥は60℃、15分間で行
った。
【0197】〔バック面側塗布〕支持体のB−1層の上
に以下の組成の液を塗布した。
【0198】 セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液) 15ml/m2 染料−A 7mg/m2 染料−B 7mg/m2 マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ8μm単分散シリカ 90mg/m2817(CH2CH2O)12817 50mg/m2917−C64−SO3Na 10mg/m2
【0199】
【化68】
【0200】〔感光層面側塗布〕 感光層1:支持体のA−1層の上に以下の組成の液を、
塗布銀量が2.4g/m2になる様に塗布した。
【0201】 感光性乳剤 240g 増感色素(0.1%メタノール溶液) 1.7ml ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml 酸化剤(10%メタノール溶液) 1.2ml 2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸(12%メタノール溶液) 9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml ヒドラジン誘導体(表1に示す) 0.4g シアノビニル化合物 4.0g 硬調化促進剤P−51 0.3g フタラジン 0.6g 4−メチルフタル酸 0.25g テトラクロロフタル酸 0.2g 平均粒径3μmの炭酸カルシウム 0.1g A−4(20%メタノール溶液) 20.5ml イソシアネート化合物(モーベイ社製、Desmodur N3300) 0.5g
【0202】
【化69】
【0203】〔表面保護層塗布〕以下の組成の液を感光
層の上になるよう同時塗布した。
【0204】 アセトン 5ml/m2 メチルエチルケトン 21ml/m2 セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラジン 250mg/m2 A−4(20%メタノール溶液) 10ml/m マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 5mg/m2 CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2 35mg/m2 フッ素系界面活性剤 C1225(CH2CH2O)101225 10mg/m2817−C64−SO3Na 10mg/m2 感光層側の表面のスムースター値は25mmHgであ
り、バッキング側の表面のスムースター値は200mm
Hgであった。なおスムースター値の測定は、試料を未
露光のまま、23℃、48%RHで2時間調湿し、同じ
環境で感光層側の表面のスムースター値を、東洋電子工
業(株)製SM−6Bにより測定した。
【0205】塗膜形成した後の試料を用い、バインダー
を除去した後に、レプリカ法で電子顕微鏡観察して測定
したところ、有機銀粒子は長軸径0.5±0.05μ
m、短軸径0.4±0.05μm、厚み0.01μmの
平板状粒子が全有機銀粒子の90%である単分散度5%
の粒子であった。塗布した感光材料は、590mm×6
1m巻きのロール形状にし、明室装填用の包装形態とし
た。感光層の膜厚はプレフォーム乳剤を調製するところ
で使用したポリビニルブチラール(平均分子量3,00
0)を感光層調製の最後に添加し、表1の膜厚になるよ
う調製した。
【0206】〔露光および現像処理〕780nmに発光
ピークを有する半導体レーザーを搭載した、外面円筒式
の自作のレーザー感光計を用いて露光した。自作の水平
搬送方式(ローラーはチドリローラーでオーブンタイプ
の熱現像方式)の熱現像機を用いて、123℃、20秒
の現像処理を行った。
【0207】《感度》カブリ濃度(fog)+濃度3.
0を与える露光量の逆数を感度とし、実施例1は試料N
o.7、実施例2は試料No.5、実施例3は試料N
o.4、実施例4は試料No.6、実施例5は試料N
o.13、実施例6は試料No.1を100として相対
感度で示した。
【0208】《プレヒート温度》熱現像機の熱現像部前
のプレヒート部の温度を制御してプレヒート温度とし
た。プレヒート温度の記載がないものは、外気温とし
た。プレヒート時間は熱現像時間と同じ時間となるよう
にした。
【0209】《ガンマ》階調は特性曲線のカブリ濃度
(fog)を差し引いて濃度0.1と濃度1.5の点を
結ぶ直線の傾きとした。
【0210】《網点品質》レーザー感光計を用いて露光
した試料の50%出力の網点を100倍ルーペで観察
し、19段階評価した。「10.0」はフリンジがなく
網点の境目が非常になめらかで最良の品質、「6.0」
は網点周辺のガサツキは見られるが、通常のWETで処
理されるコンベンショナル銀塩のラス感材並で充分使用
に耐えうる品質、「5.0」がガサツキ大きく使用下限
レベル、「1.0」は点質がぼやけてたりガサツキがあ
まりにも多く、使用に適さない最低レベルとした。
【0211】《走査ムラ》各試料のアミ%が50%とな
るレーザー出力値でベタ露光したときの主走査側のムラ
を19段階評価した。「10.0」は濃度が高く、蛍光
灯の光にかざしてもまったくムラが見えないレベル、
「6.0」は正面から光をあてて反射光ではムラはまっ
たく見られないが、太陽光のような強い光にかざしたと
きわずかにムラが見えるレベル、但し実用上はまったく
問題ない。「5.0」は使用下限レベル、「1.0」は
明らかにムラが見え、濃度が低いところは濃度が0.3
以下であり使用不可の最低レベルとした。
【0212】《ΔS》熱現像機の搬送スピードを変え、
現像時間40秒と20秒の感度差をlogEで表した。
現像温度は123℃で、熱現像時間が40秒の時はプレ
ヒート時間も40秒となる。
【0213】上記項目についての評価結果を表1に示
す。
【0214】
【表1】
【0215】表1から明らかなように、いずれの評価項
目においても比較に比し、本発明が優れていることが分
かる。
【0216】実施例2 ヒドラジン誘導体を表2に示す如く変え、感光層の添加
の最後に微粒子として単分散シリカを添加(平均粒径と
添加量は表2に示す)した以外は、実施例1と同様に試
料を作製し、露光、現像を行い、同様の評価を行った。
なお、感光層の膜厚は13μmである。
【0217】平均粒径は電子顕微鏡で撮影し、不定形の
シリカの(長辺+短辺)/2を粒径とし、300個測定
した個数平均とした。実施例1と同様に露光、現像を行
い、同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0218】
【表2】
【0219】表2から明らかなように、いずれの評価項
目においても比較に比し、本発明が優れていることが分
かる。
【0220】実施例3 ヒドラジン誘導体を表3の如く変え、更に以下に示すよ
うにハロゲン化銀乳剤を変えた以外は、実施例1と同様
に試料を作製した。感光層の膜厚は13μmである。
【0221】ハロゲン化銀乳剤B〜F:ハロゲン化銀乳
剤Aと同様に調製したが、塩化ロジウム量を減らし、表
3に示す感度差となるように調製した。
【0222】ハロゲン化銀乳剤G:ハロゲン化銀乳剤A
と同様に調製したが、コントロールドダブルジェット法
の添加時間をハロゲン化銀乳剤Aより長くすることによ
って粒径を大きくし、表3に示す感度差となるように調
製した。
【0223】ハロゲン化銀乳剤A〜Gのプレフォーム乳
剤を調製した後、表3に示すような比率(Agmol
比)で混合した。実施例1と同様に露光、現像を行い、
同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0224】
【表3】
【0225】表3から明らかなように、いずれの評価項
目においても比較に比し、本発明が優れていることが分
かる。
【0226】実施例4 硬調化剤を表4の如く変え、シアノビニルは除き、表4
に示すレドックス化合物を感光層調製の添加剤の最後に
0.4g添加した以外は、実施例1と同様に試料を作製
した。感光層の膜厚は13μmである。実施例1と同様
に露光、現像を行い、同様の評価を行った。評価結果を
表4に示す。
【0227】
【表4】
【0228】表4から明らかなように、いずれの評価項
目においても比較に比し、本発明が優れていることが分
かる。
【0229】実施例5 ヒドラジン誘導体を表5の如く変え、バック面の染料量
を表5の780nmのAbsになるように添加した以外
は、実施例1と同様に試料を作製した。感光層の膜厚は
13μmである。実施例1と同様に露光、現像を行い、
同様の評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0230】
【表5】
【0231】表5から明らかなように、いずれの評価項
目においても比較に比し、本発明が優れていることが分
かる。
【0232】実施例6 ヒドラジン誘導体としてH−30を使用し、表6、表7
に示す構成の試料を作製した。実施例1と同様に露光、
現像を行い、同様の評価を行った。評価結果を表6、表
7に示す。
【0233】
【表6】
【0234】
【表7】
【0235】表6、表7から明らかなように、いずれの
評価項目においても比較に比し、本発明が優れているこ
とが分かる。
【0236】
【発明の効果】本発明によって、硬調化剤を使用する製
版用熱現像感光材料において、網点品質を劣化させるこ
となく軟調化させることができ、レーザー露光走査での
走査ムラを軽減することができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に有機銀粒子、感光性ハロゲン
    化銀粒子、還元剤、硬調化剤及び/又は4級オニウム塩
    化合物を含有する熱現像感光材料において、画像の階調
    γが6.0以上、14.0以下であることを特徴とする
    熱現像感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に有機銀粒子、感光性ハロゲン
    化銀粒子、還元剤、硬調化剤及び/又は4級オニウム塩
    化合物を含有する熱現像感光材料において、以下の条件
    の少なくとも1つを満足することを特徴とする請求項1
    に記載の熱現像感光材料。 (1)感光層の厚みが16μm以上、25μm以下であ
    ること (2)感光層中に平均粒径0.02μm以上、1.0μ
    m以下の微粒子を5mg/m2以上、50mg/m2以下
    含有すること (3)感度差が0.03logE以上、0.15log
    E以下のハロゲン化銀粒子を2種以上含有し、各々の粒
    子がmol比で少なくとも10mol%以上であること (4)レドックス化合物を含有すること (5)支持体をはさんで感光層とは反対側の写真構成層
    の露光波長における吸収が0.3以上、0.7未満であ
    ること
  3. 【請求項3】 熱現像自現機の熱現像部の前にプレヒー
    ト部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃で
    あることを特徴とする請求項1又は2の熱現像感光材料
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 支持体の厚みが110μm以上、150
    μm以下であることを特徴とする請求項1又は2の熱現
    像感光材料。
  5. 【請求項5】 支持体の厚みが110μm以上、150
    μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の熱現
    像感光材料の処理方法。
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